CF 会計 と FCF 会計
上 野 清
Abstract
ThepurposeofthispaperistocontrastCFandFCFaccountingand toexplainthecharacteristicsandlogicofFCFaccounting.Theconclu‑
sionsareasfollows:(1)thepurposeofFCFaccountingistocalculate CFthatcanbedistributedtoinvestors.Thisiscalculatedbytheoperaト ingandfinancingapproach.(2)FCFaccountingistheonethatinclude anitem peculiartoeachactivityasaconstituentfactorineachclassifi‑ cationofoperating,investing,andfinancingactivities.(3)OnFCFac‑ counting,ineachclassificationofactivities,acorporationtaxisap‑
propriatelytakenintoconsideration,anddeductioniscarriedout.Asa result,peculiarCFiscalculatedineachactivityclassification.There‑ fore,itcanbesaidthatFCFaccountinglSrationalaccountingsystem thatrecognlZeallcalculationitemsincludingacorporationtaxapproprl‑ atelyineachactivityclassificationforthepurposeofCFcalculationthat canbedistributedtoinvestors.
Keywords:cashflow,freecashflow,NOPAT,operatingandfinanc‑ 1ngapproach
Ⅰ
は じ め に
周知のように,わが国では,キャッシ ュ ・フロー
(CF,cash flow)会計 の実践は
1998年 ( 平成
10年)
3月に企業会計審議会 より公表 された 「 連結キ ャッシ ュ ・フロー計算書等の作成規準の設定に関する意見書」 よって始まっ た。そ こでは明言 されていないが,
CF会計は従来の会計システムの問題点 を超克すべ く,それを補完するもの として制度化 された。
従来の発生主義会計は,大 きく分けて
2つの問題点を有 している。その
1つは,会計方法の多様性であ り,それが最 も明確 に現れるのは棚卸資産会計
および固定資産会計 における原価配分問題である。そこでは,同一の経済現
象に対 して複数の会計数字が生 じ, これによって,企業業績評価 とりわけ企
業間比較が困難 となる。
そ して,他の
1つはいわゆる黒字倒産問題である。従来の発生主義会計で は利益が計上 されているにもかかわ らず,債権の不良化等により資金不足の ために倒産 してしまうという問題である。 これにより,利益に加えて現金管 理の必要性が重視され,さらに,企業の現金創造能力および支払能力を把握
することの必要性が重視 されることとなった。
CF
会計は発生主義会計に比 して一意的で確実であ り,企業の現金創造能 力および支払能力の把握 を可能にし, ここに
,CFおよび
CF会計の重要性 および存在意義があるということがで きる。
この
CF会計は財務会計の領域において展開されてきたものであるが,近 午,管理会計およびファイナンスの領域において 「フ リー ・キ ャッシュ ・フ ロー
」(FCF,freecashflow)会計が重要になって きている。後述するよう に
,FCFは,営業活動 による
CFか ら運転資本の増加額 と設備等への投資 額を控除 したものであ り,株主や債権者等の投資者の側か ら見れば,彼 らに 帰属する利用可能な
CFである。換言すれば
,FCFとは,投資者 に自由に 分配できる
CFである。
米国では
,FCF分析は
1980年代 に測定の基準 とな り,企業 もし くは戦略 的事業単位を評価するための主要な方法であ り続けている。特に,企業買収, ジ ョイン ト ・ベンチ ャー,投資撤退お よび新製品開発の ように,戦略的な意 思決定を評価するのに
FCFモデルが多 く用い られている。かつては,企業 価値の主要な ドライバー として稼得利益のみが利用 されていたが,今 日,樵 主価値 を創造するべ く企業を経営す るために,
FCFに対する関心が高まっ ている。
この ように
,CF会計 と
FCF会計は近年非常に重要 となって きているの
であるが,両者の関係が必ずしも明 らかではない。現在の ところ,両者は別
々に展開されてお り,関係づけ られていないために,会計実践だけが先行 し,
両者の機能,特質および論理が理論的に解明されていないように思われる。
そこで,これ らを解明 し, とりわけ
FCF会計の特質 と論理を明 らかにする ことが,本稿の課題である。
