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清 水 市 の 市 民 所 得 と 地 域 経 済 循 環

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(1)

清水市の市民所得と地域経済循環

序節一︑

二︑三︑

H

H 地域所得概念をめぐる理論的諸問題地域経済循環の表式化と地域所得勘定の位置清水市・市民所得の試算と分析

推計方法と試算結果

分析

序節

本稿の目的は︑H地域所得概念と地域所得勘定が現実の地域経済過程のいかなる局面を把握しているかという問題を理

論的に考察し︑地域所得勘定に固有の意義と限界をまず整理すること︒国右の考察を踏まえた上で︑現行市民所得概念と

勘定にもとづいて︑静岡県下第三の人口・工業製品出荷額を有する清水市の市民所得を推計し︑その概括的特徴とともに

特に所得流通を媒介とする経済循環の姿を明確にすること︑この二点である︒

この第日の分析の際の視角については︑第日の地域所得勘定の有する意義の検討の結論を先どりすることになるが︑予

清水市の市民所得と地域経済循環

(2)

清水市の市民所得と地域経済循環

め説明を加えておこう︒

静岡県下の臨海港湾工業都市としての清水市の経済構造の特徴として従来指摘されてきた一つの重要な側面は︑造船・

製材・合板・缶詰・アルミ精練・石油等の市内主要諸産業のおのおのが︑地域経済内部において﹁産業間に達磨が薄い﹂・

3

という点であった︒

︵引例1︶ ﹁清水港臨海地帯への企業立地が本格化したのは︑大正九年︑島崎町に約二二haの埋立が完成した以後のことで︑大正

年間に︑食用油︑製材業︑昭和初期には︑缶詰︑合板などが立地している︒これら業種は︑関連企業の集積を必要とする業種ではな

く︑自己完結型の産業であった︒

こうした傾向は昭和十二年以降始った︑アルミ精練︑石油︑造船︑自動車部品︑一般機械等の重化学工業化の中にもみられる︒例

えば︑アルミ︑石油産業は原材料搬入用の専用岸壁とそれに隣接する用地の確保ができれば︑装置産業であるため外部経済との関わ

りは少なくて済む︒造船は組立産業ではあるが︑エンジン︑機器等の部品は︑他地域から供給され︑生産現場では︑船体︑蟻装部門

が主力となるため︑関連企業の専門技術に依存するところが少ない︒また自動車部品︑一般機械等の分野でも︑ヘッドランプ︑事業

商用空調機︑冷凍機等の特殊なもので︑主要部品の他地域への依存度が高く︑地域内での作業は板金プレス︑組立加工が主力となっ

このような産業特性により︑工業出荷蘭の割には雇用効果が少い上︑関連分野の裾野が狭く︑技術的な波及効果が薄くなってお

り︑産業間︑企業蘭町連携がほとんどないという問題を含んでいる︒﹂<静岡県産業構造懇談会﹃静岡県の産業構造ビジョン﹄昭和五

十四年三月︑一五二ページ︶

︵引例2︶同様の結論は︑清水商工会議所・清水市・静岡県中小企業総合指導センター﹃清水地域産業関連調査報告書﹄ ︵昭和五十

︵引例3︶また山本茂氏の研究によれば︑本来︑﹁総合組立工業としてじつに広汎な関連産業を有しており︑いわば産業諸部門の個

別的発展のうえにハそれを総括する地位に存立してい空はずの造船業は︑海水市の場合︑広範に発達した下請工場を擁する京浜地

区のそれと違ってY′﹁下請工業の未発達の故に︑ほんらいならば下請発注によって生産費の低下をはかるべき部品を造船所内の工場

で自ら製作せざるをえない︑すなわち部品工場を自ら包摂し︑生産体系を造船所内で完結させるという意味での自己完結的﹂性格と

(3)

同時に︑下請受注能力を質量ともに超える部分の﹁地域外依存翫︶を指摘されているが︑部品生産の主要な部分は︑前述の引例の如

しかし︑今回の構造的不況の経験が教えたことは︑市内諸産業の﹁関連﹂が︑予想を超えて大きく︑かつ上述の市内基

幹諸産業の動向が︑所得流通を媒介として市内第三次産業などに及ぼす影響も多大であったという点である︒換言すれ

ば︑地域経済における産業の関連を見る場合には︑第二次産業中心の生産過程の社会的分業とそれを基警する市場連関

を把握するだけでなく︑所得流通を媒介とする︑より広範な市内全産業の連関構造を把握する必要が生じていること︑こ

清水市の市民所得の算定と分析は︑市民所得分析の有する一般的意義に加えて︑

こうした市内経済循環の構造︑産業間

︵l︶清水市の市民所得については︑一九六〇・一九六三年と︑完七〇〜七二年の五年について過去に推計されたことがある︒清水

調 調

本稿の試算は︑完六〇〜完七六年の十七年間について新しく算定したものである︒︵2︶清水市は一九七五年の総理府喜勢翌報告で静岡県下で浜松市︵人口四七万人弱︶静岡市︵四五万人弱︶に次ぎ二四万人強

