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視覚的触感に触覚情報が及ぼす影響

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Academic year: 2021

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DOI: http://dx.doi.org/10.14947/psychono.33.2

視覚的触感に触覚情報が及ぼす影響

1

山 本 健 太 郎

a, b

・崔   原  齊

c

・三 浦 佳 世

d

*

a 東京大学先端科学技術研究センター・b 日本学術振興会・

c 九州大学大学院人間環境学府・d 九州大学大学院人間環境学研究院

The effect of tactile information on tactile impression induced by visual textures

Kentaro Yamamoto

a, b

, Won-Je Choi

c

, and Kayo Miura

d

*

a Research Center for Advanced Science and Technology, University of Tokyo, b Japan Society for the Promotion of Science,

c Graduate School of Human-Environment Studies, Kyushu University, d Faculty of Human-Environment Studies, Kyushu University

This study examined whether tactile information influences tactile impressions induced by visual textures. We used 22 natural images of materials (22.4°×22.4° ; presentation duration of 100 ms) and asked participants to re-port the intensity of four types of tactile impressions described in onomatopoeias and an adjective (i.e., “zarazara” (coarsely), “tsurutsuru” (slipperily), “kasakasa” (dryly), and “komakai” (fine)) by making notations on each line-scale with check marks. We asked the participants to evaluate the visual textures during or after touching an index finger to a rotating cylinder (7.7 cm in diameter; approximately 10 rps) with regularly indented surfaces (visuo-tac-tile condition), and without touching the rotating cylinder (visual condition). The results revealed that, when the tactile stimulus was presented simultaneously with the visual textures, tactile impressions of them were evaluated higher in the visuo-tactile condition than in the visual condition. Particularly, three of the four tactile impressions (i.e., “zarazara”, “kasakasa”, and “komakai”) were strongly affected by the tactile stimulation. In contrast, when the tactile stimulus was presented prior to the visual textures for twenty seconds, the three impressions were evaluated lower in the visuo-tactile condition than in the visual condition, possibly resulting from a cross-modal aftereffect of adaptation to the tactile stimulus. Moreover, these effects were observed regardless of the similarity of tactile sions between the visual and tactile stimuli. These results indicate that tactile information influences tactile impres-sions induced by visual textures. This effect might occur at the level of sensory processing.

Keywords: tactile impression, visual texture, cross-modal aftereffect, onomatopoeia

は じ め に 我々は視覚や聴覚,触覚などの複数の感覚モダリティ を通して外界の認識を行っている。各感覚モダリティの 情報は脳の異なる部位で処理が行われており,それぞれ が独立した機構を持っていると考えられてきた。しかし 近年では,感覚モダリティ間での相互作用を示す研究が 増えてきており,各感覚情報が互いに影響を及ぼし合い ながら,我々の知覚世界を構築していることがわかって きている。例えば視覚フラッシュと同時にビープ音や タップ刺激を呈示すると,フラッシュの回数はビープ音 や タ ッ プ の回 数 に 影 響 さ れ て 増 減 し て 感 じ ら れ る (Shams, Kamitani, & Shimojo, 2000; Violontyev, Shimojo, &

Shams, 2005)。視覚刺激と同時に呈示される聴覚刺激の 音源の位置は,視覚刺激の方向に近づいて知覚される (Jack & Thurlow, 1973; Thomas, 1941)。また触覚的に刺激 を受ける位置も,視覚的妨害刺激に影響を受けて異なる 位置に知覚される(Pavani, Spence, & Driver, 2000)。この ように,視覚,聴覚,触覚など,様々な感覚モダリティ 間で相互作用や統合が行われている。

Copyright 2014. The Japanese Psychonomic Society. All rights reserved. * Corresponding author. Faculty of Human-Environment

Studies, Kyushu University, 6–19–1 Hakozaki, Higashi-ku, Fukuoka-shi 812–8581, Japan.

