沖永良部台風による建築構造物の被害について
著者
立川 正夫, 佐々木 昭夫, 福山 雅弘
雑誌名
鹿児島大学工学部研究報告
巻
20
ページ
65-79
別言語のタイトル
DAMAGE TO HOUSES AND STRUCTURES CAUSED BY
"OKINOERABU TYPHOON"
沖永良部台風による建築構造物の被害について
著者
立川 正夫, 佐々木 昭夫, 福山 雅弘
雑誌名
鹿児島大学工学部研究報告
巻
20
ページ
65-79
別言語のタイトル
DAMAGE TO HOUSES AND STRUCTURES CAUSED BY
"OKINOERABU TYPHOON"
1 . は じ め に 昭和52年9月9日の夜半,沖永良部島の直上を通過 した台風7709号(後に沖永良部台風と命名)は,同島 に強風によるきわめて大きな災害をもたらした.図1 に台風経路図を示す.
立 川 正 夫 ・ 佐 々 木 昭 夫 ・ 福 山 雅 弘
(受理昭和53年5月31日) DAMAGETOHOUSESANDSTRUCTURESCAUSED BY‘‘OKINOERABUTYPHOON,,MasaoTAcHIKAwA,AkioSAsAKIandMasahiroFuKuYAMA
Onseptember9,1977,OkinoerabUjima,asmallislandlocatedtothesouthofKytishd,wassubjected toaviolenttyphoonnamedOkinoerbulater・ Aboutonefburthofwoodendwellinghouseswerecompletelydestroyedandotheronefburthwere partiallydestroyed・Severalofsteelfi・amestructuresandreinfbrcedconcretebuildingswereseriously damagedcausedbystrongwindsorwindbornemissiles. た強風の継続時間は比較的短かく,台風眼に入った前 後,各1時間程度であったと思われる. 最低気圧は22時50分に907.3mbを記録した.また 総雨量は177.0mm,最大1時間雨量は61.0mmで あった'). この台風による鹿児島県の被害の概要を表1に,住 家・非住家の町別の被害棟数を表2に示す.表1から, 建築物の被害額が全体の過半を占めること,表2から, 建築物の被害の中で,特に台風の直撃をうけた沖永良 部島の和泊,知名の2町の住家の被害がいちぢるしい ことがわかる.この被害は,例外を除きすべて強風に よるもので,2町の住家(和泊町2,686世帯,知名町 2,778世帯.この数字は住家棟数とほぼ一致する)の 全壊率は24%,半壊まで含めると49%,更に一部破壊 まで含めると75%に達した. この報告は,被害直後,および3カ月後の2回にわ たって行なった,沖永良部島の現地調査にもとづくも ので,同島の建築構造物の被害形態を述べ,耐風設計 上の問題点について若干の考察を試みたものである.沖永良部台風による建築構造物の被害について
図 1 台 風 経 路 図 2 . 住 家 の 被 害 沖永良部測候所では,9日の22時10分に最大風速 39.4m/s(ENE),22時20分に最大瞬間風速60.4m/s (ENE)を記録したが,風速計の支柱が傾いたため, その後の風向風速は不明である.構造物に被害を与え 2.1.地形と被害分布 沖永良部島の東半分はなだらかに起状する平担に近 い地形であるが,西半分は高さ246mの大山を中心と害
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ヨ ニ u m D鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2 0 号 ( 1 9 7 8 ) 66 5,313,930 2,858,352 1,514,808 561 380 表 1 沖 永 良 部 台 風 に よ る 鹿 児 島 県 の 被 害
171
224274
228863
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11
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被害金額(千円) 被 害 内 容 被 害 項 目 公i
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,301,119 1 . 人 的 被 害 2 . 住 家 , 非 住 家 3 . 衛 生 関 係 4 . 農 作 物 5 . 畜 産 関 係 6 . 耕 地 関 係 7 . 水 産 商 工 関 係 8 . 山 林 関 係 9 . 土 木 関 係 重傷15人,軽傷123人 住家4,639棟,非住家1,651棟 病院,診療所等5か所 (栽培面積)15,265ha 家畜および施設 農地34か所,農業用施設他163か所 水産関係12隻,漁港関係7か所,商工関係 林地5か所,施設7か所,林産物4,400,8 河川20か所,海岸1か所,道路6か所 港湾12か所 64校 配電設備他 通 信 設 備 他 10,989,150 13,288 1,260,972 1,541,911 374,000 3,303,080 115,000 361,509 学 校 関 係 電 力 関 係 電 信 電 話 関 係 151,034 221,567 400,000 ●●● ︵叩亜︾屯ロ日︽︽叩“] ﹃ロⅡ△勺ロⅡ︽ご■Ⅱ壬 合 計18,731,511 住 注鹿児島県発表(52年9月19日現在)による. 表 2 住 家 ・ 非 住 家 の 被 害 棟 数 甲 邑 極 型948