の都市である︒また同じ完七五年の通産省三業統計−によれば︑静岡県内の製造品出荷警総慧兆二四七二億円のうち︑富

︵3︶静岡県産業構造懇談会富岡県の産業構造ビジョン二九七九年三月︑三二ページ︒

︵4︶山本茂﹁清水地区における造船業の下請利用﹂還理学評論宗四一巻五号︑一突八年︒三〇ページ︒

5

清水市の市民所得と地域経済循環

(4)

清水市の市民所得と地域経済循環

︵7︶不況に苦吟する地域経済分析にとって︑地域所得統計︑地域産業連関表等︑国民経済計算体系の﹁地域版﹂をなす諸統計が︑い

かなる役割を果たしうるか︑という問題は︑国民経済計算論の応用研究の一つの重なテーマである︒地域産業連関表を用いて・

公共投資の型︵生活基盤充実型か産業基盤整備型か︶の相違が︑地域内の生産効果や雇用効果にどのように影響するかという問題

もそのーつである︒宮本憲二木下滋・土居英二・保母武彦﹁公共事業投資はこれでよいのか﹂r週刊エコノ︑︑︑スト=九七九年

一地域所得概念をめぐる理論的諸問題

本節では清水市の具体的な市民所得の試算と分析に先だって︑その前提となる地域所得概念・地域所得勘定をめぐる批

判的研究の現状を整理し︑吟味してみよう︒

地域所得統計の作成目的は︑県レベルの所得統計=県民所得統計の標準的な方式を定式化した経済企画庁﹃県民所得の

新標準方式﹄ ︵昭和四五年二月︶によれば︑次のように述べられている︒﹁県民所得統計は︑県民所得の生産︑分配︑支

出の各面や経済主体間における所得の循環をは握し︑県経済の実態を包括的に明らかにして︑県自体の財政経済施策の樹

立に資することをおもな目的とし︑あわせて国民経済における県民経済の位置を示し︑さらに県民経済相互間の比較を可

能ならしめることによって︑国民経済の地域的分析と地域開発施策の樹立にも役だたせようとするものである︒﹂

現在︑県民所得統計は︑国民所得統計の新SNA方式への移行に伴い︑新SNA方式の概念に則った勘定形式への移行

の時期を迎えているが︑現在の県民所得統計を規定している基礎概念=地域所得概念についていえば︑この昭和四五年

﹃県民所得の新標準方式﹄によれば︑次のように規定されている︒

(5)

第1表 県民所得の表章形式 1.主要系列表

(1)産業別県内純生産

清水市の市民所得と地域経済循環 1.農 2.林 3.水 4.鉱 5.建 6.製

(狩猟業を含む。)

産   業 設   業 造   業

(日本標準産業分類の中分類ど おり分類する。)

7.卸 売・小 売 業 8.金融・保険・不動産業 9.運   輸   業 10.通   信   業 11.電気・ガス・水道業

12.サ ー ビ ス 業

13.公       務

県内純生産(要素費用表示)

陪)県民所得の分配 1.雇用者所得

a.賃 金・俸 給

b.その他の給与および手当 C.社会保険料雇主負担 2.個人業主所得

a.農林水産業 b.そ  の  他 3.個人の財産所得

a.賃  貸  料 b.利     子 d.配     当

4.法人企業から個人への移転 5.法人税および税外負担 6.法 人 留 保

7.財政の事業所得および財産所得 a.国公営企業剰余

b.賃貸料,利子および配当 8.(控除)一般財政負債利子 9.(控除)消費者負債利子

県 民 所 得

(参考)法 人 所 得

(3)県民総支出 1.個人消費支出

(1)家計消費支出 a.飲  食 b.被  服 C.光  熱 d.住  居

a

地 代

(b)そ  の  他 e.雑     費

(2)民間非営利団体の消費支出 2.財政の財貨サービス経常購入

(1)国出先機関 担)都 道 府 県

(3)市  町  村 3.県内総資本形成

(1)総固定資本形成 a.民

住企

1 1

住企

a   b

((、)一

業般

設 備 財 政

(2)在庫品増加 a.民 間 企 業 b.財政による企業 4.移     出 5.(控除)移 入 6.統計上の不突合

県内総支出(市場価格表示)

7.県外からの純所得

県民総支出(市場価格表示)

(出所)「県民所得の新標準方式」

昭和45年2月(経済企画経 済研究所国民所得部編)

(6)