これ らの ことを念頭 におき,本稿は以下の ことを論 じる。
(1)
まず
,CF会計の概要を説明し,具体的な数値例に基づいて
CF計算
書を作成する。その場合
,CF会計の概要に関 しては,主 としてわが国 の
CF会計制度を説明し,具体例に関 しては, 日本公認会計士協会の設 例を利用する。
(2)
次に
,FCF会計の概要を説 明 し,やは り具体的な数値例 に基づいて
FCF
計算書を作成する。その場合
,CF会計 と関係づけるために
,CF会計において用いた同じ設例を用いて
FCF会計を計算する。
(3)
これによって,両者の会計が明 らか となるので,両会計を対比 しなが ら主 として
FCF会計の特質 と論理を主要な論点に絞 って解明する。そ の論点 とは,会計 日的,表示区分および法人税等の処理である。
(4)
最後 に, これ らを受けて,
FCF会計の合理性 と論拠 を改めて確認す る。
Ⅱ c F会 計
わが国の 「 企業会計審議会」は1
998年 ( 平成
10年)
3月1
3日付けで 「 連結 キャッシュ .フロー計算書等の作成基準の設定に関する意見書」を公表 し, 平成
11 年
4月
1日以後 に開始する事業年度か ら,企業は従来の損益計算書お よび貸借対照表に加えて
,CF計算書を作成 しなければな らな くなった
。CF会計を理解するために,本節では主 としてこの意見書を取 り上げ,その概要 を説明することとする。
1 CF
会計の概要
意見書では
,CF計算書の具体的な作成方法は 「 連結キ ャッシ ュ ・フロー
計算書等の作成基準」 において規定 されているが,そこではまず
,CF計算
書の利用 目的が規定 されていない。 この利用 目的が規定 されていない ところ に,意見書の特徴 がある1 ) 0
意見書 における資金の範囲は現金お よび現金同等物であ り,現金 とは手許 現金および要求払預金であ り,現金 同等物 とは容易 に換金可能であ り,かつ 価値の変動 について僅少な リスクしか負わない短期投資である ( 第二,‑) 0
この現金 同等物 には,例 えば,取得 日か ら満期 日または償還 日までの期 日が
3か月以 内の短期投資であ る定期預金,譲渡性預金, コマーシ ャル ・ペー
パー,売戻 し条件付現先,公社債投資信託が含 まれる ( 注解
2) 0
意見書は,
CF計算書を営業活動,投資活動および財務活動 に区分 して表 示すべ きである としている ( 第二,二
1)。営業活動 による
CFの区分 には, 営業損益計算の対象 となった取引のほか,投資活動 および財務活動以外の取 引による
CFが記載 され 例 えば,次の ような ものが記載 される ( 注解
3) 0
(1)
商品および役務の販売 による収入
(2)商品および役務の購入 による支 出
(3)従業員および役員に対する報酬の支出
(4)災害による保険金の収入
(5)
損害賠償金の支払い
投資活動 による
CFの区分 には,固定資産の取得お よび売却,現金同等物 に含 まれない短期投資の取得 および売却等 による
CFが記載 され,例えば, 次の ような ものが記載 される ( 注解 4)0
( 1 ) 有形固定資産 および無形固定資産の取得による支出
(2)有形固定資産 および無形固定資産の売却 による収入
(3)
有価証券 ( 現金同等物 を除 く)および投資有価証券の取得 による支出
(4)有価証券 ( 現金同等物 を除 く)お よび投資有価証券の売却 による収入
(5)貸付けによる支出
(6)
貸付金の回収 による収入
財務活動 による
CFの区分 には,資金の調達および返済 による
CFが記載
され 例えば,次のようなものが記載 される ( 注解
5) 0 ( 1 ) 株式の発行による収入
(2)
自己株式の取得 による支出
(3)配当金の支払い
(4)
社債の発行および借入れによる収入
(5)
社債の償還および借入金の返済による支出
法人税等の表示区分 に関 して,法人税等 に係 る
CFは,営業活動 による
CFの区分に記載 される ( 第二,二
2) 。また,利息および配当金 に係 る
CFは,次のいずれかの方法 により記載 され ( 第二,二
3),選択適用が認め ら れている。
(1)
受取利息,受取配当金および支払利息は営業活動による
CFの区分に 記載 し,支払配当金は財務活動 による
CFの区分に記載する方法
(2)
受取利息および受取配当金は投資活動 による
CFの区分に記載 し,支 払利息および支払配当金は財務活動 による
CFの区分に記載する方法 最後 に,営業活動 による
CFの表示方法に関 して,意見書は直接法または 間接法のいずれかの方法により表示 しなければな らない として,両者の選択 適用を認めている ( 第三,‑) 。 ここで,直接法 とは,営業活動 に関係する
CFを各収入および支 出の総額で示 し,これ らの差額 として,正味の営業活 動による
CFを計算する方法である。 これに対 して,間接法 とは,損益計算 書で算定された純利益か ら出発 し, これに
CFを伴わない項 目を調整 して営 業活動 による
CFを計算する方法である
2)0
2 CF 会計の計算
これによって,CF 会計の概要が明 らか となったので,次に具体的な数値
