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腸内細菌叢-ヒト属性関連性の統合的抽出方式のヒト性別属性分析への応用

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Academic year: 2021

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DEIM Forum 2016 G5-6

腸内細菌叢

-ヒト属性関連性の統合的抽出方式の

ヒト性別属性分析への応用

引地 志織

佐々木 史織

清木 康

†慶應義塾大学環境情報学部

〒252-0812 神奈川県藤沢市遠藤 5322

‡慶應義塾大学政策・メディア研究科

〒252-0812 神奈川県藤沢市遠藤 5322

E-mail: †{t13751sh, kiyoki}@sfc.keio.ac.jp, ‡sashiori@sfc.keio.ac.jp

あ ら ま し 本稿では,腸内細菌叢データと国籍・性別・年齢などのヒト属性との関連性について,文脈解釈機能 と意味的分析機構を用い統合的に抽出する方式を提案する.本方式では,細菌学の先行研究からヒューリスティク スとしてヒト属性に関する特定の腸内細菌種の組み合わせを文脈とし,網羅的に複数のクラスタリングアルゴリズ ム (k-means クラスタリング,階層的クラスタリング)を実行・結果比較を行うことにより,有意な腸内細菌叢関連 性をヒトの具体的属性情報と腸内細菌種の数値的傾向として抽出する.本方式の特徴は,クラスタリングアルゴリズ ムの特徴,および,対象データに合わせた最適アルゴリズムを使用した分析を行うことにより,有意な腸内細菌叢-ヒト属性関連性を得ることを可能とする点にある.本稿では,被験者60 人,61 種類の門レベルの細菌データを対 象として,性別に関する文脈を使用し実験を行った結果,最適アルゴリズムとして階層的クラスタリングが選択さ れ,女性に関連するクラスタ情報(Actinobacteria と Bacteroidetes の検出割合)が腸内細菌叢-ヒト属性関連性として抽 出されることを示す. キーワード 腸内細菌,データマイニング,個人化医療,次世代シーケンサー,特徴抽出

1. は じ め に

ヒ ト 腸 内 細 菌 叢 と は , 体 細 胞 数 を 遥 か に 凌 ぐ 数 の 細 菌 の 集 合 体 を 示 し , 生 体 に 様 々 な 影 響 を 与 え て い る こ と が 知 ら れ て い る[1] . 近 年 , 次 世 代 シ ー ケ ン シ ン グ (NGS) に よ り 菌 叢 の 解 析 技 術 が 進 み , 腸 内 細 菌 叢 の 異 常 と 癌 や 糖 尿 病[2],炎 症 性 大 腸 炎 [3]と い っ た 一 部 の 疾 患 の 関 連 が 報 告 さ れ て お り ,“Microbiomarker”と い う 一 種 の 生 体 指 標 と し て 注 目 さ れ て い る . 腸 内 細 菌 叢 と ヒ ト 属 性 の 関 係 性 を 効 率 的 に 抽 出 す る こ と に よ っ て , 個 人 化 医 療 へ の 貢 献 が 期 待 さ れ て い る が , 遺 伝 子 な ど の ゲ ノ ム 配 列 情 報 を 扱 う ゲ ノ ミ ク ス や ,mRNA の 発 現 状 況 を 扱 う ト ラ ン ス ク リ プ ト ミ ク ス な ど の 他 の オ ミ ッ ク ス 解 析 に 比 べ る と 解 析 手 法 が 十 分 で な く , 現 在 は 主 に 主 座 標 分 析 に よ り 全 体 デ ー タ の 傾 向 か ら 国 籍 や 年 齢 な ど の ヒ ト の 属 性 情 報 と 腸 内 細 菌 種 の 大 ま か な 関 係 を 捉 え る こ と に と ど ま っ て い る . 他 の オ ミ ッ ク ス 解 析 で は , 付 帯 す る 情 報 も 含 め た デ ー タ 分 析 手 法 や 個 々 の 研 究 成 果 を 蓄 積 し た 巨 大 な デ ー タ ベ ー ス が あ り , デ ー タ の 共 有 や 再 利 用 を 行 っ た 様 々 な 統 合 的 な 解 析 が 可 能 と な っ て い る た め , 腸 内 細 菌 叢 解 析 で は 統 合 的 な 解 析 手 法 の 実 現 が 大 き な 課 題 と な っ て い る . そ こ で , 本 稿 で は 腸 内 細 菌 叢 に 関 す る デ ー タ ベ ー ス を 対 象 と し た 文 脈 解 釈 機 能[4] お よ び 意 味 的 分 析 機 構 [5,6]に よ る 腸 内 細 菌 叢 -ヒ ト 属 性 関 連 性 の 統 合 的 抽 出 方 式 を 提 案 し , 実 例 を 用 い て 本 方 式 の 有 効 性 及 び 実 現 可 能 性 を 検 証 す る . 本 方 式 に よ り , 細 菌 学 の 先 行 研 究 か ら ヒ ュ ー リ ス テ ィ ク ス と し て ヒ ト 属 性 に 関 す る 特 定 の 腸 内 細 菌 種 の 組 み 合 わ せ を 文 脈 と し て 設 定 し , 網 羅 的 に 複 数 の ク ラ ス タ リ ン グ ア ル ゴ リ ズ ム (k-means ク ラ ス タ リ ン グ , 階 層 的 ク ラ ス タ リ ン グ ) を 実 行 ・ 結 果 比 較 を 行 う こ と で , 最 も 有 意 な 腸 内 細 菌 叢 関 係 性 を ヒ ト の 具 体 的 属 性 情 報 と 腸 内 細 菌 種 の 数 値 的 傾 向 と し て 抽 出 す る . 本 方 式 を 利 用 す る こ と に よ り , 腸 内 細 菌 叢 と ヒ ト 属 性 の 関 係 に つ い て 包 括 的 な 理 解 が 進 み , 将 来 的 に は 細 菌 学 的 観 点 か ら 新 た な 治 療 法 の 確 立 に 繋 が る と 期 待 さ れ る .

