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力と圧力

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Academic year: 2021

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理-1

第1学年

理科学習指導案

1 単 元 力と圧力 2 指導観 ○ 地球上のありとあらゆる物体には,力がはたらいている。力は物体と物体との相互作用であり, 力がはたらいている事象を合理的に説明するのが力学である。この力学の発展は,物理学の発展 を導き,現代文明を支えている様々な科学技術の基礎となったともいえる。この力学を支える 「力」の概念は,最も身近で基本的な科学概念の1つなのである。 本単元は,身近な事物・現象についての観察,実験を通して,力の基礎的な性質についての理 解を深め,これを物体の変形や運動の様子の変化,圧力などの日常生活に見られる現象と関連付 けて科学的にみていこうとする見方や考え方を養うことをねらいとする。学習内容としては,力 のはたらき,力の表し方,力の相互作用,2力のつり合い,圧力,大気圧などがある。これらの 内容について,生徒自らの「考え」を「科学の考え」と照らし合わせながら,いろいろな「力と 圧力」に関する事象について予測-観察-説明や課題追究などを通して学習していくことは,「考 える力」を育むことができ,主体的に自然を探究する能力や態度,科学的な見方や考え方を養い, 自然を総合的に見る上でも大変意義深い。 ○ 本学級の生徒は,理科の学習に対する興味・関心が高く,知的好奇心が旺盛である。授業への 参加態度は意欲的で,熱心に観察や実験に取り組み発言も活発である。小学校第4学年において, 閉じこめた空気や水に力を加え,その体積や押し返す力の変化について学習している。第5学年 では,てこのしくみやはたらき,物体の動きの規則性について調べている。 事前調査では,「力と圧力」に関する学習について,約半数の生徒が「身近な現象なのでわか りやすい」という内容の回答をしている。しかしながら,「力は動物やばねなど特定のものが出 す」と考えていたり,「重さは物体が下に落ちようとする性質で力ではない」と考えていたりす る生徒も少なくない。また,圧力という言葉についてもよく使用するが,力と混同している生徒 が多い。以上のことから,「力と圧力」に関する事象は,身近で感覚的にとらえやすいために関 心が高く,自分なりの「考え」でとらえているが,それらは直観的で断片的なものにとどまって いることが伺える。したがって,「力と圧力」に関する事象についての予測-観察-説明を通し て,生徒の「考え」を明らかにし,それを基にした事象の提示や課題の追究などにより,科学的 な「考え」へと再構成させていく必要がある。 ○ 本単元の指導にあたっては,生徒の「力と圧力」に対する考えと,力学における「科学の考え」 とのやりとりを予測-観察-説明法を用いて行わせ,「自分の考え」を再構成していく過程の中 で,生徒の「考える力」を伸ばしていきたい。また,最後に一連の学習を振り返らせることで, 自らの「考え」の変容を確認させ,学習の価値付けを図らせたい。 そのためにまず,力のはたらきについて考えさせる。ここでは,力のはたらきを描画法を用い て説明させ,生徒の考えを明らかにさせる。その際,力のはたらきについて他者と交流させ,自 分の考えを再考させる。また,力の表し方,2力のつり合う条件,力の相互作用を「科学の考え」 として知らせ,力がはたらいている身近な事象を力の矢印を使って説明させる。次に,力がはた らいている事象について考えさせる。ここでは,課題事象の力のはたらきについて「科学の考え」 を適用させ,予測-観察-説明を行わせる。そして,いろいろな「力と圧力」に関する事象の中 から課題を設定させ,予測-観察-説明を行わせることにより「自分の考え」を深めさせる。さ らに,圧力について考えさせる。ここでは,圧力に関する観察,実験を通して,力の効果と力を 受ける面積との関係を説明させる。そして,大気圧に関する身のまわりの現象を描画法を用いて 説明させる。最後に「力と圧力」の学習を振り返らせ,「自分の考え」の広がりや深まりを確認 させる。ここでは,一連の学習活動の中で「力と圧力」についての「自分の考え」がどのように 変容してきたかを確認させ,学習の価値付けを図らせる。 3 目 標 ○ 身近な力に関する事象に興味・関心をもち,力の基礎的な性質を日常生活に見られる現象と関 連付けようとする。 ○ 力の基礎的な性質を日常生活と結び付けて,論理的に推論する。 ○ 「力と圧力」に関する事象について,予測-観察-説明し「自分の考え」と「科学の考え」と のやりとりを通して「自分の考え」を再構成する。 ○ 物体に力をはたらかせる実験を行い,その変化の様子を観察し,物体にはたらく力を矢印で表 す。 ○ 力と圧力の基礎について,日常生活と関連付けて理解する。

