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わらべうたを土台とした表現活動の事例にみられる幼児の能動性 ―デューイの経験概念に着目して―

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Academic year: 2021

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(1)J o u r n a l0 /theStudy0 /SchoolMusicEducationalPractice,2020,Vo. 1 24. わらべうたを土台とした表現活動の事例にみられる幼児の能動性 ーデューイの経験概念に着目して一. 小林佐知子 就実大学 A CaseStudyofYoungC h i l d r e n ' sActivenesso fExpressionA c t i v i t i e sBasedonW a r a b e u t ap l a y : FocusingonDewey'sExperienceConcept. S a c h i k oKOBAYASHI Shujitsu University Abstract t h epurposeo ft h i ss t u d yi st oc l a r i f yhowt h ea c t i v e n e s s F o c u s i n gonDewey'se x p e r i e n c ec o n c e p t, o fyoungc h i l d r e ni so b s e r v e di nt h e i re x p r e s s i o na c t i v i t i e sbasedonW a r a b e u t ap l a y . F i r s t, t h emethodo fv i e w i n ga c t i v e n e s si nDewey'se x p e r i e n c ec o n c e p twassummarized,andt h e h ee x p e r i e n c e so f methodo fv i e w i n ga c t i v e n e s si nt h ep r e s e n ts t u d ywasd e f i n e d .Next,basedont youngc h i l d r e np l a y i n gu s i n gt h ee n t i r ebody,weh y p o t h e s i z e dt h a tyoungc h i l d r e ncandemonstrate a r a b e u t ap l a y .Moreover,weimplementede x p r e s s i o n t h e i ra c t i v e n e s swhena t t e m p t i n gt or e c r e a t eW a c t i v i t i e st h a tr e c r e a t eWarabeutap l a yanda n a l y z e dt h ee x p r e s s i o na c t i v i t i e so fyoungc h i l d r e n, payinga t t e n t i o nt ot h er e l a t i o n sbetweent h eb e h a v i o r a la c t i o n sandn e e d s . I nc o n c l u s i o n, youngc h i l d r e n ' sa c t i v e n e s so c c u r sa sf o l l o w s . Young c h i l d r e n ' sa c t i v e n e s si ne x p r e s s i o na c t i v i t i e s based on War 油 e u t ap l a yi s causedby i m p u l s i v en e e d s .I m p u l s i v eneedst r i g g e rb e h a v i o r a la c t i o n sa so b s e r v a t i o n sandi m i t a t i o n s .When youngc h i l d r e ncanunderstandt h e i rs i t u a t i o nbyo b s e r v a t i o no ri m i t a t i o n ,theyw i l la c ta sana c t i v e p a r t i c i p a n t .I nt h i sp r o c e s s,t h ekeyt ot h eupdateo ft h ea c t i v e n e s si st og r a s pt h es i t u a t i o n . I 研究の目的と方法. ていると考えられる。この考え方は、教育の観点か ら環境との相 E作用を捉えた].デ、ューイの経験概念. 1 問題意識. 2 0 0 6 年に教育基本法が改正され、「幼児期の教育. につながるところがあるのではなし、かと考えた。 デューイの経験概念は、能動的要素(試みること). は,生涯にわたる人格の基礎を培う重要なものであ る」と明記された。このことにより、名実ともに日. と受動的要素(被ること)で構成され 5)、「能動的. 本の教育の中に幼児教育が位置づけられたという九. に行なうという面を受動的に被るとしサ面から切り. では、幼児教育の目的とは何か。学校教育法には. 離すことは、経験の肝心な意味を破壊することにな. 「心身の発達を助長すること」と示されている九 このことを受けて『幼稚園教育要領解説~. ( 2 0 1 8 ). るJめと両者の関連を重視する。その上でデューイ は、経験とは能動的な実験であり、経験の根底には. では、幼児の発達を促すために必要なこととして. 能動的・運動的要素があることを指摘する円。この. 「能動性の発揮」と「発達に応じた環境からの刺激」. 指摘には、デ、ューイの経験概念を構成する能動的要. が挙げられている九それは「幼児は,環境との相. 素、すなわちわれわれ人間の能動性発揮への注目が. 互作用によって発達に必要な経験を積み重ねていく J. あるのではないかと考えた。他方、幼児教育に置き. 4 ). からだとし寸。このことから幼児の発達に必要と. 換えてみると、はたしてすべての幼児が能動性を発. される経験は、環境に対する幼児の「能動性の発揮」. 揮することができるのか、できるとしたら幼児はい. とそれによって生じる「発達に応じた環境からの刺. かに能動性を発揮するのかとし、う問題意識をもった。. 激」を幼児が受け止めることの相互作用を土台にし. そこで「能動性」を視点に『幼稚園教育要領解説』. -25.

(2) 学 校 音 楽 教 育 研 究 第2 4 巻. 2 0 2 0年. ( 2 0 1 8 ) をみると、「人は生まれながらにして、自. 筆者が調べた範囲 ( C i N i iA r t i c 1 e s等)では先行研. 然に成長していく力と同時に,周囲の環境に対して. 究は見当たらなかった。そこで幼児の能動性に関す. 自分から能動的に働き掛けようとする力をもってい. る研究を調べると、幼児の能動性を心身一元論から. るJ8)にもかかわらず、「どちらかというと大人に. みる必要を述べるもの問、幼児のからかし、という限. 教えられた通りに幼児が覚えていくとしサ側面が強. 定的な場面について能動性を視点に分析したもの瑚. 調されることもあった J9) と幼児の能動性発揮への. があった。他方、幼児のわらべうた遊びに関する研. 着目不足を指摘する。その上で、「幼児期には、幼. 究では、わらべうたが子どもの人間的発達や人格形. 児自身が自発的・能動的に環境と関わりながら、生. 成に寄与するという内容や、わらべうたを使った保. 活の中で状況と関連付けて(生活に必要な能力や態. 育実践における保育者と子どもの相互のコミュニケー. J 度を)身に付けていくことが重要である(筆者加筆 ). ションを内容をするものがあるがへ能動性との関. 聞と示している。このことから幼稚園教育要領は、. 係をみるものは見当たらなかった。. すべての幼児は環境に対して能動的に働きかけよう. 2 . 研究の目的と方法. とする力をもっと捉え、幼児期に幼児自身の能動性. 以上より本研究では、デ、ューイの経験概念に着目. を発揮することを重視しているといえる。 他方、デ、ューイは「すべての経験は、取るにたり. して、わらべうた遊びを土台とした表現活動では、. ないものもきわめて重要なものも、衝動性から始ま. 幼児がいかに能動性を発揮するのかを事例分析を通. る。いやむしろ、衝動性(として〉始まる J11)、. して明らかにすることを目的とする。. 「どんな子どもでも彼が最初からもっている一揃い. 研究の方法は、まずデ、ューイの経験概念における. の衝動的活動力だけをもって出発する」聞と子ども. 能動性の捉え方を整理し、本研究での能動性の捉え. を含めてわれわれの経験の起点に衝動性を位置づけ. 方を規定する。次に、わらべうた《まめがら》聞の. r~衝. 遊びを作り替えていく表現活動を実践し、能動性の. 動性』は一全体としての生き物の外にむかう、また. る。では衝動性とは何か。デューイによると. 規定から導いた、幼児の行動的働きかけとそこでの. 前にむかう動きを示す」聞としづ。このことからデュー. 要求を視点として幼児の表現活動を分析する。そし. イは、すべての子どもは外界に向かつて前進してい. て、わらべうた遊びを土台とした表現活動では、幼. く動きである衝動性をもっと捉えているといえる。. 児がし、かに能動性を発揮するのかを明らかにする。. 以上より、幼児を環境に向かおうとする動的な存. 本研究は、わらべうた遊びを土台とする表現活動. 在と捉える点で、幼稚園教育要領とデューイの考え. から幼児の能動性を捉えようとする点に独自性があ. 方にはつながるところがあるのではないかと考えた。. ると考える。. 筆者は、幼児のわらべうた遊びを表現活動に展開. なお研究保育の実践に際して、研究協力園の園長、. させる実践研究に取り組んできた。それは、①幼児. 担任教員に対して研究目的及び実践概要を説明し、. の生活の中心である遊びと結びついたうたであるこ. 個人情報に配慮した上での研究成果の公表について. と、②自分のうたとして幼児が作り替えることがで. 了承を得た。本文内の幼児名はすべて仮名である。. きること、というわらべうたの特性叫 l こよって、十. E 幼児の能動性の捉え方 1 幼稚園教育要領. 分に遊んだわらべうたを自分のうたに作り替えよう とするとき、幼児は能動性を発揮できるのではない かと考えたからである。そこで、遊びとしてのわら. 『幼稚園教育要領解説~ ( 2 0 1 8 ) は「幼児は,興味. べうたを自分のうたとして作り替えていく幼児の表. や関心をもったものに対して自分から関わろうとす. 現活動を能動的要素と受動的要素で構成される経験. る。したがって,このような能動性が十分に発揮さ. と捉え、能動的要素を解釈することによって、すべ. れるような対象や時間,場などが用意されることが. ての幼児が能動性を発揮することができるのか、で. 必要である J19) と示している。このことから幼稚園. きるとしたら、幼児がし、かに能動性を発揮するのか. 教育要領は能動性を「興味や関心をもったものに対. を明らかにできるのではなし、かという仮説をもった。. して自分から関わろうとすること」とし、幼児の興. 幼児のわらべうた遊びと能動性との関係について. 味や関心が能動性を起動すると捉えているといえる。. -26.

