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第 3-1 章ブラックストーン博士登場! 奈央たちが宿に戻るとテレビで BS 放送が映らない こ これは ひょっとして? 02

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Academic year: 2021

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1 ★前号・第02回「光で見る・電 波で見る」までのあらすじ 蒼天高校天文部の千里奈央は、長 野県野辺山高原で合宿中のある 夜、こどもの竜「アルマー」と物 知りでしゃべる猫の「いざよい」 と出会う。アルマーたちは、電波 宇宙から可視光宇宙に飛ばされて 来たといい、電波の世界を見る電 波眼パワーを持っていた。奈央も いざよいのしっぽの力で電波 の 世界が見られ、光で見る世界と電 波で見る世界には違いがあること を知った。朝になって、天文部メ ンバーと合流した奈央たちだった が……。

第03回

「宇宙からの電波をキャッチ!

その1・BS 放送編」

03回は、身の回りにある多くの電波の中で、宇宙からやってくる電波の種 類と性質を紹介し、電波天文学の基礎を学びましょう。さらに、人工衛星 から送られてくる BS 放送の電波を中華ナベでキャッチする実験にトライし てみましょう。

 

蒼天高校の 2 年生。星空や 宇宙が大好き。将来の夢は天 文学者になること。天文部の 春合宿中に、ひょんなことから 「アルマー」や「いざよい」と 出会い、ともに電波宇宙の危 機を救うとされる「グランド アルマーの宝剣」を探す 冒険の旅に出る。

千里奈央

(せんり・なお) ●「アルマーの冒険」制作ユニット 絵/藤井龍二(FUJII Ryuji) 文・構成/川村 晶(KAWAMURA Akira:星の手帖社) 監修/平松正顕(HIRAMATSU Masaaki:国立天文台チリ観測所) デザイン/久保麻紀(KUBO Maki) 特別ゲスト/石黒正人(ISHIGRO Masato:国立天文台名誉教授)

いざよい

(十六夜)

 

奈央とアルマーの前 に現れた謎のメスネコ。 可視光と電波の世界を 見わける特殊能力の持 ち主。電波宇宙や可視光宇 宙について豊富な知識を持ち合わ せている。どうやら、アルマーの過 去を知り、電波宇宙の危機の原因や グランドアルマーの宝剣のあり かを知っているようなのだが ……。

 

電波宇宙から可視光宇 宙へやってきたこどもの 竜。電波宇宙に危機をもた らす謎の妨害電波「ジャミンガー」を 浴びて意識が遠のくが、そこに 9 つの頭 をもつ巨大な竜が現れて「電波宇宙を守 るために、グランドアルマーの宝剣 を探せ」と告げられ、気がつ くと野辺山高原の草む らに倒れていた。

アルマー

(ALMAr)

宙竜(soraryu)伝 エピソード IV

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第 3-1 章

ブラックストーン博士登場!

(3)