例に基づいて
CF計算書を作成 してみ よう。その場合, 日本公認会計士協会
から公表された 「 実務指針」の個別財務諸表 に関する設例にしたがって,説
明する。
2‑ 1 会計資料
日本公認 会 計士 協会 の設例 にお け る甲社 (会 計期 間 :Ⅹ8年 4月 1日〜
Ⅹ9年 3
月
31日)の貸借対照表 お よび損益計算書は表 1の とお りである。表 1 貸借対照表および損益計算書
貸 借 対 照 表 損益計算書及 び剰 余金計算書 期 首 期 末 増 減
現 金 及 び 預 金
1,310 1,025 (285)売 上 南
30,650受 取 手 形
300 300 0売 上 原 価
(13,000)売
掛 金
1,200 1,800 600売 上 総 利 益
17,650貸 倒 引 当 金
(100 )
(100 )0 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 (14,360)
有 . 価 証 券
1,010 1,770 760 受 取 利 息 及 び 配 当 金
800
棚 卸 資 産
1,950 1,000 (950)支 払 利 息 及 び 割 引 料
(400)
未 収 利 息 0
100 100 為 替 差 損
(10)有 形 固 定 資 産
1,910 3,755 1,845社 債 発 行 差 金 償 却 日
直減 価 償 却 累 計 額 (
1,060) (
1,450) (390)固 定 資 産 除 却 損
(20)子
会社 株 式
400 1,070 670税 引 前 当 期 純 利 益
3,650社 債 発 行 差 金 0 40 40 法 剰 配 役 剰 当 余 余 期 人 員 金 金 純 当 ‑ ‑ 税 賞 利 期 期 首 等 益 金 与 末
(2,050)
資 産 合 計
6,920 9,310 2,390 1,600買 封 金
1,590 1,540 (50)( ( (
1,11,1,,
(302798008500)
000)))短 期 借 入 金
100 200 100未 払 金
200 200 0未 払 法 人 税 等
1,000 850 (150 ) 未 払 消 費 税 等
100 150 50未 払 利 息
100 230 130売 上 原 価 の 内 訳 社 債 0 800 800 棚 卸 資 産 ‑ 期 首
長 期 借 入 金
400 550 150仕 入
(12,050)フ ァイナンス .リース債務 0 860 860 棚 卸 資 産 ‑ 期 末
1,000
退 職 給 付 引 当 金
300 350 50経 販 人
売費 件 の 内 訳 草 費
(1((3,4,9,053103000))) 割引 手 形
300 100 (200)負 債 合 計
4,090 5,830 1,740資 本 金
1,450 1,700 250利 益 剰 余 金
1,380 1,780 400退 職 給 付 引 当 金 繰 入 額 減 価 償 却 費
(14,(43(756000)))資 本 合 計
2,830 3,480 650CF計算書を作成するための追加情報は次の とお りである。
(1)
当期中に退職金 を
20円支払い ( 全額引当金取崩 し)
,70円を退職給付 引当金に繰 り入れた。
(2)
株式発行により
250円,長期借入金によって
250円を資金調達 した。当 期の長期借入金の返済額は
100円である。
(3)Ⅹ8
年
4月
1日に額面
800円の社債 を
750円で発行 した。差額は社債発 行差金に計上 し,当期に
10円を償却 した。
(4)
受取手形の うち一部を割引 してお り,割引手形勘定は割引いた手形の うち満期 日が到来 していないものである。なお,割引手形については両 建表示 している。
(5)
受取配当金は
200円であ り,未収はなかった。
(6)
支払利息及び割引料には,借入金の支払利息および割引手形に係 る割 引料が含まれている。
(7)
当期中に機械をファイナンス ・リースで取得 し,有形固定資産勘定 と ファイナンス ・リース債務勘定 に
950円を計上 した。ファイナンス ・リー ス債務の当期中の支払額 は
90円 ( 利息相当額部分 を区分計算 していな い。)である。 この他に
975円で有形固定資産を取得 しているが,未払は ない。
(8)
取得原価
80円,減価償却累計額
60円の有形固定資産を除却 した。
(9) Ⅹ8
年
10月
1日に乙社の発行済株式の
80%を
590円で取得 した。 また,
Ⅹ9
年
3月31 日に乙社の増資に応 じ
,80円の株式を追加取得 した。なお, この追加取得によっても持分比率
80%に変化はない。
(10)
当期末に,外貨預金について為替差損が
10円発生 した。
( l l ) 期首および期末における預金勘定には,それぞれ 1年未満の定期預金 が
200円含まれている。
(1g)
当期中の法人税等の支払額は,前期奉の未払法人税等の
1,100円およ
び中間納付額
1,100円である。
(13) 消費税等の会計処理は,税抜方式を採用 してお り,期首お よび期末に は,仮受消費税等 と仮払消費税等 を相殺 して未払消費税等に計上 してい る。
(14 消費税等の中間納付はなかった.