(3) わらべうたを土台とした表現活動の事例にみられる幼児の能動性(小林佐知子). 2 . デューイの経験概念 (1)デューイの経験概念の原理 デ、ューイの経験概念は、相互作用と連続性の二つ の原理をもっとし、う田)。 デューイの経験は「われわれは、何かを経験する. デューイは「連続性と相互作用という二つの原理 は、相互に分離しているものではない」劃と二つの 原理の結合を強調する。以上より、デ、ューイの経験 概念は相互作用と連続性の結合が引き起こすわれわ れの連続的な学習過程と経験と捉え、経験の成長、. とき、それに働きかけ、それによって何かをする。. 連続、再構成をめざす考え方だといえる。. だから、われわれはその結果を受ける、すなわち被. ( 2 ) デューイの経験概念に拠る能動性の捉え方. るのである」加とし、う能動的要素と受動的要素の相. ① デューイの経験概念における能動性. 互作用によって進行する。デ、ューイは「経験のこれ. このような二つの原理をもっ経験について、デ、ュー. ら二つの面の関連が経験の実り豊かさ、すなわち価. イは「実は、事物と相互作用している本能的および. 値の尺度となる J22) と相互作用による両者の関連づ. 律1 動的な活動のこと」却)で、「し、ろいろの対象を使っ. けを重視する。それは「行動によって引き起こされ. て何かをなそうと努める過程で、それ等を使用する. た変化が跳ね返ってわれわれの中に変化を引き起こ. ことによってそれらの諸性質について学習しようと. すと、単なる流転にすぎ、なかったものに意味が詰め. する自然の傾向」叩)だという。つまり、何かを為し. 込まれる。われわれは何かを学習するのである」回). た結果から学ぼうとするのは何ら特別なことではな. と能動的要素と受動的要素の関連づけが引き起こす. く本能的で衝動的な自然の傾向であるといえる。. われわれの変化を学習と言い換えて意味を見出すか らである。このことは幼児の場合にもいえるのか。. ただし為した結果から学ぶには、「能動的な人問、 つまり結果から超然としていないで、結果に関与す. デ、ューイは「子どもがなす経験は強烈かもしれな. る人間には、同時に、人間の側の反応 J31)、「事物. い。しかし、過去の経験からくる背景がそこにない. を使用し、使用することから生ずる諸結果を発見す. ために、受動と能動との関連が少ししか把握されて. ることによって、それらの事実について学ぶ、とい. おらず、そのため彼の経験はあまり深くもなく、広. う能動的反応」却のように為すことによって被る結. くもなし、 J24) としつつ、「幼児が『経験する』こと. 果に関与しようとする態度が必要だと考えられる。. でさえ、ある対象によって印象づけられ、受動的に. このことからデ、ューイは、為した結果に関与しよう. 受容される性質ではなくて、手で、持ったり、投げた. とする態度に能動性をみているのではなし、かと考え. り、連打したり、引きちぎ、ったり、等々という、何. た。為した結果に関与しようとする態度は、乳児で. らかの活動が対象に及ぼす効果と、その結果活動の. も「ある感覚的刺激に対する運動的反応にどんな結. 方向にその対象が及ぼす効果とである」四とし、う。. 果が続いて生ずるかを知るために、手で持ったり、. このことから、関連の把握の度合いには大人と違い. 手を伸ばしたり、等々とし、う活動によって、刺激に. があるものの、幼児は能動的要素と受動的要素の相. 反応」田)する態度でみられるとしづ。. 互作用によって両者に関連をつけようとする、すな わち学習していく存在であることがわかる。. 為したことの結果に関与することは、次に結果を 意識して何かを為そうとすることにつながると考え. デューイは経験によって学習が連続することを. られる。つまり能動的要素と受動的要素の相互作用. 「経験というものは、その後のより深くより広い質. を引き起こし、両者の関連づけによる学習につなが. をもっ経験を準備する点で、なんらかの寄与をするこ. るといえる。このようにデ、ューイの経験概念では、. とは当然であるということになる。このことこそが、. 為したことへの結果に関与し結果を意識して何かを. まさに経験の成長、連続、再構成を意味しているの. 為そうとする態度に能動性をみていると考えられる。. である」耐と経験そのものの成長、連続、再構成と. ②衝動の更新過程としての能動性. みている。さらに「幼児は、予期することができる. では能動性はどのように起動するのか。デューイ. ようになると、すぐに、現在進行していることを次. 教育学の再構築に取り組んだ杉浦は、デューイの経. に起こることの前兆として利用し始める J27) ように、. 験概念を自己の更新過程と捉え、自己を更新するた. 幼児も連続する学習によって経験を成長、連続、再. めの環境への働きかけに注目した担)。杉浦によると、. 構成させていく存在であることがわかる。. 自己更新のための環境への働きかけは、要求から生. 27-.

