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エコマップを活用した重度障害者の地域生活支援の方法 : 青葉園の場合

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Academic year: 2021

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(1)エ コマ ップ を活用 した. 重度障害者 の地域生活支援 の方法 ―― 青葉 園 の場合一一. 三. 毛. 美予子. How Can an Eco― Map be Used to Support Scvcrcly]Disabled Pcople Living in the ColmⅡ lunity?: The Case of Aobacn. MIKE Miyoko Abstract: The purpose of this article is to show the way to usc an eco― map to support the liveふ of severely disabled people living in the community by rescarching social work practice in Aobacn.The cco―. map is one. of the diagrammatic assessment tools in social worko Aobacn is an institution for disabled people. The staff of Aobacn help disabled people to live in the community in many ways; the eco―. map was introduced as one. of the ways to help them。 This study identifies two elements in the way of using the eco―. map in Aobacn.One is `the development of. a final form of an eco― map'。 It is the process and means to develop an eco― map so as to show social re― sources of peculiar valuc to the disabled people of Aobaen.The other is `t五. al of a final fo劇 田l of an eCo―. map',. which is the process and means of explo五 ng how to use the final fom of the eco― map in helping living in the community. In the article,the author explains these two elements and other concepts and proposes impli― cations for the way of using the eco― map to support handicapped people living in the community.. の 質 を円や矢 印 な どの 図 ・記号 を使 って視覚 的 に表す. は じめ に. もので あ り,ク ライエ ン トをめ ぐる問題状況 の アセ ス メ ン トや介入計 画 に用 い られ る (Ha■ man,1978)。 社. 西宮市 にあ る身体 障害者通所授 産施設 「青葉 園」 で. 会福祉援助技術 のテキス トブ ックで は必ず紹介 されて. は,親 と一 緒 に,ま たは,自 分 一 人で西宮市 に暮 らす. い るほ ど,一 般 的 で重 要 なツール で あ る。 日本 で は. 心 身 に重 い 障害 を持 つ 人 たちが ,地 域 での暮 ら しを拓. 高齢者施設 や知 的障害者施設 にお い て ,エ コマ ップを. くため に様 々 な活 動 に取 り組 んで い る。 この 青 葉 園. 活用 した社 会福祉 実践 に関す る研 究が報告 されて い る. で ,施 設 を利用 して い る一 部 の 障害 を持 つ 人たちに対. (宮 崎 ・松 崎 ,1995;岡. ,. 本 ほか ,1992;戸 塚 ,2001)。. して ,ソ ー シャル ワー クの アセス メ ン トツー ルで あ る. 筆 者 は,2001年 の 秋 よ り,青 葉 園 に通 所 す る 障 害. エ コマ ップを地域生 活支援 に取 り込 み支援 に活 かす 活. を持 つ 人 たちの なかで比較的障害が軽 い 人 たちが属す. 動 が 試 み られて い る。 この研 究 は,重 度 障害 を持 つ 人. る夢 グル ー プ と呼 ばれ るグル ー プの活動 に,ボ ラ ンテ. の地域生活支援 にエ コマ ップを活 かす 方法 を,質 的調. イア,あ るい は,参 与観察者 として 関与 しなが ら,地. 査法 に よって示す こ とを 目的 として い る。. 域生活支援 の方法 を探 ってい る。地域生活支援 とは. ,. エ コマ ップ とは,A.ハ ル トマ ンが 開発 した ソ ー シ. 親 と同居 し施設 に入 所 して い る障害 を持 つ 人が ,自 分. ャル ワー クの アセス メ ン トの ツールの 1つ で ある。個. の住 み慣 れた地域 で ,将 来誰 とどの よ うに暮 ら して い. 人やそ の家族が関係 す る様 々 な環境 とそれ らとの 関係. くのか とい う こ とを,社 会福祉援助者が共 に考 えその.

(2) 甲南女子大学研究紀要第 40号. 人間科学編 (2004年 3月. H月. ). にか け て ,デ ー タ分 析 は 2002年. 実現 を支援 してい く活動 であ り,障 害者福祉 の大 きな. ら 2002年 の. 1つ の課題 となってい る。近年 の青葉園 におい て も. 月 か ら 2003年 8月 にかけて実施 して い る。. ,. 3. 障害 を持 つ人 自身の高齢化 と介助者 である同居 の親 の 高齢化 とい う要因 によつて,本 人が 自分 の将来 の生活. Ⅲ。 研 究 結 果. をどの よ うに考 え どの よ うにそれ を実 現 して い くの か,家 族や施設職員がそれをいかに支援 してい くか と. 青葉園 ・夢 グループにおいて,地 域生活支援 にエコ. い うことが ,よ り切実な問題 となって きてい る。エ コ. マ ップを活用す る実践 は,① 青葉園通所者 の地域生活. マ ップは,そ う した地域生活支援 を促す 1つ の手法 と. を支えるのに重要 だ と思 われ,か つ,通 所者 に共通 し. して取 り入れ られ始めた新 しい試 みである。. た社会資源 と評価 ポイ ン トを網羅 した く青葉園バージ. ことは,今 日の障害者福祉分野 における大 きな研究課. ョン・エコマ ップ〉を開発 し,② それを各職員が使い こなし実践への活用の仕方を模索する, という2つ の. 題 である。 また先述 したように,障 害者福祉分野 で も. 過程 を経 て い る こ とが 見 出 され た。 こ こで は,各 々. エ コマ ップを活用 した実践 の研究 は報告 されて い る. を,① 定型 エ コマ ップの 開発 ,② 定型 エ コマ ップの試. が,そ の具体的な方法 や活用過程 など示 した研究は発. 行 とカテ ゴ リー化 した。 この 2つ は,時 間 の流 れ を伴. 表 されてい ない。. ったプ ロセス と しての側面 を持 ちなが ら,地 域生活支. 障害 を持 つ人の地域生活支援 の方法 を明 らかにする. 以上のような理由か ら,本 稿 では,重 度障害 を持 つ. 援 にエ コマ ップを活用す る方法 で もあるので ,プ ロセ. 人の地域生活支援 にエ コマ ップを活用す る方法 を明 ら ことを目的 とする。重度障害者 の地域生活支 かにする´. ス的方法 と位置 づ け られる。 つ ま り,エ コマ ップの地 域生活支援 へ の活 用 は,定 型 エ コマ ップの 開発 とその. 援 に,エ コマ ップをどのように組み入れてい き, どの. 試 行 とい う プ ロ セ ス 的方 法 を経 て 行 わ れ る。次 に. ように活用すればよいのだろ うか。 どのような点 に注. 各 々の プ ロセス的方法 につい てデ ー タ分析 に よって明. 意 して,エ コマ ップを取 り入れ活用 していけばよいの だろ うか。 こうしたことを解明 しようとする本稿 は. らか になった内容 を記す。. 青葉園 における地域生活支援 のあ り方 を,質 的調査法. 1.夢 グル ー プ通所 者 の障害特性. ,. ,. によって明 らかにしようとする調査研究全体 の なかの. 夢 グ ループ に属す る通所者 のほ とん どが 脳性麻痺 を. 一部 の報告 であるが,障 害 をもつ 人に対する地域生活. 起 因 とす る障害 を持 ってい るが ,定 型 エ コマ ップの試. 支援 の方法 の一部 を示す もの となるであ ろう。. 行 に関係 す るのが ,理 解力 と音声言語 の表現 に関す る 障害 で あ る こ とが 見 出 されたので ,こ こで は,こ れ ら につい て説明す る。. 研 究方法. 理解力 に関 しては,複 雑 な 日常会話 を理 解 で きる人 青葉 園 ・夢 グ ル ー プ には,現 在 21名 の 通 所 者 が 所. はメ ンバ ー全体 の 3分 の 1程 度 , 日常会話 を理 解 で き. l。 デー タ 属 してお り,8名 の 職 員 が配 属 され て い る. る人 とおおむね理 解 で きる人が それぞれ 3分 の 1程 度. 収集 の対象 は,夢 グルー プに属す る これ らの 全通所者. で あ る。. と職員 で あ る。 デ ー タは,職 員 と通所者 の面接場面 と. 次 に,音 声言語表現 につい て ,障 害 のため に制 約 が. 職員 らの会合 にお け る相互作用 の参与観察 ,職 員 に対. あ る人 たちが ほ とん どで ある。初 めて会 った第 三 者 に. す る質的 イ ン タビュー ,職 員が作 成 した資料 や記録 な. もわか る よ う に,自 分 の音 声 で 明 瞭 に言 葉 を発 した. どに よって収集 した。収集 したデ ー タは,職 員 を分析. り,時 間 をかけず に自分 の意思 を音声化 した りで きる. ポ イ ン トと して分析 して い る。職員 と通所者 の相互作. 人 は ,非 常 に限 られ て い る。「はい ,い い え」"と い う. 用 にお け る職 員 の 行 為 ,職 員 間 の 相 互 作 用 にお け る. 返事 はで きて も音声 で単語 や文 章 を発話 で きない 人が. 個 々の職員 の行為 の意味 ,そ の行為 の背景 や行為 を促. い るが ,そ うい う人 の場合 は,返 事 に加 えて ,文 字盤. した判 断 に注 目 して ,デ ー タを コー ド化す る こ とで解. や トー キ ングエ イ ドを使 って 自分 の思 い や考 えを表現. 釈 した。 コー ド化 にあたっては,既 存 の ソー シヤル ワ. した り,身 振 りや手振 りで表現 した りす る。 しか し. ー クの概念 でデ ー タを解釈 で きる場 合 は それ を用 い. 文字盤 や トー キ ングエ イ ド,身 振 りや手振 りを使 って. ,. ,. 既存 の概念 では解釈 で きない現 象 の場 合 ,グ ラウ ンデ. も,自 分が表現 した い意思 や感情 を余す ところな く伝. ッ ド・セ オ リー ・ アプ ロー チの方法 を用 い て ,カ テ ゴ. え られて い る訳 で はな く,本 当 に伝 えた い こ とを伝 え. リー を新 た に生成 した。 デ ー タ収集 は 2001年 10月 か. られて い るか とい う と,そ こには 限界が ある。 また. ,.

