経済産業省殿
平成25年度エネルギー需給緩和型インフラ・システム普及等
促進事業(グローバル市場におけるスマートコミュニティ等の
事業可能性調査:インドネシア・バリ州のホテルを対象とした
EMS 事業)
報告書
2014 年 3 月
目次
第 1 章 調査 概要 ... 1 1.1 事業名 ... 1 1.2 事業目 的 ... 1 1.3 実施内 容 ... 1 1.4 実施体 制 ... 2 1.5 事業実 施期 間 ... 3 1.6 成果物 ... 3 第 2 章 市場 動向 ... 4 2.1 対象国 、都 市、地 域等 の特定 ... 4 2.2 現地ニ ーズ に基づ く対 象イン フラ ・シス テム の特定 ... 9 2.3 現在の 市場 規模 ... 20 2.4 将来の 市場 規模( 成長 可能性 ) ... 20 2.5 インフ ラ・ システ ムに 求めら れる 特記事 項( 地域特 性等 ) ... 27 第 3 章 事業 環境 ... 29 3.1 インド ネシ ア政府 、自 治体等 の政 策動向 (支 援策、 制約 等) ... 29 3.2 競合、 ある いは協 業す るグロ ーバ ル /企業 等の 動向 ... 37 第 4 章 事業 計画 ... 39 4.1 事業内 容 ... 39 4.2 インフ ラ・ システ ム設 計 ... 40 4.3 事業ス ケジ ュール ... 62 4.4 5 ヶ年程度 の事 業計 画 ... 64 4.5 10 年後の 目指す べき 姿 ・ビジ ョン ... 65 4.6 国内外 企業 による コン ソーシ アム 形成及 び役 割分担 ... 65 4.7 相手国 政府 ・企業 との ネット ワー ク及び 協力 関係の 構築 状況 ... 66 4.8 リスク 分析 ... 69 4.9 資金調 達計 画 ... 73 4.10 政策支 援の 活用見 込み ... 80 第 5 章 エネ ルギ ー効 率化( 二酸 化炭素 削減 含む) 分析 ... 84 5.1 エ ネ ル ギ ー 見 え る 化 シ ス テ ム 導 入 に よ る 省 エ ネ 提 案 に 基 づ く エ ネ ル ギ ー 効 率 化 ... 84 5.2 DR がもた らすエ ネル ギー効 率化 及び CO2 削減効 果 ... 86 第 6 章 事業 環境 分析 ... 88 6.1 インド ネシ アの EMS 普及の 状況 ... 88 第 7 章 技術 戦略 ... 92 第 8 章 事業 展開 上の 課題抽 出及 び対応 策 ... 93 第 9 章 国内 への 経済 波及効 果 ... 94 参 考 資 料 ... 95本文中の挿入図表
表 2.1-1 バリ州のホテル 表 2.1-2 バリ州のホテル名(5 つ星・4 つ星・3 つ星) 表 2.2-1 バリ州における電力需給状況 表 2.2-2 バリ州における今後の電力供給計画 表 2.2-3 仕様 表 2.2-4 建物概要 表 2.4-1 EMS を導入可能なヌサドゥア地区のホテル名と室数 表 2.4-2 EMS を導入可能なバリ州のホテル名と室数 表 2.4-3 省エネ設備(EMS を除く)を導入可能なヌサドゥア地区のホテル名と室数 表 2.4-4 省エネ設備(EMS を除く)を導入可能なバリ州のホテル名と室数 表 3.1-1 インドネシアの一次エネルギー構成目標(2025 年) 表 3.1-2 2025 年における経済部門における削減目標 表 3.1-3 電球型蛍光灯の省エネルギーカテゴリ(Lumen/Watt) 表 3.1-4 冷蔵庫のラベリングのドラフト案 表 3.1-5 エアコンのラベリングのドラフト案 表 3.1-6 エネルギー鉱物資源省における省エネルギー推進政策 表 4.2-1 機能仕様 表 4.3-1 事業スケジュール 表 4.8-1 MEMR による電力料金値上げ計画(2014 年 2 月時点) 表 4.8-2 インドネシアの電力料金体系 2013 年‐2014 年 表 4.8-3 ESCO 事業の契約形態 表 4.9.1-1 インドネシア政府系金融機関 表 4.9.1-2 インドネシアにおける自動車リース提供ファイナンス会社上位 10 社 表 5.1-1 Melia Bali Villas & Spa Resort における省エネ及び CO2 削減効果 表 6.1-1 各社の EMS 製品の機能比較とインドネシアへの進出時期 図 1.4-1 調査の実施体制 図 2.1-1 インドネシア・バリ州の位置 図 2.1-2 インドネシア・バリ州 図 2.1-3 バリ州の県・市別ホテル数 図 2.2-1 EMS の構成 図 2.2-2 システム構成例 図 2.2-3 「EnneVision(エネビジョン)」のイメージ 図 2.2-4 Melia Bali Villas & Spa Resort の敷地概要 図 2.2-5 用途別消費電力比率 図 2.2-6 年間消費エネルギー(2012 年:電気、ガス、上水) 図 2.4-1 観光客数の推移 図 2.4-2 EMS を導入可能なヌサドゥア地区のホテル数 図 2.4-3 EMS を導入可能なバリ州のホテル数 図 2.4-4 省エネ設備(EMS を除く)を導入可能なヌサドゥア地区のホテル数 図 2.4-5 省エネ設備(EMS を除く)を導入可能なヌサドゥア地区のホテル数 図 2.5-1 Melia Bali Villas & Spa Resort における使用電力量管理状況 図 2.5-2 PLN バリのスマートメータの設置状況 図 3.1-1 インドネシアにおける省エネルギーに関連する主要な法律、政令、省令の体系 図 3.1-2 エネルギービジョン 25/25 における省エネルギーによる削減目標 図 3.1-3 大統領令 No13/2011 の流れ 図 3.1-4 電球型蛍光灯のラベルデザイン 図 3.1-5 エネルギー鉱物資源省の体制図図 4.1-1 モニタリングシステム 図 4.1-2 DR 事業の概要 図 4.1-3 ビジネス体制のイメージ図 図 4.2-1 エネルギーモニタリングサービス “Remoni®” 図 4.2-2 産業用マルチコントローラ(MC-310B-DC355) 図 4.2-3 産業用マルチコントローラの各部の名称と機能 図 4.2-4 通信コネクタ(RS-422/RS-485 用) 図 4.2-5 外部拡張コネクタ(アナログ入力、デジタル入出力用) 図 4.2-6 通信付電力マルチ変換器 (TWPM)、CT センサ 図 4.2-7 通信付電力マルチ変換器 (TWPM)の外形図/端子配列図 図 4.2-8 通信付電力マルチ変換器 (TWPM)の外形図/端子配列図 図 4.2-9 モバイルルータ(DWR-112)、USB 外付け 3G アダプタ(DWM-156) 図 4.2-10 受電トランス No.1、NO.2、No.3、及び RO への設置状況 図 4.2-11 チラーへの設置状況 図 4.2-12 ホテル全体における日別電力使用量 図 4.2-13 ホテル全体における曜日別電力使用量 図 4.2-14 ホテル全体で 1 日の電力使用量の多い日(日群 A)と少ない日(日群 B) 図 4.2-15 チラー設備の日別電力使用量 図 4.2-16 チラー設備の曜日別電力使用量(1/1 を日曜日データに含めた場合) 図 4.2-17 チラー設備の 1 日の電力使用量の多い日(日群 C)と少ない日(日群 D) 図 4.2-18 RO 設備の日別電力量 図 4.2-19 RO 設備の曜日別電力使用量(1/1 を日曜日データに含めた場合) 図 4.2-20 RO 設備の1日の電力使用量の多い日(日群 E)と少ない日(日群 F) 図 4.2-21 その他設備の日別電力量 図 4.2-22 その他設備の曜日別電力使用量(1/1 を日曜日データに含めた場合) 図 4.2-23 その他設備の1日の電力使用量の多い日(日群 G)と少ない日(日群 H) 図 4.2-24 省エネ提案計画の目標 図 4.2-25 既存システムと更改システムとのイメージ比較 図 4.2-26 既存の熱源機械室等周囲状況 図 4.2-27 チラー更改による年間 CO2 削減量の試算 図 4.4-1 事業計画 図 4.6-1 事業実施体制(案) 図 4.9.1-1 気候変動緩和活動におけるインドネシア財務省の役割 図 4.9.1-2 エネルギー効率向上ファンド(EERF)のスキーム図 図 4.9.1-3 インドネシア貸出金利の推移 図 4.9.1-4 省エネ設備にかかる経常コストのイメージ 図 4.9.1-5 NEXI による貿易保険 図 4.9.2-1 インドネシアにおける自動車リース提供ファイナンス会社上位 10 社 図 4.9.3-1 インドネシア貸出金利の推移 図 4.9.3-2 省エネ設備にかかる経常コストのイメージ 図 4.9.4-1 NEXI による貿易保険 図 4.10-1 JCM のスキーム図 図 4.10-2 JCM と CDM のプロジェクトサイクルの比較 図 4.10-3 JCM のロードマップ 図 5.1-1 インドネシアにおける発電源別発電量 図 5.2-1 デマンドレスポンス(DR) 図 5.2-2 DR による CO2 削減効果 図 6.1-1 ホテルにおける戦略的エネルギー管理プログラムの目的 図 6.1-2 各 EMS のスクリーンショット例
略語集
略語 名称
ADR 自動需要応答(Automated Demand Response)
ASHRAE 米国暖房冷凍空調学会 ASP アプリケーションサービスプロバイダー BAPPENAS 国家開発計画庁 BEA ビルエンジニア協会 BHA バリホテル協会 BRESL アジアタイ、ベトナム) 6 か国(バングラデシュ、中国、インドネシア、パキスタン、 BSP ビジネス・シナジー・プロポーザル BTDC バリ島観光開発局 CE チーフエンジニア
