第6学年1組 音楽科学習指導案
1 題材名 重なり合う音の美しさを味わおう 2 題材について (1)児童の実態 本学級の児童は、明るく素直な子が多い。朝や帰りの会では、毎日みんなで楽しく歌ったりリコー ダーで演奏したりして、学級の雰囲気をなごやかにしている。「ラバースコンチェルト」では、リコ ーダーの練習にもグループ合奏にも意欲的に取り組んでいた。二部や三部合唱をするときは、ふしの 重なり合いを感じ取って、きれいな音を味わいながら歌えるように指導しているところである。口を 大きく開けて歌うだけでなく、気持ちをこめ表情豊かに歌ったり、美しいハーモニーをつくることで 音楽のすばらしさを味わわせたい。このような学級全体で取り組む音楽の経験を学級経営にプラスに つなげる意図をもって、日々指導している。 (2)題材観 高学年になると、これまでの音楽経験を生かして音楽の表す情景をより明確にとらえることができ、 自分たちでイメージに合った表現を工夫しようとする意欲が高まってくる。本題材では、声や音が重 なり合う美しい響きを味わって表現する学習を進めていきながら、特に人の声の美しさや合唱などに 重点を置いて活動を進めていく。この活動では、山田耕筰や滝 廉太郎の代表的な歌曲を教材として 取り上げ、いろいろな合唱形態の響きの違いを感じ取るようにさせる。児童たちが曲想を感じられる ように「声の種類」「重なり」「響き」と「歌詞の内容」に焦点を当てる。歌詞から情景を思い浮か べたり、音色や響きから情景を想像したりすることで、児童が、自分たちのイメージをもって楽曲を 鑑賞する等、より高度な音楽活動へと発展させたい。 (3)指導観 表現の活動では、歌ったり、楽器で演奏したりすることの好きな本学級の児童のよさを生かしなが ら、曲想を感じ取って表現を工夫する活動を進めていきたい。「歌詞から情景を思い浮かべる」では、 「勇気ひとつを友にして」の物語を通して登場人物の心情や性格を感じ取り、それを歌い方に生かす ような活動を展開したい。また、歌声と楽器によるアンサンブルの活動を展開して、歌声や楽器の音 が重なることによって醸し出される美しい響きや、響きの変化などを感じ取って演奏の仕方を工夫し、 表情豊かな表現活動を楽しむようにしていきたい。 鑑賞の活動では、「赤とんぼ」からは、女声合唱や混声合唱の響きのよさや美しさも感じ取らせ、 「箱根八里」からは、力強い男声合唱の魅力を味わい、女声合唱や混声合唱との違いを感じ取らせた い。また2曲をじっくりと鑑賞させ、歌詞や旋律に注目させ、日本の歌曲の素晴らしさを味わわせた い。高学年では、単に景色を思い浮かべて歌うことから一歩進めて、歌詞や和音の響きの美しさを味 わって感じ取るようにし、その感動を表現するといった視点から指導していきたい。「赤とんぼ」「箱 根八里」は、作者の「言葉を大切にしている」気持ちが伝わりやすい楽曲である。それぞれの曲には 作者の思い入れや感動などがあるにちがいない。また、歌詞の意味にも触れることで、その曲の特色 やよさ、表現するためのイメージもより具体的に広げることができると考える。音楽を形づくってい る要素のうち、音色、速度、強弱、音の重なりを聞き取りながら曲の響きの美しさを感じ取らせて、 じっくりと鑑賞させたい。 また、まとめとして共通事項を軸として、表現と鑑賞の一体化を図る。「星の世界」は、柔らかい 自然な発声で歌うとともに、それぞれの声部が重なり合う響き、響きの変化などを感じ取って、歌い 方を工夫させたい。「ふるさと」は、文語体の歌詞の内容を味わいながら、歌詞に描かれた情景を想 像し、心情をとらえながら表現を工夫させたい。そして、響きのある発声を工夫し表情豊かに歌い、 学級全体による三部合唱を通して、豊かな音楽体験を味わわせたい。 