2. 関 連 研 究

現 在 , 腸 内 細 菌 叢 解 析 に お い て ,UniFrac 距 離 [7]を 使 用 し た 主 座 標 分 析[8]が 主 流 と な っ て お り ,全 体 デ ー タ の 傾 向 か ら 国 籍 や 年 齢 な ど の ヒ ト の 属 性 情 報 と 腸 内 細 菌 種 の 関 係[9,10,11]を 捉 え る こ と が 可 能 と な っ て い る .膨 大 な 腸 内 細 菌 叢 デ ー タ を 抽 出 出 来 る 装 置 と し て , NGS が 広 く 使 用 さ れ て い る が ,OMIM [12]や GAD[13], Gene Expression Omnibus[14] , ArrayExpress[15] , Stanford Microarray Database[16],GO[17]な ど の 他 の 遺 伝 子 デ ー タ ベ ー ス に 比 べ る と , 蓄 積 さ れ て い る デ ー タ 数 が 少 な く , 既 存 の 腸 内 細 菌 叢 解 析 ツ ー ル で あ る QIIME[18]で も 解 析 シ ス テ ム の 開 発 が 大 き な 課 題 と な っ て い る . NGS の デ ー タ 解 析 の 第 一 段 階 と し て ,定 量 的 な 細 菌 デ ー タ と の 関 連 づ け を 行 う 為 の 次 元 縮 小 と し て , ク ラ

(2)

ス タ リ ン グ が 一 般 的 に 使 用 さ れ て お り , デ ー タ ベ ー ス 分 野 で も ク ラ ス タ リ ン グ を 用 い た 多 様 な デ ー タ 分 析 方 式 が 提 案 さ れ て い る[19,20]. 一 方 , デ ー タ マ イ ニ ン グ の 分 野 で は , 全 体 の お お ま か な 傾 向 を 捉 え る よ り も , 文 脈 解 釈 機 能 に よ る 間 接 的 な 分 析 対 象 デ ー タ の 指 定 を 行 い , 意 味 的 分 析 機 構 に よ る 部 分 的 に 特 出 し た 傾 向 抽 出 を 行 う こ と が 多 く , 有 効 性 が 示 さ れ て い る[4,5,6]. こ れ ま で の 研 究 で は 医 療 分 野 の ド キ ュ メ ン ト 群 に 関 す る 意 味 的 分 析 機 構 の 適 用 が 行 わ れ て い た[21,22]が , 腸 内 細 菌 叢 に 関 す る デ ー タ ベ ー ス へ の 適 応 は ク ラ ス タ リ ン グ 手 法 に 依 存 的 で あ り , 複 数 の ク ラ ス タ リ ン グ 手 法 を 用 い た 統 合 的 な 解 析 シ ス テ ム の 実 現 は さ れ て い な か っ た[23]. 本 稿 で 提 案 す る 腸 内 細 菌 叢-ヒ ト 属 性 関 連 性 の 統 合 的 抽 出 方 式 で は , 散 布 図 や 系 統 樹 を 用 い て 全 体 の 傾 向 を 可 視 化 し た 上 で ,最 も 有 意 な 腸 内 細 菌 叢-ヒ ト 属 性 の 関 連 性 を 腸 内 細 菌 種 の 数 値 的 傾 向 と ヒ ト の 具 体 的 属 性 情 報 と し て 抽 出 す る . 本 方 式 で は , 一 般 的 に 使 用 さ れ て い る ク ラ ス タ リ ン グ ア ル ゴ リ ズ ム で あ る k-means ク ラ ス タ リ ン グ 及 び 階 層 的 ク ラ ス タ リ ン グ に よ る 分 析 を 行 う こ と で , 文 脈 に よ り 指 定 さ れ た デ ー タ の 分 布 に 関 わ ら ず , ク ラ ス タ リ ン グ ア ル ゴ リ ズ ム の 特 徴 や 対 象 デ ー タ に 合 わ せ た 腸 内 細 菌 叢-ヒ ト 属 性 関 連 性 を 得 る こ と が 可 能 と な る . 具 体 的 な ク ラ ス タ リ ン グ ア ル ゴ リ ズ ム の 特 徴 の 一 つ と し て ,ク ラ ス タ 数 の 指 定 後 ,k-means ク ラ ス タ リ ン グ で は ク ラ ス タ 内 の デ ー タ 数 が 近 似 値 と な る の に 対 し , 階 層 的 ク ラ ス タ リ ン グ で は 距 離 行 列 に 基 づ き ク ラ ス タ の 振 り 分 け を 行 う た め , ク ラ ス タ 内 の デ ー タ 数 が 近 似 値 と は 限 ら な い と い う ク ラ ス タ 内 に 含 ま れ る デ ー タ 数 の 差 が 挙 げ ら れ る .k-means ク ラ ス タ リ ン グ の 特 異 的 な 問 題 点 と し て6 割 程 度 の 低 い 精 度 が 挙 げ ら れ る が ,本 方 式 で は 精 度 保 証 の た め ,数 十 回(25 回 程 度 ) の ク ラ ス タ リ ン グ を 実 行 し た 上 で の 結 果 を 反 映 す る . 関 連 研 究 に よ り 得 ら れ た 知 見 を ヒ ュ ー リ ス テ ィ ク ス と し て 利 用 す る こ と に よ り , 絞 り 込 ま れ た デ ー タ へ の 具 体 的 な ア プ ロ ー チ が 可 能 と な り , 本 方 式 の 個 人 化 医 療 へ の 貢 献 が 期 待 さ れ る .