DEC 省エネルギー局(Directorate of Energy Conservation)
DEN 国家エネルギー協議会
DJEBTKE 新 エ ネ ル ギ ー・ 省 エ ネル ギ ー 総 局 (Renewable Energy and Energy Conservation) Directorate General of New
DNPI インドネシア国家気候変動委員会
DR デマンドレスポンス(Demand Response)
EECDP クリーン開発のための省エネプログラム(Energy Efficiency for Clean Development Program) EEMIS Energy Efficiency Management Information System
EERF エネルギー効率向上ファンド
EMS エネルギーマネジメントシステム
ESCO Energy Service Company
FOC ファシリティーズオペレーションセンター GM ジェネラル・マネジャー GNCI グリーンビルディングカウンシル・インドネシア ICA 国際銅協会 ICED インドネシアクリーン・エネルギー・開発 IICTF インドネシア気候変動トラストファンド IIF インドネシア インフラストラクチャー ファイナンス IIGF インドネシア インフラストラクチャーギャランティファンド JAMALI ジャワ・マドゥラ・バリ JCM 二国間クレジット制度 KADIN インドネシア商工会議所 LPEI インドネシア輸出銀行 MEMR エネルギー鉱物資源省
略語 名称
MICE ミーティング(研修)・インセンティブ(企業報奨旅行)・コンベンション(各種大会)・エキジビジョン(展示会) MPES Minimum Energy Performance Standard
O&M 運用・保守
PHRI インドネシアホテル協会
PIP インドネシア投資庁(Pusat Investasi Pemerintah)
PLN 国営電力会社
REEEP スイス政府の再生可能エネルギーやエネルギー効率に関するパートナーシップ・プログラム
RO 逆浸透(Reverse Osmosis)
SNI インドネシア国家規格
SNMP ネットワーク監視、ネットワーク管理を行うためのプロトコル(Simple Network Management Protocol) TEEIP 環境省エネ投資プログラム(Tourism Energy Efficiency Investment
Program)
TWPM 通信付電力マルチ変換器
USAID 米国国際開発庁
第1章 調査概要
1.1 事業名 平成25年度エネルギー需給緩和型インフラ・システム普及等促進事業(グローバル 市場におけるスマートコミュニティ等の事業可能性調査:インドネシア・バリ州のホテ ルを対象としたEMS 事業) 1.2 事業目的 新興国をはじめとした世界のインフラ需要の増加に伴い、インフラ施設で消費される エネルギーが急増する昨今、我が国内外の経済的社会的環境に応じた安定的かつ適切な エネルギーの需給構造の構築を図ることが必要である。そのためには、新興国等に対し エネルギー利用を高度化及び合理化するインフラ設備の導入を促進することで、我が国 へのエネルギー安定供給を確保し、又、我が国が製造する機器や設備、技術等を導入す ることで、我が国エネルギー関連産業の基盤強化を図ることが重要である。更に、第4 回経協インフラ戦略会議にて決定された「インフラシステム輸出戦略」に記載のとおり、 我が国の成長戦略・国際展開戦略の一環として、日本の「強みのある技術・ノウハウ」 を最大限に活かして、世界の膨大なインフラ需要を積極的に取り込むことにより、我が 国の力強い経済成長につなげることも重要である。 インフラシステム輸出戦略において、スマートグリッドをはじめ、再生可能エネルギ ー、都市交通、水処理、リサイクル、ITなど、日本の強みである環境技術を複合的・ 分野横断的に組み合わせた新しい街づくりのコンセプトである「スマートコミュニテ ィ」は、今後大きな成長が見込まれる重点分野の1つに位置づけられている。スマート コミュニティの海外展開においては、我が国企業による「機器」の輸出のみならず、イ ンフラの設計、建設、運営、管理を含む「システム」としての受注や、現地での「事業 投資」の拡大など、我が国企業の多様なビジネスを展開させていくことが重要である。 特に事業投資においては、初期投資の規模が膨大であり、かつ長期にわたり投資を回収 するというリスクをとる必要があるとともに、現地政府の政策による影響も大きいこと から、官民一体となった取り組みを推進しなければ国際競争を勝ち抜くことができない。 このような背景を踏まえ、本委託事業は、官民連携によりスマートコミュニティ等の 海外展開を強力に推進することで、我が国のエネルギー安定供給を確保し、我が国エネ ルギー関連産業の基盤強化を図るとともに、海外の成長力を我が国の成長に取り込み、 新興国を中心とする諸外国の経済成長や安全な社会の基盤となるインフラ構築の支援 を目的とした。 1.3 実施内容 新興国を中心とするグローバル市場を対象に、スマートコミュニティ等の海外展開を 推進するための事業可能性調査を実施する。インドネシア・バリ州のホテルを対象とし て、日本企業を中心とするコンソーシアムがスマートコミュニティ等に関する事業を展 開するに際し必要となる、「(1)市場分析書」及び「(2)事業計画書」を作成した。 市場分析書及び事業計画書の項目は、以下のとおりである。 (1)市場分析書 ①市場動向 ②事業環境 (2)事業計画書 ①事業計画 ②エネルギー効率化(二酸化炭素削減含む)分析③事業環境分析(競合他社の動向及びそれと比較した場合の競争優位性) ④技術戦略 ⑤事業展開上の課題抽出及び対応方策 ⑥国内への経済波及効果 1.4 実施体制 本調査は、経済産業省より委託を受けた株式会社三菱総合研究所(以下、「三菱総合 研究所」という。)によって実施される。省エネ等に係る技術的検討等については株式 会社 NTT ファシリティーズ(以下、「NTT ファシリティーズ」という。)に、資金面 等の検討については三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社(以下、「三菱UF Jモルガン・スタンレー証券」という。)に、現地調査支援については PT. PAMULA CIPTA MAHAKARYA にそれぞれ三菱総合研究所から外注し、各社の有する専門的知 見を活用した。 図1.4-1 に、本調査の実施体制を示す。
(注)PT. Bali Tourism Development Corporation(バリ島観光開発局) 図 1.4-1 調査の実施体制 1.5 事業実施期間 委託契約締結日から平成26年3月31日まで 1.6 成果物 調査報告書(CD-ROM等) 2式 NTT ファシリティーズ 三菱UFJ モルガン・スタン レー証券 現地協力機関 EMI(国営エネル ギー管理会社) 委託 外注 ■バリ州政府 ■エネルギー鉱物 資源省等 調整 ■BTDC (注) 調整 PT. PAMULA CIPTA MAHAKARYA 協力 外注 経済産業省 三菱総合研究所
第2章 市場動向
2.1 対象国、都市、地域等の特定 インドネシア国バリ州のホテルを本事業の対象とする(図2.1-1、図 2.1-2 参照)。 図 2.1-1 インドネシア・バリ州の位置 図 2.1-2 インドネシア・バリ州 表2.1-1 に示すとおり、バリ州は、9 つの県・市から構成されている。バリ州の主要 産業は観光であり、海外・インドネシア国内からの観光需要に合わせて、続々とホテル が建設されている(2011 年で 3 つ星から 5 つ星のホテルで 20,275 室、平均稼働率 66.9%)。現在、バリ州全体では、3 つ星以上のホテルが 127 軒存在する。4 つ星、5 つ 星に絞れば88 軒である。また、これらの観光を支えるのは MICE 産業1であり、大型 の国際コンベンションセンター等がヌサ・ドゥア地区に集中する。 一方、上記を背景として、バリ州の電力や上水の需給は逼迫しており、電力や上水の 需要量が極めて大きいホテルにおける省エネルギー化や節水・雨水の飲料水化等が喫緊 の課題である。バリ州のホテル数の概要を図2.1-3、表 2.1-2、表 2.1-3 に示す。 1 「M」ミーティング(研修)・「I」インセンティブ(企業報奨旅行)・「C」コンベンション(各種大会)・「E」エキジビジョン(展示会)の 略 バリ州表 2.1-1 バリ州のホテル 県・市 ホテルグレード 計 5 つ星 4 つ星 3 つ星 2 つ星 1 つ星 1.Kota Denpasar 3 4 4 8 4 23 Denpasar 0 0 2 0 0 2 Sanur 3 4 2 8 4 21 2.Badung 32 32 19 13 2 98 Kuta,Tj.Benoa,Sae anga,Jimbaran 20 26 19 11 2 78 Nusa Dua 12 6 0 2 0 20 3.Bangli 0 0 0 0 0 0 4.Buleleng 1 1 7 0 0 9 5.Gianyar 5 6 3 0 0 14 6.Jembrana 0 0 0 0 0 0 7.Klungkung 0 0 2 0 0 2 8.Karangasem 1 2 2 1 1 7 9.Tabanan 1 0 2 0 0 3 計 43 45 39 22 7 156
出所)DINAS PARIWISATA PROVINSI BALI, BALI GOVERNMENT TURISM OFFICE, 2012 から調査団作成