計 (22119235) r D 1 n J 1 K 可 邪破壊|上。 402 沖 永 良 部 与 論 徳 之 島 島 名 被 害 金 額 (千円) そ の 他 計 4639 (5210) 13 (10) 112 (109) 85 (85) 45 (45) 和 泊 | 知 名 与 論 徳 之 島 | 伊 仙 | 天 城 3 274 (238) 全 壊 半 壊 一部破壊 家 山 I 且 ⑰ 1991 (2488) 9,688,031 家 非 | 共 572 (469) 665 (729) 879 (1037) 5 1 2 0 注鹿児島県発表(52年9月19日現在)による.ただし,()内の数字は鹿児島県警の発表(52年10月1日 現在)によるもので,住家の単位は戸. 3 7J11
217460
121155
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71j
くくく
1348 (1203) 1541 (1620) 1741 (2387) 2 725 (672) 690 (716) 576 (1100)171
543477
く33く
く 1 (1) 1 (1) 6 (8) 2眉壊壊水水
破浸浸
部上下
全半一床床
住 1立川・佐々木・福山:沖永良部台風による建築構造物の被害について 67 棟
1031938587151830172774
54125271124123131211
111
し,地形的遮蔽の考えられるような,丘陵のやや入り くんだ部分がある.表3に示す住家の部落別被害棟数 から各部落の全壊率を求め,図示すると図2のように なる.全壊率は島の東部(国頭附近)と西部(知名お よび田皆附近)で高く,全壊率が10%以下の部落は, ほぼ島の中央部にまとまっている. 最も全壊率の低い赤嶺という部落は,島の中央部で, かつ三方を丘に囲まれているが,現地で調べると,斜 面に散在する住家の多くが,比較的よく茂った樹林で 囲まれており,これらの条件が重なって被害を小さく したという印象をうけた. 地形と被害の関係は,赤嶺の例からも,更に微小な 周辺の条件と合せ考えるべきであるが,今後の調査で は,これについて結論を得るための,十分な資料を得 ることはできなかった. 2.2.部落の被害状況 部落の被害状況を示す例として,一部落の調査結果 を述べる.徳時は島の西海岸にある戸数59の部落で, 全壊17戸,半壊8戸の被害を出した.図3に部落の見 取図を示す.部落の北東2.5kmに大山の頂部がある が,東西に走る主道路の北側にはしばらく平担な土地 が続き,一方主道路の南側は,海に向ってゆるやかに 下る畑地である.強風は最初は山越えに,吹返しは海 の方向からうけた.被害は海よりにやや多いが,被害 分布にはっきりした傾向はなく,周辺の樹木その他の 表 3 部 落 別 の 住 家 被 害 棟 数棟1
10420576510951670660180
03616111121121111
1く11
45938689105744430764364216892069787564532266
5131131
注和泊町,知名町の発表による.()内の数字は世帯数で()のないものは世帯数と棟数が
一致している. 和 泊 町 知 名 町 ’ 知 名 屋 子 母 大 津 勘 徳 時 住 吉 正 名 田 皆 下 城 上 城 新 城 久 志 検 赤 嶺 竿 津 余 多 上 平 川 下 平 川 屋 者 芦 清 良 里 貫 瀬 利 覚 小 米815974398731780398281543582325745591634873
311132122
部 落 | 世 帯 数 | 全 壊 | 半 壊 ' 一 部 破 損 | 部 落 | 世 帯 数 | 全 壊 | 半 壊 │ 一 部 破 拒
棟891808366314220664194
7244312246186
1 計 ’ 2 , 6 8 6 881棟11
071372929494529419634390
113153212322111
1く1く
421737231212112326
012418880561994151201
棟泊名名留花延布頭原折城城川里城城蘭山志嶺名
和柵諏美内
和手上喜出伊畦国西根玉大皆古内上後谷仁永瀬
668 (667) 計’2,778172516911576 572 (566) 棟857785251341552459676
6514212214112208
11
68
調査した全半壊住家20棟の内容を図4に示す。被災
したのはおおむね木造平家,波形鉄板葺の,島で最も
通数根聴さ塀木
織階屋外古樹
;全乎
H の 面 槙 は ほ f 図 世 帝 圃 》燕隷血拶