(4) 学 校 音 楽 教 育 研 究 第2 4巻. 2 0 2 0年. まれる生命衝動=好奇心から、ある特定の対象に向. えることができるのか。デ、ューイは「子どもたちは、. 九. ひたすら何事かをやってみたいのであり、そのよう. かう個別径繭=興味とし、う形態に展開するとし、う. 3. このことから能動性は衝動によって起動し、衝動の. にやってみると、その結果に何が起こるかを見届け. 形態は変化すると考えられる。. たいだけのことである J40) と述べる。このことから、. このように杉浦が衝動を区別したのは、デューイ. 「ひたすら何事かをやってみたしリと要求が生じる. が「すべての経験は、取るにたりないものもきわめ. と幼児は要求を叶えようと対象に身体を使って行. て重要なものも、衝動性から始まる。いやむしろ、. 動的に働きかけ、行動的に働きかけることによって. 衝動性〈として)始まる。私は『衝動~ ( i mp 叫s e ). 「何が起こるか見届けたし、」と結果に関心をもっと. 言わずに、『衝動性~ ( i m p u l s i o n ) と言う。衝動は. いえる。つまり衝動的な要求は、対象に向けて何か. 特殊化され、個々別々に分化している。それは、本. をするという、外部に現われる行動的働きかけとなっ. 能的であるとしても、環境にいっそう完全に適応す. て具体化すると考えられる。. るためのメカニズ、ムの一部で、あるにすぎない。いっ. 本研究では、このような要求と結びついた行動的. ぽう『衝動性』はー全体としての生き物の外にむか. 働きかけが、為したことへの結果に関与し結果を意. う、また前にむかう動きを示す」甜)と述べたことが. 識して何かを為そうとする態度であり幼児の能動性. 加p 叫s i o n ) は生命衝動の ある。杉浦は「衝動性J (. であると捉える。つまり、幼児の能動性は、外部か. 奔流であり溢れる生命エネルギーの湧出である点で. ら観察可能な反応としての、行動的働きかけとして. 生命衝動とし、他方「衝動 J ( 加p 叫s e ) は特殊的. 捉えることができると考えられる。もちろんこの行. なもの特定的なものである点で個別衝動とした 3. 動的働きかけとは、気まぐれでもなく人からの指示. 生命衝動がやがて特定の対象に向かうと個別衝動と. からでもない、幼児自身の要求から生じたものでな. 呼ばれることになるというへつまり衝動の形態は、. ければならない。. ヘ. 環境に対する分散的・全体的な働きかけから、集中. 以上より、デ、ューイの経験概念に拠る能動性を衝 動の更新過程と捉え、衝動が要求から始まることに. 的・個別的な働きかけに変化すると考えられる。 では、能動性を起動するのはどの形態の衝動だと いえるのか。ここで、デ、ューイは衝動性が経験を起. 着目して、本研究における幼児の能動性を「自己の 要求から生じる行動的働きかけ」と規定する。. 動するとしたことに注目したい。デューイが個別衝 動(興味)ではなく、要求から生じる生命衝動(好. E わらベうた遊びを土台とした表現活動の事例に. 奇心)である衝動性が経験を起動するとしたのは、. みられる幼児の能動性. 生命衝動(好奇心)から個別衝動(興味)への展開. 1 . 研究保育の構想の視点. を連続的な過程だと捉えたからではなし、かと考えた。. 先に能動性を衝動の更新過程と捉えた。子どもの. そこにデューイが経験に「更新による連続という原. 衝動についてデ、ューイは、「子どもが物事を為す衝. 理があてはまる」聞としたように、能動性も衝動の. 動は、先ず最初は遊びのなかに、つまり、運動に、. 動的な更新過程と捉えることができると考える。. ジェスチャーに、ごっこ遊びをしたりするなかに表. ③本研究における能動性の捉え方. 現されていることがわかる J4りとしづ。そこで本研. ①で考察したようにデ、ューイの経験概念では、為. 究では、幼児の衝動が発現する遊びを重視する。幼. したことへの結果に関与し結果を意識して何かを為. 児の衝動の更新過程は、幼児の遊びを土台にしたも. そうとする態度に能動性をみていると考えられる。. のだと考えたからである。さらに遊びを土台に活動. この能動性としての態度が、自己更新を生じさせる. を展開させることで、遊びの中で発現する衝動を更. 環境への働きかけを可能にするといえる。そして、. 新させることができるのではなし、かと考えた。. 自己更新のための環境への働きかけは、要求から生. 本研究では、前述したように、①幼児の生活の中. まれる生命衝動(好奇心)から個別衝動(興味)へ. 心である遊びと結びついたうたであること、②自分. の展開であり、それは連続的な衝動の更新過程であ. のうたとして幼児が作り替えることができること、 というわらべうたの特性に注目した。そこで研究実. ると捉えられる。 では、要求から生まれる幼児の能動性はし、かに捉. 践はわらべうた遊びを土台とし、①のわらべうた遊. -28-.

(5) わらべうたを土台とした表現活動の事例にみられる幼児の能動性(小林佐知子). びで発現する幼児の衝動を②の表現活動に連続させ. の説に拠ると、. ることで、衝動の更新過程として幼児が能動性を発. 分けられる。ひとつはフライパンの中で、転がる豆を. 《まめがら》の遊びは大きく二つに. 揮できるようにしたい。その意味で本研究保育はわ. 表わすように拍にのって 3人で揺れる遊び、もうひ. らべうた遊びを土台とした表現活動だといえる。以. とつはうたとうたの聞に豆役がフライパン役の輸を. 下 、 2つの構想の視点について具体的に述べる。. 自由に移動していく遊びである。前者は揺れの一体. (1)幼児の生活の中心である遊びと結びついたう. 感におもしろさがあり作り替えることが難しいと考. たであること. えたため、後者で幼児がなりたいお豆さんのイメー. デューイは、研究保育の対象児(5歳児)の年. ジを具体化し、このイメージを表わすための動きを. 齢期は社会的および個人的な興味がそのまま直接に. 創り出すことを《まめがら》を自分のうたとして幼. 表われることに特徴があるため、この年齢期の子ど. 児が作り替えることだと捉えた。つまり本研究では、. ものための教材は子ども自身の最も身近なもの、家. わらべうたを歌いながら遊ぶときの身体表現を作り. 庭生活および近隣の生活状況のなかにあるようなも. 替えることをわらべうたの作り替えとする。自分た. のから選択されるべきだと述べている崎。そこで研. ちが作った遊びの動き(身体表現)でうたって遊ぶ. 究保育で扱うわらべうたの内容は、幼児の生活の中. ことは《まめがら》を「自分のうた」として作り替. から選択する必要があると考えた。. えたということだと捉えたのである。. 研究保育の構想時、幼児が鬼役になった園長先生. 幼児がお豆さんのイメージを具体化し、このイメー. たちに向けて豆をまく ( 2月 1日)、豆を蒸かしたり. ジを表わすための動きを創り出すために、遊びの中. 納立菌を混ぜたりする納豆工場を見学する (2月 8. で様々な動きを試した後に、個人でなりたいお豆さ. 日)と豆に関わる園行事が続いていた。これら園行. んを絵に描いたり、なりきって動いたりする場を設. 事を通して、幼児は大立を蒸かすといい匂いがする. 定した。さらに、 3人組になり各々が描いた絵を持. ことや納豆菌をかけると大豆が粘々することなどを. ち寄って順番を決め、 3人で 3つのお豆さんになり. 発見し、豆に関心をもっていた。そこで、豆との関. きって遊ぶ場を設定した。このように、個々人で《. わりを表わすわらべうた《まめがら》を選択した。 幼児の豆に対する関心を《まめがら》遊びに連続 させるために 2つの場を設定した。ひとつは《ま. まめがら》の作り替えをした上で友だちと協同して 作り替えることで、自分のうたとしての作り替えが 連続していくことを期待した。. めがら》が表わす情景を体験する場である。具体的 には実際にフライパンの中で転がる豆を見たり、妙. 2 抽出児 分析では勇太と直人を抽出児とする。それは、研. ると豆から香ばしい匂いがすることに気づいたり、 妙りたての豆を食べるとホクホクと柔らかいと感じ. 究保育までに担任教員から勇太と直人には活動へ進. たりするなど、幼児が五感を働かせて豆と関わるこ. んで参加することが難しいとし、う課題があることを. とができるようにした。もうひとつは《まめがら》. 聞いていたからである。この課題を解決するために. 遊びに浸る場である。《まめがら》の遊びのおもし. 担任教員と保育所等訪問支援員削を研究協力者と位. ろさは、うたを歌いながら拍にのって 3人で揺れを. 置づけ、協同して研究保育に取り組むことにした。. 感じる一体感と、うたとうたの聞に豆役の子どもが. 以下は、研究保育までに筆者が観察した内容と、. 自由に動き回るときの解放感が繰り返されるところ. 研究協力者と協議した内容を整理したものである。. にあると考えた。そこで幼児が拍を感じ取りやすい. (1)勇太について. ように筆者が団扇太鼓を打ち、拍から解放されたと. ・初めてのことに対して苦手意識が強く、やる前に. きはお立さんになりきって自由に動けるようにした。 ( 2 ) 自分のうたとして幼児が作り替えることがで. きること. 自分はできないと感じていることが多い -運動に対しては特に強し、苦手意識をもっている .制作活動を好む. 《まめがら》の情景には諸説あるが、本研究では、 豆がフライパンの中でコロコロ転がりフライパンを 移動してし、く情景を表わすとする説を採用した。こ. -29. ( 2 ) 直人について -他者からの働きかけを受容することは得意だが、 自分から働きかけることに苦手意識をもっている.

