EnginEEring ThE FuTurE
未来のエンジニアリング企業体へ
アニュアルレポート
2009
2009年3月期 日 揮株式会社 ア ニ ュ ア ル レ ポ ー ト 2 0 0 9ProFilE
プロフィール 日揮株式会社は、1928
年の会社設立以来、世界約70
ヵ国で2
万件以上におよぶプロジェクト遂行実績を有する世 界トップクラスのエンジニアリングコントラクターです。 資源開発、石油、ガス、石油化学などのハイドロカーボン分野から、発電、新エネルギー、一般産業、環境、iT
に至 る幅広い事業分野で、独自のエンジニアリング技術、卓越したプロジェクトマネジメント力を発揮してまいりました。 そして、顧客の多様化するニーズに応えるために、コントラクターとしての役割に加え、資源開発事業や発電・造水 事業などへの投資にも取り組んでいます。 私たち日揮株式会社は、従来のエンジニアリングコントラクターの概念を超えた 未来のエンジニアリング企業体 を 目指します。日揮グループは、「エンジニアリング業をコアとするグロー バルな企業グループとして永続的発展を目指し、世界経済と 社会の繁栄ならびに地球環境の保全に貢献する」ことを企業 理念とする。
共有する価値観
この企業理念の具現化のため、先ず始めに日揮グループ の役員・社員一人一人が、次の4
項目を深く認識のうえ、日揮 グループの価値観として共有することを基本として、1.
判断基準:高い倫理観と法令順守2.
行動基準:公正で透明性のある企業活動3.
企業風土:進取の気風と自由闊達4.
ベクトル:顧客満足と当社の社会的信用の確立ならび に社会との共生による社業の発展Corporate philosophy
日揮グループの基本理念経営方針
これら共有する価値観に立脚して、次の経営方針のもと、 優れた技術に基づく永続的なサービスと製品の提供に努め ます。1.
適正利益の確保と永続的成長の実現2.
総合的技術力の強化とイノベーティブな技術の開発・確 立および垂直統合と水平拡大志向による事業の創造・ 展開3.
将来を見据えた経営資本の集積と活用4.
能力と活力を引き出すフェアな人事施策責務
また、日揮グループは、エンジニアリング業をコアとするグ ローバルな企 業グループとして、われわれが負っているSocial Responsibility
(社会的責任)を強く認識しながら、企 業価値の向上と企業理念の実現に努めます。1.
地球環境保全ならびに社会に役立つ事業活動2.
誠実なアカウンタビリティー3.
公正取引と共生4.
株主の信任日揮グループが永続的に存続しさらなる発展を遂げるため には、役員・社員一人一人が明確な行動指針を持ち、これら 行動指針に則って日々の活動にあたることが必要です。日揮 グループは、その「共有する価値観」に基づき以下の行動指 針を採用することにより、日揮グループが長期的に安定的な 経営を続けグループの基本理念を実現することができると信 じます。
1.
判断基準:高い倫理観と法令順守
・高い倫理観をもって自らを律し、良識をもって行動する。 ・関係法令をよく理解し、順守する。2.
行動基準:公正で透明性のある企業活動
・公平、誠実で透明性のある企業活動を心がける。 ・取引先とは健全な関係を維持する。prinCiples of Business ConduCt
行動指針
3.
企業風土:進取の気風と自由闊達
・旧弊に囚われない進取の気風を持ち、過去の延長線ではな く、常に変革と改善の意識で行動する。 ・目的達成意欲を高く持ち、個人の能力とチームワークの強 みを最大限に発揮する。 ・自由で闊達な討議とコミュニケーションを通じて、組織の叡 智を集約する。4.
ベクトル:
顧客満足と当社の社会的信用の確立なら
びに社会との共生による社業の発展
・誠実な行動と十分な情報提供により、顧客や株主の信頼を 得る。 ・顧客のニーズをとらえた信頼されるサービスと製品の提供 に心がける。 ・社会の繁栄と社業の発展は表裏一体であることを認識し、 社会との共生に心がける。ManageMent Vision
経営ヴィジョン 顧客満足度が第一義 顧客の期待とニーズを的確に把握 知的資本の差別化により顧客満足を充足 顧客の繁栄に寄与する 顧客の変化に合わせて自らも変革する 限りないイノベーション 事業の垂直統合化、水平拡大化 顧客層を広める ソリューションプロバイダー、サクセスパートナーとして 世界のトップコントラクターに顧客への姿勢
将来像
見通しに関する注記事項 このアニュアルレポートに記載されている、日揮グループの計画、業績見通し、戦略などは、現段階において入手可能な情報に基づい て当社の経営陣が判断したものであり、実際の業績は、経済情勢、市場動向、為替レートなど様々な要素の変動により、異なる結果と なりうることを、あらかじめご承知おき下さい。 目次
07
主要財務指標08
株主の皆さまへ1 1
特集 ビジネスの深化と拡大に向けた取り組み1 2
特集1
拡大するlng
市場 ̶トップコントラクター日揮の取り組み14
特集2
アップストリーム分野への取り組み ̶石油・ガス生産井とダウンストリーム設備を繋ぐ日揮1 6
営業概況22
事業分野別業績ハイライト23
地域別業績ハイライト24
主要プロジェクト25
主要受注リスト26
技術紹介28
社会貢献・環境活動31
コーポレート・ガバナンス34
役員一覧35
財務セクション55
日揮グループ56
会社概要0 2005 2006 2007 0 2,000 4,000 6,000 8,000 2008 2009 4,351 5,503 6,085 3,860 4,843 5,2875,510 4,601 4,509 3,499 0 2005 2006 2007 0 100 200 300 400 2008 2009 115 150 201 86 114 151 300 213 315 302 0 2005 2006 2007 0 2,000 6,000 4,000 8,000 10,000 2008 2009 4,695 8,076 3,013 4,393 7,651 2,550 4,023 3,487 5,061 4,405 0 2005 2006 2007 0 2,000 4,000 8,000 6,000 10,000 12,000 2008 2009 7,223 10,243 7,446 7,142 10,095 7,281 6,328 6,073 7,273 6,980 売上高 (単位:億円) 当期純利益 (単位:億円) 受注高 (単位:億円) 受注残高 (単位:億円)
主要財務指標
(単位:百万円) (単位:千米ドル) 連結 2009年3月期 2008年3月期 2007年3月期 2009年3月期 売上高 ¥450,911 ¥551,062 ¥608,529 $4,590,370 営業利益 52,003 44,896 26,413 529,400 税金等調整前当期純利益 49,443 46,907 31,823 503,349 当期純利益 31,543 30,019 20,187 321,114 1株当たり当期純利益(円・米ドル) 124.76 118.33 79.52 1.27 受注高 506,135 402,352 301,347 5,152,550 受注残高 727,321 632,827 744,679 7,404,265 (単位:百万円) (単位:千米ドル) 個別 2009年3月期 2008年3月期 2007年3月期 2009年3月期 売上高 ¥349,924 ¥460,160 ¥528,793 $3,562,303 営業利益 41,356 30,549 14,432 421,012 税引前当期純利益 44,577 32,832 21,537 453,812 当期純利益 30,213 21,312 15,183 307,584 1株当たり当期純利益(円・米ドル) 119.50 84.01 59.81 1.22 受注高 440,548 348,755 255,015 4,484,862 受注残高 698,002 607,378 728,168 7,105,792 注:米ドルへの換算レート:1ドル=98.23円(2009年3月31日時点の換算レート)株主の皆さまへ