﹁県民所得とは︑一定期間︵通常一か年︶において︑県居住者の生産活動により︑新たに生産された純生産物︵最終生産物︶

値の貨幣評価額であり︑それはまたこの生産に参加した諸要素の所得となり・次いで消費または投資などに支出されるもの

至言窟

この県民所得概念にもとづいて︑県民所得統計では︑所得の生産・分配・支出の三面が具体的に把握されるわけである

︵第1表︶︒地域所得統計は︑この県民所得統計だけでなく︑市・町・村民所得統計も少なからず作成され︑冒頭に記した

目的に沿った多面的な利用がなされている︒

他方︑地域経済の現実過程に即して地域所得分析の前進をはかる立場から︑現行地域所得概念︑地域所得統計が内包す

る問題点について批判的に考察を加えた研究は︑川上正道︑開弥三郎︑石倉一噂の各氏によって行なわれてきた︒

国民所得概念に準じて規定されている地域所得概念・所得勘定は︑内容上︑①国民所得概念および勘定形式それ自体に

包摂されている問題点︑および④﹁県﹂ ﹁市﹂などの特定の地理的行政単位を範囲とする上で生じる固有の問題点︑に区

分される︒川上正道氏の場合︑その著書﹃市町村民所得−推計と利用よの中で強調されている︑﹁あらゆるサービス﹂

=生産説︑擬制計算=生産説への疑念は︑①に含められるべき問題点である︒

④に区分される問題点を包括的にとりあげられた数少い研究は石倉氏の論稿﹁地域経済研究の一方法−県民所得統計の

批判的考察−﹂である︒石倉氏は次のように立論される︒

﹁国について国民所得がある様に︑地方自治体毎にそれぞれの地域別所得があると︑簡単に考えてよいものか︑又考えうるとして果

してその通り計算し得るものなのか︑更に︑国民所得と全く同−の推計様式で算出される地域別所得は︑前者が国の経済の分析に対

して有すると全く同じ意義や効果を︑地域の経済分析に対して持つものか︑これらについては︑一応理論的反省が求められるべきで

はあるまいか︒ことにそれが多分に人為的な−というのは︑経済活動の範囲の自然的拡大の結果として形成される﹁経済圏﹂とは必

ずしも壷しない︑という意味であるー地方行政区画を単位として推計されていることにより︑一層その感を深くする︒﹂

1 0

m

石倉氏はアイザードを引例されながら︑地域経済の現実過程=﹁地域経済に自立性の薄いこと﹂を根拠に︑右に引用し

(7)

た立論に沿って︑次の三つの領域に区分しうる諸問題を列挙されている︒

第一︒現実の地域経済の活動は︑生産過程・流通過程において広範な地域的分業︵工場内分業︑社会的分業の双方につ

いて︶と市場の交錯を前提としているが︑これを完の狭い行政単位で区切り︑そこに国民所得概念と同様に地域所得概

石倉氏の挙げられる具体的墓例は︑の一企業において本社︵事務所︶と工場︵作業現場︶が別々の県にある場合︑所

得の発生=生産所得を地理的にどのように帰属させるか︒抑水産業の生産所得である純生産を水揚港の県にするか︑漁船

の根拠地にするか︒桝現実の作業現場がいくつかの県にまたがることの多い産業︵1木工事業と交通業など︶の純生産の

第二︒概念上の問題とは別に︑推計にあたって地域統計の欠除から結果に特有の歪みが生ずる問票︒

この例としては︑留三次産業の生産所得=純生産の推計は︑多くが分配所得の組みかえにより求められており︑属地

主義で把えるべき生産局面の発生所得=﹁県内純生産﹂が︑属人主義︵分配所得の基準︶になる点を修正する上での困

難︒㈱分配所得推計の最も大きな問鷺としての︑雇用者所得における県際通勤者の問題︒すなわち第=表に示した分配

所得の哀目である雇用者所得は︑属人主義︵雇用者の場合︑県内で雇用されている者ではなく︑県内に常住する雇用

者を対象にその受取所得を把握する︶を原則とするから︑二鱒的に行なわれている次の推計方法

では︑他府県k通勤する県内常住労働者の賃金が当該県より高い︵低い︶場合︑歪みが生じる︑という問題である︒

上述した開弥三郎氏の研究は︑近畿各府県kついてこの点をとりあげられ︑詳細に具体的に修正計算されたものであ

清水市の市民所得と地域経済循環 る︒七五

(8)