本題材において、それぞれの曲・歌詞のよさに触れ感性の豊かさをはぐくみ、音楽のねらいである 「豊かな情操を養う」と、本校の学校課題「豊かな心をもち、たくましく生きる児童の育成」に迫り 【実践例2】 「重なり合う音の美しさを味わおう」 小学校第6学年たい。 (4)共通事項との関連 ア 音色、速度、強弱、音の重なり 3 言語活動の充実との関連 高学年では、児童が楽曲の特徴や演奏のよさを理解することが求められる。そのためには、楽曲を 聴いて想像したことや感じたことの理由を、音楽の中から見つけて、自分の意見や感想をもつように することが必要となる。これをうけ、次の2点を工夫し、指導をしていこうと考えた。 ・子どもたちがもつ「箱根の山」の印象を修学旅行後に聞いた。そのときの言葉を掲示しておくこと により、様子を思い出しながら「箱根八里」を聴くことができると考えた。 ・「赤とんぼ」「箱根八里」の2曲を聴いて、子どもたちに音楽を形づくっている要素等の中から、 共通な視点を与え、曲から感じ取ったことの理由を考えさせる。自然の豊かさ、日本の美しさ、人 間が自然とかかわっていることなどの様子を思い描きながら、思いやイメージをもって「赤とんぼ」 と「箱根八里」を聴くことができると考えた。それぞれの児童が自分の意見や感想をもち、話し合 ったり発表したりする活動を通して、その子なりに日本の歌曲のよさを見つけられるようにさせた い。さらに、女声合唱、男声合唱の曲想に合った表現のよさに気付かせ、幅広い表現を感じ取らせ たい。 4 題材の目標 (1)和音の響きの美しさを味わって聴いたり表現したりすることができるようにする。 (2)三部合唱の響きを味わって歌うことができるようにする。 5 題材の評価規準 ア、音楽への関心・ 意欲・態度 イ、音楽的な感受や 表現の工夫 ウ、表現の技能 エ、鑑賞の能力 題材の 評価規準 合唱や音が重なり 合 う 響 き に 関 心 を も ち、美しい響きを求 めて表現の仕方を工夫 しようとしている。 声や音が重なり合 う響きを感じ取って、 美しく響き合う合唱や 楽器演奏の仕方を工夫 している。 響きのある声で合唱 したり、音量のバランス 等を工夫しながら楽器 を演奏したりする。 いろいろな形態に よる合唱の響きや、日 本歌曲の美しさを味わ いながら聴くことがで きる。 具体の 評価規準 ①音の重なりによる 曲の広がりを感じ 取りながら、真剣 に聴いている。 ②情景を想像しなが ら歌おうとしてい る。 ③歌詞の意味や作曲 家の曲に対する思い を感じ取りながら積 極的に聴こうとして いる。 ① 歌唱や器楽演奏に おいてイメージに 合った表現を工夫 している。 ② 音の重なりの美し さや強弱のバラン ス に つ い て 理 解 し、言葉で表わし ながら、表現を工 夫したり、演奏に ついての感想を述 ることができる。 ①歌詞の内容を感じ 取って、表情豊か に歌うことができ る。 ②曲想を感じ取って、 気持ちをこめた歌 い方をすることが できる。 ③それぞれのパート で歌い方を工夫し て、正しい音程で 歌うことができる。 ④重なり合う声の響 きを感じ取りながら、 ① 曲 想 に 合 っ た 発 声 や い ろ い ろ な 合 唱 形 態 に 興 味 をもち、それぞれ の 響 き の 違 い を 感 じ 取 っ て 聴 く ことができる。 ② 歌 声 や 合 唱 の 響 き の 特 徴 を 感 じ 取って、日本歌曲 の 美 し さ を 味 わ いなが ら聴く こ とができる。 曲想を生かして歌 うことができる。
