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第46回 日本 聴 覚 医学会 総 括 報 告
第1群 (主題) 遺伝 性 難 聴1 1. 遺 伝 性 難 聴 と甲状 腺 疾 患-ペ ン ドレ ッ ド症 候 群 について-: 梅 岡比 俊 (野 口病 院) 他 。 当 院 を受 診 した先 天 性 高 度難 聴 を有 す る18家 系, 21名 にPDS 遺 伝 子 解 析 を行 った 。 前庭 水 管 拡 大 を伴 う症 例9例 中7例 でPDS遺 伝 子 変 異 を認 め た。 PDS変 異 陽性 群 は変 異 陰 性 群 と比 較 す る と前 庭 水 管 の直 径 に関 し て有 意 差 を認 めた 。 また, Mondini奇 形 は5例 に認 め られ, そ の 内4例 は前庭 水 管 拡 大 を伴 い, 3例 は PDS変 異 陽性 で あ った 。 甲状 腺 機 能 は21例 中15例 で 正 常, 6例 で 機 能 異常 を認 め た。 質 問: 工 藤 (千葉 こど も病 院) 遺 伝 子検 索 は どこにお願 いすべ きか。 応 答: 当院 と信 州 大学 以 外 は承 知 して い ない 。 座 長: イ ンフ ォー ム ドコ ンセ ン トを お こな い, 患 者 さん が 希 望 す れ ばサ ンプル を送 って もらえば解析 は可 能 。 質 問: 宇 佐 美 (信大) 蝸 牛 の低 形 成 の有 無 にか か わ ら ず, 難 聴 が 起 こ る原 因 は何 か。 応 答: い くつ か の仮 説 が あ るが, 結 論 は得 られ て い な い。 2. Pendred症 候 群 と考 え られ た1症 例: 小 田真 琴 (金沢 医 大) 他 。 2歳 時 に発 熱 後 か らの難聴 の出 現 が 疑 わ れ, 聴 力 の変 動 を繰 り返 して い るPendred 症 候 群 症 例 を経 験 した。 CTに て 両 側 前 庭 水 管 拡 大 を認 め, び まん性 甲状 腺 腫, 両 側 高 度 感 音 難聴, ヨ ー ド有 機 化 障 害 を呈 して い た。 カロ リックテス トで 左CP, 甲状 腺 機 能 はほ ぼ保 たれて いた。 PDS遺 伝 子 検 索 は, 患 者 さん が希 望 され ず行 っ て い ない 。 遺 伝 子 検 索 を どの よ う にす す め るべ きか, 遺 伝 子 解析 を よ く行 って い る施 設 か らの意 見 を聞 きた い 。 座 長: 遺 伝 子 検 索 の メ リッ ト, デ メ リ ッ トを よ く説 明 し, 同意 を得 る こ とが 必 要 。 質 問: 木 村 (富山 医 薬 大) 難 聴 と甲状 腺 疾 患 を合 併 しやす いの は どうしてか。 応 答: PDS遺 伝 子 が 内耳 と甲状 腺 に発 現 す るた め。 3. 特 発性 難聴 と診 断 され たが, PDS遺 伝 子検 索 に よ り前 庭 水 管拡 大 を伴 う非 症 候 群 性 難 聴 と判 明 し た一 例: 塚 本 耕 二 (信大) 他 。 3歳 以 前 か らの難 聴 で聴 力 の 変 動 が認 め られ, 特 発 性 難 聴 との 診 断 で 治 療 を受 け て いた10歳 女児 の症 例 を報 告 した 。 甲状 腺 機 能 は正 常, 明 らか な 甲状 腺 腫 は認 め られ なか っ た。 CTに て 両側 前庭 水 管 拡 大 が 認 め られ, PDS遺 伝 子 検 索 を行 った 。 本人 にH723R (ホモ 接合 体), 両 親 共 にH723R (ヘテ ロ接 合 体) の変 異 が 認 め られ た 。 家 族 歴 で は難 聴 者 は存 在 せ ず, 孤 発 例 と考 え られ て い た が遺 伝 子 検 索 に よ って遺 伝 性 難 聴 で あ る こ とが 明 らか に な った 。 この症 例 の よ うに特 発 性 難 聴 と診 断 され た難 聴 症 例 の 中 にPDS遺 伝 子 変 異 に よる「前 庭 水 管 拡 大 を伴 う非症 候 群 性 難 聴 」 が 隠 れ て い る可 能 性 が あ り, 注 意 が 必 要 で あ る と思 われ た 。 質 問: 奥 野 (三井 記 念 病 院) 難聴 に対 し, 前 庭 水 管 拡 大 の 果 た して い る役 割 は何 か 。 応 答: 難 聴 の生 じ る機序 に は い くつ か の説 が あ るが, 確 定 した説 は ない 。 質 問: 細 井 (奈良 医 大) 聴 力 変 動 の誘 因 は何 か, また 補 聴 器 の使 用 状 況 は。 応 答: 頭 部 の軽 度 打 撲 等 で聴 力 低 下 が 起 こる とい う報 告 もあ るが, 今 回 の症例 で は誘 因 無 し。 また, 補 聴 器 は 自分 で感 度 を調 整 して 使 用 してい る。 質 問: 橋 本 (東北 大) 両 親 がH723R のヘ テ ロ接 合 体 だ が, そ の上 の家 系 は ど うな って い るの か, また 甲状 腺 腫 に対 す る注 意 点 は何 か。 応 答: 祖 父 母 の 出身 地 が 異 な るた め, 血 族 結 婚 で は ない と 考 え て い る。 また 甲状 腺 腫 は肥 大 が進 む と気 管 切 開 が必 要 とな った 例 もあ るた め, そ の点 に つ き注 意 が 必 要 で あ る。 (宇佐 美 真 一) 第2群 (主題) 遺伝 性 難 聴2 4. ア ミノ グ リコ シ ド系薬 剤 性 難 聴 患 者 の ミ トコ ン ド リア 遺 伝 子 解 析: 吉 田 瑞 生 (札幌 医 大) 他 。 SM難 聴 患 者6例 とその血 縁 者 について ミ トコ ン ドリ ア遺 伝 子 解 析 を行 い, 6例 中4例 にA1555G変 異, 1例 に961delT変 異 を認 め, 特 に後 者 の臨 床 像 につ い て報 告 した 。 質 問: 新 川 (弘前大) 961delT変 異 に よる難聴 は進 行 す るか 。 また, A1555G変 異 と臨 床 像 は どの よ うに異 な るか 。 応 答: 進 行 す るか否 か, 今 後 の経 過 観 察 が 必 要 と考 え る。 A1555G変 異 と異 な る臨 床 的特 徴 を持 つ 可 能性 もあ り, 十 分 な検 討 を要す る。 質 問: 矢 部 (国立 東 京 災害 医療 セ ン ター) こ れ らの 患者 はSMの みで は な く, ア ミノ グ リコ シ ド 系 薬 剤 全 般 に対 し て難 聴 の感 受 性 が 高 い の か 。 応 答: SM以 外 のア ミノグ リコシ ド系 薬 剤 で も, A1555 G変 異 を認 め る症例 で は難 聴 を きた す との 報 告 が あ り, SMと 同様 に内耳 の易 障 害性 を考 慮 す る必 要 があ る。 今 回 は, 全例SMに よ る難 聴 で あ った 。 質 問: 服 部 (名大) SM投 与 予 定 患 者 にA1555G及 び961 delTの 解 析 を行 っ て陽 性 で あ った場 合, 臨床 的 に は どの よ うに対 処 す るの か。 応 答: 最終 的 な決 定 は, 実 際 に治 療 を行 う医 師 に よるが, 結核, 非 定 型 抗 酸 菌 症 の 治療 は多 剤 併 用 で行 うため, SM以 外 の薬 剤 へ の変 更 は可 能 ときい て い る。 耳 鼻 咽 喉科 医 と して, これ らの変 異 を持 つ症 例 が, SMに て難 聴 を きた しや す い 旨 を伝 え る こ とは重 要 と考 え る。 質 問: 宇 佐 美 (信大) 人 工 内耳 を施 行 した 患 者 の成 績 は どうだ った か 。 応 答: A1555G変 異 を認 め た2例 の人 工 内耳 装 用 者 は一対 一 で の会 話 が 可 能 で 通常 の成 績 で あ る。 5. 先 天 性 難 聴 にお け るコネ キ シ ン (Cx) 26遺 伝 子 変 異 とそ の 臨 床 像: 南 詔 子 (岩手 医 大) 他 。 遺 伝 性 難 聴 症 例 に つ い て遺 伝 子解 析 を行 った と ころ, Cx26遺 伝 子変 異 が11家 系 に見 出 され た。 また, それ らの聴 力 像 の検 討 で 難聴 が進 行 す る症 例 が 一 部 に存 在 す る こ とを報 告 した 。 質 問: 新 川 (弘前 大) 本家 系 の 中 でCx26以 外 の難 聴 原 因 遺 伝 子 を検 索 したか 。 応 答: Cx26以 外 は検 索 していない。 質 問: 橋 本 (東 北 大) 何 家 系 検 査 した 中 の10家 系 でGJB2変 異 が見 つ か っ た のか 。 また, GJB2変 異 以外 に は何 が見 つ か っ た か。 応 答: 検 索 した約100家 系 中10家 系 にCx26 遺 伝 子 異 常 が見 出 された。 PDS遺 伝 子 変 異2家 系, ミ トコン ドリアA1555G変 異 は1家 系 に見 出 された 。 質 問: 野 口 (東京 医歯 大) 常 染 色 体 劣性 遺 伝 家 系 の 難 聴 者 に お いて ヘ テ ロ接 合 のGJB2遺 伝 子変 異 が認 め られ た 際, その 変異 と難 聴 との関係 は どの よ う に 考 えた らよい か 。 応 答: まだ同 定 され て い な い遺 伝 子 の変 異 が 考 え られ る。 また, プ ロモ ー タ ー領 域 に 遺 伝 子 変 異 が 存在 して い る こ と も考 え られ る。 6. 遠 視 と幅 広 い拇 指 を伴 った 遺伝 性 伝 音 難 聴: 東 野 哲 也 (宮崎 医大) 他 。 伝 音 難聴, 遠 視, 幅 広 い 拇 指 を基 本 症 候 とす るT-C症 候 群 の2家 系 につ いて そ の臨 床 像 を報 告 した。 質 問: 新 川 (弘前 大) 拇 指 形 態 異 常 の判 定 基 準 は あ るの か 。 応 答: 拇 指 の形 態 異常 や遠 視 は, 臨 床 的 に見 過 ごさ れや す い症 状 で あ るか ら, 先 天 性 伝 音難 聴 患者 を診 る際 は, over diag nosisで もよ い ので, 詳細 に記 録 し, 遺 伝 型 と対 応 さ せ てい く努 力 が必 要 と考 える。 質 問: 宇 佐 美 (信大) 全 身 の関 節 の中 で何 故, ア ブ ミ骨 と手 足 の 指 の み に 異 常 が くるのか。 応 答: Nogginの 作 用 が どうして特 定 の部 位 の関 節 の み に限 られ るか は不 明 で あ る。 発 生 過 程 で は全 身 の あ らゆる部 位 にNogginが 発 現 す る とされ, その機 能 的 意 義 は今 後 の課 題 であ る。 