(6) 学校音楽教育研究第 2 4 巻 2 0 2 0 年. -他者の影響を受けやすい傾向がある. 作り替えるためのお豆さんのイメージを絵に描き身. ・自分の思いをいつ、どのように表わしたらよし、か. 体で表現する場面 3、④友だちと協同して作り替え るためのお豆さんの話を作り身体で表現する場面 4、. 分からないと感じていることが多い. である。. 3 . 研究保育の概要 5 分析. 研究保育の内容は、 2019年 2月に A 幼稚園 5歳 児を対象にした「お豆さんになりきって《まめがら》. ( 1)勇太の場合. で遊ぼう」である。活動内容は表 1の通りである。. ①豆妙りを体験する場面 1. 研究保育は研究協力者と筆者で抽出児に留意して. (ア)筆者が「お豆さんを見たり触ったり匂ったりして. 活動内容を検討しながら協同的に進めた。筆者は. ごらん」と皿に入れた乾燥大豆を渡すと、勇太は主亘. 2015年度より週 1回この幼稚園を訪れており、幼. を握ったり、手に取って近くで見たり、かき混ぜたり. 児にとって「週に 1回幼稚園に来る先生」である。. と、黙々と観察していた。乾燥大豆に関する気づきに 関する全体交流で勇太は、友だちの発言「ツルツルし. 表 1 研究保育の活動内容 活動日(時間) 場面 1. 2月 1 2日( 4 9分). 場面2. 2月 1 4日( 3 7分). 場面 3 場面4. いい匂いがした JI 音がする」を聞くたびに、 てた JI. 活動内容. 手元にある乾燥大百の触感や匂い、膏を確かめようと. 豆妙りを体験する. 触ったり匂ったり振ったりしていた。. 《まめがら》で遊ぶ. (イ)水に浸した大豆を見せると勇太は身を乗り出して. お豆さんのイメージを絵に 4 5分) 2月 26日( 描き身体で表現する お豆さんの話を作り身体で 2月27日( 2 4 分) 表現する. 盟主込金、偶然大豆の薄皮がむけることに気づいて薄 皮をむき続ける直人を見ると、勇太も薄皮をむき始め、 むき続けていた。 (ウ)筆者が設定した大豆を妙る場ではフライパンの中. 4 分析の方法. の大豆をかき混ぜたり、友だちが妙る大豆をじっと見. ( 1)記録の方法. 主 旦 t . . ," ' n ,ユ主。勇太は妙った大豆を食べることはなく、. まず幼稚園の了承を得て、実践全体をビデオカメ. 友だちが食べる様子をじっと見ていた。. ラ 1台で撮影した。次に実践日ごとに担任教員と (ア)勇太が乾燥大豆を触ったり匂いをかいだりし. 研究協力者と筆者で幼児の活動に対する気づきを交 流し、その内容を筆者が記録した。そして全実践終. た行動的働きかけは、乾燥大豆を知りたいという要. 了後、映像記録から筆録を行い、筆録に観察記録を. 求から生じたと推察する。これは五感を働かせた豆. 加筆する形で幼児の活動記録を作成した。. の観察とみることができる。. ( 2 ) 分析の手順. (イ)水に浸した大豆を身を乗り出して覗き込む行. 本研究では能動性を「自己の要求から生じる行動. 動的働きかけから、大豆を知りたいとし、う勇太の要. 的働きかけ」と規定し、要求と行動的働きかけの結. 求は継続していたと推察する。大豆を触っているう. びつきに注目した。それは両者が結びつくことで幼. ちに薄皮がむけることに偶然気づいて薄皮をむき続. 児が結果に関心をもって行動的に働きかけようとす. ける直人を見ると、勇太も薄皮をむき始めむき続け. ること、すなわち能動性の発揮が期待できると考え. ていた。この行動的働きかけは、自分でも薄皮をむ. たからである。. いてみたいとし、う要求から生じた模倣だと推察する。. そこで構想の視点に基づいて設定した 4つの場. (ウ)大豆を妙る場に留まり、大豆をかき混ぜたり. 面について、外部から観察できる抽出児の行動的働. 友だちが妙る大豆をじっと見たりする行動的働きか. きかけを下線を付けて示し、そこでの要求を推察し. けから、大豆を知りたい、大豆は妙ったらどうなる. た 。 4つ場面は表 1に示した通り、①《まめがら. か知りたいとし、う勇太の要求は継続していたと推察. 》が表わす情景を体験するための豆妙りを体験する. する。しかし大豆を妙った後、大豆を食べる友だち. 場面 1、②《まめがら》遊びに浸るための《まめ. をじっと見るだけで勇太が食べることはなかった。. がら》で遊ぶ場面 2、③個々人で《まめがら》を. 勇太は食べてみたいとしづ要求は少しはあったのか. -30.