6 教材 (1) 「勇気ひとつを友にして」 片岡 輝 作詞/越部信義 作曲/黒沢吉徳 編曲 (2) (鑑賞教材) 「赤とんぼ」 三木露風 作詞/山田耕筰 作曲 「箱根八里」 鳥居 枕 作詞/滝 廉太郎 作曲 (3) 「星の世界」 川路柳虹 作詞/コンバース 作曲/飯沼信義 編曲 (4) 「ふるさと」(こころのうた) 文部省唱歌/高野辰之 作詞/岡野貞一 作曲/蒲田健次郎 編 曲 7 指導と評価の計画(全8時間) ア(音楽への関心・意欲・態度)イ(音楽的な感受や表現の工夫)ウ(表現の技能)ヱ(鑑賞の能力) 次 時 ねらい・学習活動 共通事項 指導上の留意点・教師の働きかけ 評価方法 1 「勇気ひとつを友にして」 ○曲を聴いて全体の感じをつかむ。 ・声の重なり(合唱のパート)や楽 アー① ○歌詞から情景を思い浮かべたり、音の重な りによる曲の広がりを感じ取ったりしな 発言 歌っている 第 1 次 器の音の重なり(副次的な旋律や 低音のパート)に注意して聴き、 学習カードに気付いたことを書く。 ・気付いたことや感じたことを発表 し合う。 ・音の重なりによる曲の広がりを感 じ取りながら、もう一度聴く。 ○曲の広がりを感じ取って歌い方を工 夫する。 ・範唱に合わせて歌う。 ・音の重なりによる曲の広がりを感じ 取って、工夫して歌う。 ウー① ら、曲の感じをつかむようにする。 ・気づいたこと、感じたことなどを自由に 学習カードに書くようにする。 ・自由に発表する中から、「音の重なり」 や「曲の広がり」について述べた意見に 気付くように促す。 ・発表の中でおさえた「音の重なり」「曲の 広がり」などに気を付けて聴くようにする。 ○範唱に合わせて歌い、旋律に慣れるよう にする。 ・強弱記号を参考にして歌うように助言する。 様子 つぶやき 学習カード 2 ・ 3 ○声や音が重なり合う響きの美しさ を感じて演奏する。 ・歌の低声部を練習して二部合唱する。 ・副次的な旋律を練習する。 ・音の重なりと曲の広がりを感じ取 りながら、歌と楽器を合わせて演 奏する。 アー② イー① ○主旋律とのバランスに注意しながら歌え るようにする。 ・主旋律と合わせる際、聴き役を設ける。 ○曲の構成や副次的な旋律に合った楽器を 選ぶようにする。 ・歌とのバランスを考えて演奏するように 助言する。 ・歌と楽器の音が重なったときの響きの広 がりを意識して演奏するようにする。 ・聴き役を設けて、主旋律が引き立つような バランスになっているか確認させ、更なる 工夫へとつなげる。 ・副次的な旋律が大きすぎるときは、「音量 を抑える」「人数を減らす」という方法を とればよいことを、子どもたちからの発言 から導き出すようにする。 発言 演奏してい る様子 互いに聴き 合う(相互 評価) 学習カード 第 2 次 4 本 時 「赤とんぼ・箱根八里」 ○大人の声の特徴やいろいろな合唱の 演奏形態を知る。 ・「赤とんぼ」と「箱根八里」を聴き、 感じ取ったことや気付いたことにつ いて話し合う。 ・わかりにくい歌詞については、意味 を知らせ、曲の歌詞をより理解でき るようにする。 ・歌詞の情景を思い浮かべながら聴く。 ・いろいろな合唱形態を知る。 アー③ エー① ○あらかじめ聴く観点(曲の感じや合唱の響 きの違いなど)を示しておく。 ・2曲を聴いて感じ取ったことや気付いたこ とを自分なりの言葉や絵で表すことがで きるようにする。 ○大人の声の種類や組み合わせについて、身 近な楽器を例に出しながら説明し、いろい ろな合唱の響きに対する関心を高めるよ うにする。 聴いている 様子 つぶやき 学習カード