清水市の市民所得と地域経済循環      七六

更にこの推計上の問題群には︑㈲個人財産所得が資料の制約上︑属人主義で貫かれているとはいえない︑等︑関氏も指

摘される問題が存在している︒

第三の領域の問題群は︑地域所得の流通を示す生産・分配・支出の三面のバランス問題に対する考え方に関するもので

﹃県民所得の新標準方式﹄を例にとれば︑所得の生産面と支出面を県内主義︵属地主義︶で︑分配面を県民主義︵属人

主義︶ で把握すること︑および生産面と分配面を要素費用で表示し︑支出面を市場価格で表示する︑とされているから︑

︵要素費用表示の︶  ︵要素費用表示の︶

となり﹁県外からの純所得﹂だけ︑生産と分配は相違する︒また第一表制のように県民総支出は︑市場価格で表示される

県内総生産に県外からの純所得を加えた県民総生産に対応するから︑

・︵要素費用表示の︶       ︵市場価格表示の︶

1

であり︑県民総支出︵支出面の所得︶は︑この県内純生産に資本減耗引当を加え︑更に県外からの純所得を加えたもの︑

すなわち

となる関係が成立する︒

石倉氏が指摘される問題は︑﹃新標準方式﹄で分配局面の所得の企業利潤部分の項目である法人留保と国営事業剰余金

が事業所主義︵工場所在地=属地主義︶ で計算されることとなったことに対し︑﹁分配所得の属人主義の立前からすれ

ば︑従来の本社︵国営事業ではこれに相当するもの︶主義の方が︑生産と分配のアンバランスは大きくなるが筋はむしろ

通っているのではないか﹂という点である︒﹁地方の事業現場の労働者の生産した利潤部分が︑中央に吸上げられて行く

(9)

事実を赤裸々に示すことこそ必要なのではあるまいか︒﹂と石倉氏は提起される︒

以上︑地域所得概念と勘定に固有の三つの領域の問題群は︑それぞれ石倉氏の先に引例した立論に沿うならば︑地域所

得概念それ自体の成立=存在問題︵第一の問題群︶1その統計的把握の可能性と現実性︵第二の問題群︶1所得循濃の表

現形式とその客観的意味︵第三の問題群︶というように特徴づけられるが︑特に理論問題として重要な第言第三の問題

群に対しては︑前者は価値生産的労働の範囲とその地域的分散配置の問題として︑地域所得概念の成立それ自体について

科学的対置概念の存在を認められ︑後者は先に引例した如く︑アンバランスもむしろ地域経済の客観過程をよりよく表示

するという︑形式的バランス主義に対する客観主義の見解を表明されているように思われる︒即ち︑第一の問題群の中で

特に重要なのの事例=所得の発生において本社と事業所が別々の県にある場合の問題については次のように考えておられ

るのである︒

﹁価値の生産はすべて工場その他の生産の現場で行われるとの見解もあるが︑本社︑事務所の機能の中でも︑物質的生産に真に不可

欠な部分は︑価値生産的と考える方が至当であろう︒︵後略︶﹂

工場内分業と社会的分業を質的に区別するものは生産物の商品としての定在である︒工場内分業は地域的に分散し た作

業場で行なわれうるし︑また行なわれる︒それぞれの地域別作業場における所得の発生は︑この工場内分業における等質

の価値形成労働の地域別配置の問題として考えうるという石倉氏の推論は妥当であろう︒資本の運動の一般的範式

G I W 巧

P

W

I G

に照らして言えば︑生産過程Pが本社と工場の場合について二つ以1の行政区域にまたがっていると考えてよいと私にも

思われる︒ただ︑地域別の所得発生=地域所得概念の成立をめぐっては︑このSの事例の場合のように生産過程Pが場所

清水市の市民所得と地域経済循環

(10)