03

 電波は、おおむね波長0.1 mm から10 km ほどの電磁波で す(下・表01)。そして電磁波には電波以外にも、波長の違い に応じて赤外線や可視光、X 線やガンマ線などの区分があり (上・図01)、宇宙から送られてくるさまざまな種類の電磁波 を「波長ごとのたくさんの眼」で総合的に観測すれば、宇宙の 謎をより深く解くことができる、ということを前回にお伝えし ました。  その中で、宇宙からやってくる電波を観測するのが電波天文 学ですが、私たちの身の周りには、自然界で発生する電波以外 にも、たくさんの人工の電波が溢れています。それは、ラジオ やテレビ、トランシーバーや携帯電話、インターネットの無線 通信など、生活に欠かせない多くの機器で使われている電波で す。これらの電波のほとんどは、地上から送られていますが、 BS 放送、CS 放送、GPS、衛星携帯電話、気象衛星など、地 球の外にある人工衛星から送られてくる電波もあります。宇宙 からやってくる電波は天体からのものだけではないのです。  人工衛星から送られてくる電波を使う機器で、最近たいへん 身近になってきたものといえば、GPS(グローバル・ポジショ ニング・システム:全地球測位網)でしょう。地図情報と合わ せて、カーナビや携帯電話、スマートフォンでのナビゲーショ ンで活用されています。GPSは、地上約2万kmの軌道上を周 回している複数の人工衛星からの電波を受信して、地球上で位 置情報や時刻情報が得られる仕組みになっています(図02)。  また、一般の人が直接電波を利用できるわけではありません が、気象衛星は撮影した地球表面の画像を電波を使って地上 に送っています。現在稼働している気象衛星「ひまわり8号」 は、日本周辺を常に観測できるように、東経140度の赤道の真上、 高度約3万6000 kmに留まるように地球の自転に合わせた軌道 を巡っています。地上からは常に同じ位置に見えるので、人工 衛星の中でも特に静止衛星と呼ばれます。  人工衛星に関わる電波で、多くの人が利用しているのは、やは りテレビの BS(Broadcasting Satellite)放送でしょう。BS放送 の電波を送っているのは、赤道上空3万6000 kmで静止衛星となっ ている放送衛星です。地上の送信局から放送衛星に電波を送り、 その信号を再び電波にして上空から送っています。最近では、ほ とんどの住宅の屋根やベランダに、BSアンテナと呼ばれるお 皿のような丸いパラボラアンテナが取り付けられています。  パラボラアンテナを利用する電波望遠鏡も電波を集める機能 は同じなので、BSアンテナは小さな電波望遠鏡ともいえるで しょう(05ページ・図04参照)。

天体からだけじゃない! 宇宙から送られてくる身近な電波

図 02 準天頂衛星「みちびき」は日本の測位衛星です(画像:JAXA)。 1m 10cm 1cm 1mm (1000 μm) 100μm 10μm (1000 nm)1μm 100nm 10nm (10 1nmÅ) 1Å 0.1Å 0.01Å メートル波 センチ波 ミリ波 サブミリ波 赤外線      紫外線         X 線    γ線 可視光線 図 01 天体観測で利用される電磁波の波長図(μmはマイクロメートル、nmはナノメートル、Åはオングストローム)。 図 03 電波の目なら、昼間の雲を通しても衛星からの電波が淡い星のよう に見えます(アルマーの冒険第 02 回参照)。

● 電波のさまざまな種類とお

もな使われ方

電波の種類は「波長」で分けられます。波 長は電波の波動の1周期分の長さで表しま す。波長によって電波の伝わり方が変わる ので、その波長に適した用途に利用されま す。どのように伝わり方が変わるのか調べ てみましょう。また、ラジオ放送の電波の ように「周波数」を単位として使う場合も あります。周波数は1秒間の波動の周期数 を示しています。 表 01 電波の種類と主な用途(総務省電波利用ホームページより) 波長(周波数) 名称 主な用途 ~10 km(30 kHz) 超長波(VLF) 主な用途 ~1 km(300 kHz) 長波(LF) 船舶・航空機ビーコン ~100 m(3 MHz) 中波(MF) AMラジオ/船舶無線/アマチュア無線 ~10 m(30 MHz) 短波(HF) FMラジオ/消防無線/警察無線 ~1 m(300 MHz) 超短波(VHF) 携帯電話 ~10 cm(3 GHz) 極超短波(UHF) テレビ(地上デジタル放送)/無線LAN ~1 cm(30 GHz) センチ波(SHF) 電波天文学(野辺山45 m望遠鏡など)/衛星放送/レーダー ~1 mm(300 GHz) ミリ波(EHF) 電波天文学(野辺山45 m望遠鏡、アルマ望遠鏡など)/衛星通信/レーダー ~0.1 mm(3 THz) サブミリ波 電波天文学(アルマ望遠鏡) 止まって 見えるのが 静止衛星ね

