• 検索結果がありません。

V(x) m e V 0 cos x π x π V(x) = x < π, x > π V 0 (i) x = 0 (V(x) V 0 (1 x 2 /2)) n n d 2 f dξ 2ξ d f 2 dξ + 2n f = 0 H n (ξ) (ii) H

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "V(x) m e V 0 cos x π x π V(x) = x < π, x > π V 0 (i) x = 0 (V(x) V 0 (1 x 2 /2)) n n d 2 f dξ 2ξ d f 2 dξ + 2n f = 0 H n (ξ) (ii) H"

Copied!
23
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

物理学科 学生出版会 1992年度 専攻 問題 1 1

1992

年度 入学試験 物理専門科目

■ 専攻 問題

1

1. 次のような一次元ポテンシャル V(x) 中にある質量 m,電荷 e を持つ粒子を考える。 V(x) =        −V0cos x −π ≤ x ≤ πx < −π, x > π ただし,V0は正とする。 (i) x = 0の近傍でポテンシャルが調和近似できるとし (V(x) ∼ −V0(1 − x2/2)),エネルギー固有値と固有関数 を求めよ。また,n 番目の量子状態に対してこの近似が成り立つ条件を示せ。 ここで,n を整数とした微分方程式 d2f 2 − 2ξ d f + 2n f = 0 の解は,次の二つの式を満たすエルミート多項式 Hn(ξ)を用いて与えられることに注意せよ。 Hn(ξ) = (−1)nexp(ξ2) dn dξn(exp(−ξ 2)) Z −∞ Hn(ξ)Hm(ξ) exp(−ξ2)dξ = √ π2nn!δ n,m (ii) x = 0の近傍で,ポテンシャルの非調和項 ∆V(x) ≡ V(x) + V0(1 − x2/2) を x について最低次の項で近似す る。エネルギー固有値のずれをこの項について一次の摂動計算で求めよ。 ここで,必要ならば,以下に与えられるエルミート多項式の漸化式を用いよ。 ξHn(ξ) = 1 2Hn+1(ξ) + nHn−1(ξ) (iii) x方向に弱い電場 E をかけたときのエネルギー固有値を,V(x) が調和近似できるとして求めよ。このと き,V(x) の調和近似が成り立つための電場 E の条件を示せ。 2. 次のような一次元ポテンシャル V(x) 中にある質量 m を持つ粒子を考える。 V(x) =        V0(cos x + 1) −2π ≤ x ≤ 2πx < −2π, x > 2π ただし,V0は正とする。 この粒子の x の期待値が t = 0 で正であるとき,x の期待値の時間発展を述べよ。ここで,粒子のエネルギー 期待値は V0より十分低く,状態は基底状態と第一励起状態だけを用いて記述できるとする。

(2)

2 1992年度 専攻 問題 2 入学試験 物理専門科目 問題解答集

■ 専攻 問題

2

長さ L,半径 b の金属パイプ(抵抗はゼロとする)の中心軸に沿って半径 a,長さ ` の荷電粒子群が速度 v で通過 する。荷電粒子群内での線電荷密度(単位長さあたりの電荷量)σ は一様であるとする。金属パイプは,図に示 すように,容量 C および抵抗 R を通じて接地されており,抵抗 R の両端間の電位差 V の時間変化をオシロスコー プ上で観測するものとする。 1. 荷電粒子群が周期 T で繰り返し金属パイプ内を同一方向に通過するとき,パイプの内壁面に静電誘導される 電荷量 Q(t) を求め,横軸を時間軸にとって図示せよ。ただし,`  L , T  `/vとする。 2. 金属パイプの外壁につながる容量 C のコンデンサー上には,電荷量 Qc(t)が現れる。そのとき Q(t) と Qc(t)よび抵抗を流れる電流 j(t) との関係式を求めよ。また,電圧 V(t) の満たすべき微分方程式を求めよ。 3. 誘導電荷量 Q(t) および電圧 V(t) を次のようにスペクトル分解するとき,電圧 V(t) のスペクトル成分 ˆV(ω)を, 設問 (2) の V(t) の式を用いて ˆQ(ω)の関数として求めよ。角周波数 ω に対する ˆV(ω)の絶対値 | ˆV(ω)|の概略図 を,ω = 0 近傍に注目して描け。 Q(t) = Z 0 ˆ Q(ω)eiωtdω, V(t) = Z 0 ˆ V(ω)eiωtdω 4. 設問 2 において求めた V(t) の微分方程式の解を求め,以下の場合にオシロスコープ(入力インピーダンスは 1MΩとする)上で観測される電圧波形の概略を図示せよ。 R = 100kΩ, C = 1 × 10−9Farad, ` = 30m, L = 0.3m, v = 3 × 107m/sec 長さ `に含まれる荷電粒子数:N = 1 × 1010個,粒子の電荷:e = 1.6 × 10−19Coulomb また,抵抗 R を 50Ω とした場合はどのような波形となるか。 L l 2a 2b V R C V potential difference capacitance beam resistance earth mettalic pipe

(3)

物理学科 学生出版会 1992年度 専攻 問題 3 3

■ 専攻 問題

3

面積 S = Lx× Lyの平面上は自由に動けるが,面に垂直な方向には動けない電子の系(2次元電子系)を考える。 Lx, Lyは,それぞれ平面の x 方向,y 方向の長さであり,巨視的な大きさであるとする。また,電子間の相互作用 は無視できるものとする。電子の質量を m,電子密度を n,ボルツマン定数を kB,プランク定数を 2π~,絶対温度 を T とする。このとき,以下の設問に答えよ。 1. 周期的境界条件を用いて,1個の電子に対する固有状態,固有エネルギーを求めよ。