質 問: 橋 本 (東北大) 患者 の顔 貌 を含 めて個 人 を特 定 で き な い よ う に提 示 す べ きで は な いか 。 応 答: 顔 貌 を巻 き込 む症候 群 を説 明 す るた め に あ えて提 示 した が, 今 後, 学 会 として の コ ンセ ンサ ス が 求 め られ て い る と思 う。 (新川 秀 一) 第3群 聴 覚心 理 7. 異 な っ た臨 床 経 過 を示 した成 人 の機 能 性 難 聴 の2症 例: 車 哲 成 (愛知 医 大) 他 。 機 能 性 難 聴 の2症 例 が提 示 され た 。 質 問: 服 部 (京都 市) 初 診 時機 能 性 難 聴 を疑 った か 。 図2初 診 時, 右 オ ー ジオ グ ラ ム は感 音 性 で あ る。 悪化 時 の オ ー ジオ グ ラム は は じめ か らマ ス キ ン グ を行 っ た の か。 マ ス キ ン グ無 しで測 る と詐 聴 を発見 で き る こ と も多 い。 気 骨 導 共 患側 に イ ヤ ホ ン を当 て て も交 差 聴 取 が起 こる こ とを 知 らな い こ とを利 用 す る。 右 機 能 性 難 聴 また は詐 聴 か否 か診 断 で きたか 。 Stenger Testは 行 った か 。 応 答: 症 例2は 鼓 膜 所 見 を含 め て 混 合 性 難 聴 と した。 執 拗 に訴 え る な ど粘着 質 な 印象 を受 けた 。 機 能性 難 聴 との疑 い は持 た なか った。 マ ス キ ング は施 行 した。 ス テ ンガ ー 法 は行 わ な か った 。 中 耳 炎 改善 後 の純 音 聴 力 検 査 の域 値 と語 音 聴 力 検 査 にお け る語 音 聴 取 域 値 と弁 別 能 の解 離 か ら機 能 性 難 聴 を疑 った。 難 聴 以 外 に も多 くの症 状 を訴 えた こ とに よ りヒス テ リー難 聴 と した 。 質 問: 設 楽 (神奈 川) 視 野 狭 窄 はな か っ たか 。 応 答: 症 例 で は弱 視 が あ った た め視 野 の検 査 は し なか った。 症 例2で は視 力低 下 を指 摘 され た の みで あ った 。 8. 難聴 者 の聴 力 レベ ル と難 聴 の 主観 的評 価 の関 係: 清 水 朝 子 (厚生 中央 病 院) 他 。 聴 力 の測 定 値 と難聴 の 自覚 の間 に は有 意 の 関 係 はあ るが, 主 観 的 な ば らつ き は小 さい とは言 え な いの で, 主観 的 な難 聴 程 度 を問題 にす る際 に注意 を しな けれ ばな らない。
第46回 日本 聴 覚 医 学 会 総 括 報 告 3 質 問: 服 部 (京都 市) 図2の 人 数 は630人, 聴 力 の平 均値 は57.3で 予行 集 の数 字 は 間違 っ て い る。 補聴 器 着 用者 とそ うで ない もの との比 較 を出 すべ きで あ る。 応答: 補 聴 器 の有 無 に分 けて検 討 して い るが 今 回 の 発 表 に は入 れ なか った 。 9. 開業 医 のオ ー ジオ ロジー (3): きこえの新 天 地: 鰕 原 勇 (東京 都)。 末 梢 線 維 の周 波 数 分 布 域 を明 らか にす る 目的 で, 同 じパ ワー を持 つ 純音 と, そ の 純 音 を 中心 周 波 数 とす る臨 界 帯 域 雑 音 の 中 心 周波 数 の細 隙 狭 帯 域雑 音 との レベ ル を比 較 して, 細 隙雑 音 で は純 音 の域 値 レベ ル よ り小 さ い ので, 臨界 帯 域 雑 音 で は細 隙 帯域 の 周 囲 の周 波 数 積 分 が 行 わ れ て い る と推 定 してい る。 質 問: 服 部 (京都 市) 演 者 の10年, 3年 前 の聴 覚 覚 醒 野, 今 回 の き こえ の新 天 地 は50年 前Zwickerら の臨 界 帯 域 (CB) の研 究 の 中で 明 らか にされ てい る。 CB内 の成 分 音 のエ ネルギーが集 約 さ れ 域値 を形成 す る。 す べ て の感 覚 で域 値 下 の活 動 の あ る こ とは周知 で あ る。 Zwickerら は広帯 域 ノイ ズ で67dBの 水 平 型 マ スキ ングオ ー ジオ グ ラムでCBの 幅 は ノ イズ の な い場 合 と まっ た く変 らぬ 実験 を行 っ て い る。 之 に対 す る演 者 の見 解 如 何 。 応答: 測 定 法 とい うの は最 も 自信 の あ る方 法 で す るの が よい と思 い ます。 特 に聴 覚 心理 の測 定 法 はそ う思 って い ます 。 経 験 が な い と分 か らない こ とも多 い と思 って い ます 。 今 回 の測 定 法 は臨 界 帯域 とい う言葉 の 内容 とは違 っ て い ます。 域 値 下 の世 界 の話 で周 波 数 積 分 の働 き を み て い ます。 域 値 下 で こん な現 象 を見 た人 は世 界 に い ない と思 っ て い ます 。 言 葉 が 少 し似 た もの とい う だ けで, 本 質 的 な と ころ は違 うの で ない か と思 い ま す 。 1973年 ごろマス キング を使 って感 音 難 聴 のCBを 調 べ た こ とが あ りシ ンポ ジ ウ ム (仙台) で報 告 した ことが あ ります。 後 迷 路 障 害 でCBは 増 大 す る こ とが あ り ます が, 末梢 障 害 で は縮 小 傾 向で, 今 回 の 報 告 と似 て い ま した 。 質 問: 大 和 田 (東京 都) 細 隙 狭 帯 域 雑 音 で測 定 す る と, ISOの 域 値 よ り低 い値 が 得 ら れ る とい う こ とだ ろ うか 。 ISO域 値 は平 均 値 は測 定 方 法 で変 わ る。 この新 天 地 が 末梢 線維 の周 波 数 分 布 域 を示 す とい う結 び付 き は何 か 。 応 答: 「きこ えの新 天 地 」 とい うの は, 純 音 の域 値 と帯 域 雑 音 を構 成 す る成 分 音 の 「ス ペ ク トル レベ ル 」 の差 を意 味 して い ます 。 dB表 示 の 臨界 帯 域 とい うの はCB雑 音 の成分 音 の スペ ク トル レベ ル を云 い ます。 測 定 で 得 られ た 雑 音 の 「スペ ク トル レベ ル」 は純 音 よ り低 い値 に必 ず な り ます 。 た とえ ば10dBの レベ ル 差 とい うの は, 常 用対 数 で引 く と10Hzの 帯 域 幅, 20dBは100Hzの 帯 域 幅 にな ります。 純 音 を中心 とした上 下 幅 です。 基 底 板 上 の あ る帯 域 内 の興 奮 を寄 せ集 め て (積分) 域 値 が 生 じ る と考 え る のが 無 理 が 少 な い と考 え た わ け で す 。 先生 は もっ と良 い考 えが お あ りで す か。 あ っ た ら教 えて ほ しい で す。 (設楽 哲 也) 第4群 補 聴1 10. 人 工 内 耳 装 用児 と補 聴 器 装 用 児 の語 音 明 瞭度 の比 較-第2報-: 福 田 章 一 郎 (岡 山 か な りや 学 園) 他 。 補 聴 器 装 用児 の 矯 正 聴 力 と語 音 明 瞭 度 と の 関係 な らび に異 聴傾 向 か ら補 聴 器 装 用 効 果 を評 価 し, か つ人 工 内耳 装 用 児 の 語音 明 瞭度 と比 較 して そ れ ぞ れ の適 応 に つ い て検 討 した 。 質 問: 高 坂 (仙台 逓 信) 難聴 児 の補 聴 器 装 用 あ るい は人 工 内耳 装 用 を 決 定 す る際 に, どの よ うな過程 を踏 んで い るのか。 応 答: 高 度 難聴 児 を一 律 に人 工 内耳 の適 応 とす るの で は な く, 保護 者 と充 分 に話 し合 い の上, 希 望 に添 う か た ち で決 めて い る。 11. 補 聴 器 装 用 耳 と非装 用耳 に お け る純 音 聴 力 レ ベ ル と語 音 弁 別 能 の 経 時 変化: 高 岡養 三 (リオ ン補 聴 相 談 室) 他 。 補 聴 器 の 片 耳 装 用 者 が 数 年 を経 過 した後 に, どの よ うな聴 力 とな るか につ い て, 装 用 耳 と非 装 用耳 の比 較 検 討 を行 った 。 純 音 平 均 聴 力 レ ベ ル は両 耳 とも悪 化 したが, 両 耳 間 に有 意 差 を認 め なか った 。 しか し, 語 音 弁 別 能 につ い て は, 両 耳 間 に明 らか な差 が あ り, 非 装 用 耳 の明 瞭 度 が よ り低 下 す る傾 向 を認 め た 。 質 問 ・追 加: 中 川 (東京 臨海) 左 耳 と右 耳 を別 々 に統 計 処 理 したか 。 右 耳 優 位 とか, 左 脳 の言 語 優 位 を考 え る と左 右 そ れ ぞ れ の装 用 の 違 い に よ り弁 別 能 が 変 化 す る こ とが 予想 され る。 この よ うな視 点 で今 後 と も是 非 検 討 して欲 しい。 応 答: 左 右 ほ ぼ 同数 耳 を解 析 対 象 とした が別 々 に は統 計 処 理 していない。 今後 の課 題 としたい。 質 問: 小 寺 (帝 京 大) 1) 年齢 に よ る差 は? 2) メカ ニ ズ ム を ど う考 え るか? 3) 反 対 耳 に装 用 す る と明 瞭度 が改 善 す るか? 応答: 1) 平 均63.4歳 で, 若 い 年齢 の 対 象 が 少 な く比 較 は不 可能 で あ っ た。 2) 内 耳 よ り 中枢 の機 能 が何 らか の形 で 関与 して い る と思 わ れ る。 3) 一 部 は反 対 耳 に装 用 を始 め る と語 音 弁 別 能 が 改
