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兵庫県南部地震後の神戸・芦屋市街地における亀裂調査について

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(1)61. 兵庫県南部地震後の神戸・芦屋市街地における 亀裂調査について 竹村厚司' (平成8年9月20日受理) fiwv:に. 1995年1月17日の兵庫県南部地震は1阪神・淡路地 域に未曾有の大被害をもたらした.この地震によって, 人口の密集する神戸・芦屋市街地では建築物に多大の被 害が生じたが,同時に地表の舗装上には無数の亀裂が生 じた.これらの亀裂の成因としては,斜面崩壊,液状化 構造物の振動など,数多くの原因が考えられる.しかし 同時に,神戸市街地に構造的な変位が現われた場合には, 当然舗装上にもなんらかの変状が現われることも予想さ れる.そのため,神戸・芦屋市街地での構造的変位を考 察するためには,市街地全体での亀裂分布を明らかにし た上で,このような地盤流動や振動の影響を乗り除くこ とができるかどうかが,第一に問題となる. 筆者は,このような問題を議論するためには, 1.被. ■■●lコ2. 災地の全域,もしくはほぼ全域を,亀裂の分布を決定で きる精度の間隔のルートで調査する,及び, 2.ある限 られた地域内で,すべての舗装の亀裂を一定の基準で調 査する,の2つの方法が有効であると考えた.その際, 各ルートや地域の調査においては,亀裂の成因が仮に判 別できたとしても,それらをすべて一定の基準で記録す. 図1 ・舗装の亀裂の分欄査地域'‥歪碧莞鷲竺Ej欝力て多数 (松田・竹村,1995竹村, 1997より) 2:その他の市・町. この時点で筆者は,神戸市西部においては内陸部に圧 縮を示す亀裂が卓越すること,及び亀裂の分布には偏り が見られることに気付いた.その後,亀裂分布を考える. ることが重要である.このような観点から亀裂の調査を. うえではこの調査のみでは不十分なため, 3月及び4月. 行なったが,現在までに他にこのような調査が行なわれ. に約10日間,亀裂のみに絞った調査を須磨から芦屋市 にわたって行なった.最後に5月初めに,長田区新長田. た報告はない. 竹村(1997)紘,これらの亀裂の神戸・芦屋市街地で. 付近,及び東灘区摂津本山付近の全亀裂を調査した(竹. の分布について,それらの分布密度を元に報告し,亀裂. 村, 1997のFigs. 6, 8).被害を受けた家屋や建築物は 2月から順次撤去され初め, 3月末までには多くの瓦礫. が数多く存在する亀裂帯の成因や,地下の断層変位によ る構造的な地表の変位の可能性について考察した.本論. が片付けられてしまったものの,舗装の亀裂に関しては. 文では,分布密度図を作成した元のルートマップを提出. ほとんどの地域において, 5月ごろまで放置されたまま. し,地震後の調査の生データを公表する.. で調査可能であった.実際, 1月末の地震直後の調査の. 亀裂調査について 本調査を行なったのは,神戸市須磨区JR須磨駅付近. 際に記録した亀裂は,一部の地域を除き, 4'月にお いてもそのほとんどが確認できた. 木造家屋の倒壊方向の調査の際には,神戸市街地を横. から長田区,兵庫区,中央区,灘区,東灘区及び芦屋市. 断する約1 km程度の間隔のルートを選んで調査を行なっ. にいたる神戸市・芦屋市の建築物密集地である(図1,. た.亀裂の調査ではこれらのル-トにさらに加えて,間. 2).地震直後の1月21日より,筆者は姫路工業大学の. 隔が500m以下になるように調査ルートを設定した(図. 松田高明教授と共に,木造家屋の倒壊方向の調査を行なっ. 2).竹村(1997)にも述べたように,調査にあたって. た(松田・竹村, 1995).その際,今回の地震による被 災地をはぼ東西に分けて分担し,筆者は王子公園以西の. は,約1m程度以上の長さと顕著な方向性を持っ,地 震によって生じたことが明らかな亀裂のすべてを,種類. 淡路島から須磨区,長田区,兵庫区,中央区,及び宝塚. 別(圧縮,伸長,横ずれ,変位不明)に記録した.地震. 市の一部を, 1月下旬から2月初めにかけて約10B問. 以前に生じたアスファルトOj割れ目などの亀裂は,一般. 調査した(竹村・松田, 1995).調査に当たっては木造. に規模が小さく変位もない上,顕著な方向性を示さない. 家屋の倒壊と共に,神戸市街地では路上に見られた亀裂 についてもルート沿いで記録した(図2).. ため,地震による顕著な亀裂とは容易に区別できた.ま. *兵庫教育大学第3部(自然系教育講座). た調査当初より,市街地には圧縮を示す亀裂が圧倒的.