(3) 三毛美予子 :エ コマ ップを活用 した重度障害者 の地域生活支援 の方法. 返事 に加 えて単語 や短文 を発話 で きる人 もい るが ,単. メン ト・ポイ ン トを記 したエ コマ ップの定型 を開発 す. 語や短文 の発話 で 自分 の意思 や感情 を十分 表現 し,聞. ることを意味す る。青葉園 におけるエ コマ ップの地域. き手が理 解 で きる よ うに話 せ てい るわけで はない 。意. 生活支援へ の活用 は,ま ず定型エ コマ ップの開発か ら. 思 や感情 を適切 な言葉 に置 き換 える こ とが 難 しくて言. き取 る側 が理 解 で きなか った りす る場合 もある。 さら. 始まったのである。ここでは,① 定型エコマップ開発 の背景,② 定型エコマップの開発方法,③ 定型エコマ ップについて説明する。 1)開 発 の背景. に,音 声言語 による表現 はで きず ,顔 の表情 や 身体 の. 定型 エ コマ ップの 開発 に関 しては,地 域生活支援 に. 動 きを使 っての「はい ,い い え」 のみで会話す る人 も. エ コマ ップ とい うツー ル を採用 した事 ,及 び,そ の エ. い る。. コマ ップが 定型 エ コマ ップであ る事 に関 して ,別 々の. 葉 に詰 まる人や ,音 声表現 はで きて も発音が明瞭で な く聞 き取 りに くか った り,そ れが何 を意 味す るのか 聞. 背景 が 見 られたので ,こ の 2つ を分 け て述 べ る。. 2.エ コマ ップ を活用 した地域 生活支援 の プ ロセ ス 的 方法. ○○ さん. (1)定 型 エ コマ ップの 開発. eco map(made by 作 成者名. ). ①本人の将来展望. 社会福祉 実践 の場 で は,エ コマ ップは,一 定 の フ ォ ーマ ッ トな しに,何 も書 かれて い ない紙 の上 に,利 用. ②家族 との関係性. ため にエ コマ ップを しば しば書 くが ,そ の病 院 の入 院. ③支援者組織 との関係性 ③ -1.青 葉園 ③ -2.か めのすけ ③ -3.青 葉福祉会 ④事業団. 患者 に特有 の エ コマ ップの様 式 を持 ってい るわ け で は. ⑤ きんと―ん. な く,個 々の 患 者 に応 じて一 か ら作 成 す る こ とが 多. ⑥地域 との関係. 者個 々 に応 じて書 かれ る こ とも多 い 。 た とえば,病 院 の ソー シャル ワー カー な どは,患 者 の アセ スメ ン トの. い。 しか し青葉 園 の場合 は,単 に職 員 が エ コマ ップの 書 き方 を習得す るので はな く,図 1に 示 した よ うな青. ⑦ ショー トステイ. 葉 園バ ー ジ ョン・エ コマ ップ と呼 ばれてい る一 定 の様. ③医療機関. 式 を持 った フ ォーマ ッ トを開発す る こ とが ,ま ず行 わ. 〈見えてきた事柄 〉. れた。定型 エ コマ ップの 開発 とは ,そ の施設 の通所者 に特有 の社 会資源 を網羅 した エ コマ ップ とその アセス. 図 1-2 青葉園バージ ヨン・エ コマ ップ. 〇. 凡例. 普通 強い 消失 課題. □男 ○ 女 図. 1-1. 青葉 園バ ー ジ ヨン・エ コマ ップ.

(4) 甲南女子大学研究紀要第 40号. 人間科学編 (2004年 3月. ). 青葉 園通所者 の地域生活支援 にお い ては,職 員 が 考. こ とは,交 代 時 に,前 任 の担 当職員 か ら後任者 に対 し. え取 り組 まなければな らない具体 的 な実践課題 が い く. て ,通 所者 の特徴 や状況 ,こ れ まで の支援 の全体像 や. つ かあ るが ,そ の 1つ が ,支 援者 の組織化 で あ る。 こ. 反省 点 や課題 とい った情 報 が 質 ・量 と もに引 き継 が. れは,施 設 内外 の誰 がその通 所者 の地域生活構築 と実. れ ,こ れ らが 活 か され て い くこ とが 大 切 で あ る。 ま. 現 を支援 す るメ ンバ ーの一 員 であ り,各 々の メ ンバ ー. た ,病 院 での ソー シャルワー クの よ うに利用者が 1ケ. が どの よ うな責任 と役割 を持 つ のか とい う こ とを明確. 月 や数 ケ月単位 でサ ー ビス利用 を終 えるの はな く,通. に しつつ ,施 設 内外 の福祉 ・保健 ・医療 の 関係者 か ら. 所者 は数年数十年単位 で施設 を利用 し続 け る。 こ う し. 成 る支援者 の集 団 を作 りあげ て い くこ とで あ る。通所. た長期 のサ ー ビス利用 の一 方 で ,職 員 の交代 サ イクル. ・ のみで 行 うの で は な 者 の 地域 生活支援 は ,担 当職員. が存在 して い るので ,情 報 の 引 き継 ぎをスム ーズ に行. い 。夢 グループ内 の役付 きの職員 , と くに,地 域生活. う こ とに よって ,支 援 の継続性 を保 つ こ とは,施 設 と. 支援 にかかわる役付 きの職員 も共 に行 う。 また ,通 所. して重要であ る。 そ して ,支 援 の継続性 を保証す るの. 者 は青葉 園 のみ を社会資源 と して利用 して い るので は. は ,記 録 で あ る。 しか もそれ は,書 き方が職員 に よっ. な く,居 宅介護 や障害者生活支援事業 な どの青葉 園以. て異 なるので はな く,あ る一 定 の形式 の元 に書 かれて. 外 の社会資源 も利用 して い るので ,地 域生活支援 は青. い たほ うが引継 ぎはスム ーズ にい くので ,定 型化 され. 葉 園内 で完結す る もので はな く,施 設外 の福祉 ・保健 0医 療 の施設 ・機 関 の援助者 も関係す る。 こ う した状. た ものが 好 まれ る。. 況 で必 要 なのは,個 々の青葉 園職 員や外部 の援助者 が. マ ップ作成 の面接 内容 や アセ スメ ン ト・ ポ イ ン トに差. ば らば らに支援 す るので はな く,日 標 や 方針 が共有 さ. 異 が で な い よ う に,支 援 に一 定 の 質 を保 つ こ とで あ. れた組織 と して支援 す る ことで あ り,こ こに支援者 の. る。 エ コマ ップが 定式化 されて い れば,面 接 や アセス. 組織化 が地域生 活支援 における 1つ の課題 と して浮上. メ ン トで最低 明確 に しなければな らない こ とは ,漏 れ. して くる。 そ して ,支 援者 の組織化 で は,単 に関係者. な くな され る可 能性 が 高 くな る。. が 集 まれば いいの ではな く,組 織 の 中 での責任 と役割. 2)定 型 エ コマ ップ開発 の方法. 2つ めの支援水準 の均 一 化 とは,職 員 に よって エ コ. 分担 を明確 にす る こ とが ポ イ ン トであ る。 エ コマ ップ. 以上 の よ うな背景 で ,定 型 エ コマ ップの 開発 が 目指. に よって ,通 所者 の利用 して い る社会資源 の 全体 ,そ. され たのだが ,エ コマ ップに関 しては,ほ とん どの職. の なかで地域生活支援 の核 となる もの ,そ して ,各 々. 員 に知識が なか ったので ,そ の学習 が ,研 究会 で まず. の社会資源 の 関係性 の全 体性 が描 かれれば,社 会資源 の 中の どの施設 ・機 関 の誰が支援者組織 の メンバ ー と. 行 われた。 この研 究会 とは,グ ループでの実践課題 の なかか らテ ーマ を見 つ け,そ れ につい て解 明 ・議論す. なるのか ,各 メ ンバ ーが どの よ うな役割 と責任 を もっ. るための職 員 の 集 ま りで あ り,青 葉 園内 で システム化. て地域生 活支援 にかかわるのか , とい う ことの検討 に. されて い る。