3. 腸 内 細 菌 叢 -ヒ ト 属 性 関 連 性 の 統 合 的 抽 出

方 式 の 概 要

3.1. デ ー タ 構 造 本 方 式 で は , 関 連 研 究 か ら ヒ ト の 性 別 と の 関 連 性 が 示 唆 さ れ て い る2 種 の 細 菌 種 の 組 み 合 わ せ を 性 別 文 脈 と し , 全 パ ラ メ ー タ ー の 中 か ら 特 定 の パ ラ メ ー タ ー を 抽 出 し , 分 析 対 象 と す る 部 分 空 間 を 選 択 す る . 実 現 例 と し て ,対 象 デ ー タ を 公 開 さ れ て い る 3 か 国 60 人 の 腸 内 細 菌 の 検 出 割 合 デ ー タ [11]と し ,全 3 種 の デ ー タ ベ ー ス を 対 象 と す る .ER 図 と 各 デ ー タ ベ ー ス に 含 ま れ て い る デ ー タ 例 を 図 1, 図 2 を 示 す . l ヒ ト 属 性 デ ー タ ベ ー ス(Human Attribute): 関 連 研 究 か ら 抽 出 し た 60 人 分 の 国 籍 ・ 性 別 ・ 年 齢 な ど の11 種 の ヒ ト の 属 性 が 格 納 さ れ て い る [11]. l 細 菌 デ ー タ ベ ー ス (Bacteria) : 60 人 の ヒ ト の 糞 便 か ら 検 出 さ れ た N 種 ( N=1254) の 腸 内 細 菌 の 検 出 割 合 を 示 す[11].定 量 的 な 比 較 対 象 と し て , 全 リ ー ド 数( 次 世 代 シ ー ク エ ン サ ー か ら 得 ら れ た 遺 伝 子 断 片 の 本 数 )に 対 す る リ ー ド 数 の 検 出 割 合 (%) が 格 納 さ れ て い る . l 文 脈 デ ー タ ベ ー ス(Context): 関 連 研 究 か ら 抽 出 し た 2 種 の 細 菌 種 の 組 み 合 わ せ と し て 生 成 し た ,国 籍 ,緯 度 ,性 別 に 関 す る 3 種 の 文 脈 が 格 納 さ れ て い る[11,24,25] . 文 脈 に よ り {N*(N-1)}/2 (=61*60/2 =1830) 通 り の 組 み 合 わ せ の 中 か ら 1 通 り の 組 み 合 わ せ を 抽 出 す る . 図 1 腸 内 細 菌 叢 -ヒ ト 属 性 関 連 性 を 示 し た ER 図 (a) (b) (c) 図 2 本 方 式 に よ る 腸 内 細 菌 叢 -ヒ ト 性 別 属 性 関 連 性 抽 出 実 験 に お け る 使 用 デ ー タ 例: (a) ヒ ト 属 性 デ ー タ ,(b) 細 菌 デ ー タ , (c) 文 脈 デ ー タ . Human Attribute !  ID int •  Sex text •  Age float •  Host text •  Material text •  Target text •  Latitude float •  Longitude float •  Country text •  Family text •  Rundate date Bacteria !  ID int !  Bacteria 1 float !  Bacteria 2 float !  Bacteria 3 float !  Bacteria N float Context

{ Bacteria 1 (int) , Bacteria 2 (int) } { Bacteria 2 (int) , Bacteria 3 (int) } { Bacteria 3 (int) , Bacteria 4 (int) }

{ Bacteria N-1 (int) , Bacteria N (int) }

ID Sex Age Host Material Target Latitude Longitude Country Family Rundate 4489001 M 10 Human Feces V4 38.64699 -90.225 USA Daughter 7/25/2011 4489002 F 49 Human Feces V4 -15.38 35.3 Malawi Mother 8/1/2011 4489060 M 78 Human Feces V4 5.410833 -67.609 Venezuela Father 7/25/2011

ID Bacteria 1

(Actinobacteria) (Bacteroidetes) Bacteria 2 (Firmicutes) Bacteria 3 Bacteria N-1 Bacteria N 4489357 5.0989323 19.1008194 58.7901226 1.8676578 6.5054534 4489360 4.0412602 21.6349149 48.992333 1.8537779 0.00838 4489363 1.6734524 9.0795053 68.1555154 1.1551756 0.059875 ID Bacteria 1 (Actinobacteria), Bacteria 2 (Bacteroidetes) Bacteria 2 (Bacteroidetes), Bacteria 3 (Firmicutes) Bacteria 3 (Firmicutes), Bacteria 4 (Proteobacteria) Bacteria N-2, Bacteria N-1 Bacteria N-1, Bacteria N country 0 0 0 0 1 latitude 0 0 0 1 0 sex 1 0 0 0 0

(3)

3.2. 文 脈 定 義 及 び 分 析 関 数 本 方 式 の 文 脈 デ ー タ ベ ー ス に お い て , 各 文 脈 を 以 下 の よ う に 定 義 す る . l 国 籍 文 脈 (country) は , 検 索 ク エ リ を 指 定 す る ( 例 :{country: Venezuela})こ と で ,国 籍 と 関 連 し て い る 2 種 の 腸 内 細 菌 種 ( 例 : {Bacteria1: Bacteroides,Bacteria2: Prevotella})を 指 定 し ,細 菌 デ ー タ ベ ー ス か ら 分 析 デ ー タ の 限 定 を 行 う [11]. l 緯 度 文 脈 (latitude) は , 検 索 ク エ リ を 指 定 す る ( 例 :{latitude: 38.64699}) こ と で , 緯 度 と 関 連 し て い る 2 種 の 腸 内 細 菌 種 ( 例 : {Bacteria1:

Bacteroides, Bacteria2: Firmicutes}) を 指 定 し ,

細 菌 デ ー タ ベ ー ス か ら 分 析 デ ー タ の 限 定 を 行 う [20]. l 性 別 文 脈(sex)は ,検 索 ク エ リ を 指 定 す る( 例 : {sex: M})こ と で ,性 別 と 関 連 し て い る 2 種 の 腸 内 細 菌 種 ( 例 : {Bacteria1: Actinobacteria , Bacteria2: Bacteroidetes}) を 指 定 し , 細 菌 デ ー タ ベ ー ス か ら 分 析 デ ー タ の 限 定 を 行 う[21]. 図 3 は 腸 内 細 菌 叢 -ヒ ト 属 性 関 連 性 の 統 合 的 抽 出 方 式 の 概 略 図 を 示 す . 文 脈 に よ る デ ー タ 分 析 を 行 う 本 方 式 は5 つ の 分 析 関 数 に よ り 実 現 す る . 本 方 式 の 特 徴 は 次 の3 点 で あ る . 1. キ ー ワ ー ド に よ り 文 脈 と し て 指 定 さ れ た ヒ ト 属 性 (e.g.国 籍 , 性 別 , 緯 度 ) を 対 象 と し て ク ラ ス タ を 形 成 し,そ の 文 脈 に 対 応 す る 細 菌 デ ー タ の 特 徴 を 抽 出 す る. 2. 文 脈 に よ り 指 定 さ れ た 2 種 の 細 菌 の 割 合 を 散 布 図 や 系 統 樹 を 用 い て 可 視 化 す る. 3. ヒ ト 属 性 メ タ デ ー タ の 出 現 頻 度 を 用 い た 意 味 分 析 に よ り, 未 知 の 腸 内 細 菌 叢 -ヒ ト 属 性 関 連 性 を 抽 出 す る . (a) (b) 図 3 本 腸 内 細 菌 叢 -ヒ ト 性 別 属 性 関 連 性 抽 出 方 式 の 概 略 図: (a) シ ス テ ム 構 造 , お よ び , (b) デ ー タ フ ロ ー .

(1) デ ー タ 指 定 ( Context-based Bacteria Data Extractor) : fextraction fextractionで は ,細 菌 学 の 先 行 研 究 か ら ヒ ュ ー リ ス テ ィ ク ス と し て ヒ ト 属 性 に 関 す る 特 定 の 腸 内 細 菌 種 の 組 み 合 わ せ を 示 す 文 脈 を 使 用 し , 対 象 数 値 デ ー タ の 限 定 を 行 い , 再 成 形 さ れ た 数 値 デ ー タ を 出 力 す る . デ ー タ 分 析 者 の 知 識 に 応 じ て キ ー ワ ー ド を 入 力 す る と ,fextractionに よ り キ ー ワ ー ド と 一 致 す る 細 菌 デ ー タ を 抽 出 す る . 地 理 や 性 別 に 関 係 す る 細 菌 デ ー タ は 国 籍 や 緯 度 , 性 別 文 脈 に よ り 選 択 さ れ る . 文 脈 デ ー タ ベ ー ス (e.g. 国 籍 や 緯 度 , 性 別 ) に お い て , 文 脈 に よ り 指 定 さ れ る 細 菌 2 種 の 組 み 合 わ せ A={ai, aj}と キ ー ワ ー ド keyc を 設 定 し , 細 菌 デ ー タ ベ ー ス に 含 ま れ て い る 一 連 の 検 出 細 菌 割 合 デ ー タB={b1, b2, …, bx}を 参 照 し , fextractionに よ り 式(1) の よ う に パ タ ー ン 認 識 を 利 用 し て 細 菌 デ ー タ を 抽 出 す る . 𝑓!"#$%&#'()   𝑘𝑒𝑦𝑐, A, B → 𝑏!  |  𝑏!   =   𝑎!"#$ (1) (2) 正 規 化 ( Normalizer) : fnormalization fnormalization で は , 分 析 対 象 数 値 デ ー タ に 対 し て , 2 種 の 正 規 化 手 法( #1: Y = (X – Xmean) / XS.D.,#2: Y

= (X – Xmin) / (Xmax – Xmin)) を 使 用 し , 正 規 化 後 の

数 値 デ ー タ を 出 力 す る . デ ー タ 分 析 者 が 入 力 し た 細 菌 デ ー タ B に 応 じ て , 正 規 化 手 法 # を m と し て 指 定 す る こ と で , 細 菌 デ ー タ の 正 規 化 を 行 う . fnormalization に よ り , 式 (2)の よ う に 指 定 し た 正 規 化 手 法 を 利 用 し て , 細 菌 デ ー タ を 抽 出 す る . 𝑓!"#$%&'(%)'"!   𝑚, 𝑏! → 𝑏! (2) Data Collection Accumulating already-known data Data Analysis Extracting unknown knowledge

Input2: Keyword Output: Graphs Analyst Input1: Data Human-Microbiome-Relations DB Context-based Bacteria Data Extractor

Bacteria Data Normalizer

Cluster Analyzer

Human-Microbiome-Relation Visualizer Metadata Frequency Analyzer Specialists’ Knowledge Context data (Bacteria species combination) Web Data Collector

Context-based Bacteria Data Extractor

“country” “latitude” “sex”

Human-Microbiome-Relation Visualizer

Scatter Diagram Dendrogram Metadata Frequency Metadata Frequency Analyzer

Input: Context Data Collector

Clustering Algorithm 1

(e.g. K-means clustering) Clustering Evaluator

Cluster Analyzer

Clustering Algorithm 2 (e.g. Hierarchical clustering)

Bacteria Data Normalizer

Y = ( X – Xmean) / XS.D. Y = ( X – Xmin) / ( Xmax – Xmin)