2008
年度は過去最高益を達成、
2009
年
6
月からは新体制で経営戦略を実行
2008
年度決算(連結)は、株主の皆さまや多くの顧 客のご支援、ならびに当社および当社グループの役員・ 社員の努力の結果、売上高4,509
億円、経常利益493
億円、当期純利益315
億円となり、経常利益、当期純 利益ともに過去最高となりました。その結果、当社の株 主配当金は1
株につき9
円増配の30
円とすることがで きました。受注につきましては、残念ながら5,061
億円 と期初予想の7,000
億円を達成することはできません でした。これは、2008
年5
月に発注内示のあったク ウェートの大型製油所プロジェクトに関し、2009
年3
月 になり発注内示の解除があったことによるものです。2009
年度の業績見通し(連結)につきましては、売上高4,500
億円、経常利益320
億円、当期純利益205
億円 を予想しており、株主配当金につきましては1
株につき20
円を予定しております。受注目標については5,000
億円に置き、目標達成に向けて全力を挙げてまいります。2002
年から会長兼CEO
として日揮グループを率い てきた重久吉弘は、6
月26
日を以って退任し、社長兼COO
の竹内敬介が会長兼CEO
に、副社長の八重樫正 彦が社長兼COO
にそれぞれ就任いたしました。重久吉 弘は日揮グループ代表 相談役に就任し側面から経営を サポートしていく予定です。また、他の役員についても 「経営の若返り」を図りました。新しい経営体制のもとで、 これまでの経営戦略を引き続き実行していく所存です。engineering the future
未来のエンジニアリング企業体へ
株主の皆さまには日頃から当社ならびに当社グループをご支援いただき、心から御礼申し 上げます。2009
年6
月からは新たな経営体制のもとで、役員・社員の力を結集し、収益 体制の強化を図ってまいります。 (左)代表取締役会長 兼最高経営責任者(CEO) 竹内 敬介 (右)代表取締役社長 兼最高執行責任者(COO) 八重樫 正彦2009
年度も顧客は開発投資額を維持、
当社はベストパートナーとしてサポート
2008
年度は、エンジニアリングマーケットが大きく 変化を見せた一年でした。前半は原油高を背景に中近 東を中心とするプラント建設ブームの延長線上にありま したが、後半は、米国発の金融危機に起因する原油価 格の大幅下落が大きな影を落とし始めました。急激な 環境変化が起きた一年であったといえます。原油価格 は7
月11
日にニューヨーク原油で147
ドルの最高値を 付けたあと、一時は30
ドル前半まで落ち込み、まれに 見る急激な変化であったことを物語っています。 原油価格の下落により新規計画の経済性が低下して いること、金融市場の縮小で顧客の資金調達が困難に なっていること、顧客がプラントコストの下落を期待して 投資決定時期を見定めようとしていることなどから、2009
年度はプロジェクト計画の実施予定が不透明に なっています。特に、製品市況にプロジェクトの採算が 左右される石油化学分野においてその傾向が顕著です。 しかしながら、メジャーオイルや資源国の国営石油会 社における今後数年間の開発投資計画では、石油・天 然ガスの開発に関するアップストリーム分野や、発電の 燃料となる天然ガスの処理プラントといった生活基盤型 プロジェクトへの投資は継続するとし、積極的な姿勢を 見せています。これは、既存の大型油田の自然減退が 加速していることから、継続的な資源開発が必要となっ ていること、また中東の人口増加と産業多角化による討を開始しました。また、水不足に対しては水事業専門 会社との協業による事業化を目指しています。中東で はより質の高い住宅のニーズが増大しています。当社 は、これまで培ってきた中東での知見を発揮しながら、 住宅メーカーと現地での住宅供給事業の実現に向けて 努力をしています。さらに水質汚染が問題となっている 中国で湖水の浄化ビジネスの検討を開始するなど、環 境分野においてもビジネス化の試みを進めています。 これらの新しい分野において、当社は、事業投資はもと よりプログラムマネジメントや
FEED
、EPC
、O&M
など 幅広い領域での参画を予定しています。 当社は、EPC
ビジネスをコア事業としつつも、投資ビ ジネスをはじめ幅広い領域で顧客に貢献できる「未来の エンジニアリング企業体」を目指し、今後とも邁進してま いります。 株主の皆さまには、今後とも変わらぬご支援、ご指導 をお願いいたします。2009
年7
月 代表取締役会長 兼最高経営責任者(CEO) 竹内 敬介 代表取締役社長 兼最高執行責任者(COO) 八重樫 正彦 電力需要の増加などが背景にあるものと考えられます。 当社としては、こうしたメジャーオイルや産油国の事 業戦略を見据えながら経営を進めていく所存です。対 象とする分野としては、今後も継続的な投資が見込まれ る石油・天然ガスの開発に関するアップストリーム分野 に注力してまいります。地域としてはこれまでどおり、 中東・北アフリカが中心となりますが、アジア・太平洋 地域への回帰を図り、同時にロシアや南米なども視野 に入れてまいります。epC
ビジネスをコアに、資源国の
産業多角化から生まれる新たなビジネスに注力
2009
年度はマーケット環境が不透明さを増している ことから、受注競争の激化が予測されますが、受注競争 力の一層の強化に取り組んでまいります。すなわち、コ ア事業であるEPC
(設計・機材調達・建設工事)ビジネ スに加えて、PMC
(プロジェクトマネジメントコンサルタ ント)、基本設計(FEED
)といった顧客の事業計画に密 着した上流のビジネスを多く手掛けることで、他社との 明確な差別化を図ってまいります。 加えて、資源国で多く計画されている中小規模のプ ロジェクトに対しては、サウジアラビア、アルジェリア、 ベトナムをはじめとする現地のエンジニアリング子会社 が主体的に担当することで、日揮グループ全体として プロジェクト遂行力の拡大を図ってまいります。 当社は、これまで石油・天然ガス開発生産事業、造 水・発電事業、排出権取引事業など、EPC
ビジネスを 通じて蓄積してきた技術力が生かせる分野で投資ビジ ネスを実施してきましたが、今後は資源国の産業多角 化を背景に生まれてくる新たなビジネスに注力していく 予定です。 現在、中東・北アフリカの資源国では、爆発的な人口 増加に伴い電力や水の不足が深刻化しています。電力 不足に対しては豊富な太陽光を電力に変え、電力需要 の増加が著しい都市部へ供給するビジネスの事業化検特集
InItIatIves to
deepen
and
expand
the scope of our busIness
ビジネスの深化と拡大に向けた取り組み
トップコントラクターとしての経験と知見を活かし、
先見性を持って顧客のあらゆるニーズに応えます
InItIatIves In
the
expandIng Lng Market
世界的なエネルギー需要の拡大、安定的なエネルギー の確保、そして地球温暖化問題などエネルギーを取り巻 く環境は大きく変化し始めています。
20
世紀は「石油の 世紀」といわれていたのに対し、21
世紀は「天然ガスの 世紀」であるといわれています。天然ガスの輸送手段の 一つであり、環境にやさしいエネルギーである液化天然 ガス(Liquefied Natural Gas
:LNG
)は、長期的に需要 増加が見込まれており、これを見据えたLNG
