松崎美子
2018年10月3日
20時~21時
主催: FXプライム by GMO
2018年年末までのユーロ、ポンド相場と
マーケット全般を展望する
第一部
英国 政治
第二部
英国 経済/金融政策
第三部
ユーロ圏 政治
第四部
ユーロ圏 経済/金融政策
第一部
労働党年次党大会・2度目の国民投票
9月23日~26日 党大会
労働党 マクドネル財務相 2度目の国民投票を実施する場合 2016年の国民投票結果を尊重し、 あくまでも離脱を前提とするため、 「EU残留を支持する」という 選択はない 労働党 スターマーBrexit担当相 2度目の国民投票を実施する場合 「EU残留を支持する」という 質問も含むべき労働党: Brexitに関する6つの条件
労働党 スターマーBrexit担当相労働党が支持するBrexit条件
① 英国がEUを離脱した後も、EUとの関係は協力的で強い絆で 結ばれている ② Brexit後も、欧州単一市場/関税同盟のメンバーでいるのと 全く同等の恩恵を、英国は享受できる ③ 英国経済にとって有効な移民政策を保持 ④ 人権などの権利が保護されている ⑤ 国家の安全と国境を越えた犯罪防止が確実に保障されている ⑥ Brexitの決定内容は、英国全土にきちんと届いているコービン党首の考え
労働党 コービン党首 メイ首相が支持するBrexit報告書を 労働党は支持しない。ただし、メイ首相 が考えを変えて、関税同盟残留に合意 するのであれば、労働党としては 賛成に廻るかもしれない 2度目の国民投票よりも 解散総選挙実施を希望 合意なき離脱には、反対 2度目の国民投票 実施について 言及を避けた 国民投票が実現したら、 「EU残留を支持する」と いう選択肢を残すか検討保守党年次党大会
9月30日~10月3日まで 党大会
ボリス・ジョンソン元外相 1~2日目(9/30 10/1) ボリスやリーモグ議員率いるBrexit強硬派が、メイ首相引き摺り下ろしのクーデター を企てているかもしれないという噂で、両日にスピーチした閣僚達のほとんどが、 メイ首相をサポートする姿勢を見せた 3日目 (10/2) 閣僚ではないため、メインホールではない会場で ボリスがスピーチ。 結果として、2017年1月にメイ首相が発表した Brexit案を支持すると発言し、恐れていた首相交代劇や クーデターのリスクが一旦遠のいた。 ボリスは、「スーパーカナダ方式」のBrexitを推奨 写真: 英国議会ホームページ保守党Brexit強硬派の新Brexit案
9月20日EU非公式サミットでメイ首相が発表した「Brexit白書」が拒否されたため 9月24日 保守党Brexit強硬派グループは、新たなBrexit案を発表
1955年設立のシンクタンク:
Institute of Economic Affairs(IEA 経済問題研究所)が作成したBrexit案
要点
・カナダ式(包括的経済協定 CETA)に似た内容 ・EUへの手切れ金 390億ユーロは支払う ・人の移動の自由は制限 ・移行期間も設置 ・貿易内容については若干の修正要 ・アイルランド国境問題解決のため、 北アイルランドのみ、少し違った対応を適用 カナダ式CETA概要 ・貿易を目的とした市場へのアクセスは、おおかた大丈夫 ・輸出品に対して、EU商品基準の規制を適用 ・人の移動と、金融サービスの提供は禁止 ・一般のサービス提供は、一部だけ許される ・EU以外の国と、独自の個別交渉が可能 ・EU予算への拠出金支払いは、なし ・EU憲法裁の影響は、若干ありカナダ式とは?
資料: 数々の報道
EUとの貿易協定の中で、一番 EUとの繋がりが薄い内容がカナダ式
スーパーカナダ式とは?
資料: 数々の報道ボリスが支持する「スーパーカナダ方式」とは?