(7) わらべうたを土台とした表現活動の事例にみられる幼児の能動性(小林佐知子). もしれないが、行動的働きかけまで至らなかったと. 手を高く上げ「パイパイ!J と手を振って友だちと. ころから、妙った大豆は食べられるのか、どんな味. 関わろうとしていた。この遊びでの勇太の行動的働. がするのか不安をもっていたのではなし、かと推察す. きかけは、何度も《まめがら》で遊ぶことによって. る。つまり、妙った豆を食べるというこの状況が理. 遊び方を把握し、遊びの中で友だちと関われそうと. 解できていなかったのではなし、かと推察する。. 感じ、関わりたいという要求から生じたと推察する。. ②. 《まめがら》で遊ぶ場面 2. 「←. (ア)筆者が「今、みんながやったことで遊んでみるか. ③ お豆さんのイメージを絵に描き身体で表現する 場面 3. ら見ていてね Jと《まめがら》の遊びを見せると、勇. (ア)勇太は前に座る耕平の百の楠き方をしばらく見て、. 太は教員の揺れに合わせるように身体を揺らしながら. 耕平がフライパンと豆を水色で塗るのを見ると、匝』え. J と問いかけ 昆主主主。筆者が「みんなも遊べそう ?. ようにフライパンと豆を水位で塗る。. ると、勇太は友だちに誘われフライパン役や豆役になっ. (イ)耕平と同じ描き方で勇太が紫色と黒色の豆を描く. て友だちと一緒に揺れを楽しむ。. と、黒色の豆を見た直人が「わかった、焦げたんやね」. ( イ )(ア)の各々自由な拍感で遊んでいた状況を変え、. と話しかける。勇太がさらに茶色の豆を描くと、耕平. 筆者が団扇太鼓を打ち全体で同じ拍感で遊ぶように促. が「ウンチや!Jと笑い、勇太も笑う。勇太は緑色、. すと、豆役の勇太は状況の変化に戸惑い、どこに移動. 桃色、権色、灰色、黄色とカラフルな豆を次々とフラ. してよいか分からず困惑した表情で友だちの様子をじっ よ且平ど主。そのため、研究協力者が移動に付き添っ. イパンいっぱいに描くと「できた!Jと言って筆者に. て移動方法を教えると、勇太は移動方法を見出して室. 見せに来る。戻って来た勇太は、横で直人が豆に表情. 顔で移動して遊ぶようになった。. を描いているのを見ると、自分が描いた百に表情を加. (ウ)フライパン役になると、勇太は豆役の友だちが自. 主エヒュ主。. 分たちのフライパンから出ていくときに出やすいよう. (ア)耕平の描き方を見て耕平と同じように豆を描. に手を高くトげ「バイバイ! Iと手を振ったりして、. いた勇太の行動的働きかけは、豆を描きたいという. 友だちが出て行くときの関わりを楽しんでいた。. 要求、そして豆を描くために描き方を知りたいとい. (ア) ((まめがら》遊びを身体を揺らしながら見て. う要求から生じた観察であり模倣であると推察する。. いた勇太の行動的働きかけは、遊びたいとし、う要求、. (イ)耕平の描き方を模倣して黒や茶の豆を描き、. そして遊ぶためにどんな遊びなのか知りたいという. 他の色でも描けそうと感じ、色や形を操作してカラ. 要求から生じた、身体の同調を通した観察だと推察. フルな豆をフライパンいっぱいに描くという行動的. する。この観察を通して勇太は遊び方を把握し、自. 働きかけがみられる。自分も豆を描いてみたいとい. 分にもできそう、遊べそうと感じたことで、勇太が. う要求によるものと推察する。ここでは友だちが勇. フライパンや豆になって遊ぶとし、う行動的働きかけ. 太の描いた豆に対して、色に応じた豆のイメージを. が生じたと考えられる。. 言語化する。この友だちとの会話の後、勇太は大胆. (イ) (ア)と状況が変わったことで、勇太はどう移動. に多彩な色を使うようになったことから、友だちの. したらよいかわからず、友だちを観察しでもわから. 関わりを通して勇太は色と豆のイメージとの関係を. ず困惑していた。そこで研究協力者の教示によって. 把握したと推察する。さらに直人が豆に表情を描い. 勇太が移動方法を見出すと、笑顔で遊ぶようになっ. ているのを見るど、勇太も自分の豆に表情を加える. た。この遊びでの勇太の行動的働きかけは、遊びた. 行動的働きかけがみられた。自分の豆にも表情を描. いという要求から生じたと推察する。遊びたいとい. いてみたいとし、う要求から生じた模倣だと推察する。. う要求はあるものの、移動方法が分からなくて困惑. ④ お豆さんの話を作り身体で表現する場面 4. していた勇太に研究協力者が解決法を示したことで、. 勇太と耕平と康太が集まると研究協力者が「どのお. 勇太が自分にもできそう、遊べそうと感じたことで. 豆さんを一番にする ? J と問う。勇太が「これ(自分. 遊びの行動的働きかけが生じたと考えられる。. の絵)一番!と答えて順蕃が決まると勇太が「重ねまー. (ウ)勇太は《まめがら》遊びで、豆役が出るとき. 一. 3 1.

(8) 学校音楽教育研究第 2 4巻 2 0 2 0年. すIと3枚の絵を重ね、耕平が「紙芝居にします」と. 覗き込み、大豆の薄皮をむき始める。筆者が集まるよ. 応じる。研究協力者が「どんな紙芝居 ?J と問うと、. うに声をかけてもやめないほど没頭していた。. 耕平が「お豆さん、水に入れまーす Jr クルクル回り. (ウ)筆者が設定した大豆を妙る場では「ぼくが混ぜ. ました Jr 大人しくなりました」と豆の変容をお話の. たいな」と一番手でフライパンの中の大医をかき混ぜ、. ように語る。研究協力者が「水に入れたから、勇太ちゃ. 友だちのつぶやき「色が濃ゆくなってる Jr 匂いがし. んのお豆さんは白い、ブックリ膨らんだところ ?J と. てる」に対して、「なってるわー Jr いい匂い I と応じ. イメージを伝えると耕平は「うん」と答え、勇太は笑. ながらフライパンの中で妙られる豆をじっと見ていた。. 顔で応じる。耕平が「やろう!Jと 2人を誘い、研究. その後、黙々と妙った豆を食べ続けていた。. 協力者が「最初はお水で膨らんでるね Jと声をかける と、耕平は r(勇太と 2人が)重なるといい」と水と 豆の役割分担を提案する。耕平を挟む形で勇太と康太 が重なりクルクルと回り出す。 2番目の豆の動きまで. (ア)直人が乾燥大豆を触ったり握ったりじっと見 たりした行動的働きかけは、乾燥大豆を知りたいと いう要求から生じたと推察する。これは五感を働か せた豆の観察とみることができる。. できたと思った勇太が「じゃあ 3番目やろう」と言う. (イ)水に浸した大豆を身を乗り出して覗き込む行. よ耕平は「紙芝居見ながらやろう」と応じ、主ム主撞. 動的働きかけから、大豆を知りたいとしづ勇太の要. いた絵を見ては耕平を挟んで動き、また見てはクルク. 求は継続していたと推察する。直人は大豆を触って. ル回って動いて…と遊んでいた。. いるうちに偶然、薄皮がむけることに気づくと薄皮. まず、絵の順番を決めるとし、う行動的働きかけが みられた。お話作りをしたいという要求があったと. をむくことに没頭していた。ただやってみたいとい う衝動的な要求の表われと推察する。. 推察する。研究協力者の問し、かけによって、勇太は. (ウ)大豆を妙る場に留まり、一番手で大豆をかき. 自分がお話の中で「水に入れて白い、プックリ膨ら. 混ぜ大豆に関する友だちのつぶやきに応じ、友だち. んだ豆」になることを把握していった。