事業計画 が活発化しています。 これまで日本や韓国、台湾を輸出先として主に太平洋 地域で成長してきたLNG
市場は、いまや米州、欧州そし て中国、インドなど、多くの国々へと拡大しています。LNG
輸入国は、1990
年時点では8
ヵ国にしか過ぎませ んでしたが、現在ではLNG
受入基地を建設中の国を含 め22
ヵ国へと増加し、受入基地の建設を計画している国 LNG船 を加えると32
ヵ国へと拡大する見込みです。これは、欧 州のようにエネルギーを安定的に確保するため、天然ガ スパイプラインだけに頼るのではなく天然ガスの供給元 を多様化する動きや、中国やインドのように、人口増加や 工業化を背景としたエネルギー需要の増加などが理由と して挙げられます。 このように世界各地でLNG
需要の増加が将来的に見 込まれているため、2003
年頃から東南アジア、中東、オ セアニア、アフリカで多くのLNG
プラントの建設計画が進 められていました。しかしここ数年は、資機材価格の高 騰や熟練労働者不足により、新規LNG
計画の開発コスト が2003
年の約3
倍に膨らむなどしたため、LNG
事業開 発者は投資決定を一時先送りしてきました。ところが、2008
年9
月の米国発金融危機に端を発した世界的な景 気低迷により、開発コストが徐々に下がる傾向にあること から、LNG
事業開発者は再び事業推進に積極的に取り組 み始めています。その計画は、年産800
万トンを超える 世界最大の液化設備の建設計画から、年産100
万トンか ら200
万トンといった中小規模の液化設備計画、海岸か ら遠く離れた中小の未開発海底ガス田の開発手段として、 海上で天然ガスを液化するフローティングLNG
計画、そ して最近では炭層のメタンガスを原料ガスとする炭層メタ ン(Coalbed Methane
)LNG
計画など、様々な種類に 及んでいます。 日揮は、1970
年にブルネイから日本へ輸出する目的で 計画されたブルネイLNG
プロジェクトを初めて受注・建 設して以降、マレーシア、インドネシア、オーストラリアを はじめ世界各地で数多くのLNG
プラントを建設し、世界特集
1
拡大する
lng
市場
ートップコントラクター日揮の取り組み
LNGプラント(マレーシア) の
LNG
生 産 量 ベース で 約35%
(2009
年4
月時点)のトップシェアを 占めています。現在もインドネシア、 イエメンでLNG
プラントの建設工事 を遂行しているほか、プロジェクトの 事業化調査や基本設計(FEED
)など も遂行しています。2008
年度には、 国際石油開発帝石(株)が推進するINPEX Browse
社向けLNG
プラン トのFEED
役務を受注しました。ま た、フローティングLNG
プラントの 事業化調査なども遂行しています。 加えて日揮は、天然ガスに含まれる 二 酸 化 炭 素を分 離・回 収し、地 中に貯 留 するCCS
(Carbon Dioxide Capture and Storage
)技術の開発 や、LNG
プラント全体のライフサイクルコストを最適化 し、運転性・安全性をさらに高め、そして環境にも優しい 次世代型LNG
プラントである「全電動方式によるLNG
プ ラント(eLNG
)」の開発など、LNG
プラントに係る技術の 開発・研究、さらなる安全性・信頼性の向上、コストダウ ン、納期の短縮などにも積極的に取り組んでいます。プ ラント運転時の安全性を高める「ガス漏洩・爆発シミュ レーション・システム」の開発もその一例です。 今後も日揮は、LNG
プラントのトップコントラクターと して、顧客のあらゆるニーズに応え、クリーンエネルギー であるLNG
ビジネスの発展、そして地球環境保全に貢献 してまいります。 LNGプラント(オーストラリア)1980 1990 2000 2010 2020 2030 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0
世界のエネルギー投資動向
2008
年後半から始まった急激な世界景気の低迷を受 けて世界の原油需要は減少傾向にあり、2009
年の原油 価格は2004
∼2005
年と同等の水準まで低下していま す。国際エネルギー機関(IEA
)による2009
年の石油需 要予測は2008
年9
月以降下方修正が続き、本格的な原 油需要の回復は2010
年までは見込めないとの見方が広 がっています。 しかしながら、このような状況であっても石油メジャー や大手国営石油会社の対応は「短期的な景気や原油価格 の変動に左右されることなく、今後の経済回復および消 費の拡大を見据えて着実な原油生産量の増加を図る」と いう方針で一致しています。各社が将来への投資を減ら さない理由は、IEA
による「2030
年における世界の一次 エネルギー需要量は現在の1.45
倍に増加する」という予 測など、一次エネルギーの長期的な需要は、確実に増加 するという見方が多いためです。加えて現在生産してい る油田の中には、成熟期に達し生産量の減衰が始まって いる油田も確認されています。従って、各社は短期的な 経済状況に影響されることなく、原油生産量の維持およ び増加を着実に進める計画を打ち出しているのです。 また、石油メジャーや大手国営石油会社各社の今後の 開発投資額の内訳を見ると、投資額全体の半分以上を 「アップストリーム(上流)分野」に配分しています。これ は探鉱・生産事業への積極投資を通じて保有埋蔵量の確 実な増加を図るという考えに基づいています。日揮が顧客に貢献可能な事業領域
日揮は、石油精製プラントやエチレンプラントなど「ダウ ンストリーム(下流)分野」を主体とするEPC
コントラクター として現在に至っています。しかし最近10
年間の当社の 世界の一次エネルギー需要予測 (単位:Mtoe (石油換算百万トン)) 原油回収プラント(アルジェリア)InItIatIves In
the
特集
2
Upstream DomaIn
アップストリーム分野への取り組み
ー石油・ガス生産井とダウンストリーム設備を繋ぐ日揮
(出典:IEA World Energy Outlook 2008)
石油 石炭 天然ガス バイオマス 原子力 水力 その他の 再生可能な エネルギー 2006年合計量
1 1 ,730Mtoe
2030年合計量17,014Mtoe
事業分野別の売上高構成を見ると、ハイドロカーボン事業 のうちアップストリーム分野に分類される「生産事業」に関 連する設備(原油処理、ガス処理、
LNG
など)の比率が、 ハイドロカーボン分野全体の約50%
を占めています。現 在もサウジアラビアにおいて大型原油処理設備やアルジェ リアで原油・ガス処理設備を建設中であり、2009
年度に 入りアルジェリア国営炭化水素公社(ソナトラック社)向け に大型ガス処理設備を受注したのに続き、UAE
・アブダビ でアブダビガスインダストリーズ社からも大型ガス処理設 備を受注するなど、当社のアップストリーム事業は今後も さらに増加する勢いです。 当社のアップストリーム分野の実績が増加している主 な理由として、 ①最近の原油・ガス生産設備は一層の大型化が進み、 高度なプロジェクトマネジメント力を持ったコントラク ターが必要となっていること ②従来よりも低品位な油田・ガス田の開発が増加して いるため、重質原油や酸性ガスといった取り扱い難 い物質のハンドリングや原油の回収率を向上するた めの装置が必要となり、高度な統合技術力を持った コントラクターが求められること などが挙げられます。 加えて、当社は「ダウンストリーム分野のベストコントラ クター」であることから、この信頼をベースとしてアップ ストリーム分野の設備についても、多くの顧客から任され ているのです。 このように、当社が長年ダウンストリーム分野で培った 高度な技術力とプロジェクトマネジメント力は、アップスト リーム分野においても同様に発揮され、かつ顧客の幅広 い信頼を得ています。 さらに当社は、事業分野拡大の一環として、米国やメ キシコで石油・天然ガスの開発事業にも進出しています。 これら事業で修得した技術、知識、ノウハウは当社の