善 し て い く とい う症 例 が 論 文 で 紹 介 さ れ て い る が, 大 部 分 は 改 善 せ ず に さ ら に 悪 化 す る と思 う。 追 加: 服 部 (京 都 市) 小 児 の 場 合 は 大 人 の 場 合 よ り装 用 耳 の 改 善 度 が 顕 著 で あ る。 しか し, 反 対 耳 に 装 用 し て も改 善 は 認 め ら れ な い 。 質 問: 高 坂 (仙 台 逓 信) 確 認 し て お き た い が 語 音 明 瞭 度 検 査 は ど の 様 に 行 っ た か 。 応 答: 補 聴 器 を は ず し て 受 話 器 に て 行 っ た 。 12. 補 聴 器 装 用 に よ っ て 語 音 明 瞭 度 が 著 明 に 改 善 す る 感 音 性 難 聴 例 で の 明 瞭 度 の 検 討: 真 鍋 未 希 (帝 京 大) 他 。 補 聴 器 を 装 用 し て 語 音 明 瞭 度 検 査 を 行 っ た 場 合 に は, そ の 改 善 度 にバ ラ ツ キ が み ら れ る。 そ こ で 装 用 後 の 語 音 明 瞭 度 改 善 に どの 様 な 語 音 が 大 き く関 与 し て い る の か を検 討 した 結 果, 無 声 子 音 の う ち サ 行, ハ 行, タ 行, 有 声 子 音 の う ち ダ 行, 鼻 音 の マ 行, 半 母 音 の ヤ 行, ラ行 で あ る こ とが 判 明 し た 。 質 問: 細 井 (奈 良 医 大) ア ナ ロ グ で 改 善 し な い 語 音 を デ ジ タ ル 信 号 処 理 (音 声 加 工 な ど) の タ ー ゲ ッ トに す る と 良 い と思 う が, 如 何 か? 応 答: 今 後 検 討 い た し ま す 。 質 問: 岡 本 (北 里 大) 裸 耳 明 瞭 度 を+30 dBで 検 査 し た の は最 高 明 瞭 度 を 想 定 し て の こ とか 。 応 答: は い 。 質 問: 高 坂 (仙 台 逓 信) 平 成7年 ま で の デ ー タ 解 析 の よ うだ が, デ ジ タ ル 補 聴 器 も含 ま れ て い る か 。 応 答: ま だ 含 め て い な い 。 13. 幼 児 聴 力 検 査 装 置 を 用 い たfunctional gain の 検 討: 古 賀 慶 次 郎 (慶 應 大) 他 。 COR, peep show用 の 検 査 装 置 を 用 い て 個 々 の 補 聴 器 装 用 者 の functional gainを 求 め て補 聴 効 果 を 推 定 す る こ との 妥 当 性 を種 々 な る 方 法 で 検 討 し た 結 果, 正 規 の 装 置 (リ オ ン製AA75) で のfunctional gainと 補 聴 器 の coupler gainの 一 致 率 と ほ ぼ 等 し い 一 致 率 が 得 られ た 。 従 っ て, 幼 児 聴 力 検 査 装 置 を 用 い たfunctional gainは あ る程 度 信 頼 で き る も の と判 定 し, こ の 場 合 はcoupler gainと の比 較 が 望 ま しい と結 論 し た 。 追 加: 高 坂 (仙 台 逓 信) 幼 児 聴 力 検 査 装 置 を用 い て 補 聴 器 装 用 効 果 を検 査 す る 場 合 に, 幼 児 に挿 耳 型 補 聴 器 を装 用 して 得 られ たfunctional gainが か な り信 頼 で き る も の で あ る こ と を 示 さ れ た が, い ろ い ろ な デ ー タ が 交 錯 し て い る た め に, 残 念 な が ら 直 ち に は理 解 し難 い 。 関 連 文 献 な ど を 読 ん で 更 に 正 し い 理 解 が 出 来 る よ う に 努 力 し た い 。 (高 坂 知 節) 第5群 補 聴2 14. 語 音 明 瞭 度 検 査 に よ る補 聴 効 果 の評 価: 佐 野 肇 (北里 大) 他 。 補 聴効 果 の評価 法 としての単 音 節 語 音 明 瞭度 検 査 に お い て, その提 示 レベ ル の妥 当性, 結 果 を判 定 す る評 価 法 につ いて検 討 した 。 その結 果, 良 聴 耳 の最 高 明瞭 度 は間 で 得 られ, そ の値 が ヘ ッ ド ホ ンで の最 高 明瞭 度 を上 回 るの を指標 とす るのが よ い と した。 また65dB提 示 で補 聴 耳 の明瞭 度 が裸 耳 の 明 瞭 度 よ り改善 す るの を指 標 とす る とよい とした。 質 問: 小 寺 (帝京 大) ① 呈 示 音65dBは 装 用 域 値30dB の難 聴 者 に は明 瞭度 が最 高 に な る レベ ル で はな い の で は。 ② 裸 耳 と補 聴 耳 の明 瞭 度 の差 を見 る に は, 平 均 聴 力 レベ ル に よって分 け るべ きで はないか。 応 答: ① 65dBで は最 高 明 瞭 度 に達 しない例 が多 い。 ② 明瞭 度 の改 善 の 目標 は, 聴 力 レベ ル に よ って 変 え るべ き で あ るか, 今 回 の 中等 度 難 聴 群 で は, 今 日呈 示 した レベル で い い と思 う。 質 問: 細 井 (奈良 医大) 70dB 近 辺 の人 は65dBSPLの 検 査 音 は聴 取 困難 な ので, 対 象 を よ り聴 力域 値 の低 い人 に 限 るべ きで は。 応 答: 60dB以 上 の症 例 は少 な く, 10耳 程 度 で あ る。 15. 音 場 にお け る語 音 聴 力 検 査 の検 討-雑 音提 示 方法 に よ る差 異 に つ い て-: 亀 井 昌代 (岩手 医 大) 他 。 相 関 雑 音 お よび無 相 関雑 音 負 荷 に よ る語 音 明 瞭 度 検 査 結 果 を比 較 した 。 無 相 関雑 音 の ほ うが 語 音 明 瞭度 を低 下 し, 補 聴 耳 で は雑 音 レベ ル が 低 くて も明 瞭度 に影 響 を与 えた 。 そ の た め雑 音 負 荷 に よ る補 聴 効 果 の評 価 に は, 無相 関雑 音 の方 が 適 して い る と報 告 した。 質 問: 白石 (九州 芸 工 大) 同一 雑 音 で も左 右 の ス ピー カ ー の配 列 を非対 称 に す れ ば無 相 関 雑 音 にな らな い か。 応 答: その よ うな雑 音 を聞 い て い な い の で, 何 と も言 え な い。 質 問: 服 部 (神戸 大) 純 音 に対 す るマ ス キ ング に関 して, 両 者 間 に差 が あ っ た か。 応 答: 今 回 は純 音 に関 して は検 討 して いない。 16. 補 聴 外 来 に お け る感 音 性難 聴 患者 の聴 力 域 値 と語 音 明 瞭 度 の分 布: 寺 島 邦 男 (帝京 大) 他 。 感 音 難 聴 者 の500, 1000, 2000Hzの 聴 力 レベ ル に よ り 聴 力 型 を分類 し, そ の語 音 明 瞭 度 の 分布 を検 討 した。 そ の結 果, 補 聴 器 の適合 法 の研 究 や補 聴 効 果 の研 究 を行 う場 合, 実 際 の難 聴 患 者 の聴 力 分布 を考慮 し, 研 究 対 象 を吟 味選 択 す る こ とで研 究 結 果 の 一般 性 を 推 測 す る こ とが 出 来, そ の有 用 性 を高 め る こ こ とが
第46回 日本 聴 覚 医学 会 総 括 報 告 5 出来 る と した 。 質 問: 田 内 (国立 リハ ビ リ) 提 示音 を域 値 上30dBに 限定 した の は, そ の点 で大 体 は最 高 語音 明瞭 度 が 得 られ る とい う考 えか らか。 応 答: そ の よ うな考 え か らで あ る。 質 問: 田 内 (国立 リハ ビ リ) 補 聴 効 果 の研 究 を実施 す る場 合 に は聴 力 型 別 に 細 か く分 類 して検 討 す る必 要 が あ るの か。 応 答: 小 寺 (帝京 大) 細 か く分類 す るの で はな く, 1000Hzを 5グ ル ー プ に分 類 し考 えれ ば, 一般 性 が推 論 で きる と考 え られ る。 17. 明 瞭 度 検 査 に お け る個 人 デ ー タ の有 意 差 検 定: 竹 内義 夫 (北里 大)。 裸 耳, 集音 器 装 着 耳 お よび 補 聴 器 装 用耳 に て, 20単 音 節 語 音 の 明 瞭度 検 査 をお こない 比較 検 討 し, McNemar χ2, χ2, Fisherの 正 確 確 率 法 によ り有 意 差 検 定 をお こな った。 その結果, 裸 耳 と集 音器 で の 明瞭 度 検 査 に は12例 中2例 に有 意 差 が 認 め られ た が, 他 は有 意 差 は認 め られ ず, 集 音 器 と補 聴 器 の 間 で は, 全 く有 意 差 が 認 め られ な か っ た。 また 検 定 率 を増 す に は語 数 の多 い語 表 を使 用 す る こ と, McNemarの 変 化 分 割 表 は 日本 語 の 無 意 味 単 音 節 の質 的 な分析 に対 して は非 常 に有 効 な方 法 で あ る と した。 質 問: 田 内 (国立 リハ ビ リ) 実 際 に50 音 節 の語 表 の場 合, 何 パ ー セ ン ト以 上 の差 を有 意 差 と判 定 した らよいのか。 応 答: χ2検定 の表 に示 した よ う に, 100%と50%で は その 幅 は異 な る。 そ の た め 一律 に10%と か15%と 決 め る こ とは出来 な い。 (田内 光) 第6群 補 聴3 18. 補 聴 器 装 用条 件 お よび補 聴 器 装 用 満足 度 に関 す る研 究: 吉 岡 豊 (川崎 医 療 福 祉 大) 他 。 補 聴 器 装 用 群 と装 用 に到 らな か っ た群 につ いて 年齢, 聴 力 検 査 を検 討 した 。 非 装 用 群 は語 音 弁 別 能 が 悪 か っ た。 装 用 者 の 満足 度 と聴 力 検 査 の間 に差 はなか った。 本 研 究 で は非 装 用 者 が 多 い こ とが 指 摘 され た。 また, 非 装 用 に到 る解 析 法 が不 十 分 で補 聴 器 の利 得, 最 大 出力, SISI, UCLな どの デ ー タ や装 用 意 欲 な どの重 要 な 主観 的 デ ー タ を個 別 に加 えて結 論 すべ きで あ ろ う。 語 音 弁 別 能 が 悪 くて も補 聴 器 が必 要 で か つ有 用 で あ る例 は多 く, 装 用 に到 る よ う一 層 の改 善 が 求 め られ る。 質 問: 白石 (九州 芸 工 大) 不 満 の 内容 と対 処 法 につ い て。 応 答: 騒 音 感 を訴 え られ る方 に対 し て は さ ら に音 質 調 整 や 出力 抑 制 をか けて対 応 して い る。 非 装 用 者 に対 す る定期 的 フ ォロ ー は行 って い な い。 質 問: 細 井 (奈良 医 大) 満 足 ・不 満 足 の判 断 基 準 は 「聞 こえ」 に関 す る こ との み か。 非 装 用 の 原 因 は。 応 答: 不 満 で あ る原 因 の 一 つ に期 待 度 が 高 す ぎ るの で は な い か と考 え, 装 用 前 に期 待 度 に関 す る ア ンケ ー トを行 っ て い る。 非 装 用者 の 中 に は本 人 が 必 要 を感 じて い な い者 が い る。 質 問: 岡本 (座長) 客 観 的 デ ー タ, 主観 的 デ ー タ とは。 応 答: 客 観 的 評 価 とは標 準化 され た 方法 で測 定 した 数値 的 な もの と し て い るがSISI検 査 等 の 結果 は含 ん でいな い。 