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822 Vol.55 No.7 JUL. 2021 目的:転倒は介護施設において安全に関する最も一 般的な懸念事項の1つである.本研究の目的は介護 施設入所者における環境ハザードと転倒リスクの関連 を評価することである. 方法:本研究は縦断観察研究(追跡期間:12か月)で ある.上海市の中心地にある25の介護施設で,合計 739名の高齢者が参加した.そのうち,1年間追跡する ことができたのは605名であった.環境ハザードは75 項目の環境評価チェックリストを使用して測定し,環境 ハザードと転倒の関連は単変量および多変量ロジス ティック回帰モデルを用いて解析を行った. 結果:転倒発生率は1人あたり0.291,一介護施設あた り環境ハザードが平均11個であった.最も一般的な環 境ハザードは,不適切な手すり[全介護施設の96%,転 倒のオッズ比(95%信頼区間)=1.88(1.13~3.66)],安 全でない床[全介護施設の92%,転倒のオッズ比(95% 信頼区間)=2.50(1.11~5.61)],不十分な電灯[全介 護施設の84%,転倒のオッズ比(95%信頼区間)=2.01 (1.10~3.66)]であった.環境ハザードは寝室(全介護 施設 の96%),共有トイレ・シャワー( 全介護施設 の 80%),個室トイレ・シャワー(全介護施設の68%)に最も 多く見られ,それらは介護施設間の転倒発生の違いの うち,20%の寄与率であった.入所者個人の内的要因 や行動要因で調整後,8項目以上の環境ハザードが該 当していると転倒リスクが高まることがわかった[調整 後オッズ比=4.01(1.37~11.73)].環境ハザードと夜間 のトイレの相互作用が転倒と有意に関連していた[調 整後オッズ比=5.97(1.10~32.29)]. 結論:転倒に関連する環境ハザードが高い確率で介 護施設に存在していることが明らかとなり,これにより 介護施設における環境面の安全性を改善することが 喫緊の課題であること,転倒予防のため環境安全政策 や人的も含めた資源配分,介入の必要性を示すことが できた.

目的:A Very Early Rehabilitation Trial(AVERT) の大規模データを用いて,脳卒中後の独立歩行に影響 する脳卒中前および脳卒中後急性期に関連する要因 を明らかにすることを目的とした. 方法:本研究の対象はAVERTに参加した脳卒中者 であった.アウトカムは発症後3か月までの他者の補助 なしでの50 m独立歩行の達成であった.先験的に定 義された一連の因子[人口統計因子:年齢,性別,利 き手,脳卒中前因子:高血圧,虚血性心疾患,高コレス テロール血症,糖尿病,心房細動,脳卒中関連因子: National Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS) スコアによる脳卒中重症度,脳卒中の種類,虚血性脳 卒中の部位,脳卒中の半球側,血栓溶解療法の有無] について,原因別競合リスクCox比例ハザードモデル を用いて,独立歩行までの日数との関連を調べた.そ れぞれの効果量を,年齢,脳卒中の重症度,AVERT 介入で調整した原因別調整済みハザード比(cause— specific adjusted hazard ratio:caHR)で算出した. 結果:合計2,100人の脳卒中患者(年齢の中央値73 歳,NIHSS平均スコア7,データ欠損1%未満)を対象と した.50 m単独歩行までの期間の中央値は6日(四分 位範囲2~63)であり,3か月までに75%の患者が独立 歩行を達成した.自立歩行 への回復遅延は,高齢 (caHR 0.651),糖尿病(caHR 0.836),重度の脳卒中 (caHR 0.094),出血性脳卒中(caHR 0.790),右半球の 脳卒中(caHR 0.796)と関連していた. 結論:限定された集団からの結果ではあるが,独立歩 行回復を制限する重要な因子について大規模データ からのエビデンスが得られた.これらの所見は,特に 出血性脳出血および重度の脳卒中患者を対象とした個 別の行動プログラムの必要性を強調するものであった.

文 献 抄 録

介護施設入所者において環境ハザードは 転倒リスクを高める―上海(中国)における 縦断研究

Jiang Y, et al:Environmental hazards increase the fall risk among residents of long‒term care facilities:a prospective study in Shanghai, China. Age Ageing 2021 ;50:875‒881

澤 龍一

順天堂大学保健医療学部理学療法学科

脳卒中後の自立歩行獲得までの日数に関 連する因子

Kennedy C, et al:Factors associated with time to independent walking recovery post‒stroke. J Neurol Neurosurg Psychiatry 2021 Mar 17:jnnp‒2020‒325125 . doi:10.1136 /jnnp2020 -325125