EPC
ビジネスに効果的にフィードバックされ、アップスト リーム事業にも精通した幅広い総合力を持つコントラク ターとして、顧客に貢献できると考えています。ハイドロカーボン事業領域
探査 試掘 開発 生産 石油精製 石油化学 原油処理 ガス処理 LNG 上流事業 中流事業 下流事業 • 米国ルイジアナ州などで実施中 • EPC事業に技術知見をフィード バック日揮の
epC
事業領域
*上流分野のうち「生産事業」はミッドストリーム(中流)とも呼ばれます。 ソナトラック社向け大型ガス処理設備建設プロジェクト調印式 <事業比率(過去10年間平均)> 中流:50%
石油精製:25%
石油化学・化学:25%
日揮の投資事業領域
石油・ガス・資源開発関係工事
石油・ガス・資源開発分野では、「特集2
アップストリー ム分野への取り組み(14
ページ)」でもご紹介しているよう に、顧客の継続的な設備投資を背景に、中東・北アフリカ で複数のプロジェクトを受注・遂行しています。 当社は、2008
年7
月にアルジェリア国営炭化水素公社 (ソナトラック社)から2011
年前半の完成を目指して、同国 ルードヌース地区における原油・ガス処理設備建設プロ サウジアラムコ社向けNGL回収プラント(サウジアラビア) ジェクトを受注しました。これに続き、2009
年度に入って、 同じくソナトラック社がガッシツゥイユ地区で進める大型ガ ス処理設備の建設プロジェクトを受注しました。本プロジェ クトは、2013
年前半の完成を目指しています。 サウジアラビアでは、2008
年7
月に国営石油会社サウ ジアラムコ社から同国マニファ地区における大型原油処理 設備に係る付帯設備(油田への注水設備、原油貯蔵タンク および出荷設備など)の建設プロジェクトを受注しました。 また、同じくサウジアラムコ社向けにハウイヤ地区で建設 していた大型NGL
(Natural Gas Liquids
)回収プラント は、2008
年後半に完成しました。 イランでは、国営石油会社の子会社ペトロパース社向け 大型ガス処理プラントが2009
年半ばに完成しました。UAE
・アブダビでは、2009
年度に入って、アブダビガス インダストリーズ社から大型ガス処理設備の建設プロジェク トを受注しました。2008
年度の総合エンジニアリング事業のマーケット環境は、前半期は世界的な資源・エネルギーの高需要に 支えられ、産油・産ガス国において数多くの設備投資が計画・実行に移されました。しかしながら、同年9
月に 発生した米国発の金融危機以降、世界経済は一変し、原油をはじめとする資源価格は大幅に下落、金融市場も 急激に縮小したため、プロジェクトの経済性低下による計画の見直しや資金調達難、さらに顧客によっては、プ ラント建設コストの推移を見極めたいという理由から設備投資の実施時期を先送りするなど、マーケット環境は 不透明な状況となりました。 このような状況の中、当社グループは、様々なリスクに対し細心の注意を払い、より確実なプロジェクト遂行に 注力しました。 また、メジャーオイルや国営石油会社は、マーケット環境に不透明感はあるものの、短期的な景気や原油価格 の動向に左右されることなく、将来のエネルギー消費の拡大を見据えて、2009
年度以降も原油・ガスなどの 上流分野の開発投資額を維持する方向にあります。the JGC Group IN FISCAL 2008
営業概況
石油精製関係工事
石油精製分野では、産油国の人口増加、経済発展に伴う 電力需要の増加やモータリゼーションの進展を背景に、中 東およびアジアでプロジェクトが実施されています。 当社は、ベトナムにおいて国営石油会社ペトロベトナム 社向けに同国初となる大型製油所および付帯設備の建設 プロジェクトを遂行しており、2009
年後半の客先への引き 渡しに向けて試運転作業を進めています。シンガポールで は、2009
年後半の完成に向け、シンガポール・リファイニ ング社向け製油所の改修プロジェクトを遂行しています。 日本国内では、石油精製会社から精製設備の改造工事 などを受注するとともに、重質原油処理設備の建設プロ ジェクトなどを遂行しています。 加えて当社は、建設現場の安全衛生管理の徹底にも注 力しており、2008
年半ばに完成した富士石油(株)袖ヶ浦 製油所向け石油精製関連プラントの建設工事において、平 成20
年度「安全衛生に係る優良事業場、団体又は功労者 に対する厚生労働大臣表彰」優良賞を受賞しました。約1
年半にわたる建設工事期間中、無事故無災害を継続し、延 富士石油(株)向け石油精製関連プラント べ無災害労働時間約115
万時間を記録するとともに、顧客 と一体となった安全アセスメント活動や、日々の安全活動な ど、多岐にわたる地道な安全衛生への取り組みが評価され て、今回の受賞に至りました。 また当社は、2008
年5
月にクウェート国営石油会社から 大型製油所の中核設備建設プロジェクトの発注内示を受 け、設計業務の一部を遂行していましたが、客先の事情に より、同プロジェクトの発注内示は2009
年3
月に解除され ました。化学分野では、石油化学・化学製品の市況悪化のため、 新規プロジェクト計画の実施時期は不透明であるものの、 これまでの活発な設備投資を背景に、日本国内および中東 で数多くのプロジェクトが遂行されています。 当社はサウジアラビアで、サウジ・ポリマー社向け大型エ チレン装置などの建設プロジェクトを遂行しています。また 同じくサウジラビアにおいて建設していた、ジュベイルシェ ブロンフィリップス社向けエチレン装置および大型スチレン モノマー装置の建設プロジェクトが
2008
年前半に完成した ほか、住友化学(株)と国営石油会社サウジアラムコ社の合 弁会社であるラービグ・リファイニング・アンド・ペトロケミ カル・カンパニー向けの石油精製・石油化学コンプレックス の中核設備である流動接触分解装置(High Olefin FCC
) および世界最大級のエタンクラッカーの建設プロジェクト が、2008
年後半に完成しました。 日本国内では、大手化学会社向けの石油化学プラントや 化学プラントの建設工事を遂行しています。 また2009
年度に入り、当社は上述の住友化学(株)とサ ウジアラムコ社が推進するラービグ計画の拡張工事(第2
期計画)のフィージビリティスタディ(事業化調査)に係るプ ロジェクトマネジメント業務を受注しました。化学関係工事
ラービグ・リファイニング・アンド・ペトロケミカル・カンパニー向け石油精製・石油化学コン プレックス中核設備(サウジアラビア)lng
関係工事
LNG
分野は、「特集1
拡大するLNG
市場(12
ページ)」 でもご紹介しているように、欧州、中国、インドにおける需 要の拡大によって、世界各地でLNG
プロジェクトが計画さ れています。その計画は、これまでのように陸上でLNG
プ ラントを建設するものだけでなく、海底の中小ガス田開発 を目的とした海上(フローティング)LNG
プラントも含まれ ます。LNG
プラントのトップコントラクターである当社は、 世界各地で計画されているプロジェクトの事業化調査や基 本設計などを実施しています。 当社は、2009
年1
月に国際石油開発帝石(株)が、オー ストラリアで計画しているイクシスLNG
プロジェクトの基 本設計業務(FEED
)を受注しました。 イエメンでは2009
年後半の完成を目指して、同国初のLNG
プラントの建設プロジェクトを遂行しているほか、イン ドネシアでは、BP
ベラウ社向けタングーLNG
プロジェクト を遂行しており、第1
系列は2009
年半ばにLNG
の出荷を 開始し、第2
