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3 「国際コンテナ戦略港湾」の取り組み
(1) これまでの経過 国土交通省は、釜山港等アジア諸国の港湾との国際的な競争がますます激化するなか、コ ンテナ港湾について、更なる「選択」と「集中」により国際競争力を強化するため、国際コ ンテナ戦略港湾を選定することとし、「国際コンテナ戦略港湾検討委員会」において選定基準 を提示し、港湾管理者等の応募を募った。 国際コンテナ戦略港湾検討委員会において、応募者(阪神港、京浜港、伊勢湾、北部九州) が提出した計画書が採点され、平成 22 年 8 月に国土交通省により阪神港と京浜港が国際コン テナ戦略港湾に選定された。 その後、国土交通省は平成 23 年 3 月に港湾法を改正し、国際コンテナ戦略港湾を港湾法上 の港格として新たに「国際戦略港湾」として位置付け、直轄港湾工事の国費負担率の引き上 げ及び対象施設の拡充を行うとともに、コンテナ埠頭等を一体的に運営する株式会社を港湾 運営会社として指定するなど民の視点を導入し効率的な港湾運営を実現するための所要の措 置(行政財産の貸付制度や無利子貸付制度の創設等)を講じてきた。 さらに、国際コンテナ戦略港湾政策をより強力に推進するため、国において平成 25 年 7 月 に「国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会」が設置されるとともに、学識経験者や業界関係 者等の委員による議論を踏まえ、平成 26 年 1 月に最終とりまとめが公表された。 この最終とりまとめにおいて示された個別施策は、以下の3本の柱としている。 1)国際コンテナ戦略港湾への「集貨」 2)国際コンテナ戦略港湾への産業集積による「創貨」 3)国際コンテナ戦略港湾の「競争力強化」 一方、阪神港においては、①西日本から貨物を集める「集貨」、②産業の立地促進により新 たな貨物を生み出す「創貨」、③民の視点による港湾経営主体の確立など「競争力強化」に取 り組んでいる。 また、阪神港では、平成 23 年度に創設された「総合特区制度」を活用し、一部事業におい て税制上の特例措置を受けるとともに、規制の特例措置や税財政支援等に係る提案項目の実 現に向けて取り組んでいるところである。 (参考) 平成 21 年 10 月 21 日 国土交通大臣「更なる「選択」と「集中」による拠点港湾を選定する」 平成 22 年 2 月 2 日 阪神港国際コンテナ戦略港湾促進協議会を設置 2 月 8 日 阪神港国際コンテナ戦略港湾促進協議会が政府に提案書提出 5 月 12 日 阪神港国際コンテナ戦略港湾促進協議会が政府に要望書提出 8 月 6 日 国際コンテナ戦略港湾選定 9 月 21 日 阪神港国際コンテナ戦略港湾総合特区を阪神港国際コンテナ戦略 港湾促進協議会から内閣官房へ提案- 24 -
11 月01 日 「阪神港国際コンテナ戦略港湾推進事務局(準備室)」を大阪港埠頭 公社内に設置 平成 23 年03 月 31 日 改正港湾法の公布 平成 23 年04 月 1 日 大阪港埠頭株式会社及び神戸港埠頭株式会社が新外貿法の指定を受 け、本格的に業務開始 「阪神港国際コンテナ戦略港湾推進事務局」を神戸港埠頭株式会社 内に設置 9 月 30 日 関西イノベーション国際戦略総合特区申請 12 月 22 日 関西イノベーション国際戦略総合特区指定 12 月 26 日 大阪港港湾計画に「効率的な運営を特に促進する区域」を位置づけ 平成 24 年 3 月09 日 国際戦略総合特別区域計画(第 1 次)認定 ※税制支援(株式会社上組の物流倉庫<神戸港>) 6 月 19 日 特定埠頭群の区分の指定(大阪港、神戸港) 8 月 28 日 大阪港、神戸港の両埠頭株式会社による特例港湾運営会社の指定申請 9 月 28 日 国際戦略総合特別区域計画(第 3 次)認定 ※税制支援(商船港運株式会社の荷役機械<神戸港>) 