国 語
科
古
典
B
学
習
指
導
案
一 単 元 名 ・ 随 筆 1 『 枕 草 子 』 ( 「 雪 の い と 高 う 降 り た る を 」 【 第 二 八 〇 段 】 ) 二 単 元 設 定 の 理 由 ○ 単 元 観 本 単 元 は 、 平 安 時 代 に お け る 代 表 的 な 随 筆 を 読 む こ と で 、 当 時 の 人 々 の 生 活 や 豊 か な 感 性 に 触 れ る こ と を 目 指 す 単 元 で あ る 。 今 回 取 り 上 げ る 『 枕 草 子 』 は 、 省 略 さ れ た 主 語 、 現 代 語 と 意 味 が 異 な る 古 語 、 調 度 品 な ど 生 活 に 関 す る 知 識 、 先 行 文 学 に 関 す る 知 識 、 敬 語 や 助 動 詞 と い っ た 文 法 事 項 な ど を 押 さ え な が ら 読 ま な け れ ば 、 文 意 を 適 切 に 取 る こ と が で き な い の で 、 高 校 二 年 生 に と っ て は 決 し て 読 み や す い 教 材 と は 言 え な い 。 し か し 、 だ か ら こ そ 「 古 文 を 読 む 」 と い う こ と に つ い て 自 覚 的 に な れ る 作 品 と も 言 え 、 教 材 と し て の 価 値 は 高 い 。 本 単 元 で 取 り 上 げ る 章 段 は 日 記 的 な 内 容 で あ る が 、 一 読 し た だ け で は 内 容 を つ か み に く い 部 分 も 多 い の で 、 叙 述 に 即 し て 内 容 を 読 み 取 ら せ た 上 で 、 そ の 面 白 さ に ま で 目 を 向 け さ せ た い 。 な お 、 随 筆 は 昨 年 度 か ら 比 較 的 多 く の 作 品 に 触 れ て き て い る こ と も あ り 、 今 回 の 授 業 で 取 り 上 げ る 『 枕 草 子 』 の 章 段 は 、 第 二 八 〇 段 の み で 計 画 し て い る 。 ○ 生 徒 観 本 ク ラ ス は 理 系 の 習 熟 度 の 早 い ク ラ ス で あ り 、 国 語 も 含 め 学 習 意 欲 の 高 い 生 徒 が 多 い 。 し か し 、 古 典 に 関 す る 知 識 の 定 着 度 等 は 個 人 差 が 大 き く 、 助 動 詞 や 助 詞 に つ い て 概 ね 理 解 で き て い る 生 徒 も い れ ば 、 動 詞 の 活 用 の 理 解 が 不 十 分 な 生 徒 も い る と い う の が 現 状 で あ る 。 生 徒 は 高 校 入 学 以 来 、 『 徒 然 草 』 『 伊 勢 物 語 』 『 平 家 物 語 』 『 土 佐 日 記 』 と い っ た 作 品 を 授 業 で 読 ん で き て お り 、 『 枕 草 子 』 に つ い て も 古 典 文 法 の テ キ ス ト な ど で 複 数 の 章 段 を 取 り 上 げ て き た の で 、 そ の 世 界 観 に つ い て 少 し は 理 解 で き て い る 状 況 で あ る 。 授 業 に あ た っ て は 、 事 前 に 自 分 の 力 で 口 語 訳 を す る こ と を 生 徒 に 課 し て い る の で 、 予 習 段 階 で 意 味 調 べ な ど は 行 っ て い る が 、 世 に 出 回 っ て い る 口 語 訳 を 参 考 に し て い る 者 も 少 な か ら ず い る も の と 思 わ れ る 。 〇 指 導 観 新 し い 単 元 に 入 る 度 に 予 習 状 況 を 点 検 し て い る の で 、 生 徒 は 口 語 訳 を ノ ー ト に 書 い た 状 態 で 授 業 に 臨 む こ と は 概 ね で き て い る が 、 辞 書 や 便 覧 、 文 法 書 な ど を 駆 使 し て 自 分 の 力 で 「 文 章 に 向 き 合 う 」 こ と は ま だ で き て い な い 。 そ こ で 本 単 元 で は 、 単 に 「 主 語 や 文 法 事 項 、 古 文 単 語 な ど を 確 認 し な が ら 、 口 語 訳 を 完 成 さ せ る 」 と い う こ と を 主 な 学 習 活 動 と す る の で は な く 、 本 文 の 内 容 を と ら え る 上 で ポ イ ン ト と な る 部 分 を 自 ら 指 摘 す る こ と に 挑 ま せ る 。 