研究会 で は,夢 グルー プの職 員 に外部 の. 役 立 つ と考 え られたのであ る。. 研 究者 も参加 しなが ら,文 献資料 を持 ち寄 っての ,エ. こ う して ,エ コマ ップは地域生 活支援 の課題 の 1つ. コマ ップに関す る 月 1回 の学習 が な された。そ して. ,. であ る支援者 の組織化 を促 す 1つ の ツール と して浮上. あ る程度 の学習 が な され た とき,3人 の 通所 者 に関 し. したが ,そ れは,夢 グル ー プ通所者 に特有 の社会資源. て ,エ コマ ップ を作 成 して い くこ とが 試 み られ た。3. とアセス メ ン ト・ ポ イ ン トを網羅 した独 自の定型 エ コ マ ップであ る。定型 エ コマ ップは,後 述す るエ コマ ッ. 名 の担 当職員が ,詳 しくは後述す る 〈面接 〉を基 にエ コマ ップを何度 か作 り,そ れが研 究会 で報告 ・検討 さ. プ 開発 の方法 を経 て 開発 された のだが ,開 発 当初 か ら. れた。その なか で ,地 域生活支援 にお い て課題 となっ. 定 型 化 す る こ とが 指 向 され た。そ れ は,支 援 に つ い. て くる事柄 ,地 域生活支援 にお い て重 要 と思 われ る通. て,① 継続性 の保証 ,② 水準の均一化が追及 されたか. 所者 に共通す る社会資源 の抽 出 ,エ コマ ップの書 き方. らである。. の検討 が な され た。 こ う して完成 したのが ,図 1の 青. まず,継 続性 の保障 とは,通 所者 に対す る支援 の内 容 や質が,担 当職員が交代 して も,変 化 しないことを 意味する。 これ には,① 通所者 の担当職員が平均 3年 で交代す ること,② 通所者 の施設サ ービス利用期間が 数年数十年単位 である こと, とい うこの施設 の特質が 反映 してい る。担当職員 の交代が定期的 にあるとい う. 葉 園 バ ー ジ ヨン・エ コマ ップである。. 3)青 葉 園バ ー ジ ヨン・エ コマ ップ 青葉 園 バ ー ジ ヨン・エ コマ ップは,A3用 紙 の左 側 に 図 1-1が 右 側 に図 1-2が 印 刷 され て い る。図 1-1 は通所者 自身 と家族 ,さ らに通所者 3人 のケ ースのエ コマ ップ検討 に よつて重要である と判断 された共通 の.

(5) 三毛美予子 :エ コマ ップを活用 した重度障害者 の地域生活支援 の方法. 85. 社 会 資 源 が書 か れ て い る。真 ん 中 の 大 きな円 の 中 に は,通 所者 と家族 が 書 かれ る。 この大 きな円 の 中 の小 さな四角 と円 は通所者 の父母 を表す。通所者 は両者 を つ な ぐ線 の下 に性別 を表す 四角 か円で書 かれる。兄弟 姉妹 や親 戚 は,性 別 を区別 して ,大 きな円 の 内外 に四 角 か 円 で 書 き加 え られ る。家 族 ・親 族 が 同居 の 場 合 は,大 きな円 の 中 に,非 同居 の場合 は 円外 に記入 され る。〈青葉 園 〉〈か め の す け 〉〈あお ば福 社 会 〉そ の他 の社会資源 は,楕 円 の大 きさや位置 も考 えて置 かれて い る。大 きな楕 円 は,通 所者 に とつて意 味 が ある社 会. 記録化. 資源 と職員 らが 考 えた もので あ る。各社会資源 につい て具体 的 な人名 や機 関 ・施設名 を,楕 円 の 中 に書 く。 また,通 所者 と各社会資源 の 関係 ,そ して ,社 会資源 間 の 関係 に つ い て ,そ の 質 を判 断 して ,図 1-1の 凡 例 にある よ うに,〈 普通 〉〈強 い 〉〈7肖 失 〉〈課題 〉に区. 図 2 定型 エ コマ ップの試 行 の プ ロセス. 別 して線 を書 く。そ の他 ,〈 Name〉 の欄 には本 人 の 名 前 ,〈 Made by〉 には面 接 の ときに立 ち会 った 職 員 の 名前 ,〈 date〉 欄 は 面接 日を,〈 state〉 欄 は いつ の 時 点 での エ コマ ップか記入す る。 図 1-2に は,3人 のケ ース とエ コマ ップ検討 に よっ て導 き出 された地域生活支援 にお い て重 要 なア セス メ. ることに慣 れ使 いこな してい くと同時 に,後 述する よ うな試行 の課題や利点 などを認識 してい く。以下 に順 次説明 してい く。 1)―. (i)緩 やかな構造化 された面接 のセ ッテイング. ン ト項 目 となる点や ,エ コマ ップの なか に記載 されて. ソー シャルワー クにおける面接 とは,一 定 の環境 に. い る社会資源 との 関係性 を,職 員 が 文章 で記述す る。. おいて行 われ,直 接顔 をあわせる目的を持 った話 し合. (2)定 型 エ コマ ップの試行. 青葉園職員 の 間では 面接 とい う言葉 は表現 されず,「 ○○ さんのエ コマ ッ い を意味す る. 青葉 園バ ー ジ ヨン・エ コマ ップが 完成 した後 ,2002 年度 は,夢 グループの他 の メ ンバ ー につい て も,こ れ を雛形 に して 各 自の エ コマ ップを作成す る ことに よっ て ,地 域生活支援 の 中 で実際 にエ コマ ップを どの よ う. (岡 本 ,1984)。. ,. プを作 る」 とい う言 い方がされていた。 したが つて 職員 のなかでは面接 を行 うとい う意識 は低 い とい える か もしれない。 しか し,普 段 の取 り組 みのや介助 の な かで蓄積 された通所者 の情報 を基 にエ コマ ップを作成 ,. れが ,定 型 エ コマ ップ の試 行 で あ る。 こ こで 〈試行 〉. す るのではな く,「 本人の将来展望 を本人が情報 を自 己認識 して確立 してい く,そ こを一緒 にやってい くた. で あ るのは,デ ー タ収集 を終 えた時点 で は,ま だ試 し. めの,そ のことを意識 してアセスメン トを行 う」 とい. に使 ってみ る とい う段 階 で あ り,夢 グループ に限 らず 青葉 園全体 での活用 には至 ってい ない か らであ る。定. う目的 を持 って,特 別 の時間 を設けて,青 葉園バージ ョン・エ コマ ップにかかわる内容 について対面 して話. 型 エ コマ ップの試行 は,次 にあげる 5つ の プ ロセス に. をしてい くことが指向されたので,こ こでは,ソ ーシ. 分 け られた。 そ して ,5つ の プ ロ セス を経 て定型 エ コ. ャルワー クで用 い られる面接 とい う概念 を使用 してい. マ ップが 試行 された結果 ,い くつ かの点が明 らか にな. る。. った。 ここで は,定 型 エ コマ ップの試行 につい て ,プ. ここで,面 接 について説明 したい。 ソーシヤルワー クにおける面接は,① 面接時間・頻度,援 助の期間な. に活用 して い くか探索 して い くこ とが 試 み られた。 こ. ロセス と試行 の結果 の側面 か ら述 べ る。. 1)プ ロセス 定型エコマップの試行は,① 緩やかな構造化された 面接セッティングの検討,② 面接,③ 記録化,④ 共同 検討,⑤ 修正の 5つ のプロセスに分けられる。これら の カテ ゴ リー の 関係 を図 2に 示 して い る。 この 5つ の プ ロセス を経 て ,職 員 たちは定型 エ コマ ップを作成す. どの時間的要素,② 面接場所や対面位置などの空間的 要素,③ 時間 と面接場所の契約,役 割分担の契約,秘 密保持の保障などの契約的要素 といった面接構造の観. 点から (小 嶋,1998),① 構造化された面接,② 構造 化 されて い ない面接 , も しくは,生 活場面面接 に大別 され る (久 保 ,1998)。 構 造化 され た面 接 とは,面 接.