窒臥曝癖醤‘瀞晶
剥脱‘ 知 名 図 2 部 落 別 住 家 全 壊 率 一般的なタイプの住家であった.石垣で全周を囲まれ ていたのは半壊の2棟のみで,石垣・防風樹という昔 からの伝統が,すでに失なわれていることを示してい る.図には復旧状況も合せ示したが,これについては 6.4でふれる. 遮蔽物の状態により,各戸の被害に差が出たものと思 われる. 大山=豊壷営雪-坐詳一二将崖冒=市議篭
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鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2 0 号 ( 1 9 7 8 )童
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灘
図3住家の被害分布(徳時部落)謡 一 二
た て 羽 目 qn二差舎:齢ミ慧雨雨
巨ヨー冒一雨雨園謬
海 全 壊 ( 1 3 )溌澄二登塞皿垂塁墨塁孤謎
図 4 被 害 住 家 の 内 訳 (徳時部落, 2.3.住家の構造 島の住家のほとんどは木造である.最も一般的な, 波形鉄板葺の木造住家の断面を図5に示す.屋根は 3.5寸勾配で,寄棟と入母屋が多い.たるき上に厚さ6 mmの野地板を重ねをとって張り(野地板は軒先部分 のみとするものも多い),横ざんを鉄板1枚(6尺)に つき四つ割り(或は五つ割り,まれに三つ割り)に配置 し,これに31#小波板を20cm程度の間隔で釘(N-45) 打ちする.たるき先に鼻かくしをつけ,軒裏を張りあ I雛
切■P盈口 軍手 ;唱世鱗・蕊 69 図 5 木 造 住 家 の 断 面螺
2.4.住家の被害状況 木造住家の被害の状況は,倒壊四散したものから, 屋根峠材の一部が飛んだものまでさまざまである.被 害例を図6∼図8に示す.全般に,鉄板よりは瓦屋根 の方が埼干被害は小さいという印象をうけた. ブロック或は鉄筋コンクリート造住家も,木造小屋 細のものは,木造化家同様な膿根被害をうけた.図9│
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鞘 認燕… … T L 一 F 図 8 木 造 住 家 被 害 例 3 鐸 P 昌 像伊 騒鷺;'
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芋 図 7 木 造 住 家 被 祥 例 2 渉 妾 u 諺 睡 垂 /−I 立川・佐々木・福山:沖永良部台風による建築描造物の被害について灘
鰯穂; 冨聯。f]I
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げるものもある. 戦前は一部に耐風性を老臆した鉄板瓦捧葺(28常, 平板は登り1尺5、j・で継ぎ,.トーの横ざんにとめつけ る)が用いられていたといわれるが,現イ12はない.昭 和30年代に,現在の波形鉄板茸が急速に・杵及したとい われる. 他の屋根珠材としてはセメント瓦が多く(特に川皆 附近),日木瓦,ゆう薬瓦もわずかにみられる.左お, セメント瓦のりiには,沖細とIil様に野地板を用いず, 瓦ざんに直接撒き上げたものも少数ある. 雌には新建材が次第に杵及してきているが,なお外 壁の過半はたて羽ロ真壁で,内イIIのf上上げのないもの も多い.軸組は柱を貫通する賞を用い,貨通部をクサ ビどめという11fい手法で,上台,筋連は一般には川い ない. 柱頭と軒桁のイヒ1-1は〆良ほぞこみ栓打ちが正式とい われるが,実際には長ほぞ或は短ほぞのみ,一部検か ら釘打ちする職度である.桁とはりはイ;│I欠きとし,同 じレベルで交又させる.この部分の柱蚊は虹ほぞ又は 亜ほぞとなる.一般に軸部から屋根に篭るまで,釘以 外の金物の使川はまれで,風に対する伝統的な椛法や 工夫のあとは見出せない. 木造以外,コンクリートブロック進攻は鉄筋コンク リート造の住家が散見する.島にはブロック壁と,鉄 筋コンクリートの小さな柱を混朋した独特な工法があ り,いずれに分類されるか一見しただけではわからぬ 場合がある(図9,図41参照).屋根を木造小屋組と するものが多い. 譲 準・禅鰯
L 白 図 6 木 造 住 家 被 弾 例 ] 画偲曲70 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2 0 号 ( 1 9 7 8 ) 図 9 ブ ロ ッ ク 造 住 家 の 屋 根 被 審 図10簡易耐火町営住宅の屋根被害 』 縄 画
畔 蝉 議