Analyst Input2: Keyword Output: Graphs Input1: Data

Context data Human Attribute data Bacteria data Human-Microbiome-Relations DB

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(3) ク ラ ス タ リ ン グ ( Cluster Evaluator) : fclustering 入 力 さ れ た 数 値 デ ー タ は 網 羅 的 に 複 数 の ク ラ ス タ リ ン グ ア ル ゴ リ ズ ム(K-means ク ラ ス タ リ ン グ , 階 層 的 ク ラ ス タ リ ン グ )を fclusteringに よ り 実 行 さ れ , 各 数 値 デ ー タ が 属 す る 一 連 の ク ラ ス タ 番 号 と し て C = {c1, c2, …, cx},図 g と し て 散 布 図 や 系 統 樹 を 出 力 す る . 各 ア ル ゴ リ ズ ム を 用 い た 結 果 評 価 方 法 と し て , 式(3)の よ う に , 全 ク ラ ス タ に 属 す る デ ー タ 数 に お け る 各 ク ラ ス タ の デ ー タ 数 の 割 合(%)と , 各 性 別 に 属 す る デ ー タ 数 に お け る 性 別 及 び ク ラ ス タ ご と に 属 す る デ ー タ 数 の 割 合 (%) の 積 を 利 用 す る こ と に よ り , 最 も 高 い 値 を 有 意 な 結 果 と し て 抽 出 す る . 下 記 の よ う な 最 適 ク ラ ス タ リ ン グ 評 価 方 法 を 用 い る こ と に よ り , ク ラ ス タ リ ン グ ア ル ゴ リ ズ ム ご と に 生 成 さ れ る ク ラ ス タ 内 デ ー タ 数 の 差 及 び 細 菌 デ ー タ ベ ー ス 内 に 属 す る 性 別 ご と の デ ー タ 数 の 差 を 考 慮 す る こ と が 可 能 と な る . 非 階 層 的 ク ラ ス タ リ ン グ で はk-means ク ラ ス タ リ ン グ( k=3), 非 階 層 的 ク ラ ス タ リ ン グ(k=3)で は ユ ー ク リ ッ ド 距 離 ,重 み 付 き 平 均 法(WPGMA)を 用 い て ク ラ ス タ リ ン グ を 実 行 さ れ る . fclusteringに よ り ,式(4)の よ う に ク ラ ス タ 番 号 デ ー タ や 図 を 抽 出 す る . 最 適 ク ラ ス タ リ ン グ 評 価 方 法 =  各 ク ラ ス タ に 属 す る デ ー タ 数 全 ク ラ ス タ に 属 す る デ ー タ 数×100 % ×  性 別 お よ び ク ラ ス タ ご と に 属 す る デ ー タ 数 各 性 別 に 属 す る デ ー タ 数 ×100 % (3) 𝑓!"#$%&'()*   𝑏! → C, 𝑔  𝑜𝑟  𝑓!"#$%&'()*   𝑏! → C, 𝑔 (4) (4) 意 味 的 デ ー タ マ イ ニ ン グ( Metadata Frequency Analyzer) : fmining

fminingで は ,fextractionfnormalizationに よ り 得 ら れ た 細 菌 デ ー タ と fclustering に よ り 得 ら れ た ク ラ ス タ 番 号 デ ー タ ,ヒ ト 属 性 デ ー タ D={d1, d2, …, dy}を 用 い て 分 析 を 行 い , 各 ク ラ ス タ 内 メ タ デ ー タ カ ウ ン ト 数( メ タ デ ー タ の 出 現 頻 度 )k ま た は 図 g を 出 力 す

る . デ ー タ 分 析 者 の 知 識 に 応 じ て ヒ ト 属 性 デ ー タ ベ ー ス 内 に 存 在 す る キ ー ワ ー ド keyh ( e.g. country,

sex and age) を 入 力 す る こ と に よ り , キ ー ワ ー ド に よ り 指 定 さ れ た 属 性 に 注 目 し た 分 析 を 行 う こ と が 可 能 と な る ( 例 : country の 入 力 時 に は USA, Malawi, Venezuela を 示 す ).ク ラ ス タ リ ン グ 前 の ヒ ト 属 性 デ ー タ 確 認 時 な ど , ク ラ ス タ 番 号 デ ー タ を 必 要 と し な い 場 合 も ,fminingに よ り ク ラ ス タ 番 号 デ ー タ を 入 力 せ ず に メ タ デ ー タ カ ウ ン ト を 行 う こ と が 可 能 で あ る . fminingに よ り ,式(5)の よ う に メ タ デ ー タ カ ウ ン ト 数 や 図 , キ ー ワ ー ド 指 定 時 の み ヒ ト 属 性 デ ー タ を 抽 出 す る . 𝑓!"#!"# 𝑘𝑒𝑦ℎ, B, C, D → 𝑘, 𝑑!"#ℎ, 𝑔 𝑜𝑟  𝑓!"#"!" 𝑘𝑒𝑦ℎ, B, D → 𝑘, 𝑔 (5) (5) 可 視 化 ( Visualizer) : fvisualization

fvisualizationで は ,fclusteringfmining に よ り 得 ら れ た 図 を 下 記 の よ う に 散 布 図 や 系 統 樹 と し て 表 示 す る . デ ー タ 分 析 者 は fvisualizationに よ り , 式(6)の よ う に , 腸 内 細 菌 叢 と ヒ ト 属 性 の 関 連 性 を 視 覚 的 に 確 認 す る こ と が 可 能 と な る . 𝑓!"#$%&"'%(")* 𝑏!, 𝑏!, C, 𝑘, 𝑑!"#ℎ, 𝑔 → 𝑠𝑐𝑟𝑒𝑒𝑛 (6) 3.3. 文 脈 定 義 及 び 分 析 関 数 3.2 の 方 式 に よ り , プ ロ ト タ イ プ シ ス テ ム の 実 装 を 行 っ た .数 値 計 算 や 可 視 化 に は Numpy[26], Scipy[27], Matplotlib[28]を 使 用 し , 散 布 図 や 系 統 樹 を 作 成 し た . 各 ク ラ ス タ 内 の メ タ デ ー タ カ ウ ン ト ( メ タ デ ー タ 出 現 頻 度 ) 分 析 に は sqlite3 を 使 用 し た . 細 菌 デ ー タ ベ ー ス , ヒ ト 属 性 デ ー タ ベ ー ス , 文 脈 デ ー タ ベ ー ス は 関 連 研 究 を 基 に 作 成 し た[11]. 本 シ ス テ ム で は 細 菌 デ ー タ , ヒ ト 属 性 デ ー タ , 文 脈 デ ー タ を 一 括 入 力 し , 散 布 図 ま た は 系 統 樹 な ど の グ ラ フ を 出 力 す る . 本 実 装 で は , 性 別 文 脈 を 設 定 し , 性 別 と 腸 内 細 菌 叢 の 関 連 性 抽 出 を 試 み た . 2 種 の ク ラ ス タ リ ン グ 手 法 と し て , 階 層 的 ク ラ ス タ リ ン グ (metric = “eculidean”, method = “weighted”),k-means ク ラ ス タ リ ン グ( k = 3) を 使 用 す る . 図 4 は 散 布 図 や 系 統 樹 ,メ タ デ ー タ 頻 度 と し て 性 別 文 脈 を 用 い た 実 装 結 果 例 を 示 す . 図 4 本 方 式 に よ り 実 装 し た 実 験 シ ス テ ム 出 力 例 : 性 別 文 脈 を 用 い た 実 験 結 果 と そ の 可 視 化 .