2. 状態密度 ρ(E) は dN(E)/dE で定義される。ρ(E) および化学ポテンシャル µ を用いて,有限温度での全電子数 を与える式をしるせ。この式のここでの状態密度の表式を代入して,µ を n および T の関数として求めよ。ま た,EF と T の関数としても表してみよ。 3. kBT  EFのときの比熱の最重要項を求めよ。このとき,必要ならば次の公式を用いよ。 Z −∞ x2d f dxdx = − π2 3 , ここで、f (x) = 1 ex+ 1 である。

4. 電子の状態密度が EF− ∆E ≤ E ≤ EF+ ∆E で ρ(E) = |E − EF|αである系を考える。ここで,α > −1 である。

(4)

4 1992年度 専攻 問題 4 入学試験 物理専門科目 問題解答集

■ 専攻 問題

4

図1は粉末固体試料からの X 線の回折像を撮影するための実験装置を,実際の装置の大きさを無視して,その概 略を定性的に理解できるように,概念的に描いたものである。この装置を用いて,単純立方格子を持つ粉末結晶 試料からの X 線の回折像を撮影することを試みる。図2は,カメラの中での X 線の入射方向,X 線の回折方向,, 写真フィルム,回折像の位置の間の関係を示したものである。R は試料から写真フィルムまでの距離で 6.0cm,S は,写真フィルム上で,ビームストッパーの中心から回折像までの距離である。 この実験に関し次の設問に答えよ。設問 1 では,A から G の部分に該当する言葉または文章を書け。但し,X 線 の波長は 1.54Åである。また,必要とあれば,末尾の表1を用いよ。 1. 撮影を始める前に,試料を試料台にのせて固定する。次に,実験室の配電板のスイッチを入れる。X 線管を (A)するために水を流してから,X 線発生装置の電源のスイッチをいれ,X 線の強度を決めるために,X 線管 の (B) と (C) を設定する。次に,X 線管のシャッターを開けて,ビームストッパーの窓から内蔵されている (D) を見て,(E) を通って細い X 線ビームが,きちんと入射していることを確かめる。もしも (D) が (F) なら,カ メラ支持台を動かして,カメラの位置を調整する。カメラ位置の調整が終わったら,ひとまず (G) を切り,カ メラをカメラ支持台からはずし,写真フィルムをカメラに入れて,カメラ支持台に固定する。そして再び (G) を出して,回折像を撮影する。 2. 解析の対象とすることができるような回折像の撮影が一回の試行で成功するとは限らない。考えられる失敗の 原因を二つあげよ。 3. フィルムに記録される回折像の図を定性的に描け(回折像の形状が定性的にわかればよい)。この回折像は通 常,何と呼ばれるか。 4. 現像された写真フィルム上で中心にもっとも近い回折像に対する S の値として 3.3cm という値が得られた。こ れより,この結晶の格子定数を求めよ。 5. 上の試料において,S = 5.9cm の位置にも回折像が認められた。これはどの結晶面からの回折像か。結晶面の 指数で示せ。 表 1 sin 13.5◦= 0.233 27.0◦= 0.471rad sin 15.8◦= 0.273 31.5◦= 0.550rad sin 20.6◦= 0.352 41.2◦= 0.719rad sin 25.4◦= 0.429 50.8◦= 0.886rad sin 28.2◦= 0.473 56.4◦= 0.983rad sin 30.3◦= 0.505 60.6◦= 1.058rad sin 32.7◦= 0.540 65.4◦= 1.141rad

(5)
(6)

6 1992年度 専攻 問題 5 入学試験 物理専門科目 問題解答集

■ 専攻 問題

5

面積 S の2次元空間を運動する2個の電子が短距離間の引力ポテンシャル −V0δ(~r1− ~r2)(V0は正の定数,δ(~r) は 2次元空間でのディラックのデルタ関数,~r1,~r2は電子の座標)によって相互作用している。この時,2個の電子 のスピンが逆向きであれば,束縛状態が出現する。重心は静止しているとして,次の順序で束縛エネルギーを求 めよ。この束縛エネルギーはシュレディンガー方程式   ~p 2 1 2m + ~p2 2 2m − V0δ(~r1− ~r2)    ψ(~r1,~r2) = εψ(~r1,~r2) · · · (1) の最低固有値により決定される。(m は電子の質量,~p1, ~p2は運動量) 1. 2個の電子のスピンが逆向きの場合,空間部分の波動関数 ψ(~r1,~r2)は ~r1と ~r2の入れ換えに関してどのような 性質を持つか説明せよ。2個の電子のスピンが同じ向きの場合の ψ(~r1,~r2)はどうなるか。また,このとき引力ポテンシャルは ψ(~r1,~r2)にどのような影響を及ぼすか。 2. ψ(~r1,~r2)をフーリエ展開すると波数 ~k に関して偶対称である関数 g(~k) を用いて ψ(~r1,~r2) = X ~k ei~k·(~r1−~r2)g(~k) · · · (2) と書けることを示せ。 3. シュレディンガー方程式を g(~k) を用いて表現すると,次式が得られることを示せ。   2ε(~k)g(~k) − V0 1 S X ~q g(~k − ~q)    = εg(~k) · · · (3) ここで,ε(~k) = ~2k2/2m であり,δ(~r) = S1P~qei~q·~rに注意する。 4. (3)式を解くために,P~qg(~k − ~q)は k に依存しないことに注意し,1S P ~qg(~k − ~q) = Cと書く。この定数 C を用 いると,(3) は g(~k) について解けて g(~k) = V0C 2ε(~k) − ε となり,ε を決定する方程式が次式で与えられることを示せ。 V0 S X ~k 1 2ε(~k) − ε = 1 · · · (4) 5. (4)の左辺を,~k に関する積分に書き直す。このとき,~k についての積分の領域が ε(~k) ≤ ε0(ε0は適当な正の エネルギー)であるとして ε を求めよ。(4) を満たす ε は負となることを確認せよ。特に,mV0/2π~2  1 の 場合,束縛エネルギー E = −ε は E = 2ε0exp " −4π~ 2 mV0 # で与えられることを示せ。

