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ソヴェト管理科学の現状 : 管理科学とキベルネティカ

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Academic year: 2021

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(1)

            一 管 理 科 学 と キ ベ ル ネ テ ィ カ i

  ソ ヴ ェ ト で は 近 年 管 理 問 題 に つ い て の 研 究 が 極 め て 活 発 に お こ な わ れ て い る 。 と り わ け い わ ゆ る ﹁ 経 済 改 革 ﹂ 実 施 後 の                                ' 研 究 に は 目 ざ ま し い も の が あ る り そ れ を 端 的 に 示 し て い る の が 、 一、 九 六 六 年 六 月 七 -十 日 ( モ ス ク ーワ ) に 開 か れ た ﹁ 社 会 主 義 工 業 管 理 の 科 学 的 組 織 の 諸 問 題 ﹂ に 関 す る 全 ソ 科 学 技 術 者 会 議 で あ 菊 鴨 そ れ は こ の 種 の 会 議 と し て は ソ ヴ ・ ト で も 最 初 の も の で あ る 。 会 議 に は 、 五 一 四 の 組 織 と 、 政 府 高 官 、 企 業 ( 連 合 体 ) 指 導 者 、 研 究 者 な ど 一 〇 五 六 人 が 参 加 し た と 報              ヨ   告 さ れ て い る 。 会 議 で は 、 経 済 学 者 は も と よ り 、 哲 学 者 、 社 会 学 者 、 法 学 者 、 心 理 学 者 、 数 学 者 、 工 学 者 な ど が 、 六 つ の                                                   一  (4 ) . 分 科 会 に わ か れ て 、 さ ま ざ ま な 角 度 か ら 管 理 問 題 を 検 討 し た 。 そ し て 、 ソ ヴ ェ ト の 慣 例 に 従 い 、 五 団 体 の 名 で 出 さ れ た 関 係 各 局 に 対 す る 合 計 六 四 項 目 に わ た る 勧 告 が 総 会 で 採 択 さ れ て い る 。 こ の 、 一 つ の 会 議 だ け か ら で も 、 わ れ わ れ は 、 ソ ヴ ェ ト 社 会 が 今 日 管 理 問 題 の も つ 重 要 性 を 認 識 し 、 そ れ に 対 し て い か に 高 い 関 心 を 示 し て い る か を 見 て と る こ と が で き る 。   し か し 馬 管 理 問 題 の 研 究 が 盛 ん に お こ な わ れ て は い る げ れ ど も 、 ﹁ 管 理 ﹂   (省 ℃ 脂 幕 臣 の ) ﹂と い う 基 本 概 念 一 つ に つ い て す ら 統 一 見 解 が 今 の と こ ろ ま だ な い と い う の が 現 状 で あ る 。 十 年 ほ ど 前 に ク ー ン ッ ( = 閑 8 三 ・) が ア メ リ カ の 管 理 論 の 現 状                                          を ﹁ ジ ャ ン グ ル 戦 ﹂ と 称 し た こ と が あ っ た 。 今 日 の ソ ヴ ェ ト の 管 理 科 学 ( 器 埃 角 岩 智 雪 空 話 噛・ 臣 属 名 o 旨 勺 芻 尭 = § ) は そ れ           ソ ヴ ェ ト 管 理 科 学 の 現 状     .                    ・                              一 一 一

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            ソ ヴ ェ ト 管 理 科 学 の 現 状                       ・    ﹁                          、  一 一 二 に 近 い 状 態 に あ る と い っ て も 過 言 で は あ る ま い 。 ボ ル (ヨ ・ 騨 切 。 ℃ ) は ソ ヴ ェ ト 管 理 科 学 の 現 状 を 次 の ま う に 見 て い る 。   ﹁ 最 近 、 管 理 問 題 に 関 す る 文 献 が 極 め て 集 中 的 に 充 実 さ れ て き て は い る 。 し か し な が ら 今 日 ま で 管 理 論 の 領 域 で の 基 本 的 概 念 さ え 明 瞭 に さ れ て は い な い 。 ど れ 一 つ の 概 念 に つ い て み て も 様 々 な 人 が 様 々 な 内 容 を そ れ に も り こ ん で い る 。 ⋮ ⋮ 管 理 科 学 は い ま だ 分 裂 繁 殖 過 程 曾 や o 器 8 0 目 。 受 。 し。 建 § ) に あ り 、 今 の と こ ろ 他 の 社 会 科 学 か ら 独 立 し つ づ あ る だ け で あ る 。 . だ か ら 、 管 理 科 学 の 本 質 規 定 、 対 象 、 内 容 、 そ れ に よ っ て 包 括 さ れ る 問 題 領 域 の 規 定 が 、 今 な お そ れ に ふ さ わ し い 表 現 を                                              探 し 求 め て い る の も 偶 然 で は な い の で あ る ﹂ と 。 グ ヴ ィ シ ア L 二 (は . ヨ ・ 門 じコ 鵠 膚 母 § ) も 、 管 理 科 学 は ﹁ 生 成 、 形 成 の 過 程 に あ り 、 そ の 過 程 の 極 め て 早 期 の 完 成 化 が 緊 急 に 必 要 な 課 題 で あ る 。 管 理 科 学 が 、 生 産 組 織 、 科 学 的 労 働 組 織 及 び 生 産 管 理 の 過 程 ﹁の 総 合 的 ( 経 済 学 ・ 社 会 学 ・ 社 会 政 策 ・ 法 学 ・ 心 理 学 の ) 研 究 に も と ず い て の み 形 成 さ れ う る こ と は 全 く 明 ら か       (7 ) で あ る ﹂ と 述 べ て い る 。 こ の よ う に 、 ソ ヴ ェ ト 管 理 科 学 が 今 や ﹁ 生 成 過 程 ﹂ を 経 つ つ あ る と い う 現 状 認 識 で は お お か た の                        き     一 致 を み て い る と い え る 。   本 稿 は 、 ソ ヴ ェ ト 管 理 科 学 の 生 成 、 .発 展 を あ と づ け る 研 究 の 最 初 の ス テ ッ プ で あ る 。 そ こ で ま ず 本 稿 で は 、 管 理 科 学 の 独 立 に 消 極 的 な 立 場 を と る 人 た ち の 見 解 を 検 討 し 、 次 に 、 管 理 科 学 の 一 つ の 立 場 で あ る ﹁ キ ベ ル ネ テ ィ カ ﹂ と 管 理 科 学 と ・ の 関 係 に つ い て 検 討 を 加 え よ う と 思 う 。     ( 1 )  O > 胃 臣 1= oo ↓ ぴ℃ o 切 。 甲 = ・ = o目 o > ぴ ωo 塁 臣 o 輿 o =o 竃 田 0 6匿 x ω 霞 o = 8 00 貝 母 ﹀ 蕊 § = 冥 目 ℃ 偉。ロ﹂ ﹀ ①震 Φ コ 唱 o = ω。σ o 皆 目 閃 o 写 3 ●・ 一㊤ ㊦P の 文 献 目 録 四 八       一 ( マ ル ク ス 、 エ ン ゲ ル ス 、 レ ー ニ ン の 文 献 と 公 式 文 書 を 除 く ) の う ち 一 九 六 六 年 以 降 の も の だ け で も 一 八 二 に の ぼ っ て い る 。   (2 )   そ の 会 議 の 成 果 が 、 コ ℃ o α ﹀ ① 竃 匡 器 械 4 = o 酵 o 勺 ﹃ 92= 二 寄 月 量 冥 目 ℃⇔ ロ ﹀ ① 臣 笛 8 月 蕾 ﹀ 馨 ↓藁 Φo 閑 o 寓 目 " o 竃 寓 目 ﹀ ①= = oo ↓ぴ δ ・ 口 ≦ 餌目 Φ O 蕃 ﹀ 田 oσ oO 8 ︻o ω= o 酔 器 械 -      臣 9 ↓ o x = き ① 突 o 計 図 o エ ↑ ① で Φ 貴 臣 ︺. 三 ・. ︽ω き = o 寓 葵 ロ︾ 噸 μ8 。。 . で あ る 。   ( 3 ) ↓ 鮮 美 ρ 6 弓 ・ O = ■     ( 4 )  六 つ の 分 科 会 と は ∼ ω 社 会 主 義 工 業 管 理 の 理 論 的 基 礎 、 ② 工 業 生 産 管 理 組 織 、 ③ 工 業 指 導 方 法 ∼ ω 工 業 指 導 の 法 的 根 拠 、 ㈲ 工 業 管 理 の 経 済 数 学 手       法 、 ⑥ 計 算 機 採 用 に よ る 管 理 の 改 良 化 で あ る 。 .