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第3-2章

大きなパラボラ! 45 m電波望遠鏡

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05

● 解像度(分解能)の求め方

光学望遠鏡の解像度(分解能)は、目で見て観測する場合、経験 的に以下のようなドーズの限界と呼ばれる式で求められます。 解像度(秒角)=116(秒角)/望遠鏡の口径(mm) 口径10 cmの望遠鏡での解像度は1.16秒角です。 これに対して、たとえば、野辺山の45 m 電波望遠鏡の解像 度は、観測波長を3.5 mmとすると、以下のような式で求め られます。 解像度(秒角)=1.22×波長(m)/口径(m)× 57.3 × 3600 その解像度は19秒角となり、口径10 cmの光学望遠鏡に比べ てアンテナの直径は450倍も大きいにもかかわらず、解像度 では及ばないことがわかります。これは、解像能力に限れ ば、電波で宇宙を精度よく観測することが、原理的にいかに 困難であるかを示しています。

電波を受けるさまざまなアンテナとパラボラ型の電波望遠鏡で宇宙を見るしくみ

●さまざまなアンテナ  電波を受ける仕組みにはいろいろな方式があります。電波を 受ける機器がアンテナ(★注 01)ですが、FMラジオのような 直線的に伸び縮みするもの(ロッドアンテナ)やテレビの地上 デジタル放送の魚の骨のようなもの(八木アンテナ)、BS放送 を受信するパラボラアンテナなど、さまざまな形があります。 それぞれ受信する波長の特性に合わせた形状をしています(図 04)。野辺山宇宙電波観測所の 45 mパラボラアンテナは、波長 が数 mmのミリ波と呼ばれる電波で観測する電波望遠鏡です。  電波のパラボラアンテナと 可視光のカセグレン式反射望 遠鏡は原理的に同じものだと いうことは、02 回で簡単に 説明しました。天体からやっ てくる電波や可視光は、その ほとんどがたいへん弱いもの なので、レンズや鏡で集めて 観測します。大きなお皿のよ うなパラボラアンテナは、天 体からの電波を反射させて集 めているのです。 ●電波画像の作り方  しかし、電波と可視光の天 体の観測では、大きく異なる 点があります。それは、可視 光では像を直接見たり、フィ ルムやデジタルカメラなどで 写真を撮ることができますが、 電波望遠鏡では直接人が像を 見ることができません。ひと つのパラボラアンテナで直接 得られるのは、アンテナを向 けた方向からやってくる電波の周波数とその強さを計った値だ けです(01回・05ページ参照)。そのため、電波での天体の姿 を像として見るためには、特別な工夫が必要になります。  ひとつは、アンテナを少しずつ動かして、異なる位置の電波 の強度を計ります。それを天気図の等圧線のように、電波の 強度が同じ点を結んで図にする方法です。また、電波の強度 ごとに色分けして、デジタルカメラの画素のように並べること で、画像にする方法もあります(図 05)。もうひとつは、いく つものアンテナをつなぎ、その配置や間隔を変えて観測するこ とで画像の合成を効率的に行う「干渉計」という方法がありま す(08ページ参照)。 ●電波望遠鏡の解像度と感度  電波望遠鏡でも光学望遠鏡でも、どこまで目的の天体を細か く見分けられるかという性能を解像度(分解能)で示します。 光学望遠鏡ではレンズや鏡、パラボラアンテナを使う電波望遠 鏡ではアンテナの直径が大きいほど、高い解像度が得られます。 同時に、たくさんの可視光や電波を集めることができるので、 より高い感度も得られます。  ただ、解像度は「波長を口径で割った値」で決まるので、可 視光に比べて波長がとても長い電波(03ページ・図 01参照)で は、たとえばミリ波の場合、可視光と同じ解像度を得ようとすると、 光学望遠鏡の数 100 倍もの直径のパラボラアンテナが必要とな ります。野辺山宇宙電波観測所の電波望遠鏡の直径が 45 mも あるのはそのためです。さらに、高い解像度を得ようとすると、 より大きなパラボラアンテナが必要となって製作が困難となり ます。そこで、この欠点を補って高い解像度を得るための優れ た工夫が、やはり「干渉計」なのです(08ページ参照)。 図 04 身近にあるさまざまな受信 アンテナ。①は FM ラジオの伸縮ア ンテナ(ロッドアンテナ)、②は地 上デジタルテレビ放送用の八木アン テナ、③は BS 放送用のパラボラア ンテナ。アームの先についているの が受信機+コンバーター。 図05 野辺山宇宙電波観測所45 m 電波望遠鏡で見た「りょうけん座」の M51銀河(右。左は可視光像)。青から赤へ向かうほど、電波の強度が強 いことを示しています(可視光像:Jon and Bryan Rolfe/Adam Block/ NOAO/AURA/NSF)。 ★注01 アンテナには電波を発信するもの(たとえば携帯電話の基地局:アルマーの冒険02回参照)と電波を受信するものがあり、さまざまな種類のも のがあります。どんな種類のアンテナがあるのか調べてみましょう。