清水市の市民所得と地域経済循環七八

的固定性をもつのに対して︑生産過程Pそれ自体が二つ以上の行政区単位にまたがる空間的移動を目的とする場合︵運輸

業︶︑あるいは直接的な生産過程Pそのものが︑いずれの行政区的地域区分にも属さず︑資本Gあるいは労働者Aの属人的

区分と︑地域的に生産過程の最初と最後の過程しか明確でない場合︵漁業︶など︑困難な問題は生ずる︒

しかしいずれにせよ︑石倉氏の三つの立論に対する氏の解答が︑現行概念の科学的経済理論に即した検討の余地を残し

ているとはいえ︑地域所得概念の成立=地域所得の客観的存在を承認され︑所得循環の客観的過程もそれなりに把握され

ぅるとすれば︑石倉氏が︑先に引例した如く強調している﹁地域経済に自立性の薄いこと﹂は︑どのように考えれば良い

のだろうか︒石倉氏は言われる︒

﹁処で彼︵アイザード︶の指摘する如く・妄︵地域経済︶が開放経済なるに反し・他方︵国民経済︶が閉鎖経済だということ

は︑地域経済は国民経済に比し自給度がはるかに低く︑後者のようにある程度自己完結的な経済循環をするものではない︑というこ

︵17︶

﹁かくて地域相互の経済交流は先述の如く複雑であり︑かつアイザードもいう様にある意味では地域経済に対し大きな影響力を持

っが︑また高からいえば︑それにおける自立性の欠如の故に︑その相互の経済交流の複雑な入り繰みを強いて解明する意義は却っ

︵18︶て薄い︑ということにもなる︒﹂

ここで前提になっている石倉氏の経済循環の自己完結性あるいは自立性は︑人為的な地理的行政区画と対立する自然発

生的な﹁経済圏﹂あるいは﹁経済地帯﹂とも表現されているが︑この場合想定されている内容は︑先の地域別に分散する

工場内分業と同時に社会的分業を基礎とする購買G−W︑販売Wlぐの交踏する市場圏だと考えられる︒芸で所得の地

域毎の発生=生産と分配︑その支出という地域所得の循環を︑基本的には想定され︑その客観的・科学的把握を肯定され

ながら︑他方で﹁自立性の欠如の故に︑その相互の経済交流の複雑な入り繰みを強いて解明する意義は却って薄い﹂と言

ゎれる場合1この後者は︑地域毎に存在する所得循環︵もちろん第三の問題群の検討としてとりあげた課題は残っている

(11)

が︶とは別の問題について述べられているように思われる︒この点は︑石倉氏が強調されるのとは逆に︑地域所得勘定に

固有の問題というよりはむしろそれが準拠する国民所得勘定それ自体に内在する問題であると思われる︒

後藤文治氏が﹁県民所得統計の推計実施そのものは︑既述のように︑戦後の初期に始まる長い歴史をもっているが︑そ

の利用面における実績は︑実質的にみて著しく立ち遅れているのが実状である︒﹂と述べられる時︑確かに石倉氏が念頭

におかれている地域経済の客観的過程=広範な地域的・社会的分業と市場圏の交錯=﹁地域経済の自立性の欠如﹂という

現実と所得循雪の関連をどうとらえるか︑という問題の理論的反省が少くとも地域所得分析の前提的問題として存在し

ているように思われる︒この問題を節を改めて検討してみよう︒

TT甘言で注

\J )  )  )  )

経済企画庁経済研究所国民所得部編﹃県民所得の新標準方式﹄︑昭和四五年二月︒

un it ed Na ti On S AS ys Ie O fN aI i Ac c

S

3

(   (   (

同右

後藤文治川上正道

関弥三郎石倉一郎

﹃市町村民所得−推計と利用1﹄農林統計協会︑昭和三七年四月︒﹁県外からの勤労所得による県民所得統計の補正﹂︑芸命館経済学﹄竿四巻二号︑昭和四十年六月︒﹁地域経済研究の一方法−県民所得統計の批判的考察1﹂・静岡大学人文学部﹃法経琶竿八巻四号︑昭和四十五

例えば︑山田書志夫亘産と国民所得の理論吉本評論社︑完六七年︒川上正道−国民所得論﹄新日本出版社︑完七三年︒

( ( ( ( (

121ト10 9 8

) ) )、J )

石倉氏︑五一〜五二ページ︒

w J s a r d e t h O d s O f R e g i O n a

A n a

y s i s a n I n

r O d u c

i O n

O R e g i

S c i e C e

清水市の市民所得と地域経済循療 七九

(12)

19181716151413

)   )   )   )   )   )   )

清水市の市民所得と地域経済循環八〇

マルクス

マルクス

後藤文治

L

L

同右︑五四ページ

同右︑五五ページ

二 地域経済循環の表式化と地域所得勘定の位置

特定の地域の資本主義的商品生産は︑直接的生産過程Pの前後に︑生産手段訝購買?露とおよび労働力商品Aの購

買GIA︑生産した商品Wの販売Wlぐという二種類の流通過程を︑即ち市場を前提する︒これら市場の状態は︑資本の

切実な関心事であると同様に︑G−A市場=雇用市場に対して︑地域労働者はまた切実な関心をもたざるを得ない︒

原材料など生産手段をどこから仕入れ︑生産した商品をどこに販売しているか︑という諸商品の地域間取引の構造は︑

現実には極めて複雑に錯綜しており︑特定の地域内部での自己完結性︑自立性は︑地域的地理的範囲が限定されればされ

るほど︑あるいは歴史的に社会的分業と商品流通が発展すればする程︑失なわれてゆく︒

地域相互間の諸商品の複雑に交錯する取引︵地域経済の自立性の欠如︶と︑所得の生産・分配・支出の流れ︵所得循環︶

の関連を考えるにあたって︑国際市場を前提しない閉鎖経済における両者の関連をまず第2表で検討しよう︒

単純再生産表式における所得循環は図示する如く︑生産局面では産業別の純生産=価値生産物の形態をとる︒産業部門

はこの場合︑二つであるから︑生産手段生産部門︵産業Ⅰ︶の生産所得は商品形態で︵一〇〇〇Ⅴ十一〇〇〇m=︶二〇

軒 .. k   r

(13)