E-mail: miura@lit.kyushu-u.ac.jp

1 本研究を行うにあたり,実験装置の作成に協力して

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また我々はある感覚モダリティに関する印象を,それ とは異なる他の感覚モダリティを通して経験することが ある。例えば視覚情報からは視覚的な印象(光沢感,透 明感など)だけでなく,触覚的な印象(硬さ感,ざらざ ら感など)を感じることがある。このような視覚情報か らもたらされる触覚的印象(以下,視覚的触感)は,対 象に触れる前に我々にある程度信頼できる触覚情報を提 供し,対象に接触する際の力加減の調整や,対象のア フォーダンス(Gibson, 1979 古崎他訳 1985)の知覚に 役立っていると考えられる。しかしながら,このような 感覚モダリティを越えた印象に関する研究はまだ少な く,視覚的触感がどのようにして知覚されるのか,また 視覚的触感にどのような情報が影響を与えるのかといっ た問題は明らかとなっていない。本研究では,視覚的触 感の基礎となっていると考えられる触覚に着目し,視覚 的触感に触覚情報がどのような影響を与えるのかを明ら かにすることを目的とした。 テクスチャに関する視触覚間の相互作用については, 粗さの知覚を対象とした研究などがこれまでにいくつか 行われている(Ernst & Banks, 2002; Guest & Spence, 2003a, b; 家崎・杣田・木村・柴田・田村,2008; Jones & O’Neil, 1985; Lederman & Abbott, 1981; Lederman, Thorne, & Jones, 1986; 中原・北原・大田,2008)。例えばLederman & Ab-bott(1981)は,視覚と触覚に異なる粗さのサンドペー パーを呈示した場合にどのような粗さに知覚されるのか を検討し,それぞれを単独で呈示した場合に知覚される 粗さのほぼ中間の粗さとして知覚されることを示してい る。これはテクスチャの知覚が,視覚や触覚といった単 一のモダリティ情報だけを基にして決まるのではなく, 多感覚処理を介して決定されることを示唆する。しか し,これらの研究では主に粗さという単一の知覚属性を 対象としており,触感のような素材に関する総合的な触 覚的印象が,視触覚間でどのように相互作用するのかに ついてはあまり検討されておらず,特に視覚的に判断さ れる触印象のように,感覚モダリティを越えて経験され る印象に焦点を絞って検討を行った研究はほとんどな い。 そこで本研究では,視覚的触感に触覚情報が及ぼす影 響を検討した。具体的には,視覚画像の観察に際し触覚 刺激に接触することで触覚情報を付加する条件と,接触 せずに視覚画像を単独で観察する条件の間で,視覚画像 から喚起される触印象を比較した。印象評定には,素材 の感性的側面を評価するため,オノマトペや形容詞を尺 度として用いた。オノマトペは単純な構成でありなが ら,材質の質感や感性的印象を含む言葉であり(早川・ 松井・渡邊,2010),触印象の測定に適していると考え られる。 初めに予備実験として,視覚と触覚に共通するオノマ トペや形容詞を選定し,それらを評定項目として本実験 で使用した。実験1では,触覚刺激を視覚刺激と同時に 呈示し,課題非関連な触覚情報が視覚的触感に影響を及 ぼすのかどうかを検討した。もし先行研究と同様の相互 作用が視覚的触感についても生じるのであれば,触覚情 報を付加した場合,視覚的触感が触覚刺激の触印象に近 づくように変化することが予想される。 実験2では,実験1の結果が感覚処理レベルで生じて いるのか,それとも判断レベルで生じているのかを調べ るため,触覚順応による検討を行った。順応とは,刺激 に長時間さらされることで類似した刺激への反応が変化 する現象であり,順応後に呈示される刺激は,残効によ り順応前とは異なって知覚される(e.g., Hahn, 1966, 1968; Kahrimanovic, Bergmann Tiest, & Kappers, 2009)。順応は 神経レベルでの感度低下により生じるため,感覚処理の 関与を検討する上で有用な手段の一つである。近年で は,視聴覚間や視触覚間でモダリティを跨いだ残効現象 が複数報告されており(Kitagawa & Ichihara, 2002; Konkle, Wang, Hayward, & Moore, 2009; Matsumiya, 2013),多感覚 処理段階での順応が原因だと考えられている。そのた め,もし触覚刺激への順応により視覚的触感に影響が生 じれば,感覚処理レベルで相互作用が生じていることが 示唆される。また順応の場合,触覚刺激を視覚刺激に先 行して呈示するため,同時に呈示していた実験1に比べ て判断レベルで生じる反応バイアスの影響を受けにくい と考えられる。 また家崎ら(2008)は,様々な素材の視覚刺激を実物 体に重畳描画し,視覚と触覚に異なる情報が与えられた 際の表面の粗さの印象を測定したところ,触覚刺激の粗 さが非常に滑らかである場合には,視覚刺激の粗さの影 響を受けにくい傾向があったことを記している。この原 因として,視触覚間の刺激の特徴が著しく異なったため に刺激の明確な分離が生じ,相互作用が生起しづらく なった可能性が考えられる。そこで本研究では,刺激間 の類似性による影響を考慮し,視覚刺激として複数の自 然画像を用いて実験を行った。事前に視覚刺激と触覚刺 激から喚起される触印象を予備実験で測定し,触覚刺激 と触印象が類似した視覚刺激と,あまり類似していない 視覚刺激に分類した上で,それぞれへの影響を検討し た。

