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当院における新しい在宅ケア支援システムについて

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Academic year: 2021

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当院 に お け る新 しい在 宅 ケ ア支 援 シス テ ム につ い て

岡 山中央病 院 内科

高 井

研 一

岡 山中央病 院 在宅 医療 科

池 田

俊 子,宮

美 佐

岡山 中央 病 院作業 療 法室

山 根

洋 子

岡山 中央病 院泌 尿器 科

金 重

哲 三

訪 問看護 ステー シ ョン鴻仁

北 之 迫 晴 美

岡 山県立大 学保 健福 祉 学部看 護 学科

金 政

泰 弘

(平成8年4月11日

受 稿)

key words:在

宅 ケ ア,生 活支 援部,訪 問看 護.

緒 言 地 域 で は 心 身 機 能 が 低 下 して, A. D. L.が お ぼ つ か な くな っ た 老 人 が 増 え て きた 。 一 方 核 家 族 化 や 主 婦 の 就 労,扶 養 意 識 の 変 化 な ど介 護 力 が 低 下 し,独 り暮 ら しや 老 夫 婦 だ け の 世 帯 も増 え て い る。 老 人 に 限 らず 癌 末 期 の 人 や 自宅 で 障 害 を も ち な が ら 生 活 し た い 人達 が,家 族 以 外 の 人 に介 護 を依 頼 し な け れ ば な ら な くな っ て い る が,ニ ー ズ に 追 い つ か な い 社 会 資 源 不 足 もあ る. これ らの 現 状 を 踏 ま え,老 人 や 障 害 者 が 住 み 慣 れ た地 域 で,そ の 人 ら し く生 活 す る た め の ケ ア サ ー ビ スの 提 供 を行 う総 合 的体 制 作 りが 重 要 で あ る.我 々 は7年 間 に 亘 る在 宅 訪 問 看 護 医 療 業 務 の 中 で,医 師,ナ ー ス,作 業 療 法 士 を は じめ 他 の コ メデ ィ カ ル が,互 に積 極 的 な 連 携 を保 ち つ つ 意 志 統 一 を は か り,技 術 向 上 に努 め る場 の 必 要 性 を強 く感 じ た.そ の 結 果 病 院 内 に ナ ー ス, 作 業 療 法 士,医 療 ソー シ ャ ル ワ ー カ ー そ れ に 医 師 ら が加 わ っ て 「生 活 支 援 部 」 と称 す る部 局 を 設 立 した.今 回 「生 活 支 援 部 」 設 立 の 経 過,展 開 を 報 告 す る と と も に1つ の 事 例 を 呈 示 し,生 活 支 援 部 の 活 動 の 一 端 を述 べ る. 経 過 と 展 開 当 院 の 訪 問 看 護 は 開 設 当 初 は 医 師1名 とナ ー ス 数 名 に よ る 診 療 主 体 の 形 態 で は じ ま っ た.そ れ ら は 診 察 を し て 投 薬 あ るい は 注 射 を し て 時 に 導 尿 や 浣 腸 な ど の 処 置 を す る と い っ た 治 療 中心 の もの で あ っ た.時 に は 家 族 と の 関 わ りの 中 で 患 者 ニ ー ズ に 対 応 す る た め 他 職 種 と の 連 携 を も ち,介 護 面 で の サ ポ ー トも行 っ た が,チ ー ム ケ ア と い え る もの で は な か っ た. 3年 前 に 「訪 問 看 護 ス テ ー シ ョン 鴻 仁 」 が 開 設 され,在 宅 医 療 281