出所)DINAS PARIWISATA PROVINSI BALI, BALI GOVERNMENT TURISM OFFICE, 2012 から調査団作成
表 2.1-2 バリ州のホテル名(5 つ星・4 つ星・3 つ星)
県・市・区名 ホテル名 星 室数
KOTA
DENPASAR DENPASAR Inna Bali The Graha Cakra Bali Hotel 3 3 76 37
SANUR Bali Hyatt 5 386
Inna Grand Bali Beach 5 515
Inna Sindhu Beach 3 61
Mercure Resort Sanur 4 189
Puri Santnan 4 182
Sanur Beach 5 421
Sanur Paradise Hotel & Suites 4 413
Segara Village 4 120 Tanjungsari 3 26 BADUNG KUTA Tj. BENOA SAWANGAN JIMBARAN Adhi Dharma 3 115
Alam Kulkul Boulique Resort 4 80
Alila Villas Uluwatu 5 61
Aston Bali Beach Resort & Spa 5 187
Banyantree Resort 5 NA
Bintang Bali 5 401
Bali Dynasty 4 312
Bali Garden 4 143
Royal Seminyak Bali 5 137
Bali Intan Cottages 3 146
Bali International 5 425
Bali Mandira 3 100
Padma Resort Bali 5 406
Bali Rani 3 104
Bali Tropic Resort & Spa 4 150
Bounty 3 166
Coort Yard 3 26
Discovery Kartika Plaza 5 318
Four Season Resort Bali at Jimbaran
Bay 5 156
Four Season Resort Private Estate 5 27
Goodway 3 116
Grand Bali Sani Suites 3 100
Grand Istana Rama 4 146
Grand Mirage 5 305
Hard Rock Hotel Bali 4 418
Harris Resort Kuta 4 191
Holiday Inn Resort 5 195
Inna Kuta Beach 4 137
Intan Bali 4 313
Sekar Nusa 4 57
J. Boutique Hotel 3 88
Jimbaran Puri Bali 4 64
Kayu Manis Jimbaran Private Estate
& Spa 4 19
Keraton Jimbaran Resort 4 102
Kind Villa Bintang Resort & Spa 3 54
Kumala Pantai 3 93
Kuta Beach Club 3 100
Kuta Paradiso 5 243
Kuta Sea View 3 82
Legian Beach 4 218
Legian Paradiso 3 124
Melia Benoa 5 128
Mercure Kuta 4 130
Nikko Bali 5 395
Novotel Benoa Bali 5 186
Pantai Dewata Wara 4 168
Pelangi Bali 4 89
Princess Benoa Beach Resort 3 54 Ramada Resort Camakila Bali 4 117
The Seminyak Beach 4 90
Risata Bali Resort & Spa 4 139
Santika Beach 4 171
Hotel Resort Cama Kila 4 64
Sari Segara Resort 3 126
The Wangsa 3 40
The Breezes Bali 4 130
The Jayakarta Hotel & Residence 4 278
The Legian Bali 5 78
The Oberoi Bali 5 75
The Patra Bali Resort & Villas 5 228 Ayana Resort & Spa Bali 5 368 The Villas Bali Hotel & Spa 4 110
White Rose 3 114
The Beverly Bali 3 37
NUSA DUA Amanusa 5 35
Ayodya Resort Bali 5 537
Bulgari Hotel & Resort Bali 5 62
Club Mediterranee 4 400
Conrad Bali Resort & Spa 4 313
Grand Hyatt Bali 5 750
Inna Putri Bali 5 384
Kayu Manis Nusa Dua Private Villas
& Spa 4 27
Melia Bali Villas & Spa Resort 5 500 Nusa Dua Beach Hotel & Spa 5 381
Novotel Nusa Dua Bali 5 175
Peninsula Beach Resort 4 82
Ramada Resort Benoa 5 180
The Laguna Resort & Spa 5 276
Grand Bali Nusa Dua 4 63
The Bale 4 NA
The Westin Resort Nusa Dua 5 334 The St. Regis Bali Resort 5 123
BULELENG Alam Anda Beach 3 40
Hotel Adi Rama Beach Resort 3 NA
Matahari 5 32
Melka Exceisior Hotel 3 61
Menjangan Junggle 3 17
Mimpi Resort Menjangan 4 54
Sunuri Villas & Spa Resort 3 82
Jepun Bali 3 38
GIANYAR Amandari 5 30
Como Shambala Estate 3 30
Alila Ubud 4 63
Four Season Resort Bali 5 60
Hotel Uma Ubud 4 29
Kayu Manis Private & Spa 4 23
Kupu-Kupu Barong 3 29
Maya Ubud 5 108
Kamandalu 5 54
Puri Wulandari 3 34
The Viceroy Villa 4 15
The Payogan 4 40
The Mansion 5 43
Kra Chaai 4 6
KLUNGKUNG Coconouts Beach Hotel 3 24
Nusa Lembongan Resort 3 12
KARANGASEM Amankila 5 33
Candi Beach Cottages 4 64
Rama Candi Dasa 4 69
Siddhartha Dive Resort & Spa 3 NA
Alila 3 55
TABANAN Pan Pasific Bali Resort 5 278
Saranam Eco Resort 3 35
Hotel Enjungan Sari 3 30
出所)DINAS PARIWISATA PROVINSI BALI, BALI GOVERNMENT TURISM OFFICE, 2012 から調査団作成
表 2.1-3 バリ州のホテル名(2 つ星・1 つ星)
県・市・区名 ホテル名 星 室数
KOTA
DENPASAR SANUR Alit’s Beach Bungalows Besakih Beach Resort 2 2 100 79
Diwangkara Beach 2 38 Gazebo Cottages 2 75 Griya Santrian 2 98 La Tavema 2 36 Peneeds View 2 55 Puri Dalem 2 42 Abian Srama 1 53
Bali Pavilions Villas 1 23
Sativa Sanur Cottages 1 50
Tamu Kami 1 20
BADUNG KUTA
Tj. BENOA SAWANGAN JIMBARAN
Aneka Beach Hotel 2 59
Bali Legian Resort 2 100
Balisani Padma 2 60
Camplung Mas 2 70
Lavender Luxury 2 47
Puri Bali 2 41
Puri Raja 2 72
Ramayana 2 54
Villa Rumah Manis 2 40
Villa The Dusun 2 175
Un’s 1 32
Vilaseri 1 130
NUSA DUA Bali Desa Suites 2 28
Sonni Puteri Galeria 2 30
KARANGASEM Taman Air 2 14
Lotus Bungalow 1 20
出所)DINAS PARIWISATA PROVINSI BALI, BALI GOVERNMENT TURISM OFFICE, 2012 から調査団作成