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予 備 実 験 1 本実験での視覚的触感の評定に用いる尺度の選定を行 うため,予備実験を行った。事前に自由記述によって得 られた形容詞,オノマトペを用いて,刺激を観察・接触 した際に感じられる印象の評定を行い,視覚と触覚に共 通する項目を選定した。本実験では視覚刺激として自然 画像を用いるが,自然刺激を触覚刺激として用いる場合 刺激の統制が難しく,接触する部位によっても印象が異 なり判断が困難なため,ここでは同一素材で粗さにバリ エーションがあり,知覚実験によく用いられるサンド ペーパーを使用した。 方 法 実験参加者 大学生10名(男性5名,女性5名)が実 験に参加した。参加者の平均年齢は27歳であった。

刺激 JIS (Japanese Industrial Standards)規格のサンド ペーパー5種類(#400, #240, #150, #100, #60)を刺激とし て用 い た。 サ ン ド ペ ー パ ー の 大 き さ は 各 230 mm× 139 mmであった。 手続き それぞれの刺激を1枚ずつランダムに呈示 し,下記に示した25種類の評定項目に対し,感じられ る印象をそれぞれ独立に 7段階で評定を行った。評定 は,刺激の手触りのみで判断する触覚条件と,見た目の みで判断する視覚条件の 2条件で行った。触覚条件で は,実験参加者が人さし指で10秒間自由に触った後に 評定を行った。また,視覚条件では,10秒間刺激を自 由に観察した後に評定を行った。 項目 事前に30名の参加者に自由記述を行い,そこ で得られた物体表面の質感に関する単語25項目(固い, 柔らかい,木目細かい,粗い,細かい,ざらざら,さら さら,すべすべ,滑らか,かさかさ,がさがさ,ごつご つ,ごわごわ,するする,つぶつぶ,ぶつぶつ,くす ぐったい,じゃりじゃり,しゃりしゃり,じょりじょ り,つるつる,ざりざり,ぞりぞり,さりさり,ばりば り)を評定項目として用いた。 結 果 触覚条件,視覚条件で得られた評定値について,それ ぞれ平方ユークリッド距離に基づき群平均法による階層 的クラスター分析を行った。得られた樹形図をFigure 1 に示す。図中の切断線により,評定項目は視覚条件で5 つのグループ,触覚条件で 4つのグループに分類され た。視覚条件と触覚条件の中で両方に共通しているグ ループから,“ざらざら”,“つるつる”,“かさかさ”,“細 かい”の4つの単語を選定し,以降の実験における評定 の際に用いた。 予 備 実 験 2 予備実験2では,本実験で用いる視覚刺激と触覚刺激 のそれぞれから単独で喚起される触印象について事前に 測定を行った。また得られた視覚刺激の評定値をもとに 刺激画像の分類を行い,本実験で使用する画像の選定を 行った。 方 法 実験参加者 大学生11名(うち3名は予備実験1と同 じ)が実験に参加した。参加者のうち3名は視覚刺激の

Figure 1. Dendrograms from cluster analyses for visual impressions(left)and tactile impressions(right). The words underlined with black lines were used in the following experiments.

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評定を行い(視覚条件),4名は触覚刺激の評定を行った (触覚条件)。残りの4名は両方の条件に参加した。触覚