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( 5 ) ■ ズ 8 昌 設 . 。 .↓ 客 寓 雪 昌 。 幕 簿 塁 霞 乙 ・ 長 ¢ .. ● 冒 9 箪 。 コ 冨 ぎ 巴 ① 量 。 鴎 蓄 超 αΩ 。 ヨ ① 簿 ・ < 。 ド 劇 ・ z 。 ・ ω も や 謹 ⊥ 。。 。。 ・ ( 6 ) ゆ 。 勺 . ≧ 曜 ω ● = 突 。 8 宣 。 。・ 8 ℃ 。 2 話 。 ℃ § 旨 奮 > 2 = 凶 。 貫 § ・・ ① 臣 塁 弓 ρ 員 ① g ・ 葦 臣 8 目 窪 の 塁 。 竃 ω ↓ 昌 Φ ・ 亀 弓 ・・ 。・ ﹀ ① 臣 ① 弓 9 蕾 。 ﹀ § 。 竃   = 8 冨 臣 ω 指 話 q 蔓 息 ︾ ' ≧ ・ ・ お 禽 ' o 弓 ・ ㊤ ・ ( 7 ) ﹁ 。・ 一白 春 霞 . 員 . 審 コ ℃ o α > 2 田 図 后 鋤 。。 ﹀ ① = 話 8 月 蕾 蓄 3 田 Φ 戻 呂 弓 o 誤 巨 > o 臣 o 臼 7 δ ・ 畠 o 弓 0 6 度 量 > 0 8 臼 蚤 ︾ ﹂ 8 9 = o 一 一 ・ 3 ℃ ・ 一 ω ・. ( 8 ) o 琴 ξ 8 ・ § ﹄ . ﹀ . 望 目 奮 ﹀ 窒 Φ 8 長 ・ ≧ 5 舅 ・ 。 奎 ・ § ・ 。。 。 § じ・ q 薫 ω ・奮 弓 = 量 ① 。 至 ・ 蚕 か § § . ・ ξ 。 α ・ ・ 琵 8 器 程 ・ = § ?   面 鎚 量 目 ﹀ 里 皇 Φ 霊 皇 o 胃 o 鴇 ω 貫 簑 雲 旨 で 器 ﹀ 。 塁 頴 8 β m > 匿 ↓ ヨ の 突 羨 弓 o 器 ゆ o 誉 ↓ ゆ o § . ζ ` お の の 噂, 。 弓 ■ 。。 ご コ 雪 で o ・3 、 ﹀ ・ ρ O 。 コ o ・3 ¢ 8 冨 重 ㌣   毬 遷 岩 出 ﹀ ① = 蓄 弓 畠 田 巳 ﹀ ① = = 匡 竃 弓 o = ω 。。 o 碧 ↓ 。3 0 竃 . 3 ・. お ① ρ 6 弓 ・ 刈 ・ 二   ボ ル (審 ¢ 切 。 ℃ ) の 次 の こ と ば に 代 表 さ れ 渇 よ う に 、 管 理 科 学 を 独 立 し た 学 問 に し ょ う と す る 傾 向 が 顕 著 で あ る 。 か れ は い う 。 ﹁ こ れ ま で 、 こ の 科 学 の 諸 問 題 は 、 科 学 的 共 産 主 義 、. 政 治 経 済 学 、 法 学 、 部 門 経 済 学 、 国 民 経 済 学 、 国 民 経 済 計 画 論 等 々 の よ う な 隣 接 諸 科 学 に よ っ て 付 ず い 的 に と り あ げ ぢ れ て き た 。 し か し 、 こ の よ う な 管 理 科 学 の 隠 れ た 存 在 の 時 期 は 終 り に 近 づ い た 。 現 在 あ る 理 論 的 か つ 方 法 論 的 な 素 材 (§ 冨 ℃ 奉 自 ) に も と ず い て も 、 管 理 科 学 を 独 自 の 学 問 分 科                                                         (1 )                          . . (。 ぢ 薗 9 げ 塁 壁 愚 ) に 分 離 す る こ と が で き る し 、 そ う す べ き で あ る ﹂ と 。 し か し 、 管 理 科 学 の 独 立 に 消 極 的 な 見 解 を 抱 く も の も い る 。 た と え ば 、 オ リ ギ ン ー ネ ス テ ェ ! ロ フ e ● 写 O き 弓 崇 出 ① 自 8 0 切 ) が そ う で あ る 。 が れ と て 、 管 理 問 題 の 重 要               ノ 性 の 認 識 に お い て 、 他 の も の に 劣 る も の で は な い 。 ﹁ 社 会 主 義 社 会 発 展 の も っ と も 重 要 な 意 義 を も つ の が 社 会 経 済 過 程 の 管 理 で あ る ・ 社 会 の 社 会 経 済 的 発 展 の 管 理 の 基 礎 と そ の 重 要 な 内 容 を 構 成 す る の が 社 会 的 生 産 管 理 で あ 翫 畔 と 考 え て い る 。 そ し て か れ は ま た 、 ﹁ 経 済 法 則 の 意 識 的 利 用 に も 之 ず く 社 会 主 義 的 な 社 会 的 生 産 管 理 の 改 善 問 題 の 理 論 的 研 究 が 長 い こ と 、 経 済 実 践 の 要 求 か ら 立 ち 後 れ て き た 。 B ・ H ザ レ ー ニ ン が か れ の 著 作 に お い て 広 汎 に 注 意 を 向 け た ﹃ 管 理 ﹄ と い う 用 語 さ え 長 年 忘 れ ら れ て き た ﹂ け れ ど も 、 今 日 、 経 済 学 者 の 努 力 の 結 果 ﹁ 生 産 関 係 の 一 形 態 と し て 管 理 が 経 済 的 研 究 の 必           ソ ヴ ェ ト 管 理 科 学 の 現 状                  ・ ,                                  .  一 = 二

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`             ソ ヴ ェ ト 管 理 科 学 の 現 状     .  、                                                一 一 四 . 要 馨 体 (。 ・   。 と し て 認 め ら れ る よ う に な り 麓 ・ と に も 正 し く 言 及 し て い る ・ た だ ・ か れ は ・ . 管 理 が 経 済 的 関 係 の み な ら ず そ の 他 の 社 会 的 諸 関 係 通 政 治 的 ・ 法 的 ・ イ デ オ ロ ギ ! 的 一 を 含 ん で い る の で 、 管 理 は 経 済 学 そ の 他 の 諸 科 学   ( 政 治 学 ・ 法 学 ・ 社 会 学 等 ) の ﹁ 複 合 的 研 究 旨 ( 岩 首 ﹄ 突 畠 8 蕊 嶺 ① 罠 。 ) の 客 体 で あ る こ 緬 ) そ れ ゆ ζ え 、 関 連 し た 科 学 部 門 の 有 益 な 相 互 協 力 が 必 要 な の で あ っ て 、 管 理 科 学 の 独 立 化 は 、 管 理 問 題 研 究 に 個 別 化 の エ レ メ ン ト を も ち こ む こ と に よ つ て ・ む し ろ 杏 定 的 な 結 果 さ え も た ら し か ね な い と 主 張 す る の で あ 臥 % ) 、  、   法 学 者 で あ る コ ズ ロ フ (6 ・ 箏 閑 8 き 切 ) も 、 管 理 科 学 0 独 立 に 賛 成 し な い 。 か れ の 場 合 も 、 複 合 的 性 格 を 有 す る 管 理 問 題 の 研 究 に お い て 、 一 つ の 科 学 に 優 先 権 を 与 え る こ と は 根 拠 が な い の で あ っ て 、 ﹁ そ れ は ( 注 ・ 管 理 問 題 は ) 複 合 的 な 研 究 (春 霞 § 突 2 0 0 需 2 0h o 詔 臨 器 ) の 対 象 (も 聲 蕊 O で あ る 。 そ し て 科 学 的 思 考 の 種 々 な 分 科 の 接 点 (自 国 δ に 管 理 の 複 合 科                                   (6 ) 学 (否 言 目 窪 窪 田 ﹂蕾 顎 9。) が 形 成 さ れ る ﹂ と 主 張 す る 。   オ リ ギ ソ ー ネ ス デ ェ ー ロ フ と コ ズ ロ フ は 、 ど も に 隣 接 諸 科 学 の 複 合 科 学 と し て の 管 理 科 学 を 考 え て い る 。 し た が っ て 、 . , あ く ま で も 現 行 の 個 別 科 学 に よ る 研 究 が 前 提 と な っ て い る 。 か 九 ら の い う よ う に 、 管 理 問 題 が 複 合 的 性 格 を も ち 、 隣 接 諸 科 学 の 複 合 的 研 究 の 客 体 で あ る か ら と い っ て 、 そ れ だ け で 管 理 科 学 の 独 立 を 否 定 す る 積 極 的 な 根 拠 に な り う る で あ ろ う か 。 確 か に 管 理 問 題 は 複 雑 で あ る 。 経 済 学 の み な ら ず 、 社 会 学 ( と く に 産 業 社 会 学 ) . 心 理 学 ( ど く に 社 会 心 理 学 ) な ど に よ っ て も 研 究 さ れ て い る 。 し か 七 、 現 行 の 関 連 し た 諸 科 学 が た と え 体 系 的 に 研 究 し て も 、 管 理 の ﹁ な に を ﹂ 研 究 す る か   ﹁ ど の よ う に ﹂ 研 究 す る か が 不 明 で あ れ ば 、 ・複 合 的 研 究 と い .え ど も 意 味 が な い 。 つ ま り 、 管 理 問 題 は 現 行 隣 接 諸 科 学 の 複 合 的 研 究 の 客 体 で あ る と い っ て も 、 そ れ だ け で は 何 も い っ た こ と に は な ら な い の で あ る 。 問 題 は 、 管 理 を ど の よ う に と ら え る か 、 い い か え れ ば 、 管 理 の 何 を 、 ど の よ う に 研 究 す る か と い う こ と に あ る 。   た と え ば 、 生 産 管 理 科 学 の 立 場 を 代 表 す る コ ズ ロ ワ (○ . bロ ● ズ o ω 乞 田 ) は 、 ﹁ 社 会 的 生 産 管 理 論 は 経 済 科 学 の 一 つ で あ り 、

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7 経 済 管 理 過 程 に お け る 人 間 の 関 係 を 研 究 す る 。 : ・・ : 管 理 科 学 は 一 連 の 社 会 科 学 と 接 触 を も つ が 、 自 己 の 特 殊 性 を も っ て い   (τ ) る ﹂ と い う 。 つ ま り 、 か れ は 生 産 管 理 科 学 は 、 生 産 管 理 に お い て 作 用 す る 固 有 の 客 観 的 合 法 則 性 を 研 究 す る と 主 張 す る の で あ る 。 そ の 客 観 的 合 法 則 性 と し て 、 次 の 四 つ を あ げ て い る 。 ω 管 理 さ れ る シ ス テ ム の 部 分 の つ り 合 い と 最 適 相 関 関 係 の 獲 得 、 ② 生 産 フ ォ ン ド の 運 動 の 連 続 ・ リ ズ ム (勺 母 塁 雷 o 臼 ぴ ) ㈲ 管 理 過 程 に お け る 機 能 の 分 権 化 と 集 権 化 の 効 果 的 結 合 、 ㈲                                                                             (8 ) 、 管 理 す る シ ス テ ム と 管 理 さ れ る シ ス テ ム と の 最 適 な 構 造 的 相 関 、 が そ れ で あ る 。                                                                                 ( こ こ で は こ の 合 法 則 性 の 内 容 に つ い て 検 討 は し な い ) こ の よ う に 、 生 産 管 理 科 学 の 研 究 者 は 、 そ の 科 学 に 固 有 の 研 究 対 象 を 見 い 出 し て い る の で あ る か ら 、 管 理 科 学 の 独 立 を 否 定 せ ん と す る も の は 、 固 有 の 研 究 対 象 が 存 在 し な い こ と を 立 証 せ ね ば な ら な い 。     (1 )   切 o ワ ヨ ● ω ・ = ① ス o 月 o O 匡 ① ロコ o コ℃ o∩ 匡 ↓ ① o 勺 養 賓 コ 勺 m切 〆 ① 属 国 o α 昼 Φ o↓ 田 田 国 賓 コ 勺 o 員 Φ 8 婁 § 蕾 o 畠 需 竃 ① 塁 o 竃 曾 碧 ρ o↓ や ぐ ● ボ ル は 管 理 科 学 の       研 究 対 象 と し て ﹁直 接 社 会 的 労 働 の 目 的 志 向 的 シ ス テ ム の 限 界 内 で の 人 間 集 団 (グ ル し プ ) の 活 動 を 管 理 す る こ と に 関 す る 人 間 の 関 係 ﹂ (6 ↓マ δ )   -    を あ げ て い る 。 な お 、 経 済 管 理 科 学 の 独 立 を 主 張 す る 代 表 者 と し て ビ ル マ ソ と ル ミ ャ ン ツ ェ フ を あ げ る こ と が で き る 。 切 巷 慈 = ● ﹀ . ≧ . = 突 o ↓ o ℃ = Φ       弓 。 α ﹀ 窃 匿 蕾 埃 = 0 8 景 印﹀ = 3 曇 ⑦ 突 呈 × 8 鵠 罫8 し・。 。。β。 臣 = ・ § ﹄ ・ 卜。φ ヨ ・● お ① ヨ 岬 7諮 貴 ① 国 ■ ﹀ ■ 穽 ① 否 = 。 蚕 器 突 碧 剛ξ 器 .= ヨ g 。。 ﹀ ① 臣 ρ       }6 唱 O員 エ ¢ 竃 × 8 頴 罫 3 しロO 罫 ︽ゆ O 口 ℃ 0 6匡 ω宍 O = O竃 属 課 = ︾ . 一⑩ ⑪ 9 = O 一・ ( 2 ) ( 3 ) ( 4 ) ( 5 ) ( 6 ) ( 7 ) ( 8 ) O > 署 蚤 -= Φ 自 8 。 。, ・ しコ ' = ・ = 臼 。 ﹀ ぴ ω 。 田 臣 ① 慣 。 = 。 罷 闘` Φ 6 塁 × ω 契 翌 。 ・。 8 長 僧 ﹀ 蕊 属 国 k 暑 鎚 ﹀ ① ≡ Φ 弓 。 = ω 巴 碧 お 。 罫 客 ● 一 〇 〇 り ・ 。 ↓ マ ω . ↓ 四 竃 羨 ρ O ぢ ・ ω o。 1 ω P ↓ 四 国 芙 9 8 ℃ ・ ω ① 1 ω メ ↓ 御 竃 芙 ① . 8 マ, ミ ● 訳 8 > 8 ・ δ ・ ≧ ・ 望 弓 田 蓄 = }お } δ 唱 o > = 窪 竃 × 8 詮 自 切 o 竃 ∩ O O て . ` 零 ↓ ぴ 一 . ヨ . 、 お ① ㊤ . 3 ワ ① . 訳 8 > o 雷 ・ O 甲 = 突 0 8 勺 臣 閃 o 后 o 塗 、 ↓ ① o 勺 露 岩 勺 呂 ﹀ ① = = 国 尽 9 一ω じ。 呂 3 じ・ 9 ♂ ︽ 切 o 摺 0 6 匡 り さ = o ≡ 軽 ︾ ﹂ ⑩ 0 。。 . = o 一 . 自 マ 膳 . ↓ O 竃 美 ρ 自 マ o。 1 一 〇 ・ , 三 さ て 、 新 し い ﹁ 管 理 科 学 ﹂ を 主 張 す る も の の 間 に お い て も い く つ か の 見 解 が あ っ て 、 意 見 の 一 致 を み る ま で に 至 っ て い         ソ ヴ ェ ト 管 理 科 学 の 現 状                                                       一 一 五 ●