(7)

物理学科 学生出版会 1992年度 専攻 問題 6 7

■ 専攻 問題

6

進化した星の中心部には重元素からなる中心核が形成される。特に重い星の場合,この中心核は重力崩壊を起こ し重力崩壊型超新星爆発を起こす。このとき,解放される重力エネルギーは中心核を暖め,最終的に熱的ニュート リノとして外部に放出される。 1. 質量 M = 3.0 × 1030kgの中心核が,重力崩壊に伴いその半径が R 1= 106mから R2= 104mに収縮するとする。 このときに放出される重力エネルギー ∆U を求めよ(数式だけでよい)。ただし,中心核内部の物質密度は一 様であると仮定し,重力定数を G とせよ。 2. 超新星爆発が銀河中心(地球からの距離は L = 3 × 1020m)で起こったとして,地球上で単位面積あたりを通 過するニュートリノの数 nνを数式で表せ。設問 1 で得られた重力エネルギー ∆U がすべてニュートリノとし て等方的に放出されるとし,ニュートリノの平均エネルギーを ¯Eνとする。 3. 放出された全ニュートリノ数の 1/6 は反電子ニュートリノ ¯νeであり,検出器内で以下の反応により ¯νeが検出 されるとする。 ¯ νe+ p → n + e+ 質量 MD= 3 × 106kgの巨大な検出器により検出される事象の数を数式で表し,有効数字1桁で値を求めよ。た だし,単位面積あたり nν個のニュートリノが通過したとし,上記の反応の断面積を σ = 10−46m2とする。ま た,検出器内の陽子含有率(質量比)は 1/2 であり,ニュートリノの平均エネルギーを ¯Eν= 10MeV とする。 4. 観測されたニュートリノ事象の時間幅は ∆t,エネルギーの分布は Eminから Emaxにわたったとする。全ての ニュートリノが同時に放出されたと仮定することにより,ニュートリノ質量の上限値が与えられる。この上限 値を求めよ。 重力定数 G = 6.67 × 10−11m3kg−1s−2 アボガドロ数 NA = 6.02 × 1023 エネルギー換算 1eV = 1.6 × 10−19J

(8)

8 1992年度 専攻 問題 7 入学試験 物理専門科目 問題解答集

■ 専攻 問題

7

1. タンパク質の階層構造を示すのに、一次構造、二次構造、超二次構造、三次構造、四次構造という述語が使わ れている。それぞれの述語がタンパク質のどのようなレベルの構造をしめすかを簡単に述べよ。(一述語あた り二行以内)。 2. タンパク質の二次構造は、ポリペプチド主鎖の二つの二面角 φ (C’–N–C–C’) と ψ(N–C–C’–N) のみで表すこ とができる。その理由を述べよ。 3. 化学結合したホモポリペプチドであっても、α-らせんや β-構造のような立体構造を示すことがある。しかし、 ホモポリペプチドは、天然タンパク質が持つ、より高次の立体構造をとることはない。これらの事実より、タ ンパク質の二次構造を安定化する相互作用と、より高次の立体構造を安定化する相互作用との間にどのような 違いがあると考えられるか。十行以内で述べよ。 4. タンパク質の天然構造は、そのアミノ酸配列(遺伝情報)により一意的に決定されると考えられている。この ような考えの根拠になっている既知の実験事実について解説せよ。また、アミノ酸配列より天然構造へと至る 構造形成の仕組みを明らかにするには、どの様な研究が必要と考えられるか。それぞれ 10 行以内で述べよ。

(9)

物理学科 学生出版会 1992年度 専攻 問題 1 解答 9

■ 専攻 問題

1

解答

1. (i) x ' 0V(x) ' −V0(1 − x2 2 + x4 24+ · · · ) ' −V0(1 − x2 2) · · · (1) と調和近似できたとする。この時 Schr¨odinger eq. は、 ~2 2m d2 dx2ψ + E + V0− 2 2 x 2 ! ψ = 0 d2 dx2ψ + ( 2m(E + V0) ~2 −  ~ 2 x2 ) ψ = 0(V0 = mω2とした) · · · (2) x = αXの変数変換を考えると d2 dx2 = 1 α2 d2 dX2, x 2= (αX)2 より、 α4= ~ !2 , λ = 2m(E + V0) ~2 α 2= 2(E + V0) ~ω · · · (3) とすると式 (2) は d2 dX2ψ + (λ − X 2)ψ = 0 · · · (4) となる。 ここで u = e±X22 は u00+ (∓1 − X2)u = 0をみたし、これは X → ±∞ で式 (4) と一致するので式 (4) の解は 近似の効く範囲で e±X22 に漸近する解を持つ。波動関数の収束からこのうち eX2 2 が許される。式 (4) の一 般解を求めるために、 ψ(X) = eX2 2ϕ(X) と置いて式 (4) に代入すると、 d2 dX2ϕ − 2X dX + (λ − 1)ϕ = 0 · · · (5) となる。この方程式の解は (λ − 1) = 2n(n = 0, 1, 2 · · · ) のときのみ X → ∞ で eX22 をかけて収束する(そ うでないときは、eX22 をかけても発散する)。よって、 λ = 2n + 1(n = 0, 1, 2 · · · ) · · · (6) 式 (3) からこれは E = En= (n + 1 2)~ω − V0 · · · (7) 一方、式 (7) に対する固有関数は式 (6) をみたすとき式 (5) の解が n 次 Hermite 多項式になることから、規 格化定数 N を用いて ψn(X) = NeX2 2 Hn(X) · · · (8) 規格化条件 Z ∞ −∞ |ψ(x)|2dx = 1 より 1 = Z −∞ N2e−X2Hn(X)2αdX = αN2 √ π2nn! よって N = (α√π2nn!)−1 2 =        r π~ 2 nn!        −1 2 よってψn(x) =        r π~ 2 nn!        −1 2 exp  − 2~ x 2  Hn r ~ x !