2.2 現地ニーズに基づく対象インフラ・システムの特定 (1) 現地ニーズ ① バリ州の電力消費量 国営電力会社(PLN)バリによると、セクター別の電力消費量は、ホテルが 50%、ホテ ル以外が 50%と、ホテルの電力消費量が極めて多い。また、バリ州における電力消費量の 上昇率は年間10%であり、ピーク時(18 時~22 時)の上昇率は 9%である。ホテルの電力 消費量の上昇率は12%とホテル以外の電力消費量の上昇率 6~7%に比して 2 倍近くに達す る。 ② バリ州の電力供給状況 バリ州における電力需給の状況を表2.2-1 に示す。供給容量 790MW のうち、バリ島内で のディーゼル発電が570MW、ジャワ島から海底ケーブル経由で 200MW が供給されている。 ディーゼル発電 570MW のうち、439MW は軽油を使用している。ガスディーゼル発電が 131MW あるが、バリ島へガスが供給されていないため、現在は C 重油、 MFO(Marine Fuel Oil)を使用して発電している。 再生可能エネルギーのうち、風力発電(ヌサプニダ島)はほとんどが壊れており稼動し ていない。太陽光発電は2MW であり、バンリ県で1MW、カランアッサム県で1MW が、 それぞれ稼動している。PLN は太陽光発電の電力を 25 セント/kWh で購入している。なお、 地熱発電の計画があり、住民への説明を終了したが、県議会が反対している状況である。 供給容量が790MW、ピーク時(18 時~22 時)の需要が 721MW であり、ほとんど余裕 がない状況である。 表 2.2-1 バリ州における電力需給状況 区分 発電方式等 発電容量等(MW) 供給 バリ島内での発電 ディーゼル発電 570 風力(ほとんどが壊れ不稼動) 太陽光(2MW) 20 ジ ャ ワ 島 か ら の 供 給 海底ケーブル 200 合計 790 需要 ピーク時(18 時~22 時) 721 出所)PLN バリへのヒアリングに基づき調査団作成 今後の電力供給計画を表2.2-2 に示す。2014 年 7 月頃には、ジャワ島から海底ケーブル で 200MW(100MW×2)が供給される予定である。既にジャワ島から 200MW が供給さ れており、ジャワ島から供給は合計400MW となる。
また、シンガラジャ地区に石炭火力発電を建設中(中国企業のIPP)であり、2014 年末 に135MW が、2015 年には 270MW(135MW×2)が稼動予定である。これらの石炭火力 発電が完成すると、石炭火力発電は合計 405MW となる。石炭火力発電の稼働後は、バリ 島内のディーゼル発電を徐々に減らし、最終的にはディーゼル発電をゼロにし、ディーゼ ル発電はバックアップ用となる。 さらに、2017 年には、ジャワ島から地上ケーブルで 1,800MW が供給される予定である。 これらを合計すると2017 年までに新たに 2,405MW が供給されることになり、需給の逼迫 感は緩和される。 表 2.2-2 バリ州における今後の電力供給計画 発電方式等 発電容量等(MW) 稼動予定時期 ジャワ島からの供給 海底ケーブル(100MW×2) 200 2014 年 7 月頃 地上ケーブル(350mタワ ー) 1,800 2017 年 バリ島内での発電 ( シ ン ガ ラ ジ ャ 地 区) 石炭火力発電(IPP) 135 2014 年末 270* 2015 年 合計 2,405 *:135MW×2 出所)PLN バリへのヒアリングに基づき調査団作成 ③ バリ州における省エネの必要性 バリ州は、インドネシアの経済的最重要地区のひとつであるため、バリ州のエネルギー 政策の殆どをインドネシア中央政府が策定し、実施している。エネルギー鉱物資源省 (MEMR)、バリ州エネルギー鉱物資源局や PLN バリは、バリ州の電力需給が逼迫してい るため、電力使用量が多いホテルを対象とした省エネの必要性を強調している。 また、近年、PLN が電力料金の補助金を減額することで電力料金の値上げが続いている。 2013 年には電力料金が 18%値上げされ、契約電力が 200kVA 以上(カテゴリーB3)のホ テルの電力料金は、オフピーク時(22 時~翌日 18 時)が Rp.1,020/kWh、ピーク時(18 時~22 時)はオフピーク時の 1.5 倍の料金となっている。2014 年にはさらなる値上げが予 定されており、ホテル業に対しては 38.9%の値上げが適用される見込みである。ホテルに とって、省エネを進めることが重要となっている。 ④ PLN バリの省エネへの関心度 PLN バリは、バリ州におけるホテルの急増による電力消費量の増加に伴う電力不足を懸 念しており、特に大型ホテルにおける省エネの推進に非常に高い関心を持っている。また、 電力消費量の「見える化」にも関心が高く、PLN バリのオフィスビルへの設置について相 談を受けた。ホテルが消費している電力も補助金によって低く抑えられており、電力消費 量を削減することにより補助金を削減でき、政府の負担を軽減できることになる。ちなみ にPLN バリは、200kVA 以上の大口顧客を 350 社保有している。 (2) 対象インフラ・システムの特定 本調査において対象とするシステムは、バリ州のホテル等に適合する、エネルギーマネ ジメントシステム(EMS)及び省エネ設備(チラー、ピークシフトのための蓄熱タンク(温 水・冷水)、太陽熱利用パネル等)とする。本調査においては、対象となるシステムについ ての現地への導入可否の検討のため、併せて現地調査を実施した。 ① 導入対象システム EMS は、モニタリングシステム(見える化システム)とデマンドレスポンス(DR)シ ステムから構成される(図2.2-1 参照)。
図 2.2-1 EMS の構成 a.「見える化」等のエネルギー消費量のモニタリングシステム モニタリングシステムは、電力使用量を「見える化」する機器・装置 Remoni(リモニ) を導入する。仕様を表2.2-3 に、システム構成例を図 2.2-2 に示す。 表 2.2-3 仕様 計量間隔 5 分 計量値の確認間隔 30 分ごと 計量値の確認箇所 遠隔、現地ともに可 計量データの保持期間 4 年+当年
(注)GMU:General Monitoring Unit
図 2.2-2 システム構成例 本システムの特徴は、以下の2 点である(図 2.2-2 参照)。 ○アプリケーションサービスプロバイダー(ASP)方式の採用により、設備に関する導 入者の負担を軽減。 ○ブラウザ用ツールバーやAndroid アプリを活用することで、施設管理者だけではなく、 利用者全員が一体となった節電施策が可能。 モニタリングシステム デマンドレスポンスシステム
*ASP:Application Service Provider ⇒インターネットを通じて顧客にビジネス用アプリケーションをレンタルするサービス 弊社モニタリングASPサービス「Remoni」により構築 約420ビルに導入済み 空調 負荷 動力負荷 電灯負荷 A支店 B支店 Remoni® 計測ユニット 24h×365days WhM Ex) 建物全体 Ex) 建物詳細 A発電所 B発電所 本 社 エネルギーモニタリングサービス インターネット WEB上で簡単に閲覧
*ASP:Application Service Provider ⇒インターネットを通じて顧客にビジネス用アプリケーションをレンタルするサービス 弊社モニタリングASPサービス「Remoni」により構築 約420ビルに導入済み 空調 負荷 動力負荷 電灯負荷 A支店 B支店 Remoni® 計測ユニット 24h×365days WhM Ex) 建物全体 Ex) 建物詳細 A発電所 B発電所 本 社 エネルギーモニタリングサービス インターネット WEB上で簡単に閲覧 弊社モニタリングASPサービス「Remoni」により構築 約420ビルに導入済み 空調 負荷 動力負荷 電灯負荷 A支店 B支店 Remoni® 計測ユニット 24h×365days WhM Ex) 建物全体 Ex) 建物詳細 A発電所 B発電所 本 社 エネルギーモニタリングサービス インターネット WEB上で簡単に閲覧 エネルギーマネジメントシステム(EMS)
+
b.デマンドレスポンス NTT ファシリティーズ(NTT-F)が、我が国で平成 23 年 7 月に開始したマンション入 居者向けデマンドレスポンスサービス「EnneVision(エネビジョン)」は、同社が電力サー ビスを提供している一括受電マンションの入居者に対して、節電及び省エネを支援するサ ービスである(図2.2-3 参照)。 商用サービスとして日本初となる電力の供給サイドと需要サイドが一体となったデマン ドレスポンスに関するサービスであり、平成24 年度の「省エネ大賞」及び「地球環境大賞 (経済産業大臣賞)」を受賞した。これらの知見を基盤として、インドネシア・バリ州向け にカスタマイズする。 図 2.2-3「EnneVision(エネビジョン)」のイメージ c.省エネ設備 ホテルに導入する省エネ設備の例を以下に示す。 ジャワ・バリ系統の電力の日負荷曲線によると、電力のピークは17 時~22 時にかけて存 在し、日中の電力需要はピークの3/4 程度であり、電力のピークに合わせて炊事や入浴等の 温水利用需要が増え、ホテルの冷房需要も増加することが想定される。そのため、次の 3 つのシステムを組み合わせたエネルギーの効率化が大きな省エネルギー効果をもたらすと 考える(図2.2-4 参照)。 ② 現地調査結果 今回の調査業務において、バリ島内のヌサ・ドゥア地区にある 5 つ星ホテル Melia Bali
Villas & Spa Resort に対して、現地のウォークスルー調査、建物維持管理者に対するヒア リング等を実施し、省エネ診断を実施した。省エネ改修の提案としては下記に示す項目に ついて、改修内容、効果試算等をまとめた。 ・ チラーの更改 ・ ピークシフトのための蓄熱タンクの追加 ・ 再生可能エネルギー導入としての太陽熱利用パネルの追加 さらに、上記ホテルに対して、見える化システム導入を実施し、電気エネルギーの消費 実態を把握した。 a.建物概要およびエネルギー基礎データ