● 電波を数値データにするしくみ

電波望遠鏡はどのようにして、天体からやってくる 電波を観測しているのでしょうか。野辺山の 45 m 電波望遠鏡では、アンテナで集められた電波は、受 信機によって検知されます。とはいえ、とても弱い 電波なので、増幅器を使って大きな信号に変換しま す。また、天体からやってくる電波には、いろいろ な波長が混ざっています。そこで、観測したい特定 の波長の電波のみを取り出す装置が必要になりま す。それが分光器です。45 m 電波望遠鏡では、音 響光学型分光計(電波を超音波に変換する素子を用 いて分光する仕組み)と、デジタル分光計(コン ピュータ上でフーリエ変換して分光する仕組み)が 使われています。 ① ② ③

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第3-3章

小さなパラボラ! 30 cm中華ナベ

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07

 今回は、実際に宇宙から送られてくる電波を捉え る実験をしてみましょう。とはいえ、いきなり天 体からの電波を受けるのはたいへんですので、03 ページで紹介した放送衛星から送られてくる BS放 送の電波をキャッチしてみましょう。「私の家には、 ちゃんと BS用のアンテナが取り付けてあって、い つも BSチャンネルのテレビ番組を見ているよ」と いう人の声も聞こえてきそうですね。この実験では、 その市販のアンテナを使わずに、中華ナベをアンテ ナとして BS放送を受信してみましょう!

中華ナベで BS 放送を見てみよう

実験

その

02

◦ STEP01 用意するもの

BS 放送を見るためには「BS アンテ ナ」「受信機(コンバーター)」「BS チューナー」「テレビ」が必要です(最 近のテレビなら BSチューナーが内蔵 されています)。市販の BS アンテナ は、通常、アンテナと受信機がセット になっている(05ページ参照)ので、 受信機を取り外して利用します。今回 は実験しやすいように、あらかじめ木 材で作ったスタンドに受信機を固定して いますが(★注02)、大型のカメラ三 脚などを使ってもよいでしょう。

◦ STEP02 アンテナの方向を決める

パラボラアンテナを正確に BS放送衛星に 向けないと電波を受信できません。BS放 送衛星の位置(見かけの高さや方角)は、 各地で異なります(右表参照)。あらかじめ、 みなさんが住んでいる地域の位置データを 調べて、方位磁石や分度器などで、大まか な目安を付けるとよいでしょう。すでに BS 放送を視聴している場合は、アンテナ が向いている方向に衛星が位置している ことになります。 BS 放送衛星の位置を確かめます。 ★注02 この木製スタンドを用いた BS 放送の受信実験は、 国立天文台三鷹地区の特別公開「三鷹・星と宇宙の日」など で体験することができます。 BS 放送衛星の位置(BS アンテナを向ける方向)※ 高さ(仰角) 方向(北から時計回りの方位角) 札幌 31.2 221.7 仙台 35.3 224.0 東京 38.1 224.4 新潟 36.6 222.1 金沢 39.1 220.1 名古屋 40.1 221.5 大阪 41.4 220.2 広島 43.4 216.2 高知 43.5 218.2 福岡 45.2 213.9 鹿児島 47.0 215.6 那覇 53.6 215.8

◦ STEP03 BS 放送の受信

BS チューナー内蔵のテレビには、BS 放送 の電波の強さ(受信レベル)を計測できる 機能が付いています。数値やメーターを見 ながら、中華ナベからコンバーターまでの 距離や中華鍋の向きを少しずつ変えて、最 も強く電波を受信できる位置を探しましょ う。テレ ビを視聴 画面に切り替えれば、BS放送が視聴で きます。 受信レベルを確認します。 中華ナベの位置を調整しながら受信レベルが強 くなったところで視聴画面に切り替えましょう。 画面が映ったら、中華ナベの位置を細かく動か して映りがどう変わるか試してみましょう。

◦ STEP04 これもアンテナになる?