条件の参加者は全員右利きであった。

装置 視覚刺激は46インチのLCDディスプレイに呈 示された。刺激の呈示にはノートパソコン(Macbook Pro) と,Psychophysics toolbox (Brainard, 1997; Pelli, 1997) を導入したMATLAB(The Mathworks)を用いた。 刺激 視覚刺激として,実験者が撮影もしくはイン ターネット上で入手した自然画像 36枚をAdobe Photo-shop CS5で加工し,実験に用いた。これらの画像は,被 写体の素材,色彩,空間周波数,意味性(人工物・自然 物)に関し,触感の評価が多様となるように選定した。 刺激の大きさは 22.4°×22.4°であった。触覚刺激には, 凹凸のついた回転円筒(直径77 mm, 幅43 mm, 回転速度 約10 rps)を用いた(Figure 2a, b)。円筒は周囲にリップ ルボードを貼り付けたプラスチック製のホイールで,表 面には直径3 mmの木製の棒が16 mm間隔で15個固定さ れ,凸部を形成した。円筒の回転によりこの凸部が人差 し指の腹部分に次々と接触し,触覚刺激が与えられるよ うにした。円筒を回転させるDCモータは,パソコンを 用いて視覚刺激とは独立して制御された。円筒が回転す る際のモータ音の影響を防ぐため,参加者は触覚条件で 耳栓とヘッドフォンを着用した。評定の際は,各評定尺 度の下に線分(長さ100 mm)が書かれたものを評定用 紙として用いた。 手続き 視覚条件では,ディスプレイ上に凝視点が 100ミリ秒間呈示された後,ランダムに選ばれた1枚の 視覚刺激が100ミリ秒間呈示された。触覚条件では,机 の下に配置された触覚刺激に右手の人差し指を当て,20 秒間接触を行った。触覚刺激は机の下に設置され,参加 者からは見えない状態であった。参加者は視覚刺激や触 覚刺激から感じられる“ざらざら”,“つるつる”,“かさ かさ”,“細かい”印象の程度をそれぞれ評定した。参加 者は感じた印象が低かった場合は評定用紙の線分の左側 の方に,印象が高かった場合は右側の方にチェックをす るように指示された。視覚条件では,参加者は36枚の 画像に対して一度ずつ評定を行い,触覚条件では接触し た刺激に対して一度だけ評定を行った。 結 果 評定用紙の左端からチェックされた位置までの距離を 評定値とし,各視覚刺激と触覚刺激について平均評定値 を求めた。その結果,触覚刺激の評定値は,“ざらざ ら”,“かさかさ”,“細かい”,の三つの印象の評定値が 高く,“つるつる”印象の評定値は他の印象に比べて非 常に低い値であった(Figure 3)。 視覚刺激については,得られた評定値をもとにクラス ター分析を行ったところ,“ざらざら”,“かさかさ”,“細 かい”,の三つの印象の評定値が“つるつる”印象の評 定値よりも高いクラスター 1と,“つるつる”印象の評 定値が他の三つの印象評定値よりも高いクラスター2の 二つに分類された(Figure 4)。クラスター1の視覚刺激 の評定値は,触覚刺激の評定値と類似した結果であっ Figure 2. The appearance of the tactile stimulus(a)and schematic representation of tactile stimulation(b).

Figure 3. Mean evaluation values of the tactile impres-sions from the tactile stimulus. Error bars indicate standard errors of the means.

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た。そこで本実験では,クラスター1の視覚刺激を類似 刺激,クラスター2の視覚刺激を非類似刺激として,結 果の比較を行うこととした。また,各クラスターに分類 された視覚刺激はそれぞれ23枚(類似刺激)と13枚(非 類似刺激)であり,刺激枚数に偏りが見られたため,各 クラスターから代表的な刺激をそれぞれ11枚ずつ選定 し,合計22枚をテスト刺激として本実験に用いた。 実 験 1 実験 1では,視覚刺激と同時に呈示される触覚刺激 が,視覚刺激から喚起される視覚的触感に影響を与える かどうかについて検討するため,視覚刺激のみを呈示す る条件(視覚のみ条件)と,視覚刺激呈示中に触覚刺激 を触る条件(視触覚条件)との間で視覚的触感の大きさ を比較した。 方 法 実験参加者 大学生6名(男性3名,女性3名)が新 たに実験に参加した。参加者は全員右利きで,平均年齢 は23.5歳であった。 装置 予備実験2と同様であった。観察距離は57 cm であった。 刺激 予備実験で選定した22枚の自然画像を実験に 用いた(Figure 4参照)。予備実験と同様に,触覚刺激の 円筒の回転音の影響を防ぐため,参加者は両条件で耳栓 とヘッドフォンを着用した。評定の際は,各評定尺度の 下に線分(長さ100 mm)が書かれたものを評定用紙と して用いた。 手続き 実験は暗室で行われた。各試行は参加者のス ペースキー押しにより開始された。キー押し後,ディス プレイ上に凝視点が100ミリ秒間出現し,その後に一枚 の視覚刺激が 100ミリ秒間呈示された。視触覚条件で は,参加者は机下の触覚刺激に右手の人指し指を当てな がら左手でスペースキーを押して実験を開始し,視覚刺 激消失後に触覚刺激から指を離すように教示された。触 覚刺激は常に回転している状態であった。触覚刺激の呈 示時間は,参加者の反応潜時を含めておおよそ1秒程度 であった。参加者の課題は,視覚刺激から感じられる “ざらざら”,“つるつる”,“かさかさ”,“細かい”の 4 つの印象の程度を,視覚刺激消失後に評定用紙の線分の 該当する位置にチェックをすることで評定を行うことで あった。触覚刺激についての教示は特に行わなかった。 視覚のみ条件の手続きは,触覚刺激が呈示されない以外 は視触覚条件と同様であった。 全ての参加者は,視覚のみ条件と視触覚条件の二つの 条件に参加した。二つの条件はそれぞれ別セッションで 行われ,参加者の半数は先に視覚のみ条件を行い,残り の半数は視触覚条件を先に行った。条件間では5分間の 休憩が取られた。各条件では22枚の視覚刺激がランダ ムな順に一度ずつ呈示され,二つの条件で合計44試行 が行われた。 結 果 各項目の評定値をFigure 5aに示す。触覚刺激による影 響を検討するため,2(類似・非類似)×2(視覚のみ・ 視触覚)×4(評定語)の三要因分散分析を行ったところ, 類似性の主効果(F(1, 5)=23.97, p<.01, ηp2=.83)および 触覚刺激の主効果(F(1, 5)=43.85, p<.01, ηp2=.90)が有 意で,視触覚条件の方が視覚のみ条件よりも有意に評定 値が高かった。また評定語の主効果が有意で(F(3, 15) =5.94, p<.01, ηp2=.54),Ryan法による多重比較の結果, “つるつる”の評定値が他の項目の評定値よりも有意に Figure 4. The visual images classified as cluster 1(similar stimuli)and cluster 2(dissimilar stimuli). The images within