Melia Bali Villas & Spa Resort の建物概要を表 2.2-4 に、敷地概要を図 2.2-4 に示す。
当該建物は1985 年に竣工しており、2011 年に改装(主に内装)がなされている建物で、
客室は 4 階建の建物Ⅰ~Ⅳに分かれており、雁行配置となっている。熱源等機械室は建 物コンプレックスの南西に位置し、受電トランス、配電盤、冷熱源、温熱源、非常用発電 機が設置されている。敷地の北東面は海に面しており、近傍にプールやヴィラが点在して いる。
表 2.2-4 建物概要
会社名 Melia Bali Villas & Spa Resort
住所 Kawasan Wisata BTDC Lot 1 Nusa Dua
規模 20,978.93 ㎡ 竣工年 1985 年 (2011 年改装) エ ネ ル ギ ー 情 報 電力 契約形態 Industri 電力需要 2,180kVA 年間消費量 923.4MWh 消費内訳 空調関連:65%、照明等:20%、動力等:15% LPG 年間消費量 65,141 ㎏ 水 年間消費量 136,708m3 設 備 情 報 空調 冷熱源 圧縮式チラー600RT(100RT×6 台)、年間冷房 空調機 AHU、FCU、客室の一部に SplitAC 給湯 温熱源 電気ヒーター(温熱源の一部にチラー排熱回収 あり)+給湯タンク 給排水 貯水槽 1,100m3
熱源機械部分は100RT のチラーが 6 台、冷水ポンプ、冷却水ポンプ、給湯タンクが設置 されている。機械室内は狭隘であるため、改修の際には十分な改修計画が必要である。 客室空調は基本的にファンコイルユニット(FCU)を用い、付加空調としてスプリット型 エアコンが設置されている客室もある。ホテルキーシステムにより、不在時は空調が弱運 転になるように設定されている。給湯配管はループ配管となっており、即時給湯が可能な 状態となっている。 用途別消費電力比率を図2.2-5 に示す。ヒアリングによると、空調系で 65%、照明コンセ ント系で20%、モータ電力(エレベーター、ポンプ等)で 15%ということであった、この ことからも建物全体に占める空調の消費割合が大きいことから、空調に焦点を当てた省エ ネシステムが建物の省エネのためには有効であることがわかる。 図 2.2-5 用途別消費電力比率 年間消費エネルギーを月毎、用途毎にグラフ化したものを、図2.2-6 に示す。 電力消費量に関して、理由は定かではないが、1,4,5 月が他の月に比べて若干多く、10 月 が極端に少ない。 LPG 消費量は、1 月が極端に多く、4,9,10,12 月が少ない。これは、ニューイヤーイベン トによる影響が大きいと考えられる。 水消費量は、5~9 月にかけて若干多かったが、10 月以降は減少傾向にある。
図 2.2-6 年間消費エネルギー(2012 年:電気、ガス、上水) b.ウォークスルー調査結果 ウォークスルー調査結果を下記に示す。 ・チラーは設置後、26 年間未改修。 ・チラー改修がエネルギー効率向上(電気料金削減)につながるのであれば、改修を 検討。
・ESCO スキームに興味を持っている。 ・省エネ診断を実施済みであり、診断レポートを保有。 ・全380 室のうち、220 室のハイクラスルームには、スプリット型エアコンを設置。 ・スプリット型エアコンはルームキーシステムと連動しON/OFF。 ・ルーム空調のFCU は、ルームキーシステムの OFF 時には低風量運転となるよう設 定。 写真2.2-1 客室 写真2.2-2 スプリット型エアコン(客室) 写真2.2-3 内装 (空調吹出し口あり) 写真2.2-4 スイッチパネル (空調と照明)
・チラーは100RT×6 台構成。
・チラーの排熱を給湯タンクの保温用として利用。
写真2.2-5 スプリット型エアコン(室外機)
写真2.2-6 機械室 写真2.2-7 給湯タンク
写真2.2-10 非常用発電機 写真2.2-11 受電トランス
写真2.2-12 受電トランス盤№1 写真2.2-13 受電トランス盤№2
・予備発電機や受電関係の盤類の状態は良好。 ・各受電トランス盤、電力量計はマルチメーター設置。 ・積算電力計は、ポンプ、チラー、レセプション、キッチン、ランドリーの系統に設 置。 c.調査結果総括 当該ホテルは竣工以来、チラーを更改されておらず、経年による劣化が著しい状況にあ る。チラーは全6 台が設置されており、チラー1 台につき 2 台のコンプレッサーが搭載され ているため、最大でコンプレッサー12 台分の冷却能力がある。チラー2 台は、コンプレッ サーが1 台ずつ故障していることから、コンプレッサー10 台分(チラー5 台分)の冷却能 写真2.2-16 進相コンデンサ盤 写真2.2-17 自動切替盤 写真2.2-18 用途別積算電力量計 写真2.2-19 ホテルレセプション 写真2.2-20 ホテル客室コリドー
力しかない状況であり、竣工時の冷凍能力も発揮できない状態にある。また、チラーの運 用に関しても、24 時間運転であり、メンテナンス時以外は連続運転という過酷な状況で運 用されており、チラーの更改は必須であると考えられる。 また、チラーからの排熱は回収再利用されており、従前から省エネに対する意識は高い。 ホテルという用途上とインドネシアという気候上から、年間を通じて空調用冷水、および 給湯の需要が存在するため、チラーの排熱回収は有効な省エネ手段である。 2.3 現在の市場規模 バリ州において、上記のシステムは現在普及していない。ただし、表2.1-1 に示すとおり 127 軒の 3 つ星以上のホテルが存在しており、本システム導入に係るポテンシャルは高いと 考える。 2013 年に入り、インドネシア政府による電力料金への補助金が低減した結果、四半期ご とに電力料金が上昇しており、コスト削減のためホテル経営者の省エネルギーへの関心が 高い。また、外資系ホテルは、高級リゾート地として観光客を呼び込むため定期的に施設 の改修を行っており、効率の悪いボイラやチラー、空調機等の熱源供給設備を省エネ効果 の高い技術に一新できるチャンスでもある。 2.4 将来の市場規模(成長可能性) 2.4.1 バリ州の電力需給状況 バリ州のホテルの多くは国際水準に近い建設物であるが、エネルギー管理の未成熟さか ら、エネルギーの浪費が指摘されている。他方、現在のバリ州の供給電力キャパシティー は790MW であり、ピーク時(18 時~22 時)の需要量はその 92%にあたる 721MW に達 するほど電力供給が逼迫している。さらに、観光客の増加(図2.4-1 参照)に伴うホテルの 建設数が急激に増えていることから、2015 年までに必要となる供給電力は 1,095MW とな る見込みである。このため、ジャワ島からの電力供給用海底ケーブルの設置が急がれる等、 供給量増加の対策に追われる一方で、電気料金の値上げともに、ホテル等商業施設の省エ ネルギー化が喫緊の課題となっている。 図 2.4-1 観光客数の推移 外国からのバリ島入国人数 国内からのバリ島入国人数
2.4.2 バリ州のホテルの EMS・省エネに関するニーズ 現在、インドネシアの建物部門は同国の最終エネルギー消費量の 20%を占め、今後もビ ル建設ラッシュによりその増加が見込まれる。同国のホテル業界の成長も目覚しく、訪問 客数は年に10%の割合で伸びている2。 近年、ホテル業界は燃料及び電力コストの削減に努めていることから、EMS が急速に重 要度を増している。これは、PLN が電力料金の補助金を減額することで電力料金の値上げ が続いていることに起因する。2013 年には電力料金が 18%値上げされ、契約電力が 200kVA 以上(カテゴリーB3)のホテルの電力料金は、オフピーク時(22 時~翌日 18 時)が Rp.1,020/kWh、ピーク時(18 時~22 時)はオフピーク時の 1.5 倍の料金となっている。 2014 年にはさらなる値上げが予定されており、ホテル業に対しては 38.9%の値上げが適用 される見込みである。
Melia Benoa Bali のチーフエンジニアとの面談において、省エネ効果を得るためには、 客室が広いホテルを対象とすべきとの回答を得た。空調でチラーを使用するのは大規模ホ テルのみである。他方、やや小規模なホテルでは、費用対効果の観点から、スプリットダ クト型空調システムへの転換が見られる。 2.4.3 バリ州における将来の EMS・省エネ市場規模 バリ州において、星による格付けがされたホテル数の合計は156 軒に達する。内訳は、5 つ星が43 軒、4 つ星が 45 軒、3 つ星が 39 軒、2 つ星が 22 軒、1 つ星が 7 軒である。これ らのほとんどは、バドゥン県(クタ、ベノア、 サワンガン、ジンバラン、ヌサ・ドゥア) 及びデンパサール(サヌル)に所在する。ヌサ・ドゥア地区には、星による格付けがされ たホテルが20 軒あり、5 つ星が 12 軒、4 つ星が 6 軒、2 つ星が 2 軒である。 ここでは、ヌサ・ドゥア地区、及びバリ州におけるホテルのEMS、省エネ設備導入に係 る市場規模を推計した。より小規模なブティック・ホテルを対象にすると同時に、ジャワ 島地域(ジャカルタ、バンドゥン、ジョグジャカルタ等)への拡大も可能と考える。
(1) EMS を導入可能なヌサドゥア地区のホテル数
EMS を導入するためには、ある一定規模の室数が必要であると考えられる。Melia Benoa
のチーフエンジニアへのヒアリング結果に基づき、1ホテル当たり100 室以上のホテルを、