(10)

10 1992年度 専攻 問題 1 解答 入学試験 物理専門科目 問題解答集 ただしこの調和近似が良いのは x ∼ 0 ⇐⇒ En∼ −V0⇐⇒ n + 1 2 ! ~ω  V0 (ii) 摂動項 ∆V(x) = −V0 cos x − 1 + x2 2 ! ' −V0 24x 4 ∆En= hn|∆V(x)|ni = Z −∞ N2e−(xα) 2 Hn2 x α   −V0 24x 4  dx = Z −∞ N2e−X2H2n(X)  −V0 24α 4X4  αdX = −V0 24N 2α5 Z −∞ e−X2Hn2(X)X4dX Z −∞ e−X2Hn2(X)X4dX = Z −∞ e−X2(XHn(X))2X2dX = Z −∞ e−X2 " 1 2Hn+1+ nHn−1 #2 X2dX = Z −∞ e−X2 " 1 4(XHn+1) 2+ n(XH n+1)(XHn−1) + n2(XHn−1)2 # dX = Z −∞ e−X2   14 ( 1 2Hn+2+ (n + 1)Hn )2 + n ( 1 2Hn+2+ (n + 1)Hn ) · · ( 1 2Hn+ (n − 1)Hn−2 ) + n2 ( 1 2Hn+ (n − 1)Hn−2 )2   dX ここで Hnの直交性から積分すると [· · · ] の中のクロスタームは消えるので = Z −∞ e−X2 " 1 4 1 4H 2 n+2+ ( 1 4(n + 1) 2+ n(n + 1)1 2 + n 21 4 ) Hn2+ n2(n − 1)2Hn−22 # dX = Z ∞ −∞ e−X2 " 1 16H 2 n+2+ (2n + 1)2 4 H 2 n+ n 2(n − 1)2H2 n−2 # dX = 1 16 √ π2n+2(n + 2)! +(2n + 1)2 4 √ π2nn! + n2(n − 1)2√π2n−2(n − 2)! = √π2nn! ( (n + 1)(n + 2) 4 + (2n + 1)2 4 + n(n − 1) 4 ) = √π2nn!6n 2+ 6n + 3 4 よって ∆En= hn|∆V(x)|ni = − V0 24N 2α5√π2nn!6n2+ 6n + 3 4 = −V0 24 α5√π2nn! α√π2nn! 6n2+ 6n + 3 4 = −V0 32 ~ !2 (2n2+ 2n + 1) = − ~ 2 32m(2n 2+ 2n + 1) (V 0= mω2) (iii) V(x) = −V0cos x − eE x = −V0 1 + eE V0 x −1 2x 2+ 1 24x 4− · · · ! = −V0   1 −12 x − eE V0 !2 +e 2E2 2V2 0 + 1 24x 4− · · ·   

(11)

物理学科 学生出版会 1992年度 専攻 問題 1 解答 11 これが調和近似できるためにはx −eE V0 2 の項の x2からのずれが eE V0  1 となれば良い。この時エネルギー固有値は e 2E2 2V2 0 の項のずれの効果で、 En= n + 1 2 ! ~ω − V0− e2E2 2V0

2. 系は ground state と 1st excited state だけで記述される。それぞれの状態のエネルギー固有関数とエネルギー固 有値は求まっているとする。

エネルギー 波動関数

ground E0 ψ0(x)

1st excited E1 ψ1(x)

一般に ground state と 1st excited state のパリティはそれぞれ正と負である。

(注)正確には例えば ψ0は中央がへこんでいるかも知れないがここで問題なのはパリティだけである。 ここで ψ0(x), ψ1(x)の時間発展は Schr¨odinger eq. i~∂tψn(x, t) = Enψn(x, t) (n = 0, 1) で決まるので、 ψ0(x, t) = exp  −iE0t ~  ψ0(x), ψ1(x, t) = exp  −iE1t ~  ψ1(x) となる。したがって ψ(x, t) = C0ψ0(x, t) + C1ψ1(x, t) = exp  −iE0t ~  ( C0ψ0(x) + C1exp " −i(E1− E0)t ~ # ψ1(x) ) よって、パリティを考慮すれば、 ψ(x, t + π~ E1− E0 ) = ψ(−x, t), ψ(x, t + 2π~ E1− E0 ) = ψ(x, t) よって、粒子は角振動数 ω = E1− E0 ~ で x > 0 と x < 0 との間を行き来する。

(12)