5 「星の世界」 ○全体の曲想を感じ取る。 ・曲を聴いて、感じたことを話し合う。 ・情景を想像しながら歌詞を朗読する。 ・主旋律を歌詞唱する。 イー② ウー② ○曲想や声の重なり合う響きを感じ取るよ うにする。 ・斉唱による録音などがあれば、合唱による 演奏と聴き比べることで、響きの違いをよ り効果的に感じることができる。 ・難しい語句について説明し、イメージをも ちやすくする。 ・フレーズのまとまりを感じたり、伴奏の響き を感じ取ったりしながら歌えるようにする。 聴いている 様子 発言 歌っている 様子 学習カード 6 ○パート練習をする。 ・②と③のパートを歌う。 ・各パートに分かれて歌う。 ・曲想を生かしながら、曲の強弱を工 夫して歌う。 ・声が重なり合う響きを聴き合いなが ら歌う。 ウー③ ○それぞれのパートを「マ」で歌って、響き のある声を出せるようにする。 ・楽器による旋律奏や伴奏などで音程がとれ るようにしたり、伴奏の響きを聴きながら 歌えるようにしたりする。 ・声変わりが進んでいる子どもには、②のパート を1オクターブ下げてみるように助言する。 ・3つのパートを合わせて練習する。最初は 「マ」で歌い、声が重なり合う響きの感じ をつかむようにする。 歌っている 様子 学習カード 第 3 次 7 「赤とんぼ・箱根八里」 ○女声合唱、混声合唱、男声合唱そ れぞれの特徴を感じながら、合唱 の響きの美しさを味わって聴く。 ・それぞれの曲を口ずさんで聴く。 ・合唱形態それぞれの特徴の違いにつ いて発表し合い、そこで気付いたこ とに注意しながら、もう一度聴く。 エー② ○歌っている声の高さや響きの特徴を感じ て口ずさむようにする。 ・声が重なり合う響きの美しさを味わって聴 くように促す。 ・単に違いについて発表し合うのではなく、「どの 合唱が好きですか?」など、子どもが答えやす い形で質問し、その理由を述べていく中で合唱 形態それぞれの特徴に気付かせる。 聴いている 様子 発言 学習カード 8 「星の世界」 ○声の響き合いを感じ取りながら合 唱する。 ・発声や発音を工夫しながら、各パ ートを歌う。 ・2パートずつ合わせて歌ったり、その 響きを感じ取って聴いたりする。 ・互いのパートを聴き合いながら、気持 ちをこめて合唱する。 ウー④ ○最初は「マ」で歌い、声が重なり合う響き の美しさを確認する。 ・もう1つのパートの人は、2つのパートの響き 合いを感じ取り、気が付いたことを助言する。 ・歌い出しの和音の響きを確かめてから合唱 する。 ・演奏を録音して聴くなど、全体の響きやバラン スに気を付けて歌えるように指導を工夫する。 歌っている 様子 互いに聴き 合う(相互 評価) 学習カード 8 本時の学習指導 (第2次 4/8時) (1) 本時の目標 ・歌声や合唱の響きへの関心を高め、声が重なり合ったときの美しさを感じ取って聴くことができ る。 ・大人の声の特徴やいろいろな合唱形態を知ることができる。
言語活動の充実 修学旅行後に子どもたちに聞いた「箱根の山」 の印象を、子どもたちから出た言葉のまま掲示 しておくことにより、イメージをより広げられ るようにする。 言語活動の充実 児童の言葉を板書し、共感を促す。また、友 だちの発表から、様々な感じ方があるというこ とに気付かせる。 (2) 展 開 学 習 活 動 C予想される児童の発言 ○指導上の留意点 ※評価 ☆共通事項 時間 1 既習曲「勇気ひとつを友にして」を歌う。 2 本時の課題をつかむ。 3 「赤とんぼ」を聴く。 ・わかりにくい言葉や時代背景などを話す。 「負われて見る」 「くわの実」 4 「箱根八里」の歌詞の意味を伝える。 ・わかりにくい言葉や時代背景などを話す。 C「八里」「天下の険、万丈の山、千仞の谷…武 士(もののふ)」?言葉がむずかしいなぁ。 ・自分で見た、感じた「箱根の山」の印象 C「険しい(きつい)」「道がくねくね(バ スだと酔いそうになった)」 「駅伝で、よく走ることができるなあ」 「色がきれい」「木が多い」「杉の並木」 「大きさ、高さを感じた」「歴史がある」 5 「赤とんぼ」「箱根八里」を聴き、気付 いたことや感じたことをカードに書く。 ・赤とんぼ… 1,2番 女声三部合唱 3,4番 混声四部合唱 ・箱根八里… 1,2番 男声四部合唱 6 2曲を聴いて、感じたことなどを話し合う。 