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低かった(ps<.05)。さらに類似性と評定語の交互作用 が有意で(F(3, 15)=16.73, p<.001, ηp2=.77),単純主効 果の結果,類似・非類似刺激間の評定値の差が“ざらざ ら”(F(1, 20)=30.93, p<.001, ηp2=.86),“つ る つ る”(F (1, 20)=16.02, p<.001, ηp2=.76),“かさかさ”(F(1, 20)= 21.46, p<.001, ηp2=.81)においては有意で,“細かい”に おいては有意傾向であった(F(1, 20)=3.36, p=.08, ηp2 =.40)。また類似・非類似刺激それぞれにおいて評定語 の単純主効果が有意であった(類似: F(3, 30)=19.89, p<.001, ηp2=.82,非類似: F(3, 30)=3.43, p<.05, ηp2=.41)。 その他の交互作用はすべて有意でなかった。 次に,視覚刺激の種類により触覚刺激の影響の大きさ に違いが見られるかを調べるため,類似・非類似刺激ご とに触覚刺激による影響の大きさ(視触覚条件と視覚の み条件の評定値の差分)を算出した(Figure 5b)。それ ぞれの条件で95%信頼区間を求めたところ,類似・非 類似刺激の“つるつる”印象と類似刺激の“細かい”印 象以外のすべての条件で,0よりも有意に大きな効果が 示された。2(類似・非類似)×4(評定語)の二要因分 散分析を行ったところ,類似性の主効果および評定語 の主 効 果 は 有 意 で な く(F(1, 5)=0.01, p>.93, ηp2<.01; F(3, 15)=1.37, p>.28, ηp2<.22), 交 互 作 用 も 有 意 で な かった(F(3, 15)=0.18, p>.91, ηp2<.04)。 考 察 実験1では,触覚情報が視覚的触感に及ぼす影響を, 視覚刺激と触覚刺激を同時に呈示することで検討を行っ た。その結果,視覚刺激観察中に触覚刺激に触れた場合 は,触覚刺激に触れなかった場合に比べて評定値が有意 に高くなった。この結果は,視覚情報から喚起される触 印象に,視覚刺激と同時に呈示される触覚情報が影響を 及ぼすことを示している。 触覚刺激の印象との類似性によって視覚刺激を分類 し,触覚刺激による影響の大きさを算出したところ,類 似・非類似刺激の両方で“ざらざら”,“かさかさ”,“細 かい”印象に大きな正方向への影響が見られた。これは 触覚刺激の呈示によって,“ざらざら”,“かさかさ”,“細 かい”印象がより高く感じられたことを意味する。しか し,“つるつる”印象への影響は他の印象への影響に比 べて非常に小さく,0との差も有意ではなかった。この ような影響の生じる印象の違いについては,触覚刺激の 特徴が関与している可能性が考えられる。先行研究で は,視触覚に異なる情報が与えられた場合,知覚される 情報が,評価対象ではないモダリティからの感覚情報に 近づくように変化することが示されている(e.g., Ernst & Banks, 2002; 家崎ら,2008; Lederman & Abott, 1981)。本 実験で用いた触覚刺激は,予備実験 2で示されたよう に,“つるつる”という触印象はほとんど感じられなかっ た。そのため,触覚刺激に含まれない“つるつる”印象 についてはほとんど影響がなかったと考えられる。一方 で,“ざらざら”,“かさかさ”,“細かい”という触印象 については非常に強く感じられる刺激であったため (Figure 3),本実験の結果は,触覚刺激への接触によっ て視覚的触感が触覚刺激の印象に近づくように変化した と解釈できる。この影響の仕方は先行研究と一貫してお り,粗さなどのテクスチャ知覚の際と同様の多感覚処理 Figure 5. The results of Experiment 1.(a)Mean