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6           ソ ヴ ェ ト 管 理 科 学 の 現 状                                 、      、            一 一 六                                              な い 。 ポ ポ フ ( ﹁ ・ × ・ 口 o 昌 o 切 ) ら の 整 理 に よ れ ば 、 ω 管 理 科 学 を ﹁ あ ら ゆ る 種 類 の 管 理 ﹂ に 適 用 さ れ る 科 学 と 考 え る も の か ら 、 ② ﹁ 人 間 ﹂ 管 理 の 科 学 、 ③ ﹁ 全 社 会 ﹂ 又 は ﹁ 全 社 会 的 過 程 ﹂ の 管 理 科 学 、 ㈲ ﹁ 生 産 過 程 ﹂ だ け の 管 理 科 学 、 そ し て ㈲ 具 体 的 な 種 類 の 生 産 、 す な わ ち ﹁ 社 会 主 義 生 産 ﹂ の た め の 管 理 科 学 を 主 張 す る も の に 至 る ま で 多 様 で あ る 。   吏 た 、 ア フ ァ ナ シ ェ ー フ ( 切 . 7 > 曾 臣 9 ① 。・ ) は 、 管 理 科 学 の 現 状 を 、 ω 経 済 管 理 、 ② 人 間 の 労 働 活 動 の 管 理 一 科 学 的                                                                                              労 働 組 織 ( 寓 O ↓ ) ㈲ 国 家 -行 政 -法 律 管 理 、 ㈲ 社 会 -経 済 キ ベ ル ネ テ ィ カ 、 ㈲ そ の 他 に 整 理 し て い る 。   し か し 、 ポ ポ フ ら も ア フ ァ ナ シ ェ ー ブ も 、 と も に 現 在 お こ な わ れ て い る 管 理 科 学 を 並 列 的 に な ら べ て い る だ け で あ る 。 現 状 を 整 理 す る 基 準 が 一 様 で は な い 。 た と え ば 、 ポ ポ フ ら の 場 合 に つ い て い え ば 、 ② の 人 間 管 理 は 、 エ ン ゲ ル ス が 区 分 し た と い わ れ る ﹁ 物 ﹂ の 管 理 と H 人 L の 管 理 の う ち の ﹁ 人 ﹂ ・の 管 理 に 限 定 す る と い う 意 見 で あ る が 、 そ れ は ω 生 産 ( 過 程 ) 管 理 科 学 と 矛 盾 し な い 。 た と え ば 、 コ ズ ロ ワ は 、 ﹁ 管 理 は 、 生 産 過 程 に お け る 人 々 の 活 動 の 組 織 化 と 調 整 の た め の 人 間 集 団 に 対 す る 目 的 志 向 的 な 働 削 か 噛 匹 と 規 定 す る 。 コ ズ ロ ワ 以 外 に も ・ 管 理 科 学 は 生 産 過 程 に お け る 人 間 関 係 を 研 究 す る と              る   す る も の は い る 。 そ も そ も ② は 管 理 科 学 の 研 究 対 象 に か か わ り 、 ω は 研 究 の 客 体 ・ 領 域 に か か わ る 。 そ れ ゆ え 、 ② と ㈲ と は 矛 盾 な く 統 一 で き る 性 格 の も の で あ る 。 ま た ㈲ と ㈲ の 客 体 に つ ・い て み て も 、 ㈲ に い う 生 産 を ﹁ 社 会 的 生 産 ﹂ と 解 す れ ば 、﹁ 社 会 的 生 産 過 程 ﹂ が 管 理 の 客 体 と な り う る の は い う ま で も な く ﹁ 社 会 主 義 生 産 ﹂ を 前 提 と し た 時 で あ る 。 そ の 意 味 で ば あ え て ㈲ と ㈲ を 区 別 す る 理 由 は な い 。   同 じ よ う な こ と が ア フ ァ ナ シ ェ ー フ の 場 合 に も い え る ゆ か れ の 場 合 も 、 ω 経 済 管 理 ど ② 人 間 労 働 活 動 の 管 理 は 、 管 理 さ れ る 客 体 か ち の 区 分 で あ る が 、 ㈲ 国 家 1 行 政 一 法 律 管 理 は 管 理 す る 主 体 か ら の 区 分 で あ る 。 こ こ で も 区 分 す る 基 準 が 統 一 . さ れ て い な い 。         ・    -      ・   そ こ で わ れ わ れ は 、 現 在 、 ソ ヴ ェ ト で お こ な わ れ て い る 管 理 科 学 研 究 を 馬 ﹁ 管 理 が お こ な わ れ る 領 域 を ど こ に 求 あ る か ﹂ ﹁

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ど. い う 観 点 か ら 大 別 す る と 次 の 三 つ に 整 理 さ れ る で あ ろ う σ 第 一 は 、 自 然 ・ 人 間 社 会 ・ 機 械 の 三 つ の シ ス テ ム に 管 理 の 領 ・ 繁 求 め る 管 理 科 学 1 ﹁ 普 遍 的 管 理 科 学 ﹂ 又 は ﹁ キ ベ ル ネ テ ・ ヵ ( 民 書   = 民 器 ・  ・. 亀 第 二 は ・ 人 間 社 会 の 全 過 程                                                 ( 6 ) に 管 理 の 領 域 を 求 め る 管 理 科 学 1 ﹁ 社 会 管 理 科 学 ﹂ 、 第 三 は 、 人 間 社 会 の う ち で も 、 経 済 過 程 の み に 管 理 の 領 域 を 求 め る・     唱                                                                                                                .      (7 ) 管 理 科 学 1 ﹁ 経 済 管 理 科 学 ﹂ が そ れ で あ る 。 第 三 の                                                     ﹁ 経 済 管 理 科 学 ﹂ は 、 現 在 、                                                                               ﹁ 国 民 経 済 管 理 科 学 ﹂ ( 国 民 経 済 、 部 門 経                                                   (8 ) 済 、 企 業 連 合 体 、 企 業 が 主 な 客 体 ) と ﹁ 生 産 管 理 科 学 ﹂ ( 社 会 的 生 産 過 程 と 直 接 の 生 産 過 程 が そ の 客 体 ) の 二 つ の 潮 流 が あ                 r る と い え る 。 国 民 経 済 管 理 は 生 産 管 理 よ り も 巾 広 い 。 前 者 は 非 生 産 的 領 域 -例 え ば 商 業 部 門 一 を も 含 む か ら で あ る っ. し か し 、 社 会 的 生 産 は 国 民 経 済 の 物 質 的 基 礎 で あ り 、. 中 核 で あ る 。 だ か ら 、 社 会 的 生 産 管 理 と い う 時 に は 、 国 民 経 済 管 理 の 主 要 な 部 分 を .占 め る 。 そ れ ゆ え 、 生 産 管 理 科 学 は 、 国 民 経 済 管 理 科 学 に 包 摂 さ れ る が 、 そ の 中 心 的 位 置 を 占 め る と い え る 。     本 稿 で は 、 こ の う ち 、. ﹁ 普 遍 的 管 理 科 学 ﹂ 又 は ﹁ キ ベ ル ネ テ ィ 労 ﹂ に つ い て 検 討 し て み よ う 。 ( 1 )   ↓ 8 ﹁ ① ↓ 甲二 ① o 甕 ① 弓 o q > ① ㌘曼 着 勺 畠 ﹀ ① = 塁 8 長 m > § ↓ 蚤 ① 突 o 詠 ︻も 呈 ぴ 巨 ﹀ ① 臣 o n ↓ ず δ ・ O o 肩 陣 し。 嵩 ① ﹀ ぴ ラ × ・ 口 o ロ o し。 ・   ︽ コ で a > 窪 窪 = 超 鹿 o 寓   8 冨 凄 ω 貰 饅 旨 ℃ 窩 ﹀ の 竪 鵠. 8 塁 9 ζ 白 田 o 突 皇 后 o ≦ 属 目 ﹀ Φ 臣 o 身 げ 6 ︾ ・ ヨ ・﹄ O ① 。。 ・ 。 ゼ ・   O 一 ・ ( 2 )   ﹀ 台 帥 蕾 9 ① ロ。 . じロ ・ ﹁ ・ = 選 卓 o o 網 弓 田 ﹀ Φ = 器 o α 月 の 8 。σ o 茎 寓 ・嘘 一 〇 〇 。。 層 o 弓 ・ 心 ・ ( 3 )   ズ 8 > 畠 粒 ' O . 切 . = Φ 訳 o ↓ 8 田 ① 05 0 弓 o ∩ ﹃ [ ↓ 8 ℃ 巨 岩 鵠 切 ﹀ Φ 臣 固 目 ℃ o 器 巴 碧 冨 o 寧 8 勺 ・ ω . ( 4 )   先 に あ げ た よ う に ボ ル も そ の 一 人 で あ る 。 ( 本 稿 一 一 五 頁 注 1 ) 、・ そ の 他 に リ ュ ー ボ ヴ ィ ッ チ を あ げ る こ と が で き る 。 ﹀ δ α o 切 愛 ・ δ . ρ O 宵 山 = 〒  . 選 一ヨ 着 罷 ﹀ の 臣 ; ℃ 畠 田 掌 ① 美 里 弓 9 幽ω 切 言 § 皇 閑 長 蕾 k 潤 着 類 聖 。 長 ・ ﹀ 匿 皿 ・ ︽ ξ 。 α ﹀ ① 臣 国 毫 = 。 詠 。 ℃ 曇 § 岩 甲一 着 ℃ 呂 ﹀ ① ≡ 訟 8 量 9 言 。 〒   ヨ Φ 突 o 降 口 ℃ o 寓 匡 巨 ﹀ Φ = 二 2 ↓ ぴ 6 ︾ 噂 3 こ お ① o。 ■ 3 ℃ ・ 課 -謬 ・ ( 5 )   O 罫 訳 = α ① 勺 国 o 望 釜 ・ = 謁 巳 ﹀ ① = = 9 誤 器 誤 ● ﹂≦ ・● お 忠 噛 " 堅 α ① 勺 = Φ ↓ 更 団 甲 寅 o > 曳 軽 α 良 民 o 寓 言 良 臣 ω 冒 曳 噛 ↓ o 客 一 . ≧ 曾. 一 ㊤ ① い 所 収 の ベ ル ク の 論 文 及 び 、   切 窃 ﹁ . ﹀ ● 写 = δ ● = ・ ` 巷 蓄 3 = エ ↑ o 勺 臣 長 国 = 岩 B ロ。 ﹀ ① 塁 ρ ≧ ・ 一 8 ① ・﹂         .          . ■ ( 6 ) 9 ● ﹀ 意 器 9 。 切 . 切 ≒ ・ エ 皇 霊 。 Φ 岩 冨 切 ﹀ ① 霞 ① 。 α 日 Φ 。 冨 o 竃 ﹂ 8 。。 ・ 、 ( 7 )   先 に 触 れ た よ う に 、 ビ ル マ ソ と ル ミ ャ ソ ツ ェ フ が そ の 代 表 者 。 ( 本 稿 一 一 五 頁 注 1 参 照 ) ( 8 ) 碧 密 雲 。 . ρ } .エ 吟。 簑 騨 蛍 葛 器 ﹀ 窪 量 ゆ O O 9 ・ 三 、 お Φ ↓ . 申 訳 妻 田 昼 6 噂 6 . 口 ● 貯 思 ゆ ﹀ φ 臣 δ 壱 。 誹 巨 ﹀ ① 重 臣 弓 。 蕊 b・ 。 碧 ↓ 。・ 。 竃 -臣 署 エ 壱   o 畠 8 k . ︽ 9 長 櫛 ﹀ = 白 田 ① 6 深 思 弓 鴇 ︾ ﹄ 田 9 = o 二 一 ⋮ 閑 o ω > o 器 ■ ↓ 碧 襲 2 = Φ 弓 畠 ' ♪ ・ O O 9 8 ¢ o ℃ 石 塁 ω 貴 苺 岩 層 呂 ﹀ 窪 薫 弓 自 国 日 ﹀ の = 爵 7 一. ソ ヴ ェ ト 管 理 科 学 の 現 状 二 七 , 1