(2) 62. llrl.f'fl蝣-. 芦屋市…軸欄. ':-. .'(ii-JLしこ、 ゝV'蝣蝣蝣占J1-'*f蝣- --卜 ・ri:臼. 阪神高速道路)iび[il迫2接線 ○鉄道駅. 玩imiHii. 神戸市. 六甲フフイランド. ¥r工芸ポートアイランド大阪湾. 区 磨 須 級. 図2.神戸・芦屋市街地の調査ル-ト 1-13. JR鉄道駅. 1:須磨, 2:鷹取, 3:新長田, 4:兵庫, 5:神戸. 6:元町7:三宮, 8:瓢 9:六甲道. 10:住吉, ll:摂津本山, 12:芦屋, 13:新神戸. に多く見られたため,調査に際しては,それらの周囲に. 調査ルートのうち,図3に示す海側から浜側へ市街地. 伸長を示す開口クラックなどがないかどうかに留意した. 観察した亀裂の種類については,竹村(1997)に写真. を横断する50以上の線上で, 100mごとの亀裂数をルー トマップからカウントして,亀裂の頻度分布図を作成し. を示して記載した.簡単に種類を述べると,圧縮を示す. た.この頻度分布図を図4に示す.この図はすでに竹村. ものでは,歩道の縁石の倒壊,アスファルトなどの舗装 や敷石の突き上げ,側溝の圧縮などが多数観察された.. (1995),波田・宮田(1995),竹村(1997)に掲載され ているが,これからさらに市街地での亀裂の分布を考察. また,伸長を示すものでは,舗装上や舗装の継ぎ目,ビ. した.竹村(1997)は,この亀裂の分布と各地域に分布. ルの基礎の周囲の開口クラックなどが見られた.. する亀裂の種類から,内陸の亀裂苗に構造的な変位.