赤とんぼ C「作詞家(三木露風さん)が子どものこ ろ見た、忘れられない風景だったんだ」 「ゆっくりとのびのびした感じ」 「声と歌詞が合っていた」 「1、2番は女の人の高い声が重なって聴こ えた。3、4番は男の人の低い声もいっしょ に聴こえた」 箱根八里 C「行進しているよう」「力強い」「リズム」 「繰り返しがあった」 ○自然で無理のない声で歌うようにする。 ○意欲的に歌っている児童を称賛する。 ○2曲とも大きく書いた歌詞を黒板に掲示し、それ を見ながら進めていく。(視覚でもとらえる。) ○「赤とんぼ」は、三木露風が幼いときの思い出 を懐かしんで書いたものということも伝える。 ○歌詞の意味を伝えることにより、わかりにく い言葉でも子どもたちが抵抗なく、曲を自然 と受け入れられるようにする。 ○「箱根八里」は、当時、1番が「昔の箱根」、2番が 「今の箱根」と題されていたことなどにも触れる。 ※歌詞の意味や曲に対する思いを知ろうと進んで 聴こうとしている。 (ア 音楽への関心・意欲・態度 ③) <観察、発言、つぶやき> ○これら2曲の歌詞に音楽が入ってくるとどうな るのか、声で聴いてみるということを伝える。 ○あらかじめ聴く観点を示しておく。 ・曲の感じ ・合唱の響きの違い…声の種類、重なり、響き ☆共通事項…音色、速度、強弱、音の重なり ○なかなか書けない児童には、歌詞の中で好き な言葉や気になった言葉を見付けさせたり、 もう一度、聴く観点をわかりやすく伝えたり し、そこから広げていくようにさせる。 ○なかなか書けない児童には、歌詞の中で好き な言葉や気になった言葉を見つけさせたり、 もう一度、聴く観点をわかりやすく伝えたり し、そこから広げていくようにさせる。 ○2曲を聴いて、子どもたちに共通なことを探させ る。(自然の豊かさ、日本の美しさ、人間が自然と かかわっていることなど。)その子なりに日本の歌 曲のよさを見つけられるようにする。そこから、 そして、友だちの発表を聞き、人によって感じ 方も様々であることを気付かせる。 3’ 2’ 6’ 7’ 10’ 10’ 曲の感じや合唱の響きのちがいなどに気をつけながら、「赤とんぼ」と「箱根八里」 を 聴き比べてみよう。
「強弱があった」 「声と歌詞が合っていた」 「男の人の声が重なって聴こえた」 ・大人の声の特徴を知る。 ・いろいろな合唱形態を知る。 C「たくましいところ」 7 もう一度、2曲を聴く。 8 自己評価をする。 ○自分が感じたこともその中のひとつであり、どんなに 小さなことでも、自分は大切なものを見つけられたの だという気持ちをもたせ、称賛する。 ○声の種類や組み合わせについて、身近な楽器を 例に出しながら説明し、いろいろな形態による 合唱の響きに対して、関心を高めるようにする。 ○いろいろな合唱形態があることを感じ取らせる。 女声合唱(ソプラノ、メッゾソプラノ、アルト)、 男声合唱(第1 テノール、第2テノール、バリトン、バス)、 混声合唱(ソプラノ、アルト、テノール、バス) ○「箱根八里」のどんなところが男声合唱に合っ ているのか考えさせる。作曲家が、どうしてそ の合唱形態にしたのか、必然性を見つけさせる。 ○合唱の形態に違いはあるが、それぞれによさに 気を付けて、味わいながら聴かせる。 ○声が重なり合ったときの美しさを感じ取りなが ら聴くようにさせる。 ○歌詞の内容から、強弱や声の感じなど、曲想に 合う歌い方を工夫していることに気付かせる。 ※ いろいろな発声や合唱形態に興味をもち、それぞ れの響きの違いについて理解しながら聴くこ とができる。 (エ 鑑賞の能力 ①) <聴いている様子、つぶやき、学習カード> ○学習カードに自己評価させ、次の課題をとらえ させる。 5’ 2’ 9 成果と課題 高学年では、児童が楽曲の特徴や演奏のよさを理解することが求められる。