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理-2 4 計 画(11時間) 関:関心・意欲・態度 思:科学的思考 技:技能・表現 知:知識・理解 次 時 学習活動・内容 手だて 評価規準 一 4 1 力のはたらきについて考える。 ○力がはたらいている身のまわりの事象を 関:力のはたらきに関心をもち, (1)力のはたらきを描画で説明す 提示する。 力がはたらいている身のまわ る。 りの事象を描画で説明しよう ・力がはたらいている場所 ○描画の説明について,他者と交流させ, とする。 <描画分析> ・力のはたらき 自分の考えを再考させる。 思:力がはたらいている身の (2)力のはたらきについて他者と ○人の力以外にも様々な力があることを知ら まわりの事象についての自 交流する。 せる。 分の考えを検討し,再構成 ・力の種類 する。 <描画分析> (3)物体にはたらく力について ○力を矢印で表すこと,2力のつりあう条 知:力 の表し方,2 力のつ 考える。 件,力の相互作用を知らせる。 り合う条件,力の 相互作 ・力の矢印 ○力がはたらいている身のまわりの事象を 用について説明する。 ・力のつり合い 力の矢印を使って説明させる。 <プリント分析> ・力の相互作用 思:力 がはたらいて いる身 のまわりの事象を 力の矢 印を使って説明する。 <プリント分析> 二 3 2 力がはたらいている事象に 思:力学的な視点から課題事 ついて考える。 象について予測,観察,説 本 (1)課題事象について予測,観察, ○課題事象の力のはたらきについて,科 明する。 時 説明を行う。 学の 考えを適用させ, 力の矢印を使っ <プリント分析> ・台はかり上の2つの磁石に て説明させ る 。 はたらく力 (2)力がはたらいている身のまわ ○身のまわりの事象から課題を設定させ, 技:検証のための観察・実験 りの事象について課題を設定 予測,観察,説明を行わせることにより を行い,結果をまとめる。 し,予測,観察,説明を行う。 自分の考えを深めさせる。 <レポート分析> ・力のつりあい 思:身のまわりの事象について ・力の相互作用 の自 分 の 課 題 を 力 学 的 視 点から予測,観察 ,説明 する。 <プリント分析> 三 3 3 圧力について考える。 知:力 の 効 果 と 力 を 受 ける (1)力の効果と力を受ける面積と ○力の効果と力を受ける面積との関係を身 面積との関係を説明する。 の関係を説明する。 のまわりの事象で説明させる。 <プリント分析> ・圧力の定義 ・圧力の表し方 (2)空気の重さと大気圧の関係を ○大気圧は空気の重さによることを知らせ 説明する。 る。 思:大 気 圧 に 関 す る 身 のま ・大気圧のはたらき ○大気圧に関する身のまわりの現象を,描 わりの現象を描画で表し, ・大気圧と身のまわりの現象 画を使って説明させる。 説明する。 <描画分析> 四 1 4 力と圧力の学習を振り返り, ○一連の学習活動の中で力と圧力についての 関:今までの学習を振り返 自分の考えの広がりや深まり 「自分の考え」がどのように変容してきた り,自分の学びを評価しよ を確認する。 かを確認させ,学習の価値付けを図る。 うとする。 <プリント分析>