10 月 17 日 大阪港、神戸港の両埠頭株式会社への特例港湾運営会社の指定 12 月 28 日 大阪港埠頭株式会社の運営計画の変更認可 大阪港、神戸港の両埠頭株式会社による特定埠頭群の運営開始 平成 25 年 3 月 29 日 国際戦略総合特別区域計画(第 5 次)認定 ※金融支援(株式会社辰巳商会の荷役設備<神戸港>) 7 月 10 日 国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会の設置 (第 1 回委員会) 12 月 26 日 国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会 第 5 回委員会の開催 平成 26 年 1 月 20 日 国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会 最終とりまとめ公表 8 月 28 日 国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会 第 6 回委員会の開催 10 月 1 日 大阪港、神戸港の両埠頭株式会社を上下分離方式により経営統合し、 「阪神国際港湾株式会社」として業務開始 10 月 10 日 阪神国際港湾株式会社による港湾運営会社の指定申請 11 月 14 日 国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会 創貨ワーキンググループの設置(第 1 回ワーキンググループ開催) 11 月 28 日 阪神国際港湾株式会社への港湾運営会社の指定 12 月 26 日 阪神国際港湾株式会社に対して国及び民間銀行が出資 平成 27 年 2 月 27 日 国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会 第 2 回創貨ワーキンググループの開催 3 月 30 日 阪神国際港湾株式会社の運営計画の変更認可 ※総合特区は阪神港関係のみ記載- 25 -
(2)阪神港の目標 阪神港の国際競争力の強化に向け、利用者に対し高水準な物流サービスを提供できるよう、 国との緊密な連携のもと、様々な施策に取り組んでいく。 ① 阪神港の目指すべき姿 ② 阪神港の目標貨物量 阪神港は西日本のゲートポートとして、アジア主要港並みのサービス水準を提供するこ とにより、西日本諸港の海外トランシップ貨物等を阪神港に集約し、取扱貨物量を増加し て、基幹航路の拡充を図る。 阪神港における集貨目標貨物量※ TEU:twenty-foot equivalent unit、20 フィートコンテナ(長さ約 6 メートル)を 1 単位として換算したコンテナの個数 区 分 2008年実績 外貿コンテナ取扱貨物量 400万TEU 内航フィーダー 鉄道・トラックフィーダー 38万TEU 国際トランシップ 0万TEU 2015年 2020年 約490万TEU 約590万TEU 110万TEU 130万TEU 20万TEU 100万TEU 集貨目標貨物量
①
西日本の産業と国際物流を支えるゲートポートとして、機能拡大(基幹航路維
持・拡大)
② 釜山港等東アジア主要港湾と対峙できる、コスト・リードタイム等の港湾サービス
を確保し、国内ハブ機能再構築
③ 基幹航路の拡大に向けた取扱貨物量を確保、東アジアの国際ハブポートとして
機能
戦略港湾 阪神港の目指すべき姿
集貨目標貨物量 2015年 490万TEU うち北米航路 70万TEU フィーダー 110万TEU 2020年 590万 TEU トランシップ 20万TEU うち北米航路 75万TEU フィーダー 130万TEU トランシップ 100万TEU 現状(2008年) 400万TEU うち北米航路 47万TEU フィーダー 38万TEU トランシップ 0(3)阪神港の具体的な取り ①
国際コンテナ戦略港湾への