(15) 前期の利益処分 については,未払 はなかった.
(16) 当期中の有価証券の取得は760円で,売却はなかった。
2‑2
直 接 法以上の会計資料か ら,直接法によるCF計算書を作成するために精算表を 作成す ると,表
2
の ようになる。なお, ここでは,利息及び配当金の受取額 および利息の支払額は営業活動 に区分表示 され 配当金の支払額 は財務活動 に区分表示 されている。表2 精 算 表 (直接法)
貸 借 対 照 表 正 味 増 減 修 正 記 入
C F資 産 借 方 貸 方 借 方 貸 方 支 出 収 入
現 金 及 び 預 金
受 取 手 形
売 掛 金
貸 倒 引 当 金
有 価 証 券
棚 卸 資 産
未 収 利 息
761006000 329108590 (500(1b8)1) 9,15100((((
11C5)
67))) 7861
20600
500有 形 固 定 資 産
減 価 償 却 累 計 額
子 会 社 株 式
1,864750ei
(8))
48500 ((7)
((879))) 96975675000社 債 発 行 差 金
145500.0e3 )
100(
8(13
@g)
) 1455000負 債 及 び 資 本 金
未 払 消 費 税 等
未 払 利 息
社 債
長 期 借 入 金 ファイナンス ・リース債務 退 職 給 付 引 当 金
割
引 手 形
資 本 金
利 益
剰余 金
0000005305651818
合 計
損 益 計 算 書
売 上 尚
売 上 原 価
販売費及び一般管理費
受 取 利 息 及 び 配 当金 支 払 利 息 及 び 割 引料
為 替 差 損
社 債 発 行 差 金 償 却 固 定 資 産 除 却 損
法 人 税 等
当 期 純 利
益13,000 14,360
800
合 計
キャッシュ・フロー計算書
Ⅰ 営業活動 に よるキ ャッシ ュ ・フロー 営業収 入
商 品の仕 入支 出 人件費 の支 出 その他 の営業支 出 利息及 び配 当金 の受取額 利息の支払額
法人税等 の支払額
営業活動 に よるキ ャッシ ュ ・フロー
合
計
Ⅱ 投資活動 に よるキ ャッシ ュ ・フロー 定期預金 の預 入 に よる支 出
000
0
005305671828銅何回何S
侶
(2) 250 (a)1,600
( 1
930,650(5) 800
(18)12,100 (19)4,750 620)9,260
(6) 270 (1母 2,200
(
1 i )
20000002012
)、αり、切り2(′q‑nT
(16)13,000
( 1 )
70 (19)4,530 CH])9,310帥
450(6) 400
(10) 10 (3) 10
(8 ) 20
(1g12,050 (a)1,600
(1う29,850
(5) 700
定期預金の払戻による収入 ( 1 6 )
760 (¢1i3)) 210000 760 2,420005有価証券の取得による支出
投資有価証券の取得による支出
(9) 670 670有形固定資産の取得 による支出
(((727))) 91709500 975投資活動によるキャッシュ .フロー
合
計
2,605 2,605Ⅲ 財務活動によるキ ャッシュ .フロー
10090100
短期借入金の増加額
長期借入れによる収入
((23)) 275500 275500長期借入金の返済による支出
社債の発行による収入
株式の発行による収入
((b2))1,215100 250ファイナンス .リース債務の返済による支出
配当金の支払額
¢((1C勿 1,0)) 0802l0O5 1,000財務活動によるキ ャッシュ .フロー
160令
, 計
1,350 1,350Ⅳ
現金及び現金同等物に係る換算差額
10 1,110Ⅴ 現金及び現金同等物の増加額
287525Ⅵ 現金及び現金同等物期首残高
Ⅶ 現金及び現金同等物期末残高
この精算表では,修正記入欄 における番号の( 1 )〜
(16)は上記の追加情報 に対応 している。 さ らに, (