EMS を導入可能なホテルとして想定した。図 2.4-2 にヌサドゥア地区の 100 室以上を保有
するホテルの数を示した。100 室以上を保有するホテルは、5 つ星が 10、4 つ星が 2 で、合
計12 である。表 2.4-1 にホテル名と室数を示す。
出所)DINAS PARIWISATA PROVINSI BALI, BALI GOVERNMENT TURISM OFFICE, 2012 から調査団作成
図 2.4-2 EMS を導入可能なヌサドゥア地区のホテル数 表 2.4-1 EMS を導入可能なヌサドゥア地区のホテル名と室数
県・市名 ホテル名 星 室数
BADUNG NUSA DUA Ayodya Resort Bali 5 537
Grand Hyatt Bali 5 750
Inna Putri Bali 5 384
Melia Bali Villas & Spa Resort 5 500 Nusa Dua Beach Hotel & Spa 5 381
Novotel Nusa Dua Bali 5 175
Ramada Resort Benoa 5 180
The Laguna Resort & Spa 5 276 The Westin Resort Nusa Dua 5 334 The St. Regis Bali Resort 5 123
Club Mediterranee 4 400
Conrad Bali Resort & Spa 4 313
(2) EMS を導入可能なバリ州のホテル数
図2.4-3 にバリ州の 100 室以上を保有するホテルの数を示した。100 室以上を保有するホ
テルは、5 つ星が 30、4 つ星が 24、3 つ星が 11、2 つ星が 3、1 つ星が 1 で、合計 69 であ
る。表2.4-2 にホテル名と室数を示す。
出所)DINAS PARIWISATA PROVINSI BALI, BALI GOVERNMENT TURISM OFFICE, 2012 から調査団作成
図 2.4-3 EMS を導入可能なバリ州のホテル数 表 2.4-2 EMS を導入可能なバリ州のホテル名と室数
県・市名 ホテル名 星 室数
KOTA
DENPASAR SANUR Bali Hyatt Inna Grand Bali Beach 5 5 386 515
Sanur Beach 5 421
Mercure Resort Sanur 4 189
Puri Santnan 4 182
Sanur Paradise Hotel & Suites 4 413
Segara Village 4 120
Alit’s Beach Bungalows 2 100
Vilaseri 1 130
BADUNG KUTA
Tj. BENOA SAWANGAN JIMBARAN
Aston Bali Beach Resort & Spa 5 187
Bintang Bali 5 401
Royal Seminyak Bali 5 137
Bali International 5 425
Padma Resort Bali 5 406
Discovery Kartika Plaza 5 318
Four Season Resort Bali at Jimbaran
Bay 5 156
Grand Mirage 5 305
Holiday Inn Resort 5 195
Melia Benoa 5 128
Nikko Bali 5 395
Novotel Benoa Bali 5 186
The Patra Bali Resort & Villas 5 228 Ayana Resort & Spa Bali 5 368
Bali Dynasty 4 312
Bali Garden 4 143
Bali Tropic Resort & Spa 4 150
Grand Istana Rama 4 146
Hard Rock Hotel Bali 4 418
Harris Resort Kuta 4 191
Inna Kuta Beach 4 137
Intan Bali 4 313
Keraton Jimbaran Resort 4 102
Legian Beach 4 218
Mercure Kuta 4 130
Pantai Dewata Wara 4 168
Ramada Resort Camakila Bali 4 117 Risata Bali Resort & Spa 4 139
Santika Beach 4 171
The Breezes Bali 4 130
The Jayakarta Hotel & Residence 4 278 The Villas Bali Hotel & Spa 4 110
Adhi Dharma 3 115
Bali Intan Cottages 3 146
Bali Mandira 3 100
Bali Rani 3 104
Bounty 3 166
Goodway 3 116
Grand Bali Sani Suites 3 100
Kuta Beach Club 3 100
Legian Paradiso 3 124
Sari Segara Resort 3 126
White Rose 3 114
Bali Legian Resoer 2 100
Villa The Dusun 2 175
NUSA DUA Ayodya Resort Bali 5 537
Grand Hyatt Bali 5 750
Inna Putri Bali 5 384
Melia Bali Villas & Spa 5 500 Nusa Dua Beach Hotel & Spa 5 381
Novotel Nusa Dua Bali 5 175
Ramada Resort Benoa 5 180
The Laguna Resort & Spa 5 276 The Westin Resort Nusa Dua 5 334 The St. Regis Bali Resort 5 123
Club Mediterranee 4 400
Conrad Bali Resort & Spa 4 313
GIANYAR Maya Ubud 5 108
TABANAN Pan Pasific Bali Resort 5 278
(3) 省エネ設備(EMS を除く)を導入可能なヌサドゥア地区のホテル数 チラー等の省エネ設備(EMS を除く)を導入するためには、ある一定規模の室数が必要 であると考えられる。Melia Benoa のチーフエンジニアへのヒアリング結果に基づき、1 ホテル当たり200 室以上のホテルを、チラー等の省エネ設備(EMS を除く)を導入可能な ホテルとして想定した。図2.4-4 にヌサドゥア地区の 200 室以上を保有するホテルの数を示 した。200 室以上を保有するホテルは、5 つ星が 7、4 つ星が 2 で、合計 9 である。表 2.4-3 にホテル名と室数を示す。
出所)DINAS PARIWISATA PROVINSI BALI, BALI GOVERNMENT TURISM OFFICE, 2012 から調査団作成
図 2.4-4 省エネ設備(EMS を除く)を導入可能なヌサドゥア地区のホテル数 表 2.4-3 省エネ設備(EMS を除く)を導入可能なヌサドゥア地区のホテル名と室数
県名 ホテル名 星 室数
BADUNG NUSA DUA Ayodya Resort Bali 5 537
Grand Hyatt Bali 5 750
Inna Putri Bali 5 384
Melia Bali Villas & Spa Resort 5 500 Nusa Dua Beach Hotel & Spa 5 381 The Laguna Resort & Spa 5 276 The Westin Resort Nusa Dua 5 334
Club Mediterranee 4 400
Conrad Bali Resort & Spa 4 313
出所)DINAS PARIWISATA PROVINSI BALI, BALI GOVERNMENT TURISM OFFICE, 2012 から調査団作成
(4) 省エネ設備(EMS を除く)を導入可能なバリ州のホテル数
図2.4-5 にバリ州の 200 室以上を保有するホテルの数を示した。200 室以上を保有するホ
出所)DINAS PARIWISATA PROVINSI BALI, BALI GOVERNMENT TURISM OFFICE, 2012 から調査団作成
図 2.4-5 省エネ設備(EMS を除く)を導入可能なヌサドゥア地区のホテル数 表 2.4-4 省エネ設備(EMS を除く)を導入可能なバリ州のホテル名と室数
県・市名 ホテル名 星 室数
KOTA
DENPASAR SANUR Bali Hyatt Inna Grand Bali Beach 5 5 386 515
Sanur Beach 5 421
Sanur Paradise Hotel & Suites 4 413
BADUNG KUTA Tj. BENOA SAWANGAN JIMBARAN Bintang Bali 5 401 Bali International 5 425
Padma Resort Bali 5 406
Discovery Kartika Plaza 5 318
Grand Mirage 5 305
Kuta Paradiso 5 243
Nikko Bali 5 395
The Patra Bali Resort & Villas 5 228 Ayana Resort & Spa Bali 5 368
Bali Dynasty 4 312
Hard Rock Hotel Bali 4 418