W巴『 ご 1 b 、 訓 電 、 罰 . 図 1 1 簡 易 耐 火 町 営 住 宅 小 屋 部 分 は比較的新しい個人住宅で,2階の波形鉄板畑礎根が 全而吹飛んでいる.図10は補強コンクリートブロック 造の町憐住宅で,同じく波形鉄板膿根に大きな被害を うけたものである.!lil:先は10cmほどに切りつめるな ど,設計に工夫のあとがみられ,一般住家とちがって 金物も型通りに使用されているが,図11に示すように, 片面カスガイ打ちとした'1:屋までを残し,たるき以上 が吹飛んでいる. 屋根が鉄筋コンクリートスラブのブロック攻は鉄筋 コンクリート造住家も,雨戸,ガラス戸が風ハミと飛来 物で破られたものが多かった.、被害の少なかった例と して,図12の和油付近の4階姓16ノ『のアパートをあげ る.アルミ耐風サッシュで,アミ入りガラスの破損は 計4個所,ガラス全1m砿の約1%にとどまった.風向 がガラス1mに対し斜めであったこともあるが,海岸附 近で飛来物が少左かつたことも叩''1として考えられる. lxI12鉄筋コンクリート造アパート(前而は'11」.営住宅) 2.5.附属家の被害 烏ではノ1二の飼育が機んで,多くの農家でブロック造 (一部にイ.『砿み木造)の畜舎がみられる.木造小屋組 のものは屋根に被害をうけたが,鉄筋コンクリートス ラブのものは健全で,強風時の被雌場所になった.一 例を図13に水す.2.3でふれたが,隅部に,I;&独特のブ ロック造の特徴である鉄筋コンクリートの桃咽(25cm ×25cm孫度,鉄筋は1312∼4本といわれる)がみ られる. 数は少なくなったが,この地力の股家の特徴的な附 属建物として高倉がある.{fのままにイi垣や樹木でよ 図 1 3 ブ ロ ッ ク 造 牛 舎立川・佐々木・福11|:沖永良部台風による建築構造物の被害について 71 覇鱗蕊 撰詞幾鐸 図 1 4 柱 脚 部 の 賞 が 折 損 し た 高 倉 く遮恢されたものは,今度の台風でも無'1『に残った. 図14は神社境内に股示されていたもので,足もとの側 が 折 損 し , 柱 が 横 倒 し に な っ て い る . 2.6.石垣と防風樹 仏家周肌のイEi垣と防風樹が妓近欠なわれつつあるこ とは2.2でも述べた.現地できいたそのBlllliは次のよ うである. 1)石積は手間がかかり,かつ技能を要する.人手 も少なくなった現在,新しくつくることが附難である. 2)昔より建物の而砿が大きくなった.ljIみのある イi埴は敷地の有効1m積を小さくするので典合が班い、 3)防風樹の籍柿は風迦しが想い.蒋柴の始末も1m 倒で,鉄板膿根を腐蝕させたりする. 現在みられる'fi垣の例を図15,図16に水す. 図15は部蕗で一般にみられるもので,ハ宅1m弱, 問さは1.2m雁度のものが多い.内側にガジュマルが 柚えられているが,その気根が蛇施のようにイfiIiを包 みこむのがよくみられる.図'6は粍度の,,‘iいイ「畑の例 で,イi垣の奥側に上を樵り,その上にガジュマルが幣 図 1 5 石 垣 と 防 風 樹 の 例 1 図 1 6 石 垣 と 防 風 樹 の 例 2 柚 さ れ て い る . 今 度 の 台 風 で は , 強 風 と 共 に 飛 来 物 に よ る 被 害 が い ち ぢ る し か っ た が , 樹 木 が 鉄 板 , 木 片 な ど の ス ク リ ー ンになっている例がよくみられた.密柿された樹木が, 遮風だけでなく,飛来物防止という点でも効果のある ことを示すものとして興味深い. 3 . 学 校 の 被 害 3 . 1 . 概 要 島 内 に は 公 立 の 教 育 施 設 と し て , 幼 稚 閲 2 , 小 学 校 8,1│'学校4,商等学校1がある.そのうち木造の幼 碓附の一つが全壊,他の一つが半壊した.小,中,高 等学校は主要部分が鉄筋コンクリート造に建てかえら れ て い た た め , 倒 壊 は 倉 庫 そ の 他 附 属 家 に と ど ま っ た が , 特 校 で 教 室 の 窓 建 具 の 多 く が 打 ち 破 ら れ た 外 , 3 校(和泊中,城ケ丘中,沖永良部高)で体育館の鉄板 屋 根 に 被 害 を 脂 じ た . 特 に 被 害 の い ち ぢ る し い 和 泊 中 体 育 館 に つ い て , 次 項 で そ の 詳 細 を 述 べ る . 3‘2.和泊中体育館の被害 和油''1'紫は海岸近くにあり,体育館の棟の方向は, ほ ぼ 北 西 一 雨 束 で , 台 風 眼 通 過 前 後 の 強 風 を そ れ ぞ れ 棟と斜め方向からうけたと,思われる.2mmLXの窓ガ ラスのほとんど,窓枠の一部が破壊し,棟の両側共, 艮尺圧体の鉄板雌根の過半が吹飛び,天井の全てが落 ドした.図17に外観,図18に内部,図19に隣地に落下 した鉄板屋根,図20に落下した母屋の接合部と天井野 縁を示す, 臆根の詳細を図21に示す.ハKさ0.4mmの真木なし 艮尺鉄板瓦棒11fで,野地板を川いず,0.4mm厚の通
d& 露”f嬢,, 72 ある. この被害で特に注目されるのは,鉄板とともに,か なりの1J:屋が飛散したことである.その中には,図20 でみられるように,トラス上のボルト接合部で完全に 削りさかれたものがあった. 風速を60m/s(速度圧220kg/m2)とし,仮に風力 係数を1.0とすると,母屋端部のボルトに加わる力は 約320kgになり,半而を切欠いた断面(52mm×120 mm)では,削りさきをともなうせん断,ならびにボ ルトのめり込みに対する短期許容耐力を超える.母屋 接合部の設計にも無理があったことが明らかである. 大破壊のきっかけとなった最大の弱点が何処にあっ たかは,以上の調査ではわからなかったが,一般論と して,この極の屋根はたるべく鉄骨の母屋を用い,風 圧を負拙できる野地板を張ることを設計の前提とすべ きであろう.