17)は営業収入を把握 するための修正であ り,
(18)は商品の仕入支出を把握するための修正である。
(19)は人件費の支出に 関する修正であ り
, (20)はその他の営業支出を把握するための修正であ り,
(21 )は減価償却費の修正である
。(22)は配当金の支払額 に関する修正であ り,
(23)は短期借入金の増加額 に関する修正である。
そ して,この精算表に基づいて,次のような
CF計算書が作成 されること
になる。
キ ャッシュ ・フロー計算書
Ⅰ
営業活動 によるキ ャッシ ュ ・フロー 営業収入
商品の仕入支 出 人件費の支出 その他の営業支出 利息及び配当金の受取額 利息の支払額
法人税等の支払額
営業活動 によるキ ャッシ ュ ・フロー
Ⅱ 投資活動 によるキ ャッシュ ・フロー 定期預金の預入による支 出
定期預金の払戻 による収入 有価証券の取得による支 出 投資有価証券の取得による支出 有形固定資産の取得による支出 投資活動 によるキ ャッシ ュ ・フロー
Ⅲ
財務活動 によるキャッシ ュ ・フロー 短期借入金の増加額
長期借入れによる収入
長期借入金の返済 による支出 社債の発行による収入
株式の発行による収入
ファイナンス ・リース債務の返済 による支出 配当金の支払額
財務活動 によるキ ャッシ ュ ・フロー
Ⅳ
現金及び現金同等物 に係 る換算差額
Ⅴ
現金及び現金同等物の増加額
Ⅵ
現金及び現金同等物期首残高
Ⅶ 現金及び現金同等物期末残高
29,850
‑12,100
‑4,750
‑9,260 700
‑270
‑2,200 1,970
‑ 2
00200
‑ 7 60
‑ 6 70
‑ 9 75
‑ 2, 4 05
100 250
‑100 750 250
‑90
‑
1,0002‑3
間 接 法
次は間接法であるが,同じ資料か ら間接法による
CF計算書を作成するた めにまず精算表を作成すると,表 3の ようになる。
表3 精 算 表 (間接法)
貸 借 対 照 表 正 味 増 減 修 正 記 入 C
F現 金 及 び 預 金
受 取 手 形
売 掛 金
貸 倒 引 当 金
有 価 証 券
棚 未 卸 収 資 利 産 息
671060000 29381118505905350000000(
((((((((l111b)
8632*79g))))) 2))1,981411585053051000000000(((
(11
C566))
)) 867120605000有 形 固 定 資 産 減 価 償 却 累 計 額
子 会 社 株 式
1,864750 ((((7789)))) 99675675000社 債 発 行 差 金
2104550000 ((((1l239頚))) 1145050000負 債 及 び 資 本 金
買 掛 金
短 未 未 払 法 人 税 等 未 払 消 費 税 等 未 期 払 借 払 利 入 金 金 息
社 債
長 期 借 入 金
ファイナンス .リース債務 退 職 給 付 引 当 金
割引 手 形
資 本 金
利 益 剰 余 金
82450650000((((72a1))) 2)3,6955550000(((Ceo1274g0)))))2,1,20200500900000キャッシュ・フロー計算書
Ⅰ 営業活動 に よるキ ャ ッシ ュ ・フロー 税金 等調整前 当期純利益
減価償却費
退職給付 引 当金の増加額 受取 利息及 び受取配 当金 支払利息
為替差損
社債 発行差金償却 有形 固定資産 除却損 売上債権 の増加額 棚卸 資産 の減少額 仕入債務 の減少額 未払 消費税等の増加額 割引手形 の減少額 役員 賞与 の支払額 利息及び配 当金 の受取額 利息 の支払額
法人税等 の支払額
営業活動 に よるキ ャッシ ュ ・フロー
合
計
Ⅱ
投資活動 に よるキ ャ ッシ ュ ・フロー 定期 預金 の預 入 に よる支 出
定期 預金 の払戻 に よる収入 有価証券 の取得 に よる支 出 投資 有価証券 の取得 に よる支 出 有形 固定資産 の取得 に よる支 出
投 資活動 に よるキ ャ ッシ ュ ・フロー