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・     ソ ヴ ェ ト 管 理 科 学 の 現 状 口 ℃ o = ω oコ o 碧 詔 o 竃 げ ヨ ご 一 8 り . = 八 四   一 九 四 八 年 に 創 始 者 ノ 宍 一 ・ ウ ・ ー ナ ー ( 拝 ≦ 匿 ) の 名 と と も に 歴 史 に 登 場 し て き た サ イ バ ネ テ ・ ク ス 電 ソ ヴ ・ ・ で も 噺 ・ い 科 学 で あ 稔 ・ シ ア 語 訳 は ・ ベ ル ネ テ ・ ヵ ( 書 = 傷   )-で あ ・ ・ ソ ヴ ・ ・ で は ・ そ れ は ﹁ 管 理 (導 ㌣                        -              (3 ) ピコ 器 塁 ①) に 関 す る 科 学 ﹂ と い わ れ て い る 。 ソ 連 邦 科 学 ア カ デ ミ ー の キ ベ ル ネ テ ィ カ 会 議 ( 一 九 五 九 年 四 月 十 日 設 置 ) 議 長 ベ ル                                                                                       (4 ) ク (﹀ . 共 切 Φ 肩 ) は ﹁ キ ベ ル ネ テ ィ カ は 複 雑 な ダ イ ナ 、ミ ッ ク な シ ス テ ム と 過 程 の 管 理 に 関 す る 科 学 ﹂ と 規 定 す る 。   キ ベ ル ネ テ ィ カ で は ﹁ 管 理 ﹂ 概 念 を ど の よ う に と ら え て い る で あ ろ う か ゆ キ ベ ル ネ テ ィ ク ( キ ベ ル ネ テ ィ カ 研 究 者 、 , サ イ バ ネ テ シ ス ト ) た ち は 管 理 概 念 を も っ と も 広 く 解 し て い る 。 管 理 領 域 な る も の を 極 め て 広 い 範 囲 に わ た っ て 認 め て い る こ と か ら そ れ が わ か る 。 'ベ ル ク は 、 管 理 の 基 本 的 領 域 と し て 次 の 三 つ を あ げ る 。 す な わ ち ﹁ ( 1 ) 機 械 シ ス テ ム の 管 理 ﹂ 工 学 的 過 程 の 管 理 、 人 間 の 自 然 へ の 働 き か け に 際 し て 生 じ る 諸 過 程 ピ 般 の 管 理 の 領 域 。 ( 2 ) な ん ら か の 課 題 を 解 決 す る 、 人 間 集 団 ( た と え ば 、 経 済 ・ 財 務 ・ 法 律 ・ 運 輸 ・ 軍 事 及 び そ の 他 の オ ペ レ ー シ ョ ン を お こ な う 集 団 と 組 織 ) の 組 織 的 活 動 の 管 理 領 域 。 ( 3 ) 生 物 有 機 体 に お い て 生 じ る 諸 過 程 ( 生 理 的 ・ 生 化 学 的 及 び 有 機 体 の 生 命 活 動 と 結 び つ い た そ の 他 の 諸                ら   過 程 ) の 管 理 領 域 L が そ れ で あ る 。 こ れ ら の 相 異 な る 三 領 域 の 管 理 過 程 に お い て 生 じ る 一 般 的 合 法 則 性 を 研 究 す る の が キ ベ ル ネ テ ィ カ で あ る と い う 。 ﹁ キ ベ ル ネ テ ィ カ は 、 生 物 界 、 人 間 社 会 、 機 械 (弓 。 臣 日 溶 臣 。 自 ぴ ) に お い て 生 じ る 管 理 の 合                 (6 ) 法 則 性 を 一 般 化 す る ﹂ と 。 キ ベ ル ネ テ ィ カ の 観 点 か ら は 、 生 物 界 、 人 間 社 会 、 機 械 に お け る 複 雑 で ダ イ ナ ミ ッ ク な シ ス テ ム が 管 理 さ れ る シ ス テ ム 、 管 理 の 客 体 と み な さ れ る 。 そ れ ゆ え 人 間 社 会 の 中 で も 経 済 活 動 に お け る 管 理 に 限 定 し て 用 い ら . れ る 概 念 よ り も は る か に 巾 広 い 概 念 と し て の 管 理 が 定 義 さ れ る 。 ベ ル ク に よ れ ば 、 管 理 と は ﹁ そ の シ ス テ ム の 変 数 に 働 き

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                                                (7 ) か け る こ と を 通 し て 、 シ ス テ ム を 新 し い 状 態 に 移 す こ と ﹂ で あ る と い う 。 ベ ル ク と 同 じ く キ ベ ル ネ テ ィ ク で あ る ノ ビ ク                                                                                                             9 (耳 印 = 8 巽 ) は 、 管 理 と い カ テ ゴ リ ー は 巾 広 く 多 様 に 用 い ら れ る が 、 、 ﹁ も っ と な 一 般 的 な 形 で い え ば 、 管 理 と は 、 シ ス テ ム ( リ ア ル な あ ら ゆ る 客 体 が シ ス テ ム と 解 さ れ る ) の 整 序 化 (冒 8 豊 宝 の 塁 Φ ) と 定 義 さ れ る で あ ろ う 。 す な わ ち 、 , 若 干 の 客 居 合 法 則 性 に 対 応 し た 状 能 だ シ ろ ア ・ を 導 く ・ と (。 唱 。 舞   い と 定 義 さ れ る で あ ろ 訟 、 と い う ・   キ ベ ル ネ テ ィ ク で は な い が 、 シ ス テ ム 論 の 立 場 か ら 人 間 社 会 の 社 会 的 過 程 全 体 の 管 理 を 主 張 す る ア フ ァ ナ シ ェ ー フ (即 ﹁ ﹀ 曾 器 9 ① 。・ ) も ノ ビ ク と 同 じ 概 念 を 一 般 的 な 形 で 展 開 す る 。 す な わ ち 管 理 と は ﹁ も っ と も 一 般 的 な 意 味 で は 、 不 断 に 変 動 す る 内 的 及 び 外 的 環 境 の 条 件 の 下 で の シ ス テ ム の 整 序 化 、 調 整 で あ り 、 そ の シ ス テ ム に 固 有 の 客 観 的 合 法 則 性 の 要                                         (9 ) 請 に 対 応 し た 状 態 に シ ス テ ム を 導 く こ と で あ る ﹂ と 。 こ の よ う に 管 理 概 念 を 定 義 す れ ば 、 人 間 の 発 汗 作 用 、 自 動 車 の 運 転 ㌻ 社 会 の 統 治 等 も す べ て 等 し く 管 理 概 念 の 中 に 入 っ て く る 。 シ ス テ ム の 整 序 化 と い う こ と で 、 自 然 、 ﹁機 械 、 人 間 社 会 の す べ て の 領 域 に わ た っ て 存 在 す る 管 理 シ ス テ ム の 共 通 性 は 言 い 尽 く さ れ て い る か も し れ な い 。 し か し 、 今 日 問 題 と な っ て き て い る 国 民 経 済 管 理 、 社 会 的 生 産 管 理 の 諸 問 題 が キ ベ ル ネ テ ィ カ に 解 消 さ せ て し ま う こ と が で き る で あ ろ う か 。 こ れ が .                                                                 匿 わ れ わ れ の 関 心 事 で あ る 。   キ ベ ル ネ テ ィ ク 自 身 、 キ ベ ル ネ テ ィ ガ を ど の よ う に 評 価 し て い る の で あ ろ う か 。 こ の 問 題 か ら 入 っ て い こ う 。   ベ ル ク と ノ ビ ク に よ れ ば 、 ﹁ キ ベ ル ネ テ ィ カ は わ れ わ れ の 認 識 の 領 域 を 拡 大 し 、 情 報 を 媒 体 と し て 遂 行 さ れ る 管 理 過 程 に ま で そ れ を お し ひ ろ げ 、 か つ て は わ れ わ れ に 未 知 で あ っ た 反 映 (。 弓 襲 ① 塁 ① ) の 蒋 性 の 本 質 的 特 殊 性 を 解 き あ か す 。 か                                                                                         (10 ) つ て お れ わ れ が も の に で き な か っ た 情 報 過 程 が 、 今 日 で は 研 究 に 成 功 し 、 人 間 の 欲 求 に 従 属 し て い る ﹂ と い 5 1 。 か れ ら は こ の 点 に 、 入 間 の 認 識 の 有 限 性 に つ い て の 不 可 知 論 的 か つ 懐 疑 的 な 考 え を く つ が え す キ ベ ル ネ テ ィ カ の 発 展 の も っ と も 重                                                                 ヘ    ヘ   ヘ    ヘ                                                サ 要 な 哲 学 的 結 論 を 見 い 出 し て い る 。 キ ベ .ル ネ テ イ カ が 管 理 過 程 の 正 確 な 量 的 分 析 方 法 を 明 ら か に し た こ と に よ っ て 科 学 的           ソ ヴ ェ ト 管 理 科 学 の 現 状                                 .   馳     一 一 九 9