瀧議響
し吊子を,羽子板ボルトで認め,11:催(105mm×120 m m ) に 2 木 の ス ク リ ュ ー 釘 で 舟 付 け て あ る . 建 設 後9年を経過した建物であるが,股根鉄板は被災1カ 月前に全而撒きかえたばかりであった. 飛散落下した鉄板のIJ:膿への取付け部分は,羽子板 ボルトの締付けナット部分で通し吊子の鉄板の破れて いるものと,スクリュー釘が1J:尾から抜け,羽子板ボ ル ト は 健 全 に 鉄 板 に つ い て い る も の と が あ る . い ず れ も 強 リ │ に め く り 返 さ れ た 時 の 破 壊 を 思 わ せ る も の で 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 侍 第 2 0 号 ( 1 9 7 8 ) 図 1 9 隣 地 に 落 下 し た 屋 根 鉄 板需霧鍵
図 2 0 床 に 落 下 し た 母 屋 と 野 縁 鐘 聖豊蕊蕊蕊 具 塵 l 盗 雪 。 /舞程琴陰…z=三 図 1 7 和 泊 巾 体 育 館 の 屋 根 被 害 図 2 1 和 泊 巾 体 育 館 屋 根 詳 細 4.1.無線用鉄塔の倒壊 和泊の中心地にある沖永良部警察署の無線用鉄塔が, ごみ 4 . 鉄 骨 構 造 物 の 被 害 q 蝿 #、哩曾 ‘琴’霧
畠 綴罵 堅霞韓学剛 蝿 図 1 8 体 育 館 内 部立川。佐々木・福111:沖永良部台風による建築枇造物の被祥について 73 海からの強風で倒壊した.山形鋼を素材とするボルト 接合(ガセットプレートなし)の尚さ35mのミゾ0鉄 塔で,図22のように,風下部材が地上4.5mの折IMIげ 部分で座屈倒壊した形となっている.倒壊時の衝喋も 』 図 2 2 倒 壊 し た 無 線 川 鉄 堵 加わったため,腹材の端部の接合ボルトの破断が多く みられた.なお,この鉄塔は昭和30年に処設されたが, 塩害のため,地上部分は昭和45年に建て直されたもの である. 九州管区馨察局は倒壊後直ちに調査を行ない,倒壊 時に圧縮変形するはずの ド部の斜材の一つが,真Ii1〔な まま端部接合ボルトが破断していたことから,破域の きっかけはこのボルトのせん断破壊と判断した. 稗察局の調森を参考とし,倒壊の理山をまとめれば 次のようになる. 1)鉄塔は60,/hの速度圧で設計されている.沖永 良部測候所での最大瞬間風速は60.4m/sであった. 6.1で述べるように,実際の風速はこの価を上まわっ たという考えもあるが,一応この60.4m/s(高さ11 m)をもとに,瞬間風速を仮に尚さの1/16乗に比例す るとして速度正のプロフィールを求め,設計用速度ハミ と比較すると図23のようになる.’二部では設計用速度 圧にかたり余裕があるが,風の動的効果を考えれば, 設計川応力に近い応力が雌じたと巷えることは,必ら 329kqノmz Z27kWm2
/ | ノ
設 計 編 速 度 正 予 想 さ れ る 連 座 圧 図23速度圧分抑』 ずしも不''1然ではない.なお拝察局では,高さ20m の位│院に巻きついた,比家の雌根鉄板による風ノJの琳 火も一原閃としている. 2)下部では腹材の応力がかなりのイ11‘[になるにかかわ らず,腹材とi言材の接合はすべてボルト,本で没1汁さ れ , 特 に 破 壊 の き っ か け と な っ た と 思 わ れ る 簡 所 の 5/”ボルトは蝿ノリji;'':祥耐力(''1雌築学会規準による, 蝿期パー1.8〃c、)一ぱいに設計されていた.似'24に せん断されたボルト(東,11式ナット付,尚力ボルトで 9コ 図 2 4 鉄 塔 の 破 断 し た ボ ル ト はない)を′Jくすが,/f長ねじ切りしたボルトを仙川し た の は 完 全 な ミ ス で , 余 裕 の な い 設 計 に こ の ミ ス が 加 わり,塔の破壊の面接の原lノ<Iとなったものと考えられ る. 4.2.エ場その他の被害 和泊から知名に向う途中の海岸沿いに,南栄製椛の [場がある.建物の延床面祇約4500,2の,島で唯一 の大きたJ2場であるが,図25に示すように,海側の雌 と臆根の28#波形鉄板が大I、積にわたって吹飛んだ. 図25製概工場の被害(哨栄製帖提供)74 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2 0 号 ( 1 9 7 8 ) 図26は鉄骨スレート葺の小規模な黒械工場で,変側 の壁がはらみ出している.図27にこの部分の間柱川部 を示す.13‘筋2木を布コンクリートに適当に埋込み,
I