春山幸志郎

順天堂大学保健医療学部理学療法学科 神経 地域 ©IGAKU-SHOIN Ltd, 2021 2021/07/10 04:03:30

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823 Vol.55 No.7 JUL. 2021

目的:Locomotor Experience Applied Post—Stroke (LEAPS)ランダム化比較試験の二次分析である.分 析の目的は第一に,介入セッション数が連続的に増え れば増えるほど歩行速度と歩行距離が大幅に改善さ れるか.第二に,歩行障害が重度な患者ほど歩行の 改善により多くのセッションを必要とするかを明らかにす ることである. 方法:地域在住の18歳以上の脳卒中患者で,少なくと も一人介助で3 m歩く能力を有する者を対象とした.ト レーニング内容は,課題指向的歩行練習(トレッドミルを 用いた部分免荷と地上歩行)および在宅での筋力強化 とバランス練習の2種類であり,いずれの練習も負荷は 漸増的で,患者は90分間,週3回,12週間で36セッショ ンのトレーニングを受けた.アウトカムは,10 m歩行速 度と6分間歩行距離の変化をトレーニングの前と12,24 および36回のセッション介入後に評価した. 結果:347名が分析の対象となった.分析比は,発症 後2か 月 の 時 点 で 歩 行 訓 練 を 開 始 し た early locomotor training program(E—LTP)群33.7%,6か 月の 時点 で 歩行練習を 開始し たlater locomotor training program(L—LTP)群32.3%,2か月時から在 宅でトレーニングを開始したhome exercise program (HEP)群34.0%であった.歩行速度に関しては,歩行 障害の重症度に関係なく,最初の12セッション終了後に 3群とも有意に改善し(P<.0001),次の12セッション (13~24)後は中等度歩行障害のL—LTP群以外のす べての群でさらなる改善が得られた.しかし,25~36 セッション後は,重度E—LTPと中等度・重度L—LTP群 のみ改善していた.歩行距離に関しても同様の結果 であり,25~36セッション後に有意な改善が得られたの は,重度E—LTP,中等度HEPと中等度・重度L—LTP 群のみであった. 結論:脳卒中発症後2か月と6か月後にトレーニングを 開始した患者における24回の課題指向的歩行練習ま たは筋力およびバランス練習は,歩行能力の改善に有 効であった.しかし,それ以降の介入では,主として重 度歩行障害群で効果が得られた.患者がいつプラトー に達しているかを正確に評価するためには,治療に対 する反応を経時的に追跡していくことが不可欠である. 目的:脳卒中後片麻痺患者の体幹機能,立位バランス と歩行に対するCore Stability Training(CST)の有

効性を調べる. 方法:脳卒中発症後1か月以上6か月未満で80歳以 下の入院患者32名を,課題指向的に従来の理学療法 のみを行う群(対照群16名)と,従来のプログラム+ CST群(介入群16名)に無作為に振り分けた.トレー ニングは週5日,60分間施行し,介入群では60分のうち 20分をCSTに割り当てた.CSTプログラムとしては, 腹横筋の活性化と脊柱の安定性向上を目的とする腹 部引き込み運動(abdominal drawing—in maneuver: ADIM)と選択的骨盤運動を採用した.ADIMは,骨 盤や脊柱を動かさずに下腹部を引き込む運動であり, 選択的骨盤運動は,座位で骨盤の前後への傾斜・左 右への側屈および回旋運動を,最大範囲まで繰り返し 行わせた.主要アウトカムは,静的および動的座位バ ランスと体幹の協調性をTrunk Impairement Scale (TIS)で評価した.副次アウトカムとして,矢状面にお ける自動的骨盤傾斜角度,包括的バランス能力をThe Balance Evaluation Syastem Test—brief version (Brief—BESTest),Functional Reach Test(FRT),

Timed up—and—Go テ スト(TUG), 歩 行自立 度 を Functional Ambulation Categories(FAC)により介 入前と4週間の介入後に評価し,効果を比較した. 結果:両群で静的座位バランスを除いたすべての項 目で,有意な改善が得られた.しかし,対照群と介入 群の結果を比較すると,静的座位バランスとFRT以外 の項目で介入群 が 対照群より有意に改善していた; TIS合計点(P<.001),TIS動的バランス(P=.002),自 動 的 骨 盤 傾 斜 角度(P < . 001),Brief—BESTest(P <.001),TUG(P=.008),FAC(P=.022).有意な「時 間×条件」の交互作用を認めたアウトカムでは,強い効 果量(>0.80)と0.80を越える検定力を示した. 結論:約6.5時間(1日20分/20日)のCSTと選択的骨 盤運動により,体幹機能が向上し,立位バランスと歩行 の改善が得られた.脳卒中後片麻痺患者に従来の理 学療法プログラムにCSTを取り入れることは有意義で あることがわかった. 脳卒中の歩行機能に対する歩行練習と筋 力強化およびバランス練習の効果―トレー ニングセッション数に対する反応

Rose DK, et al:Locomotor training and strength and balance exercises for walking recovery after stroke:response to number of training sessions. Phys Ther 2017;97:1066‒1074

有田拓海

医療法人相生会福岡みらい病院リハビリテーションセンター

神経

脳卒中患者の体幹機能,立位バランスと歩 行能力に対するCore Stability Training の効果―ランダム化比較試験

Haruyama K, et al:Effect of core stability training on trunk function, standing balance, and mobility in stroke patients:a randomized controlled trial. Neurorehabil Neural Repair 2017; 31:240‒249

西 浩平

医療法人相生会福岡みらい病院リハビリテーションセンター

神経

参照

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