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            ソ ヴ ェ ト 管 理 科 学 の 現 状         "                          . '                  一 二 〇   認 識 の 可 能 性 の 枠 を お し ひ ろ げ た こ と は 事 実 で 泌 る 。 ベ ル ク と チ ェ ル ニ ㍗ ー ク (6 ● 客 ` o 翌 美 ) は ﹁ キ ベ ル ネ テ ィ カ は 、   わ れ わ れ を と り ま く 複 雑 な 世 界 の 研 究 の 普 遍 的 用 具 (臣 自 ℃ 凝 。 胃 ) で あ る 。 ⋮ ⋮ キ ベ ル ネ テ ィ カ の 科 学 は 、 自 然 と 社 会 の .   客 観 的 合 法 則 性 の 認 識 の 強 力 な 用 具 と な っ て い る 。 キ ベ ル ネ テ ィ カ は 、 世 界 に つ い て の わ れ わ れ の 観 念 を 豊 富 に し 具 体 化            け     す る 、 ⋮ ⋮ ﹂ と 主 張 し て い る 。 か れ ら は 複 雑 さ の 問 題 に 関 連 さ せ て キ ベ ル ネ テ ヨ カ を と ら え て い る 。 わ れ わ れ も 複 雑 な シ   ス テ ム の 運 動 法 則 を 認 識 す る ﹁ 用 具 ﹂ と し て キ ベ ル ネ テ ィ ヵ の も つ 意 義 を 認 め ね ば な ら な い で あ ろ う 。     も ち ろ ん 、 キ ベ ル ネ テ ィ カ が 学 問 と し て 成 立 す る よ り ま え に 、 経 済 学 な ゲ 、 生 物 学 な り で 、 管 理 と か 制 御 と の 問 題 は 個 . 々 に と り あ げ ら れ て は い た 。 キ ベ 弓ル ネ テ イ カ は 相 異 っ た 領 域 で 存 在 し て い る シ ス テ ム の 運 動 法 則 を 一 般 化 し た の で あ る 。   今 は な き ポ 4 ラ ン ド の 著 名 な 経 済 学 者 ラ ソ ゲ .の キ ベ ル ネ テ ィ カ に つ い て の 評 価 を 聞 こ う 。 が れ は ﹁ サ イ バ ネ チ ッ ク ス は ひ   と つ の こ と 、 す な わ ち 現 実 の あ い 異 な る 領 域 で の 形 式 的 類 推 を 発 見 し た 。 そ れ は さ ま ざ ま な 領 域 が ⋮ ⋮ 形 式 的 な 見 地 か ら                                                                                                              ゆ     み る と 、 作 用 の 仕 方 に お い て 本 質 的 に た が い に 相 似 し て い る と い う こ と を 発 見 し た の で あ る 。 こ れ は 大 き な 成 果 で あ る 。﹂ 、 と い う 。 か れ は ま た 、 ﹁ サ そ .ハ ネ テ ッ ク ス の 思 考 装 置 i こ の 科 学 に 固 有 の 、 諸 概 念 と そ れ ら を あ つ か う 諸 原 理 の 組 1   は 二 つ の 根 本 的 な 問 題 の 厳 密 な 理 解 と そ の 解 釈 と を 可 能 に し て い る 。 そ の 問 題 は 、 す な わ ち 全 体 i お の お の の 要 素 の 性   質 と は た ら き だ け か ら で は み ち び か れ な い 、 そ の 固 有 の 性 質 と は た ら き 一 の 問 題 、 .お よ び 発 展 の 弁 証 法 的 性 格 の 問 題 で        あ     あ る 。 ﹂ と も い う 。 こ こ に 明 ら か な よ う に 、 サ イ バ ネ チ ッ ク ス が 、 シ ス テ ム の 全 体 と そ の 弁 証 法 的 発 展 の 問 題 の 理 解 と そ   の 解 決 へ の 鍵 を 与 え る も の と し て 、 ラ ソ ゲ に よ っ て 高 く 評 価 さ れ て い る 。     ,                        ,     し か し 、 か れ は 同 時 に 、 ﹁ サ イ バ ネ チ ッ ク ス は 、 確 率 論 や 数 理 統 計 学 に 似 て 、 さ ま ざ ま に 適 用 さ れ る 形 式 的 手 法 で あ る 。                              む ソ   こ こ に そ の 役 割 も 限 界 も あ る ﹂ と 指 摘 す る こ と も 忘 れ て は い な い 。 な る ほ ど 、 一 定 の シ ス テ ム を 前 提 と し て 、 そ の シ ス テ ム                                                                   ヘ   へ                                                        が 環 境 へ 働 き か け 、 環 境 か ら の 働 き を う け る と い う 相 互 作 用 を 介 し て 、 全 体 と し て の ま と ま り を 、 ち つ .つ 新 し い 質 へ と 変 5

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亀 、 仏 し ・ 鬱 し て ゆ く あ り さ ま を 説 明 し て い く ・ 描 で 歯 朶 関 係 で た が い 量 関 し た 作 用 素 の シ ス テ ム の 疫 理 醜 と し て の サ イ バ ネ チ ッ ク ス は 一 定 の 有 効 性 を も つ 。 物 質 の 世 界 を 説 明 す る 時 に 、 世 界 が 決 し て 一 定 不 変 で は な く 、 世 界 を 構 成 し て い る エ レ メ ン ト の 相 互 作 用 に よ り た え ず 変 化 し て ゆ く こ と 、 そ し て 変 化 し な が ら 同 時 に 全 体 と し て の ま と ま り を 変 化 し た 新 し い 次 元 で と り も ど す こ と に 注 目 す る こ と は 重 要 で あ る 。 世 界 が 不 断 に 自 己 も を 破 壊 し な が ら 、 同 時 に 新 し い 質 と し て の ま と ま り を 維 持 し て い こ う と す る 、 そ の 破 壊 と 秩 序 、 動 態 と 静 態 の 矛 盾 の 弁 証 法 的 統 一 体 と し で 世 界 を と ら え る こ と は 正 し い 。 し か し 、 サ イ バ ネ チ ッ ク ス は 、 ラ ン ゲ も い っ て い る よ う に 、 シ ス テ ム の ﹁ 形 式 的 な 見 地 か ら 0 .作 用 の 仕 方 ﹂ の 共 通 性 を 説 明 す る だ け で あ る 。 シ ス テ ム の 存 在 そ れ 自 体 が 前 提 と な っ て い る こ と か ら も わ か る よ う に 、 シ ス テ ム が ﹁ ど の よ う に ﹂ 環 境 に 働 き か け な が ら 、 同 時 に 全 体 と し て の ま と ま り を 維 持 し て 発 展 し て ゆ く か を 説 明 で き て も 、 ﹁ な ん の た め に ﹂ そ の よ う に 作 用 す る の か を 説 明 す る こ と は で き な い で あ ろ う 。 そ れ は 当 然 の 帰 結 で あ る 。 な ぜ な ら 、 サ イ バ ネ チ ッ ク ス は そ も そ も 生 物 界 、 人 間 社 会 、 機 械 の す べ て の シ ス テ ム の そ れ ぞ れ に 固 有 な 特 殊 性 を 捨 象 し て 、 作 用 の 共 通 性 を 一 般 化 す る と こ ろ に 成 立 す る か ら で あ る 。 本 来 、 サ イ バ ネ チ ッ ク ス は 、 一 定 の 側 面 一 形 式 的 、 構 造 的 、 も っ ぱ ら 量 的 な 側 面 か ら シ                                                                                                  ス テ ム の 管 理 過 程 を 教 え て く れ る が 、 管 理 過 程 が 経 る シ ス テ ム の 質 的 本 質 、 ' 内 容 に は 無 関 係 な の で あ る 。 つ ま り 、 サ イ バ ネ チ ッ ク ス の 長 所 が 同 時 に 短 所 で も あ る と い う こ と で あ る 。 ﹂ ボ カ レ ェ ー フ (bd . 鋭 切 o 否 ℃ Φ 切 ) は 明 快 に 次 の よ う に 言 う 。                                     ヘ    ヘ   ヘ    へ ﹁ キ ベ ル ネ テ ィ カ は そ れ 自 体 、 本 質 的 に 形 式 科 学 (倉 皇 雪 臣 銘 臣 網 奉 ) で あ る こ と に 注 意 し な け れ ば な ら な い 。 ⋮ ⋮ キ ベ ル ネ テ ィ カ は 、 ひ じ ょ う に し ば し ば ﹃ な ん の た め に 管 理 す る か ﹄ で は な く 、 ﹃ い か に 管 理 す る か ﹄ 、 に 対 す る 答 え を 要 求 す る 。 管 理 の 目 的 は 、 多 く の 場 合 キ ベ ル ネ テ ィ カ に と っ て は な に か 与 え ら れ た も の と し て あ ら わ れ る 。 な ぜ な ら 、 目 的 設 定                                 ・                        ・                          (17 )( 傍 占 削原 文 ) は 、 た と え ば 経 済 科 学 や 軍 事 学 等 々 の 科 学 に よ っ て お こ な わ れ る か ら で あ る 。 ﹂ と 。       ,   社 会 ( 的 過 程 ) 管 理 科 学 を 主 張 す る ア フ ァ ナ シ ェ ; フ は キ ベ ル ネ テ ィ ガ を ど う 評 価 し て い る か 。 か れ は 、 先 の ボ カ レ ェ           ソ ヴ ェ ト 管 理 科 学 の 現 状                                                         一 二 一 ﹁