(3) 兵庫県南部地震後の神戸・芦屋市街地における亀裂調奈について. が現われた可能性を指摘した.本論文では,これらの考 察の元のデ-夕である調査のルートマップを提示する.. し本調査においても,全体の傾向は知ることができた. 即ち,調査地域の全域において,圧縮を示す亀裂はお よそ3-4cmから10cm程度の圧縮量を示す場合がほ. 調査結果. とんどである.これ以下の圧縮量では,亀裂はできにく. 調査の結果得られたルートマップを図5-10に示す.. いのかも知れない.圧縮量が最も大きかったのは,新長. 竹村(1997)による西部地域は図5と図6に,中部地域. 田駅北東で見られた, ∫ R山陽本線高架の北側の歩道の. は図7に,東部地域は図-10にあたる.これらのルー. 縁石の倒壊で(図5, 6;竹札1997のFig. 3d, Fig. 6), 20cm以上に達する.. トマップには,各ルートの位置を明確にするため,ルー ト近くの学校や目標物をできるかぎり記入した. 本調査では,図2のルート沿いで観察したすべての顕 著な亀裂を記録した.図5-10のルートマップにも,. 伸長の亀裂は,変位量の大きいものは多くが海岸沿い のゾーンに見られる.とくに海岸に近い地域では,恐ら く護岸の崩壊による多数の開口クラックが発達している.. 海岸沿いの一部の地域を除き,記録したすべての亀裂を. また山側の丘陵地の舗装上にも開口クラックはしばしば. 記した.生田川,住吾川,芦屋川の河口付近の海岸沿い. 観察されたが,変位量は1-数cm程度の小さなものが. では,恐らくは護岸の崩壊による顕著な伸長の亀裂が多. 多かった.内陸の亀裂帯では,圧縮に比べ伸長の亀裂は. 数生じ,これらの地域のみはすべての亀裂を記入できな かった.それらは,図8の生田川河口の東,図9の住吉. 少なく,さらにそれらの変位量も1-3cm程度の小さ なものが多い.. 川河口東,及び図10の芦屋川河口西で,密度が高すぎ. 次に各地域ごとの亀裂分布の特徴について,このルー. て示せなかった亀裂は,すべて伸長による亀裂である.. トマップの結果を地域ごとに簡単に述べる.. その他のすべての地域では,記録した全亀裂を図に示 している.したがって,図5-10で調査ルート上に亀. 西部地域(須磨∼湊川神社付近,図5, 6). 裂を記していない場所は,顕著な亀裂が存在していなかっ. 西部地域は,図5では主に山陽電鉄より山側,図6で. たことを示している.また,亀裂の長さや幅などは,こ. は市営地下鉄よりも山側が,会下山などの大阪層群より. の図においては誇張されている. 残念ながらこの調査では,観察した亀裂の変位量をす. なる丘陵地になっている(藤田・笠間, 1983;藤田・前 田, 1984;竹村, 1997).また須磨付近では,山陽電鉄の. べて記録することはできなかった.そのため筆者は,神. 山側は段丘が分布する.この丘陵地には多くの亀裂が生. 戸市西部の新長田周辺,及び東部の摂津本山周辺におい. じていた.西部地域全体を通じて伸長による亀裂は非常. てすべての亀裂の観察を行ない,それらの変位量をもで. に少ないが,そのほとんどは丘陵地に生じている.また. きる限り計測した(竹村, 1997のFigs.6,8).しか. 斜面の崩壊も丘陵地には多く見られ,それに伴う亀裂.

(4) 川. 図5.神戸市西部,須磨一長田間のルートマップ 1:調査ルート, 2:圧縮による亀裂, 3:伸長による亀裂, 4:変位のない,または変位不明の亀裂, 5:右ずれを示す亀裂, 6:左ずれを示す亀裂, 7:斜面崩壊..

(5) !洲喜ViWMki轟,i,去こ1・/ "蝣'/f 'lこihit!>:い^^iHMiMf二∵,∵T 65. 図6・神戸市西部,西代-大倉山間のルートマップ.凡例は図5に同じ.