(6) 甲南女子大学研究紀要第 40号. 人間科学編 (2004年 3月. ). の構造 としてあげた 内容 が設 定 されて い る面接 の こ と. 面接 の レデ イネ ス作 りとは,面 接 の場 に面接者 の職. で あ る。構造が緩 やか な場合 は ,構 造化 されて い ない. 員 と被面接者 の通所者 のみで はな く他 の通所者 も同席. 面接 と呼 ばれ ,そ の なかで も空 間的要素 が設 定 されて. し,面 接 とエ コマ ップ作成 の様子 を予 め見 聞 きしてお. お らず 社会福祉 サ ー ビス利用者 の生 活 の場 で行 われ る. い て ,自 分 の面接 の ときに備 える こ とで あ る。通所者. もの を生活場面面接 とい う。従来 の ソー シヤル ワー ク. の なか には,職 員 と 1対 1で 面接 す る よ りも,他 の通. で は,構 造化 された面接 が 前提 とされて い たが ,近 年. 所者 が職員 と面接 して エ コマ ップを作成 して い るの を. では ,構 造化 され ない面接 や生活場面面接 の意義が強. まず 目に したほ うが ,何 をす るのか イメ ー ジが つい て. 調 されて い る (小 嶋 ,1998;久 保 ,1998)。. 自分 の ときの面 接 とエ コマ ップ作成が スムーズ にい く. 青葉 園 で は,構 造化 された面接 の実施 は通常 の施設. 人が い る。 また,1対 1で 将 来展望 につ い て話 す とい. サ ー ビスの なか に組 み込 まれてお らず ,生 活場面面接. う改 ま った機 会 を設定 され る と,「 難 しい こ とを され. での情報収集 が 中心 で あ る。食事 ・ トイ レ・入浴 介助. るので は な い か」 とい う緊張 や不 安 が 高 まる人 もい. や送迎 の車 の 中や ,普 段 の取 り組 みの なかで話 され る. る。 したが って ,面 接 で何 をす るか イメ ー ジを作 り. 内容 で ,通 所者 自身 の考 えや思 い や ,生 活状況 や社会. 緊張 や不安 を軽減 ・緩和 して ,エ コマ ップや面 接 にま. 資源 に関す る情報 が 集 め られ る。 しか し,エ コマ ップ. ず通所者 らが 慣れ る こ とを意 図 して ,面 接者 の職員 と. 作 成 に関 しては,通 所者 の将来展望 を一 緒 に明確 にす. 面接対 象者 と面接 に同席す る通所者 の組 み 合 わせが考. るため に当人 と社会資源 の状況 をア セス メ ン トす る と. え られた。そ して ,グ ルー プの 中 で誰 を面接 対象者 と. い う目的 を持 って職員 と通所者が話 し,そ の 内容 を基. す るの か とい う こ とは,個 々の メ ンバ ー の 障 害 の 程. にエ コマ ップをつ くる こ とが 意 図 された。 ただ しそれ. 度 ,性 格 ,使 ってい る社会資源 の 多 さ,表 現 の 多 さ. は ,構 造化 された面接 の よ うに契約 とい う要素 は含 ま. グ ル ー プの 雰 囲気 な どを踏 まえ て 検 討 され た。 しか. ,. ,. れて い なか った。 したが って ,目 的 を持 って通所者 と. し,こ の 同席者 の存在 は,試 行 の結果 の部分 で記 す プ. 話 をす るため に,面 接 を行 う場所 ,時 間 ,面 接 者 ,被. ライバ シーの 問題 を生起 させ る もので あるが ,面 接 セ. 面接者 を職員 らが検討 し決 定 して い く過程 を,緩 や か. ッテ ィン グの段 階 で は,留 意 されて い なか った。. な構造化 された面接 の セ ッテ ィ ング とカテ ゴ リー化 し. 1)―. (五. )面 接. 以上 の よ うな緩 やか な構造化 された面接 のセ ッテ イ. た。. 緩や かな構造化 された面接 のセ ッテ イングにお い. ングを経 て ,職 員 は通所者 との面接 を行 う。面接 は. て,検 討 され決定 された内容 は,① 面接時間,② 面接. 先述 した よ うな通所者 の理解 ・表現 上の 障害 ゆえに. 場所 ,③ 面接者 と被面接者 の組み合 わせ ,④ 面接 の レ. 特徴 的 な面接技 法 が使 われ なが ら,一 定 の手順 の もと. デイネス作 りであ る。 まず,C② に関 して,先 述 した. 行 われ る。 ここで は ,ま ず手順 を記 し,次 に面 接技法. ように,青 葉園では,面 接 を行 う面接室 と面接す る時. につい て述 べ る。 なお ,面 接手順 と技法 を構 成す る主. 間が確保 されてい る訳 ではないので,通 常 の取 り組 み が行 われる時間 と場所がエコマ ップ作成 にかかわる面. な カテ ゴ リー とそれ らの 関係 を図 3に 示 して い る。. ,. 接 の時間 に場所 に転用 されて確保 された。青葉 園 で は,通 所者 3名 か ら 5・ 6名 ,そ れ に対 して職員が 名 か ら 304名 のグループ単位 で様 々な取 り組 みが な 1. されて い る。 なか には ,職 員 と 1対 1で い ろい ろな話. 道具の準備→ 目的の説明→通所者→両親→兄弟姉妹→ 親族→社会資源 (青 葉園→ その他). <面. 接. >. 題 につい て話 をす る取 り組み の 時 間 を持 ってい る通 所 者 もい るが ,多 くが ,グ ループ単位 での取 り組 みの 時 間 を転用 して確保 された。. 3つ めの面接者 と被 面接 者 の組 み 合 わせ は,面 接 者 となる職員 と被面接者 となる通所者 の組 み 合 わせ の こ とである。通常 は,そ の通所者 の担 当職員 が面接 者 と な ったが ,担 当 になって 日が浅 い職員 の場合 は ,前 担 当者 も同席 して行 う こ ととなった。 ただ し,面 接 者 と 被面接 者 の組 み 合 わせ は ,4つ めの 面接 の レデ イネ ス 作 りと関連 して い る。. ,. 図 3 面接手順 と面 接技 法.