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282  高 井 研 一:他6名 の 社 会 的 追 い 風 に も の り,色 々 な職 種 が 関 わ り は じめ た.訪 問 ナ ー ス の 毎 日の カ ン フ ァ レ ン ス の 中 で,又 訪 問 ナ ー ス,医 師 ら との 週 一 回 の 経 過 ミー テ ィ ン グ の 中 で,次 第 に 多職 種 の 輪 が 広 が り始 め た.作 業 療 法 士 はO. T.室 開 設 と同 時 に 院 内 で の 患 者 ニ ー ズ に 沿 っ た サ ポ ー トを 行 っ て き た.そ の 中 で,他 職 種 との 連 携,情 報 収 集, 共 有 化 の 必 要 性 を強 く感 じ,徐 々 に で は あ る が 他 の ス タ ッ フ と患 者 の 継 続 医療 介 護 を実 行 に う つ して い る.一 方 ケ ー ス ワー カー は こ こ数 年 間 に 人 数 も増 え,医 師,ナ ー ス 等 が 不 得 手 な 福 祉 面 に 適 切 な 助 言 を与 え て くれ る様 に な っ て きた. 病 棟 で の 連 携 は も ち ろ ん の こ と在 宅 に 対 し て も 主 体 的 に 自 宅 に 訪 問 して い く必 要 性 を感 じは じ め た.し か し,少 しづ つ 連 携 を と りは じめ た と は い え 患 者 支 援 に 対 して 各 々 が 独 立 した サ ポー トを 行 っ て い る こ とか ら完 全 に は 抜 け 切 れ な か っ た.そ こ で 治 療,看 護 の 継 続 性 を保 ち な が ら 患 者 の ニ ー ズ に も とず い た 生 活 支 援 を行 う ため, 色 々 な職 種 が 一 つ の 部 局 に ま と ま る こ と で 患 者 か らみ た 一 貫 性 の あ る援 助 が 行 いや す くな る と い う結 論 に 達 した. 図1 岡 山 中央病 院 組織 図 生 活支 援部 の 院 内で の組 織 内位 置づ け を示 した

図2  生 活 支 援 部 の機 能 在 宅 医 療 サー ビスは 医 学 的管 理,訪 問 診察,訪 問 看 護 を,生 活 支援 サー ビ スは,家 事 援 助,配 食,介 護 機 器 リン タル を,訪 問 リハ ビ リサ ー ビス は起 立 訓 練,歩 行 訓 練,機 能 回復 訓 練 を,生 活環 境 整備 サ ー ビ スは住 宅 改 造,バ リア フ リー を,直 接 介 護 サ ー ビス は ホー ム ヘ ル パー,デ イサ ー ビ ス,デ イ ケア,シ ョー トス テ イ を,医 療 相 談 サ ー ビスは 訪 問 医療 相 談 を行 う 地 域 に お け る 生 活 支 援 の 活 動 の 場 と して,当 院 に 「生 活 支 援 部 」が 平 成7年4月 に 発 足 した. 院 内 に お け る組 織 図 内 で の 位 置 づ け を 図1に 示 し た.図2に 「生 活 支 援 部 」 の機 能 を示 し た. 現 在 生 活 支 援 部 で 可 能 な ケ ア マ ネ ー ジ メ ン トは, 医 療 相 談 サ ー ビ ス,生 活 環 境 整 備 サ ー ビ ス,在 宅 医 療 サ ー ビ ス,訪 問 リハ ビ リサ ー ビ ス で あ り, 当 院 の施 設 面 の 問 題 か らデ イ ケ ア な ど の 直 接 介 護 サ ー ビ ス と配 食 な ど の 生 活 支 援 サ ー ビ ス は行 え て い な い.症 例 を 呈 示 す る.症 例, N氏. 68 歳 男 性.脳 梗 塞 後 遺 症 で 四 肢 硬 直 で 寝 た き りで あ る.発 語 不 能,経 口摂 取 不 能 に て 鼻 腔 栄 養 中, 気 管 切 開 を し て い る た め 頻 回 の 喀 痰 吸 引 が 必 要 で あ る.褥 創 が 多発 し,毎 日 の 処 置 が 欠 か せ な い.時 に 発 熱 を 来 し入 院 した こ と も あ る. N氏 に 対 して 昨 年 秋,「 生 活 支 援 部 」で ミー テ ィ ン グ を 行 っ た 時 の 記 録 で あ る.(図3)出 席 者 は 医 師,