国境の管理 移民制限を徹底するため、国境審査は厳格化する。 そのため、EUとの貿易関係も制限が出てくる可能性あり アイルランド問題 欧州単一市場から完全に離脱し、「英国とEUとの間で 自由貿易協定」を結ぶ。そこで、国境問題の解決を図る 他国との貿易交渉 欧州単一市場から完全に離脱するため、世界各国と 独自の貿易交渉が結べる 司法 欧州憲法裁ではなく、「英国とEUとの共同委員会」を設立し、 そこで法的な問題を決定する第二部
インフレ率>賃金上昇率 実質賃金減少 消費不振 実質賃金増加消費好調
英・インフレ率と賃金上昇率
データ: 英統計局 (ONS) (%) ボーナスなし(7月) +2.9% (インフレ調整前) CPI (8月) + 2.7% ボーナス含む(7月) +2.6% (インフレ調整前) 賃金上昇率> インフレ率今年に入ってからの英国PMI推移
製造業
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 英国 55.3 55 54.9 53.9 54.3 54.4 53.8 52.8 25ヶ月ぶりの弱さ データ: マークイット社建築業
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 英国 50.2 51.4 47 52.5 52.5 53.1 55.8 52.9 3ヶ月ぶりの弱さ サービス業 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 英国 53 54.5 51.7 52.8 54 55.1 53.5 54.3 2ヶ月ぶりの強さ このまま行くと、2018年GDPは 年率で1.7~1.8%程度の予想 アメリカ 2.8%予想 FOMC(6月) ユーロ圏 2.1%予想 欧州委員会(7月)個人の財政事情(過去12ヶ月) 個人の財政事情(今後12ヶ月) 経済状態(過去12ヶ月) 経済状態(今後12ヶ月)
英・消費者信頼感指数
チャート: 独マーケットリサーチ会社 GfK ホームページ経済指標スコアーボード【英国編】
数値
傾向
GDP (前期比)
+0.4%(Q2)
改善
↑
インフレ率(CPI)
+2.7%
上昇
↑
失業率
4%
横ばい →
賃金上昇率(ボーナス含)
2.6%
改善
↑
製造業PMI
52.8
悪化
↓
建築業PMI
52.9
悪化
↓
サービス業PMI (5月分)
54.3
改善
↑
貿易収支
99億ポンドの赤字
改善
↑
鉱工業生産高(前月比)
-0.2%
悪化
↓
住宅価格指数(前年比)
+3%
横ばい →
小売売上高(前月比)
+0.3%
悪化
↓
消費者信頼感指数
-9
悪化
↓
12項目中
4改善
MPC理事達の最近の発言
カーニー総裁
9/11 中国の金融システムが 世界の金融安定に脅威カンリフ副総裁
7/13 英経済は予想とほぼ同じか やや上回る成長率を見せるだろうブロードベント
副総裁
7/23 金利の正常化のプロセスは 必ずしも「タカ派」の意味ではないラムスデン副総裁
9/28 合意なき離脱となれば 利下げするとは限らないホールデン
主席エコノミスト
9/27 今後の金融政策の方向は、政治・経済状態や 為替レベルなど多岐に渡る判断材料によるハスケル理事
6/26 労働市場の緩みは、予想以上に大きいブリハ理事
9/25 1年に1~2回の利上げが必要となるだろうソーンダース理事
7/3 政策金利は市場が予想するより 早く利上げとなる可能性テンレイロ理事
9/4 8月の利上げの効果を見極めたい 写真: 英中銀ホームページ http://www.bankofengland.co.uk/about/Pages/people/mpc.aspx 2018年8月31日 退任カーニー総裁、任期延長
2019年3月29日 英国時間 23時 2年間の交渉終了 正式離脱 移行期間(貿易交渉) 2020年12月31日 移行期間終了 2021年6月30日 本来の8年間 任期終了時期 2020年1月31日 新しい 任期終了時期 2019年6月30日 今までの 任期終了時期延長
カーニー総裁、任期を延長したが、かなり微妙な延長 2020年1月末に新総裁に交代 → 新総裁は11ヶ月の期間を経て、 移行期間終了後の英国経済を見据えた金融政策決定を可能にする第三部
スウェーデン総選挙結果
2大政党ともに2014>2018
反移民/ ポピュリズム党 であるSD党が 票を伸ばしたが、 世論調査結果 より少なかった データ:数々の報道スウェーデン総選挙結果
