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IV immunoglobulin for acute lung injury and bacteremia in pseudomonas Aeruginosa pneumonia.

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Academic year: 2021

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論 文 内 容 の 要 旨

論文提出者氏名 加藤 秀哉 論 文 題 目

IntravenousImmunoglobulin for Acute Lung Injury and Bacteremia in Pseudomonas Aeruginosa Pneumonia

論文内容の要旨

緑膿菌性肺炎は、免疫不全患者や人工呼吸管理中の患者に発生し、急性肺傷害 や続発性敗血症を引き起こす。また、人工呼吸管理中の患者における肺炎の合併

は、ventilator-associated pneumonia (VAP)と呼ばれ高い死亡率を認めるが、VAP

の起炎菌が緑膿菌である場合には死亡率がさらに上昇する。 一方、緑膿菌を含めて多くのグラム陰性桿菌は、相同性の高いⅢ型分泌システ ムと呼ばれる毒素分泌を介してその病原性を発揮することが近年解明されてきた。 このⅢ型分泌システムでは、病原性グラム陰性桿菌は特殊な分泌装置を通して標 的真核細胞の細胞質内に毒素を直接注入することで病原性を発揮する。緑膿菌で は、これまでに4 つのⅢ型分泌毒素、ExoS、ExoT、ExoU、ExoY が発見されて いる。特に ExoU はホスホリパーゼ A2活性を持ち、肺上皮細胞や肺胞マクロフ ァージに注入されることで、細胞の壊死を誘導し、急性肺傷害を引き起こす。さ らに緑膿菌Ⅲ型分泌システムをブロックできる標的として V 抗原 (PcrV)と呼ば れるタンパク質が発見され、ヒト化された抗PcrV 抗体が開発され、現在欧米で 臨床試験が行われてきた。 本研究では、市販のガンマグロブリン製剤がこれらのⅢ型分泌システムに起因 する病原毒性にどの程度対抗できうるかについて、マウス緑膿菌性急性肺傷害モ デルを用いて検討した。致死量(1.5×106 CFU/mouse)の緑膿菌 PA103 株をマウ ス(ICR、雄)の肺内に経気管的に投与し緑膿菌性肺炎モデルを作製した。ガンマ グロブリン製剤 (献血ヴェノグロブリン IH5%静注○R、最大量2.5 mg/mouse、日 本血液機構)を、1) 緑膿菌と混ぜた上で経気管的(premixed)、2) 緑膿菌投与 1 時 間前に静脈内(予防的)、3) 緑膿菌投与 1 時間後に静脈内(治療的)と、計 3 通りの 方法で投与し、その効果についてアルブミンを投与されたコントロール群との比 較検討を行った。 緑膿菌投与から24 時間に渡って生存率・体温経過をモニタリングした。また、 血中の細菌数・サイトカイン (インターロイキン-1β、インターロイキン-6、

Tumor necrosis factor-α)濃度・白血球数と肺内の細菌数を測定し、肺浮腫の程 度を評価し対照群 (アルブミン投与群)との比較検討を行った。ガンマグロブリン 製剤投与群では、上記3 通りいずれの方法においても 24 時間後の生存率の有意 な改善を認めた。また、肺浮腫の悪化、肺内細菌数、血中細菌数の有意な減少を 認めた。 次に、京都府立医科大学附属病院で分離された耐性緑膿菌 2 株 (PAR001、 PAR004 株) (ともにカルバペネム、アミノグリコシド、フルオロキノロンの 3 剤 耐性)についてもガンマグロブリン製剤投与の効果について検討を行った。ガンマ グロブリン製剤を静脈内投与した1 時間後に、致死量 (1×107 CFU/mouse)の臨 床株を経気管的に投与して、生存率・体温経過を含む各評価項目について、アル ブミンを投与されたコントロール群との比較検討を行った。その結果、臨床2 株 に対してもガンマグロブリン製剤投与は生存率・体温経過の改善を認め、肺浮腫 の改善、肺内・血中細菌数の減少を認めた。 最後に、特異抗体分画を除去したガンマグロブリン製剤の効果を検討した。遺 伝子組み換え緑膿菌 PcrV タンパクを精製して、アフィニティカラムを作成し、 ガンマグロブリン製剤中の抗 PcrV 抗体を吸着させ、製剤中に含まれる抗 PcrV 抗体分画を除去した。ELISA 法を用いて抗体価を測定して特異抗体の除去を確認 した。この製剤を致死量のPA103 株とともに気管内投与し効果を検証したが、緑 膿菌性急性肺傷害に対する保護効果は残存していた。次に、ホルマリンを用いて 緑膿菌 PA103 株の表面抗原に結合するガンマグロブリン製剤中の抗体分画を除 去した。この製剤に関しても緑膿菌性急性肺傷害に対する保護効果は残存してい た。最後に、ガンマグロブリン製剤中の上記2 抗体分画を除去した製剤を用いて 効果を検証した。その結果、2 抗体分画を除去した製剤では通常のガンマグロブ リン製剤と比較して有意に生存率の低下を認め、肺浮腫悪化や肺内細菌数増加を 認めた。 本研究では、ガンマグロブリン製剤の気管内、予防投与、そして治療投与は 緑膿菌性急性肺傷害を有意に改善させた。その効果は、多剤耐性の臨床分離株に おいても確認された。メカニズムとして、緑膿菌のⅢ型分泌毒性に対する改善の メカニズムとして、ガンマグロブリン製剤中に含有される緑膿菌V 抗原に対する 抗体分画と緑膿菌の表面抗原に対する抗体分画の両者が協調的に作用して緑膿菌 のⅢ型分泌毒性に対抗していることが示唆された。 ガンマグロブリン製剤は、これまで重症感染症や敗血症に対しての補助的治療 としての位置付けがなされてきた。一方、近年、重症化した緑膿菌性肺炎では、 多剤耐性でかつ緑膿菌のⅢ型分泌毒性の高い菌株の分離が増加してきている。 抗菌薬だけに頼らない緑膿菌性肺炎に対する予防・治療方法のひとつとしてガン マグロブリン製剤の投与が有用であることが示唆された。

参照

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