必 要 性 や 審 美 性, 装 用感 な どは個 人 毎 に異 な るの で 主観 的 な もの とした 。 質 問: 三 輪 (山ロ コメ デ ィカル学 院) 補 聴 器 相 談 にお い て30名 中13名 の非 装 用 者 を出 す の は まず い。 来 院 す る難 聴 者 は何 らか の場 面 で 困 っ て い る。 て いね い に応 対 し, 必 ず 装 用 に到 らな くて は な らな い。 高 齢 にな る と一 度 だ め だ った ら二 度 と装 用 し よ う と思 わ ない 。 また, 少 しで も若 い う ち に補 聴 器 を使 え る よ うに な る必 要 が あ る。 とい う2点 の 理 由 で あ る。 QOLと は, 少 しで も便 利 に生 活 す る こ とで あ ろ う。 応 答: その 時 に必 ず補 聴 器 を装 用 す る とい う こ と よ り も長 い時 間 をか け る こ と も大 切 で は な い か と思 う。 19. 補 聴 器 装 用 経 験 の 有 無 に よ る受 診 動 機 と状 況: 寺 崎 雅 子 (小 田原 市 立 病 院) 他 。 補 聴 器 外 来 受 診 者 を経験 者 ・未 経 験者, 自 ら装 用希 望 ・他 人 か ら勧 め られ た, に分 けて, 就 業, 家庭 生活, 地 域 生 活 で の 困 難 度 を比 較 す る こ とに よ って, ニ ー ズ や 問 題 点 を抽 出 し, 今 後 の補 聴 に つ いて 考 察 した 。 他 人 指 摘 で は難 聴 の 自覚 が十 分 で ない こ とが 問題 で あ る。 具 体 的 困 難 場 面 を 自覚 あ るい は指 摘 す る こ とに よ り 聴 覚 リハ の具体 策 を立 て られ る。 対 策 は補 聴 器 だ け で な く環 境 整 備 や 社会 全体 の構 造 の変 容 な どに も及 ぶ。 質 問: 荒 尾 (あい ち小 児 保 険 医 療 総 合 セ ンター) 補 聴 器 装 用 状 況 と同 居 家 族 の有 無 に つ い て検 討 して あ れ ば教 え て ほ しい。 応 答: 独 居老 人 は 自分 か ら希 望 す る人 は少 な いが, 必 要性 を十分 説 明 した上 で 補 聴 器 を装 用 させ る。 質 問: 岡 本 (座長) 困難 度 の3 場 面 と装 用 の有 無 に つ い て, 職 業以 外 で は装 用 の有 無 と差 が な い よ うに見 えた が 。 応答: 平均 年齢 が74 歳 で あ るた め無 職 の人 が多 い。 この た め職 業 生 活 上 の困 難 度 が差 に出 た。 質 問: 岡本 (座長) 環 境 整 備 や 社 会 全 体 の構 造 の変 容 とは具 体 的 に は どうい う こ
とか 。 応 答: 難 聴 者 を理 解 す る環境 とは病 院 の呼 び 出 しな ど, ゆ っ く り, は っ き り何 度 も行 う。 また, 難 聴 者 自身 も紙 と鉛 筆 を持 っ てわ か らな い と こ ろは 書 い て も ら うな ど を考 え る こ とで あ る。 20. 補 聴 器 の 試 聴 を 中止 し た 症 例 に つ い て の 検 討: 杉 尾 雄 一 郎 (昭和 大) 他 。 89例 中32例 が 装 用 で きな か った 。 対 側 耳 へ2例, 買 い換 え3例, 自分 か ら希 望13例, 家族 か らの勧 め14例 にわ けて解 析 し た。 自分 か ら希 望 す る方 が装 用 に到 る例 が 多 い。 難 聴 の 自覚 の な い例 (他人 か らの勧 め) に は十 分 な説 明 が必 要 で あ る。 一 方, 試 聴 に よ り補 聴器 の 不 要性 を確 認 で きる とい うメ リッ トもある。 質 問: 岡 本 (座 長) 32例 も非 装 用 に到 るの は問題 な いか 。 応 答: 三 輪 (山ロ コメ デ ィ カル 学 院) 中止 症 例 は多 い が, こ の研 究 を踏 まえ て 「よ く患者 の訴 え を聴 き, き め細 か な対 応 を とる こ とが 肝 要 で あ る」 とい う一 節 が 大 切 で あ り, よっ て い う こ とはな い。 質 問: 岡 本 (座 長) 一般 外 来 か ら補 聴 器 外 来 へ 回 る過 程 で, セ レ ク トや オ リエ ンテ ー シ ョン は行 わ れ るか。 応 答: 一 般 外 来 初 診上, 家 族 が 補 聴 器 を希望 して も本 人 が 強 く 拒 否 す る場 合 は補 聴 器 外 来 を予 約 しない場 合 が あ る。 そ の際 は家族 に補 聴 器 装 用 に は本 人 の意 欲 が 重 要 で あ る こ と, 本人 に は難 聴 で あ る こ との不 利 益 を よ く 説 明 し, 家 族 で話 し合 っ て も らって い る。 軽 度 難 聴 者 や一 側 性 難聴 者 につ い て は 日常生 活 で の支 障 が あ れ ぼ積 極 的 に補 聴 器 の装 用 を勧 めて い る。 質 問: 河 野 (東京 医 大) 補 聴 器 の機種 に よ る差 はなか ったか。 応 答: 機 種 は全例 が ア ナ ロ グ補 聴 器 で デ ジタ ル は1 例 もな か った 。 機種 に よ る違 い は認 めな か っ た。 21. 高 齢 者 にお け る聴 覚 ハ ンデ ィー キ ャ ップ 自己 評 価 法 の検 討: 廣 田 栄 子 (国 際 医 療 福 祉 大) 他 。 自己 評 価 法 と してIUHW版 質 問 紙 を用 い, 純 音 聴 力, 語 音 聴 力 と比 較 した 。 聴 力 と自己 評 価 は高 い相 関 が あ った。 語 音 明 瞭 度 とは負 の相 関 が あ った 。 高 齢 者 で も60歳 台 は障 害観 も強 く, 補 聴 意 欲 も強 か っ た。 70歳 以 降 で は む し ろ低 下 した。 高 齢 者 は全 般 に 障 害 観 は低 く, 補 聴 器 装 用 に よ る効 果 は乏 しい傾 向 が あ りカ ウ ンセ リ ング指 導 が必 要 で あ る。 本 評 価 法 は社 会 心 理 的側 面 の検 討 や補 聴 器 装 用 効 果 の分 析 に 利 用 で き, 有 用 で あ る。 質 問: 安 達 (長崎 ベ ル ヒア リ ング セ ン ター) 60歳 台 の: 職業 の有 無 は。 職 業 に よ って障 害 観 の差 が あ るので は ない か。 応 答: 60歳 台 の被検 者 はパ ー ト等 の就 労 例 は多 い 。 調 査 地 区 は農 林 地 域 の た め 農業 又 は高 齢 者福 祉人 材 セ ンタ ーパ ー トな ど都 市 とは異 な る就 労 形 態 とい え る。 質 問: 大 山 (東北 労 災) 各 質 問 に対 す る評 価 点 で 「い い え」 に も1点 を配 した根 拠 は何 か 。 応答: 総 合 得 点 に よ る障 害 段 階 の 分類 につ い て は便 宜 的 に難聴 者 の4段 階 評 価 に従 い25%タ イ ル で分 割 した 。 今後, 妥 当 な 方 法 に つ いて検 討 した い。 質 問: 岡 本 (座長) 障害 な し (正常 者群) 25点 は厳 しす ぎ る ので はな い か。 応 答: 障 害 重症 度評 価 にお い て正 常 者群 の 得 点配 点 の 妥 当性 につ い て は今 後 検 討 した い。 質 問: 河 野 (東 京 医大) 主 観 的 評価 と聴 力, 語 音 聴 力 との 問 に ば ら つ きが み られ るの で, 個 々 の症 例 に つ いて の補 聴 器 装 用 に どの よ う に利 用 して い くの か。 応 答: 臨床 場 面 で の有効 性 と して は聴 覚 ハ ンデ ィキ ャ ップ の程 度, 補 聴 効 果, 聴 覚 リハ ビ リテ ー シ ョ ンの必 要 性 な どを 検 討 す る際 の資 料 として 用 い る こ とが で き る点 で あ る。 今 後 追 加 す べ き点 として は難聴 者 の 社 会 参加 状 況, 形 態 な どの要 因 につ い て の質 問 項 目 と結 果 との 関連 性 の分 析 を考 え る。 座 長 コ メ ン ト: 本 群 は補 聴 の評 価 を テ ー マ とした もの で あ る。 補 聴 器 装 用 を 目指 して も装 用 に到 らな い例 は多 くみ られ るが, その 原 因 は さ まざ まで あ り, 他 覚 的評 価, 自覚 的 評 価 法 の確 立 が望 まれ る。 エ ビ デ ンス は論 文 と して残 して い た だ きた い。 補 聴 は補 聴 器 の み な らず, 社 会 的 環 境 整備 や カ ウ ンセ リン グ な ど聴 覚 リハ ビ リテ ー シ ョン とい う概 念 で考 え る必 要 が あ る とい う結 論 で あ る。 (岡本 牧 人) 第7群 補 聴4 22. 当 科 の 補 聴 器 相 談 症 例 の検 討: 大 上 麻 由 里 (寒川 病 院)。 常勤 医1名 の小 規 模 病 院 にお け る補 聴 器 技 能 者 との共 同 に よ る補 聴 器 外 来 の報 告 。 一 年 間 で47名 の相 談 者 の 分 析 で あ るが, 中で も17名 の補 聴 器 所 有 者 で適 合 に問題 のない症 例 は5例 で あった。 質 問: 安 達 (長崎 ベ ル ヒア リ ング セ ン ター) 貸 し出 し 補 聴 器 は ア ナ ロ グ型 との こ とだが, デ ジ タル型 も選 択 肢 に入 っ て い な いの か。 試 聴 期 間 は。 応 答: プ ロ グ ラ ミング機 器 の都 合 で デ ジタ ル は使 用 して い ない が, 今 後 の課 題 。 試 聴 期 間 は多様 で3日 位 か ら1ヵ 月位 に亘 っ て い る。 質 問: 松 屋 (三重 県補 聴 器 セ ン ター) 試聴 と異 な る器 種 の装 着 に は問題 が あ る ので