データ:数々の報道 9/25 首相決定予定であったが、 社会民主労働党 ローベン首相続投に ついて、内閣不信任が決定された SD党が連立を 呼びかけているイタリア予算案を巡る攻防
ディマイオ副首相 兼 労働経済発展相 (5つ星運動) サルビーニ副首相 兼 内務相 (同盟) 写真: 各党のホームページと伊財務省ホームページ トリア 経済財務相 2019年度予算案 財政赤字対GDP比2.4%
2019年度予算案 財政赤字対GDP比1.6~1.9%
前政権がEUと約束した 財政赤字対GDP比0.8%
2020年度
財政均衡達成
構造的赤字削減 が可能となる 最低ライン政治>EU財政規律を選択した伊連立政権
予算案作成における優先順位
政治 > EU財政規律
歳出内容 大まかな額 フラットタックス(15/20%) 500億ユーロ 最低所得保証 170億ユーロ 付加価値税(VAT)引き上げ撤回 125億ユーロ 年金改革 81億ユーロ ガソリン税の撤廃 60億ユーロ 公共投資 60億ユーロ その他 87億ユーロ 子育て/家族支援 0~170億ユーロ 合計 1,088~1,258億ユーロ 対GDP比 6~7% プライマリーバランス(黒字) 0.7% 選挙公約のうち、 がついている公約を 盛り込む結果となった8月31日 格付け発表 フィッチ 9月7日 格付け発表 Moody’s 9月27日 予算案概要 (成長率予想、 債務規模等)発表 9月11日 予算審議 再開 10月26日 格付け発表 S&P 10月20日 イタリア政府 予算案原案を 議会に提出 10月15日 EUへの 予算案提出期限 10月末に延期 11月30日 伊予算案 EUから見解発表 12月31日 イタリア政府 予算案承認 期限 2019年4月30日 イタリア政府 予算案承認 最終期限
イタリア関連タイムライン
イタリア下院議席数配分
総議席 630 (過半数 316以上)5つ星運動 227議席 + 同盟 125議席 = 352議席
両党合わせて過半数 316議席以上あるため、
予算案は議会を通過することになりそう
データ: 伊内務省ホームページイタリア格付け
あと2ノッチ格下げで
ジャンク債扱い
チャート: 欧州統計局(Eurostat)
https://ec.europa.eu/eurostat/tgm/graph.do?tab=graph&plugin=1&language=en&pcode=teina225&toolbox=type
イタリア公的債務残高
(対GDP比)
https://ec.europa.eu/eurostat/statistics-explained/index.php?title=File:General_government_gross_debt_by_sector_of_debt_holder,_2017.png
(100万ユーロ) データ: 国際決済銀行(BIS) 国際与信統計 (2018年9月23日付け)
イタリアへのエクスポージャー
ただし、これはあくまでも「額」。 例えばフランスが抱える 全世界向けの資産保有額のうち、 何%であるかは不明銀行別・イタリア国債保有額
データ: IESEG経営大学院 (フランスのグランゼコールの名門校のひとつ) 銀行名 国 額(ユーロ) ウニ・クレジット イタリア 591億 インテーザ・サンパオロ イタリア 386億 バンカ・ポポラレ・ミラノ イタリア 259億 BNPパリバ フランス 160億 デクシア ベルギー 147億 UBI銀行 イタリア 110億 サバデル銀行 スペイン 104億 クレディ・アグリコレ銀行 フランス 103億 コメルツ銀行 ドイツ 99億 BBVA銀行 スペイン 95億第四部
チャート: ECBホームページ
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)
ユーロ圏インフレ率は、ECBインフレ目標値を超えている
ECBインフレ目標 それでもマイナス金利を継続 することの正当性は? 9月 +2.1%ユーロ圏失業率
チャートとデータ: ECBホームページ 2018年7月 8.2%米英と比較すると
失業率の水準が非常に高い
労働市場の緩みは
まだまだ残っている
ユーロ圏PMI
製造業