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訪 問 ナ ー ス,作 業 療 法 士,ケ ー ス ワー カ ー で あ っ た.問 題 点 の 列 挙,そ の 解 決 策 の 検 討,目 標 を立 て て 次 回 に そ の 標 価 を行 っ た. 図3  訪 問 ミー テ ィ ン グの 記録 症例 呈示 したN氏 の ミー テ ィ ン グの記 録 で あ る.ミ ー テ ィ ン グ出 席者 は6名 で あ っ た 考 察 平 成4年 に 老 人 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン が 制 度 化 され1)在宅 ケア は大 き く進 展 す る可 能 性 が 広 が っ た.近 年 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョン の 増 加 は め ざ ま し く在 宅 ケ ア の 量 的 拡 大 が 急 速 に は か られ て きて い るが,一 方 ス テ ー シ ョ ン の 形 態 を と ら ず 病 院 か らの 訪 問 看 護 を行 っ て い る施 設 も あ り, そ の 中 で 在 宅 医 療 課 と い う組 織 で 一 貫 した ケ ア を 進 め て い る 病 院 もあ る2).最初 病 院 内 か ら始 ま っ た 我 々 の 訪 問 看 護 は 診 療 主 体 の 訪 問 看 護 で あ り現 在 の 在 宅 ケ ア の 理 念 か ら は 程 遠 い もの で あ っ た.訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン が 設 立 さ れ,徐 々 に 多職 種 の 人 々 と関 わ っ て い く中 で,我 々 も刻 々 と変 化 して い く患 者 ニ ー ズ に あ っ た ケ ア サ ー ビ ス を 継 続 的 に 行 うた め に ケ ア レベ ル の 評 価,ニ ー ズ の 確 認 ,ケ アプ ランの立案 等 地域 に根 ざ し た ケ ア サ ー ビ ス を 展 開 す る訪 問 と施 設 の 両 輪 を 兼 ね そ な え た 部 局 の 心 要 性 を 感 じた.そ して そ の 部 局 の 中 で① カ ン フ ァ レ ン ス で の 積 極 的 連 携, ス タ ッ フ 間 の 意 志 統 一,技 術 の 向 上 .② 事 務 と の 協 力 に て 行 政 へ の 働 き か け.③ 機 能 に つ い て の ハ ー ド ・ソ フ ト面 で の 情 報 収 集 ・勉 強 会 を ま

