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修飾したキシリレン架橋糖を用いたグルコシル化反応

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Academic year: 2021

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修飾したキシリレン架橋糖を用いたグルコシル化反

著者

安藝 嘉寿也

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2010 年度 修士論文要旨

修飾したキシリレン架橋糖を用いたグルコシル化反応

関西学院大学大学院理工学研究科 化学専攻 山田研究室 安藝 嘉寿也 当研究室では糖立体配座をアキシアル・リッチに束縛したキシリレン架橋フッ化グリコシド (1)を用いた高β選択的グルコシル化反応を開発している(図 1)1)。反応剤として SnCl2, AgB(C6F5)4を用いた場合,αβ間の平衡のため,2 位の O-ベンジル基との立体反発が少ないβ体 へと平衡が偏り,非常に高いβ選択性が発現する。また,異性化の前はα体が優先している事も 確認している。つまり,アルコールの接近は,反応速度論的にはα側からの方が有利であるこ とを示している。α側での反応が有利である理由として,架橋基の立体障害が考えられる。私 は,架橋基を変化させた場合の反応の挙動を調査することを目的に,ナフタレン(ビスメチレ ン)架橋基を持つフッ化グリコシド(2)合成の合理化と修飾可能な架橋糖 3 の合成を行った。 図1 1 を用いた高β選択的グルコシル化反応 ナフタレン(ビスメチレン)架橋基を持つ2 は,当研究室で昨年までに合成されているが2), その経路は長く,1段階ごとに丁寧な精製が必要であるため大量合成に向かない。私は新たな 合成経路を開拓し,2 の合成を合理化した(図2)。まず,糖の立体配座を予め束縛したジオー4 にナフタレン(ビスメチレン)架橋基を直接導入することで架橋糖 5 を得た。次に,1,2,4-オルトアセチル基を開裂しながらアリルグルコシド6 に変換する新しい方法を開発した。1,2,4-オルトアセチル基を開裂しながらグルコシドとするこの変換は難しく,熱グリコシル化反応を 応用し,当研究室で開発したp-メトキシフェノールを用いる方法が唯一の方法であったが,反 応条件の異なる第二の合成法を示すことができた。続いて,化合物6 は 3 段階を経て 2 に変換 した。また,2位4位ベンジル基を残したまま,ナフタレン(ビスメチレン)基だけを除去す る反応条件を見出した(図3)。これにより,分岐糖合成などが可能になる。 HO O O O BnO OBn O O O O BnO OBn F SnCl2, AgB(C6F5)4 96%, !/" = 1/>99 1 O O O BnO OBn F 2 O O O BnO OBn F 3 RO OR

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図2 ナフタレン(ビスメチレン)架橋フッ化グリコシド(2)の効率的合成法 図3 ナフタレン(ビスメチレン)架橋基の選択的除去 架橋基を変化させた場合の反応を調査するには,キシリレンやナフタレン(ビスメチレン) 以外の架橋基を持つ糖を1つ1つ合成することは非効率である。そこで,合成の終盤に架橋基 を修飾して多様性を出すことを考え,9 の合成を行った(図4)。架橋糖 7 の 1,2,4-オルトアセ チル基を開裂しながらアノマー位にアリルアルコールを導入し,残ったアセチル基を除去した 後,ベンジル化してジベンジル体8 を得た。次にフェノール性水酸基上のアリル基のみを選択 的に脱保護し,9 を合成した。現在は、誘導体 11 の合成を行い,それを用いたグルコシル化反 応を検討している。 図4 修飾可能なキシリレン架橋糖の合成 1)岡田康則 関西学院大学大学院 博士論文 2008 年 2)坂東真郁 関西学院大学大学院 修士論文 2009 年 O HO O O O HO O O O O O O O O O HO OH OAllyl O O O BnO OBn F 4 5 6 2 1) AllylOH 4A MS, DCM 2) K2CO3 MeOH/CHCl3 = 2/1 O O O OBn BnO OAllyl 1) Pd(OH)2/C rt, 1.5 h 2) pyridine, Ac2O DMAP, rt, 1 h 66% O BnO AcO OAc BnO OPr 6 O O O BnO OBn OAllyl HO OH O O O BnO OBn OAllyl RO OR O O O O O O OAllyl AllylO 9 10; R = Et 11; R = Bn 12; R = Nap O O O BnO OBn F RO OR 3 7 O O O BnO OBn OAllyl AllylO OAllyl 8

参照

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