(5)

4. 実 験 : 性 別 文 脈 を 用 い た 階 層 的 ク ラ ス タ

リ ン グ に よ る 腸 内 細 菌 叢

-ヒ ト 属 性 関 連 性

抽 出

4.1. 実 験 A: 全 60 人 分 の 腸 内 細 菌 叢 デ ー タ を 使 用 し た 腸 内 細 菌 叢-性 別 属 性 関 連 性 抽 出 以 前 の 実 験 に お い て 文 脈 解 釈 機 能 及 び 複 数 の ク ラ ス タ リ ン グ 手 法 を 用 い , 国 籍 文 脈 に よ り 指 定 さ れ た 一 部 の 腸 内 細 菌 叢 デ ー タ に お い て ,腸 内 細 菌 叢-ヒ ト 属 性 の 抽 出 を 行 っ た[23]. 最 適 ク ラ ス タ リ ン グ ア ル ゴ リ ズ ム と し て 階 層 的 ク ラ ス タ リ ン グ が 選 択 さ れ ,USA に 属 す る ヒ ト の み が 含 ま れ る ク ラ ス タ 情 報(Bacteroides と Prevotella の 検 出 割 合 ) を 発 見 的 に 抽 出 す る こ と が 可 能 と な っ た[29].こ れ に 対 し ,今 回 は 被 験 者 60 人 ,61 種 類 の 門 レ ベ ル の 細 菌 デ ー タ を 対 象 と し て , 性 別 に 関 す る 文 脈 を 使 用 し 実 験 を 行 っ た . 本 実 験 の 目 的 は ,性 別 文 脈 を 用 い た 腸 内 細 菌 叢-ヒ ト 属 性 関 連 性 を 抽 出 す る こ と に よ り , ヒ ト 属 性 と 腸 内 細 菌 種 の 数 値 的 傾 向 と し て 定 量 的 に 抽 出 す る 本 方 式 の 実 現 可 能 性 を 示 す こ と に あ る . 結 果 を 図 5 に 示 す . (a) (b) (c) 図 5 性 別 文 脈 を 用 い た 階 層 的 ク ラ ス タ リ ン グ に よ る 腸 内 細 菌 叢-ヒ ト 属 性 関 連 性 抽 出 結 果 : (a) 性 別 属 性 ご と の オ リ ジ ナ ル デ ー タ の 散 布 図 ,(b) k-means ク ラ ス タ リ ン グ と 階 層 的 ク ラ ス タ リ ン グ を25 回 実 行 し た 結 果 の 平 均 評 価 値 比 較 ,(c) オ リ ジ ナ ル デ ー タ を 対 象 と し て 階 層 的 ク ラ ス タ リ ン グ を 実 行 し た 結 果 の デ ー タ 散 布 図 . 正 規 化 手 法 に よ る 影 響 を 考 慮 し , 正 規 化 前 の オ リ ジ ナ ル デ ー タ を 使 用 し た . 性 別 文 脈 を 使 用 し た 分 析 デ ー タ の 限 定 後 ,60 人 の 細 菌 デ ー タ を 対 象 と し て ,性 別 属 性 ご と の オ リ ジ ナ ル デ ー タ の 散 布 図 を 作 成 し た ( 図 5(a)).ク ラ ス タ リ ン グ ア ル ゴ リ ズ ム の 評 価 方 法 と し て , 全 ク ラ ス タ に 属 す る デ ー タ 数 に お け る 各 ク ラ ス タ の デ ー タ 数 の 割 合 (%) と , 各 性 別 に 属 す る デ ー タ 数 に お け る 性 別 及 び ク ラ ス タ ご と に 属 す る デ ー タ 数 の 割 合 (%) の 積 を 設 定 し た . 各 ク ラ ス タ リ ン グ ア ル ゴ リ ズ ム に よ り 得 ら れ た 評 価 値 を 比 較 し( 図 5(b)),数 値 的 傾 向 を 抽 出 す る た め に , 性 別 文 脈 に よ り 指 定 さ れ た 2 種 の 細 菌 種 の 組 み 合 わ せ を 用 い た 散 布 図 を 作 成 し た ( 図 5(c)).性 別 属 性 メ タ デ ー タ を カ ウ ン ト し た 結 果( 出 現 頻 度 ) に よ り 2 種 の 散 布 図 ( 性 別 属 性 ご と の オ リ ジ ナ ル デ ー タ の 散 布 図 と オ リ ジ ナ ル デ ー タ を 対 象 と し た 階 層 的 ク ラ ス タ リ ン グ 結 果 の デ ー タ 散 布 図 ) を 比 較 し , 各 ク ラ ス タ の 重 心 値(centroid)と し て 数 値 的 傾 向 を 抽 出 す る . こ れ ら の 結 果 に よ り ,12 人 の ヒ ト に 特 徴 的 な 細 菌 デ ー タ ク ラ ス タ (Cluster 2) の 内 , 性 別 属 性 メ タ デ ー タ を カ ウ ン ト し た 結 果 ,10 人 の 女 性 の メ タ デ ー タ が 確 認 さ れ た こ と か ら ,Cluster 2 は 女 性 が 持 つ 腸 内 細 菌 叢 の 特 徴 的 な 傾 向 を 示 す と 考 え ら れ る( 図 5(d)).先 行 研 究 で は 性 別 属 性 ご と のBacteroidetes の 差 に つ い て 示 さ れ て お り , 本 実 験 に よ り 検 証 す る こ と が で き た . ク ラ ス タ 情 報 で あ る Actinobacteria と Bacteroidetes の 検 出 割 合 の 重 心 値 を 確 認 す る と ,Cluster 2 は Actinobacteria の 検 出 割 合 が 低 く ,Bacteroidetes の 検 出