第46回 日本 聴 覚 医学 会 総 括 報 告 7 はないか 。 試聴 の最 も大 切 なの は最 初 の 数 日で あ り, その間 の調 整 は。 応 答: 補 聴 器 技 能 者 は週 一 回 の対 応 だが, そ の間 隙 は 自分 が調 整 して い る。 その 他, 補 聴 器 の器 種 が ふ えて対 応 に困 るが, 一 社 の みの機 種 で の対 応 の面 と, 最 も適応 と考 え られ る 中等 度 難 聴者 に試 聴 の み で終 って い る面 が 問題 で は な いか と の意 見 を座 長 と して 述 べ た 。 23. 補 聴 外 来 の動 向: 山 岸豪 敏 (産業 医大) 他 。 当大 学補 聴 外 来 の11年 間 の390症 例 につ い て の分 析, こ とに受聴 音 節 の損 失 情 報 量 をみ る こ とで補 聴 効 果 を定 量 的 に判 断 した もの。 質 問: 安 野 (京都 市) 音 場 用 試作 ア ンプ の工 夫 点 は何 か 。 補 聴 器 所 持 者 の不 適 合症 例 は どの よ うな点 に問 題 が あったのか。 応 答: オ ー ジオ メ ー タ の ア ッテ ネー タ と周 波 数 に連 動 して 校 正 用 トリマ を設 けた ア ンプ を試 作 した 。 不 適 合 例 で多 か った の は音 質, 出力 制 限 な どが 全 く調整 され て い な い ケー ス で あ っ た。 口演 の 中で 述 べ られ た損 失情 報 量 を み る こ とで そ れ が適 合 に ど う有 用 なの か が今 後 の課 題 で あ ろ う。 24. デ ジ タ ル 補 聴 器 専 門 外 来 の 現 況: 鄭 玉 蓮 (仙台逓 信) 他 。 多 面 的 な音 処 理 の デ ジ タル 技術 の 進歩 が補 聴 器 に も反 映 され る よ う にな り, 初 め て補 聴器 を使 う人 に も, 又 軽 度 難聴 者 に も適 合 を計 っ て, 装 用感 な どを含 めて良い装 用 効 果 が得 られた。 質 問: 河 野 (東京 医大) 補 聴 器 を初 めて使 用 す る人 の割 合 。 試聴 用 デ ジタ ル補 聴 器 の選 択 法 。 装 用 決定 した メ ー カー に片 寄 りはあ った か。 応 答: 初 め ての人 は63%。 選 択 は, その人 との相 談 と必 要 場 面 な どで判 断 した が, 初 めて の人 はセ ン ソが 多 か った 。 最 終 的 に はメ ーカーに片 寄 りはなか った。 質問: 服部 (京都市) 例 え ばオ ー ダー メイ ドで も希 望 で試 聴 可 能 か 。 近 年補 聴 器 のハ ー ド面 は著 し く改 善 され て い るが, 文献 に よ る と装 用 者 の ア ンケ ー ト調 査 で10年 前 と満 足 度 は 向上 して い な い。 デ ジ タル 型 で も同様 で, 価 格 面 か ら期 待 度 も高 くな る こ とが 考 え られ る。 応 答: オ ー ダ ー メ イ ドで の試 聴 も行 って い るが, 主 と して耳 掛 形 で 試聴 して い る。 デ ジタ ル補 聴 器 が な お進 歩 す る余 地 が あ る こ とに は異 論 はな い が, 価 格 的 に ア ナ ロ グの 存 在 も未 だ必 要 で あ ろ う。 25. 東 京都 にお け る 「耳 の 日」 補 聴 器 無料 相 談 会 の現 況: 春 野 洋 (東京 医 大)。 東 京 都 地 方 部 会 の 事 業 と し て の 「耳 の 日」補 聴 器 無 料 相 談 会 の 実 態 と, 相 談 内 容 の 分 析 を行 っ た 。 注 目点 と し て は 医 学 的 相 談 に 充 分 時 間 が か け ら れ た の が 良 か っ た と い う ア ン ケ ー ト結 果 で あ る 。 質 問: 金 田 (岩 手 医 大) 実 際 に 耳 鼻 科 医 は ど の よ う な 事 を行 い, 又 聴 力 検 査 を し て い る の か 。 応 答: ア ン ケ ー ト を 基 本 に 問 診 と耳 の 診 療 を行 い, 耳 垢 な ど は 除 去 し, 又 医 学 的 相 談 を 行 っ て い る 。 聴 力 検 査 は 気 導 の み で, チ ンパ ノ メ ト リ ー は 施 行 し て い な い 。 耳 の 日 の 相 談 会 は全 国 的 に普 遍 化 して きて い るが, この よ う な 活 動 が 耳 鼻 科 医 を 通 して 補 聴 器 を入 手 す る とい う 当 然 の ル ー トの 確 立 に 役 立 っ よ う願 う も の で あ る 。 (安 野 友 博) 第8群 小 児 難 聴1 26. 乳 幼 児 の 重 複 障 害 児 に お け る聴 覚 ス ク リー ニ ン グ: 北 川 可 恵 (札 幌 肢 体 不 自 由 児 総 合 医 療 セ ン タ ー) 他。 重 複 障 害 児399例 に つ い て の 聴 覚 ス ク リー ニ ング 結 果 の 報 告 。 COR, BOAで 評 価 困 難 また は 難 聴 疑 い は73例 中18.3%で あ っ た が, ABRで も難 聴 を 示 し た も の は軽 ∼ 中 等 度 難 聴6例, 中 ∼ 高 度 難 聴6 例 で あ っ た 。 さ ら に, 17例 で は 加 齢 ・発 達 に よ り改 善 し た が, こ の う ち8例 に は 難 聴 が 疑 わ れ た 一 時 期 に補 聴 器 を装 用 し, 有 用 で あ っ た 。 質 問: 吉 岡 (川 崎 医 療 福 祉 大) ABR不 良 でCORが 良 好 で あ った10 例 で は, どの 周 波 数 で 比 較 し た の か 。 応 答: ABRク リ ッ ク 音 の 周 波 数 帯 域 に相 当 す るCOR値, お よび 可 能 な 症 例 で はMLRで 周 波 数 別 の 値 を測 定 し, COR と合 わ せ て 総 合 的 に評 価 し た 。 質 問: 水 野 (埼 玉 医 大) 加 齢 発 達 に伴 いABRの 域 値 は 上 昇 して も, COR が 改 善 し た 群 の 聴 力 型 に 特 徴 は な か っ た か 。 応 答: 周 波 数 別 の 特 異 性 は な く, 水 平 で あ っ た 。 質 問: 吉 田 (産 業 医 大) 重 複 障 害 児 で 補 聴 器 装 用 を 行 う上 で の コ ツ は 。 応 答: 耳 介 周 囲 な ど の 触 覚 的 過 敏 や, 補 聴 器 の 音 質 の 嫌 悪 が あ る場 合 に は, 通 常 の 補 聴 器 で は対 応 が 困 難 で あ っ た 。 27. 重 症 心 身 障 害 児 (者) に 対 す る難 聴 ス ク リ ー ニ ン グ に お け るAutomated-OAEの 使 用 経 験: 鶴 岡 弘 美 (国 療 三 重 病 院) 他 。 13∼61歳 の 重 症 心 身 障 害 児 (者) 30名 に つ い て の, Automated-OAEに よ るDPOAEの 測 定 と, 療 育 担 当 者 へ の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン調 査 表 を 用 い た ア ン ケ ー ト結 果 と の, 両 者 の
組 み 合 わ せ に よ る難 聴 ス ク リー ニ ン グ の 試 み の 報 告 。 2回 のOAE検 査 を併 せ たpass率 は52%で, noise, refer, 測 定 不 能 も 多 か っ た が, 療 育 担 当 者 へ の ア ン ケ ー ト結 果 と は必 ず し も一 致 し な か っ た 。 OAE検 査 とア ン ケ ー トの 併 用 が 必 要 で あ る と し た 。 質 問: 留 森 (千 葉 こ ど も 病 院) noise例 が 多 い 理 由 は 。 応 答: 主 に体 動 で あ っ た と考 え る が, 周 囲 の 環 境 (呼 吸 器) も影 響 が あ っ た と思 わ れ る。 質 問: 水 野 (埼 玉 医 大) 初 回 非passで 二 回 目 にpassし た 例 の, 初 回 非passの 理 由 は 何 か (初 回 検 査 成 績 の 改 善 のた め の 質 問)。 応 答:プ ロ ー ブ の 選 択, 装 着 技 術 の 向 上 に よ り, 二 回 目 は 安 定 し た 状 態 で 検 査 を 行 え た こ とが 主 な 理 由 と思 わ れ る 。 28. ロ ー リ ス ク 児 の 聴 覚 ス ク リ ー ニ ン グ シ ス テ ム に つ い て の 検 討: 齊 藤 優 子 (日 赤 和 歌 山) 他 。 2 施 設 に お け るAutomated-ABRお よ びOAE (TEOAEお よ びDPOAE) を用 い た, ロ ー リス ク新 生 児1,098例 に つ い て の 聴 覚 ス ク リー ニ ン グ結 果 の報 告 。 OAEに よ るパ ス 率 は90.3%, AABRに よ るパ ス 率 は99.3%で, ス ク リー ニ ン グ に はAABRが 適 して い た 。 ス ク リ ー ニ ン グ で 非 パ ス27例 中4例 は 再 検 お よ びABRで も異 常 を 認 め, うち2例 に は3∼4ヵ 月 か ら補 聴 器 を 装 用 し た 。 質 問: 小 寺 (帝 京 大) 1. 両 耳referで, そ の 後 に 非 来 院 の 例 が あ る が, 心 理 的 に 問 題 を起 こさ ない か 。 2. 聴 力 評 価 の 難 しい3∼4 ヵ 月 児 に補 聴 器 を 装 用 し て い る が, 補 聴 器 の 適 合 は ど の よ う に行 っ て い るか 。 応 答: 1. refer児 の 親 の 心 理 に つ い て も配 慮 が 必 要 と考 え る。 2. BOAを 行 い な が ら施 行 し て い る 。 質 問: 市 川 (順 大) 1∼2 ヵ 月 児 のABR検 査 は難 し く, 極 力 慎 重 に評 価 し な け れ ば な ら な い が, 結 果 の 再 現 性 に つ い て は どの よ う に確 認 し て い る か 。 応 答: 原 則 と し て 初 回 検 査 か ら 1ヵ 月 後 にOAEを 再 検 し, referの 場 合 に は さ ら に 1ヵ 月 後 にABRを 施 行 して い る 。 従 っ て, 症 例 に よ り異 な るが 生 後2∼3ヵ 月 でABRを 行 っ て い る。 追 加: 立 木 (岩 手 医 大) 早 期 の 聴 覚 ス ク リー ニ ン グ に は そ の 後 の 体 制 の 十 分 な 準 備 が 必 要 な こ と, 早 期 の 検 査 に お け る 問 題 点, 難 聴 診 断 ・補 聴 器 装 用 の 時 期 の 問 題 点 な ど に つ い て 検 討 す る よ う指 摘 が あ っ た 。 (水 野 正 浩) 第9群 小 児 難 聴2 29. 新 生 児 聴 覚 ス ク リ ー ニ ン グ の 現 状 と今 後 の 課 題-ア ン ケ ー ト調 査 に よ る検 討-: 森 田 訓 子 (帝 京 大) 他 。 新 生 児 難 聴 ス ク リ ー ニ ン グ のrefer児 と pass児 の 保 護 者 に対 し て ア ン ケ ー ト調 査 を行 い, ス ク リ ー ニ ン グ の 利 点, 問 題 点, 今 後 の 課 題 に つ い て 検 討 した 。 