12 1992年度 専攻 問題 2 解答 入学試験 物理専門科目 問題解答集

■ 専攻 問題

2

解答

1. この問いに厳密に答えるのは非常に難しい。そこで単に 円筒形コンデンサーの問題として考えれば十分と思われ る(この仮定は、回路の緩和時間 RC が、粒子群がパイ プを横切る時間 L/v に対して十分長ければ妥当である)。 粒子群がパイプ内にある時、パイプ内壁に静電誘導され る電荷量は −σL である。そして、粒子群がパイプ内を完 全に横切るのにかかる時間は (L + `)/v ' `/v である。従っ て Q(t) の時間変化は右図のようになる。

Q(t)

t

T

l/v

σ

L

2. 図のように Qcと j の符号を定める。すると、 d dt(Q(t) + Qc(t)) = j(t) · · · (1) V(t) = −R j(t) = 1 CQc(t) · · · (2) がなり立つ。(2) を用いて (1) から j, Qcを消去すると、 dV(t) dt + 1 RCV(t) = − 1 C dQ(t) dt · · · (3) となる。 V R C j +QC 3. 問題文では積分の下限が 0 になっている。この理由が私には良く分からない。問題文のままでは Q(t) が実数 であることを保証できないように思うのだが…。 以下ではとりあえず通常のフーリエ変換を用いて設問に答えることにする(今繰り返しの周期 T は十分に長 いとしているので、フーリエ級数でもフーリエ変換でも同じ結果になる) V(t) = Z −∞ ˜ V(ω)eiωtdω , Q(t) = Z −∞ ˜ Q(ω)eiωtdω · · · (4) 式 (4) を式 (3) に代入し、各周波数成分毎にまとめると iω ˜V(ω) + 1 RCV(ω) = −˜ CQ(ω)˜ ... V(ω) = −˜ 1 RC+ iω ˜ Q(ω) C · · · (5) となる。今 Q(t) を 0 ≤ t ≤ `/v で −σL、それ以外で 0 とすると ˜Q(ω)は、 ˜ Q(ω) = 1 2π Z −∞ Q(t)e−iωtdt = 1 2π Z `/v 0 (−σL)e−iωtdt = σLe−iω`/v− 1 となる。したがって ˜V(ω)は、 ˜ V(ω) = −1 2π e−iω`/v− 1 1 RC + iω σL C · · · (6) よって | ˜V(ω)| = 1 π σLC | sinω` 2v| q 1 RC 2 + ω2 ∼RC π σLC ω`2v (ただし、ω ' 0) となる。| ˜V(ω)|の概略図は次の通りになる。

(13)

物理学科 学生出版会 1992年度 専攻 問題 2 解答 13 |V(ω)| ω 4. 式 (6) を積分して V(t) を求める(V(t) を求めるだけなら、式 (3) を定数変化法で解くこともできる)。 V(t) = Z −∞ ˜ V(ω)eiωtdω = − 1 2π σL C        Z ∞ −∞ eiω(t−`/v) 1 RC + iω dω − Z ∞ −∞ eiωt 1 RC + iω        =              0, (t < 0) σL Cet RC, (0 < t < `/v) σL Cet RC(−e `/v RC + 1), (t > `/v) 問題文で与えられた値を代入すると、 σL C = 1 C eN ` L = 1.6 × 10 −2[V] ` v = 10 −6[sec] RC =        10−4[sec] (R = 100kΩ) 5 × 10−8[sec] (R = 50Ω) となる。ただしオシロスコープの入力インピーダンスは十分大きいので影響を無視した。 オシロスコープで観測される波形は下図のようになる。 160mV 160mV 1 µ µ Ω 1 s s Ω R=100k R=

50

(14)

14 1992年度 専攻 問題 3 解答 入学試験 物理専門科目 問題解答集

■ 専攻 問題

3

解答

1. 2次元での自由粒子の Schr¨odinger 方程式は、 −~ 2 2m ∂2 ∂x2 + ∂2 ∂y2 ! Ψ = EΨ · · · (1) である。この式を Ψ = X(x)Y(y) と変数分離して解く (1) へ代入すれば、 −~ 2 2m X00 X + Y00 Y ! = E を得る。ここで、X00/X = −k2x, Y00/Y = −k 2 yとおけば、 X = Axeikxx, Y = Ayeikyy と解が求まる。次に周期的境界条件により kx, kyを求めると、X(x) = X(x + Lx)より eikxLx = 1、つまり、 kx= 2πnx/Lx(nx= 0, ±1, ±2, · · · ) が得られ、同様にして、ky= 2πny/Ly(ny= 0, ±1, ±2, · · · ) が得られる。 従って、(1) の解は、 Ψ = X(x)Y(y) = Ae2iπ  nx Lxx+ ny Lyy  (A = AxAy) と書け、さらに、規格化条件から、A = 1/S となる。結局固有ベクトル、固有値はそれぞれ、 Ψ = √1 S e2iπ  nx Lxx+ ny Lyy  E = ~ 2 2m(k 2 x+ k 2 y) = (2π~)2 2m        nx Lx !2 + ny Ly !2    , (nx, ny= 0, ±1, ±2, · · · ) となる。 2. あるエネルギー E までの状態数は、nx-ny面での E = 一定という線内の格子点数に対応する。 いま、Lx, Lyは十分に大きいとしているので、エネルギー準位の間隔は小さいとできる。そこで、状態数を、 軸の長さがそれぞれ √2mELx/π~, √ 2mELy/π~ の楕円の面積と考えることができる。 従って、 N(E) = 2 · π ·2mE Lx 2π~· √ 2mE Ly 2π~ = mS π~2E · · · (2) ここで、因数2はスピンの自由度によるものである。 また、N(EF) = nSより、 mS π~2EF = nS =⇒ EF = π~2 m n が得られる。 有限温度 T での全電子数 N は、fermi 分布関数 f (E) を用いて、 N = Z 0 ρ(E) f (E)dE = Z 0 ρ(E) 1 e E−µ kBT + 1 dE と書き表せる。 さて、(2) 式より、ρ(E) は、 ρ(E) = dN(E) dE = mS π~2