そのためには、楽 曲を聴いて想像したことや感じ取ったことの理由を、音楽の中から見付けて、自分の意見や感想 をもつようにすることが必要となる。今回は、共通事項との関連として、音楽を形づくっている 要素のうち、特に音色、速度、強弱、音の重なりに焦点を当てた。共通事項との関連、言語活動 との充実を図りながら授業を行った。全児童が、鑑賞を通して、自分の感じ取ったことを自分の 言葉で書くことができた。また、お互い伝え合うことで、様々な感じ方があることがわかった。 どんなに小さなことでも見付けられたことに共感的に教師が受けとめて、一人一人の児童を認め るように留意した。同時に、評価について、本時の目標に対しての評価規準を明確にし、あいま いな評価をなくそうと努めた。ワークシートの記述によって、第二観点の評価を行う際、ルーブ リックを活用したことにより、評価のポイントをはっきりさせた。評価方法としてとても有効で あった。 その他成果として以下の2点があげられる。 ・ 「箱根八里」を鑑賞する前に、聴くポイントを伝えたり、学習カードに速度、強弱、音色、 イメージする風景などを書くように話したので、ほとんどの児童が自分の感じたことを自由に 書くことができた。 ・ 合唱形態による特徴は、「高い声」と「低い声」として書く児童が多かった。児童にとって は、それを女声、男声として表現していた。また、女声、男声の中でもパートが分かれている と気付いた児童もいた。そこから、「ソプラノ、アルト、テナー、バス」という声の種類、「女 声合唱、混声合唱、男声合唱」の形態へとつなげていった。
○ 言語活動充実を図るための手立て (1) 板書計画 言語活動としての情報提供、学習の見通しと振り返りができるよう、以下の2点について配慮 し、板書計画を立てた。 ・「赤とんぼ」「箱根八里」の大きく書いた歌詞を掲示したので、視覚でもよくとらえること ができた。特に「箱根八里」は、教科書では全てひらがなで書いてあったが、漢字を交えて 掲示することにより、わかりにくい言葉や時代背景を説明するのに役立った。 ・修学旅行後の「箱根の山」の印象を掲示することにより、児童にとって「箱根八里」の曲を 少し身近なものとしてとらえることができた。 (2) ワークシート 思考判断のための情報の整理、評価に有効であった。共通事項を取り入れ以下の2点を工夫 した。 ・「赤とんぼ」「箱根八里」の2曲を比べられるように(後で活用できるように)した。 ・ルーブリックを活用した評価を行った。 ※ ルーブリックによる第②観点に関する評価のポイント A … 授業で扱った諸要素2つ以上に気付き、曲の特徴や曲想がより明確に印象 づけられている。 B … 授業で扱った諸要素1つに気付いている。 C … Bの規準を満たしていない。支援をして諸要素に気付くことができる。 (3)その他 ・鑑賞を通して、日本歌曲のよさ(自然の豊かさ、日本の美しさ、人間が自然とかかわってい ることなど)を感じ取らせるにはどうしたらよいか、教材の選択と提示の仕方を工夫した。 ・「赤とんぼ」を鑑賞した後、「箱根八里」についての歌詞の意味を伝え鑑賞したので、初め に聴いた「赤とんぼ」がどうであったか、あいまいになってしまった児童もいた。聴くポイ ントを伝えてから「赤とんぼ」を聴き、カードに記入してから「箱根八里」を聴かせること で、2曲をより比較しやすくなっていたと考える。 ・音のコミュニケーションについて、音楽鑑賞は、本来、音楽の全体にわたる美しさを享受す ることである。そのためには、楽曲の一部に焦点を当てた指導や、音楽を特徴付けている要 素や音楽の仕組みを聴き分ける指導にとどまるのではなく、音楽の全体の流れに浸りながら、 曲想をじっくり味わうことができるような指導を行うことが重要となる。児童が、自分の感 じ方を大切にしながら、音楽を深く味わって聴くような指導が求められる。