系列も間もなく完成する予定です。当社は医薬品分野において、医薬関連施設・設備の設 計・建設、
GMP
対応などの医薬品製造に係る従来のサー ビスに加え、今後ビジネスの拡大が期待される医薬品およ び治験薬の製造委受託仲介サービスの提供にも注力して います。 当社は2008
年7
月に、中国遼寧省で計画されているバ イオ・医薬品産業パーク建設プロジェクトのマスタープラン 策定支援に関する覚書を、推進主体となる遼寧省内の行政 機関と締結しました。また、循環器用製剤会社であるトー アエイヨー(株)から合成技術センターの建設工事を、また 国内医薬品会社から医薬品製造設備の改造工事などを受 注したほか、複数の医薬品製造設備の建設工事も遂行して います。2008
年半ばには(株)カナエ向け包装工場(兵庫 県)、旭硝子(株)向けバイオプラント(千葉県)などの建設 工事が完成しました。 新エネルギー分野では、GTL
(Gas to Liquids
)をはじ め、DME
(ジメチルエーテル)などのプロジェクトに積極的 に取り組んでいます。 当社は現在カタールで、ロイヤルダッチシェル社の子会 社カタール・シェルGTL
社向けに、世界最大のGTL
プロ ジェクトの中核装置であるGTL
合成設備などを建設してい るほか、プロジェクト全体のマネジメント役務も遂行してい ます。 またDME
分野では、国内において、燃料DME
製造 (株)向けDME
製造プラントが2008
年8
月に完成し、2009
年1
月に製品を初出荷しました。燃料DME
製造(株)は、三 菱ガス化学(株)や当社を含めた9
社によってDME
の普及 促進を目的として2007
年に設立されました。製造されたDME
は、ボイラーや発電機(燃料電池を含む)燃料、自動 車燃料、化学品原料などとして様々な分野に供給されるな ど、DME
の普及促進活動が進められています。 原子力分野では、1993
年から青森県六ヶ所村で進めら れている日本原燃(株)の使用済み核燃料再処理工場の建 設工事において、アクティブギャラリーの配管工事を担当 し、現在操業に向け試運転を行っています。生活関連・一般産業関係工事
発電・原子力・新エネルギー関係工事
コーラル・ベイ・ニッケル社向けニッケル製錬プラント第2期工事(フィリピン) 燃料DME製造(株)向けDME製造プラント 非鉄製錬分野では、フィリピンにおいて、住友金属鉱山 (株)が中心となり推進するニッケル製錬プラント第2
期工 事が、2009
年初めに完成しました。当社は同プラントの第1
期工事も手掛けており、この実績を足掛かりに非鉄金属 製錬分野の拡大に注力してまいります。2011
年3
月期を最終年度とした日揮グループの中期経 営計画「シナリオ2010
」のもと、当社はEPC
事業、触媒・ ファイン事業に次ぐ柱として、事業投資ビジネスの拡大に 注力しています。 当社は2008
年4
月にUAE
・アブダビで2
件目となる発電・ 造水設備の事業権を獲得しました。本設備は、同国タ ウィーラ地区で稼働している710MW
のガスコンバインド サイクル発電設備および日量23
万トンの造水設備であり、 丸紅(株)が保有する株式40%
のうち15%
(全体株式の6%
)を取得しました。2005
年1
月に事業権を取得した同 国タウィーラB
発電・造水設備の新規プラントも2008
年後 半に商業運転を開始し、既存プラントとともに順調に操業し ています。 さらに、サウジアラビアで建設が進められていたラービ グ発電・造水・蒸気設備は2008
年半ばに稼働しました。 アルジェリアでは、事業投資の一環として当社が出資す るアルジェリアの新事業会社を通じ、同国のガス焚き発電 所向け保守・運転サービス契約を2
件受注しました。 クリーン開発メカニズム(CDM
)事業では、2008
年9
月 に中国安徽省の淮北鉱業集団公司と開発中のセメント工場 向け余熱発電設備によるCDM
事業が、2009
年3
月には 中国・内モンゴル地区で進めているセメント工場向け原料 代替CDM
事業が、それぞれ国連CDM
理事会から正式承 認、登録されました。 資源開発関連事業では、米国ルイジアナ州で油ガス田の 権益を取得し、オペレーターとして鋭意開発・生産を行って います。事業投資ビジネス
ラービグ発電・造水・蒸気設備(サウジアラビア)環境・社会施設・情報技術関係工事
サンデン(株)向け研究センター 医療施設分野では、日本各地で高品質な医療施設を建 設するとともに、プロジェクトマネジメントサービスを提供 し、多くの顧客から高い評価を得ています。2008
年3
月に国内エンジニアリング会社として初めて、 病院PFI
事業の事業者として当社が選定された東京都精神 医療センター(仮称)整備運営事業は、2008
年9
月に事業 運営会社を設立し、現在、実施設計業務を進めています。 新潟医療生活協同組合からも木戸病院建替工事を受注しま した。 このほか、2008
年後半に自動車用コンプレッサーのトッ プメーカーであるサンデン(株)向け研究センター建設工事 (群馬県)が、2009
年初めには(医)清良会向け書写病院 増築プロジェクト(兵庫県)および(医)至仁会向け吉川病院 移転新築プロジェクト(埼玉県)が、それぞれ完成しました。日揮グループの触媒・ファイン事業の中核企業である触 媒化成工業(株)と日揮化学(株)は、事業のさらなる強化・ 拡大を目指して
2008
年7
月1
日付で合併し、日揮触媒化成 (株)として新たなスタートを切りました。2008
年度の事業環境は、米国発の金融危機に伴う世界 的な景気悪化の影響を受け、顧客の事業計画の延期・見直 し、製品市場の縮小および触媒の主要原料であるレアメタ ルの急激な価格変動など、想定を超えた事業環境の変化に より、大変厳しいものとなりました。触媒・ファイン事業グ ループ各社は、このような状況に対応するため、製品の生 産効率を高めるなど収益性の向上に努め、固定費の削減に 努めたものの、世界経済の悪化による売上げ減、およびレ アメタル相場の急落によるたな卸資産評価損などの影響に より、減収減益となりました。 触媒事業においては、国内トップシェアを誇るFCC
触媒 の販売は、国内において順調に売上げを伸ばしましたが、 水素化処理触媒については、顧客の事業計画の見直しに よる納入延期や再生品の使用などにより、減収となりまし た。脱硝触媒に代表される環境保全触媒は、国内での取り 換え需要増に加え、米国、欧州向けの原料輸出、中国向け 製品輸出が好調に推移し、大きく売上げを伸ばしました。 石油化学系触媒については、顧客の事業計画の見直しに よる納入延期や事業中止などにより、減収となりました。 ファイン事業では、半導体用研磨材、フラットパネルディ スプレイ用反射防止材および帯電防止材は、顧客である自 動車・電機業界の製品の減産、在庫調整により、減収とな りました。 触媒・ファイン事業のマーケット環境は、2009
年度も引 き続き厳しいと予想されますが、一方で、世界的な環境規 制の強化により火力発電所や自動車向け触媒材料の需要 は堅調であり、加えてIT
機器や電気自動車、ハイブリッド 車等向けのリチウムイオン二次電池用正極材の需要も将来 的に拡大が見込まれることから、これらの分野については、 市場動向を注視しながら継続的に設備投資を行い、事業基 盤の強化を図ってまいります。触媒・ファイン事業
リチウムイオン二次電池用正極材(左)と脱硝触媒(右)0 2005 2006 2007 2008 2,000 4,000 6,000 8,000 (億円) 2009 0 6,000 9,000 3,000 2005 2006 2007 2008 (億円) 2009 0 2,000 4,000 6,000 12,000 10,000 8,000 2005 2006 2007 2008 (億円) 2009
事業分野別業績ハイライト