(6) 66. も観察された. 山陽電鉄・地下鉄より浜側は低平な沖積地で, llj陽西. は山手幹線から国道2号線付近の間で密度が高く,それ より浜側の阪神本線付近までは亀裂が少ないか,ほとん. 代駅で標高約8 m,地下鉄上沢駅で標高約7 mである.. どないゾーンが存在している.阪神電車以南では再び亀. 竹村(1997)も指摘しているように,鷹取駅から兵庫駅. 裂が多く,とくに阪神高速より浜側では極めて多い.. 付近にかけて, JR山陽本線の南側には顕著な亀裂がほ とんど分布していない.したがってこの地域の沖積地は,. 地震後の活断層調査について. 内陸の亀裂が多数生じた帯状の地域と,海岸よりの亀裂. 地震直後には,神戸市街地で活断層などの報道や報告 が相次いだ.また最近でも,神戸市内には地表地震断層. のない地域とに二分できる.この区分は図5, 6のルー トマップにおいても明瞭に認められる.. が現われた,もしくは地表の被害などから潜在断層が地. この内陸の亀裂霜では,地下鉄や神戸高速鉄道などの. 震時に活動したとする報告もある(宮田他, 1995,平野・. 地下構造物の存在する場所には,多くの亀裂が生じてい. 波田, 1995など).しかし,地表の構造物の被害や倒壊. る.しかし図5, 6でも分かるように,亀裂は大規模な. の方向などは地震動によってもたらされており,地下の. 地下構造物のないところにも多く分布している,この地. 断層運動には直接結び付かない,. 域には圧縮を示す亀裂が非常に多く,逆に伸長を示す亀 裂はほとんどない.. 多くの調査では,神戸・芦屋市街地には明瞭な地表地 震断層は出現しなかったとされている(吉岡他, 1996; 池田他, 1996).本調査においても,神戸・芦屋市街地. 中部地域(湊川神社付近∼生田川,図7). では淡路島の野島断層のような明瞭な断層変位は認めら. 図7の中部地域では,市街地の北限の山地との境界は. れず,この見解を支持している.さらに,神戸・芦屋市 街地には無数の亀裂が出現し,斜面崩壊や地すべり,液. 活断層(諏訪山断層など)で明瞭に区切られる.本調査 では,この山地との境界部まで踏査しているが,ほとん どの地域で顕著な亀裂は見られない場合が多い. 数多くの建築物にも多大の被害が生じた三宮付近では, 浜側から内陸部の北野町付近まで,広範囲にわたって亀 裂が生じていた.三宮付近では海岸に近い地域で圧縮や 伸長など種々の亀裂が見られたのに対し,より内陸では. 状化,構造物の振動などが認められている(楠田他, 1995など). 淡路島で顕著な断層変位が出現した野島断層において も,どの範囲にまで地表の断層変位が現われたかについ て,調査者問で意見の相達が見られている(林・宇田, 1996;尾高他,1996など).即ち,林・宇田(1996)はほ とんどの調査が一致して地表地震断層としている江崎灯. 圧縮の亀裂が多い.ただし,中部地域には被害を受けた ビルが多かったため,地震直後の調査ではビルの周囲な. 台-富島間のみでなく,江崎灯台一松帆の浦間,及び富. どが観察できなかった場合もあった.竹村(1997)でも. 島一枯木間においても,震源断層が地表に到達したテク. 述べているように,二宮付近の浜側ではビルの周囲で圧 縮と伸長の亀裂がセットで観察される場合も多く,これ はビルの振動の変位による亀裂であると考えられる.. トニックな地表変形が現われたと考えている.しかし, 尾高他(1996)は高島より南西に現われた亀裂は,すべ て重力や地震動によるもので,明らかに断層変位と認め. 西側の元町以西では, ∫ R線と地下鉄の間には亀裂が 少なく,海岸地域と内陸との2つのゾーンに亀裂の分布. られるものはない,としている.. が分かれる傾向が見られる.また生田川周辺では,海岸. 林・宇田(1996)の尾崎付近の亀裂分布(第3図)を見. 地域の他は顕著な亀裂は非常に少ない.. ると,枯木川から石仏大池まで亀裂はほぼ直線状に分布. 東部地域(生田川∼芦屋,図8-10). 状化も見られることから,個々の亀裂の成因はテクトニッ. 東部地域では,御影山手や東灘,芦屋の山側の丘陵地. クな要因に断定しきれないのではないかと考える.. 筆者は淡路島での亀裂調査は行なっていない.ただ,. しているように見えるが,この地域には溜池が多く,液. に様々な亀裂が見られている.これらは主に斜面の崩壊. 神戸・芦屋市街地の場合は,はるかに問題が複雑であ. や振動による重力滑動の影響が大きいと思われる.また. る.この地域の地下には,数百4,000mにも及ぶ厚さ. 高羽付近,岡本付近に亀裂の分布域が孤立しているよう に見える.. の大阪層群や沖積層などの堆積物があり,軟弱地盤も厚. 竹村(1997)が指摘しているように,東部地域の王子. い.さらにその上に薄皮のように,より硬いアスファル ト,コンクリートなどの舗装が乗っている.仮に地下の. 公園付近,及び石屋川付近∼深江付近では,海岸地域と. 震源断層の変位が地表近くにまで及んでいたとしても,. 内陸との2列の亀裂の分布帯が見られる.この2列の分. 舗装上に同じ変位が現われるとは限らない.現に北淡町. 布はルートマップでも容易に見分けられる.例えば住吉 ∼摂津本山付近では,阪急神戸線付近から山側にはほと. 小倉の野島断層により破壊されたアスファルト舗装は,. んど亀裂はなく,山手幹線付近で亀裂が現われる.亀裂. また,舗装の亀裂が坤Fr-1碑鱒にまで繋がっている証拠. 横ずれよりもむしろ圧縮を示している(竹村, 1997)..