Intan Bali 4 313
Legian Beach 4 218
The Jayakarta Hotel & Residence 4 278
NUSA DUA Ayodya Resort Bali 5 537
Grand Hyatt Bali 5 750
Inna Putri Bali 5 384
Melia Bali Villas & Spa 5 500 Nusa Dua Beach Hotel & Spa 5 381
The Laguna Resort & Spa 5 276 The Westin Resort Nusa Dua 5 334
Club Mediterranee 4 400
Conrad Bali Resort & Spa 4 313
TABANAN Pan Pasific Bali Resort 5 278
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2.5 インフラ・システムに求められる特記事項(地域特性等)
本調査において、見える化システムを設置したMelia Bali Villas & Spa Resort において は、毎朝、設備担当者が電力量計の数字を読み、日々の使用電力量をホワイトボードに記 載して、使用電力量を管理していた。また、前月分までの使用電力量については、エクセ ルで管理しており、印刷した紙資料をホワイトボードの横に張り、使用電力量を把握して いた。毎日、毎月の使用電力量は把握しているものの、時間帯別のエネルギー使用量は把 握されていないため、どの時間帯に無駄が発生しているのかは把握できていない状況であ った。時間帯別のエネルギー使用量の把握により、電気料金の高い時間帯(18 時~22 時) に、どの設備を効率的に運用するかなどを検討可能となる。今後も引き続き、電力料金が 高騰することが公表されており、今後、見える化システムの需要は高まると考えられる。
図 2.5-1 Melia Bali Villas & Spa Resort における使用電力量管理状況
また、PLN バリにおいては、スマートメータを導入している。PLN バリが入居している コンプレックスは、複数のビルにて構成されている。単一ビルの受電計測が一般的だが、 複合施設では敷地内に複数のスマートメータが点在している。しかしながら、PLN バリが 自分で設置したにもかかわらず、各スマートメータの計測対象が管理されておらず、どの スマートメータでどの建物を計測しているのかを割り出すことも困難な状況である。今後 は、設備更改とともに、図面などの保管などのソフト面での改善も必要となる。 図 2.5-2 PLN バリのスマートメータの設置状況
これまで省エネ意識の低い同国において、見える化システムは導入が進んでいない。省 エネルギーへの関心が急激に高まったのは電力料金が上昇し始めた2013 年以降であり、同 システムの必要性や、有効性を評価する環境が確立されていないことが、省エネ技術の普及 の妨げとなる。したがって、省エネ技術の導入を加速させるためには見える化システムの 試行導入による効果検証及び啓蒙と、それを補助するための資金制度の確立が必要である。 また、既存設備に関しては、できるだけ延命させながら使い続けるという企業が多く、 機器更改に係る投資のインセンティブがないことも課題である。
第3章 事業環境
3.1 インドネシア政府、自治体等の政策動向(支援策、制約等) (1) 法律
インドネシアにおける省エネルギー政策は、法律、政令、省令の 3 区分によって規定さ
れている。主要な政策についてその体系図を示すと以下の通りである。
出所)Energy Efficiency and Conservation Policy in Indonesia (Ministry of Energy and Mineral Resources)3より三
菱総合研究所作成 図 3.1-1 インドネシアにおける省エネルギーに関連する主要な法律、政令、省令の体系 ①エネルギー法 エネルギー法により国家エネルギー協議会(DEN)が新たに設立され、国家エネルギー 政策立案を担当している。DEN では、国家エネルギー全体マスタープランが作成され、省 エネルギーマスタープランの基礎としている。 また、エネルギー法により、省エネルギーの詳細について政令にて詳細を明確化するこ ととして、政令No.70 /2009 が定められている。 a.エネルギービジョン 25/25 インドネシアのエネルギー及び省エネルギーの目標としては、2010 年 11 月に採択され たエネルギービジョン25/25 がある。2025 年における一次エネルギー供給構成の中で新エ 3 http://www.lites.asia/files/otherfiles/0000/0210/Day_1_Session_3.1_Indonesia_policy_on_standards_and_labelling_ Maritje_Hutapea.pdf エネルギー法 No30/2007 省エネルギーに関する政令 No.70 /2009 原油燃料使用に関するエネルギー鉱物資源 省令 No01/2013 電力使用削減に関するエネルギー鉱物資源 省令 No13/2012 エネルギー管理に関するエネルギー鉱物資 源省令 No14/2012 電球型蛍光灯における省エネ・ラベリリング 添付文書に関するエネルギー鉱物資源省規 則 No06/2011 エネルギー管理士の能力基準に関する エネルギー鉱物資源省規則 No13/2010、 No14/2010 国家エネルギー政策に関する 大統領令 No.05/2006 法律とそれにより派生する省令、規則 関 連 規 制 温室効果ガス削減に関する国 家行動計画に関する大統領令 No.06/2011 省エネルギー、省水資源に関す る大統領令 No.13/2011 省水資源に関するエネルギー 鉱物資源省規則 No.15/2012 エネルギー管理士の能力基準に 関する労働移住省規則 No.321No.323/MEM/Ⅻ/2011 エネルギー監査士の能力基準に 関する労働移住省規則 No.614/MEM/Ⅸ/2011
ネルギー割合を25%、石炭の割合を 32%、天然ガスの割合を 20%、原油の割合を 23%とす る目標としている。 BAU ケースと比べて、エネルギービジョン 25/25 においては、15.6%を省エネルギーに よって削減することとしている。そのために、エネルギー弾性率を1 未満、GDP 当たりの エネルギー消費量を毎年1%減らすこととしている。 なお、このエネルギービジョンの数値は随時更新されている。 表 3.1-1 インドネシアの一次エネルギー構成目標(2025 年) エネルギー種類 通常の利用を想定したケース 国家エネルギー政 策大統領令No5. of 2006 エネルギービジョン25/25 原油 41.7% 20% 23% 天然ガス 20.6% 30% 20% 石炭 34.6% 33% 32% 新エネルギー 3.1% 17% 25% 省エネルギー (BAU 比) -15.6%
出所)Energy Efficiency and Conservation Policy in Indonesia (Ministry of Energy and Mineral Resources)
出所)Energy Efficiency and Conservation Policy in Indonesia (Ministry of Energy and Mineral Resources)より、三 菱総合研究所作成
図 3.1-2 エネルギービジョン 25/25 における省エネルギーによる削減目標 b.省エネルギーマスタープラン(RIKEN)
省エネルギーマスタープランは 5 年間有効であり、毎年必要に応じて改定される。2011
表 3.1-2 2025 年における経済部門における削減目標 部門内における割合 国全体のエネルギー消費における割合 削減ポテンシャル 2025 年のエネルギ ー削減目標 エネルギー消費に 占める割合 2025 年の削減量 に占める割合 産業部門 10-30% 17% 41% 6.9% 商業部門 10-30% 15% 5% 0.7% 運輸部門 15-35% 20% 37% 7.4% 住宅部門 15-30% 15% 13% 2.0% その他 15-30% - 4% 0.0% 全体 100% 17.0%
出所)Draft National Renewable Energy Master Plan RIKEN (Directorate of Energy Conservation)4
②省エネルギーに関する政令 No.70/2009 2009 年 11 月 26 日に 8 章 31 条から構成される省エネルギーに関する政令が発布されて おり、その中で以下の項目が明記されている。 中央政府、地方政府、民間部門の責任と役割 上流から下流まで(エネルギー生産者、転換事業者、消費者)の省エネルギーの実 施(9~14 条) 6,000 石油換算トン以上のエネルギーを使用する者への省エネルギー計画の作成、お よびそれに基づくエネルギー管理、エネルギー管理士の設置とエネルギー監査の実 施 省エネ基準とラベリング(16 条) エネルギー使用者と省エネルギー機器製造者に対するインセンティブおよびディス インセンティブの提供(17 条、20 条、22 条) 指導と監督 ③ 省エネルギー、省水資源に関する大統領令 電力使用量20%、水使用量 10%、ガソリン使用量 10%の削減を達成するための大統領令 で、関係閣僚からなる国家委員会(ナショナル・チーム)が構成される。このナショナル チームにおいて、省エネルギー、省水資源のための政策、戦略、プログラムが形成される。 また、この大統領令により実行体制が整備され、政府予算の割り当て、トレーニング、 モニタリング、省エネルギー、水資源技術の利用といった施策が展開される。 4 http://www.lites.asia/files/otherfiles/0000/0210/Day_1_Session_3.1_Indonesia_policy_on_standards_and_labelling_ Maritje_Hutapea.pdf