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          ソ ヴ ェ ト 管 理 科 学 の 現 状 層                                    ・              一 二 二 ー フ の 見 解 を 支 持 し て 、 社 会 管 理 、 社 会 生 活 の 種 々 な 分 野 の 管 理 の 研 究 に ﹁ 複 雑 な シ ス テ ム 管 理 の も っ と も 一 般 的 な 合 法 則 性 を 解 明 す る キ ベ ル ネ テ ィ カ ﹂ の 成 果 を 利 用 す る が 、 キ ベ ル ネ テ ィ カ が 社 会 管 理 の 問 題 を 、 ・ そ の す べ て の 複 雑 さ と 多 様 性 に お い て 解 明 す る こ と が で き な い と い う 。 な ぜ な 与 、 キ ベ ル ネ テ ィ カ は 、 す で に 述 べ た よ う に 、 シ ス テ ム の 質 的 本 性 に か か わ り な く 管 理 過 程 を 研 究 す る の に 対 し て 、 ﹁ 社 会 は と い え ば 、 深 い 質 的 な 特 殊 性 を 、 自 ら の 固 有 の 合 法 則 性 を も っ て い                                                                                                       へ ・る シ ス テ ム で あ る 。 そ れ は キ ベ ル ネ テ ィ カ の 手 の 届 か な い も の で あ る ﹂ か ら で あ る 。 こ こ に 、 ﹁ 特 殊 な 種 類 の 分 析 一 社 へ   ヘ   ヘ   へ                                                                                                                        会 的 分 析 が 必 要 と な る 。 キ ベ ル ネ テ ィ カ は そ れ の 補 助 的 な 役 割 を 果 す に す ぎ な い ﹂   (傍 点 原 文 ) と か れ は 評 価 す る 。 ラ ン                                     (19 ) ゲ も 、 サ イ バ ネ チ ッ ク ス を 経 済 学 に 応 用 す る こ と は 、 経 済 の 認 識 に と っ て も 、 実 際 に と っ て も 有 用 で あ り 、 社 会 主 義 経 済 に と っ て は と く に 大 き な 意 義 を も っ て い る こ と を 強 調 す る が 、 同 時 に サ イ バ ネ チ ッ ク ス は 国 民 経 済 の 計 画 化 と 管 理 に 関 す る 恐 論 に と っ て 重 要 で は あ る が 補 助 理 論 で あ る と 位 置 づ け て い 編 )   肝 心 の ソ ヴ ェ ト 経 済 学 者 は ど う で あ る か 。 著 名 な 経 済 学 者 ネ ム チ ー ノ フ ( 甲 ρ = ① 蚤 臣 8 ) は 、 ギ ベ ル ネ テ ィ カ を ﹁ 管 理                                れ   過 程 の 一 般 的 合 法 則 性 に 関 す る 科 学 ﹂ と 規 定 し 、 ﹁ 経 済 キ ベ ル ネ テ ィ カ は 大 き な 新 し い 学 問 分 科 の 一 部 で あ る 。 そ の 科 学 の 研 究 対 象 は 管 理 す る 経 済 シ ろ ア ム で あ 麓 と 主 張 す る ・ か れ に よ れ ば ﹁ 経 済 太 ル ネ テ ・ カ ・ そ れ は 経 済 管 理 シ ス ーア ム 構 築 (目 零 ℃ o Φ 臣 Φ ) の 一 般 的 合 法 則 性 と 管 理 過 程 に 関 す る 科 学 で あ る 。 計 画 的 な 社 会 主 義 経 済 と い う 条 件 下 で の 経 済 キ ベ                                                                                                お   ル ネ テ イ カ の 意 義 は 大 き く 、 国 民 経 済 の 最 適 管 理 と 、 社 会 的 発 展 の 管 理 の 科 学 的 基 礎 の 研 究 と 結 び つ い て い る 。 ﹂ と い う 。 そ の 場 合 、 社 会 的 管 理 の 課 題 解 決 の た め に 、 情 報 と 計 算 の 機 械 シ ス テ ム 利 用 の 科 学 的 根 拠 を 確 立 す る こ と 、 そ れ が キ ベ ル ネ テ ィ カ の 中 心 的 課 題 と し て 提 起 さ れ る 。 そ の よ う な 意 味 で 、 ﹁ 経 済 キ ベ ル ネ テ .イ カ は 社 会 主 義 を よ り 完 全 な も の に す る                          ム   重 要 な 用 具 (o ℃ 賓 需 ) で あ る ﹂ と 評 価 さ れ る の で あ る 。   他 の 経 済 学 者 も 、 社 会 主 義 経 済 管 理 問 題 の 理 解 と そ の 解 決 に あ た っ て 、 キ ベ ル ネ テ ィ ヵ の 研 究 成 果 利 用 の 必 要 性 と 重 要 .

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e ' 性 を 十 分 認 識 し て は い る 。 し か し 、 そ れ と 同 じ 程 度 に お い て 、 か れ ら は 必 ず と い っ て よ い ほ ど 経 済 管 理 、 生 産 管 理 の 問 題 が 、 キ ベ ル テ ィ カ に 還 元 さ れ る も の で は 決 し て な い こ と を 強 調 す る 。 た と え ば を 、・ ヤ ン ツ ユ フ ( ﹀ 曾 ≧ . 層 董 貯 局 。・ ) と エ レ ミ ン (} 国 ℃ 窪 臣 ) は 、 国 民 経 済 の 科 学 的 管 理 組 織 は 先 進 的 な 科 学 技 術 思 考 の 成 果 に 依 拠 し な い わ け に は い か な い が 、 し か し 、 'こ の こ と は ﹁ 経 済 管 理 科 学 が キ ベ ル テ ィ カ に 帰 一 せ ら れ る こ と を 意 味 し な い 。 キ ベ ル ネ テ ィ カ 装 置 ¢ 。ぢ o 浮 田 o )、 そ                                                                                    ゐ   れ は 管 理 労 働 を も 含 む 人 間 労 働 の 用 具 に す ぎ ず 、 人 間 自 身 に ﹃ と っ て か わ る ﹄ . こ と は で き な い ﹂ と 主 張 す る 。 か れ ら に よ れ ば ・ キ ベ ル ネ テ ィ カ で は 社 会 と 自 然 と の 間 の 質 的 差 異 も 、 異 な っ た 社 会 シ ス テ ム 間 の 質 的 差 異 も 捨 象 す る の で あ る が 、 経 済 管 理 の 科 学 は 、 ﹁す べ て の 経 済 科 学 と 同 様 、 社 禽 過 程 を 研 究 し 、 そ の 纏 の 発 展 の A ・法 則 性 は 歴 史 曽 具 体 的 で あ っ て 、 物 質 の 運 動 形 態 の 即 う な 低 い 運 動 形 態 に 帰 一 さ せ る こ と は で き な い も の で あ る 。 管 理 の 社 会 的 タ イ プ は 、 す な わ ち                                                                                                    管 理 の 目 的 ・ 課 題 ・ 規 模 の 特 殊 性 、 具 体 的 形 態 及 び 方 法 は 、 生 産 手 段 の, 所 有 タ イ プ に 依 存 し て い る の で あ る ﹂ と い う 。 し た が っ て 、 た と え ば ﹁ 経 済 の 記 述 の た め の キ ベ ル ネ テ ィ カ 用 語 の 使 用 は 、 合 法 則 的 に 管 理 さ れ て い る 現 象 と し て そ れ を 把                                               撮 す る た め の 必 要 条 件 霧 島 . と い う よ う 覧 蟹 対 し て は 、 次 の よ う に 反 論 す る 。 す な わ ち 、 軍 一 の ま と ま り あ る も の と し て の 社 会 主 義 経 済 が 、 合 法 則 的 に 管 理 さ れ る の は 、 そ れ が キ ベ ル ネ ラ ィ カ 用 語 に 依 拠 し て い る が ゆ え に で は な く 、                                                          お   生 産 手 段 の 社 会 的 所 有 の 支 配 に そ の 基 礎 を お い て い る か ら で あ る ﹂ と 。 わ れ わ れ は 、 ル 、、、 ヤ ン ツ ェ フ ら の 見 解 を 妥 当 な も の と 重 る ・ ル ミ ・ ン ツ ・ フ は ・ 唇 理 の 問 題 は な に 吉 も 経 済 関 係 ・ 生 産 関 係 の 問 題 で あ ㍍ 圃 . と 正 し く と ら え て い る ・   次 に 、 わ れ わ れ は 社 会 主 義 工 業 生 産 管 理 論 の 研 究 着 た ち の 見 解 を み て お こ う 。 か れ ら も キ ベ ル ネ テ ィ カ を 管 理 の 普 遍 科 学 と み な し た り 、 管 理 科 学 と 同 一 視 す る こ と は 正 し く な い と 主 張 す る 。 た と え ぽ 、 カ メ ニ ッ ツ ェ ル ( O 国 ● ズ 窪 ①臣 月 。 ℃ ) は 次 の .よ う に い う ゆ ﹁ 管 理 の 基 本 的 内 容 は 、 管 理 が お こ な わ れ る 領 域 (昌 o B ) を 考 慮 し て の み 理 解 さ れ う る も の で あ る 。 活 動 機 能 と し て の 管 理 は 、 管 理 が お こ な わ れ る 領 域 の 発 展 法 則 と は 違 っ た 自 己 の 法 則 を も た な い 。 . つ ま り 、 管 理 の 本 質 は 、           ソ ヴ ェ ト 管 理 科 学 の 現 状                                 .                      一 二 三

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          ソ ヴ ェ ト 管 }理 科 学 の 現 状                                 ,                          一 二 四                             (30 ) そ れ の 作 用 領 域 に 対 応 し て い る L と い う 観 点 か ら 、 キ ベ ル ネ テ ィ か を 管 理 の 普 遍 科 学 と み な す 意 見 に ば 同 意 で き な い と い                                                                                     (31 ) う 。 つ ま り 、 カ シ ツ キ ー (客 筋 寄 自 暴 愚 ) の こ と ば を か り れ ば 、 管 理 科 学 は ﹁ 具 体 的 な ア ド レ ス ﹂ ( 例 え ば 物 質 的 生 産 領 域 ) を も た ね ば な ら な い の で あ っ て 、 普 遍 性 を 主 張 す る こ と は で き な い と い う こ と で あ る 。 カ メ ニ ヅ ツ ェ ル が 考 え て い る 管 理 が お こ な れ わ る 領 域 と は 、 具 体 的 に は 社 会 主 義 工 業 生 産 の 領 域 で あ る 。 そ の 領 域 に お い て 作 用 し て い 法 則 と は 、 い う ま で も な く 社 会 主 義 の 客 観 的 経 済 法 則 で あ る 。 そ れ に 対 L て キ ベ ル ネ テ ィ カ が 問 題 と す る 管 理 の 一 般 的 合 法 則 性 は 、 カ メ ニ ッ ツ ェ ル に よ れ ば 、 ﹁ あ ら ゆ る 領 域 に お け る 目 的 志 向 活 動 と 理 解 さ れ る 管 理 の 機 構 の 作 用 に お い て 生 じ る 。 そ の 一 般 的                                                                  お   合 法 則 性 は 、 情 報 の 創 造 ・ 伝 達 ・ 貯 蔵 及 び 処 理 シ ス テ ム に お い て 現 象 す る ﹂ と い う 。 こ こ で は 、 カ メ ニ ッ ツ ェ ル は 、 キ ベ ル ネ テ ィ カ を ﹁ 管 理 機 構 の 作 用 ﹂ の 一 般 的 合 法 則 性 研 究 の 科 学 と 規 定 し て い る 。 一 方 、 社 会 主 義 工 業 管 理 の 本 質 に 関 し て                                             ◆                                                           (33 ) い え ば 、 ﹁ 管 理 の 合 法 則 性 は 管 理 さ れ る シ ス テ ム の 発 展 の 合 法 則 性 と わ か ち 難 く 結 び つ い て い る ﹂ 。 そ れ ゆ え 、 両 者 は 相 異 な る も の で あ る と い う こ と に な る 。   ボ ル も 、 h 管 理 科 学 に つ い て 語 る こ と が で き る の は 、 社 会 に お け る 管 理 に 、 経 済 的 過 程 と 社 会 的 過 程 の 管 理 に 適 用 さ れ               (34 ) た 場 合 だ け で あ る L と い う 立 場 か ら 、 キ ベ ル ネ テ ィ カ を 管 理 の 普 遍 科 学 上 す る こ と は で き な い と 主 張 す る 。 ま た カ シ ツ キ ー も 、 こ れ ま で の 論 者 と 同 様 の 立 場 を と っ て い る 。 結 論 的 に い え ば ﹁ 今 日 、 新 し い 管 理 技 術 を 考 慮 し な け れ ば 、 ま た さ ま ざ ま な 複 雑 な 条 件 の 下 で の 情 報 の 収 集 ・ 処 理 及 び 伝 達 の た め の キ ベ ル ネ テ ィ カ の 成 果 を 利 用 し な け れ ぽ 、 管 理 科 学 を 想 像 す る こ と さ え で き な い 。 そ れ と 同 時 に 、 キ ベ ル ネ テ ィ カ と 管 理 科 学 と が 決 し て 同 一 概 念 で な い こ と を 理 解 す る 必 要 が あ る ・ も ・ と も ﹃ 賢 明 な ﹄ ど ん な 機 械 と い え ど も ・ 生 身 の 指 導 者 に と ・ て か わ を こ と が で き な ℃ ﹂ と を 知 る べ ぎ で あ 輪 こ の 問 題 に つ い て な お こ れ 以 上 論 じ る 必 要 も な か ろ う 。   さ い ご に 、 そ れ で は 社 会 主 義 工 業 生 産 管 理 論 の 研 究 者 た ち は 、 キ ベ ル ネ テ ィ カ を ど の よ う に と ら え る か 。 カ メ ニ ・ッ ツ ェ ー ﹁