図26黒W‘リエ場の被窯 図27黒糖工場間柱川1部 鴬 図 2 8 煙 草 乾 草 所 の 被 害 鉄筋上部を住脚にそわせて現場溶接したもので,コン ク リ ー ト 上 端 で 鉄 筋 が 切 断 し て い る ・ 水 準 以 下 の 設 計 施工が破壊の原因である. 図28はl断台にある鉄』冊スレート珠の煙馳乾燥所で, 屋根,壁のスレートがかなり1次飛んでいる・島内の鉄 ‘冊.工場の弧は数は少ないが,以上の外,波形スレート や鉄板を飛ばされた例を散兄した・ 図29には災返された給油所の慨便左キャノピーを, 似,30には全壊した仮設プレハブを示す. 図 2 9 給 油 所 キ ャ ノ ピ ー の 被 審 図 3 0 仮 設 プ レ ハ ブ の 倒 壊 5 . そ の 他 の 被 害 5.1.和泊町民体育館の被害 52年3ノ」に竣工した和泊'11」.此体育館(鉄什造2階処, 延面種2293,2)が海からの東風に,風上側の窓の半 ばを破られ,天井の一部が落下する被害を生じた. 図31に破られた東側の窓面を,図32に内部の状態を示 す.なお,厚さ0.5mmの鉄板瓦棒葺の屋根(ライト ケージ母屋,木毛板下地)は無傷であった.立 川 ・ 佐 々 木 ・ 福 山 : 沖 永 良 部 台 風 に よ る 建 築 構 造 物 の 被 害 に つ い て 75 図3l和泊町体育館の窓の被害(鹿児島県提供)
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図 3 2 体 育 館 内 部 東側の16連の横長の窓(1ユニットの111冊1.6m,尚 さ3.1m)は,2個の方立てが脱落し,4辿が窓枠とと もに完全に吹飛んだ.図33にこの窓部分を,図34に窓 枠,方立てが脱落した腰壁と方立て端部を示す.方立 て端部のアンカーは不十分で,腰壁の内側に,モルタ ルで簡単に埋込んだだけ(他の1本の方立ての端部に は,短かい鉄筋が溶接されていたが,これも有効とは 思えない)で,特に外から内に向う圧力に抵抗し雌か つたことがわかる.また試算によれば,この方立ての 剛性も不足(鋼材に換算した方立ての断而2次モーメ ントは約50cm4,設計荷重280kg/m2に対し,中央た わみはスパンの約1/60になる)で,変形が端部の脱蕗 を早めたことも考えられる.なお,窓枠の取付金物は, 変形しながらコンクリートにアンカーされて残ってい た‘ 唾 図 3 3 破 壊 し た 窓 図 3 4 窓 台 の 方 立 て 脱 落 部 分 と 方 立 て 端 部 窓 の 破 壊 の 原 因 は , 東 側 の 風 上 に 大 破 し た 木 造 家 屋 があることから,風圧だけでなく,飛来物にもよるも のと考えられる.事実,数は多くはないが,室内には 外部から飛来した鉄板,セメント瓦の破片,木ぎれ, テ レ ビ ア ン テ ナ 等 が 見 出 せ た . 特 に セ メ ン ト 瓦 の 二 三 の破片が,風上50∼60mの屋根からの飛来と思われ るのが注目された. 5.2.ブロック建造物の被害 凶35は,瓜上面を風座でへし折られたブロック建物854680784
■●■①●凸■。■
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76 って,“きわめてまれなケース',ではないことは確か である. 雌大瞬間風速と住家の全壊率については石崎等の研 5.3.エ作物その他の被害 強風により,地柱の多くが折損或は根入れ抵抗不足 により傾斜した・ノL電関係の電柱被害は折批222本, 転倒61本,傾斜335本(総数4051本,すべて水柱), 電遮公社関係は倒壊約600本,傾斜約1000本(総数 4062本,木柱およびコンクリート桃)であった. 6 . 考 察 6.1.風速の期待値その他 沖永良部測候所が観測を開始(昭和44年5ノ』)して 以後の,年妓火風速の記録を表4に示す.越過確率P をHazenの方法で求め,2屯指数分布への、I↑てはめ をしたのが図37である.、ド均風速の分布には問題があ るが,Gumbelの積率法でIrll帰直線を求め,lIj現期間 100年の期待価を求めると,瞬間風速72.1m/s,平均 風速538m/sという結果になる.資料数が少ないの で,史に今後の観測にまたなければならないが,今後 の肢人脈間風速60.4m/sという値は,この地方にと │叉'35ブロック建物の倒壊 である.軒尚4m近い雌体を15cm厚ブロックで積み, Ⅸ部を同'11mの鉄筋コンクリート打ちとし,木造小屋を かけたもので,補強コンクリートブロック造とは全く 異質のものである.他にも被害をうけた同種の椎造を みた.この籾の建物の存在には,都市計画区域内指定 がごく妓近(知名町50年9月,和i''1町51年1ノ」)であ っ た こ と も 関 係 し て い る . 表 4 年 最 大 風 速 ( 沖 永 良 部 測 候 所 ) 図36は海岸近くの墓地でみた墓イ「の唯倒である.墓 石の転倒については八丈肪災害調査2)でも報杵されて いるが,地而附近でも,きわめて強い風(50m/s稀 度)のあったことを示すものと考えられる. - 2 − 1 0 1 2 3 ム 5 6 y=-│n{-1,(1-p)} 似137風速再現期待値 図36某イ.iの転倒 岐大風速(m/s)最大瞬間風速(m/s)灘
