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バイオシミラー開発に係る規制の現状と課題に関す る研究

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Academic year: 2022

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(1)バイオシミラー開発に係る規制の現状と課題に関す る研究 著者名 発行年 URL. 大形 竜也 2017‑03‑23 http://doi.org/10.20780/00032543.

(2) 東京女子医科大学大学院医学研究科および 早稲田大学大学院 先進理工学研究科. 博 士 論 文 概 要. 論. 文. 題. 目. バイオシミラー開発に係る規制の 現状と課題に関する研究 Study on the Current Status and Challenges of Regulations for Biosimilar Development. 申. 請. 者. 大形. 竜也. Tatsuya. OGATA. 共同先端生命医科学専攻 分子細胞医療研究. 2016 年 12 月.

(3) 医薬品には一定期間の特許期間が存在する。その特許満了後は同有効成分の医 薬品の製造販売が可能となり、先発医薬品に対して「後発医薬品(ジェネリック 医 薬 品 )」と 呼 ば れ る 。一 般 の 医 薬 品 は 化 学 的 に 合 成 さ れ る 低 分 子 医 薬 品 で あ る が 、 これに対し生物を利用し製造される高分子医薬品はバイオ医薬品と呼ばれ、近年 癌領域等を中心に開発が盛んに進められている。バイオ医薬品も特許満了後に類 似 製 剤 の 製 造 が 可 能 で あ り 、こ れ を「 バ イ オ 後 続 品( バ イ オ シ ミ ラ ー )」と 呼 ぶ が 、 バイオ医薬品は厳密には異なる生物より製造されるために、先行バイオ医薬品と 完全に構造が一致した製剤の製造は事実上不可能である。この製造過程における 特性がバイオシミラーとジュネリック医薬品との開発過程に強く影響しており、 ジェネリック医薬品と比較してバイオシミラー開発は普及に難渋している。 本研究は、依然として普及が停滞しているバイオシミラー開発の現状と課題を 明らかにし、特に開発に係る規制について日欧米を比較分析することにより、今 後のバイオシミラーのグローバル開発を促進するための提言を目的とする。 本論文は以下の 5 章で構成される。 第 1 章では、本研究の背景・目的を述べた。バイオ医薬品は生物を利用するこ とで製造課程が複雑となるため製造コストは高額となり、開発のための臨床試験 実施にも多額の費用が発生する。製造や臨床試験コストはバイオシミラーでも同 様 に 高 額 で あ り 、そ の 有 効 性 検 証 に は 非 劣 性 で は な く 同 等 性 の 証 明 が 求 め ら れ る 。 医師のモチベーションや被験者の同意取得など治験実施上の懸念も存在する。こ のような開発の難しさから、医療費削減に繋がる、大きなビジネスチャンスであ る等のメリットがあるにもかかわらず、バイオシミラー開発への参入はハードル が高いのが現状である。ジェネリック医薬品は化学合成によって比較的容易に同 一の化合物を製造できるが、バイオシミラーは微生物や培養細胞を用いて製造さ れるため同一の製剤を製造するのは事実上不可能である上に、僅かな製造条件の 差異が最終産物の品質に影響を与えてしまう非常にセンシティブな工程を経て製 造されるため、ジェネリック医薬品より厳しい規制が存在することも開発普及の 障壁となっている。規制が厳しいが故に、開発の負担、コストは膨大となり、そ の結果、必然的にバイオシミラー開発に参入できるのは特定の大企業のみとなる ことで、独占的、寡占的市場の温存による価格競争の欠如が懸念されている。こ の状況を好転させるべく、バイオシミラーに係る日欧米の規制及び現在までのバ イオシミラーの開発戦略を調査・分析し、より効率的なバイオシミラー開発手法 を提言する意義は深いと考え、それを本研究の目的とした。 第 2 章では、バイオ医薬品の定義、製造方法、承認状況、規制を調査し、バイ オシミラーの基礎となるバイオ医薬品を取り巻く状況を分析した。バイオ医薬品 は、生物を用いた環境の変化に敏感な製造工程ゆえに、その特性や性質は一般に 製造工程そのものに依存する。つまり、製造方法、製造場所はもとより、製造工 程の僅かな変化によってもその最終産物は影響を受けるため、その製造管理に係 る規制は化学合成品に求められる基準を遵守しつつ、バイオ医薬品の製造・品質 No.1.