言 う な ら ば 、 生 徒 は 「 自 ら が ポ イ ン ト と し て 指 摘 し た 部 分 を 解 説 す る 立 場 に 立 つ 」 と い う こ と で あ る 。 教 え る 立 場 に 立 っ て 大 事 な ポ イ ン ト は ど こ か を 考 え て み る と い う 経 験 を す る こ と で 、 「 古 文 を 読 む 」 こ と へ の 意 識 を 高 め さ せ た い と 考 え る 。 い わ ゆ る ア ク テ ィ ブ ラ ー ニ ン グ を 取 り 入 れ た 古 典 の 授 業 を 試 み た い と 考 え る 。 た だ し 、 生 徒 た ち が こ の よ う な 経 験 を す る の は こ の 単 元 が 初 め て で あ る の で 、 学 習 プ リ ン ト を 用 意 し 、 指 摘 す る ポ イ ン ト の 数 を 絞 り 込 む と い う 形 を と り 、 学 習 が 円 滑 に 進 む よ う 支 援 す る 。 ま た 、 生 徒 た ち が 考 え 、 発 表 し 合 う 時 間 を 確 保 し た 場 合 、 授 業 進 度 が 遅 く な るこ と が 想 定 さ れ る の で 、 正 確 な 口 語 訳 な ど 全 体 と し て の 確 認 作 業 に つ い て は 情 報 機 器 を 利 用 す る こ と で 、 時 間 短 縮 を 図 る こ と と す る 。 三 単 元 指 導 目 標 ( 到 達 目 標 ) ・ 著 名 な 随 筆 作 品 で あ る 『 枕 草 子 』 に 関 す る 基 礎 知 識 を 身 に つ け る 。 【 関 心 ・ 意 欲 ・ 態 度 】 【 知 識 ・ 理 解 】 ・ 登 場 人 物 の 行 動 や 会 話 内 容 を 場 面 に 即 し て と ら え 、 描 か れ た 世 界 を 適 切 に 理 解 す る 。 【 読 む 能 力 】 ・ 登 場 人 物 た ち の 心 情 を 考 え 、 当 時 の 人 々 の 生 活 ・ 文 化 に つ い て 理 解 を 深 め る 。 【 読 む 能 力 】 四 指 導 計 画 ( 全 2 時 間 ) 第 一 次 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 『 枕 草 子 』 「 雪 の い と 高 う 降 り た る を 」 の 内 容 を 理 解 さ せ る 2 時 間 1 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 第 一 段 落 の 内 容 を 確 認 す る 。 ( 1 時 間 ) 〔 本 時 〕 2 ・ ・ ・ ・ ・ ・第 二 段 落 の 内 容 を 確 認 し た 上 で 登 場 人 物 た ち の 心 情 を ま と め る 。 文 学 史 的 知 識 を 確 認 す る 。 ( 1 時 間 ) 五 本 時 ( 1 ) 本 時 の 指 導 目 標 ( 到 達 目 標 ) ・ ポ イ ン ト を し ぼ っ て 内 容 を 他 者 に 説 明 す る 。 【 読 む 能 力 】 〔 評 価 の 観 点 〕 互 い に 説 明 を 行 え て い る か 、 机 間 指 導 を 行 い な が ら 確 認 す る 。 何 人 か に 発 表 さ せ 、 多 様 な ポ イ ン ト に 目 を 向 け ら れ て い る か を 確 認 す る 。 学 習 プ リ ン ト に 記 述 で き て い る か を 確 認 す る 。 ・ 本 文 の 内 容 を 適 切 に と ら え る 。 【 読 む 能 力 】 〔 評 価 の 観 点 〕 ノ ー ト に 正 確 な 口 語 訳 が な さ れ て い る か を 後 日 確 認 す る 。 ( 2 ) 本 時 の 手 立 て ・ 学 習 プ リ ン ト を 利 用 し な が ら 、 内 容 把 握 の 上 で 重 要 な 部 分 を 自 分 な り に 考 え さ せ る 。 ・ 少 人 数 で 説 明 し 合 い 、 話 合 う こ と で 、 自 分 の 考 え を 見 直 さ せ る 。 ・ I C T の 利 用 に よ り 、 詳 細 な 訳 や 文 法 事 項 な ど を 合 理 的 に 確 認 す る 。 ( 3 ) 本 時 の 授 業 仮 説 ・ 古 文 の 学 習 に お い て 、 内 容 理 解 ( 口 語 訳 作 成 ) を す る た め に 、 ポ イ ン ト と な る 部 分 を 数 点 挙 げ 、 そ れ を 説 明 し 合 う こ と で 、 古 文 を 読 む 上 で 注 意 し な け れ ば な ら な い 点 や 、 そ の 文 章 を 読 む 上 で 必 要 と な る 知 識 な ど に つ い て の 意 識 が 高 め ら れ 、 意 欲 的 に 学 習 活 動 が 行 え る だ け で な く 、 「 読 解 方 法 に つ い て の 理 解 」 や 「 古 典 に 関 す る 知 識 」 が 深 め ら れ る だ ろ う 。 ( 4 ) 教 材 ・ 教 科 書 『 古 典 B 』 ( 東 京 書 籍 ) ・ 副 教 材 『 完 全 マ ス タ ー 古 典 文 法 』 ( 第 一 学 習 社 ) ・ 各 社 の 古 語 辞 典 ( 各 自 所 有 の も の ) ・ 学 習 プ リ ン ト
( 5 ) 学 習 の 展 開 ( 学 習 指 導 過 程 ) 学 習 内 容 ・ 活 動 教 師 の 支 援 教 時 間 学 習 評 価 指 導 上 の 留 意 点 材 配 当 形 態 ・ 本 文 の 音 読 ・ プ リ ン ト の 利 用 方 法 を プ 導 入 し っ か り と 説 明 し 、 後 で ・ 分 一 斉 10 ・ プ リ ン ト の 説 明 発 表 し 合 う こ と を 前 も っ 教 て 知 ら せ る 。 ・ 第 一 段 落 前 半 部 に ・ は じ め に 三 分 ほ ど 時 間 個 人 つ い て ポ イ ン ト を 三 を 与 え て 、 プ リ ン ト の A 点 指 摘 す る 。 部 分 に 記 入 さ せ る 。 組 ・ 指 摘 し た ポ イ ン ト ・ 辞 書 や 文 法 書 な ど を 積 分 の 15 を 二 人 組 で 発 表 し 合 極 的 に 利 用 す る よ う 促 す 。 人 う 。 2 ・ 机 間 指 導 を 行 い 、 生 徒 ・ ポ イ ン ト を し ぼ っ ・ 各 自 が 指 摘 し た 箇 の 状 況 を 把 握 す る 。 ト て 内 容 を 他 者 に 説 明 展 開 所 を 確 認 し 、 ク ラ ス ン 一 斉 す る こ と が で き て い で 情 報 を 共 有 す る 。 ・ 二 人 組 は こ ち ら で 指 示 リ る 。 す る 。 プ 【 読 む 能 力 】 ・ 〔 机 間 指 導 に よ り 発 ・ 第 一 段 落 後 半 部 に ・ 発 表 し 合 う 際 に は 、 選 書 表 の 様 子 を 確 認 す る 〕 つ い て ポ イ ン ト を 三 ん だ 理 由 な ど も 言 う よ う 科 個 人 〔 授 業 終 了 後 プ リ ン 点 指 摘 す る 。 に 指 示 す る 。 教 ト を 回 収 し 、 埋 ま り 具 合 を 確 認 す る 〕 ・ 指 摘 し た ポ イ ン ト ・ 相 手 の 指 摘 し た 箇 所 が 分 組 15 を 二 人 組 で 発 表 し 合 自 分 の 選 ん だ 部 分 と 違 う の う 。 場 合 は メ モ を と ら せ る 。 人 2 ・ 各 自 が 指 摘 し た 箇 ・ 前 に 出 て 説 明 さ せ る 生 所 を 確 認 し 、 ク ラ ス 徒 は 一 組 程 度 と な る が 、 で 情 報 を 共 有 す る 。 そ れ 以 外 の 生 徒 に も 指 摘 一 斉 箇 所 を 答 え さ せ る 。 ・ プ ロ ジ ェ ク タ を 用 い て 、 ・ 本 文 の 内 容 を 適 切 ・ 本 文 第 一 段 落 の 正 黒 板 に 表 示 す る 。 プ に と ら え て い る 。 ま と め 確 な 口 語 訳 を 確 認 す ・ 生 徒 が 指 摘 し な か っ た ・ 分 一 斉 【 読 む 能 力 】 10 る 。 点 も 含 め 重 要 語 ・ 文 法 事 教 〔 後 日 ノ ー ト の 確 認 項 な ど を 確 認 す る 。 を 行 う 〕