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理-3 5 本 時 計画 第二次の1 理科室にて (1) 本時の指導観 前時までに生徒は,力のはたらきについて「自分の考え」を明らかにし,力の種類,力の表し方, 2力のつり合う条件,力の相互作用を学習している。本時では,課題事象の力のはたらきについて 科学の考えを適用し,力の矢印を使って説明できることをねらいとする。 そのためにまず,本時のめあてを確認させる。ここでは,課題のパネルを提示し,演示を行うこ とで課題内容をとらえさせ,課題事象について関心をもたせる。次に,課題事象について予測させ る。ここでは,台はかりのめもりの変化について自分の考えを明らかにさせ,力の矢印を使って説 明させる。その際,2つの磁石それぞれにはたらく力を矢印で表すことを指示する。さらに,課題 事象について,観察,説明を行わせる。ここでは,観察結果を説明する際に,力のつり合いや力の 相互作用を適用するよう指示する。そして,いくつかの異なる考えを報告させ,意見交流を行わせ ることにより自分の考えを深めさせる。最後に,問いについて予測,説明を行わせる。ここでは, クリップにはたらく力を力の矢印で表させ,糸を切った場合のクリップの動きについて説明させる。 観察については演示実験で行う。 (2) 主 眼 ○ 課題事象の力のはたらきについて科学の考えを適用し,力の矢印を使って説明する。 (3) 準 備 ① 課題事象パネル ② 演示実験セット(リング磁石大,支柱,台はかり) ③ 学習プリント ④ 生徒実験セット(リング磁石小,支柱,台はかり) ⑤ OHP,OHPシート ⑥ 問いの演示実験セット(クリップ,磁石,糸) (4) 過 程 学習活動・内容 準備 手だて(○)と評価(◇) 形態 配時 課題 一斉 5 2つの磁石をくっつけて,支柱に置き,台はかりの上にのせて重さをはかります。次に,2つの 磁石を反発させて支柱に置き,台はかりの上にのせると台はかりのめもりはどうなるでしょう? 1 本時のめあてを確認する。 ① ○ 課題のパネルを提示し,演示を行うこと ② で課題内容をとらえさせ,課題事象につい 台はかり上の2つの磁石に ③ て関心をもたせる。 はたらく力について考えよう 2 課題事象について予測する。 ○ 台はかりのめもりの変化について自分の 個人 15 ・台はかりのめもりの変化 考えを明らかにさせ,力の矢印を使って説 ・2つの磁石にはたらく力 明させる。 ○ 2つの磁石それぞれにはたらく力を矢印 で表すことを指示する。 3 課題事象について,観察,説明を ④ ○ 観察結果を説明する際に,力のつり合い 小 集 20 行う。 ⑤ や力の相互作用を適用するよう指示する。 団 ・力の矢印 ○ 力の矢印が描けない生徒には,机間指 ↓ ・力のつり合い 導の際に重力と磁力の作用点を示す。 個人 ・力の相互作用 ○ いくつかの異なる考えを報告させ,意見 ↓ 交流を行わせることにより自分の考えを深 一斉 めさせる。 ◇ 課題事象の力のはたらきについて,科学 の考えを適用し,力の矢印を使って説明す ることができたか。 <プリント分析> 4 問いについて予測,説明を行う。 ⑥ ○ クリップにはたらく力を力の矢印で表さ 10 ・クリップにはたらく力 せ,糸を切った場合のクリップの動きにつ 個人 ・糸を切ったときのクリップの動き いて説明させる。 ◇ 問いについて,力の矢印を使って説明す ることができたか。 <プリント分析>