(7) 三毛美予子 :エ コマ ップを活用 した重度障害者 の地域生活支援 の方法. 87. て尋 ね られ る。 そ の後 ,青 葉 園バ ー ジ ョン・エ コマ ッ. ①手順 面接 は,面 接対象以外 の通所者が同席 してい る場合 も,ほ ぼ次 のような手順 で行 われる。. プの 円 の大 きい社会資源 , もしくは,通 所者 に とって 意味が あ る と職員が判 断 した社会資源 を順 番 にあげて. 面接 を始めるにあたって,道 具 の準備 がなされる。. い き,そ の具体 的名称 と関係性 を質問す る。文字盤 を. ここでの道具 とは,ホ ワイ トボー ドや色 マ ジックや色. 使 って国語 で 自分 の意思 や感 情 を表現 で きる人の場合. 画用紙 であるが,通 所者 と面接 して明 らかになってい. は,青 葉 園バ ー ジ ヨン・エ コマ ップに書 かれた社 会資. く内容 を,書 くために使用 される。文字 よ りも絵 で書. 源 や職 員 の 判 断 に こだ わ らず ,通 所 者 の 答 え にそ っ. い た り,楽 しい雰囲気 のほ うが リラックスで きた りす. て,面 接 を進めてい く。 このような手順 で面接 は進む. る通所者 の場合 は,色 画用紙 とマ ジ ックが使用 され. が,こ の ときに職員 は,次 の面接技法 を用 いて,通 所. る。 こ う した道 具 は,通 所者 の理解力や嗜 好 に応 じ. 者 か らの話 を聞 き,話 を促 してい る。. て,面 接 をわか りやす くした り興味 をひ くものに した. ②面接技法. りす るために,用 い られた。. 面接 では,① 話 を聞 く技法,② 話 を促す技法 の 2つ. 面接 を始 めるにあた って,職 員 は青葉園バージ ョン ・エコマ ップに書 かれてい る社会資源 を頭 の中に入れ. おいて,通 所者 の表現 と理解 の障害ゆえに,特 徴的 な. る。それを基 に,通 所者 を取 り巻 く社会資源 の具体的. 点が い くつ か浮 上 した。 ここで は,障 害特性 と交 え. 内容 をで きるだけ網羅 し,そ れらとの関係性 を通所者. て,2つ の技法 に関 して説明する。. が どのように捉 えてい るか とい うことを,文 寸話 の なか で明 らかに してい く。. を使 って面接 を進めてい る様子 が見 られたが,各 々 に. 第 一 の話 を聞 く技法 に関 しては,面 接対象者 の 表現 の 聞 き取 りと読 み取 りが ,職 員 の使 う特徴 的 な技 法 と. 職員 によって,そ して通所者 の反応 によって,差 は あるものの,概 ね以下の ように,面 接 は進 んでい く。 面接 の最初 に,こ れか ら行 う面接 の 目的が職員か ら説. して浮 か び上が った。 ソー シャル ワー クの面接 で は. ,. 「 ク ラ イ エ ン トに何 か を問 い た だ す 『訊 く』 で もな く,耳 に入 って くる音 を耳 で 聞 く『聞 く』 で もな く」. 明される。次 に通所者 自身が言及 され,ホ ワイ トボー. 「相 手 の 話す言葉 に心 と耳 を傾 け ,心 で受 け とめ る こ. ドや画用紙上 に記 される。その次 に,通 所者 の両親が. と」 (宮 岡 ,1998,p.72)と い う意味 を持 つ 傾 聴 が. ,. あげ られ,文 字 か記号 ,絵 で示 され る。そ して,兄 弟 ,親 戚 といった,通 所者 の家族 ・親族 にどのような. 岡 ,1998;渡 部 ,1998)。. 人がい るか,そ の年齢 ,家 族 ・親族 との関係性 につい. の面接 で は,職 員 は傾聴 の他 に も特徴 的 な技法 を用 い. て尋 ね られる。それがホワイ トボー ドや画用紙上 に文. て い たので ,こ れ を聞 き取 りと読 み取 りとカテ ゴ リー. 字化 ,図 示化 される。視覚障害 のある人,文 字 に焦点. 化 した。. をあてて見 るのが苦手な人,文 字や記号が見えてい る. 夢 グループ通所者 の なか には音声言語 表現 の発音が 、 で受 け とめ る傾 聴 亡 不 明瞭 な人 もい るので ,そ の話 を′. のか どうか,そ して,書 いてあることが理解 で きてい. ク ライ エ ン トの話 を開 く技 法 と して重 視 され る (宮 しか し夢 グル ー プ通 所 者 と. るのか どうか職員側が定かでない人 もい るので,そ う い う人の場合 は,ホ ワイ トボー ドに書 いてある ことを. 把握す る聞 き取 りが必 要 で あ る。 これ には,聞 き取 る. 説明 しなが ら進める。. 側 に,集 中力 ,注 意力 とともに,慣 れが 要 され る。 ま. の前 に,通 所者 の音声表現 を正確 な言語 に置 き換 えて. 次 に,職 員 は家族 ・親族以外 の社会資源 について触. た ,身 振 りや手振 りで会話す る人 ,文 章 で はな く単語. れる。その ときの面接 の流れによって,そ の後 どのよ. で表現す る人 ,そ して ,文 章 で表現 して い て もそ の ま. うに面接 が進め られるかは異なるが,典 型的に見出さ. まで は意味が通 じに くい表現 に とどまる人の場合 も. れたものを記す。家族 ・親戚関係 以外 の社会資源 につ. 傾 聴 以前 に,身 振 りや手振 りが意味 す る ところや ,1. いて質問す る場合 は,ま ず,「 つ なが っている人,つ. つ の単語 や意味 の通 じに くい表現 か ら,そ の 人 たちが. ,. なが ってい る ところは どこ ?」 「周 りにい る人 教 え. 意 図す る ところ を解釈 した り想像 した りす る読 み取 り. て ?」 「手伝 って もらってい る人は誰 ?」 「必要なとこ. が必 要 で あ る。面接 で は,対 象者 の言語 的 コ ミュニ ケ. ろはどこ ?」 とい うように聞 く。職員が こう尋ねて 答 えを待 つ場合 もあるが,た いてい は,こ れらの言葉. ー シ ョンと非言語 的 コ ミュニ ケ ー シ ヨン双方 を理 解 が 必 要 で あ るが (渡 部 ,1998),言 語 的 コ ミュ ニ ケ ー シ. は前置 き的に使 われるのみである。通所者 の答 えを待. ョンに制約 の あ る夢 グル ー プ通 所者 の場合 は,非 言語. たず に引 き続 い て,青 葉 園が持 ち出 され,そ の なか. 的 コ ミュニ ケ ー シ ョンの読 み取 りが 特 に重 要 で あ る。. で,青 葉園内で通所者 にとって意味 のある人物 につい. 読 み取 りに は,職 員 の解釈 や想像 の豊 か さや幅広 さ. ,. ,.

(8) 甲南女子大学研究紀要第 40号. 経験 が 求 め られ るのみ な らず , 日頃 の生 活場面面接 で. 人間科学編 (2004年 3月. ). したほ うが理解 しやすか ったか らである。. 2つ 目の注意点 は,表 現 の膨 らま しで あ る。 た とえ. の情報蓄積 も,寄 与す る。 そ の他 ,聞 き取 りや読 み取 りで は,待 つ こ とと見守. ば,あ る社会資源 との 関係 とは,必 要 /不 必 要 ,好 き. る こ とも必 要 で あ る。通所者 の なか には,1つ の単語. ので ,そ の 人が答 える まで ,職 員 は待 ち,そ して ,表. /嫌 い ,満 足 /不 満足 ,利 用 して い る/利 用 して い な い とい った よ うに,い ろい ろな面 か ら解釈 され る。文 字盤 や音声言語 で話 せ る人の場合 は,社 会資源 との 関 係 をい ろい ろな レベ ルか ら伝 える こ とが 可能 だが ,そ れがで きない 人 の場 合 ,聞 き手が 1つ の事柄 や内容 を. 現す るの を見守 る。 こ う した聞 く技法 によつて ,次 に. 多様 な側面か ら聞 くこ とが必 要 となる。表現 の膨 らま. 説明す る通 所者 らの表現 が促 され る。. しとは,こ の こ とを意 味す る。 しか し,職 員 の面接 で. や短文 を話す の に時 間が かか る人や体力 が い る人 もい る。 こ う した人 たちに とって ,時 間 と体力 を使 って発 す る 1つ 1つ の言葉 は ,非 常 に意味 を持 つ もので あ る. 2つ めの話 を促 す技 法 に関 して特徴 的 な の は,閉 ざ. は この点 が十分意識 されて い ない こ とも見 られた。特. された質問が多用 され る点 で あ る。面接 にお ける質問. に社 会資源 の 関係 につい て尋 ね る ときに,「 つ なが っ. には,閉 ざされ た 質問 と開 かれた質問 があ り,面 接 の. て い る/つ なが ってい ない」 とい う表現が使 われ る こ. 展 開 や流 れ に応 じて双方 を使 い分 ける ことが 求 め られ. とが 多 く,表 現 の膨 らま しが十分 な されて い ない こ と. て い るが (尾 崎 ,1997),夢 グ ルー プの 場 合 は,言 語. もあ った。. ざされた質問が使 われ る こ と. 以上 の話 を聞 く技 法 と促 す技法が示す の は,音 声言. が 多 い 。 さらに,こ の 閉 ざされた質問 に関連 して第二. 語表現 や理解力 に障 害 の あ る人の場合 ,面 接者 が そ の. の特徴 は ,閉 ざされた質問が選択肢形式 で提示 され る. 人たち との 会話 に十分 慣 れて い る こ とが必 要 で あ る と. こ とが 多 い ことで あ る。 た とえば,あ る社会資源 との. い う こ とで あ る。筆者 は 2年 余 り週 1回 の ペ ース で夢. 関係 につい て質問す る場 合 ,「 ○○ はあ ま り関係 ない」. グル ー プで活動 して い るが ,通 所者 の発音 が 聞 き取 れ. と聞 き答 え を待 ち,返 答 が なければ 「○○ は まあ まあ. ず 身振 り手振 りの意味 を読 み取 れ ない こ とも多 い 。理. 関係 あ る」 と聞 き答 えを待 ち,さ らに 「す ご く関係 あ. 解力や表現 に障害 の あ る人の場合 ,面 接 を通 じてその. る」 と聞 く, とい った よ うに,職 員 のほ うで考 え られ. 