(4) 特性に応じた規制が上乗せされる。現在までに日本にて承認されているバイオ医 薬品について、それらが外資系企業によって製造販売されているか、内資系企業 によって製造されているかを調査したところ、多くのバイオ医薬品は外資系企業 により製造販売されていることが分かった。バイオ医薬品は低分子医薬品より厳 格な規制による製造管理が必要なため、適切な製造施設、製造方法の確立は容易 ではないことが示唆された。また、バイオ医薬品開発においては、日本企業は外 資系企業の後塵を拝しており、医薬品の輸入超過抑制やバイオ研究のプレゼンス 確保の意味でも国内でのバイオシミラー開発を促進する意義は深いと考えられた。 第 3 章では、バイオシミラーとジェネリック医薬品の開発における相違点を調 査・比較した。バイオシミラーは構造が複雑であり、同一の化合物を製造するの が事実上不可能であるという点がジェネリック医薬品と大きく違う点である。そ のため、ジェネリック医薬品開発では主に生物学的同等性のデータを示せばよい のに対し、バイオシミラーでは、新薬の承認申請時と同等のデータの提出が要求 される。このことから、開発に要する費用、期間も大きく異なる。ジェネリック 医薬品開発は、生物学的同等性を示すことが主な過程で、開発期間は 1 年程度で あり、開発費用は数億円程度である。バイオシミラー開発は、開発期間は 5 年程 度 、開 発 費 用 は 50~ 100 億 程 度 必 要 で あ る 。ま た 、独 自 に 製 造 方 法 を 確 立 す る 必 要があること、製造販売承認取得後は比較的大規模の製造販売後臨床試験が要求 されること、さらに、自社でバイオシミラーを製造するのであれば製造施設確立 に要する費用など、開発費用以外にも多額の投資が必要となる。一方、両者の薬 価制度についても調査した。ジェネリック医薬品の薬価は、新規収載については 先 発 品 の 5 0 % で 、収 載 が 1 0 品 目 を 超 え る 場 合 は 、先 発 品 の 4 0 % で あ る の に 対 し 、 バ イ オ シ ミ ラ ー の 薬 価 は 先 行 バ イ オ 医 薬 品 の 7 0 %( 臨 床 試 験 の 充 実 度 に 応 じ て 最 大 10%の 加 算 ) で あ り 、 高 額 な 設 定 で あ る 。 こ れ に は バ イ オ シ ミ ラ ー の 開 発 費 が 高額であることが原因に挙げられると思われる。一方、バイオシミラーを用いる と、先行バイオ医薬品を用いる場合よりも患者の金銭負担が大きくなる場合があ ること、現時点のバイオシミラーの市場性が大きくない点、先行バイオ医薬品の 製法変更がバイオシミラーの開発に影響を与えること、オーソライズドバイオシ ミラーがバイオシミラー事業への参入の障壁となる可能性がある点、などバイオ シミラー特有のいくつかの課題が特定され、バイオシミラーの普及や、バイオシ ミラー開発参入の障壁となっていることが示唆された。 バイオシミラーの開発コストを抑えるために、理想的な状況は、ジェネリック 医薬品のように簡単な生物学的同等性試験を実施する程度の開発が可能になるこ とだが、上述の通り、バイオシミラーはジェネリック医薬品と違い、同一の製品 を作ることは事実上不可能であるため、品質特性における差異が臨床的に意義の ある差となって現れないことを証明するために臨床試験の実施は不可避である。 No.2.