(7) 図7・神戸市中部,新開地-春日野道間のル-トマップ,凡例は図5に同じ. I. --I,‡7J雲へ:a昭涼,jj華'・/蝣T*:.tiき竺=・㌣t^ffjr隷h'^- -* 1:- -. 線.

(8) 鶴甲. 図8神戸市東部,生田川-石屋川間のルートマップ.凡例は図5に同じ. OT) CO.

(9) fil+'M亘wm&涼c,Sこ/蝣i+ 'ihft達r.*;:tJtoだIMhL∵蝣> '・''.. 石. 図9・神戸市東部,六甲道一本山間のルートマップ.凡例は図5に同じ.

(10) 図10.神戸市東部本山一芦屋市間のルートマップ.凡例は図5に同じ.

(11) 兵庫県南部地震後の神戸・芦屋市街地における亀裂調査について. 71. は全くない.さらには,震源断層の変位は地表断層とし て現われるよりも,むしろ堆積層を擦曲させる可能性も ある.. に門井淳氏には現地調査に関しご援助・ご協力を得た.. 平野・波田(1995)は,神戸・阪神間での横ずれの亀. に調査中,このような大災害にも関わらず,節度ある態. 裂が系統的な変位を示し,既存の断層の延長上などに右 ずれの変位と,それに共役な左ずれ変位が現われたとし. また大阪府立大学の伊藤康人博士には有益な御議論を頂 いた.以上の方々に対し厚く感謝する次第である.さら 度で調査を遂行させていただいた被災地の方々に対し, 心より感謝する次第である,. ている.しかし,仮に地下で横ずれ断層が動いて地表に 亀裂を生じたとしても,軟弱地盤を覆う舗装上に同じ変 位の横ずれが生じるとは限らない.したがって,地表に. 文献. 見られる横ずれの亀裂だけがテクトニックな成因である. 波田重輿・宮田隆夫, 1996.地盤はどう動いたのか.料. とは限らない. 彼らの調査のデータによると(波田・宮田, 1996,図 2),内陸部で観察された横ずれの亀裂の変位量は12cm程度の小さなものも多い.しかし,先にも述べた ように,圧縮の亀裂などはこれよりもさらに大きな変位. 学3-104. 平野昌繁・波田垂無, 1995,神戸市街地西部の断層の活 動と変位地形.日本地質学会環境地質研究委員会編, シンポジウム「阪神・淡路大震災と地質環境」論文 莱, 79-84.. 量を示すものがほとんどである.そして丘陵地や海岸近. 林愛明・宇田進一, 1996,野島地震断層の南北末端部. くの亀裂は,地すべりや液状化の要因を否定できない. また,本調査によれば,神戸・芦屋市街地では,全亀. の性状.活断層研究, 14, 70-79. 藤田和夫・前田保夫, 1984,須磨地域の地質.地域地質. 裂のうち横ずれを示す亀裂の割合はかなり低い.さらに 全亀裂の分布は,野島断層延長上のような直線状よりは,. 研究報告(5万分の1図幅),地質調査所, lOlp. 藤田和夫・笠間太郎, 1983,神戸地域の地質.地域地質. むしろ面的な広がりをもっている.よって横ずれの亀裂 のみを追跡して線状に結んだ平野・波田(1995)の"地. 研究報告(5万分の1図幅),地質調査所, 115p. 池田安隆・島崎邦彦・山崎晴雄, 1995,活断層とは何か.. 表地震断層"は根拠がない,と筆者は考えている. 竹村(1997)でも述べたように,筆者は神戸・芦屋市. 東京大学出版会, 220p. 楠田隆・佐藤賢司・古野邦雄・酒井豊・香村一夫・. 街地の亀裂帯には,構造的な変位が現われた可能性があ ると考えている.しかし地表に地震断層が現われたと考. 風岡修・香川淳・森崎正昭・高梨祐司・浅尾巳・石渡康尊・檎井久, 1995, 1995年兵庫県南. えられる積極的な証拠はなく,むしろ多くの亀裂は斜面. 部地震による液状化一流動化被害.日本地質学会環. 嫡壊や,液状化,地震動が原因であることを否定できな. 境地質研究委員会編,シンポジウム「阪神・淡路大. い.構造的な変位が神戸・芦屋市街地に出現したかどう かを判定するためには,市街地での詳細な測地学的デー タが必要であり,地表の亀裂のみでは断定することはで きない. 今回の地震の被災地は,極めて人口の密集した市街地 である.筆者は,このような市街地での地表地震断層の 認定や構造的変位の有無については,慎重な議論が必要 とされると考えている.. 謝辞. 震災と地質環境」論文集, 125-130. 松田高明・竹村厚司, 1995,兵庫県南部地震における木 造家屋の倒壊方向と分布.日本地質学会環境地質研 究委員会編,シンポジウム「阪神・淡路大震災と地 質環境」論文集, 181-186. 宮田隆夫・洪景鵬・前田保夫, 1995,神戸市街地の隠 れた活断層.日本地質学会環境地質研究委員会編, シンポジウム「阪神・淡路大震災と地質環境」論文 集, 45-48.. 本調査を進めるにあたり,兵庫教育大学の徳山明教. 尾高潤一郎・中田高・後藤秀昭・朝日克彦・千田昇・ 坂本晃章・蓬田清, 1996,. 揺,西村年晴教授には終始一貫してご援助を賜わり,数. 1995年兵庫県南部地震で現れた地震断層の詳細図.. 多くのご助言を得た.本研究の調査をはじめるきっかけ. 活断層研究, 14, -106.. となったのは,姫路工業大学理学部の松田高明教授の有 益な示唆によるものである.松田教授,京都大学理学部 の竹村恵二助教授,桂郁雄博士,ならびに神戸市立櫨 谷中学校の舞本格教諭には数々の有益なご助言を頂き, さらに現地でご議論いただいた.神戸大学理学部の井口. 竹村厚司, 1995,神戸市・芦屋市市街地における舗装の 亀裂の分布.日本地質学会環境地質研究委員会編, シンポジウム「阪神・淡路大震災と地質環境」論文 隻, 65-68.. 博夫博士,乙藤洋一郎教授,兵庫教育大学大学院の水川. 竹村厚司, 1997, 1995年兵庫県南部地震による神戸・ 芦屋市街地の舗装の亀裂.地質学雑誌, 103, 21-35.. 直也氏,大山研自氏,尾形真吾氏,山本幸二氏,ならび. 竹村厚司・松田高明, 1995,兵庫県南部地震による神戸.