社会資源 や考 え を明 らか にす るの には,そ の 人 との コ. る 回答 を選択 肢 として提示 し尋 ね る とい うや り方 であ. ミュニ ケ ー シ ョンに経験 をつ んだ者 ,あ るい は,そ う. る。. した人が 同席 した上 で ない と難 しい 。 しか し,そ うい. 表現 上 の 障害 ゆえに,閉. こ う した選択 式形式 の 閉 ざされ た 質問 が用 い られ る. った経験 が豊 富 な職員 で あ って も,言 語 に よつて通所. のは ,身 振 り手振 りや顔 の表情 での返 事 に会話 が 限 ら. 者 の 世 界 に近 づ くこ とに 限界 が あ る。 これ に つ い て. れ る人 ,ま た,文 字盤 や トー キ ングエ イ ドで表現 した. は,試 行 の結果 の部分 で記す。. り単語 や短文 での発話 はで きて もそれ らに時 間が かか. 1)一 (面 )記 録化. った り,自 分 の思 い や考 えを適切 な言葉 に置 き換 える. 面接 で 明 らか になった内容 は ,青 葉 園バ ー ジ ヨン・. こ とが 難 しくて言葉 に詰 まる人 の場 合 で ある。 また障. エ コマ ップの定型用紙 に図 と文章 で記録す る。書 く内. 害 とい う理 由のみ な らず ,被 面接者が質問 に対す る答. 容 は,青 葉 園 バ ー ジ ヨン・エ コマ ップの ところで 説明. えを考 えるの に時 間が かか る こ とが 度重 なる と体 力 を. した通 りであ る。. 消耗 して しまい ,面 接 に対す る関心 や集 中力が途切 れ. そ の他 ,定 型用紙 には書 かれて い ない が通所者本 人. て しまうため に,時 間が かか らない 閉 ざされた質問や. が 口に した社会資源 につい て も,本 人 に とってのその. 選択肢形式 が使 われ る こ ともあ る。. 社会資源 の意味 づ け を考 えて ,適 切 な位 置 や大 きさで. この 閉 ざされ た質問 や選択肢形式 で 質問 す る場 合. ,. 用紙 に書 き加 えて い く。本 人 とそれぞれ の社会資源 と. 注意す べ き点が あ る。 1つ は,職 員 は 質問す る ときの. の 関係性 につい ては,本 人 との面接 の話 の 内容 を解釈. 語彙 の選 択 に注意 しなければな らない。 これ は,通 所. して ,関 係性 を表す線 を書 い て い く。 また ,社 会資源. 者 の理 解力 に応 じて ,通 所者 が 質問 の意味 を理解 で き. 間 の 関係 につい て も,線 で表 して い く。関係性 を表す. る よ うな言葉 を職員が選 んで 質問す る こ とであ る。 た. 線 に は ,図 1-2に あ る① ∼③ の 8つ の 重 要 点 に 対 応. とえば青葉 園バ ー ジ ヨン・エ コマ ップにある 〈あお ば. す る番号 を付 与 して い く。. 福 社 会 〉 とい う社 会資 源 は,「 ホ ー ム さん」 とい う表. 図 1-2の 用 紙 に は,通 所 者 の 将 来 展 望 と② ∼③ の. 現 を使 って ,そ の 関係性 が尋 ね られて い た こ とが あ っ. 社 会資源 と通所者 との 関係性 につい て ,文 章 で具体 的. たが ,こ れ は,面 接対 象 で あ った通所者 には こ う表現. に書 く。 この ときの文体 が職 員 によって異 な り,次 の.

(9) 三毛美予子 :エ コマ ップを活用 した重度障害者 の地域生活支援 の方法. 共 同検討 の場 で 問題 になった。詳 しくは,試 行 の結果 の ところで言 己す。 1)― (市 )共 同検討. 書 かれたエ コマ ップは,夢 グルー プ全 職員が参加す. 89. 2)試 行 の結果 5つ のプロセスを経て定型エコマップを試行 したこ とによって現れた結果を,① 通所者の反応,② エコマ ップ活用の利点,③ エコマップ試行にかかわる課題の. る研 究 会 で 共 同検 討 され た。2002年 度 中 は 5回 の 研. 3つ の点から記す。. 究会が 開 かれ ,夢 グル ー プの メ ンバ ー全員 のエ コマ ッ. 2)―. (i)通 所者 の反応. エ コマ ップを使 って何 をす るのか通所者 にイ メ ー ジ. プが検討 された。 共 同検討 は,エ コマ ップ定型用紙 へ の書 き方 のみ な. が つ くのか ,面 接 や エ コマ ップに拒否感 を抱 か ないだ. らず ,自 ず とその通所者 の状況や問題 や支援課題 につ. ろ うか ― こ う した点が懸念 されたので ,職 員 は面接 セ. い て検討す る事例検討 へ と展 開 して い った。共 同検討. ッテ ィ ングの検討 を行 ったわ けで あ るが ,予 想 された. の手順 であ るが ,ま ず ,職 員 が 書 い て きたエ コマ ップ. よ うな抵抗感 や拒否感 を示 した人 は少 なか った。 む し. が コピー され配 布 され る。 それ を もとに,エ コマ ップ. ろ,自 分 の状況 や思 い を職員 と話す場 や機会が なか っ. と注釈 に書 かれて い る内容 を,担 当職員が説明 して い. た通所者 か らは ,担 当職員 と時 間 を設 けて 自分 につい. く。そ の 内容 は,家 族 や親族 ,そ の他 の社会資源 につ. て 話 せ た こ と 自体 へ の 満 足 感 が 表 現 され た。 た とえ. い て, どの よ うに通 所者 に尋 ね 当人が どの よ うに答 え. 様 々 な取 り組 みが行 われて い て も,特 別 の 目的 と時 間. たか ,そ れ に対 す る職員 の解釈 ,面 接 を しての発見. を設 け て職員 と 1対 1で 行 う面接 は,通 所者 に とって. ,. エ コマ ップや面接 に対 す る通所者 の 反応 ,ま た,同 席. 意 味 の あ る もの な の で あ る。 また ,通 所 者 の なか に. した他 の通所者 の反応 な どで あ る。 そ して ,関 係性 の. は,エ コマ ップを作 りなが ら面接 を何 回か繰 り返す う. 線 の 引 き方や社会 資源 の位 置 や大 きさ,注 釈 の書 き方. ちに,そ れ を見 なが ら,将 来 の生 活 の仕方 や必 要 な社. に関 して,役 付 き者 の職員が ,書 い てあ る内容 に関す. 会資源 につい て認識 や理 解 を深 め る とい う こ とが生 じ. る質問 や書 き方 の助言 をす る。そ の なかで ,そ の通所. て い る。 ただ し,通 所者 の一部 には,面 接 の なかで職. 者 の社 会資源 とその 人 に とっての意味 づ けや社会資源. 員 が 質問 した こ とに対 して ,返 答 に詰 ま り涙 ぐんだ場. 相互 の 関係性 ,介 入方法 や支援課題 な どについ て ,検. 面が見 られた。 ただ しこれは,面 接 で 聞 かれた こ とが. 討 が 及 んで い く。. わか らなか ったのか ,聞 かれた 質問 に対 す る答 えが わ. 共 同検討 を重 ねる こ とに よって ,各 職員が エ コマ ッ. か らず に涙 ぐんだ のか ,将 来 の生 活 を考 える と不安 に. プの書 き方 を習得 して い くとともに,職 員 間で書 き方. な って涙 ぐんだ のか ,そ の理 由 は定 かで はない 。. が 統 一 化 され る。 また ,試 行 の結果 で記 して い るメ リ. 2)―. ッ トや課題 な ど,エ コマ ップ活用 にかかわる様 々 な発 見 が議 論 され た。 1)一. (v)修 正. 一 度作 成 されたエ コマ ップは修正 され る。そ して. ,. 修 正 した ものが 再 び次 の研 究会 で提示 され ,共 同検討 され る。修 正 されるの は,通 常 の取 り組 みの 中 で ,通 所者 と関係 の あ る社会資源 が 新 た に判 明 した ときや. ,. )定 型 エ コマ ップ試行 の利 点 定型 エ コマ ップの 開発 の ところで ,支 援者 の組織化 に利用す るため に,エ コマ ップは夢 グルー プで取 り入 れ られた こ とを述 べ た。 しか し,実 際 に職員 らが面接 を行 いエ コマ ップを作 る と,そ れ以外 の利点 や 目的 で も有用 で あ るこ とが ,次 の 5点 で認識 され た。 第 一 が ,職 員 の アセス メ ン トの深 ま りであ る。 これ までの青葉 園 で は生 活場面面接 が 中心 で ,構 造化 され (五. 通所者 を取 り巻 く社会資源 に大 きな変化 が生 じた と職. た面接 が行 われ る こ とは少 なか った。新 たに青葉 園 を. 員が判 断 した ときで あ る。 また,あ る通所者 につい て. 利用 し始 め る人の場合 で も,イ ンテ ー ク面接 を行 う と. 作 成 した エ コマ ップ をは じめ て 共 同検 討 の 場 で 示 し. い う ことが 施設 の 中で ルール化 されて い なか った。 し. て ,そ の書 き方が適切 で ない場合 も修正 して ,再 び共. か し,エ コマ ップを作 る とい う意 図 を持 って面接 を し. 同検討す る。修正 され るたび に,エ コマ ップ と注釈 の. たため に,通 所者本 人 の考 えや希望 ,思 い ,社 会資源. 書 き方 は ,統 一 化 され た書 き方 に近 づ い て い った。 こ. の全 体 とその意 味付 けな ど,本 人が意味 づ け て い る世. の よ うに,エ コマ ップを一 職員が 一 度書 い て終 わ りと. 界 につい て ,そ れ まで は職員 の なかでば らば らであ っ. い う使 い方 で はな く,集 団 で共 同検討 し修 正 を繰 り返. た ものが ,整 理 され包括 的 に捉 え られたのであ る。. す とい う使 い方 によって ,定 型 エ コマ ップ開発 の背景. 第 二が ,実 践課題 ,日 標 ,介 入方法 につい て示唆 を. として あげた ,支 援水準 の均 一化 とい う施設サ ー ビス. 得 られ る こ とで あ る。 これ は,1つ め と関係 して お. の 質 の保 障 が促 され る。. り,ア セス メ ン トが深 ま った結果 で あ る。 この 第 一 と.

