東京電力ホールディングス株式会社
2018年10月23日
多核種除去設備(ALPS)処理水タンクの性状
ALPS出口の処理水分析結果及び貯留タンク群への移送時期から、タンク群毎に主要7核種及びトリチ
ウムの放射能濃度と告示比総和を推定
タンク群の一部についてはサンプリングによる放射能濃度測定を実施済みで、推定値との乖離は小
タンク群の放射能濃度の測定は、今後も継続して実施
【タンク群毎の放射能濃度の推定(詳細はデータ集参照)】
62核種の告示比総和の推定値(主要7核種の告示比総和推定値+主要7核種以外の告示比総和
推定値0.3)とタンク水貯留量の関係は下グラフの通り。
2018.8.7時点で満水であったタンクに群について告示比総和を評価したところ、1未満のALPS処
理水は約13.7万m
3
告示比総和の推定値が特に高いものは既設ALPSの不具合等によるもの
※2013年度に発生した既設ALPSのクロスフローフィルタの不具合 クロスフローフィルタの透過水※、放射能濃度の高いSr処理水 (単位:m3) 設備運用開始初期の処理水等 62核種の告示比総和(推定) タ ン ク 貯留量 136,700 319,500 204,400 161,000 65,200 0. 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 350,000 ~1 1~5 5~10 10~100 100~19,9092018.10.1 多核種除去設備等
処理水の取扱いに関する小
委員会資料より抜粋
告示比総和(推定値)>100のALPS処理水タンク内訳
エリア
群
貯留量
告示比総和
(推定値)
備考
G3
D
約7,100
>100
ALPS処理水の測定値から評価した合算値は
0.66であるが当該タンクにて
Sr処理水の残水と
混合されているため>100とした
J1
A
約8,500
>100
ALPS処理水の測定値から評価した合算値は
0.97であるが当該タンクにて
Sr処理水の残水と
混合されているため>100とした
C
約9,400
>100
ALPS処理水の測定値から評価した合算値は
10.08であるが当該タンクにて
Sr処理水の残水
と混合されているため>100とした
D
約9,500
10,000
既設ALPS前処理設備の不具合により発生し
たSr-90濃度の高い水を受け入れ
E
約8,500
10,000
既設ALPS前処理設備の不具合により発生し
たSr-90濃度の高い水を受け入れ
F
約9,500
10,000
既設ALPS前処理設備の不具合により発生し
たSr-90濃度の高い水を受け入れ
G
約9,500
>100
ALPS処理水の測定値から評価した合算値は
0.58であるが当該タンクにて
Sr処理水の残水と
混合されているため>100とした
N
約3,200
>100
ALPS処理水の測定値から評価した合算値は
5.33であるが当該タンクにて
Sr処理水の残水と
混合されているため>100とした
告示比総和(推定値)>100のALPS処理水タンク内訳
① Sr残水とALPS処理水の混合の経緯
② 既設ALPS 前処理設備不具合の経緯
① Sr残水とALPS処理水の混合の経緯
エリア
群
型式
基数
貯留量
G3
D
溶接型
7
約7,100
J1
A
溶接型
8
約8,500
C
溶接型
9
約9,400
G
溶接型
9
約9,500
N
溶接型
3
約3,200
G3-D,J1-A,C,G
設置当初(2013年度下期~2014年度上期頃)は,RO濃縮
塩水を貯蔵。
RO濃縮塩水の処理完了後は,Sr処理水タンクとして再利用
(2014年下期頃~2015年度上期頃)。
Sr処理水の処理完了後は,ALPSタンクとして再利用(2015
年度下期頃)。この際,Sr処理水の残水とALPS水が混合。
J1-N
設置当初(2014年度上期頃)にALPS処理水を貯蔵。
その後,J1-CをALPS処理水タンクとして再利用する際に,
J1-Cと連結
※したことから,Sr処理水と混合しているタンク
として分類。
※J1-CにはALPS処理水の受入配管は設置されていない
表 Sr処理水の残水とALPS処理水が混合しているタンク一覧
図 J1タンク-C,N群の配置図
:受払タンク
N2 N3 C5 C2 C3 C4 B5 C6 C7 B6 B7 B3 B4 B1 B2 B8 C8 C1 C9 N1② 既設ALPS 前処理設備不具合の経緯(1/2)
2014/3/18 B系統においてはCFF3B
より、2014/
3/27 A系統においてはCFF
7A、8A