eval-uation values of the tactile impressions from visual im-ages classified as similar and dissimilar stimuli in the visual and visuo-tactile conditions. Error bars indicate standard errors of the means.(b)Magnitude of the effect of tactile stimulation for visual images classified as similar and dissimilar stimuli. Error bars indicate 95% confidence intervals.

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が,視覚的触感の評価の際にも生じている可能性を示唆 する。 また,視触覚刺激間の類似性によって触覚刺激からの 影響の受け方が異なるかを調べるため,類似・非類似刺 激間で影響の量を比較したところ,有意な違いは見られ なかった。この結果は,視触覚間の刺激の特徴が著しく 異なる場合に,相互作用が生じにくくなるという予想に 反するものである。しかし,本実験で用いた視覚刺激は 自然画像であり,クラスター分析によって二つのグルー プに分類されたものの,どちらも触覚刺激と極端に特徴 の異なるものではなかった(Figures 4, 5参照)。そのた め非類似刺激においても,触覚刺激と明確に分離される ほどの違いが存在せず,相互作用の生じ方に違いが見ら れなかった可能性が考えられる。また家崎ら(2008)の 実験では,触覚刺激の粗さが非常に滑らかであった場 合,同時に呈示される視覚刺激の粗さがどの程度であっ ても,触覚刺激の印象にはほとんど違いが感じられない という内省報告が得られたが,本実験では視覚的触感を 評価の対象としており,刺激の呈示手法などにも違いが 見られるため,単純な比較は難しい。刺激間の類似性が 視触覚間の相互作用に影響を与えるのかどうかについて は,刺激を統制してさらに検討を進めていく必要がある だろう。 実 験 2 実験1では,視覚刺激と同時に呈示される触覚刺激が 視覚的触感に影響を及ぼすことが示された。しかし,実 験1では視触覚刺激を同時に呈示していたため,視覚刺 激からの触印象と触覚刺激からの触印象が独立に同時に 生じ,反応バイアスによって視覚的触感が変化した可能 性も考えられる。そこで実験2では,触覚刺激の影響が 感覚処理レベルでの変化を反映したものなのか,それと も判断レベルで生じているのかを検討するため,触覚順 応を用いて検討を行った。残効による知覚の変化の方向 は一般的に負の方向であるため,もし順応の影響が視覚 的触感に生じた場合,実験1とは逆に視覚的触感の評定 値が下がることが予想される。 方 法 実験参加者 大学生8名(男性5名,女性3名)が新 たに実験に参加した。参加者は全員右利きで,平均年齢 は27.1歳であった。 装置・刺激・手続き 実験2における装置・刺激・手 続きは,以下の点を除いて実験1と同様であった。視触 覚条件では,参加者は各試行の開始前に触覚刺激に毎回 20秒間2触れ,触覚刺激の動きが停止した後すぐにキー 押しにより試行を開始した。視覚のみ条件では,触覚刺 激に触れずに試行が開始された。キー押し後,ディスプ レイ上に凝視点が100ミリ秒間出現し,その後に一枚の 視覚刺激が100ミリ秒間呈示された。参加者の課題は, 視覚刺激から感じられる“ざらざら”,“つるつる”,“か さかさ”,“細かい”印象の程度を視覚刺激が呈示された 後に評定することであった。触覚刺激についての教示は 特に行わなかった。すべての参加者は視覚のみ条件と視 触覚条件の二つの条件に参加した。二つの条件はそれぞ れ別セッションで行われ,参加者の半数は先に視覚のみ 条件を行い,残りの半数は視触覚条件を先に行った。各 条件では22枚の視覚刺激がランダムな順に一度ずつ呈 示され,二つの条件で合計44試行が行われた。 結 果 各項目の評定値をFigure 6aに示す。触覚刺激による影 響を検討するため,2(類似・非類似)×2(視覚のみ・ 視触覚)×4(評定語)の三要因分散分析を行ったところ, 類似性の主効果(F(1, 7)=28.48, p<.01, ηp2=.80)および 触覚刺激の主効果(F(1, 7)=19.72, p<.01, ηp2=.74)が有 意で,視触覚条件の方が視覚のみ条件よりも有意に評定 値が低かった。また評定語の主効果も有意で(F(3, 21) =11.39, p<.001, ηp2=.62),Ryan 法による多重比較の結 果,“つるつる”の評定値が他の項目の評定値よりも有 意に低かった(ps<.05)。さらに,類似性と評定語の交 互作用(F(3, 21)=58.88, p<.001, ηp2=.89),触覚刺激と 評定語の交互作用(F(3, 21)=3.69, p<.05, ηp2=.35)が共 に有意であった。 類似性と評定語の交互作用について単純主効果の検定 を行ったところ,すべての評定語において類似群と非類 似群の間に有意な差が見られた(Fs>13.0, ps<.01, ηp2s >.65)。また類似・非類似刺激それぞれにおいて評定語 の単純主効果が有意であった(類似: F(3, 42)=48.71, p <.001, ηp2=.87,非類似: F(3, 42)=4.79, p<.01, ηp2=.41)。 触覚刺激と評定語の交互作用についても同様に検定を 行 っ た と こ ろ,“ざ ら ざ ら”(F(1, 28)=7.22, p<.05, ηp2 =.51),“か さ か さ”(F(1, 28)=16.87, p<.001, ηp2=.71), “細かい”(F(1, 28)=21.28, p<.001, ηp2=.75)における単 純主効果が有意で,視触覚条件の方が視覚のみ条件より 2 触覚刺激の先行呈示により順応を行う場合,残効に よる影響が後続の触覚情報に生じる時間的範囲は, 順応時間の1/3から1/2程度であることから(Hahn, 1966, 1968),本実験では評定までに要する時間を考 慮し,触覚刺激の呈示時間を20秒に設定した。