第2表 単純再生産表式と所得の三面

生産局面の所得→価値生産物=「付加価龍」

を鹿妻別に表示

産業Ⅰ 2000

+)産業H lO00 計  卸00

=6000W

■−●●■■■  r

王1000m

1000V ト

十:500m

500V;

生産手段生産部門 Ⅰ  4000C  +

一−−■芦

L…「−iLT一一一J

労働者所得 資本家所得

〔労賃=1500〕〔剰余価値三1500〕

分配局面の所得

(芸芸諾別の鮪)

計 卸叫

消醐ⅠIf

支出局面の所得

(個人的消費鋤00)

(注)拡大再生産の場合 蓄積=「投資」が

入る。

○○︑消費手段生産部門︵産業Ⅱ︶ の生産所得は同じく商品形態で ︵五〇〇Ⅴ+五〇〇m

=︶一〇〇〇︑合計三〇〇〇である︒

分配所得は経済主体別の受取貨幣所得を示し︑図示するように労働者の賃金一五〇〇十

資本家の所得=剰余価値一五〇〇︑合計三〇〇〇である︒再生産表式における総商品資本

を出発=帰結点とする資本の循環︑商品資本の実現と転態の理論が示すように︑生産所得

を表現する産業別の価値生産物は︑それが販売され︑実現され︑貨幣形態での資本となっ

て︑各経済主体に分配される訳ではないことは注意を要する︒そうなるためには商品が実

現されるための貨幣の存在が必要となる︒この貨幣の存在は︑資本家が流通過程に投入す

る二種類の貨幣︑即ち前貸貨幣資本︵最も単純な場合では︑産業Ⅰでは︹四〇〇〇C十一

〇〇〇Ⅴ=︺五〇〇〇︑産業Ⅱでは︹二〇〇〇C+五〇〇Ⅴ=︺二五〇〇のそれ︶および

新たに生産された価値生産物のうち剰余価値m部分の実現に必要な貨幣=資本家が自らの

個人的消費のために支出し︑流通に投じる︹一〇〇〇m+五〇〇m=︺一五〇〇の貨幣︑

を前提とする︒

労働者の分配所得Ⅴは︑労働者が生産した商品の実現によってはじめて支払われるので

なく︑資本が生産のために必要な労働力商品の購入によって支払われるのに対し︑資本家

の分配所得mはまた特有の流通様式をもつ︒その源泉は︑自らが購入した労働力商品の使

用¶労働者の労働による商品形態での剰余価値部分であるとしても︑他方で貨幣形態での

所得分配に至るまでには︑それに先立ってこの商品形態での剰余価値部分を実現させるベ

清水市の市民所得と地域経済循環

(14)

清水市の市民所得と地域経済循環 八二 き貨幣を︑個人的消費のために流通界へ投入︵﹁支出﹂︶しなければならない︒

時間的経過と連続的な資本の回転は所得の生産・分配・支出を︑−連の連続的な所得の流通あるいは循環として現象さ

せるのであるが︑前節にも示した資本の運動=一範的範式に即した流通様式の認識は重要である︒

ともあれ︑第2表のように︑結果的には所得の三面は価値的に対応しているとしても︑我々の関心事である生産過程P

の前後に存在する二つの市場=流通過程︵GIW︑Ⅴ上巳と所得循環の関係についてみれば︑所得の三面のうち貨幣形

態での分配所得を除く生産面と支出面の所得=商品構成は︑全く相異なる定在であることに留意が必要である︒

生産され︑発生した所得︵産業Ⅰの二〇〇〇と産業Ⅱの一〇〇〇︶は商品形態であるがこのうち産業Ⅰの純生産物二〇

〇〇は現物形態では生産財であり︑消費手段生産部門=産業Ⅱの中間財として産業Ⅱの資本家に販売される︒生産手段生

産部門で発生した生産所得部分の商品は︑現物形態としてはこのように収入あるいは貨幣分配所得と交換されることなく︑

直接に資本と交換される︒これに対して消費手段生産部門︵産業Ⅱ︶で生産され︑商品形態をとっている所得は︑上述し

た如く言では資本家が労働者に支払う賃金=労働者の所得・他方では資本家の個人的消費のための貨幣支出と交換され

従って︑一方では生産され︑発生した商品形態での所得=純生産物は︑一部が貨幣形態での分配所得と交換されるので

あるが残りの部分は分配所得とは全く交換されることなく販売され︑他方ではこの後者の価値額に対応する顔だけの商品

︵産業Ⅱの二〇〇〇C︶が分配所得と交換される︒換言すれば︑前節第二表に示した形式の所得の生産・分配・支出の三

面について・いまこれを閉鎖経済における所得の価値的三面等価を前提にしたとしても︑貨幣形態で表現される分配所得

勘定の前後の勘定=生産面と支出面に登場する商品群は︑一部︵産業Ⅱの純生産物五〇〇Ⅴ十五〇〇m=一〇〇〇︶が双

方に登場するとはいえ・蒜︵産業Ⅰ︑生産手段生産部門の純生産物︶は支出面で退場し︑代りにこの支出面では産業Ⅱ

(15)