(連結ベース。2005年3月期のみ個別ベース) (単位:百万円) 売上高 2009年3月期 2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期 2005年3月期 ■ 石油・ガス・資源開発関係工事 51,304 (48,470) (78,200)78,500 (134,151)134,557 (161,749)162,120 (99,590)99,616 ■ 石油精製関係工事 89,838 (36,182) 131,116(48,809) 130,194(68,191) 117,558(75,505) 118,771(73,675) ■ LNG関係工事 36,261 (35,627) (89,013)89,680 (67,838)69,128 (47,867)48,789 (53,550)55,025 ■ 化学関係工事 145,769 (102,095) 122,250(80,806) (142,965)170,579 114,317(97,673) (60,847)67,227 ■ 発電・原子力・新エネルギー関係工事 25,281 (16,230) (21,365)34,096 (20,347)30,813 (19,313)25,918 12,851(1,383) ■ 生活関連・一般産業関係工事 35,743 (7,836) (14,277)30,509 18,294(4,389) 26,217(987) 18,564(1,719) ■ 環境・社会施設・情報技術関係工事 20,788 (1) 18,144(35) 14,127(2,726) 21,258(572) 13,780(51) ■ その他 6,654 (2,059) 4,419(252) 5,766(558) 4,654(447) 202(17) 総合エンジニアリング事業 計 ( )内は海外分 (248,503)411,641 (332,762)508,717 (441,169)573,462 (404,114)520,835 (290,834)386,040 ■ 触媒・ファイン事業 計 39,269 42,344 35,067 29,465 ̶ 合計 450,911 551,062 608,529 550,301 ̶ (単位:百万円) 受注高 2009年3月期 2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期 2005年3月期 ■ 石油・ガス・資源開発関係工事 268,868 (268,519) 11,301(8,398) (29,889)30,288 (143,643)143,946 (32,469)32,560 ■ 石油精製関係工事 50,826 (7,716) (20,479)79,191 (27,423)89,179 (103,104)223,374 (58,123)90,266 ■ LNG関係工事 31,284 (21,963) (15,541)16,019 (13,943)14,804 (102,930)104,284 (133,502)134,731 ■ 化学関係工事 78,492 (60,685) (215,637)243,907 (21,268)61,524 (202,415)254,702 (123,524)130,832 ■ 発電・原子力・新エネルギー関係工事 20,373 (13,349) 17,756(6,153) (21,517)31,142 (37,743)44,360 12,179(6,829) ■ 生活関連・一般産業関係工事 6,759 (463) 10,441(122) (21,452)48,748 19,084(857) 23,423(770) ■ 環境・社会施設・情報技術関係工事 43,376 (1) 19,234(15) 20,077(118) 13,198(130) 15,023(̶) ■ その他 6,153 (1,493) 4,498(247) 5,580(470) 4,698(442) (112)337 計 ( )内は海外分 (374,193)506,135 (266,596)402,352 (136,084)301,347 (591,268)807,649 (355,332)439,355 (単位:百万円) 受注残高 2009年3月期 2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期 2005年3月期 ■ 石油・ガス・資源開発関係工事 255,692 (255,411) (35,362)38,128 (103,131)103,294 (210,886)211,055 (226,283)226,355 ■ 石油精製関係工事 111,069 (22,599) 150,081(51,065) 204,138(81,418) (122,115)245,098 137,032(94,104) ■ LNG関係工事 45,636 (36,931) (50,594)50,612 (127,988)128,195 (186,906)187,541 (127,771)127,816 ■ 化学関係工事 237,639 (219,622) (261,032)304,917 (130,426)187,487 (252,103)296,522 (135,764)141,629 ■ 発電・原子力・新エネルギー関係工事 28,686 (22,936) (25,817)33,594 (42,411)51,336 (41,362)51,127 (21,794)31,548 ■ 生活関連・一般産業関係工事 8,956 (1,310) 37,939(8,683) (18,690)53,894 22,296(466) 28,589(165) ■ 環境・社会施設・情報技術関係工事 38,996 (0) 16,408(̶) 15,864(20) 10,035(2,630) 21,095(3,071) ■ その他 643 (25) 1,144(590) 468(5) 670(95) 144(95) 計 ( )内は海外分 (558,837)727,321 (433,147)632,827 (504,092)744,679 1,024,348(816,565) (609,052)714,214(億円) 2005 2006 2007 2008 2009 0 2,000 4,000 6,000 8,000 0 3,000 6,000 9,000 2005 2006 2007 2008 (億円) 2009 0 2,000 4,000 8,000 12,000 10,000 6,000 (億円)
地域別業績ハイライト
(連結ベース。2005年3月期のみ個別ベース) (単位:百万円) 売上高 2009年3月期 2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期 2005年3月期 ■ 日本 163,138 175,952 132,297 116,721 95,206 ■ アジア 64,730 95,128 84,425 79,851 76,308 ■ 中東 175,392 212,916 322,437 276,059 120,367 ■ アフリカ 7,068 21,494 32,695 43,455 84,475 ■ 北米・中南米 76 1,289 1,479 4,594 2,795 ■ その他 1,234 1,937 127 151 6,884 総合エンジニアリング事業 計 411,641 508,717 573,462 520,835 386,040 ■ 触媒・ファイン事業 計 39,269 42,344 35,067 29,465 ̶ 合計 450,911 551,062 608,529 550,301 ̶ (単位:百万円) 受注残高 2009年3月期 2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期 