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も有意に評定値が低かった。一方で,“つるつる”の評 定値には有意な効果は見られなかった(F(1, 28)=1.24, p>.27, ηp2<.15)。また視覚のみ・視触覚の両条件で,評 定語の単純主効果が有意であった(視覚のみ: F(3, 42) =7.56, p<.001, ηp2=.52, 視触覚: F(3, 42)=13.50, p<.001, ηp2=.66)。 また視覚刺激の種類により影響に違いが見られるかを 調べるため,予備実験2で分類された類似・非類似刺激 ごとに触覚刺激による影響の大きさ(視触覚条件と視覚 のみ条件の評定値の差分)を算出した(Figure 6b)。そ れぞれの条件で 95%信頼区間を求めたところ,類似・ 非類似刺激の“つるつる”印象と,非類似刺激の“ざら ざら”,“細かい”印象以外のすべての条件で,0との差 が有意であった。2(類似・非類似)×4(評定語)の二 要因分散分析を行ったところ,評定語の主効果が有意で あったが(F(3, 21)=3.69, p<.05, ηp2=.34),類似性の主 効 果 及 び 交 互 作 用 は 有 意 で な か っ た(F(1, 7)<0.01, p>.98, ηp2<.01; F(3, 21)=0.25, p>.86, ηp2<.03)。 考 察 実験2では,視覚的触感に及ぼす触覚刺激の影響がど のような段階で生じているのかを調べるため,触覚順応 を用いて検討を行った。視覚刺激呈示前に20秒間触覚 刺激に接触させ,順応を行ったところ,触覚刺激に接触 しない場合に比べて,“ざらざら”,“かさかさ”,“細か い”印象が有意に低くなった。一方で“つるつる”印象 には,条件間で有意な差は見られなかった。また,触覚 刺激の印象との類似性によって視覚刺激を分類し,触覚 刺激による影響の大きさを算出したところ,類似・非類 似刺激の両方で“ざらざら”,“かさかさ”,“細かい”印 象に大きな負の影響が見られたが,“つるつる”印象へ の影響は他の印象への影響に比べて小さく,0との差も 有意ではなかった。“つるつる”印象でのみ触覚刺激に よる影響がほとんど生じないという点については,実験 1と同様の結果であった。これは実験1で考察したよう に,触覚刺激に“つるつる”印象がほとんど含まれてい なかったためであると考えられる。しかし“ざらざら”, “かさかさ”,“細かい”印象については,実験 1とは反 対に,触覚刺激の呈示によって印象が低下する方向に影 響が生じた。この変化は反応バイアスで想定される影響 とは逆方向であり,順応による影響であると考えられ る。そのため触覚刺激呈示による視覚的触感への影響 は,判断レベルではなく感覚処理レベルで生じているこ とが示唆される。 実験2の視覚のみ条件では,実験1の視覚のみ条件と 全く同じ手続きで行われたにもかかわらず,平均評定値 が実験1よりも全体的に高い値となった(Figures 5a, 6a を参照)。この評定値の違いについては,実験1と実験2 で参加者が異なることが大きく影響していると考えられ る。また両実験において,条件を行う順番を参加者間で カウンターバランスしており,視覚のみ条件にも先に視 触覚条件を行った参加者の値が含まれているため,順序 効果による影響を受けた可能性もある。しかし,平均評 定値の異なる類似・非類似刺激間では影響の仕方に違い が見られなかったことから,実験間での平均評定値の違 いが,影響の方向の違いを生み出したとは考えづらいだ Figure 6. The results of Experiment 2.(a)Mean