さらに耕平. が妙る大豆をじっと見て妙った豆を食べ続けるとし、. が勇太の豆の動きを具体的に提案すると、勇太は自. う行動的働きかけから、ただやってみたいという衝. 分にもできそうと感じ、やってみたいとしづ要求に. 動的な要求、そして大豆を知りたい、大豆を妙った. クルクル回る よって、友だちと「水に入れた豆 J r. らどうなるか知りたい、妙った大豆はどんな味か知. 豆」になって動いて遊ぶとしづ行動的働きかけが生. りたいとし、う要求は続いていたと推察する。. じたと推察する。この後、勇太は「じゃあ 3番目や. ②. ろう」と豆の動き作りを提案し、 3人で豆の動きを 作って遊んでいた。勇太は耕平が提案した動きで遊 んでみることで豆の動きをどう作ったらよし、かを把 握し、 3番目の豆の動きも作れそうと感じ、作って 遊んでみたいとしづ要求によって、豆の動き作りと いう行動的働きかけが生じたと考えられる。. 《まめがら》で遊ぶ場面 2. (ア)筆者が「今、みんながやったことで遊んでみるか ら見ていてね」と《まめがら》の遊びを見せると、直 人は教員の揺れに合わせるように身体を揺らしながら 且エど主。筆者が「みんなも遊べそう ?J と問いかけ ると、直人は研究協力者と一緒にフライパン役になっ て遊び、百役に変替して友だちと遊んでいた。. ( 2 ) 直人の場合. (イ)筆者が団扇太鼓を打ち全体で同じ拍感の《まめが. ①豆妙りを体験する場面 1. ら》遊びをしたときも、直人は豆役もフライパン役も. (ア)筆者が「お豆さんを見たり触ったり匂ったりして. 楽しんで遊んでいた。豆役のときはフライパンからク. ごらん」と皿に入れた乾燥大豆を渡すと、直人は本亘. ルっと回って出て行ったり移動先のフライパン役の友. を触って周囲に向かつて「かったーい! !Jと顔をし かめた後、大百を触ったり揮ったりじっと見たりして と主。全体交流では乾燥大豆に関する友だちの気づき を手元の大豆を触りながら聞いていた。 (イ)水に浸した大豆を見せると直人は身を乗り出して. だちを指差しながら移動したりして、フライパン役の ときは豆役の友だちと一緒に大きく左右に揺れ豆役の 友だちが入って来るときは手を高く上げて顔で迎え入 れて、遊びを楽しんでいた。 (ア) ((まめがら》遊びを身体を揺らしながら見て. -32-.

(9) わらべうたを土台とした表現活動の事例にみられる幼児の能動性(小林佐知子). いた直人の行動的働きかけは、遊びたいとし、う要求、. の教示によって直人が描き方を見出すと、「チリチ. そして遊ぶためにどんな遊びなのか知りたいという. リ豆 J I みかん豆j を描き、豆の動きを線や手の動. 要求から生じた、身体の同調を通した観察だ、ったと. き、擬態語で表わすとし、う行動的働きかけがみられ. 推察する。この観察を通して直人は遊び方を把握し、. た。自分も豆や豆の動きを描いてみたいという要求. 自分にもできそう、遊べそうと感じたことで、フラ. によるものと推察する。. イパンや豆になって遊ぶとし、う行動的働きかけが生. ここでは豆を描きたいという要求はあるものの、. じたと考えられる。. 描き方が分からなくて困惑していた直人に、研究協. (イ) 直人は《まめがら》遊びでフライパン役の友. 力者が動きを線で表わす豆の描き方を教示した後、. だちからクルっと回って出て行ったり、手を高く上. 直人は次々と様々な動きの豆をダイナミックに表わ. げて豆役を笑顔で迎え入れたりして、友だちと関わ. していたことから、直人は動きと線の関係を把握し、. ろうとしていた。この遊びでの直人の行動的働きか. 豆を動的に捉えるようになった推察する。. けは、何度も《まめがら》で遊ぶことによって遊び. ④ お豆さんの話を作り身体で表現する場面 4. 方を把握し、遊びの中で友だちと関われそうと感じ、. (ア)直人は有紀と理沙と集まり、互いに「これは何の. 関わりたいとし、う要求から生じたと推察する。. お豆さん ?J と問うが「分からん JI 謎のお豆さん」. ③ お豆さんのイメージを絵に描き身体で表現する. と言い合って描いた豆のイメージの理解には至らない. 場面 3. 様子だった。話し合いの停滞を察した研究協力者が. (ア)直人は前に座る雄主の豆の撞主主をしば告三且て、. 「どんなお豆さん?JI 順番はどうする?JI それ、お. 耕平がフライパンを水色、豆を水色と茶色で塗るのを. もしろいね!Jなどの対話を通してお話作りを主導す. パン主豆童塗る。 見ると困じよきにフ芝こf. る。その中で有紀と研究協力者が、直人が描いた豆の. (イ)なかなか描けず困惑している直人に研究協力者が. うち「毒をもっ赤いお豆さん」をお話に登場させるよ. 「お豆さん、フライパンの中でどんな風に動いていた ?J. うに促し、お話作りが進む。直人は「毒をもっ赤いお. と直人に問いかけながら乍阿. (豆の動き)を直. 亘さん」で動いてみようとするが、「わからん JIどう. 人の画用紙に描く。それを見た直人が赤色で豆を描き、. やるん ?J と困惑していた。中開発表の場で直人たち. 研究協力者の「どんな風に動くの ?J に応じるように. が発表するが、直人は困惑した表情で有紀と理沙の動. 産色の豆の撞に¥}¥.(豆の動量)を撞く。直人は研. きを見て少し遅れて模倣していた。. 究協力者が描いた豆の重自主を盤で、なぞ、ってヨれしそヨ. ( イ )3人で集まると有紀が「そうだ!皮がめくれたお. に盤圭主ると、「ょっし、圭日圭リ豆つ三るぞ」とつ. 豆さん!Jと自分がなりたい豆のイメージを思いつく。. ぶ空いて医色の豆主描いた口、壁色の豆を撞いて「ま. すると有紀は直人の絵を見ながら直人に「これ、何の. 1 た蓋しいお豆さんがで童た!生かんお豆」と研窒撞 1. お豆?JIこれは ?J と問う。直人は「水色でぬった. 者に話しかけたりする。研究協力者が描いた豆の動き. ほそーいお豆さん lと答えると、有紀は「ほ お百 II. 方を尋ねると、「ボヨーンボヨーン」と画国紙の上で. そーい」に反応し「細いお豆にしたら ?J と両手を上. 圭のひ皇室バ立ンドさせた口、「ピヨ一一一ン」と誼. げて背伸びをして細い豆になりきる。直人は査担旦塾. で一直躍を描いたりしていた。フライパンいっぱいに. きを模倣して細い豆になりきり、少し考えて「ま、いつ. 豆を描いた直人は、「豆にお豆撞いた」とつぶや主筆. か!とつぶやく。続けて有紀が「理沙ちゃんはどんな. い主が色撞いた豆に目と口童盤主主日え、その様子を友. お豆さんする ?J と問うと埋沙は「焦げてるお豆さん J. だちが笑って見ていた。. と答える。有紀が「どうする?焦げてるお豆さん ?J. (ア)耕平の描き方を見て耕平と同じように豆を描 いた直人の行動的働きかけは、豆を描きたいという 要求、そして豆を描くために描き方を知りたいとい う要求から生じた観察であり模倣であると推察する。 (イ)しかし、耕平の描き方を模倣したきり、直人 はなかなか描けず困惑していた。そこで研究協力者. -33. と問うと理沙は「クルクル回って、嘘ついてコテッて こけたふりする」と答えてコテッとこける。理沙の動 きを見て直人と有紀もコテッとこける。有紀が「やろ う!ここに絵を並べて!J と誘い、直人は有紀と理沙 ほそーい と一緒に何度も「皮がめくれたお百さん J I お豆さん」「焦げてるお豆さん│になりきって遊ぶ。.