2005年3月期 ■ 日本 168,483 199,679 240,587 207,783 105,161 ■ アジア 28,678 79,082 157,214 176,837 150,705 ■ 中東 463,155 338,897 323,251 589,509 373,965 ■ アフリカ 42,665 2,125 19,191 47,480 78,219 ■ 北米・中南米 9,264 9,256 710 1,708 5,658 ■ その他 15,074 3,787 3,724 1,030 498 計 727,321 632,827 744,679 1,024,348 714,214 (単位:百万円) 受注高 2009年3月期 2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期 2005年3月期 ■ 日本 131,942 135,753 165,269 216,381 84,022 ■ アジア 14,327 15,181 63,951 99,366 123,780 ■ 中東 299,650 232,030 60,103 479,298 160,510 ■ アフリカ 47,609 7,556 9,095 11,312 60,628 ■ 北米・中南米 85 9,830 481 607 9,001 ■ その他 12,521 1,999 2,445 682 1,406 計 506,135 402,352 301,347 807,649 439,355主要プロジェクト(
2008
年度)
産業区分名称 顧客 プロジェクト 建設地 受注 石油・ガス・資源開発関係工事 アルジェリア国営炭化水素公社 原油・ガス処理設備 ルードヌース/アルジェリア サウジアラビア国営石油会社 原油処理設備向け付帯設備 マニファ/サウジアラビア LNG関係工事 INPEX Browse社 LNGプラント基本設計役務 ダーウィン/オーストラリア 生活関連・一般産業関係工事 トーアエイヨー(株) 医薬品関連設備 福島 環境・社会施設・情報技術関係工事 (株)メディカルマネジメント松沢 病院施設 東京 新潟医療生活協同組合 病院施設 新潟 進行中 石油・ガス・資源開発関係工事 ペトロパース社 天然ガス処理プラント バンダル・アサルイエ/イラン 石油精製関係工事 シンガポール・リファイニング社 石油精製関連プラント ジュロン島/シンガポール ペトロベトナム社 石油精製プラント ズンクワット/ベトナム LNG関係工事 イエメンLNG社 LNGプラント バルハーフ/イエメン BPベラウ社 LNGプラント パプア/インドネシア 化学関係工事 サウジ・ポリマー社 石油化学プラント アルジュベイル/サウジアラビア 発電・原子力・新エネルギー関係工事 カタール・シェルGTL社 GTLプラント ラスラファン/カタール 日本原燃(株) 原子力関連施設試運転役務 青森 完成 石油・ガス・資源開発関係工事 サウジアラビア国営石油会社 NGL回収プラント ハウイヤ/サウジアラビア 石油精製関係工事 富士石油(株) 石油精製関連プラント 千葉 化学関係工事 ラービグ・リファイニング・アンド・ ペトロケミカル・カンパニー 石油精製・石油化学統合プラント ラービグ/サウジアラビア ジュベイルシェブロンフィリップス社 石油化学プラント アルジュベイル/サウジアラビア エスアイグループシンガポール社 化学プラント ジュロン島/シンガポール 発電・原子力・新エネルギー関係工事 燃料DME製造(株) DME製造プラント 新潟 生活関連・一般産業関係工事 コーラル・ベイ・ニッケル社 ニッケル製錬プラント増設 パラワン島/フィリピン (株)カナエ 医薬品関連設備 兵庫 旭硝子(株) バイオプラント 千葉 環境・社会施設・情報技術関係工事 サンデン(株) 研究所 群馬 (医)至仁会 病院施設 埼玉 (医)清良会 病院施設 兵庫 マルホ(株) 研究所改造 京都主要受注リスト
2005
年度
分野* 顧客 プロジェクト 建設地 完成時期 OGD サウジアラビア国営石油会社 NGL回収プラント ハウイヤ/サウジアラビア 2008 PET ペトロベトナム社 石油精製プラント ズンクワット/ベトナム 2009 PET 富士石油(株) 石油精製関連プラント 千葉 2008 PET 新日本石油精製(株) 石油精製関連プラント 宮城 2008 PET コスモエンジニアリング(株) 石油精製関連プラント 香川 2007 LNG イエメンLNG社 LNGプラント バルハーフ/イエメン 2009 CHM ラービグ・リファイニング・アンド・ペトロケミカル・カンパニー 石油精製・石油化学統合プラント ラービグ/サウジアラビア 2008 CHM 日本ポリウレタン工業(株) 石油化学プラント 山口 2007 PWR カタール・シェルGTL社 GTLプラント ラスラファン/カタール LIV ヤマハ発動機(株) 微細藻類生産工場 静岡 2006 LIV 富士製薬工業(株) 医薬品製造設備増強・改造 富山 20062006
年度
分野* 顧客 プロジェクト 建設地 完成時期 PET シンガポール・リファイニング社 石油精製関連プラント ジュロン島/シンガポール 2009 PWR 燃料DME製造(株) DME製造プラント 新潟 2008 LIV コーラル・ベイ・ニッケル社 ニッケル製錬プラント増設 パラワン島/フィリピン 2009 LIV (株)カナエ 医薬品関連設備 兵庫 2008 LIV デンカ生研(株) 医薬品製造設備 新潟 2007 LIV 旭硝子(株) バイオプラント 千葉 2008 ENV (財)磐城済世会 病院施設 福島 2009 ENV (医)宏和会 病院施設 静岡 20082007
年度
分野* 顧客 プロジェクト 建設地 完成時期 CHM サウジ・ポリマー社 石油化学プラント アルジュベイル/サウジアラビア 2011 ENV サンデン(株) 研究所 群馬 2008 ENV (医)至仁会 病院施設 埼玉 2009 ENV (医)清良会 病院施設 兵庫 2009 ENV マルホ(株) 研究所改造 京都 2008 *〔分野〕 OGD:石油・ガス・資源開発関係工事 PET: 石油精製関係工事 LNG: LNG関係工事 CHM:化学関係工事 PWR:発電・原子力・新エネルギー関係工事 LIV: 生活関連・一般産業関係工事 ENV: 環境・社会施設・情報技術関係工事Growth underpinned by our
technoloGical capabilities
成長を支える技術力
技術紹介
今、環境問題の一つとして水質汚染が世界的な課題となっています。日揮は、水質汚染に苦しんでいる国々の要望に応 えるため、エンジニアリング技術を適用した新規ビジネスの一環として、水質浄化ビジネスに取り組んでいます。 中でも中国は急激な経済成長に伴って水質汚染が深刻化しており、その対策が急務となっています。日揮は湖沼の水質 汚染が急速に進んでいる中国江蘇省太湖で水質浄化試験を実施しました。 この試験は、太湖の中でも最も汚染が進んでいる江蘇省無錫市で実施し、日本のベンチャー企業が開発したオゾンを用 いる技術を利用して、水域全体の浄化を総合的に解決するための基礎データを取得しました。 試験の結果、1
ヵ月で最低ランクであった試験域の水質を飲料水源として取水可能なレベルにまで浄化することに成功し ました。 日揮は太湖の水質汚染に対して、 ■水質の浄化 ■汚染物の再資源化 ■自然浄化能力の回復 を実施し、水域全体の浄化を総合的に解決することを目指しています。 今後、日揮技術研究所での要素技術試験、中国の現地調査、中国現地での実規模装置を用いた浄化試験などから得られ たデータ、ノウハウをもとにエンジニアリングを実施していきます。 このようなエンジニアリング会社ならではの取り組みに日中政府関係者からの注目も大きく、2008