より
炭酸塩スラリーの流出が確認された。
分解調査した結果、
ガスケットの一部に放射線照射によると推定される劣化および微小な
傷を確認
。
炭酸塩スラリーの流出によって
汚染された系統内の浄化を実施
し、処理運転を再開予定。(
A系統については、4/23処理再開済み)
P
スラリを 高性能容器へ移送 共沈タンク高性能容器
HIC
鉄共沈処理水
P
炭酸ソーダ
苛性ソーダ
供給タンク ポンプ2供給 ポンプ2循環 吸着塔入口 バッファ タンク 吸着塔へ CFF4 CFF3 CFF5 CFF6 CFF7 CFF8 循環ライン(スラリ濃縮) ろ過ラインA系統で
スラリー透過の確認
されたCFF
B系統で
スラリー透過の確認
されたCFF
2014.5.24面談資料より
抜粋・一部加筆
② 既設ALPS 前処理設備不具合の経緯(2/2)
分解調査の結果、CFFハウジングと押さえプレートの間の
プレートガスケット(Vシール構
造・テフロン製)に欠損または微小な傷があることを確認
。そこから炭酸塩スラリーが流出し
たと推定。
押さえプレート
CFFハウジング
グローバルガスケット
プレートガスケット
Vシール構造
テフロン製
フィルタ
循環ライン
流れ方向
ろ過ライン
流れ方向
クロスフローフィルタ出口側詳細
プレートガスケット押さえ
(板バネ)
スラリー
流出想定経路
2014.5.24面談
資料より抜粋
② CFF3B 分解点検結果
押さえプレート上面より撮影
押さえプレート側面より撮影
欠損箇所:幅約6cm、深さ約3mm
押さえプレート全体
プレートガスケット
欠損箇所
CFF3Bについてはプレートガスケットに欠損を確認。
2014.5.24面談
資料より抜粋
② CFF不具合に対する対策
以下の点を改善したCFFへ交換
ガスケットの材質を
耐放射性に優れるEPDM(合成ゴム)へ変更
逆洗時の圧力脈動に対する耐性を向上させるため、プレートガスケットの構造を
Oリン
グへ変更
(
更に信頼性向上のため2重化
)
押さえプレート
CFFハウジング
グローバルガスケット
(EPDM製)
フィルタ
循環ライン
流れ方向
ろ過ライン
流れ方向
改良型CFF出口側詳細
プレートガスケット
Oリング構造
EPDM製
CFFは、下記の改良品に変更済み
2014.5.24面談資料より
抜粋・一部加筆
参考 タンク群毎の放射能濃度推定値
(告示比>100)
1.タンク群毎の放射能濃度推定値
G3エリア
G4エリア
G5エリア
告示濃度以上は橙色 部分 62核種告示比(告示濃度限度比総和)推定1未満は水色 部分 ※1主要核種(Cs-137,Cs-134,Co-60,Sb-125,Ru-106,Sr-90,I-129)の告示濃度比推定値の和と62核種中の主要核種以外の告示比推定値0.3の合算値 ※2 ALPS処理水の測定値から評価した合算値は0.66であるが当該タンクにてSr処理水の残水と混合されているため>100とした Gr Cs-137 告示濃度 9.00E+01 [Bq/L] Cs-134 告示濃度 6.00E+01 [Bq/L] Co-60 告示濃度 2.00E+02 [Bq/L] Sb-125 告示濃度 8.00E+02 [Bq/L] Ru-106 告示濃度 1.00E+02 [Bq/L] Sr-90 告示濃度 3.00E+01 [Bq/L] I-129 告示濃度 9.00E+00 [Bq/L] H-3 告示濃度 6.00E+04 [Bq/L] 全β [Bq/L] 告示比推定62核種※1A 4.16E-01 2.70E-01 5.64E-01 6.15E+00 6.99E+01 6.98E-01 4.76E+01 1.05E+06 7.22E+01 6.34 B 4.16E-01 2.70E-01 5.64E-01 6.15E+00 6.99E+01 6.98E-01 4.76E+01 1.05E+06 7.22E+01 6.34 C 4.16E-01 2.70E-01 5.64E-01 6.15E+00 6.99E+01 6.98E-01 4.76E+01 1.05E+06 7.22E+01 6.34 D 9.01E-01 2.79E-01 1.42E+00 7.25E-01 7.55E+00 3.69E-01 2.27E+00 3.25E+05 1.86E+01 >100※2
D 3.98E-01 2.62E-01 1.71E+00 1.10E+01 6.87E+01 3.48E+00 5.47E+01 2.73E+06 3.74E+01 7.21