合 計
Ⅲ
財務活動 に よるキ ャ ッシ ュ ・フ ロー 短期借入金 の増加額
長期借入 れ に よる収入 長期借入金 の返済 に よる支 出 社債 の発行 に よる収入 株式 の発行 に よる収入
ファイナンス ・リース債務の返済による支出 配 当金の支払額
財務活動 に よるキ ャ ッシ ュ ・フロー
合
計
㈹
㈹
伸銅
何個 00000500622 000506772769州㈹州.い 00559d仙川YJeq・・‖リ‖リ 000005551272
胸
囲何回32800 60500 200 200 270
2,1,290700 3,9764402550555110000000000 6,290 6,290
200 760 670
975 2,240005 2,605 2,605
10900
1,010600 127205550000
Ⅳ
現金及び現金 同等物 に係 る換算差額
((lCO)) 82105( b)
1,1101
0 1,110Ⅴ 現金及び現金 同等物 の増加額
287255Ⅵ 現金及び現金 同等物期首残高
Ⅶ 現金及び現金 同等物期末残高
この精算表では,営業活動 による
CFにおいて税金等調整前当期純利益 か ら始まっていることに特徴がある。ここで も,修正記入欄 における番号の ( 1 )
〜(
16)は前述の追加情報 に対応 してお り,さらに,
(17)は減価償却費の修正 である。 また,
(18)は資産の増減に関する修正であ り,
(19)は負債の増減 に 関する修正であ り
,(20)は利益処分に関する修正である。
そ して, この精算表 に基づいて,次の ような間接法 における
CF計算書が 作成 され ることになる。
キ ャッシ ュ ・フ ロー計算書
Ⅰ
営業活動 に よるキ ャッシ ュ ・フロー 税金等調整前 当期純利益
減価償却費
退職給与引 当金の増加額 受取利 息及 び受取配 当金 支払利 息
為替差損
社債発行差金償却 有形 固定資産除却損 売上債権 の増加額 棚卸資産 の減少額 仕 入債務 の減少額 未払 消費税 等の増加額 割引手形 の減少額 役員賞与 の支払額
小 計
利息及 び配 当金の受取額
3,650 450 50
‑800 400 10 10
20
‑600 950
‑50 50
‑200
‑200
3,740 700
利息の支払額 法人税等の支払額
営業活動 によるキ ャッシ ュ ・フロー
Il投資活動 によるキ ャッシ ュ .フロー
定期預金の預入による支 出 定期預金の払戻 による収入 有価証券の取得による支 出 投資有価証券の取得に よる支出 有形固定資産の取得による支出 投資活動 によるキ ャッシ ュ ・フロー
Ⅲ
財務活動 によるキ ャッシ ュ ・フロー 短期借入金の増加額
長期借入れによる収入
長期借入金の返済 による支出 社債の発行 による収入
株式の発行 による収入
‑270
‑2,200 1,970
‑ 2
00200
‑ 760
‑ 6 70
‑
975
‑ 2 , 4 05
100 250
‑100 750 250
ファイナンス ・リース債務の返済 による支出
‑90配当金の支払額
財務活動 によるキ ャッシ ュ ・フロー
Ⅳ
現金及び現金 同等物 に係 る換算差額
Ⅴ
現金及び現金同等物の増加額
Ⅵ
現金及び現金同等物期首残高
Ⅶ 現金及び現金同等物期末残高
Ⅲ FCF会 計
前節 において CF会計 について述べたので,本節では本稿の もう 1つの主 題であるFCF会計 について述べることとする。FCFは近年の会計において 非常に重要であ り,その概略的な意味は,株主や債権者等の投資者 に自由に 分配で きる CFであ ることは前述 した ところであ るが,FCF会計を本格的 に考察す るに際 して,FCFを改めて厳密 に定義 してお く必要 がある。そ こ で,FCF会計の概要 を説 明す るに当た って, この ことか ら考察 を始めるこ
とにしよう。
1
FCF会計の概要既述の ように
,FCFは,営業活動 による