ス ク リー ニ ン グ の 意 義 に つ い て は, 大 半 が 肯 定 的 に 受 け 止 め て い た が, そ の 実 施 時 期 に つ い て は 必 ず し も新 生 児 期 が 最 適 と は 考 え て お ら ず, 特 にrefer群 で は新 生 時 期 以 外 の 時 期 が 望 ま しい として い た 。 また, refer児 の 保 護 者 に対 し て は, そ の 心 理 に配 慮 し た 十 分 な 説 明 が 必 要 と考 え られ た 。 質 問: 荒 尾 (稲 沢 市 民 病 院) 軽 中 等 度 難 聴 児 の 保 護 者 へ の 説 明 は ど の よ う に し て い る か 。 応 答: ス ク リー ニ ン グ に あ た っ て の イ ン フ ォ ー ム ドコ ンセ ン トか ら精 査 医 療 機 関 で の 専 門 的 な ア ドバ イ ス まで, 総 合 的 な ア プ ロ ー チ が 必 要 と考 え る。 質 問: 神 田 (長 崎 大) 里 帰 り 出 産 が 一 つ の 問 題 と考 え られ る が 。 応 答: 里 帰 り 出 産 に 対 し て は, ス ク リ ー ニ ン グ 後 の 精 査 お よ び フ ォ ロ ー 体 制 に 全 国 的 な ネ ッ トワ ー ク 作 りが 望 ま れ る。 追 加: 田 中 (神 尾 記 念 病 院) 難 聴 児 の 親 の 不 安 に 対 し て 最 も重 要 な こ と は, 受 け 血 と な る療 育 サ ー ビ ス の 充 実 で あ る 。 30. 0歳 児 難聴 症 例 の 検 討-福 岡 市 身 障 セ ン タ ー 耳 鼻 科2年 間 の 経験-: 山 下 道 子 (福 岡 市 立 心 身 障 害 者 福 祉 セ ンタ ー) 他 。 過 去2年 間 に難 聴 を 疑 わ れ 当 セ ン タ ー 耳 鼻 科 を受 診 し た0歳 児16例 に つ い て 検 討 を 行 っ た 。 こ れ ら の う ち, AABRが 診 断 に 関 与 し た も の は5例 で あ っ た 。 経 時 的 に 観 察 し て い く と, 聴 力 域 値 が 不 変 で あ っ た も の は13例 で, 2例 で 域 値 が 低 下 し, 逆 に1例 で 域 値 が 上 昇 した 。 これ ら3例 を提 示 し考 察 を 行 っ た 。 質 問: 吉 岡 (川 崎 医 療 福 祉 大) BOAに お い て 無 反 応 で, そ の 後 正 常 聴 力 と判 明 し た 例 で, 母 子 手 帳 の 原 始 反 射 の 記 載 は ど う で あ っ た か 。 応 答: 母 子 手 帳 に は生 後1ヵ 月 で モ ロ ー 反 射 を認 め た と記 載 さ れ て い た 。 質 問: 市 川 (順 大) ト ー ン ピ ッ プ に よ るABRで 難 聴 と診 断 さ れ , そ の後域 値 が 低 下 した 例 で, 刺 激 に用 い た トー ン ピ ッ プ の 特 性 は 。 応 答: ABRは 他 院 で 施 行 さ れ て お り, 正 確 に 把 握 し て い な い 。 31. 北 九 州 市 に お け る聴 覚 障 害 児 の 就 学 状 況: 吉
第46回 日本 聴 覚 医学 会 総 括 報 告 9 田雅 文 (産業 医大)。 北 九 州 市 教 育 委 員 会 と福 岡 県 立 小 倉 お よ び直 方聾 学 校 の協 力 を得 て, 北 九 州 市 に お け る聴 覚 障 害 児 の就 労 状 況 につ いて調 査 を行 った 。 良聴 耳 聴 力100dB以 上 の児 童 生 徒28名 の うち, 15名 は聾 学 校 に, 6名 は難 聴 学 級 に, 7名 は普 通 学 級 に 在 籍 して いた 。 また, 聴 力80∼99dBの 児 童27名 の う ち, 7名 が 聾 学校, 5名 が難 聴 学 級, 15名 が 通 常 学 級 に在 籍 して い た 。 この よ うに, 通 常 学 級 に在籍 す る もの と聾 学 校 に就 学 す る もの に二 極 化 す る傾 向 が 出現 し, この傾 向 は中 学生 で よ り顕 著 で あ った 。 質 問: 田 中 (神尾 記 念病 院) 中学 で聾 学 校 に入 る子 が 増 加 して い る理 由 として, 学 力 不 足 の他 に コ ミュニ ケ ー シ ョン障 害 に よ る情 緒 の 問題 が あ る と思 うが 如 何 か。 また, 人 工 内 耳 の子 供 の学 校 に お け る問 題 点 は。 応 答: 私 ど もの 地域 で は, 学 力 不 足 の問 題 が 大 きい よ うに感 じて い る。 難 聴 児 に理 解 と知 識 の あ る 教 師 が少 な く, いて も現場 を担 当 しな い こ とが 一 番 の 問題 点 と考 え る。 人 工 内耳 に関 して は経 験 が 少 な く, 今 後 注 意 深 く観 察 して い きた い。 (吉田雅 文) 第10群 小 児 難 聴3 32. 新 生 児 聴 覚 ス ク リー ニ ング で 「refer」とな っ た児 の親 の心 理 につ い て: 針 谷 し げ子 (神尾 記 念 病 院) 他 。 検 査 結 果 が明 確 に説 明 され ない不 安 が検 査 方法 の適正 を疑 う結 果 とな り, 医療 従 事 者 へ の不 信 感 を生 み, 難 聴 へ の不 安 が 増 大 す る傾 向 が あった。 関 連 シス テ ム の確 立 が 急 務 で あ る。 質 問: 山下 (福岡 市立 心 身障 害 福 祉 セ ン ター) ス ク リー ニ ング後, 親 が不 安 に な り育 児 出 来 な い よ うな ケー スが あ った か。 応 答: 家 族 関 係 が 悪 くな った例 や, 母 親 が落 ち込 ん で い る例 はあ った。 質 問: 田 内 (国立 リハ) 「refer」 とされ, 新 生 児 期 早 期 に受 診 した場 合, フ ォロ ー の 頻 度 は。 応 答: 乳 児聴 覚発 達 チ ェック リス トやBOA な どを指標 と し, 間 隔 は2∼3ヵ 月 を基 準 とした。 追 加: 田 中 (神尾記 念 病 院) 「refer」, 難 聴, とい わ れ て 受 け る親 の シ ョ ック は欧 米 と日本 とで は同一 で は ない 。 文 化 的背 景 の違 い を十 分 認識 し, 対 応 を考 え るべ き。 追 加: 中沢 (秋田県 立 リハ) 難 聴 児 を抱 え る親 は, ① 早 期 発 見 の重 要 性 の 説 明, ② 確 定 診 は専 門 医 療 機 関 で, ③ 療 育 に つ いて の 啓 蒙 を希 望 。 33. AABRに よる1ヵ 月 児聴 覚検 診-検 出 された 難 聴 児 の 経 過 を含 め て-: 柴 田 康 子 (稲沢 市 民 病 院)。 1ヵ 月 児97例 にAABRを (内94例 に は TEOAEも) 施 行 し, 3例 に 「refer」, 内1例 は 再 検 査 で 「pass」。 TEOAEは こ の3例 と も 「fail」で あ っ た 。 軽 度 域 値 上 昇 例 は ス ク リ ー ニ ン グ で 見 逃 さ れ る可 能 性 が あ る の で 注 意 。 質 問 ・追 加: 服 部 (京 都) 軽 度 難 聴 は, 親 に ど う 説 明 し た か 。 私 見 で は 聴 力 は 問 題 な し と告 げ る 。 そ の 上 で, 親 の 日常 観 察 な ど に よ り問 題 が あ れ ば 再 診 と告 げ る。 応 答: 異 常 と は 告 げ ず, 一 定 間 隔 で フ ォ ロ ー す る。 質 問: 福 島 (岡 山 大) AABRの 測 定 時 間 は 平 均5分 程 度 と は 長 す ぎ る, 2分 程 度 で は?応 答: 測 定 時 間 の 平 均 は4分 57秒 (SD: 3分54秒) で あ っ た 。 34. AABRに よ るNICU児 聴 覚 ス ク リー ニ ング 後 の フ ォ ロ ー ア ッ プ: 井 上 詩 乃 (奈 良 医 大)。 256例 中 5例 に難 聴 を認 め た 。 初 回 に 「pass」 が, 1歳 時 に 高 度 難 聴 と診 断 さ れ た 例 も認 め た 。 ハ イ リ ス ク 児 で は遅 発 性 に難 聴 が 生 ず る こ とが あ り, 「pass」 例 も, 経 過 観 察 が 重 要 で あ る 。 質 問: 田 中 (神 尾 記 念 病 院) MCU児 に はABR検 査 が 受 け られ る が, AABR
を 行 う こ と の 意 義 は 何 か 。 応 答: 今 回 の 検 討 で は AABR施 行 後, 全 例 フ ォ ロ ー し た が, AABRで も十 分 難 聴 児 を 検 出 で き た 。 質 問: 加 我 (東 大) Itano ら は, 重 複 障 害 例 で も6ヵ 月 ま で に 発 見 し, 聴 能 学 習 を 開 始 す る と効 果 大 と し て い る が, NICU症 例 で は 如 何 。 応 答: 重 複 障 害 児 は 他 の 施 設 で 行 っ て い る が, 補 聴 器 装 用 が 難 し く, 長 期 に わ た る ケ ア が 必 要 で あ る 。 追 加 (座 長 要 請): 服 部 (京 都) Itano論 文 は 不 明 確 で, 疑 問 点 が 多 い 。 3∼4歳, 入 学 前 の 時 点 で 健 常 聴 力 よ り劣 る こ とが 早 期 介 入 の 理 由 に は な ら な い 。 中 学3年 あ る い は, そ れ 以 降 の 時 点 ま で 観 察 し て 論 ず べ き で あ る。 35. 全 国 ア ン ケ ー ト調 査 に み る 新 生 児 聴 覚 ス ク リ ー ニ ン グ の 問 題 点: 三 浦 正 子 (山 口 大)。 AABRに よ る新 生 児 聴 覚 ス ク リー ニ ン グ を施 行 して い る267施 設 中215施 設 よ り 回 答 を 得 た 。 各 施 設 問 で の 検 査 回 数, 結 果 説 明 者, 「refer」へ の 対 応 な どが 多 様 で あ っ た 。 質 問: 田 中 (神 尾 記 念 病 院) 地 方 自 治 体 単 位 で ス ク リー ニ ン グ, 療 育 体 制 の 比 較 的 充 実 し て い る と こ ろ は ど こか 。 応 答: 秋 田, 栃 木, 静 岡, 石 川, 広 島, 岡 山, 熊 本, 神 奈 川 各 県 が 印 象 に 残 っ た 。 質 問: 原 田 (東 大) 64%を 占 め る産 科 医 は, ど の よ う な規 模 の 施 設 か 。 応 答: 病 院 が65施 設, 医 院 が202施 設 で