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'                                                                                                         (36 ), ル は 先 に 触 れ た よ う に キ ベ ル ネ テ. イ カ を ﹁ 管 理 機 構 の 作 用 の 科 学 ﹂ と 、 ボ ル は ﹁ 管 理 機 構 の 科 学 ﹂ 、 デ ィ ネ コ は ﹁ 管 理 機 構 の 理 醜 と ほ ぼ 同 じ よ う に と ら え て い る ・ ぺ 占 フ (} 。 ・ ① ↓ ℃ 邑 は ﹁ 管 理 シ ス テ ム の 構 築 (§ 昌 § 邑 と 機 能 の 法                 ・        (38 Y 則 と 原 則 に 関 す る 科 学 ﹂ と み な し て い る 。 ( 1 )   乏 冨 器 き 2 ■ O < げ 霞 目 Φ 二 8 . o ﹁ 8 口 嘗 o 一 国 ロ ユ n o 日 韓 = 三 〇 〇 二 〇 昌 ぎ 昏 o 壺。 三 白 ¢。 一 ◎。 " Ω 昏 Φ 旨 国 9 ぢ ρ Z Φ ミ 曜 o 美 口 口 島 ℃ 笛 同 一ω ■ 目 詮 Q。 " ゆ 口 " 巴 三 〇 p       ( 一 Φ 0 一 ) " 池 原 ・ 弥 永 ・ 室 賀 ・ 戸 田 共 訳 ﹁ サ イ パ ネ テ ィ ッ ク ス ー 動 物 と 機 械 に お け る 制 御 と 通 信 ﹂   ︹ 第 二 版 ︺ 岩 波 書 店   一 九 六 二 年 、 ( 2 )   ソ ヴ ェ ト の キ ベ ル ネ テ イ カ の 動 向 に つ い て は 、 北 川 敏 男 編 ﹁ 情 報 科 学 の 動 向 H ー ソ 連 の キ ベ ル ネ テ カ ー ﹂ 共 立 出 版   昭 和 四 十 四 年 、 を 参 照 の     こ と 。, ( 3 )   ﹁ 情 報 科 学 の 動 向 n ﹂ で は 、・ ロ シ ア 語 の 蜜 口 ℃ 窃 ﹀ Φ 養 Φ を ﹁ 制 御 ﹂. と 訳 し て い る 。 そ れ で 、 ﹁ ソ 連 で は キ ベ ル ネ テ カ は ﹃ 制 御 の 科 学 ﹄ と 規 定 さ れ     て い る ﹂ ( 一 五 六 頁 ) と 述 べ て い る 。 = o 。σ 蚤 唖 蚕 α ① 陰 Φ ↓ 美 田 ・ e 属 > 0 8 骨 § ① = 8 長 o > o ≡ 器 o 塁 Φ 口 O o α ﹀ 窪 田 ・ 3 ご 一 8 ω ■ の 邦 訳 ﹁ サ イ バ ネ テ ィ ク     ス 入 門 一 そ の 思 想 と 方 法 I ﹂. ( ラ テ ィ ス 編 集 部 訳   ラ テ ィ ス 社 ) で も k 目 ℃ 田 ﹀ ① = 国 o は ﹁ 制 御 ﹂ と 訳 さ れ て い る 。 し か し 経 済 科 学 で は 一 般 に ﹁ 管     理 ﹂ と 訳 さ れ て い る の で 、 こ こ で も 、 ﹁ 管 理 ﹂ と 訳 し て お く 。 ( 4 )   切 o 胃 辱 ﹀ ■. = ■ 蚕 α o 冒 = 魯 美 m = 自 ℃ o 旨 ① ﹄ ぴ o 鵠 o 訳 o 言 言 k 臣 ω 竃 P ︽ 苔 q ① ℃ = ① 量 器 . 富 田 E > ① 臣 o ■ 受 = ω 臣 ︾ . 三 .噛 一 ㊤ 2 . o 目 切 . 伊 数 学 者 と し て も 有 名 な     グ ル シ コ フ ( ﹁ ﹀ 鴇 日 栄 o じコ ● 口口 . 3 .) は ﹁ キ ベ ル ネ テ ィ カ は 、 そ れ は 複 雑 な 管 理 す る シ ス テ ム に お け る 情 報 変 換 の 一 般 法 則 に 関 す る 科 学 ﹂ と 定 義 し て い     る ( O 訳 寓 α ① 唱 国 σ 量 民 の 天 袋 . 器 望 訳 Φ ● ︽ 苔 α O 冨 ① 月 臨 天 m 嘘・ = ぴ 目 ﹀ ① = 国 ρ 英 = ω = ぴ ︾ 咀 自 ℃ ● ㎝ ω ・) 。,. ( 5 ) 切 ① ヨ ﹀ . 写 ↓ 9。 冨 幕 ら ↓ ℃ . 趙 -悼 ・。 ・     ● ( 6 ) ↓ 塁・ 美 ① 隔 .   .                                           . ( 7 ) 切 ① 胃 ・ ﹀ . = . 姿 α 9 = ① 望 民 団 -蕾 6 ミ 襲 2 訳 o 竃 ξ 遷 。、 ξ ・ ︽ 貯 q 店 器 旨 曙 = m o ζ 渓 9 x o 竃 竃 冤 塁 ω 蓬 ︾ ● ↓ 霞 目 噸 客 ● 一 Φ ① 一 、 o 弓 ・ 鱒 O . ( 8 ) = 富 農 . 丼 ゆ O 器 否 ↓ 8 匡 x 器 ↓ 自 。 ﹀ 。 ヨ 港 突 藁 岩 。 α ﹀ 。 器 × 塁 α 6 器 ↓ 美 = ・ ︽ 姿 α ① 冨 の 崔 運 蕾 ∩ 藁 美 身 ぎ 藝 k 臣 ω 蓬 ︾ ﹄ 弓 ・ ω 9 ノ ビ ク は       ﹁整 序 化 ﹂ に つ い て 、 別 の 著 書 姿 α ① 霊 Φ 旨 器 . ( 一 ㊤ 0 ω ) で 若 干 の 説 明 を 加 え て い る 。 管 理 ( 制 御 ) を ﹁ 整 序 化 ﹂ ( 邦 訳 で は ﹁ 秩 序 化 ﹂ ) だ と し て し ま     う と 、 破 壊 と い う も の を 考 え た 場 合 、 管 理 概 念 が 曖 昧 に な っ て し ま う の で は な い か と い ヶ 疑 問 が 生 じ る か も し れ な い が そ れ は 、 当 を え て い な い 。 な     ぜ な ら ﹁ 第 一 に 、 生 産 活 動 に お け る 人 間 は 破 壊 を す る こ と が あ っ て も そ れ は 建 設 の た め の 手 段 で あ り 、 そ の 作 業 の 総 合 的 効 果 と い う も の は 、 自 然 界     の 対 象 の 秩 序 化 お よ び 自 分 自 身 と 自 然 と の も つ 関 係 の 秩 序 化 に つ な が っ て い る か ら で あ る 。 だ か ら 分 解 作 用 、 破 壊 作 用 も 、 そ の 動 機 は 創 造 的 秩 序 化     に つ な が っ て い る か ら で あ る 。 第 二 に 、 制 御 過 程 で い わ れ る 秩 序 化 ど い う こ と の 意 味 は ヤ サ イ . ハ ネ テ ィ ク ス で の 重 要 な 概 念 の ひ と つ で あ る 最 適 化 と     い う 考 え か た に 目 を 向 け る こ と に よ っ て 、 本 質 的 に 明 ら か に さ れ る の で あ る ﹂ ( 邦 訳 二 四 頁 ) 。   .                      ・          ・ ( 9 ) ﹀ 曾 § 罷 ﹄ ら = ρ・ 釜 = 。 ε 鴇 。 切 9 § 。 8 量 国 ﹀ ぴ 量 護 尽 。 月 Φ § 罠 ・ ︽ 閑 。 重 着 = § し 霧 ﹄ 。 蜀 。 ↓ o ・ . 8 ・ ( 10 ). 切 o 胃 ・ ﹀ . = ' = 写 切 = 8 羨 . 国 ω ・。 = ヨ の 目 8 臣 葭 垣 鵠 閑 ま ① 窟 ① 罠 暴 ・ ︽ 因 o ζ 竃 楓 = = 自 ︾ 讐 一 り ① 9 = o 卜。 . 自 や 悼 一 ・        ・ ソ ヴ ェ ト 管 理 科 学 の 現 状 一 二 五 ﹂