2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 フランス 55.9 53.7 53.8 54.4 52.5 53.3 53.5 52.5 ドイツ 60.6 58.2 58.1 56.9 55.9 56.9 55.9 53.7 ユーロ圏 58.6 56.6 56.2 55.5 54.9 55.1 54.6 53.3 総合PMI 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 フランス 57.3 56.3 56.9 54.2 55 54.4 54.9 53.6 ドイツ 57.6 55.1 54.6 53.4 54.8 55 55.6 55.3 ユーロ圏 57.1 55.2 55.1 54.1 54.9 54.3 54.5 54.2 データ: マークイット社 サービス業 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 フランス 57.4 56.9 57.4 54.3 55.9 54.9 55.4 54.3 ドイツ 55.3 53.9 53 52.1 54.5 54.1 55 56.5 ユーロ圏 56.2 54.9 54.7 53.8 55.2 54.2 54.4 54.7経済指標スコアーボード【ユーロ圏編】
数値
傾向
GDP (前期比)
+0.4% (2018Q2)
横ばい →
インフレ率(CPI)
+2.1%
上昇
↑
失業率
+8.2%
横ばい →
製造業PMI
53.3
悪化
↓
サービス業PMI
54.7
改善
↑
総合PMI
54.2
悪化
↓
貿易収支
175億ユーロの黒字
悪化
↓
鉱工業生産高
+2.3%
悪化
↓
小売売上高(前年比)
+1.1%
悪化
↓
消費者信頼感指数
-2.9%
大幅悪化
↓
ZEW景況感指数
-7.2
改善
↑
11項目中
改善 3
ドラギECB総裁議会証言
9月24日、四半期に一度の議会証言を実施
ユーロ/ドル 5分足 議会証言 開始 ・ユーロ圏のインフレ圧力が高まっている ・労働市場がややタイトになってきている ・コアインフレも同様 ・QE策が終了したからといって、 金融政策が一気に緩和から 抜け出る訳ではないドラギ総裁が使用した「ある単語」
にマーケットはびっくり!
SEES RELATIVELY VIGOROUS PICK-UP IN UNDERLYING INFLATION 基調的なインフレ加速ペースは 「かなり力強い」 ECB総裁が最後にVigorousという単語 を使ったのは、2007年トリシェ時代。 その後、米サブプライム問題 → リーマンショックと続いたので、 マーケットは久しぶりにこの単語を 総裁の口から聞き、 心穏やかでは、ない
2018年
2019年
2020年
5月31日 コンスタンシオ 副総裁 任期切れ 5月31日 プラート 主席エコノミスト 任期切れ 10月31日 ドラギ総裁 任期切れ 12月31日 クーレ理事 任期切れECB 4名の役員会の入れ替わり
6月1日 スペイン デギンドス氏 副総裁就任 ハト派 ハト派 ハト派 中立/ ややタカ派ハト派/ タカ派
バランス変更に注意
第五部
写真: FRBホームページ
FOMCからの発表
パウエル
FRB議長
声明文から 「The stance of monetary policy remains accommodative,
金融政策の運営姿勢は引き続き緩和的で・・・」の文言が削除 ドット・チャートでの利上げ回数予想は、前回6月と同じ。 ニュートラル金利水準が3%へ引き上げ=金利の正常化へ向けた 動きの「終点」がこのレベルとなる可能性 FOMC 3月予想 6月予想 9月予想 利上げ回数 2018年 2.125% 2.375% 2.375% 計4回 2019年 2.875% 3.125% 3.125% 3回 2020年 3.375% 3.375% 3.375% 1回 2021年 3.375% 0回 長期 2.875% 2.875% 3% パウエル議長は、アメリカ経済が好調であると何度も繰り返したが、 GDP予想もインフレ見通しも、たいした変化なし
米10年-2年 (左軸)
リセッション
チャート: 米セントルイス連銀ホームページ中長期での注意点
米長短金利差(10年物国債 マイナス 2年物)の差がゼロに近づくと
過去にはリセッション入りしていた
ユーロ実効レート
チャート: ECBホームページ 個人的には、実効 レート水準だけでなく、 その時のユーロ圏 経済や財政事情が かなり関わってくると 予想 実効レートが100 を超えドンドン 上昇した場合、 ユーロ高への 懸念を表明 するか? 2014年4月中旬 ドラギ総裁、ユーロ高について口先介入 10/2 98.9911ユーロ/ドル 日足
イタリア予算案問題が
大騒ぎにならない限り、
1.14High と 1.18のレンジ内での
動きか?
大騒ぎになれば、200週SMAが通る
1.13台が最初のターゲット
データ: 英中銀ホームページ