(12) 72. 市街中・西部の木造家屋の倒壊について,平成6年 度特定研究報告書「1995年兵庫県南部地震災害に おける学校・教員の役割と今後の学校防災体制なら びに防災教育の在り方に関する緊急研究」兵庫教育 大学地震災害調査班, 56-59. 吉岡敏和・宮地良典・寒川旭・下川浩一・栗田泰夫・ 水野清秀・奥村晃史・井村隆志・佃栄吉・松山紀 香, 1996, 1995年兵庫県南部地震に伴う神戸・阪 神地区の被害と六甲断層系の活動.地調月報, 47, 5-22..

(13) 兵庫県南部地震後の神戸・芦屋市街地における亀裂調査について. 73. Survey on pavement cracks in Kobe and Ashiya Cities after the Hyogo-ken Nanbu Earthquake TAKEMURA, Atsushi. ABSTRACT. The 1995 Hyogoken-Nanbu Earthquake had caused not only serious damages of various kinds of buildings, but also numerous cracks on pavements in the city areas of KObeand Ashiya. The author made a survey on these pavement cracks to clarify their distribution. Based on this survey in the city areas, it is clarified that these pavement cracks seem to be distributed densely within two zones. In this paper, the route maps through which these crack distribution was determined are presented as the result of this survey..

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