あ っ た 。 座 長 コ メ ン ト: 早 期 発 見, 早 期 療 育 の 原 則 は よ い 。 し か し, 受 け 皿 体 制 作 りが 十 分 で な け れ ば, あ る意 味 で の 社 会 不 安 を もた ら す こ と も あ る 。 デ ー タ の 蓄 積 を十 分 行 い, 国 状 の 差, 国 民 性 な ど配 慮 し, 民 官 挙 げ て 体 制 作 り を急 が な くて な ら な い と痛 感 す る 。 (市 川 銀 一 郎) 第11群 小 児 難 聴4 36. TEOAEを 用 い た1カ 月 児 聴 覚 検 診 一fail児 の 対 応 を 中 心 に 一:荒 尾 は る み(稲 沢 市 民 病 院) 他 。 病 院 小 児 科 に お い て の1カ 月 児 の 検 診 で TEOAEと 聴 性 反 射 を行 い,防 音 室 ま た は 比 較 的 静 か な 部 屋 でILO292で2O9例 に つ い てTEOAEを し ら べ た 。 この 検 査 で リス ク 児 の 両 側fai1な らABRで 検 査 した 。 全 例 に薬 剤 の 投 与 な しで 検 査 が で き て,両 側fai1 4例,一 側fai1 11例 で 測 定 時 間 は3分 弱 で 終 わ る。 質 問:原 田(東 海 大)ス ク リ ー ニ ン グ の 上 で OAEを どの よ う な 位 置 づ け に お い て い るか 。 応 答: 環 境 騒 音,手 技,耳 垢 な ど の 問 題 が あ る の で,検 者 が 耳 鼻 科 医 で あ る な ら 問 題 は な く,よ い 結 果 が 得 ら れ る が,そ う で な けれ ば,ABRの ほ うが よ い 。 質 問: 古 賀(慶 應 大)防 音 室 で な くて よ い の か 。 応 答:静 か な 部 屋 で 行 っ た 。 37. DPOAEス ク リー ナ ー の 検 査 結 果 と純 音 聴 力 レ ベ ル:安 田 真 美 子(東 邦 大 第1)他 。6歳 か ら 92歳 まで の 正 常 を 含 め て106例 に つ い て 難 聴 の 聴 力 レ ベ ル の 分 か っ た 例 に つ い てDPOAEス ク リー ナ ー の 検 査 を行 い2OOOHzと4OOOHzに お け る聴 力 レベ ル と refer率 を 示 し た 。 特 異 度89.3%,検 出 感 度94.8%の 結 果 を 得 て,ス ク リ ー ナ ー と し て 有 用 と の 結 論 で あ っ た 。 質 問:古 賀(慶 應 大)6OdB以 上 の 難 聴 で 機 能 性 難 聴 以 外 でreferに な っ た 例 が あ るか 。 応 答:あ る の で 今 後 の 検 討 が 必 要 と思 う。 質 問:古 賀(慶 應 大)TEOAEとDPOAEと い ず れ が ス ク リー ニ ン グ と し て 適 切 か 。 応 答:森 田(帝 京 大)DPOAEの ほ う がrefer率 が 多 い 。 38.高 音 急 墜 型 聴 力 の 小 児 難 聴 例 へ の 補 聴 器 装 用 の 検 討:細 矢 義 伸(京 都 府 立 聾 学 校 聴 能 言 語 室) 他 。 従 来 高 音 急 墜 型 難 聴 の 補 聴 器 装 用 は 困 難 で あ っ た が,近 年 の 補 聴 器 の 進 歩 に伴 い 積 極 的 に 試 み た と こ ろ相 応 の 効 果 が み られ た とい う。 質 問:神 田(長 崎 大)1kHzが 残 っ て い る群 に ア ナ ロ グ,リ ニ ア の 補 聴 器 を フ ィ ッ テ ィ ン グ す る の は 音 響 外 傷 の 危 険 を は らむ の でUCLを 考 慮 し厳 密 に フ ォ ロ ー す る必 要 が あ る。 ノ イ ズ キ ャ ン セ ラ ー は 環 境 音 の 把 握 や 構 音 の 発 達 が 要 求 さ れ る 小 児 に は よ くな い と思 わ れ る 。 応 答:1kHzの 利 得 を 上 げ な い と高 音 域 の 装 用 域 値 に 改 善 が み ら れ な い た め で あ る 。 ノ イ ズ キ ャ ン セ ラ ー は 中 と い う設 定 で 装 用 し て い る。 質 問:吉 岡(川 崎 医 療 福 祉 大)284PPは パ ワ ー が 強 す ぎ な い か 。 イ ヤ ー モ ー ル ドの 工 夫 は ど う か 。頭 に響 くとい った 理 由 で,装 用 を 嫌 が る こ と は な か っ た か 。 応 答:高 度 難 聴 用 補 聴 器 で も う る さ が る こ と は な い 。 ロ ー カ ッ ト の た め 十 分 な 出 力 が 必 要 で これ を使 用 し た 。 ベ ン ト は12の 症 例 で あ る。 高 音 群 で は1例 を 除 き 随 時 使 用 で,装 用 の し に く さ は 多 少 あ る 。 質 問:服 部(京 都 市)語 音 検 査 に つ い て 表2の 施 行 せ ず,に な っ て い る の は なぜ か 。 また 症 例12の 施 行 音 圧40dBは 低 す ぎ な い か 。 応 答:低 音 群 で 裸 耳 の 語 音 検 査 が な さ れ て い な い の は,低 音 群 で は 開 始 年 齢 が ひ くい た め 。 症 例12で は 最 高 明 瞭 度 で 施 行 して い な い 。 39.難 聴 幼 児 に観 察 さ れ るバ ラ ン ス の 発 達 の 遅 れ に つ い て 一 ア ン ケ ー ト調 査 よ り一:黄 麗 輝(東 大) 他 。 先 天 性 難聴 幼 児68症 例 か ら粗 大 運 動 発 達 項 目 の な か で バ ラ ン ス の 発 達 に 関 し て ア ン ケ ー ト調 査 を 行 い,運 動 発 達 の 遅 れ と首 の 反 り返 り と い ざ り這 い が あ り こ れ ら は 迷 路 機 能 低 下 とみ た 。 質 問:北 川(札 幌 医 療 セ ン タ ー)運 動 発 達 は 出 生 体 重 と在 胎 週 数 も 関 係 す る が 対 象 児 は ど うで あ っ た か 。 応 答:低 体 重 は6例,在 胎 週 数 は調 査 しな か っ た 。 質 問:古 賀(慶 應 大)首 の 反 り返 り はhypertonic,い ざ り 這 い は hypotonicで は な い か,迷 路 機 能 低 下 はhyperか hypoの いず れ か 。 な お 記 載 参 考 文 献1.は 増 刊 号 で, そ れ が 記 載 漏 れ 。 応 答:加 我(東 大)反 り返 り は, hypotonicと 考 え られ る 。 基 本 的 に は 迷 路 の トー ヌ ス 低 下 に 起 因 す るhypotonicityで あ る 。 (古 賀 慶 次 郎) 第12群 小 児 難 聴5 40.乳 幼 児 期 にABRで 難 聴 と さ れ た 正 常 聴 力 児 へ の 対 応:内 山 勉(富 士 見 台 聴 こ え と こ と ば の 教 室)他 。 生 後4カ 月 でABRに て 右6OdB,左1OO dB,BOAとCORの 域 値 か ら難 聴 と診 断 し,補 聴 器
第46回 日本 聴 覚 医 学 会 総 括 報 告 11 を 装 用 し, 療 育 を 開 始 した 。 発 達 は順 調 で あ っ た 。 次 第 に音 に対 す る反 応 が 良 好 に な り, 1歳6ヵ 月 でABR を 施 行 し正 常 波 形 が 得 られ, 聴 力 正 常 と判 明 した 。 質 問: 原 田 (東 海 大) 検 査 上 の 問 題 で は な く, 聴 力 自 体 が 改 善 し た と考 え て は い け な い の か 。 質 問: 服 部 (名 大) ABRはmyelinationと の 関 連 よ り波 形 が 出 現 し な くて も聴 こ え て い な い と も言 え な い 。 経 過 か ら み て 実 際 に聴 力 が 変 化 し て き た と考 え る が, OME 等 の 他 の 難 聴 因 子 もふ くめ て どの よ うで あ っ た か 。 質 問: 野 中 (香 川 こ だ ま学 園) 初 回 検 査 で ど の よ う な 点 に 気 を つ け れ ば も っ と正 確 に 判 定 で き る か 。 万 が 一 補 聴 器 を装 用 さ せ て し ま っ た 場 合 , ど の よ う な 点 を 注 意 す れ ば, よ り早 期 に補 聴 器 は必 要 な い と判 断 され る か 。 応 答: 5ヵ 月 時 点 のCOR検 査 で は 明 らか に80∼90dBの 反 応 で あ り, 難 聴 の 状 態 で あ る の は 間 違 い な い 。 結 果 と し て 難 聴 で な くな っ た が, 5ヵ 月 ∼1歳 ま でCOR, 日常 生 活 面 な ど総 合 的 に み て 難 聴 と判 断 で き る状 態 で あ っ た 。 本 症 例 は療 育 を 行 い な が ら経 過 を追 う こ とが 妥 当 で あ る こ とを 示 し て い る。 41. 難 聴 児 が こ と ば を 獲 得 す る ま で-健 聴 児 と比 較 し て-: 傍 士 和 香 (香 川 医 大) 他 。 難 聴 児 の 生 後5か ら12ヵ 月 まで と健 聴 児 の 生 後5か ら11ヵ 月 ま で を ビ デ オ 記 録 し, 周 囲 の 人 々 との コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に よ っ て ど の よ う な 過 程 で 認 知 し, こ と ば を 獲 得 し て い くか を 記 録 した 。 質 問: 座 長 認 知 能 力 は 難 聴 児 で も正 常 と思 わ れ る が, こ の 演 題 の 主 旨 を 要 約 し て くだ さ い 。 応 答: 物 と意 味 が 結 び つ くの は 聴 覚 情 報 の 多 い 健 聴 児 が 早 い と考 え る。 難 聴 児 の 場 合, 視 覚 的 情 報 も用 い て対 応 す る こ とが 重 要 と思 わ れ た 。 42. 聴 覚 障 害 児 教 育 に お け る 早 期 と は?: 田 中 美 郷 (田 中 美 郷 教 育 研 究 所, 神 尾 病 院) 他 。 新 生 児 聴 覚 ス ク リ ー ニ ン グ が 施 行 さ れ, 難 聴 児 の 早 期 教 育 が 行 わ れ 生 後6ヵ 月 以 前 と以 後 に教 育 を 開 始 し た 群 に 大 き な 差 が あ る よ う に 報 告 さ れ て い る。 難 聴 児36名 を対 象 に ホ ー ム トレ ー ニ ン グ を 開 始 し た 。 聴 覚 口 話 法 を基 本 に ゼ ス チ ャ ー や 手 話, 指 文 字 も と りい れ た 。 対 象 児 は聴 力50∼130dB, 開 始 年 齢 は生 後3ヵ 月 か ら 3歳1ヵ 月 で あ る 。 