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理-4 第1 学年「力と圧力」評価基準表 関:関心・意欲・態度 思:科学的思考 技:技能・表現 知:知識・理解 配 評価規準 評価基準 学習活動・内容 時 <評価方法> A B 4 1 力のはたらきについて考 関:力のはたらきに関心を ・身のまわりの事象にはたらいている力をイメージ える。 もち,力がはたらいてい し,描画でわかりやすく説明しようとする。 (1)力のはたらきを描画で説 る身のまわりの事象を描 明する。 画で説明しようとする。 ・力がはたらいている場所 <描画分析> ・力のはたらき 思:力がはたらいている身 ・自分の考えを他者のもの ・自分の考えを他者のも (2)力のはたらきについて他 のまわりの事象について と比較し,批判的に検討 のと比較し,検討する 者と交流する。 の自分の考えを検討し, することで力のはたらき ことで力のはたらきに ・力の種類 再構成する。 についての説明をより精 ついての説明を再構成 (3)物体にはたらく力につい <描画分析> 緻なものに再構成する。 する。 て考える。 知:力の表し方,2力のつり ・2力のつり合い,力の相 ・力を矢印で表すことが ・力の矢印 合う条件,力の相互作用に 互作用について具体例を でき,2力のつり合う ・力のつり合い ついて知識を身につけてい 挙げて力の矢印を的確に 条件,力の相互作用に ・力の相互作用 る。 <プリント分析> 使って説明する。 ついて説明する。 思:力がはたらいている身 ・力のつり合いや相互作 ・力の向き,大きさ,作 のまわりの事象を力の矢 用をふまえて力の矢印 用点を明確にして力の 印を使って説明する。 を使って説明する。 矢印を使って説明する。 <プリント分析> 3 2 力 がはたらいて いる事 思:力学的な視点から課題 ・課題事象について,物体に ・課題事象について,物 象について考える。 事象について予測,観察, はたらく力を的確に指摘し, 体にはたらく力を的確 (1)課題事象について予測, 説明する。 説明することができ,その考 に指摘し,説明する。 観察,説明を行う。 <プリント分析> え方を他の事象に適用する。 ・台はかり上の2つの磁石 技:検証のための観察・実験 ・妥当性や信頼性が他者か ・仮説の検証が可能な実 にはたらく力 を行い,結果をまとめる。 らも認められるような検 験を行う。 (2)力がはたらいている身の <レポート分析> 証実験を行う。 まわ り の事 象につ いて課 思:身のまわりの事象につい ・検 証方法の妥当性や実 ・検証可能な仮説を設定 題を設定し,予測,観察, ての自分の課題を力学的 行可能性などを吟味し, し,それぞれの物体に 説明を行う。 視点から予測,観察,説 検証 結果を力学的な視 はたらく力に着目して ・仮説の設定 明する。<プリント分析> 点 から論 理的に考察す 予測,観察,説明する。 ・検証方法の立案 る。 ・検証実験 3 3 圧力について考える。 知:力の効果と力を受ける ・圧力が力の効果を意味し, ・圧力が力の効果を意味 (1)力の効果と力を受ける面 面積との関係を説明す 単位面積あたりに かかる し,単位面積あたりに 積との関係を説明する。 る。 <プリント分析> 力として表されることを かかる力として表され ・圧力の定義 説明し,日常生活の事象 ることを説明する。 ・圧力の表し方 に関連付けて説明する。 (2)空気の重さと大気圧の関 思:大 気 圧 に 関 す る 身 の ・大気圧に関する身のま ・空気の重さによって大気 係を説明する。 ま わ り の 現 象 を 描 画 で わりの現象を描画で表 圧が生じていることをふ ・大気圧のはたらき 表し,説明する。 し,力の矢印で表し, まえ,大気圧のはたらき ・大気圧と身のまわりの現象 <描画分析> 論理的に説明する。 を描画で表し,説明する。 1 4 力 と圧力 の学習を振り 関:今までの学習を振り返り, ・自分の学習について,関心,意欲と理解の2つの 返り ,自分 の考えの広が 自分の学びを評価しようとす 視点から振り返り,変容とその原因について吟味し, りや深まりを確認する。 る。 <プリント分析> 自分の学びの過程と成果を価値付けようとする。

参照

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