(10) 学 校 音 楽 教 育 研 究 第2 4巻. 2 02 0年. ( ア)直人は担任教員や有紀に言われるまま「毒を. ることで豆としての動き方を見出した直人は、「ほ. もっ赤いお豆さん Jになるが、どう動いていいのか. そーし、お豆さん」だけでなく有紀や理沙の豆にもなっ. 分からず困惑していた。豆になって動いてみたいと. て動いて遊んでいた。この遊びでの直人の行動的働. いう要求はあるものの、豆として動くということが. きかけは、豆になって動いて遊んでみたいという要. どういうことなのかが分からないため、自分から豆. 求から生じたと推察する。動いて遊んでみたいとい. になって動くという行動的働きかけには至らず困惑. う要求はあるものの、豆として動くことが分からず. していたと推察する。. 困惑していた直人に有紀が解決法を示したことで、. ( イ)豆として動くという状況が理解できない直人. 直人が自分にもできそう、動いて遊べそうと感じた. に、有紀が直人の描いた豆のイメ ージを動いて見せ. ことで遊びの行動的働 きかけが生じたと考えられる。. ( 3) 分析結果と考察. 要求 知 りたい・遊びたい 描き たい・確かめたい 動いて遊びたい 動きを作って遊びたい. │. 行動的働きかけ. l. 観察する 五感を働かせる 身体を向調する. 状況把握. できそ う・遊べそう 描けそ う 動いて遊べそう 動きを作れそ う. I 空│. 行動的働きかけ. E璽掴 E璽圏. 他者との関わり 問題解決法の提示 イメージの言語化 具体的動きの提案. 図1. 抽出児の能動性発揮の構造. 場面分析より、本事例の抽出児の能動性発揮は、. いお豆さん」のイメ ージを表わすために両手を上げ. 図 1のような構造をもっと考えられる。. て背伸びをしてジャンプする身体表現に作り替えた。. 各場面の始まりは筆者が設定した活動に対して幼. ここで抽出児が能動性を発揮したのには、状況把. 児の内面に「知りたし、J r 遊びたし、J r やってみたし、」. 握が鍵となったと考えられる。抽出児は要求を叶え. などの衝動的な要求が生じ、この要求を叶えるため. るために観察や模倣を通して状況を把握しようとす. の観察や模倣といった行動的働きかけがみられた。. るのだが、状況を把握できないと次の行動的働きか. 幼児は五感を働かせたり身体を同調したりして、. けがみられないことがあった。場面 2で豆役として. 「何をどうやるのか Jr 本当にそうなのか」 と活動を. 移動できずに困惑した勇太、場面 3で耕平の描き方. 観察し、「それをやるとどうなるのかJ r それをやる. とし、う形態だけを模倣していた勇太、場面 4で豆の. ということはどういうことなのかJ と自分で実際に. 動き方がわからずに困惑した直人である。場面2で. やってみる模倣を通して活動の状況を把握していっ. は研究協力者がどのように移動するのかとしづ問題. 遊 た。状況が把握できると、幼児は「できそう J r. の解決法を提示することで勇太は移動方法を見出し、. べそう J r 描けそう J と感じ、活動に参加するため. 遊びに参加できるようになった。場面 3では友だち. の行動的働きかけがみられた。. が勇太の描いた豆の色に応じたイメ ージを言語化す. 結果、最初の遊びの動きを勇太は「水に入れて白. ることで勇太は状況を理解し、色と豆のイメージの. くてぷっくり膨らんだお豆さん」のイメージを表わ. 関係を把握して多彩な色を使って豆を描くようにな. すために 3人が重なる身体表現に、直人は「ほそー. った。場面 4では有紀が具体的動きを提案すること. 3 4.

(11) わらべうたを土台とした表現活動の事例にみられる幼児の能動性(小林佐知子). で直人は豆の動き方を見出し、豆になりきって動い. 児の要求を重視し、幼児の状況把握を促進するとし、. て遊ぶようになった。幼児が自分では状況を把握で. う点で有効だ、ったのではないかと考える。ひとつは、. きないとき、以上のような他者との関わりによって. 何よりもわらべうたが遊ぶためのうたであるため、. 状況を把握することができ、次の行動的働きかけに. 「遊びたし、」という子どもがもっ遊びへの衝動的な. つなげることが可能となるということがある。. 要求が生じやすいことがある。もうひとつは、わら べうたは子どもの遊びうたとして伝承されてきた文. w 結論と考察. 化財であるため、幼児がわらべうたで遊ぶ状況を把. 本研究の目的は、デューイの経験概念に着目して、. 握しやすいことがある。さらに、わらべうた遊びに. わらべうた遊びを土台とした表現活動では、幼児が. は完成形がなく作り替え続けられるため、幼児が満. いかに能動性を発揮するのかを事例分析を通して明. 足いくまで、もしくは成長に応じた行動的働きかけ. らかにすることだ、った。分析の結果、幼児の能動性. の対象になり得る文化財である。本事例で勇太は. は、衝動的な要求を叶えるための活動の観察や模倣. 「水に入れて白くてぶつくり膨らんだお豆さん」、直人. といった行動的働きかけによって自分が置かれてい. は「ほそーいお豆さん」のイメージで遊びの動きを作. る状況を把握すると、活動に参加するといった次な. り替えたが、これらのイメージをさらに作り替えて新. る行動的働きかけが現われるというように発揮され. たなお豆さんで遊んだり、続きのお豆さんを作って. ることが分かった。ただし、幼児が自分自身で状況. 遊んだりする可変性がわらべうたにはある。このよ. を把握できないときも、問題解決法の提示やイメー. うな特性をもっわらべうた遊びを土台にすることに. ジの言語化、具体的動きの提案といった他者との関. よって、幼児の能動性発揮が促進されたと考える。. わりによって状況を把握できると、次なる行動的働. 本研究では、事例分析を通して抽出児の能動性発 揮の構造図を導いた。今後は、仮説としての能動性. きかけにつながることが分かつた。 このように、幼児が発揮する能動性は要求から生 じる行動的働きかけの連続によって更新していく点. 発揮の構造図の妥当性について、実践研究を蓄積し て検証していくことを課題としたい。. で、能動性発揮を起動する幼児の要求を重視する必 要があると考える。しかし幼児の内面に要求が生じ. 注. ると、必ず行動的働きかけがみられるわけではなかっ. 1 ) 無藤隆・汐見稔幸編 ( 2 0 1 7 ) W幼稚園教育要領保育所. た。場面 1の《まめがら》で遊ぶ場面で筆者が状. 保育指針幼保連携型認定こども園教育・保育要領は. ∞. 況を変えたとき、勇太は変化した状況を把握できず. やわかり B KJl学陽書房, p .8. に困惑しながら状況を観察するばかりだ、ったが、直. 2 ) 学校教育法第22 条( 2 0 1 9 . 6 . 1 8閲覧). 人は困惑することなく遊びに参加し続けていた。こ. http://www.mext .go.jp/b_menu/shingi/chukyo/. のことから、幼児が状況を把握できていると観察や. / 002/001.htm chukyo3/026/siryo/07072701. 模倣をすることなく、即、活動に参加する場合があ. 3 ) 文部科学省 ( 2 0 1 8 )W幼稚園教育要領解説』フレーベル. るといえる。逆にいえば、観察や模倣によって状況. 館 , p p .1 4 ・ 1 5. を把握しようとするのは、幼児が困惑状況にあると. 4 ) 向上書, p .1 5. もいえる。幼児は経験の量が少ないため、大人に比. 5 ) デューイ(松野安男訳) ( 2 0 0 8 :初 1 9 7 5 )W民主主義と教育. 想定される。 べて状況を把握することが難しいことカ、i. (上)Jl岩波文庫, p .2 2 2. しかし、だからといってただやり方を教えればよい. 6 ) 向上書, p .240. というものでもない。幼児自身が自ら観察や模倣を. 7 ) デューイ(松野安男訳) ( 2 0 0 9 :初 1 9 7 5 )W民主主義と教育. するということが重要だとしづ側面がある。保育者. p .1 18 -1 1 9 (下)Jl岩波文庫, p. には、幼児の経験量を考慮して、幼児の要求を叶え. 8 ) 前掲書3 ),p .1 3. て行動的働きかけにつなげられるように、状況把握. 9 ) 同上書, p .1 3. を促進する環境構成を行うことが求められる。. 1 0 ) 同上書, p p .1 3 -14. 能動性発揮を促進するための活動内容としては、 本研究で表現活動の土台としたわらべうた遊びは幼. 1 1 ) ジョン・デ.ューイ(栗田修訳) ( 2 0 1 0 )W 経験としての芸. . 65 術』晃洋書房, p. -35-.

