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生命現象の解明に有用な分析ツールの創製 岸 川 直 哉, 

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Academic year: 2022

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189

a長崎大学大学院医歯薬学総合研究科(〒8528521 長 崎市文教町114),b静岡県立大学薬学部(〒4228526 静岡市駿河区谷田521)

e-mail: Naoya Kishikawa: kishika@nagasaki-u.ac.jp Kenichiro Todoroki: todoroki@u-shizuoka-ken.

ac.jp

日本薬学会第134年会シンポジウムS29序文

189 YAKUGAKU ZASSHI135(2) 189―190 (2015)2015 The Pharmaceutical Society of Japan

―Foreword―

生命現象の解明に有用な分析ツールの創製 岸 川 直 哉, 

,a

轟木堅一郎

,b

The Creation of Useful Analytical Tools to Elucidate Biological Phenomena

Naoya Kishikawa,aand Kenichiro Todoroki,b

aGraduate School of Biomedical Sciences, Nagasaki University; 114 Bunkyo-machi, Nagasaki 8528521, Japan: and

bSchool of Pharmaceutical Sciences, University of Shizuoka; 521 Yada, Suruga-ku, Shizuoka 4228526, Japan.

疾患の早期診断や効果的な治療のためには,疾患 発症や投薬に伴って変化する生体内の生命現象を詳 細に解明することが重要である.例えば,特定の疾 患の発症や進展に伴って生体内濃度が変動するよう な生体成分を明らかにすることは病因解明に有用で あるほか,その濃度を指標とする疾患の早期診断法 の開発へと展開可能である.また,投薬後の血液試 料中の医薬品及び代謝物の濃度を測定して各種薬物 動力学的パラメーターを算出することにより,治療 効果の確認や副作用回避のための情報を取得するこ とができる.複雑に入り組んだ生体内で生じる生命 現象の変化を知るためには,生体成分の変動を網羅 的に解析可能な分析手法や数多くの生体成分の中か ら目的とする対象を選択的に捕捉・検出可能な技術 が必要不可欠である.近年では高性能分析機器の急 速な発展と普及により,分析科学を専門としない研 究者でも比較的容易に様々な生命現象を捉えること が可能になってきている.しかしながら,機器の感 度・選択性・汎用性などには依然として制限がある ため,既存の装置による分析法をそのまま応用した だけでは究明できないような生命現象の謎や疑問に 遭遇することがある.このような場合,分析機器の 性能のみに頼らない革新的な発想に基づく新しい

“分析ツール”が問題解決に有用であり,その開発 の役割を担う分析科学者によせられる期待は大きい

と考えられる.

日本薬学会第134年会において開催されたシンポ ジウム「生命現象の解明に有用な分析ツールの創製」

では,分析法開発の重要性,ひいては分析科学の意 義について考える機会を提供するために,蛍光イ メージング,化学発光,プロテオミクス,バイオセ ンサー,セパレーションサイエンスといった分析科 学に関する幅広い分野において独創的な分析法の開 発研究を行っている若手研究者による最新の研究成 果の紹介を行った.

本シンポジウムでは最初に岸川直哉(長崎大院医 歯薬)より,「化学発光法に基づく生体内活性酸素 産生物質の解析」という演題でキノンやパラコート といった生体内に取り込まれることで活性酸素を発 生するような性質を有する化合物の高感度化学発光 測定法に関する研究紹介を行った.次に,一番ヶ瀬 智子先生(武蔵野大薬研)より「タンパク質の変動 解析及び機能解明に有用なFD-LC-MS/MSプロテ オミクス法の開発と応用」と題して,高い再現性並 びに定量性を有するタンパク質の網羅的解析法とそ の差異解析への応用についてご紹介頂いた.大内雄 也先生(同仁化学研)からは「イメージング用試薬 の開発と応用」という演題で企業研究者の視点から 顧客ニーズに応じた蛍光イメージング用試薬の開発 に関するご講演を頂いた.引き続いて,巴山 忠先 生(福岡大薬)より「フルオラスケミストリーを駆 使した生体関連物質の高選択的分析」と題してパー フルオロアルキル化合物同士の特異的な親和性を利 用するHPLCにおける選択性向上を指向した誘導 体化手法をご紹介頂いた.松元 亮先生(東京医歯 大)からは「進化する半導体―バイオトランジスタ による生体計測―」と題して電界効果トランジスタ

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190 YAKUGAKU ZASSHI Vol. 135 No. 2 (2015)

を利用する生体分子の非標識・非侵襲かつリアルタ イムな計測法についてご講演頂いた.最後に,轟木 堅 一 郎 ( 静 岡 県 大 薬 ) よ り 「 抗 体 医 薬 の 新 規 HPLC分析法の開発研究」という演題で近年その 利用が広がってきている抗体医薬のHPLC分析に 関する問題点とその解決方法について紹介を行った.

今回の誌上シンポジウムでは,上記シンポジスト のうち,岸川,一番ヶ瀬先生,巴山先生及び轟木の 発表内容を総説としてまとめたものである.本誌上 シンポジウムを通じて若手研究者の研究に対する熱 意や,独創性に対する想いなどが伝えることができ ればと願っている.

参照

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