IOZO5010020C R.R(YEAR) 昭和44年 45 46 47 48 49 50 51 52 32,0 35‘7 24.7 33.3 19,3 34.8 19.5 35,9 39.4 V (mls議
〆 20.〆。。 10. 、 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2 0 号 ( 1 9 7 8 )蕊蕊蕊
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錘 辞 博軽?5 77 立 川 ・ 佐 々 木 ・ 福 山 : 沖 永 良 部 台 風 に よ る 建 築 構 造 物 の 被 害 に つ い て 6.2.木造住家の耐風性と遮蔽の問題 元来,強風地帯の民家の耐風対策は,石垣と樹木に よる遮蔽が基本であった.度重なる強風の経験から, 琉球赤瓦屋根という耐風工法をもった沖縄を除き,経 済的基盤の弱い離島では,建物自体の耐風性は本土よ りむしろ低いと考えられる.沖永良部島では,昭和36 年の第2室戸台風で全壊住家200戸という被害を出し たほか,近年最大級の強風の経験はなく,軽量の波形 窓 ガ ラ ス の 破 損 に つ い て は , 原 因 が 風 圧 で あ る の か 飛来物であるのか,はっきり区別することは困難だっ たが,学校等の並ガラス,木製サッシュのものは風圧 によるものが多く,アルミの耐風サッシュで5mm以 上のガラスを用いたものは,大型のガラスを除き,飛 散物によるものが多いという印象をうけた. 窓ガラスの破損が,時に大きな2次的被害をひきお こすことは,和泊町民体育館の例でもわかるが,木造 住家の場合は,風上側のランマのガラスが破れ,或は 雨 戸 ご と ガ ラ ス 戸 が 破 れ , そ の 直 後 屋 根 が 飛 ん だ と い う話をいくつかきいた.窓ガラスの保護は,強風地帯 では重要な問題点の一つである. 住宅では,ランマも含め雨戸を設けることが必要で ある.ただし,3mmのベニヤ板戸などは強風時には 全く無力であろう.軽量シャッターは勿論,重量シャ 今度の台風の強風については,測候所のほか,和泊 近くの県合同庁舎屋上のプロペラ型風向風速計が,22 時10分頃約65m/sの瞬間風速を記録している.ただ しこれも,風向およびその後の風速の記録はない.完 全 な 風 向 風 速 の 記 録 が な い た め , 被 害 と 風 速 の 関 係 に ついては,なおあいまいな点が残される. 究8)がある.今度の台風も加えてその関係を示すと図 38のようになる.従来の台風とくらべ,風速に対する 全壊率が異常に高い.遮蔽物が少なく,住家の質の低 いことがその主要な原因と思われるが,或は60.4m/s (高さ11m)を上まわる強風があったかも知れない,と いう考えも否定できない. 鉄 板 屋 根 が 安 易 に 普 及 し , 更 に 石 垣 や 樹 木 等 の 遮 蔽 物 の 軽 視 が 重 な っ て , 今 度 の 被 害 を き わ め て 大 き な も の にした. 一般論になるが,在来工法木造の耐風化は大へん難 かしい、一個所の損傷でも圧力バランスは破れ,破壊 が進行するから,細部まで手が抜けない.強度計算に もとづき,設計図に部材,くぎ,金物を詳細に指定し, 現場で実施させなければ実効は上らないが,高度な管 理と,現場での小規模一品生産とは両立し難い.結局, 建物自体の耐風化を計るには,木造に固執するのは不 適で,あまり神経を使わなくても元来耐風力に余裕の ある鉄筋コンクリート造か,ブロック造が近道という ことになる.別な見方をすれば,木造はやはり適当な 遮蔽物の存在を前提として許さるべきもの,といえよ う.(沖縄ではすでに,木造家屋の新築はまれになっ た) 今度の台風では,特に樹木が密植されている場合に は,石垣・防風樹の効果はかなりあるという印象をう けた.1戸毎にこれをめぐらす昔の方式に帰るのでは なく,もし可能ならば,部落全体としてこれらを配置 することを検討しては如何だろう.個々のうすい防風 樹では,枝葉が吹きはらわれ,飛来物としてマイナス の効果になることも考えられる. なお,ブロック塀の倒壊を各所でみた.ブロック塀 が横力に抗し難いことは周知の事実で,十分な控壁を つけないかぎり,石垣をこれにかえることは適当でな い. 50