A 3.15E-01 1.98E-01 2.22E+00 1.04E+01 7.00E+01 9.00E-01 7.13E+01 3.23E+06 3.74E+01 8.98 B 3.15E-01 1.98E-01 2.22E+00 1.04E+01 7.00E+01 9.00E-01 7.13E+01 3.23E+06 3.74E+01 8.98 C 3.15E-01 1.98E-01 2.22E+00 1.04E+01 7.00E+01 9.00E-01 7.13E+01 3.23E+06 3.74E+01 8.98
2018.10.1 多核種除去設備等処
理水の取扱いに関する小委員
会資料より抜粋・一部加筆
J1エリア
1.タンク群毎の放射能濃度推定値
Gr Cs-137 告示濃度 9.00E+01 [Bq/L] Cs-134 告示濃度 6.00E+01 [Bq/L] Co-60 告示濃度 2.00E+02 [Bq/L] Sb-125 告示濃度 8.00E+02 [Bq/L] Ru-106 告示濃度 1.00E+02 [Bq/L] Sr-90 告示濃度 3.00E+01 [Bq/L] I-129 告示濃度 9.00E+00 [Bq/L] H-3 告示濃度 6.00E+04 [Bq/L] 全β [Bq/L] 告示比推定62核種※1A 3.64E+00 8.82E-01 1.32E+00 9.21E-01 9.97E+00 3.40E-01 4.42E+00 2.64E+05 2.46E+01 >100※2 C 1.96E+00 5.97E-01 1.09E+00 2.78E+01 4.43E+01 5.89E+00 8.16E+01 1.13E+06 2.41E+02 >100※3 D 4.72E-01 4.15E-01 1.10E+00 1.16E+02 3.21E+01 5.97E+05 7.30E+01 7.76E+05 1.00E+07 19909※4 E 4.72E-01 4.15E-01 1.10E+00 1.16E+02 3.21E+01 5.97E+05 7.30E+01 7.76E+05 1.00E+04 19909※4 F 4.72E-01 4.15E-01 1.10E+00 1.16E+02 3.21E+01 5.97E+05 7.30E+01 7.76E+05 1.00E+04 19909※4 G 2.38E-01 2.52E-01 7.61E-01 5.86E-01 3.41E+00 3.05E-01 2.02E+00 2.98E+05 1.19E+01 >100※5 H 1.22E+00 7.01E-01 1.11E+00 1.27E+02 3.70E+01 1.96E+00 8.57E+01 1.08E+06 2.49E+02 10.44 K 6.31E+00 8.31E+00 2.86E+01 4.54E+01 2.20E+02 9.53E+02 6.69E+00 4.46E+05 3.29E+05 35.43 L 2.81E-01 4.70E-01 1.39E+00 1.46E+02 2.30E+01 1.28E+01 4.41E+01 5.10E+05 2.09E+02 6.05 M 2.81E-01 4.70E-01 1.39E+00 1.46E+02 2.30E+01 1.28E+01 4.41E+01 5.10E+05 2.09E+02 6.05 N 1.90E+00 5.13E-01 1.18E+00 1.43E+01 2.51E+01 3.13E+00 4.16E+01 7.41E+05 1.00E+04 >100※6 ※1 主要核種(Cs-137,Cs-134,Co-60,Sb-125,Ru-106,Sr-90,I-129)の告示濃度比推定値の和と62核種中の主要核種以外の告示比推定値0.3の合算値 ※2 ALPS処理水の測定値から評価した合算値は0.97であるが当該タンクにてSr処理水の残水と混合されているため>100とした ※3 ALPS処理水の測定値から評価した合算値は10.08であるが当該タンクにてSr処理水の残水と混合されているため>100とした ※4 既設ALPS前処理設備の不具合により発生したSr-90濃度の高い水を受け入れ ※5 ALPS処理水の測定値から評価した合算値は0.58であるが当該タンクにてSr処理水の残水と混合されているため>100とした ※6 ALPS処理水の測定値から評価した合算値は5.33であるが当該タンクにてSr処理水の残水と混合されているため>100とした 告示濃度以上は橙色 部分 62核種告示比(告示濃度限度比総和)推定1未満は水色 部分