(10) 甲南女子大学研究紀要第 40号. 人間科学編 (2004年 3月. ). 第 二の利点 は,ア セスメ ン トッール とい うエ コマ ップ. をす る努力 が な されて い るが ,そ れで も限界 が あ り. 本来 の機能が発揮 された こ とに よる ものである。. 職 員 の 間 で も決 め 手 とな る解 決 策 は見 出 され て い な. ,. 第 三の利点 は,エ コマ ップを使 い なが ら面接 を進 め. い 。文字盤 な どを使 って も十分 な表現 がで きない 人 の. る と面接 ポ イ ン トが 浮上 しやす い点 である。面接 と同. 場合 ,第 三 者 が そ の 人 の 内的世界 に到達す るには限界. 時並行 で通所者 の話 を視 覚化 して い った り,再 面接 の. が あ る。社会福祉援助者 に求 め られ るのは ,こ の 限界. ときに既 に書 い たエ コマ ップ定型用紙 を見 なが ら行 う. 性 を十分 に認識 した うえで ,で きるだけそ の 人 の世界. と,職 員 は 図 の なかか ら支援課題 や通所者状況 に関す. に近 づ くよ うに努 め る ことで あ ろ う。 また ,音 声言語. る疑 問点 とい った 面接 ポ イ ン トを思 い つ きや す くな. 表現 の 障害 が あ って文字盤 な どを使 って も表現 が 難 し. り, しか も,そ の 時 にそ の場 で 質問 で きる。. く体力 や集 中力 も続 か な い 人 た ち に対 して は,(緩 や. そ して ,面 接 や エ コマ ップを一 緒 に見 なが ら面接 す る こ とが ,介 入方法 の 1つ と して機能 した こ とも,利. か な)構 造化 された面接 だけで は限界が あ るので ,生 活場面面接 での情報収集 も欠かせ ない 。. 点 の 1つ で あ る。 自分 の今 の状況 や将来の生 活構想 に. 課題 の 2つ め は先入観 の排 除 で あ る。 これは,面 接. つい て通 所者 が職員 と話 し,図 を書 きなが ら面接 を行. を進 めて い く上 で ,青 葉 園バ ー ジ ヨン・エ コマ ップに. った結果 ,自 分 の生 活 の仕方 ,利 用 した い社会資源. 記載 されて い る社会資源や職員 が蓄積 して い る通所者. ,. 社 会資源 の意味 や優先付 けについ て ,通 所者 の認識 が. の環境 に関す る情報 に捕 らわれ る こ とな く,通 所者 に. 深 まる こ ともみ られた。 ただ しこれは面接 のみの結果. とって意 味 の あ る社会 資源 とその 関係性 を探 る とい う. で はな く,ほ かの取 り組 み とあわせ て行 われた こ とに. こ とで ある。青葉 園バ ー ジ ヨン・エ コマ ップで は,本. よって ,そ の相乗効果 が増 した とい う ことで あ る。. 人 の将来生活構築 に意 味 が あ る と判 断 された社会資源. 2)一 (面 )定 型 エ コマ ップ試行 にかかわる課題. が 固定 して記 されて い るので ,図 示 されて い る社会資. 定型 エ コマ ップ試行 にかかわる今後 の課題 と して見. 源 に職員 の注意が い って ,そ れ らについ てのみ 質問す. られた の は,面 接 の プ ロセス にお い て 3点 ,記 録化 に. る こ とも見 られた。 また,既 に蓄積 して い る通所者 の. 関 して 1点 で あ る。定型 エ コマ ップを用 い る場合 ,社. 環境 に関す る情報 が先入観 となって ,職 員 は意識 しな. 会福祉援助者 は,こ れ らの点 に注意 して利用す る こ と. いが通 所者 に とっては意 味 の ある社会資源 の存在 や関. が必 要 で あ る。. 係性 の可能性 を探 らない まま,面 接 を進 め る恐 れ もあ. まず面接 プ ロセスの課題 につい て ,そ の 第 一 は ,面. る。 こ う した先入観 に よって ,面 接 が ,新 たな事 実 の. 接技 法 に関す る もので ,通 所者 との 会話 に慣 れて い る. 発見 とい う よ りも,既 存 の事 実 の確認 の場 になって し. 職員 で あ って も,そ の 人 の世界 を把握す るこ と,つ ま. ま う恐 れが あ る。青 葉 園 の 通 所 者 らは ,週 3-4日. り,通 所者 の社会資源 の現状 や意思 や感情 を正確 にそ. また ,人 に よっ て は 10年 ,20年 と通 所 して い る の. して漏 れ な く把握す る こ とには,限 界 が あ る とい う こ. で ,職 員 と通所者 らの関係 は密 であ り職員 は通所者 の. とで あ る。 た とえば ,「 はい ,い い え」 のみ で 会話 す. 環境 を把握 しやす く,そ れが 先入観 を もた らす とい う. る通所者 の場合 ,職 員 が 社会資源 の具体 的名称 を選択. 側面 も否定 で きない 。 したが って ,こ う した施設 での. 肢 と してあげて 質問す る訳 だが ,職 員 が知 らない社 会. 職員 と通所者 との面接 の場合 ,職 員佃1に 先入観 の排 除. 資源 は面接 では言及 され ない 。 また,社 会資源 との 関. が 求 め られる。. ,. 係 につい て も,職 員 が 口 にす る選択 肢 の なかか ら取捨. 3つ めの課題 はプライバ シ ーの 配慮 で あ る。面接 の. して答 える とい う会話 のみ なので ,職 員がそ の通所者. レデ イネス作 りの部分 にお い て ,面 接対 象 で はない通. の思 い に近 い選択肢 を発せ られ なけれ ば ,そ の通所者. 所者 たち も面接 の場 に同席 して ,面 接 のや り取 りを目. の思 い や考 えは顕 にな らない 。 そ うか とい って ,通 所. にす る こ とを述 べ た。 しか し,面 接対象 で はない通所. 者 の思 い に近 い答 えを引 き出す ため に,た とえば 1つ. 者 の 同席 は面接対象者 の プライバ シ ー を損 な う危 険性. の社会資源 の 関係 を様 々 な角度 か ら尋 ねる こ とは,通. もあ るので ,面 接対象者 の プライバ シー に十 分配慮す. 所 者 の 体 力 の 消 耗 や面接 へ の 飽 きを促 す 可 能性 もあ. る こ とが 求 め られ る。 これが プ ライバ シー の配慮 で あ. る。 また,身 振 りや顔 の表情 や文字盤 や単語 ・短文 の. る。面接 の進行 に よつては,他 の 同席者 に聞 かれた く. 表現 を使 って話す人 の場 合 も,恐 ら く自分 の思 い を伝. ない こ とや話 しづ らい こと も出て くる可能性 もあ る。. え きれ ない こと もあ るだろ う し,職 員が 身振 りや単語. そ うす る と,面 接 の進行 を妨 げるのみ な らず ,そ の人. の意味 を理解で きない こ ともあ る。 こ うした点 は ,職. の プ ラ イバ シ ー保 護 とい う観 点 か ら も問題 が 出 て く. 員 に も意識化 されて い るので ,表 現 を膨 らませ た 質問. る。 あ る通所者 と面接 を行 った職員 か ら,プ ライバ シ.