(12) 学校音楽教育研究. 第2 4 巻. 2 0 2 0 年. 5 6. 1 2 ) 前掲書5 ),p .1 2 2 1 3 ) 前掲書 1 1 ),p.6 5. 1 9 ) 前掲書3 ),p .1 4. 1 4 ) 民族音楽学者の小泉文夫はわらべうたの特徴として、. 2 0 ). 単なる歌だけで なく必ず遊びと結びつ いていること、. J . デュ ーイ( 市村 尚久訳) ( 2 0 1 9 :初2 0 0 4 )~経験と教育』. 講談社学術文庫, p .4 7,p .6 0. わらべうたがいつ で もつながっていくのは作り替えた. ),p.2 2 2 2 1 ) 前掲書5. 結果であることを挙げる。. 2 2 ) 同上書,p .2 2 2. 小泉文夫 ( 1 9 8 6 )~子どもの遊びとうたーわらべうたは. 2 3 ) 向上書,p.2 2 2 1 ),p.5 0 2 4 ) 前掲書 1. 生きている』草思社,p.9 0,p.1 5 0. 1 5 ) 神谷栄司 ( 2 0 0 4 )r 幼児の想像発達における精神的なも I Iト 身ぶり表現の哲学的 ・心理学的分 のと身体的なもの ( 析J~社会学部論集』 鰐9号,傍教大学社会学部, p p .8 3 9 6. 1 6 ) 牧亮太-湯海正通 ( 2 0 1 1 )r 幼児の遊びにおけるからか. ),p .1 1 8 2 5 ) 前掲書7 0 ), p .7 0 2 6 ) 前掲書2 ),p .2 3 2 2 7 ) 前掲書5 2 8 ) 前掲書2 0 ),p.6 4. いの機能 J~保育学研究』第49巻第 2 号,日 本保育学会 ,. 2 9 ) 前掲書7 ),p.1 1 8. p p.1 46 -1 5 6. , p .1 1 8 3 0 ) 向上書. 1 7 ) 尾見敦子 ( 2 0 0 1 )r 幼児教育におけるわらべうたの教. ),p .2 0 1 3 1 ) 前掲書5. 育的意義 J~JII 村学園女子大学研究紀要』第 12巻第 2 号,. ),p .1 1 9 3 2 ) 前掲書7. p p .6 9 8 9. 3 3 ) 向上書,p .1 1 9. 秋山浩子 ( 2 0 0 0 )r 子どもの感情の発達を促すわらベう たJ~第53回日本保育学会大会研究論文集~ ,p p.716 717 和田幸子 ( 2 0 0 8 )r わらべうたを用いた保育実践の現状と 課題J~生活科学研究誌』第 7 巻, 大阪市立大学:, pp.2 3 3 2 4 1. 1 8 ) ((まめがら》は豆を題材 にしたわらべうたである。 日本では、節分で季節が変わる前に邪気を払うために. 3 4 ) 杉浦美朗 ( 2 0 0 η 『真の知の教育ーデューイ教育学の 再構築』風間書房. 3 5 ) 同上書,p p .3 7 43 3 6 ) 前掲書 1 1 ),p.6 5 4 ),p p .3 74 3 3 7 ) 前掲書3. .3 8 3 8 ) 向上書,p. 大豆を撒く文化が伝承されてきた。 ((まめがら》が表. ),p .1 3 3 9 ) 前掲書5. わす情景には諸説あるが、畑他によるとそのひとつに. .デューイ ( 市村尚久訳) ( 2 0 0 9 : 初1 9 9 8 )~学校と社会・ 4 0 )J. 「おなべの中で、豆をいる音が、『ガラガラ、ゴロゴ、ロ』 と聞こえてくるような歌 j. という説がある 。 この説に. 子どもとカリキュラム』講談社学術文庫,p.1 0 8. p . 1 0 7 1 0 8 4 1 ) 同上書,p. よる具体的な遊び方は、① 3人組になり、 2人は両手を. .1 7 1 4 2 ) 向上書,p. つないでお鍋を作り 1人は豆になってその中に入る 、. 4 3 ) 発達障害や不登校など 、課題のある子どもへの支援. ②両手をつないだ 2人が中に入っている子どもを左右. に取り組む保育所等訪問支援員には、抽出児の課題を. に振り、うたの終わ りで次のお鍋に送り出す、という. 発達の視点から分析 し、実践への助言、参加 とい う形. ものである。本研究保育では、フライパンで豆を妙る. で協力いただいた。. 体験を したため、 2人で作る 輸 をフライパンに見立て た。 ((まめがら》遊びのおもしろさは、等拍が生み出 す揺れを友だちと 共有する一体感と、うたの終わりの 「くるりとまわれJ で豆役の子どもが自由に動き回ると. ω. ま めがら. ま た. 大会自由研究での口頭発表に基づいている。. 用を快諾いただきました園長先生をはじめ先生方 、園 児とその保護者の皆様に心より 感謝申 し上げます。. がらがら. ヰ耳一幸. 主 ヨ. 匡 ヨ. ・本研究は 2 0 1 9 年日本学校音楽教育実践学会第 2 4回全国. ・本研究の研究保育実施にご協力賜り、論文への事例使. 百三. 亘ヨ霊童. 謹 一 日. きの解放感にあると考えられ る 。 A -. 付記. て くん. ぐ り. く る. り と. まわれ. 畑玲子 ・知念直美 ・大倉三代子 ( 2 0 1 8: 初1 9 9 5 )~幼 稚 園 ・保育闘のわらべうた ・あ そ び 秋 ・冬』明治図書,p .. -36-.

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