阪神港では、内航フィーダーのクレーン の実施など、いち早く内航 また、大阪港では、従前 着け(じかづけ)」を行い さらに充実した内航フィーダー 大型内航フィーダー船へのインセンティブを モーダルシフト補助制度 平成 26 年度以降の集貨策 神戸市からも支援を行い の各種インセンティブを また、集貨施策の一つとして 平成 24 年 10 月に阪神インランドコンテナデポを いる。インランドポートの れ、阪神港の利便性の向上 一方、阪神港としてのポートセールス 神戸の両埠頭株式会社の 神港セミナーや地方での 平成 26 年度においては みや集貨施策等を紹介する 延べ 452 社、870 名に参加 平成 27 年度においても トセールス活動や集貨インセンティブ 阪神港の内航フィーダー- 26 -
り組みへの「集貨」
フィーダーのクレーン使用料の 50%減額措置やモーダルシフト 内航フィーダー強化に取り組んできた。 従前から内航フィーダー船を直接コンテナターミナルに い、内外貿の一体運用を行ってきている。 フィーダー網を整備するため、平成 23 年 4 月から へのインセンティブを実施するとともに、平成 補助制度、および集荷インセンティブ制度を創設し、運用 集貨策としては、阪神国際港湾株式会社が中心となって い、内航コンテナ船等によるコンテナ貨物の集貨 インセンティブを実施してきている。 つとして、内陸部の集貨拠点であるインランドポートの インランドコンテナデポを滋賀県に設置し、現在 インランドポートの実現により、荷主の輸送コストの削減や輸送時間 向上が期待されるものである。 としてのポートセールス活動は、平成 23 年 4 月に大阪市 の 4 者により、阪神港国際コンテナ戦略港湾推進事務局 での阪神港説明会等を開催してきている。 においては、広島・京都・神戸・大阪・東京・大分・松山 する阪神港説明会を国の協力も得て開催し、荷主企業 参加いただいている。 においても引き続き、国、神戸市及び阪神国際港湾株式会社 インセンティブ等を実施する。 フィーダー網 釜山港 阪神港 空コンテナ 北米 北米 釜山港T/S 釜山港 阪神港 空コンテナ 北米 北米 釜山港T/S 阪神港インランドポート やモーダルシフト補助制度 コンテナターミナルに着岸させる「直 から 700 総トン以上の 平成 23∼25 年度にかけて 運用を行った。 となって、国、大阪市、 集貨や、航路充実のため であるインランドポートの構築にむけて、 現在も継続して運営して 輸送時間の短縮等が図ら 大阪市、神戸市、大阪と 戦略港湾推進事務局を設置し、阪 松山で阪神港の取り組 荷主企業や物流企業等、 阪神国際港湾株式会社と連携し、ポー 荷主 金沢港 コンテナ 実入コンテナ インランドポート IP 釜山港T/S 阪神港直送 阪神港IP利用 (点線は空コンテナ) 荷主 金沢港 コンテナ 実入コンテナ インランドポート IP 釜山港T/S 阪神港直送 阪神港IP利用 (点線は空コンテナ) インランドポート- 27 -
②国際コンテナ戦略港湾への産業集積による「創貨」
夢洲コンテナターミナルと連携して国際物流の一層の効率化を図るため、ターミナル背後 の用地(約 40ha)を「産業・物流ゾーン」と位置づけ、企業の立地需要に応じた用地提供を行 うとともに、総合特区制度の活用などにより物流関連企業や先端産業など創貨企業の集積を 図る。 また、国においては、「国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会」の下に本市も参画した「創 貨ワーキンググループ」を平成 26 年 11 月 14 日に設置しており、創貨の取り組み状況や現 状分析が議論されるなど、創貨について実務的な検討が進められているところである。 ③国際コンテナ戦略港湾の「競争力強化」 コンテナ船の大型化や取扱貨物量の増大等に対応するため、大水深コンテナターミナルの 整備や、港湾法に規定する「港湾運営会社制度」の活用などにより、港湾コストの削減や、 利便性向上のための取り組みを推進し、国際コンテナ戦略港湾の「競争力強化」を図る。 