Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College,
Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
更なる発展へ
Author(s)
井出, 吉信
Journal
歯科学報, 113(1): 1i-1i
URL
http://hdl.handle.net/10130/3007
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更なる発展へ
学会長
井 出 吉 信
今年度の新入生から「さいかち坂校舎」での授業が始まりました。これに続いて,今年の7月19日
に新館の竣工式を,8月31日に竣工記念式典を行う予定であります。現在の第2学年から第4学年ま
での学生は夏休みの期間を利用して引越しの準備を進める計画です。その後,9月2日に学生を対象
に開校式を行うための準備を着々と進めております。いよいよ水道橋への移転が現実味を帯びてきま
した。教育・研究の情報の場は,東京であると思います。そこで新たな発展のために,水道橋に戻り
ます。
東京歯科大学は,1890年に髙山!齋先生によって日本最初の歯科医学校である髙山歯科医学院が建
設された伊皿子の地から1900年に神田小川町に移転し(東京歯科医学院),その1年後の1901年に東京
歯科医学院の校舎を神田三崎町(水道橋)に建設,その後1981年に千葉市美浜区真砂に学部を移しまし
た。さらに,本年度(2013年)にメインキャンパスを水道橋の地に戻します。東京歯科大学は移転を繰
り返しながら,その度ごとに発展してきました。そこで,水道橋の地においても教職員・研修医・病
院のスタッフが協力し,全力を尽くし,教育・治療に当たっていただきたいと思います。
新約聖書のルカによる福音書第5章に「だれも新しいぶどう酒を古い革袋に入れたりはしない。も
しそんなことをしたら,新しいぶどう酒は皮袋をはり裂き,そしてぶどう酒は流れ出るし,皮袋もむ
だになるであろう。」という句があります。新しいぶどう酒は学生であり,皮袋は教職員であるかの
ように思えます。これから優秀な学生が集まっても,学生を包む教職員が連繋し,確りしていなけれ
ば,いずれは破れてしまうことになります。
昨年度の国家試験の結果ですが,東京歯科大学は全国の歯科大学・歯学部(国立・公立・私立大学)
中トップでした。このことは,学生が努力し頑張ったことが勿論ですが,学生と教職員が一丸となっ
て目標に向かった賜物であると考えます。しかし,他校でも教育改革を熱心に行っていますので,こ
のようなことで安心することなしに,常に良い状況を維持できるよう,さらに向上できるよう努力し
たいと思っております。
研究に於いては,歯学の領域で国内最先端の研究であっても国際的にも,また他の分野でも通用す
るとは限りません。異分野,異業種,との融合によって新たな価値,強みが発揮出来ると考えられま
す。昨年,血脇守之助先生が学長でいらした頃から深い繋がりのある慶應義塾大学と教育,研究,臨
床の面でより一層の関係を深めたいとの思いから,教授会を経て慶應義塾大学の医学部との協定を結
びました。また他大学や他学部とも移転後の利便性を生かし,あらゆる面での関係を深めて行きたい
と考えています。さらに歯科業界に於いても多くの企業が高度な研究所を所有しております。これ等
の企業とも産学協同して研究を進める事ができる様な提携を準備しております。
診療面に於いては他の大学に先駆けて,5年前に市川総合病院に口腔がんセンターを設立しまし
た。歯科大学病院では,最初の口腔がんセンターです。同時に,口腔がん専門医養成コースを大学院
に設置しました。このように新しい治療に関する診療,研究が日々推進できるような環境をさらに整
えたいと考えております。
大学は国により健全な発展を伴った永続性を求められています。5年後から18歳人口の減少が加速
して行きます。歯科界のみならず大学が厳しい状況を迎えるのは明らかです。この水道橋キャンパス
移転も次なる発展の新たな一歩です。
本年は,東京歯科大学にとって,水道橋移転を期に今まで以上に社会が求める歯科医療人を多く育
成し,社会が必要とする大学になるべく更なる飛躍の礎を築く年となるでしょう。
巻 頭 言 ①