年11
月28
日、日中両 政府にて共催された「第3
回日中省エネルギー・環境総合フォーラム」で、調印プロジェクトとして認められました。 日揮は、中国 能投 公司(中国唯一の国家クラスの省エネルギー・環境専門投資会社)をパートナーに、中国における 水質浄化ビジネスを推し進め、地球環境保全に貢献していきます。エンジニアリング技術を湖沼などの水質改善へ
水質浄化試験フロー
再資源化 透視度6cm程度 浄化開始1ヵ月後の試験域 浄化開始前の試験域 (約20,000m3) 透視度1.25m以上 汚染水の処理 汚染物の回収 浄化水、高濃度酸素水に よる自然浄化能力の回復 水質浄化装置 水質浄化装置Our engineering activities cOntribute tO
preserving the envirOnment
エンジニアリングは、本質的に環境保全に寄与する活動である
社会貢献・環境活動
石油・天然ガスなどのエネルギー関連プラントのEPC
(設 計・機材調達・建設工事)事業を行うエンジニアリングは、事 業そのものが環境保全ときわめて密接な関係にあります。 日揮は1960
年代以降、エンジニアリングコントラクター の立場で石油製品のクリーン化、プラントの省エネルギー 化、廃棄物の無害化など、環境問題に取り組んできました。 事業活動そのものが、環境保全に寄与する活動であるとい う認識は今も変わりはなく、それは日揮の企業理念に象徴 的に表されています。 日揮はEPC
事業以外の新たな事業分野である投資事業 においてもCDM
(排出権取引)事業を立ち上げるなど、環 境保全に寄与する活動はさらに広範囲に広がっています。 いかにして環境負荷の少ないプラントを顧客に提供して いくかという活動も、日揮の環境経営を構成する重要な要 素です。プラントのEPC
事業の各過程で様々な工夫や改善 が試みられ、顧客から高い評価を得ています。 こうしたEPC
事業を遂行するホームオフィスや建設工事 現場における環境負荷低減活動は、日揮の環境経営を支え る基盤といえます。ホームオフィスにおけるCO
2削減や建設 工事現場における廃棄物の削減やリサイクルは年々成果が 上がっています。 環境保全に関する企業活動 天然ガスや石油などエネルギー関連プラントプロジェクト の遂行や、新燃料の開発、排出権ビジネスの推進など、日揮 の事業活動は地球環境の保全と密接に関わっています。日 揮は、これらの事業活動を通じて、環境負荷の低減に積極 的に取り組んでいます。 ■天然ガスの有効利用 天然ガスは石油や石炭などと比較してエネルギー効率が高 いだけでなく、硫黄、窒素、メタル成分を含まず、燃焼時のCO2 排出量も少ないため、環境にやさしいクリーンな燃料として利 用が急速に拡大しています。当社はLNG(液化天然ガス)プラ ントの建設プロジェクトを世界各地で遂行しているほか、天然 ガスを原料としてクリーンな合成油を製造するGTLプラントを 世界で初めて建設するなど、クリーン燃料天然ガスの利用拡 大に貢献しています。また、天然ガスのさらなる用途拡大を目 指し、DME(ジメチルエーテル)の製造・用途技術や合成ガス 製造技術の開発にも取り組んでいます。 ■化石燃料のクリーン化 環境負荷の大きい石油などのクリーン化は、日揮の環境保 全に密着した事業活動の中でも大きなテーマの一つです。石 油燃料のサルファーフリー化に対応するプラント建設や原油 中に含まれる有害物質の除去技術の開発など、多様な事業活 動を展開しています。 ■廃棄物処理 人々の活動に伴い、様々な廃棄物が発生します。廃棄物中に は、生物が生きていくうえで有害な物質や、再利用可能な物資 が含まれている場合があります。有害な物質を放置すれば、環 境への負荷が増加します。日揮は、廃棄物の環境影響を抑制す べく、放射性廃棄物の処理技術の開発、放射性廃棄物処分に関 わる基礎データの採取、および下水処理の過程で発生する汚泥 の処理技術などの開発に努めています。 ■温暖化ガス削減への貢献 地球温暖化問題は、国際社会が取り組まなければならない 急務の課題です。日揮は多くのエネルギープラントの建設や技 術開発を通じて、長年にわたって蓄積した技術・ノウハウをもと に地球温暖化ガス削減に向けた活動を推進しています。環境保全活動
プロジェクト遂行における環境保全活動 日揮の環境マネジメントシステムは、建設および運転時を 含めたプロジェクト全体の環境影響を考慮して、プロジェク ト遂行における環境マネジメントに重点が置かれています。 特に、プラントの基本仕様を決定する設計段階において適 切なマネジメントシステムを策定し、適用することに留意し ています。 設計段階での環境保全 ̶環境マネジメントプランの作成と実施̶ プロジェクト遂行の設計段階における環境マネジメントシ ステムとは、個々のプロジェクト特有の環境のもとで、運転 時に環境に影響を与えると予測される問題点を取り上げ、 設計段階からその影響を低減する対策をとるためのもので す。そして、それによってプロジェクト全体の業務の中で環 境項目を明確にし、各専門エンジニアがシステマティックに 適切な対応をとることが可能となります。 設計段階における環境マネジメントシステムの内容は、 「環境マネジメントプラン」として文書に記述され、環境に 配慮したプロジェクト遂行(設計、建設、運転)が可能となる ようにまとめられており、次の項目を含んでいます。
1.
プロジェクト環境方針2.
プロジェクトにおける環境関連業務の組織、責任3.
環境に影響を与える業務の内容4.
環境関連業務の監査 「環境マネジメントプラン」では、プラントの建設時、運転 時のみならず、20
∼30
年後にプラントが解体・廃棄される状 況も想定して、設計上で環境に影響のある物体や物質(ア スベストやフロンなど)の使用について禁止するよう言及す ることもあります。 設計段階の環境マネジメントプランが立案されると、各設 計部門のプロジェクト担当者を集めてミーティングが開催さ れ、その内容やプロジェクト固有の注意点が伝えられます。 その後担当者からプロジェクトチーム全員に浸透が図られ、 環境に配慮したプロジェクトの遂行が行われます。 建設現場での環境保全 日揮はこれまでも顧客の要求に基づき、建設工事におけ る環境配慮を行ってきました。環境マネジメントシステムが、 顧客要求のレベル差、個人の経験、勘に左右されず、かたよ りがなく全てを網羅し体系化された手法であることから、現 在、建設工事に環境マネジメントシステムを導入して環境配 慮を強化しています。 そして、次の点に重点を置いています。1.
建設工事に係る環境法規を特定することにより、法規 コンプライアンスの徹底を図る。2.
顧客満足度の向上と、利害関係者とのコミュニケーシ ョンの強化を図る。3.
緊急事態を想定し、準備、対応することにより「環境災 害の最小化」および「環境リスク管理」を図る。 国内外の建設現場では、次の手順で建設工事の環境マネ ジメント活動を展開しています。1.
環境側面の特定2.
環境目的・目標の設定3.
建設工事環境管理計画書の作成4.
環境教育・訓練5.
緊急事態対応手順の定期的テストの実施6.
監視測定7.
月例報告 建設現場をパトロールする竹内会長この事業は、神奈川県の水源地域の森林を健康で活力あ る状態に保ち、次世代へ引き継ごうとするものであり、当社 は「水源林パートナー」として、森林の整備費を寄付すると ともに、森林づくりに必要な活動を行うものです。 また、日揮は、社会貢献活動の一環として、財団法人日揮・ 実吉奨学会と財団法人日揮社会福祉財団を設立し、支援し ています。 (財)日揮・実吉奨学会は、日揮の創業者、実吉雅郎(さね よしまさお)氏の遺贈によって設立され、理工系学科専攻の 日本人大学生・大学院生への奨学金貸与、海外からの留学 生への奨学金給与、若手研究員への研究費助成を主な事業 として活動しています。