第3表 拡大再生産表式の地域別分割と地域内・地域間補填

2√)

li 1000C  + 250V

(::∴ノ≡i)

し2恕〕

+125.鵬 +100M¢ + 25mv−15肋W′i25打

=ヲ

=1500W

彩/

2.5dVi 22.511▼i 12.5111i

l12.5t止i

+ 750V  + 375mk  + 300mc  + 75mv

7.5m▼0

67.5wo

㌫√ 亡3鮒W/i

l.51Ⅳi

J

45m▼  =ガ∞W■○

37.5血。し.75耽。

337.511止0225hC○

1∝船Ⅴ + 500mk + 400me +l00mY  6㈱▼

7紬Ⅴ + 00Omk + 100me + 50m▼ ニ3㈱▼■

70 6m打 /∂つ 二

75V +  00mk + 10m6 +

57li(呵

40mk  +  00血e  +

軒(憲‥…)\J‥…も

⁝上も

5

声′巨悠

芸大再生霊 鳥:慧

嶋嶋内I m  はk

: (措…)

塊蝿外 9    u0 1350¢

且㌫:…)

清水市の市民所得と地域経済循環 の全生産物のうちの残りの部分︵産業Ⅱの二〇〇〇︶が︑初めて登場するので

単純再生産表式に描き出される諸商品の最も単純な実現市場に対してすら︑

所得の三面勘定が以上の限定された対応関係しか持たないとすれば︑前節で石

倉氏が問題にされた地域相互間で鋒綜する商品市場に対する地域所得勘定の限

界という問題は︑むしろ商品市場の全構造を把え得ない所得勘定それ自体に内

在する限界であるとまずおさえることが基本であろう︒

しかし他方では︑所得の生産=発生︑分配︑支出は資本の継続的回転の中で

は一連の経過的﹁流通﹂様式を現実的にはもっており︑商品市場の交錯の一端

を﹁収入=所得﹂との交換を通じて︑この局面に関して照らし出している︑と

いうことも逆に可能である︒この点は︑序説と︑後節の分析視角に関連して重

この点を前提した上で︑地域相互間の商品取引の交錯した姿と︑地域所得勘

定の関連を︑第3表のように拡大再生産表式の地域分割を行って検討してみよ

う︒この場合︑地域分割に固有の前提として次の二点を想定する︒

①ある地域の第Ⅰ部門︑第Ⅱ部門の生産額の︑経済全体に占める比重はそれ

ぞれ四分の一︑十分の一であり︑生産手段生産部門の比重の高い産業構成であ

る︒

八三

(16)

第4表 地域別分割拡大再生産表式(第3表)の地域産業連関表 表示

清水市の市民所得と地域経済循環

(注)54(1)=Ⅰ(25vi+12.5mki十2.5mvi)+Ⅱ(7.5vi+6mki+0.5mvi)

246¢)=Z(75vo十37.5mko+7.5mvo)十Ⅱ(67.5vo+54mko+4.5mvo)

486(甘=t(225vi+112.5mki+22.5mvi)+Ⅱ(67.5vi+54mki十4.5mvi)

2214(4)=I(675vo+337.5一言ko十67.5mvo)十Ⅱ(607.5vo+486mko+40.5mvo)

八四

④部門内転態︑︵IC︑ⅡⅤ十m︶︑部門間

転態︵ⅠⅤ+m=ⅡCVのそれぞれについて地

域間取引は︑先の①の比率に従っておこなわれ

る︒即ち例えば地域内の労働者が購入する消費

財は地域内から十分の一︑地域外から残り十分

の九を購入する︒この比率は地域外の労働者の

場合も同様である︒また地域内の資本家が購入

する生産手段は︑地域内から四分の一︑地域外

から残り四分の三を購入する︒

逆をいえば商品の販売先は︑あらゆる商品に

ついて︑地域内︑地域外へ①の比率で売り上げ

第3表を産業連関表形式で表示したものが第

4表である︒地域産業連関表は種々な形式があ

るが︑4表は各県で多く作成されてい.る競争移

入型地域内産業連関表とはことなる︑地域間産

業連関表に近いものである︒縦列は商品生産に

必要な原材料︵産業別︑地域別の︶や労働力の

(17)