出所)Peer Review on Energy Efficiency in Indonesia (APEC) 5より三菱総合研究所作成
図 3.1-3 大統領令 No13/2011 の流れ (2) 制度 ① エネルギー管理制度 a.年間 6,000 石油換算トン以上のエネルギー消費を伴う者への義務 年間 6,000 石油換算トン以上を消費するエネルギー使用者については、以下のエネルギ ー管理を行うことが求められている。 エネルギー管理者の任命 省エネルギー計画の策定 定期的なエネルギー監査の実施 エネルギー監査の結果に基づく提案の実施 年間の省エネルギー活動の報告(大臣、州知事、県知事、市長に対して) 5 http://aperc.ieej.or.jp/file/2013/7/23/PREE_201206_Indonesia.pdf 省エネルギー、省水資源に関する大統領令 No13/2011 1.内閣を構成する大臣 2.最高裁判所長官 3.インドネシア国軍司令官 4.インドネシア警察長官 5.省クラスでない行政機関の長 6.国営企業の取締役 7.州知事 8.郡、市長 実施 省エネルギー、省水資源に関する政策 目 標 ・20%の電力使用量削減 (大統領令発行前の6か月間平均電力使用量に対して) ・10%のガソリン使用量削減(すべての行政機関、州営企業、 県営企業で補助が支出されているガソリンの使用量を制限) ・10%の水使用量削減 (大統領令発行前の6か月間平均水使用量に対して)に対し て)
具体的には、産業部門のエネルギー管理の基準が省令No13/2010 に定められ、建設部門 については、省令No14/2010 に定められている。 b.インセンティブの付与 ある一定期間に省エネルギー目標(成功基準)を達成した場合には、インセンティブが 付与される。6 年間 6,000 石油換算トン以上を消費するエネルギー使用者の場合は、以下のインセンテ ィブが与えられる。 省エネルギー製品への優遇税制 省エネルギー製品への地方税の減免、免除 省エネルギー製品を輸入する場合の特別関税 省エネルギー投資への低金利融資 政府によるパートナーシップ支援によるエネルギー監査 国内省エネルギー設備生産者の場合には、以下のインセンティブが付与される。 省エネルギー設備の生産に使われる部品、スペア部品、原材料への優遇税制 省エネルギー設備の生産に使われる部品、スペア部品、原材料への地方税の減免、 免除 省エネルギー設備の生産に使われる部品、スペア部品、原材料への特別関税 省エネルギー設備生産への低金利融資 c.ディスインセンティブの付与 省エネルギー計画を達成しなかった事業者に対しては、以下のディスインセンティブが与 えられることとなっている。 ・書面による警告 ・メディアでの公表 ・罰金 ・エネルギー供給の削減 ②省エネルギービル基準 インドネシアの省エネビル基準制度では、新エネルギー・省エネルギー総局(DJEBTKE: Directorate General of New Renewable Energy and Energy Conservation)により、イン ドネシア国家規格(SNI)が策定されている。現在、以下の 4 項目について SNI が制定さ れている。 ビルにおける建物外皮の省エネ:SNI03-6389-2000 ビルにおける空調換気システムの省エネ:SNI03-6390-2000 ビルにおける照明システムの省エネ:SNI03-6197-2000 ビルのエネルギー監査手続:SNI03-6196-2000
これらの基準に従う省エネビルの建設を促進するために、Energy Efficient Building Program が実施されており、その一環として Energy Efficiency and Conservation Clearing House Indonesia (EECCHI)のオフィスの省エネルギー化の取組が行われている。 ③ラベリング制度
インドネシアにおいては、個々の製品の省エネ性能に応じた 4 つ星までの評価システム
がある。2011 年には、電球形蛍光灯のラベリングが開始されており、2012 年に向けて、冷 蔵庫とエアコンに対する試験手続きおよび規格が準備されている。 ラベリングの対象となるのは、以下の10 品目である。 電球型蛍光灯(2013 年 5 月に義務化の予定) 冷蔵庫(2013 年中に基準が示される予定) ルームエアコン(2013 年中に基準が示される予定) TV 安定抵抗器 扇風機 炊飯器 モーター 洗濯機 電気アイロン a.電球蛍光灯 電球型蛍光灯の基準は、SNI04-6958-2003 で定められており、その内容は以下の通りで ある。 表 3.1-3 電球型蛍光灯の省エネルギーカテゴリ(Lumen/Watt) 各星のカテゴリの基準(単位:Lumen/Watt) 電力(Watt) 1 星 2 星 3 星 4 星 5~9 45~49 49~52 52~55 55 以上 10~15 46~51 51~54 54~57 57 以上 16~25 47~53 53~56 56~59 59 以上 26 以上 48~55 55~58 58~61 61 以上 出所)「省エネ意識と購買行動(インドネシア・ベトナム)に関する調査調査 報告書(JETRO)」7 なお、電球型蛍光灯の省エネラベルのデザインは、2003 年から現在まで以下の図のもの が使用されている。このラベルには、1 ワット毎の光の強さの情報が表示される他、登録ナ ンバー、製品モデル、星数が明記される。
出所)Energy Efficiency and Conservation Policy in Indonesia (Ministry of Energy and Mineral Resources)
図 3.1-4 電球型蛍光灯のラベルデザイン
b.冷蔵庫 冷蔵庫のラベルのドラフト案については、冷凍庫の有無によって以下の案が示されてい る。 表 3.1-4 冷蔵庫のラベリングのドラフト案 (単位)m3 冷凍庫なし 冷凍庫あり 1 星 =<465+1.378×Vabj×1.15 =<465+1.378×Vabj×1.55 2 星 =< 1 星×0.77 =< 1 星×0.77 3 星 =< 2 星×0.77 =< 2 星×0.77 4 星 =< 3 星×0.77 =< 3 星×0.77 注)Vabj:冷蔵庫の中の調整ボリューム
出所)FRAMEWORK of ENERGY EFFICIENCY LABELING PROGRAM PART2:TECHNICAL PROVISION for REFRIGERATOR (DRAFT) rev.3rd (Technical Meeting for EE Labeling Program in Indonesia)
c.エアコン
エアコンのラベルのドラフト案においては、インバータ付とインバータ付でないものに ついて、以下の基準案が示されている。
表 3.1-5 エアコンのラベリングのドラフト案
インバータあり インバータなし
1 星 2.64=<weighted COP<2.92 2.5=<COP<2.64
2 星 2.92=<weighted COP<3.34 2.64=<COP<2.92
3 星 3.34=<weighted COP<3.76 2.92=<COP<3.05
4 星 3.76=<weighted COP 3.05=<COP
注)COP: Coefficient of Performance(負荷 100%)
Weighted COP=0.4×COP(負荷 100%)+0.6×COP(負荷 50%)
出所)FRAMEWORK of ENERGY EFFICIENCY LABELING PROGRAM PART2:TECHNICAL PROVISION for AC(Air Conditioner) (DRAFT) rev.3rd (Technical Meeting for EE Labeling Program in Indonesia)
(3) 政府機関、自治体の役割 ①MEMR
エネルギー鉱物資源省において、エネルギー法を実施するための組織として2010 年に新
エネルギー・省エネルギー総局が設置されている。その下部組織として、省エネルギー局 (Directorate of Energy Conservation)が位置づけられている。
エネルギー鉱物資源省で行われている政策メニューの概要を表3.1-6 に示す。 表3.1-6 エネルギー鉱物資源省における省エネルギー推進政策 No 政策メニュー 内 容 1 政策と規制作り 省エネルギー政令No70/2009 のフォローと規制作り(エネルギー鉱 物資源省令No6/2011、No13、14/2012、No01/2013) 産業部門、商業部門、家庭部門、運輸部門での省エネルギー政策作 り 2 インセンティブ とディスインセ ンティブ 省エネルギー部品の輸入関税に対するインセンティブ、具体的なイ ンセンティブ作り リボルビングファンドの活用による省エネルギー推進のための財政 支援スキームの評価 インセンティブ、ディスインセンティブの対象となる省エネルギー 機器の基準の評価 3 一般の意識形成 紙媒体、電子媒体、パンフレットを活用したセミナー、ワークショ ップ、一般広告の実施 国全体を対象とした省エネルギーの取組の表彰の実施