言 語 獲 得 を2歳1ヵ 月 と す る と 教 育 開 始 が1歳7ヵ 月 ま で の20名 中14名 (70%) が 言 語 を獲 得 し始 め た 。 1歳6ヵ 月 に教 育 を 開 始 す れ ば 遅 く な い 。 追 加: 大 沼 (筑 波 技 術 短 大) Yo-shinaga-Itanoの 論 文 を 引 用 ・解 説 す る に 際 し て は, 全 対 象 者 の 言語 能 力 発 達 レベ ル 平 均 値 を生後6ヵ 月 前 と6ヵ 月後 に分 けて示 した図 の み を用 い るだ けで は充 分 で はな い。 多 様 な言 語 発 達 に関 わ る条 件 ご と に, 早 期interventionの 効 果 を比 較 して 示 した彼 女 の デー タ も併 せ て解 説 す る必 要 を感 じ る。 追 加: 野 中 (香川 こだ ま学 園) 田 中先 生 と同 意見 で あ る。 乳 児 期 に よ くあ や しあ や さ れ た親 子 で あれ ば, た とえ 1歳6ヵ 月 で難 聴 が発 見 され た として も, 後 の言 語 獲 得 に大 きな苦 労 はな い。 従 つ て新 生 児難 聴 で最 も 重 要 な教育 的手 だ て は, 親 が 安 定 した 気持 ち で育 児 に取 り組 め る よ う に支 援 す る こ とで あ る。 座 長 コメ ン ト: 近 年, 新 生 児 期 に聴 覚 ス ク リー ニ ン グが施 行 され る こ とへ の種 々 の 意 味 で警 告 を発 し た演 題 で あった 。 ABRが 正 常化 す る こ とが あ る。 報 告 で は聴 力 が 発 達 と ともに正 常 化 した よ うで あ るが, この よ うな事 を考 慮 して診 断 にあた る必 要 が ある。 ま た, 早 期教 育 が言 語 面 へ の決 定 的 な差 とな っ て現 れ るか の よ うな 印 象 を抱 くが, 適 切 な教育 を行 う こ と で1歳6ヵ 月 まで に療 育 を 開始 す る とよい結 果 が得 られ た との報 告 で あ っ た。 (川城 信 子) 第13群 小 児難 聴6 43. Joubert症 候 群 の聴 性脳 幹 反応 (ABR) の検 討: 壁 谷雅 之 (新潟 大) 他 。 ス ク リー ニ ングABR にて難 聴 を疑 わ れ たJoubert症 候 群 の1例 の0歳 児 の 男 児 につ い て調 べ た。 精 密 聴 覚 検 査 で, ABRは 両 耳 と もに Ⅰ-ⅠⅠⅠ波 間 隔延 長, Ⅴ波 の域 値 上 昇 (右80dB, 左80dB) を認 め た。 質 問: 加 我 (東大) 胎 児 の脳 の MRIは 在 胎 何 週 の 時 か。 その画 像 は どの よ うな議 論 が あ った か 。 この症 候 群 の病 理 報 告 は文 献 的 に どの よ う な内容 か 。 応 答: 病 理 学 的 に は, 脳 幹 部 形 成 不 全 な どの 記載 はあ るが, 髄 鞘 脱 落 な どの 具体 的 な報 告 は なか った 。 44. 小脳 腫 瘍 に よ り難 聴 をきた した乳幼 児 のABR とDPOAE所 見: 留 守 卓 也 (千葉 県 こ ど も病 院) 他 。 1歳5ヵ 月 時 に腫 瘍 摘 出術 お よび1ク ー ル の化 学療 法 を行 った小 脳 上 衣 腫 の1例 と1歳2ヵ 月時 に 腫瘍 摘 出術 と放 射 線 療 法 を行 った4歳7ヵ 月女 児 の ABRに ついて報 告 した。 質 問: 澤 田 (高知 医大) 小 児 で は聴 力 の評 価 が難 し く, 化 学 療 法 を行 う う えで も説 明 や フ ォ ロー が難 しい と思 わ れ るが ど うか。 加 我 (東大) 化 学療 法 の 内容 は何 か 。 応 答: パ ラ プ ラ
チ ン, VP-16, メ ト トレキ セ ー トを5日 間, 1ク ー ル と して行 った 。 1例 目は状 態 が 悪 く, 平 衡 機 能 の 評 価 は してい な い が, 2例 目 は歩 行 正 常 で眼 振 は認 め なか った 。 補 聴 を受 容 し, 脳 外 科 的 治療 を否 定 す る こ とは なか った 。 45. 若 年 性 一 側 高度 難 聴 の対 側 耳聴 力 経過 に関 す る検 討: 釣 田美 奈 子 (富山 医 薬 大)。 一 側 高 度 難 聴 と診 断 された404人 の うち20歳 以 下 に発 症 したが記 憶 にない ほ ど幼 少 期 に発症 した184例 を調 べ た。 対 側 耳 難 聴 は75例 (41%) に認 め た。 遅 発 性 内 リンパ水 腫 は26例 に認 めた 。 質 問: 加 我 (東大) 対 側 の 予 防 に つ い て何 か説 明 して い るか 。 応 答: 月 並 な内 容 で あ る。 質 問: 内 田 (公立 南 丹) ム ンプス難 聴 の割 合 は。 応 答: 6∼7%。 質 問: 澤 田 (高知 医 大) 悪 化 した 例 は内 リ ンパ 水 腫 で あ った の か。 応 答: 年 齢 に よ る もの だ けで は な い, 原 因 別 に検 討 した い。 質 問: 野 沢 (山梨 医大) 治 療 法 は何 か 。 応 答: ス テ ロ イ ドを 含 む 点 滴, 内服 を行 っ てい る。 46. 聴 覚 障害 児 の音 声 の後 続母 音 に関 す る音 響 的 分 析: 堀 内 美 智子 (帝京 大)。 健 聴 児, 健 聴 成人, 聴 覚 障 害 児 の 日本 語100音 節 を音 響 的 に分 析 し, ① 発 達 時 に みた 健聴 ・健 聴 成 人 の後 続 母音 の分 化 過 程, ② 聴 力 レベ ル の 重篤 度 か らみた 聴 覚 障 害 児 の後 続 母 音 の分 化 過 程, ③ 発達 的 に み た聴 覚 障 害 児 の後 続 母 音 の分 化 過 程 を比 較検 討 した。 質 問: 田 中 (神尾記 念 病 院) 聴 覚 障 害 児 につ い て指 導 機 関 の 違 い が デ ー タ に反 映 しな いか 。 応 答: 教 育 や コ ミュニ ケ ー シ ョ ン 手 段 の違 い に よ って も異 る可 能 性 が あ る。 質 問: 酒 寄 (山梨 医大) 聴 覚 障 害児 の発 す る母 音 は我 々 に認 知 出来 る もので あ ろ うか 。 Foと の関 係 は。 質 問: 加 我 (東大) 年 齢 差 よ り個人 差 の影 響 が 大 き い とい う こ とで あ るが個 人 差 とは具体 的 に は何 か。 応 答: 今 後検 討 した い。 (加我 君 孝) 第14群 突発 性 難 聴1 47. 突発 性 難 聴 に お け る聴 力 予後 と耳 鳴 の経 時 的 変 化: 井 出 里 香 (慶應 大) 他 。 突 発 性 難 聴 にお い て耳 鳴 消 失例 は初 診 時 平 均 聴 力 レベ ル や聴 力 予 後 が 耳 鳴 残 存例 と比 較 して良 好 で あ った こ とを報 告 した。 質 問: 越 智 (聖マ リア ンナ医大) pitch周 波 数 の変 化 は, 平 均 す る とど うで あ っ たか 。 応 答: 耳 鳴周 波 数 の変 化 は2オ ク ター ブ以 上 を有 意 として その変 化 を みた が, 今 回変 化 の平 均 につ い て の検 討 は行 っ て い な い。 質 問: 中 島 (名大) オ ー ジオ グ ラム と耳 鳴 の 変 化 との 関係 は? 耳 鳴 ピ ッチ マ ッチ で は, どれ位 の周 波数 の ものが 多 か ったか 。 応 答: 耳 鳴 消 失 例 は, 低 周 波 へ 変 化 す る症 例 が多 か った 。 また, 聴 力 型 は 低 中音 域 が 悪 い例 や谷 型 が多 か った 。 耳 鳴残 存 例 で は, 耳 鳴 周 波 数 が 不 変 の もの が多 く, 聴 力 型 はdip型 や, 高音 急墜 型, 高音 漸 傾 型 を示 す 傾 向 が み られ た。 48. 4分 法 平 均40dB以 下 の急 性 感 音 難 聴 例: 小 林 一 女 (昭和 大) 他 。 4分 法 平 均40dB以 下 の急性 感 音 難 聴 を35例 経験 した。 低 音 域 の 障 害例 が 多 くを 占め, 経 過 良 好例 が 多 か っ た。 め まい を合併 す る症 例 は約4分 の1で あ った 。 質 問: 中島 (名大) 低音 型 突 発 難 聴 と急 性 低 音 障 害型 感 音 難 聴 との使 いわ け は? 応 答: 今 回 は同 じ意 味 で用 い た。 質 問: 佐 藤 (川崎 市 立 川 崎) 突 発 性 難聴 の聴 力 レベ ルは5分 法 で 表 わ す の が一 般 的 だ が あ えて4分 法 を使 った 意 味 は な にか。 応 答: 突発 性 難 聴 の40dB以 下 の症 例 を目的 に検 討 した の で は な く, 外 来 を受診 した4分 法 平 均 40dB以 下 の臨床 像 を検 討 す る こ とを目的 とした。 そ のた め5周 波 数 の平 均 を用 い て い な い 。 質 問: 野 沢 (山梨 医 大) 再 発 例 は あるのか? その他 の蝸 牛 症 状 は? 応 答: 現 在 まで再 発 例 は認 めて い な い。 35例 中, 耳 閉感 は29例, 耳 鳴22例, 難聴 自覚20例 で あ っ た。 質 問: 澤 田 (高知 医大) 最 初 の診 断 で 原 因不 明 の もの なの か 。 最終 診 断 で原 因 不 明 の もの を集 め た の か? 応 答: 全例 に蝸 電 図, グ リセ オ ー ル テ ス ト 等 施 行 して はお らず, 対 象 の 中 に メニ エ ー ル病 等含 まれ て い る可 能性 はあ る。 現 在 施 行 した検 査 の範 囲 で は原 因不 明 の もの と考 えて い る。 49. 急 性 感 音 性 難聴 の治 癒 過 程: 伊 藤 智 史 (山形 大) 他 。 急 性 感 音 難 聴 治 療 開 始 後1∼2週 間後 で の 改善 率 が50%を 超 え る症 例 が, 治 療 開始 後1ヵ 月 以 降 の聴 力 の長 期 予 後 は良 か った。 質 問: 佐 藤 (川 崎 市 立 川崎) grade分 類 でaとbに つ い て は どうで あ った か 。 応 答: 詳 細 な割 合 につ い て は示 さ な か っ た が, 両群 には, め まい の あ る症 例 の割 合 に差 は な か った 。 質 問: 白馬 (愛媛 大) ス テ ロイ ド大 量 療 法 を平 成9年 で一 度 や め て いた の を平 成12年 よ り再 開 した 理 由 は? 応 答: ス テ ロ イ ドの 有効 性 検 討 の た め, 一 時期 プ レ ドニ ン60mg/日 よ り開始 して いた。 現 在 はプ レ ドニ ン200mg/日 か らの 開始 の方 が有 効 性 が