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284  高 井 研 一:他6名 ず 具 体 的 活 動 目 標 と し た.そ し て 経 営 者 と の 話 し合 い の 中 で,診 療 部,看 護 部,他 の コ メ デ ィ カ ル 部 門 に 組 み こ ま れ な い 部 局 と し て 「生 活 支 援 部 」 が 設 立 さ れ た.メ ンバ ー は 作 業 療 法 士 を 長 と して 訪 問 ナ ー ス,作 業 療 法 士,ケ ー ス ワ ー カー,医 師,薬 剤 師,栄 養 士 ら が 主 要 構 成 員 で あ る.「 生 活 支 援 部 」と して の 機 能 の 中 で,特 に 直 接 介 護 サ ー ビ ス と し て の デ イ ケ ア,デ イ サ ー ビ ス は 現 在 行 え て お ら ず,そ の ハ ー ド面 で の 設 立 に 向 け て積 極 的 働 き か け を し て い き た い.こ の 「生 活 支 援 部 」 の 設 立 に あ た っ て は,訪 問看 護 ス テ ー シ ョ ン の 経 営 母 体 が 当 院 で あ り,又 ス テー シ ョ ン と病 院 が 隣 接 し て い る とい う こ と も あ っ て 日 頃 か ら職 員 間 で 絶 え ず 気 楽 に 話 し合 い の 場 が も て た と い う好 条 件 も あ り,み ん な の 気 持 ち が ま と ま りや す か っ た.こ の 様 な 組 織 形 態 は在 宅 ケ ア と い う総 括 的 医 療 の 中 で 生 ま れ た新 しい 支 援 シ ス テ ム と考 え ち れ る. 「生 活 支 援 部 」の 活 動 の 一 端 と して 事 例 を呈 示 した が,各 職 種 が そ れ ぞ れ に 意 見 を 出 し合 い, 患 者 ・家 族 ・地 域 を含 め た 総 括 的 医 療 を こ の事 例 の 中 で 行 っ て い っ た.今 まで は 各 専 門職 が バ ラ バ ラ に 対 応 して お り,ケ ア マ ネ ー ジ ャー もあ い ま い で あ っ た が,「 生 活 支 援 部 」と い う組 織 の 中 で,今 は ま と ま りや す くな っ た.今 や 在 宅 ケ ア の 話 し をす れ ば 時 代 の 先 端 を い っ て い るか の よ う に も て はや され て い る が,そ の 現 状 をみ る と問 題 が 山積 して い る.そ の 一 つ と し て サ ポー トシ ス テ ム の 確 立 が あ る.在 宅 ケ ア は トー タル な サ ポ ー トシ ス テ ム が 用 意 さ れ て は じめ て 円 滑 に 始 動 す る3).地域 の 中 の く ら し に 定 着 させ て い くた め の サ ポ ー ト シ ス テ ム づ く り は今 後 の 在 宅 ケ ア の 高 ま りの 中 で,あ ら ゆ る領 域 に 共 通 の 課 題 と して 認 め られ は じめ て 久 し い4).我 々 も今 回 設 立 した 「生 活 支 援 部 」 を トー タ ル な サ ポ ー ト シ ス テ ム を つ く りあ げ て い く部 門 と して 位 置 づ け,そ こ で の 活 動 を 今 後 の 在 宅 ケ ア 推 進 に役 立 て た い と考 え て い る. 結 論 今 回我 々 は 当 院 に お け る 過 去7年 間 の 在 宅 ケ ア の 中 で,地 域 に 密 着 し た 患 者 の 自立 と主 体 性 を尊 重 し,そ の 人 ら し く生 活 す る た め の 継 続 的 で きめ 細 か な ケ ア サ ー ビ ス を提 供 で き る 活 動 の 場 の 必 要 性 と重 要 性 を認 識 し,院 内 に 「生 活 支 援 部 」 と銘 う っ た 部 局 を設 立 した.こ の 新 し い シ ス テ ム を核 と し て今 後 の 在 宅 ケ ア を推 進 して い き た い. 稿 を終 え るに 臨 み,御 高 閲 を賜 り ました 岡 山大学 医学 部 公 衆 衛 生 学武 田和 久 教 授 に深 謝 致 します.ま た今 回 「生 活支 援 部 」 設立 に 多大 の御 協 力 を頂 き ま した訪 問看 護 ス テー シ ョンの ス タ ッフ一 同,当 院 の 作業 療 法 室 の 皆様,ケ ー ス ワー カー 室 の皆 様,薬 剤 部,栄 養 部 の 皆様 に御 礼 申 し上 げ ます. 文 献 1) 厚 生 省 老 人 保 健 福 祉 部 老 人 保 健 課 監 修:老 人 訪 問 看 護 制 度 の 概 要;老 人 訪 問 看 護 業 務 の 手 引,社 会 保 険 研 究 所,東 京 (1992) pp 11-14. 2) 津 田 恵 美 子:一 貫 し た ケ ア を 求 め て.訪 問 看 護 と 介 護 (1996) 1, 20-25. 3) 鎌 田 ケ イ 子:在 宅 ケ ア の 現 状 と 問 題 点;老 人 看 護 論,全 国 老 人 ケ ア 研 究 会,東 京 (1996) pp 152-160. 4) 外 口 玉 子:「 ケ ア の 継 続 性 」 の 実 現 に 向 け て;人 と場 を つ な ぐケ ア,医 学 書 院,東 京 (1988) pp 240-242.

(5)

Establishment

of home

care

patient

support

system:

Okayama

Central

Hospital

experience

Kenichi

TAKAI, Toshiko

IKEDA, Misa MIYASATO,

Harumi

KITANOSAKO, Yoko

YAMANE,

Tetzuzo

KANESHIGE and Yasuhiro

KANEMASA.

Okayama

Central

Hopsital,

Kojin Visiting

Nursing

Service

and Faculty of Health and Welfare

Science, Okayama

Prefectural

University.

2-18-19, Hokancho,

Okayama

700, Japan.

We established a system to serve aged and disabled people within their neighborhood area.

This system consists of visiting nursing service and an institutional

care unit, both of which

were directed by a managing bureau called the "Life assistance bureau". This bureau investi

gates the needs of patients,

negotiates

with the government,

supervises members and is

authorized to plan budget and personnel affairs. Activities in one representative

case handled

by this bureau are reported.

参照

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