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割 合 が 高 い と い う 他 の ク ラ ス タ と は 異 な る 傾 向 を 示 す ( 図 5(e)). こ の 結 果 は 腸 内 細 菌 叢 と ヒ ト 属 性 ( 女 性 ) と の 知 ら れ て い な い 関 係 性 を 示 し て い る と 考 え ら れ る . 現 在 の 一 般 的 な 治 療 に お い て は , ヒ ト の 属 性 は 考 慮 さ れ て い な い が , 本 実 験 の 結 果 に よ り , 少 な く と も Actinobacteria と Bacteroidetes に つ い て は ,個 人 ご と に よ り 適 し た 治 療 法 と し て , 性 別 ご と に 異 な る 治 療 法 を 提 案 出 来 る 可 能 性 が 見 ら れ た . し か し , 本 実 験 で は , 女 性 が 持 つ 腸 内 細 菌 叢 の 特 徴 を 捉 え る こ と は 可 能 と な っ た が , 男 性 に つ い て は 腸 内 細 菌 叢-ヒ ト 属 性 の 関 連 性 を 抽 出 す る こ と は 出 来 な か っ た . こ の た め , 階 層 的 ク ラ ス タ リ ン グ を 用 い た 腸 内 細 菌 層-ヒ ト 属 性 関 連 性 抽 出 方 式 は ,女 性 と 腸 内 細 菌 叢 の 関 連 性 抽 出 に は 適 し て い る が , 同 じ 性 別 文 脈 に よ り 可 視 化 す る こ と が 出 来 る 男 性 が 持 つ 腸 内 細 菌 に つ い て は 一 概 に 階 層 的 ク ラ ス タ リ ン グ が 適 し て い る と は 言 え な い . デ ー タ 非 依 存 的 な 有 意 な 関 連 性 抽 出 を 行 う た め に は , 使 用 す る 文 脈 の み で は な く , 着 目 す る 性 別 属 性 に よ っ て も ク ラ ス タ リ ン グ ア ル ゴ リ ズ ム の 検 討 が 必 要 で あ る と 考 え ら れ る . (d) (e) 図 5 性 別 文 脈 を 用 い た 階 層 的 ク ラ ス タ リ ン グ に よ る 腸 内 細 菌 叢-ヒ ト 属 性 関 連 性 抽 出 結 果 : (d)各 ク ラ ス タ に 含 ま れ る 性 別 属 性 メ タ デ ー タ を カ ウ ン ト し た 結 果 ,(e)各 ク ラ ス タ の 重 心 値 ( centroid) 4.2. 実 験 B: 外 れ 値 を 除 外 後 , 58 人 分 の 腸 内 細 菌 叢 デ ー タ を 使 用 し た 腸 内 細 菌 叢- 性 別 属 性 関 連 性 抽 出 本 実 験 の 目 的 は ,外 れ 値 を 考 慮 し た 腸 内 細 菌 叢-ヒ ト 属 性 関 連 性 抽 出 に よ り , 腸 内 細 菌 叢 の 全 デ ー タ を 使 用 時 よ り 有 意 な 腸 内 細 菌 叢-ヒ ト 属 性 関 係 性 を 抽 出 す る 本 方 式 の 実 現 可 能 性 を 示 す こ と に あ る . 結 果 を 図 6 に 示 す . (a) (b) 図 6 性 別 文 脈 を 用 い た 階 層 的 ク ラ ス タ リ ン グ に よ る 腸 内 細 菌 叢-ヒ ト 属 性 関 連 性 抽 出 結 果 : (a) k-means ク ラ ス タ リ ン グ と 階 層 的 ク ラ ス タ リ ン グ を 25 回 実 行 し た 結 果 の 平 均 評 価 値 比 較 ,(b) オ リ ジ ナ ル デ ー タ を 対 象 と し て 階 層 的 ク ラ ス タ リ ン グ を 実 行 し た 結 果 の デ ー タ 散 布 図 . 正 規 化 手 法 に よ る 影 響 を 考 慮 し , 正 規 化 前 の オ リ ジ ナ ル デ ー タ を 使 用 し た . 性 別 文 脈 を 使 用 し た 分 析 デ ー タ の 限 定 後 ,実 験 A と 同 様 に 各 ク ラ ス タ リ ン グ ア ル ゴ リ ズ ム に よ り 得 ら れ た 評 価 値 を 比 較 し( 図 6(a)),数 値 的 傾 向 を 抽 出 す る た め に , 性 別 文 脈 に よ り 指 定 さ れ た 2 種 の 細 菌 種 の 組 み 合 わ せ を 用 い た 散 布 図 を 作 成 し た ( 図6(b)).各 ク ラ ス タ 内 に 含 ま れ る 性 別 属 性 メ タ デ ー (%) Actinobacteria Bacteroidetes Cluster 1 48.1818175 3.1057506 Cluster 2 2.55474989 36.55008785 Cluster 3 7.34318324 17.38253923