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︵ま︶U産 6.3.窓ガラスの保護 2 0.5 0.2 0.1 1 0 2 0 5 0 1 0 0 Vmax(、/Sec) 図38最大瞬間風速と住家全壊率(Rc)3) ● … … 伊 勢 湾 台 風 ×……第2宮古島台風 ○……第3宮古島台風 △……八丈島台風 。・・…・沖永良部台風 、 × ●q8 。 ■ 。 ● ● ● ● ●p●● ● が口 b 、 ●一 一恥J ’、Ⅲ叩川川川加川叩川加川]1078 鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2 0 号 ( 1 9 7 8 ) ツターが押しl1Iげられた例もあった.風圧と,或る程 度の衝撃力に耐えられる製I{''1が市場にⅢまわることが 望ましい. また万一,窓ガラスの破壊がy想される建物では, それによる2次的被‘‘!fを少なくすることを,あらかじ め考慮すべきである.和泊町此体育館の被害例からは, 天井の鋼製野縁が,|、.からのⅡソ]にほとんど耐ノJがた い こ と が わ か っ た . 攻 拝 す べ き 点 の 一 つ と い え る . 6 . 4 . 復 旧 状 況 52年12j」末の調査では,現地は災害の応急処liftは一 応すんだが,完全な復''1にはまだ遠いという状態であ った.2.2の図4に一部落の被災住家の復111状況を付 したが,一部の改築されたものを除き,全壊も含め, 多くが何らかの形で補修使川されている.この''1には, セメント瓦が鉄板に怖きかえられたものもある. 災害後の新築住家の数はまだ少ないが,その柵造称 別 を 表 5 に 小 す . 鉄 筋 コ ン ク リ ー ト 造 お よ び 鉄 筋 コ ン クリート造プレハブが全休の床而積の74%をILiめ,島 民の木造離れの傾向がすでに衣われている.6.2で述 べ た よ う に , 好 ま し い 傾 向 で あ る が , 尚 柵 多 湿 地 の 帰 化 性 に は 間 胆 が あ り , 観 光 地 の 賊 観 の 点 か ら も , 鉄 筋 コンクリート造等の設計には,今後のI:火がほしい所 である.新築の例として,図39には外雌を木造とした 鉄筋コンクリートラーメン造化宅を,図40には伝統的
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図 3 9 鉄 筋 コ ン ク リ ー ト 造 新 築 住 家謹蕊蕊識需蕊蕊蕊
Ⅸ140木造新築住家 図 4 1 独 特 の 混 合 椛 造 な 木 造 住 宅 を 示 す . 後 者 に は 柱 脚 に 金 物 が 使 用 さ れ て いるが,耐風性能の向上はあまり期待できまい.なお, 図41のような,ブロックと鉄筋コンクリートの混合推 進が相変わらずみられる.小規模なものを除き,今後 指導終理する必要があろう. 7 . む す び 沖永良部台風により,沖永良部島では住家を111心に, 姓築物に大きな被害を生じた.遮蔽物が少ないこと, 烏 の 経 済 雌 盤 が 弱 い た め に 住 家 の 画 が 低 い こ と , 近 年 肢大級の強風の経験がなく,風に対する認識が低下し て い た こ と , が そ の 原 因 と 思 わ れ る . 衣5新築住家の椎造(和泊町,知名町合計,S52.10.1∼S53.1.20)木造|鉄骨造│ブロック造│糎濯クlRCプレハプ|計
件 数 ’ 2 6 2 陽 50 30 110 延べ而積(m2)’2,421133117315,41112,909111,245立 川 ・ 佐 々 木 ・ 福 山 : 沖 永 良 部 台 風 に よ る 建 築 構 造 物 の 被 害 に つ い て 79 耐風対策上の結論を以下に列記する. 1)木造住家は金物等の使用により,耐風性能を向 上させる必要がある.ただし,建物自体の完全な耐風 化は困難であり,基本的には,木造(在来工法)は遮 蔽物を前提として考えるべきものと思われる. 2)石垣や樹木の耐風効果は再認識する必要がある, その場合,個々の住家単位でなく,部落全体としてそ の配置を考えるのが適当ではあるまいか. 3)長期的には,住家は耐風力に余裕のある鉄筋コ ンクリート造又はコンクリートブロック造,或は耐風 設計の裏付けのあるプレハブに変えられるべきである. ただしその場合,特に高温多湿地の居住性について, 十分な考慮が必要である. 4)窓ガラスは,風圧だけでなく飛来物を考え,十 分強度のある雨戸,シャッター等で保護すべきである. 破られることが予想される場合には,2次的被害を少 なくするよう,あらかじめ考慮する必要がある. 5)島の建設技術の水準は,本土と比べて低い.早 急に改善の必要がある. この調査研究の一部は,文部省科学研究費(突発災 害調査研究)によった.調査に際しご援助いただいた 関係各官庁および現地の方々に,心からお礼を申し上 げたい.また,資料整理に協力された和田正義君に謝 意を表する. 参 考 文 献 1)鹿児島地方気象台:沖永良部台風に関する異常気 象速報,昭和52年9月 2)八丈島災害調査報告,建築雑誌,昭和51年2月 3)石崎溌雄他:第3宮古島台風による家屋の風災害 について,京大防災研年報,昭和45年3月