(15)

物理学科 学生出版会 1992年度 専攻 問題 3 解答 15 を代入して、 N = mS π~2 Z 0 dE eE−µkBT + 1 = mS π~2kBT ln  e µ kBT + 1  = nS となる。よって、µ は、T と n、T と EFを使って、それぞれ µ = kBT ln  eπ~2m n 1 kBT − 1  = kBT ln  ekBTEF − 1  · · · (3) と表せる。 3. 内部エネルギー U(T ) は、 U(T ) = Z ∞ 0 Eρ(E) f (E)dE = mS π~2 Z ∞ 0 EdE e E−µ kBT + 1 である。ここで、低温近似 kBT  EFを使うと、(3) 式より µ ' EFとして良いから、β ≡ 1/kBT として、 U(T ) ' mS π~2 Z 0 EdE eβ(E−EF)+ 1 と表せる。すると、比熱 C(T ) は、 C(T ) = ∂U(T ) ∂T ' − 1 kBT2 ∂ ∂β mS π~2 Z 0 EdE eβ(E−EF)+ 1 ! =mS π~2 1 kBT2 Z 0 E(E − EF)eβ(E−EF) eβ(E−EF)+ 12 dE ここで、x ≡ β(E − EF)とすると、dx = βdE などより、 C(T ) = mS π~2 1 kBT2 Z −βEF  x β+ EF  x βex (ex+ 1)2 dx β = mS π~2 1 kBT2 Z −βEF 1 β3 (x + βEF)xex (ex+ 1)2 dx 1/β  EF、つまり、βEF  1 より、 ' mS π~2 1 kBT2 Z −∞ 1 β3 (x + βEF)xex (ex+ 1)2 dx が得られる。 積分を計算する際に、(x + βEF)という部分に注目すると、残った部分が奇関数になっているから、第二項か ら来る積分は消える。また、 d dxf (x) = d dx 1 ex+ 1 ! = −e x (ex+ 1)2 であるから、結局、 C(T ) ' −mS π~2 1 kBT2 Z −∞ 1 β3x 2 d dxf (x)dx = − mS π~2 1 kBT2 (kBT ) 3 π2 3 ! =mS πk 2 B 3~2 T となる。

4. 状態密度の仮定式 ρ(E) = |E − EF, α > −1(for EF− ∆E ≤ E ≤ EF+ ∆E) を代入すると、内部エネルギーとして、

U(T ) = Z EF+∆E EF−∆E E|E − EFdE eβ(E−µ)+ 1 を考えればよく、kBT  EF, ∆E で低温近似をすれば、 C(T ) ' − 1 kBT2 Z EF+∆E EF−∆E ∂ ∂β E|E − EF|α 1 eβ(E−EF)+ 1 ! dE = 1 kBT2 Z EF+∆E EF−∆E E|E − EF(E − EF)eβ(E−EF) eβ(E−EF)+ 12 dE

(16)

16 1992年度 専攻 問題 3 解答 入学試験 物理専門科目 問題解答集 x ≡ β(E − EF)とすると、 = 1 kBT2 Z β∆E −β∆E x β+ EF ! βx α x βex (ex+ 1)2 dx β = 1 kBT2 · β−α−3 Z −∞ (x + βEF)|x|α xex (ex+ 1)2dx = 1 kBT2 β−α−3 Z −∞ |x|αx2ex (ex+ 1)2dx (偶奇性より。4 番を参照) ∝ Tα+1 という結果を得る。

(17)

物理学科 学生出版会 1992年度 専攻 問題 4 解答 17

■ 専攻 問題

4

解答

1. A 冷却 B 電圧 C 電流(電圧の設定が先である) D 蛍光板(裸眼で見る人がたまにいるが危険である) E 試料 F 光っていない G X線 2. 1.X線が、試料の中心を通っていないため像がずれる、またはない。 2.X線の光量を間違う。または現像ミス。 3. デバイリング 4. S = 3.3cmであるから、 2θ = 3.3cm 6cm = 0.55[rad] θ = 15.8◦ 一方、S = 3.3cm は最も中心に近い像であるから n = 1 。よって d = 2.82[Å] = a0 5. S = 5.9cmであるから、入射角は 2θ = 5.9cm 6cm = 0.983[rad] θ = 28.2◦ これと 2d sin θ = λ より d = 1.63[Å] となる。ここで面指数 (h, k, l) に対して 1 d2 = 1 a2(h 2+ k2+ l2) の関係があるから、代入すると h2+ k2+ l2= 3 ゆえに (h, k, l) = (1, 1, 1)

(18)