さあ、中華ナベで宇宙からの電波をキャッチする ことができましたか? 「できた!」という人は、 なぜ中華ナベで電波を捉えることができたのかを 考えてみましょう。そして、ほかにもいろいろな ものをアンテナ代わりにして、BS放送の電波を 捉えることができるかを試してみると、その理由 を確かめることができるかもしれません。 ぐろふふふ、 ワシがBS ハカセじゃ! ※ 「BS・110°CSアンテナ(衛星放送)設置のポイント」   (電子情報技術音楽協会)から抜粋 受信機を木製スタンドに取り付けます。 ★ BSハカセ:石黒正人さん(国立天文台名誉教授:元ALMA推進室長) 金属製のナベ のフタで実験 をしてみると …

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ミリ波天文学を拓いた野辺山 45 m 望遠鏡、

サブミリ波天文学を拓くアルマ望遠鏡

 光学望遠鏡での天文学の歴史は、ガリレオ・ガリレイ に始まり、400年あまり。対して電波の天文学の歴史は、ま だ100年にも届きません。日本の電波天文学は、旧東京天文 台で太陽電波の観測から始まりました。1947年ごろのことで す。宇宙電波は1970年に直径6 mのパラボラアンテナを使っ て、ミリ波による観測が開始されました。ミリ波の観測は、 海外でも始まったばかりで、日本はほぼ同じスタートラインに 立てたのです。そして、1982年には野辺山宇宙電波観測所 に世界最高性能の直径45 m 電波望遠鏡が完成。その観測 によって、さまざまな分子雲の性質の解明やいろいろな星 間分子の発見、渦巻銀河 NGC 4258の中心部にある超巨大 ブラックホールの発見など、「ミリ波天文学」を扉を開く 多くの成果を挙げ、世界の電波天文学を牽引してきました。  さらに直径10 mのパラボラアンテナ5台(後に6台)を 用いた ミリ波干渉計と呼ばれる特殊な電波望遠鏡による 観測も始まり、同じ構内にある野辺山太陽電波観測所(次 回アルマーの冒険04で紹介の予定)とあわせて、野辺山 観測所は電波天文学の世界的な拠点へと発展しました。そ の野辺山での成功をもとに、日本の電波天文学の研究者た ちはさらに高性能な電波望遠鏡の建設を検討し始めます。 それは、ミリ波よりもっと波長の短いサブミリ波を観測す るという野心的なものでした。03ページの図01からもわ かるように、サブミリ波は電波の区分の中ではもっとも波 長が短い電磁波(それより短い波長はもはや赤外線の領 域)で、これを観測する望遠鏡にはたいへん高度な技術が 要求されます。その後、海外でもサブミリ波望遠鏡の建設 が提案され、日米欧の国際協力でミリ波とサブミリ波の観 測ができる世界最大、最高性能の電波望遠鏡の建設が計画 されました。それが南米チリのアタカマ高原に建設され、 いよいよ本格的な観測が始まった「アルマ望遠鏡」なので す。パラボラアンテナ66台(直径12 m が54台、直径7 m が12台)の電波干渉計で、すでにこれまでにない解像力 と感度でさまざまな発見が続いてます。そのようすは2月 号の本編をご覧ください。 「アルマーの冒険」03 回 発行日/ 2015 年 2 月 1 日 発行/国立天文台天文情報センター出版室 制作協力/国立天文台チリ観測所・野辺山宇宙電波観測所 ★「アルマーの冒険」バックナンバーは http://www.nao.ac.jp/naoj-news/almar/ をご覧ください。 野辺山観測所45 m 望遠鏡と赤岳(八ヶ岳主峰:標高2899 m)。

参照

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