(5) よって、どのようにバイオシミラー開発を効率的に進めることが出来るのかを検 討するためには、日欧米の 3 極のバイオシミラー開発の規制を精査し、効率的な 開発の障害となりうる規制の差異を特定すること、また、過去又は現在進行中の バイオシミラー開発の開発戦略を調査することが重要であり、それにより効率的 なバイオシミラーの開発手法の提言が可能となると考えられた。 第 4 章では、まず日欧米の 3 極のバイオシミラーガイドラインの分析・比較を 行った。バイオシミラー開発では、多くの症例数が要求されること、また、ビジ ネスの観点から高コストの開発費用に見合う利益を確保するためにも、多くの場 合グローバル開発が必要となるが、各極のバイオシミラー開発に関する規制がハ ーモナイズされていないため、3 極の要求を満たす開発戦略の立案が開発者の大 きな負担となっている。分析・比較の結果、バイオシミラーの効率的な開発を阻 害しうる規制の相違点が明らかとなった。次に、過去並びに現在進行中のバイオ シミラー開発の開発戦略を調査し、3 極の規制の相違がどのような影響を与えて い る か を 検 討 し た 。特 に 、対 照 薬 と し て 用 い る 先 行 バ イ オ 医 薬 品 、国 内 承 認 用 法 ・ 用量の要求、海外データの受け入れにおける相違は、現在のバイオシミラー開発 プ ラ ン に 影 響 を 与 え て い る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。ま た 、非 劣 性 試 験 に 関 す る 規 定 、 信頼区間の規定に関する相違についても、今後影響を与えうると考えられた。 第 5 章では、本研究の成果、意義、今後の展望についてまとめた。本研究によ って、バイオシミラーの効率的な開発を阻害している、並びに今後阻害しうる日 欧米 3 極の規制の相違点を明確にして解決へのプロセスを提示した。また、過去 並びに現在進行中のバイオシミラー開発パッケージを分析し、3 極の規制の相違 点 が 開 発 パ ッ ケ ー ジ に 与 え る 影 響 に つ い て 言 及 し た 。今 後 、同 質 / 同 等 性 の 証 明 と いう点に焦点を当てつつ、製造販売後調査を効率的に実施することにより、開発 過 程 で 完 全 に 調 査 で き て い な い 点( 例 : 人 種 差 、他 の 効 能 ・ 効 果 に お け る 有 効 性 ・ 安全性)にフォーカスし、情報を集積していくことが必要と考えられる。 本研究は、バイオ医薬品の製造及び開発における特性と規制をもとに、バイオ シミラーとジェネリック医薬品との製品特性、開発規制、薬価制度等における相 違点を特定し、バイオシミラーを取り巻く現状を分析して、バイオシミラーの効 率的な開発につながる提言を行ったことで、日本におけるバイオシミラー開発に 貢献する、意義のある研究と言える。特に日欧米の 3 極の規制の相違点の分析よ り、過去・現在のバイオシミラー開発戦略に着目し、今後のグローバル開発のた めの規制のハーモナイゼーションへの提言を行った点が意義深く、本研究により 日本でのバイオシミラー開発が発展することが期待される。. No.3.

(6) No.1. 早稲田大学 博士(生命医科学) 氏 名. 大形. 竜也. 学位申請. 研究業績書. 印 (2017 年 2 月. 種 類 別. 題名、. 発表・発行掲載誌名、. 発表・発行年月、. 現在). 連名者(申請者含む). ○論文. Tatsuya OGATA and Atsushi ARUGA, Approval status and development strategy of biosimilars in the light of the different guidelines in the U.S., the EU and Japan, Pharmaceutical and Medical Device Regulatory Science, 48(1), 54-62, 2017. 講演. 大形 竜也,有賀 淳、バイオ後続品開発における日米欧の規制に関する研究、第 9 回日本 生体医工学会レギュラトリーサイエンス研究会、2015 年 2 月 28 日.

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参照

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