18 1992年度 専攻 問題 5 解答 入学試験 物理専門科目 問題解答集

■ 専攻 問題

5

解答

1. 2つの電子のスピンが逆向きのとき、つまり状態ケットのスピン成分が反対称のときは、 ψ(~r1,~r2) = ψ(~r2,~r1) 逆に、状態ケットのスピン成分が対称(スピンが同じ向き)ならば、 ψ(~r1,~r2) = −ψ(~r2,~r1) となる。 ψ(~r1,~r2)が反対称状態のとき r1= r2なら ψ = 0 より δ(~r1− ~r2)ψ(~r1,~r2) = 0 になり、このとき Schr¨odinger 方程式は自由粒子の場合と同じで、束縛状態は出現しない。 ψ(~r1,~r2)が対称状態のとき、結合エネルギーの期待値は Z ψ∗(~r 1,~r2){−V0δ(~r1− ~r2)}ψ(~r1,~r2)d2r1d2r2= −V0 Z |ψ(~r,~r)|2d2r < 0 となりエネルギーが下がる。これにより束縛状態が出現する。 2. 重心は静止しているから ( ~p1+ ~p2)ψ(~r1,~r2) = 0 · · · (1) である。ここで重心座標 ~R、相対座標 ~r0を ~ R ≡ 1 2( ~r1+ ~r2), r~ 0≡ ~r 1− ~r2 とおき ψ(~r1,~r2) ≡ ψ(~R, ~r0) とすると (1) 式は、(1) 式を使って、 ( ~p1+ ~p2)ψ(~r1,~r2) = ~ i∂~r1 + ∂ ∂~r2 ! ψ(~r1,~r2) = ~ i ∂ ∂~Rψ(~R, ~r 0) = 0 となり、ψ(~R, ~r0)は ~r0のみの関数であることがわかる。したがって ψ(~r1,~r2) = X ~k ei~k(~r1−~r2)g(~k) のように展開することができる。 束縛状態では ψ(~r1,~r2) = ψ(~r2,~r1)だから X ~k ei~k(~r1−~r2)g(~k) = X ~k ei~k(~r1−~r2)g(−~k) となり、g(~k) = g(−~k) である。すなわち g(~k) は偶対称である。

(19)

物理学科 学生出版会 1992年度 専攻 問題 5 解答 19 3. p~ 1 2 + ~p2 2 = 1 2 n ( ~p1+ ~p2)2− ( ~p1− ~p2)2 o ~ p1+ ~p2= ~ i∂~r1 + ∂ ∂~r2 ! = ~ i ∂ ∂~R ~ p1− ~p2= ~ i∂~r1 − ∂ ∂~r2 ! = 2~ i ∂ ∂~r0 を用いて Schr¨odinger 方程式を書き換える。ψ(~R, ~r0)は ~Rに依存しないので   p~1 2 2m + ~ p2 2 2m − V0δ(~r 0)    ψ(~r0) = " −~ 2 m d2 d~r02 − V0δ(~r0) # ψ(~r0) = εψ(~r0) となる。この式に ψ(~r0) = X ~k ei~k~r0g(~k), δ(~r0) = 1 S X ~q ei~q~r0 を代入すると X ~k ~2k2 m e i~k~r0 g(~k) −V0 S X ~k X ~q ei(~k+~q)~r0g(~k) = ε X ~k ei~k~r0g(~k) となり、ei~k~r0 の成分に着目すれば   ~2mk2g(~k) − V0 S X ~q g(~k − ~q)    = εg(~k) · · · (2) を得る。 4. 1 S X ~q g(~k − ~q) = C を (2) に代入すれば直ちに g(~k) = V0C 2ε(~k) − ε · · · (3) を得る。そして 1 S X ~q g(~k − ~q) = C に ~k = 0 を代入し g(~q) = g(−~q)を用い、添字を ~qから ~k に変えると 1 S X ~k g(~k) = C · · · (4) となり (3) を (4) に代入すると V0 S X ~k 1 2ε(~k) − ε = 1 となる。 5. V0 S X ~k 1 ~2k2 m − ε = 1

(20)

20 1992年度 専攻 問題 5 解答 入学試験 物理専門科目 問題解答集 これを積分に直すと S 4π2 V0 S Z k 0 0 2πk ~2k2 m − ε dk = mV0 4π~2 Z ε 0 0 dE E −ε2 = 1 となる。ε > 0 のときは積分が発散するので ε < 0 でなければならない。このとき mV0 4π~2log(1 − 2ε0 ε ) = 1 ε = 2ε0 1 − exp4π~mV2 0 < 0 特に mV0 2π~2  1 の場合、分母の 1 が無視できて E = 2ε0exp − 4π~2 mV0 ! となる。

(21)

物理学科 学生出版会 1992年度 専攻 問題 6 解答 21

■ 専攻 問題

6

解答

1. 解き方 1 無限遠から物質を少しずつ持ってきて球を組み立てることを考えると、密度一様なので半径 r の球 の質量は M(r) = M × r R 3 だから、そのすぐ外側でのポテンシャルは −GM(r)r なので、r から r + dr までの球 殻を作る際に出るエネルギー dU(r) は、 dU(r) = −GM(r) r dM(r) = − G r · M r R 3 · M ·3r 2dr R3 = − 3GM2r4 R6 dr よって、 U(R) = Z R 0 dU(r) = −3GM 2 5R