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タ を カ ウ ン ト し ( 図 6(c) ), 各 ク ラ ス タ の 重 心 値 (centroid) と し て 数 値 的 傾 向 を 抽 出 し た ( 図 6(d)). こ れ ら の 結 果 に よ り , 実 験 A と 同 様 に 12 人 の ヒ ト に 特 徴 的 な 細 菌 デ ー タ ク ラ ス タ (Cluster 2) の 内 , 性 別 属 性 メ タ デ ー タ を カ ウ ン ト し た 結 果 ,10 人 の 女 性 の メ タ デ ー タ が 確 認 さ れ た こ と か ら ,Cluster 2 は 女 性 が 持 つ 腸 内 細 菌 叢 の 特 徴 的 な 傾 向 を 示 す こ と が 考 え ら れ る . さ ら に ,8 人 の ヒ ト に 特 徴 的 な 細 菌 デ ー タ ク ラ ス タ (Cluster 3) の 内 , 性 別 属 性 メ タ デ ー タ を カ ウ ン ト し た 結 果 ,6 人 の 男 性 の メ タ デ ー タ が 確 認 さ れ た こ と か ら ,Cluster 3 は 男 性 が 持 つ 腸 内 細 菌 叢 の 特 徴 的 な 傾 向 を 示 す と い う 実 験A で は 得 ら れ な か っ た 結 果 を 得 る こ と が 出 来 た . 先 行 研 究 で は Actinobacteria に つ い て は 性 別 属 性 と の 有 意 な 関 連 性 が 抽 出 さ れ て い な か っ た た め ,実 験B に よ り 腸 内 細 菌 叢 -ヒ ト 属 性 関 連 性 を 発 見 的 に 抽 出 で き る 可 能 性 に つ い て 示 す こ と が で き た . ク ラ ス タ 情 報 で あ る Actinobacteria と Bacteroidetes の 検 出 割 合 の 重 心 値 を 確 認 す る と ,Cluster 3 は Actinobacteria の 検 出 割 合 が 高 い と い う 他 の ク ラ ス タ と は 異 な る 傾 向 を 示 す . こ の 結 果 は 腸 内 細 菌 叢 と ヒ ト 属 性 ( 男 性 ) と の 知 ら れ て い な い 関 係 性 を 示 し て い る と 考 え ら れ る . 現 在 の 一 般 的 な 治 療 に お い て は , ヒ ト の 属 性 は 考 慮 さ れ て い な い が , 本 実 験 の 結 果 に よ り , 少 な く と もActinobacteria と Bacteroidetes に つ い て は , 個 人 ご と に よ り 適 し た 治 療 法 と し て , 性 別 ご と に 異 な る 治 療 法 を 提 案 出 来 る 可 能 性 が 見 ら れ た . 実 験B で は ,先 行 研 究 に よ り 性 別 属 性 と 細 菌 デ ー タ の 関 連 性 が 示 唆 さ れ て い る Actinobacteria と Bacteroidetes に つ い て は , Bacteroidetes と 女 性 の 関 連 性 と い う 先 行 研 究 で 得 ら れ た 知 見 の 検 証 , お よ び , Actinobacteria と 男 性 の 関 連 性 と い う 先 行 研 究 で は 得 ら れ な か っ た 知 見 を 発 見 的 に 抽 出 す る こ と が で き た が , 細 菌 デ ー タ に 含 ま れ る 他 の 細 菌 種 に つ い て は 腸 内 細 菌 叢-ヒ ト 属 性 の 関 連 性 を 抽 出 す る こ と は 出 来 な か っ た . こ の た め ,腸 内 細 菌 叢-ヒ ト 属 性 関 連 性 の 統 合 的 抽 出 方 式 に よ り 得 ら れ る 腸 内 細 菌 叢-ヒ ト 属 性 関 連 性 が 先 行 研 究 の 知 見 に 影 響 さ れ る 可 能 性 が な い と は 言 え な い . デ ー タ 非 依 存 的 な 有 意 な 関 連 性 抽 出 を 行 う た め に は , 使 用 す る 文 脈 に 含 ま れ る 細 菌 種 の 検 討 が 必 要 で あ る と 考 え ら れ る . (c) (d) 図 6 性 別 文 脈 を 用 い た 階 層 的 ク ラ ス タ リ ン グ に よ る 腸 内 細 菌 叢-ヒ ト 属 性 関 連 性 抽 出 結 果 : (c)各 ク ラ ス タ に 含 ま れ る 性 別 属 性 メ タ デ ー タ を カ ウ ン ト し た 結 果 ,(d)各 ク ラ ス タ の 重 心 値 ( centroid)

5. 結 論

本 稿 で は , 文 脈 解 釈 機 能 及 び 複 数 の ク ラ ス タ リ ン グ 手 法 を 用 い , 性 別 文 脈 に よ り 指 定 さ れ た 一 部 の デ ー タ に お い て , 腸 内 細 菌 叢 デ ー タ と ヒ ト の 属 性 と の 関 係 性 の 統 合 的 抽 出 方 式 を 提 案 し た . 本 方 式 に よ り , 腸 内 細 菌 叢 と あ る 特 定 の ヒ ト 属 性 と の 関 連 性 と し て , 最 適 ア ル ゴ リ ズ ム と し て 階 層 的 ク ラ ス タ リ ン グ が 選 択 さ れ , 女 性 に 関 連 す る ク ラ ス タ 情 報(Actinobacteria と Bacteroidetes の 検 出 割 合 )が 腸 内 細 菌 叢 -ヒ ト 属 性 関 連 性 と し て 抽 出 す る こ と が 可 能 と な っ た . 今 後 は , 対 象 細 菌 デ ー タ に 応 じ た 適 切 な 正 規 化 手 法 の 検 討 , 及 び , 本 方 式 に 各 種 文 脈 や 異 な る 細 菌 デ ー タ を 適 用 す る 場 合 の 有 効 性 に つ い て も 検 証 す る 実 験 を 行 う 予 定 で あ る . (%) Actinobacteria Bacteroidetes Cluster 1 3.90569671 15.89418646 Cluster 2 2.55474989 36.55008785 Cluster 3 23.67124425 24.4522149

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参 考 文 献

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図   4 は 散 布 図 や 系 統 樹 ,メ タ デ ー タ 頻 度 と し て 性 別 文 脈 を 用 い た 実 装 結 果 例 を 示 す .

参照

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