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、           ソ ヴ 属 ト 管 理 科 学 の 現 状      .              .          ・                         一 二 六. ( 11 )   切 ① ℃ ﹃ = ` ① ℃ = 美 . = 寓 合 o O 筈 師 長 瞭 = 関 コ ℃ 出 ﹀ ① = = ① . 三 ". 一 り Φ 9 0 ↓ や ◎ひ ■ こ こ で か れ ら は ﹁ 理 論 キ ベ ル ネ テ ィ カ ﹂ と 、 そ の ﹁ 応 用 ﹂ キ ベ ル ネ テ ィ カ と     し て 、 技 術 キ ベ ル ネ テ ィ カ 、, 生 物 キ ベ ル ネ テ ィ カ 、 医 学 キ ベ ル ネ テ ィ カ 、 法 キ ベ ル ネ テ ィ カ 、 経 済 キ ベ ル ネ テ ィ カ を あ げ て い る 。・ 経 済 キ ベ ル ネ テ ィ     カ は 、 ω 経 済 過 程 と 現 象 を 管 理 す る 一 般 法 則 、 ② そ の 過 程 へ の 人 間 の 目 的 志 向 的 働 き か け の 方 法 、 ③ 経 済 計 画 化 と 管 理 の 具 体 的 シ ス テ ム を 研 究 す る     と い う 。 ( ↓ 婁 美 ① 鴨 β つ ■ 。。 1 り ) ・ ( 12 )   0 ・ ラ ソ ゲ 著 ﹁ シ ス テ ム の 一 般 理 論 ﹂ 鶴 岡 重 成 訳   合 同 出 版   一 九 六 九 年   一 一 四 頁 。 ( 13 )   前 掲 書 、 一 〇 三 i 一 〇 四 頁 。 こ こ で ラ ソ ゲ は 、 ﹁ 全 体 ﹂ と ﹁ 発 展 ﹂ の 問 題 を と り あ げ て い る が 、 ﹁ 発 展 ﹂ と い う よ り 、 も っ と 一 般 的 に 新 し い 質 へ     の ﹁ 変 化 ﹂ と す る 方 が よ い よ う に 思 わ れ る 。 新 し い 変 化 が い つ も 同 時 に 発 展 と は 限 ら な い か ら で あ る 。 ( 14 )   前 掲 書 、 一 一 三 頁 。 ( 15 )   前 掲 書 、 一 一 四 頁 。 ﹁ 経 済 サ イ バ ネ テ ィ ク ス 入 門 ﹂ ( 佐 伯 道 子 訳   合 同 出 版 ) で は ﹁ サ イ バ ネ テ ィ ク ス は あ る 方 法 で 互 い に 結 び つ け ら れ た さ ま ざ     ま な 要 素 か ら な る シ ス テ ム の 制 御 と 調 整 を 扱 う 普 遍 的 な 科 学 ﹂ と 述 べ て い る 。 ( 九 頁 ). ( 16 )   ﹀ 曾 ぎ 9 畠 . ロσ ● ﹁ = 畠 爵 o ① 旨 冨 。。 ﹀ σ 臣 Φ o α 昼 ① o 畠 o 箏 ヨ ; 一 8 。。 嚇 9 ℃ . ω b。 . ( 17 )   団 o 器 勺 ① ロ﹂ ・ 切 . 鋭 O α 炉 Φ 竃 = 8 > ① ℃ 美 星 器 目 o = 曽 留 o ︽ 蟹 暑 p 己口 > o 霞 ① ︾ ・ ︽ 口σ o 弓 9 匿 臼 = > 0 8 ↑ 受 ︾ ■ 一 8 0 ・ = o. 一 一 . 3 や 艀 。。 ●. ( ⑱ ) ﹀ 曾 = g げ ① 即 .周 壁 葵 ρ 。 昌 ● ① . ( 19 )   サ イ パ. ネ テ ッ ク ス の 経 済 学 へ の 応 用 を ﹁ 経 済 サ イ . ハ ネ テ ッ ク ス ﹂ と い う 。 ( 20 )   0 ・ ラ ン ゲ 著 ﹁ 経 済 サ イ バ ネ テ ィ ク ス ﹂ 一 〇 i 一 一 頁 。       ・ ( 21 )   = ⑩ 王 臣 o 仁o 噸 甲 O = ω 9 麟 ≡ 彰 ① 目 ℃ 9 δ じ。 o > Φ = = 幹 ↓ o 言 切 . コ > m 霞 ℃ o 田 = 甲[の 嗣一 言 ℃ o≧ δ × 8 邑 o 話 2 一属 望 の 9 富 = 6 嘗 ﹂≦ 3 一 ⑩ O Q。 . 自 や 蔭 ◎。 ・ ( 22 )   ↓ 睾 羨 ① . o 弓 ■ 一 ト。 b。 ■ ( 23 ) ( 24 )   ↓ 寒 葵 9 0 弓 . 一 ω 。。 ". ( 25 ) 3 蓋 置 の ρ ﹀ ・ ヨ . = ﹀ ● 国 瀦 竃 = = ● 訳 じ・ o 暑 o 身 o = 選 民 σ k = ヨ 。。 > o 葦 笛 8 ξ 帥 ﹀ 胃 差 器 突 鼠 畏 畠 o = 湊 o 笹 ︽ じ口 o 弓 o o 医 長 o = o 議 奏 = ︾ . 一㊤ Φ 刈 . = o 一 9     3 ℃ ■ φ                                                                    .               b              9 ( 26 )   ↓ 窪 葵 9 0 咽 勺 . 。。 一 り ' か れ ら は ﹁ 経 済 管 理 科 学 ﹂ を ﹁ 経 済 科 学 ﹂ の ﹁ 特 殊 な 部 門 ﹂ と み な し て い る 。 ( ∩ ↓ や O ソ そ し て 次 の よ う に み て い る 。 ﹁ こ と     ば の 広 い 意 味 で 、 国 民 経 済 管 理 の 科 学 的 基 礎 を つ く り あ げ る の は 、 社 会 主 義 の 政 治 経 済 学 に よ っ て 指 導 さ れ る 経 済 科 学 の 全 体 系 で あ る と す ぺ・ き で あ     る 。 ⋮ ⋮ と 同 時 に 、 わ が 国 経 済 発 展 に お い て 本 質 的 な 役 割 を 果 さ ね ば な ら な い の が 、 経 済 科 学 の 個 々 の エ レ メ, ソ ト と し て の 、 こ と ば の よ り 狭 い 意 味     で の 管 理 科 学 で も あ る こ と は 疑 い の な い と こ ろ で あ る ﹂ 。 ( o ↓ ℃ . ① )    .                            .   ﹁ ( 留 )   ﹀ 強 ① ω 9 . ﹀ . ○ ○ ↓ 輿 o ぎ 葦 器 = 葵 竃 呂 o > ① 罫 民 輿 9 δ 罷 港 突 &一 葦 α 石 器 旨 訳 ① .. ︽ 口口 o 弓 9 目 合 巷 0 8 臼 遷 ︾ ● 一 8 q ., = o メ o 昌 . ω 9 ( 28 )   ℃ k 蜜 塁 貝 田 = 団 ℃ ① 竃 臣 . 冨 = 芙 ρ も ↓ . Q。 ■ ( 29 )   ﹁ k 富 国 = 艮 ① しロ ・ ﹀ ■ ヨ ● ω 訳 O = O 竃 遷 Φ O 訳 m 醤 = 9 望 訳 帥 }一 望 = ℃ 器 ﹀ ① 塁 Φ }筍 ℃ O 知 = ﹃ ヨ × O ω 愚 O q 切 O 罫 ︽ 切 O 口 ℃ O O 田 ω 宍 O = O 竃 = 区 = ︾ ・ ち ① 9 = O. ピ 自 切 ● 李 P こ の 論 文 、 の

(17)

噺     は 、 経 済 科 学 の 特 殊 な 部 門 と し て の 経 済 管 理 科 学 の 独 立 を 主 張 し た こ と で 有 名 で あ る 。 ( 30 ) 容 器 臣 月 Φ 7 ρ, 国 ◆ 蟹 コ 冨 ・。 ﹀ ① 差 δ 弓 o 竃 ¢ 日 ﹀ の = = 曼 弓 o 蕊 o 碧 器 量 -吉 憶 越 δ o 畠 8 ¥ ¥ s O o ハ I ミ ゥ マ ウ o 浮 ネ a t . ㊦ @ 9 = o ; o │ 怎 . ( 31 ) 春 霞 長 患 ・ = ・ ぬ ・ O 器 膜 。 言 B ・。 ﹀ ① 臣 国 尽 。 器 切 。 碧 ヨ 。 写 象 自 ξ 塁 3 ︾ ・・ お ① N = 。 蜀 畠 7 ゆ φ ( 32 ) 寄 器 巨 岩 や ρ 国 . o α げ 突 屋 団 匪 ① 9 = σ 。・ 田 旨 ℃ 田 ﹀ ① = 話 8 塁 9 > = 3 ヨ 。 突 匿 弓 。 § 自 ﹀ 。 臣 髪 后 。 蕊 ロ 。 碧 3 。 琴 ︽ 9 ξ 蚤 ↓ 8 冨 = 旨 冨 。。 ﹀ 。 臣 箇 、     目 ℃ O 竃 匡 巨 ﹀ Φ = = 匡 寓 目 ℃ O = ω ロ O 員 自 切 O 竃 ︾ . ﹂≦ ■. 一 ㊤ O り 帽 O ↓ マ 刈 l oo . . ( 33 ) ↓ 婁 葵 ρ 自 ワ 。。 ■ ( 34 ) 切 。 ℃ . ヨ . ω ■ = 葵 。 ↓ 。 麗 Φ 。尊 o 弓 。 塗 ↓ 8 ℃ 自 署 B 。・ ﹀ ① = 蕾 8 幕 自 。・ Φ 塁 塁 岩 o 局 。 8 葦 田 8 。。 ℃ 窪 Φ 巨 象 雪 雪 σ ■ ︽ ぎ ℃ 器 ﹀ ① 養 Φ 弓 o 器 じ・ o 碧 ↓ 切 。 寓     = O 切 話 = 蕊 9 月 = 箇 月 切 望 員 m ︾ L ≦ ●鰯 一 Φ 0 刈 ・ 自 掌 一 ω ﹁ ( 35 )   医 9 = 月 栄 = 笹 月 西 窓 受 ρ o 目 や ① ㎝ .. ( 36 ) 切 o ℃ ゐ 碧 美 ρ 自 や 蚕 ( 37 ) 員 9 器 宍 9 ρ ﹀ ・ = 遷 器 旨 忘 し。 ♪ o = = 笛 国 O ∩ O て ・ ヨ ・ ・ 這 0 メ ∩ ぢ ・ . ( 銘 ) 口 Φ ぢ 8 .. ﹀ ・ O o 畠 。 匪 。 署 墓 貴 § 岩 ℃ 出 ﹀ ① 自 国 弓 。 姦 日 ﹀ ① 標 臣 弓 。 函 。 碧 話 。 竃 ・ ≧ ` ま 。 ・ 6 ↓ マ ⑪ ・ , 五 .   わ れ わ れ は 管 理 科 学 と キ ベ ル ネ テ ィ カ の 関 係 を み て き た 。 ソ ヴ 己 ト 経 済 学 者 は 、 キ ベ ル ネ テ ィ カ を 管 理 の 普 遍 科 学 と し た り 、 経 済 管 理 の 問 題 の す べ て を キ ベ ル ネ テ ィ カ に 還 元 し て し ま う こ と に 反 対 し て い る 。. そ こ で わ れ わ れ は 、 そ れ で は 、 経 済 学 者 自 体 、 管 理 科 学 を ど の よ う に と ら え て い る か を 見 な け れ ば な ら な い 。 そ れ に つ い て は 稿 を あ ら た め て 論 じ よ う 。   本 稿 を と じ 惹 に あ た っ て 、 管 理 科 学 の 問 題 の 仕 方 に つ い て の グ ヴ ィ シ ア 一 二 の こ と ば に 注 意 し て お こ う 。 か れ は い う 。 ﹁ 今 日 、 さ ま ざ ま な 科 学 分 科 で 研 究 ざ れ て い る 問 題 の 統 合 ( 6農 婦 ω ) が ﹃管 理 ﹄ の 科 学 知 識 の 独 自 の 分 科 と し て の 分 離 の た め の 根 拠 で あ る か と い う 問 題 に は 、 カ テ ゴ リ ー ど し で は 答 え ら れ な い 。 複 雑 な 管 理 過 程 が 、 そ れ の 関 連 す る 側 面 を お の お の 研 究 し て い る 極 め て さ ま ざ ま な 科 学 的 学 科 の 成 果 を 統 合 す る 総 合 的 な 知 識 を 必 要 と す る こ ど は 疑 い な い と こ, ろ で あ る 。 ﹂ が し か し と 続 く 。 ﹁ し か し 、.. 問 題 は 定 義 づ け に あ る の で は な く 、 ま た 科 学 知 識 の こ の 分 科 (o ぢ 薗 タ ぴ ) が 独 立 す る か 、 そ れ          . ソ ヴ ェ. ト 管 理 科 学 の 現 状         .  ・                                           一 二 七 , 9

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