... ∆U = U(R1) − U(R2) =

3GM2 5 1 R2 − 1 R1 ! 解き方 2 重力エネルギーは (1/2)R ρφdV である。1/2 は 2 粒子間のポテンシャルを 2 重に数えるから必要で ある。また、ポテンシャル φ は無限遠でゼロになるように原点を定める。さて φ はがんばって計算すると −GM/r (r > R) GM/R(r2/2R2− 3/2) (r < R) となるので、 U(R) = 1 2 Z R 0 GM R r2 2R2 − 3 2 ! dM(r) = 3 20− 3 4 ! GM2 R = − 3GM2 5R . 2. 4πL2nν=∆U¯ Eν だから、 nν= ∆U 4πL2E¯ ν = 3GM 2 20πL2E¯ ν 1 R2 − 1 R1 ! 3. 検出される事象の数が、 N = nν 6σNp で表せると仮定する。但し、Npは陽子の数である。陽子1モルは水素原子1モルとほぼ同じ質量をもつと考 えれば、MD= 3 × 106kgの測定器に含まれる陽子数は、陽子の含有率(質量比)を考慮して、次のように書 くことができる。 Np= MD× 1/2 1 × 10−3 × NA NAはアボガドロ数である。M = 3 × 1030kg, L = 3 × 1020m, G = 7 × 10−11m3kg−1s−2, ¯ Eν= 10MeV, R1= 106m, R2= 104mより、 nν= 2 × 1016m−2 MD= 3 × 106kg, NA= 6 × 1023より、 Np= 9 × 1032 この結果を用いて、仮定の妥当性を示す。検出される事象の数が、nν 6σNpと書けるのは、 σNp 1[ m2]  1 が成り立っている場合である。実際、 σNp' 10−46[ m2] · 9 × 1032= 9 × 10−14[ m2] となるので、条件を満たしている。よって、 N = 3 × 102

(22)

22 1992年度 専攻 問題 6 解答 入学試験 物理専門科目 問題解答集 4. Emax, Eminに対応して添字 1,2 を用いることにする。 ∆t = t2− t1= L v2 − L v1 = L c 1 β2 − 1 β1 ! · · · (1) E1= mc2 q 1 − β21 · · · (2) E2= mc2 q 1 − β22 · · · (3) β1, β2> 0 を考慮して、(1)∼(3) より、 c∆t L =       1 − mc2 E2 !2     −1 2 −       1 − mc2 E1 !2     −1 2 ニュートリノの運動が相対論的である mc 2 E  1 ! として、 c∆t L '       1 + 1 2 mc2 E2 !2    −       1 + 1 2 mc2 E1 !2    = (mc2)2 2    1 E22 − 1 E12    mc2> 0 より、 ... mc2'    2c∆tL ! ,   1 E22 − 1 E12       1/2 [注]『上限』とは、「ニュートリノが同時に放出された」という仮定による。つまり (1) を立てたことで、上限 を求めていることになる。β3≤ 1 とすることではない。

(23)

物理学科 学生出版会 1992年度 専攻 問題 7 解答 23

■ 専攻 問題

7

解答

1. 一次構造 20種のアミノ酸による配列のこと 二次構造 ペプチド結合部の水素結合によってつくられる構造で α ヘリックスと β シートのこと 超二次構造 α ヘリックスと β シートとランダムコイルの組み合わせによって作られるモチーフ 三次構造 上記の構造をふまえたうえで一本のアミノ酸鎖が最終的にとる立体構造 四次構造 多くの酵素は一本のアミノ酸からつくられるいくつかのサブユニットから成り、そのサブユニット の組合せを四次構造という。 2. タンパク質の backbone をたどると一つのペプチドあたり C’–N, N–C,C–C, の3つの回転自由度がある。しか し、実際はペプチド結合部すなわち N–C は、C=O 二重結合と共鳴しており回転できない。そのため自由度が 2個になる。 3. まず、二次構造が対称構造であることがわかる。すなわちある性質を持った残基が周期的に現れることが (homopolypeptide ではいうまでもなく残基の性質は周期的である)、二次構造を安定化する要因となる。これ に対しより高次の構造は基本的に対象とは無関係である。ではより高次に構造は何によって決まるかと言う と、むしろ残基の性質が違うこと、つまり hydrophilicity や charge の違いが、その要因となっている。また、 より高次の構造は二次構造とくらべて、ランダムな状態との chemical energy の差が小さく反応速度が小さい ために触媒を必要とする。in situ では、folding enzyme がその役目を果たす。

4. ribonucleaseを urea で変性し失活させた後、徐々に urea を除去すると再び活性を取り戻した(C.B.Anfinsen)。 この実験を解釈すると、urea によって一次構造は保持しているが高次構造を失っているペプチド鎖が urea の 除去により再び高次構造を取り戻したということである。これは in vitro で行なわれた実験であるので folding enzymeなどの助けがなくても一次構造のみから高次構造を再生したことになる。 タンパク質の一残基あるいは少数のみ改変し高次構造の変化を見ることによってその部位の構造をつくるため に必要な相互作用を知ることができる。すなわち、改変蛋白が構造を失わないならば残基のいかなる違いによ るものかを調べることである。また同じことを、異なる生物の同じ機能を持つ蛋白を見比べることによっても できる。

参照

関連したドキュメント

In this section, we establish a purity theorem for Zariski and etale weight-two motivic cohomology, generalizing results of [23]... In the general case, we dene the

We prove a continuous embedding that allows us to obtain a boundary trace imbedding result for anisotropic Musielak-Orlicz spaces, which we then apply to obtain an existence result

In the second section, we study the continuity of the functions f p (for the definition of this function see the abstract) when (X, f ) is a dynamical system in which X is a

We study a Neumann boundary-value problem on the half line for a second order equation, in which the nonlinearity depends on the (unknown) Dirichlet boundary data of the solution..

Rhoudaf; Existence results for Strongly nonlinear degenerated parabolic equations via strong convergence of truncations with L 1 data..

Lang, The generalized Hardy operators with kernel and variable integral limits in Banach function spaces, J.. Sinnamon, Mapping properties of integral averaging operators,

Remarkably, one ends up with a (not necessarily periodic) 1D potential of the form v(x) = W (x) 2 + W 0 (x) in several different fields of Physics, as in supersymmetric

Algebraic curvature tensor satisfying the condition of type (1.2) If ∇J ̸= 0, the anti-K¨ ahler condition (1.2) does not hold.. Yet, for any almost anti-Hermitian manifold there