(11) 三毛美予子 :エ コマ ップを活用 した重度障害者 の地域生活支援 の方法. ― に対 す る懸念 が面接 終了後 に表 明 されたが ,こ の点. コマ ップ活 用 に 関 して ,い くつ か の 点 を示 唆 して い. は ,面 接 の レデ イネス作 りの段 階 で は意 識化 されて い. る。 そ の 第 一が ,エ コマ ップは,地 域生活支援 にお け. なか つた。 これは,面 接 が 日頃 の取 り組 みの 中で行 わ. るアセ ス メ ン トや支援 目標 や介入方法 の計画 な どに. れたとい うことや,ま た,職 員や本人 と本人同士 の関. 有効 な ツ ー ルで あ る こ とが 示 され た 点 で あ る。 そ し. 係 が密 であるがゆえに,プ ライバ シー に関 して曖味に. て ,サ ー ビス利用者 のサ ー ビス利用が長期 で担 当 の社. なったたか らであろ う。 しか し,関 係性 の程度 にかか わらず ,面 接 目的や予想 される話 の内容 を面接対象者. 会福祉援助者 の定期 的 な交代 サ イクルが ある施設 で用 い る場合 は ,エ コマ ップは ,「 定 型」 エ コマ ップで あ. に伝 えて,他 の通所者 の同席 の もとで面接 を進めてよ. る と,支 援 の継続性 や支援水準 の均 一 化 を促 す可能性. いか どうか確認 を取 ることが ,面 接前 に必要である。. が あ る。. 次 に記録化 にかん して,記 録文体 の統一化が課題 で あ る。 これは,エ コマ ップ定型用紙 の注釈 の書 き方 に. 第二 に,エ コマ ップの利用 にあた つては,① サ ービ ス利用者 の世界 を把握する ことの限界性 の認識 ,② 先. ついて,① 職員 の質問の仕方 とそれに対す る通所者 の. 入観 の排除,③ プライバ シーヘ の配慮 ,④ 記録 の文体. 答 えをそのまま書 き職員 の解釈 を含めないのか,② 通 所者 の答 えた内容 を職員が解釈 して書 くのか, とい う. の統一化 , といった点 に注意 しなが ら利用 を進めなけ ればならないことが示 された。そ して,青 葉園の よう. ように文体 が職員 によつて異なっていたので,統 一す. に,サ ービス利用者 のサ ービス利用期間が長期的でか. るとい うことである。 これ らはそれぞれ,① 圧縮叙述. つ利用者 と社会福祉援助者 の関係 が密 な施設 の場合. 体 ,② 説明体 と呼 ばれてお り,ど ちらもソー シャルワ. 気をつけたいのが② と③である。双方に慣れのような. ー クの記録 の文体 であ り各 々 に利点 と欠点がある. (佐. ものがで きて しまい ,利 用者 の プライバ シー を配慮 す. 藤 ,2001)。 青葉園の通所者 の ように音声言語 の表現. る こ とや 自分 の先入観 に対 す る気 づ きが不十分 になる. が十分ではない人の場合 ,職 員 によるその表現 の読 み. こ ともあ るか もしれ ない 。 これ らは,ク ライエ ン トの. 取 りの正確 さとい うことも面接では重要な点 であ るの. 秘密保持 や個別化 とい う ソー シヤル ワー クの倫理 にか. で,職 員が どのような言葉 を使 って尋 ねたらどのよう. かわる もの なので ,社 会福祉援助者倶1に 意識化が求 め. な言葉や身振 り手振 りを使 ってどのように答 えたか. られ る。. ,. ,. ,. とい うことを記録 として書 くことに も意味がある。一. 第 三が ,理 解力 と音声言語表現 の 障害 がある人 との. 方 で,職 員 の解釈 を含めて書 くことは,通 所者 の問題 や状況や課題 についての専門職 としての判断が示 され. 面接技 法 に関 してであ る。 こ う した障害 の あ る人 に対 して ,社 会福祉援助者 が どの よ うに コ ミュニ ケ ー シ ヨ. るので,ア セスメン トや支援課題 の検討 や介入方法 の. ン を とれば よいの か実証 的 に明 らか に した研 究 は十分. 計画 とい う点 か らい う と,こ ち らのほ うが適切 で あ. な されて い ない 。 しか し,本 研 究 は,「 聞 き取 り」「読. る。 どちらの書 き方 にもメリッ トはあ るが,職 員間 に 違 いが出ない よ うに,そ の文体 を統 一 す るべ きであ. み 取 り」「待 つ」「見 守 る」 とい っ た 話 を聞 く技 法. ,. 「選択 式形 式」 の「 閉 ざ され た 質 問」 を用 い 「語 彙 の 選択」 や 「表現 の膨 らま し」 に注意す る とい った話 を. る。. 促 す技 法 が ,面 接 を進 め る上で重要であ るこ とが 示 さ. Ⅳ .結. 論. れた。. 重度障害 を持 つ人に対す る地域生活支援へ のエ コマ ップの活用 は,① 定型 エコマ ップの開発 ,② 定型エ コ. 注. 1)青 葉園では,青 葉園に通いサ ービス を利用する障害. は,支 援 の継続性 の保証 と支援水準 の均 一化 とい う施. を持つ人のことを「通所者」 または「本人」,社 会福祉 援助者 のことを「職員」 と呼 んで い る。それに したが い,本 稿 で も,青 葉園のサービス利用者 と社会福祉援 助者 を表現す る場合,そ れぞれ「通所者」「職員」 とい. 設 としてのサ ービス保障の観点か ら,施 設通所者 に特 有 の社会資源 を配置 した定型 エコマ ップの開発 が まず. 2)こ の結果 と考察 の部分では,か ぎ括弧で括 った部分. マ ップの試行 とい うプロセス的方法 を経 て行 われるこ とが明 らかになった。定型 エ コマ ップの開発 において. 行 われる。定型 エコマ ップの試行 は,① 緩やかな構造 化 された面接 のセ ッテイング,② 面接 ,③ 記録化 ,④ 共同検討 ,⑤ 修 正 とい うプロセス的方法 を経 る。 本稿 は重度障害 を持 つ人の地域生活支援 におけるエ. う言葉 を用いている。 は,文 献 からの引用の場合以外 は,調 査対象 であった 職員や通所者が語つた言葉を表 している。 3)担 当職員 とは,青 葉園全職員のなかで,そ の通所者 と密 に接触 しその状況や家族 の様子 について把握 し ,. 支援の核 となる職員の ことである。.

(12) 甲南女子大学研究紀要第 40号. 92. 4)取. り組 み とは,青 葉 園で実 施 され て い る活 動 の こ と. であ る。 文 Hartmen,A。. 献. (1978).Diagrammadc assessment of family re―. jα ε ′Cbs`″ θrた ,59(8), 465-476。 久保 絋 章 (1998)「 面接 をめ ぐって」 久保 絋 章 。高橋 重 宏 ・佐藤豊道 (編 )『 ケ ース ワー ク 社 会福祉 援 助 技 術 各. lationships,Sθ. 論. I』. ,p。. 211-218,川 島書 店。. 小 嶋 章 吾 (1998)「 生 活 場 面 面 接 の 構 造 ・範 囲 。意 義」. 人間科学編 (2004年 3月. ). ャルワー ク研究』,21(3),p.187-199。 岡 本 民 夫 (1984)「 面 接 論」仲 村 優 一 ・小 松 源 助 (編 ) 『社会福祉実践 の方法 と技術』,p.H8-140,有 斐閣。 岡本民夫 ほか (1992)「 老人福祉サ ー ビス における事前評 価 とエ コマ ップーソー シャルワー ク実践 の 図式化 の試 み―」『ソー シャルワー ク研究』,18(3),p.174-180。 尾 崎 新 (1997)『 対 人援 助 の技 法 軟 さ・ 自在 さ」へ』誠信書房。. :「. 曖 昧 さ」 か ら「柔. 佐藤豊道 (2001)『 ジェネラリス ト・ ソー シャルワー ク研 │1島 書店。 究 一人間 :環 境 :時 間 :空 間の交互作用』り 戸塚法子 (2001)「 マ ッピング技法 とケースス タデ ィの方. 『 ソー シ ャル ワー ク研 究』,24(3)p.4-10。 宮 岡京 子 (1998)「 面 接 の 基 礎 技 術」平 山 尚 ほ か (編 『社 会福 祉 実践 の 新潮 流 ―エ コロ ジ カル 0シ ス テ ム ・ ア ). プ ロー チ ー』,p.66-101, ミネル ヴ ァ書房。 宮 崎法子 ・松 崎有 一 (1995)「 知 的障害 者 更生施 設 の援 助 体 系 にみ られ る理 論 的 アプ ロー チ 適 用 の 実際」『 ソー シ. 法」福祉士編集講座編集委員会 (編 )『 社会福祉援助技 術論 I』 p.267-281,中 央法規出版。 渡部律 子 (1998)『 高齢者援助 における相談面接 の理論 と 実際』医歯薬出版株式会社。.

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