1)港湾施設の機能強化 大阪港では、基幹航路におけるコンテナ船の大型化の進展や夢洲コンテナターミナルの 取扱貨物量の増加に対応するため、主航路の浚渫と夢洲C12岸壁の延伸等を進めている。 <主航路浚渫(計画)> 水深‐16m 幅員 560m(平成 27 年 3 月時点で水深‐15m、幅員 400m) <夢洲コンテナターミナル(計画)> 水深‐15∼‐16m、3 バース、延長 1,350m (うち平成 27 年 3 月時点で C12 岸壁延伸部 250mは工事中) ターミナル面積 67.5ha (うち平成 27 年 3 月時点で C12 岸壁延伸部 12.5ha は工事中) 荷役機械 11 基(うち平成 27 年 3 月時点で 8 基が供用) 2)民の視点に立った港湾経営主体の確立 阪神港として国際競争力の強化を図るためには、港湾の経営に対して民の視点を導入し、 阪神港におけるコンテナ埠頭やフェリー埠頭などの一体的な運営による効率化や、コスト 低減並びにサービス向上を図ることが必要である。 そこで、阪神港においては、平成 23 年 4 月に大阪港・神戸港の両埠頭公社をそれぞれ 株式会社化するとともに、両港の埠頭株式会社を平成 27 年までに経営統合する計画を 1 年前倒しし、平成 26 年 10 月に「阪神国際港湾株式会社」を設立した。 また、同年 11 月には同社が阪神港の「港湾運営会社」として国の指定を受けるととも に、12 月には国の出資を受けて我が国初の「特定港湾運営会社」となっている。 なお、統合形態としては、資産を保有する下物会社と、その資産を借り受けて運営を行 う上物会社に分離させて統合する上下分離方式としており、大阪港、神戸港の両埠頭株式- 28 -
会社については、既存資産及び下物施設の保有・維持管理等を行う会社として存続してい る。 統合会社の概要は以下のとおり。 ④国際戦略総合特区の取り組み 「国際戦略総合特区」は、我が国の経済成長のエンジンとなる産業・機能の集積拠点の形 成を図るため、規制の特例措置、税制・財政・金融上の支援措置等を総合的に行うもので、 阪神港では、この総合特区制度を活用した、国際コンテナ戦略港湾の実現を目指して取り組 んできた。 平成 23 年 9 月には、京都・大阪・兵庫の 3 府県、京都・大阪・神戸 3 政令市が、阪神港 を含む 9 地区からなる「関西イノベーション国際戦略総合特区」の共同申請を行い、同年 12 月に「国際戦略総合特区」の指定を受けた。 「関西イノベーション国際戦略総合特区」は、医療や環境・エネルギーなどの先端技術を いち早く実用化し市場に結びつける仕組み「イノベーション・プラットフォーム」を構築し、 産業の国際競争力の強化を目指すものであり、このなかで阪神港は、イノベーションを下支 えする基盤としての物流インフラに位置付けられている。 平成 24 年 3 月には「国際戦略総合特別区域計画」が認定されたが、これまで提案してい る規制緩和、税財政支援等の制度化に向けては、一部を除き、現在も国等と協議、調整して いるところであり、国との協議が整い、特区制度として追加された特例措置を活用する場合 は「国際戦略総合特別区域計画(変更)」の認定申請を行っていくことになる。社名:阪神国際港湾株式会社(英文:Kobe-Osaka International Port Corporation) 本社所在地:神戸市中央区御幸通 8 丁目 1 番 6 号 神戸国際会館 20 階 設立日:平成 26 年 10 月 1 日(水) 設立時取締役: 代表取締役会長 犬伏 泰夫(元 神戸港埠頭株式会社 社長) 代表取締役社長 川端 芳文(元 大阪港埠頭株式会社 社長) 資本金:7 億 3,000 万円 資本準備金:7 億 3,000 万円 発行株式数:29,200 株(国 34% 神戸市 31% 大阪市 31% 民間銀行 4%)