eval-uation values of the tactile impressions from visual im-ages classified as similar and dissimilar stimuli in the visual and visuo-tactile conditions. Error bars indicate standard errors of the means.(b)Magnitude of the effect of tactile adaptation for visual images classified as similar and dissimilar stimuli. Error bars indicate 95% confidence intervals.

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ろう。 総 合 考 察 本研究では,画像から喚起される視覚的触感に触覚情 報が及ぼす影響を検討した。視覚刺激と同時に触覚刺激 を呈示したところ,触覚刺激を呈示しない条件に比べ, 視覚的触感の程度は触覚刺激の触印象に近づくように高 くなった(実験 1)。一方で触覚刺激に順応した後で視 覚刺激を呈示した場合,視覚的触感の程度は触覚刺激を 呈示しない条件に比べ,触覚刺激の触印象から離れるよ うに低くなった(実験 2)。またこれらの効果は,視覚 刺激の触印象が触覚刺激と類似している場合だけでな く,類似していない場合にも同様に生じた。本研究の結 果は,触覚情報が視覚的触感の判断に影響を及ぼすこと を示し,さらにその影響が評定レベルではなく,感覚処 理レベルで生じていることを示唆する。 触覚刺激を視覚刺激と同時呈示した場合に,視覚的触 感の程度が触覚刺激の触印象に近づくという結果は,テ クスチャ知覚における視触覚間での相互作用についての 先 行 研 究(e.g., Ernst & Banks, 2002; Lederman & Abbott, 1981)と類似した結果である。これはテクスチャ知覚と 同様に,触印象が視覚と触覚という異なる複数の感覚モ ダリティからの情報を総合して経験されていることを示 唆している。また本研究では,触覚刺激を視覚刺激に先 行して呈示して順応を行った場合,視覚的触感の程度が 触覚刺激の触印象から遠ざかるように変化するという結 果を示した。この結果は,これまでに先行研究で見られ ていた影響の仕方とは反対方向の影響であり,順応によ る残効が視触覚間での相互作用に影響を及ぼすという新 たな可能性を示している。このようなモダリティを跨い だ残効は,多感覚処理段階での順応が原因だと考えられ ており(Kitagawa & Ichihara, 2002),本研究の結果は,視 覚的触感が多感覚処理を介して決定されることを示唆す る。 本研究における限界としては,課題の精度の問題が挙 げられる。本研究では,視覚的触感という印象を取り 扱っているため,印象評定課題による検討を行ってきた が,順応による知覚感度の変調が印象評定にどこまで反 映されるのかという点は明らかでない。例えば実験2に おける結果の説明として,触覚刺激が視覚刺激とは別個 に先行して呈示されたことで触印象の評価の基準が変化 し,それによって視覚刺激の視覚的触感の評価が変化し た可能性も考えられなくはない。順応の影響を取り扱う 際には,より厳密な統制のもとで知覚実験を行い,選択 的順応の影響を調べるなどの方法を用いて処理段階の検 討を行うことが望ましく,本実験の結果が実際に感覚処 理の段階で生じていたかどうかについては,今後の更な る検討が必要とされる。一方で本研究の結果は,感覚間 の相互作用の検討において順応を用いることの意義や有 用性を示唆するものであり,今後の研究では同時呈示に よる影響だけでなく,順応による影響を合わせて検討す ることで,メカニズムの解明により近づくことができる だろう。 引用文献

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Figure 1. Dendrograms from cluster analyses for visual impressions(left)and tactile impressions(right)
Figure 3. Mean evaluation values of the tactile impres- impres-sions from the tactile stimulus

参照

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