CFか ら運転資本の増加額 と設 備等への投資額を控除 したものであ り,株主や債権者等の投資者の側から見 れば,彼 らに帰属す る利用可能な
CFである。 これをさらに厳密に定義する な らば,
FCFは
2つの方法で定義す ることができ,両者の額は当然一致す ることになる。その 2つの方法 とは, 事業アプローチ と財務アプローチである。
事業アプローチは事業活動 に着 日し
,FCFを税引後営業利益
(NOPAT,
netoperatingprofitaftertax)3)か ら純投資額を控除 した もの と定義する。 こ の純投資額 とは投下資本の増加額であ り,具体的には,運転資本の増加額お よび設備投資額であ る
。NOPATに減価償却費を加えたものが営業
CF( グ ロス
CF)であ り,純投資額に減価償却費を加えた ものが総投資額であるの で
,FCFは通常次の ように表 される
(Copeland,RollerandMurrin[2000] p.168:邦訳
195頁) 0
FCF‑NOPAT
一純投資額
‑ [NOPAT+
減価償却費
]‑[ 純投資額 +減価償却費]
‑営業
CF一総投資額 =)
財務アプローチは株主および債権者 との財務活動 に着 目し,
FCFを株主 および債権者の双方 に帰属する
CFと定義する。 これは,具体的には,支払 利息,支払配当金,新規借入金,借入金返済,増資,受取利息,余剰有価証 券等の増減額 となる。 したがって,
FCFは一般に次のように表 される。
FCF
‑税引後支払利息 +借入金等の減少額 ‑借入金等の増加額 +支払配当金 一税引後受取利息 +余剰有価証券の増加額
一余剰有価証券の減少額
(2)事業アプローチお よび財務アプローチに基づいて算定 される
FCFは当然
一致 す る。 そ して,FCF計算書は これ らに基づ いて作成 され るこ とにな る。
その場 合, この計算書は通常 の形式 とは異 な り,後述す るように,営業活動 お よび投資活動 に よるCFか ら投資者 に分配可能 な CFを計算 し,その支払 額 お よび調達源泉 として,財務活動 に よるCFを計算 す る とい う形式 を とる。
2 FCF会計の計算
これ に よって,FCFの意味お よび FCF会計 の概 要 が明 らか とな ったので, 次 に,具体的 な数値例 に よって FCF会計 の計算 を行 ってみ よう。その場合, 使用 す る数値 例 として,CF会計 と対比 す る意味 で,前節 で用 いたの と同 じ 設例 を使用 して FCF会計の計算 を行 うこ ととす る。 したが って,いまあ る 企業の貸借対照表 お よび損益計算書 が表 1の とお りであ る としよう。
これ らの損益計算書 お よび貸借対照表 に基 づ いて,FCFを計算 しなけれ ばな らないが,そのため には,まず税 引後 営業利益 (NOPAT)を計算 す る 必要 があ る4)。 そ して, これを行 ったのが表
4
であ る。 ここでは,それは事 業 アプ ローチお よび財務 アプローチで計算 されてお り,両者 の計算結果 は当 然一致 してい る。 なお,NOPATを計算 す る際の実効税率 は40%と仮定 して い る。表 4 NOPAT
事 業 ア プ ロ ー チ 財 務 ア プ ロ ー チ
税 引 前 営 業 利 益 3,290 当
期 純
利 益 1,600 税引前営業利益に対する税金 (1,906)税 引 後 支 払 利 息 240 N O P A T 1,384 税 引 後 為 替 差 損 6 税引前営業利益に対する税金計算 税 引後 社 債 発 行 差 金償 却 6納
税引
当 金支払 利 息 に対 す る節税 額 2,015600 税 引 後 固 定 資 産 除 却 損投資者 に分配可能な総利益 1,86124
為 替 差 損 に対 す る節税 額 社債発行差金償却に対する節税額固定資産除却損に対する節税額
受 取 利 息 に 対 す る 税 金 (320448)税 引 後 受 取 利 息 (480)