第5表 地域別分割拡大再生産表式(第3表)の所得勘定 表示

(生産)

所得=商品形態 所得=貨幣形態

(実現)

所得±商品形態

清水市の市民所得と地域経済循環

生産財産業 500

1.地域内市場へ65

‡慧霊芝芸:…;

2.地域外市場へ435

‡投資財97.5(3)原材料337.5(4)

消費財産業150

1.地域内市場へ16.5(5)

2.地域外市場へ133.5(6)

労働者賃金325 資本家剰余価値325

家計消費支出540 1.地域内産業から54(7)

2.地域外産業から486(8)

投  資  110 1.地域内産業から27.5(9)

2.地域外産業から82.5㈱

産業別純生豊650

地  域 穿篭居井惹650 地  域所 得 支

(注)・27.5(l)=25Imci+2・5Imvi(2・5Ⅱmci)〔部門Ⅰと部門Ⅱ投資〕

.37.5(2)=25Ivi+12.5Imki=37.5Ⅱci〔地域内原材料〕

.97.5(3)=75Imci(75Imco)+22.5Imvi(22・5Ⅱmco)

〔地域外部門Ⅰと部門Ⅱの投資へ〕

.337.5 )=225Ivi+112.5Imki=337.5Ⅱco〔地域外部門Ⅱ原材料〕

.16.5(5)=7.5Ⅱvi+6Ⅱmki+2.5Imci+0・5Ⅱmvi

●133.5(6)=67.5Ⅱmki+7.5Imci+4・5皿mvi

.54(7),486(8)は第4表(注)参照。54(7)=54(1),486(8)=486(3)

・27.5(9)=27.5(1)

● 82.5㈹=75Imco+7.5Ⅱmco

〔地域内部門ⅠとⅡの地域外からの投資財購入〕

購入=投入構造を︑横行は生産

された商品の用途別︑地域別︑

産業別の販路構造を示してい

る︒

先の前提に従って︑地域内の

蓄積のための追加的生産手段購

入︵投資︶もふくめて︑地域内

外の比率は一対三︑消費財購入

は一対九となって表示されるこ

とになる︒

第3表を地域所得勘定形式で

示し︑更に生産面と支出面に登

場する商品群が︑どこへ販売さ

れるか︑どこから購入されるか

を示したものが第5表である︒

第5表の所得支出勘定からみれ

ば︑この地域の住民の家計支出

八五

(18)

によって購入される商品は∵先告別提どおり地域打直業と地域外産業からそれぞれ一対九︵五四対四八六︶企業の行う投

r   l

J

1

1

d h

資によって購入される生産手段はそれぞれ一対三とな虻が︑所得の生産勘定では﹂これら由比率は変化していることに留

意が必要である︒地域内産業別生産物のうち生産手段崖産部門︵生産財産業︶の純生産物︵ヤ十h︶の販売市場は︑①消

費手段生産部門︵消費財産業︶の凰材料︵批︶あるいはこの部門の蓄積のための追加的生巌手厚︵聖④自らの産業内

の蓄積のための追加的生産手段︑であるが︑・当該地域内の産業の純生産物︵生産所得︶は︑①に対しては貨幣分配所得

︵誓禁耶︶の流通を媒介しながら︑地域内産業Ⅱと地域外産業Ⅱに対し一対九の比率で販売される︒④に対してはそ

れは前提どおり一対三であり︑この合計が︑第5表の生産勘定の生産財産業五〇〇の価値生産物の販路︵地域内市場へ六

五︑地域外市場へ四三五︶構成をなすのである︒

同様に︑消費財産業で生産された所得=価値生産物三〇の販路構成も︑初発前提の比率︵地域内へ十分の一︑地域外

へ十分の九︶とは異なっている︒これは第3表の

l

l

︵h+h︶

l   r

部分のうち︑産業Ⅰの蓄積のための追加的労働者

の雇用が地域内でより大きく︑労働者の家計支出で購入される商品は依然として初発前提どおり︑地域内より一︑地域外

より九でありながら︑相対的により多くの商品部分が地域内に販売されるわけである︵比の一〇晋内外販売比率は一対

三となる︶︒第5表の所得の生産勘定にあらわれる消費財産業の純生産物三〇の販路構成が内外一対九の比率でなく︑

やや地域内に多く売られるのは︑そのためである︒

こうして比較的単純な地域間市場取引と︑所得循環との対応をみても︑地域所得勘定は前者︑即ち商品流通の地域的構

造を限定的にしか反映しない︒石倉氏が地域所得統計の﹁限界﹂を指摘されるのも︑ある意味では至当であるかも知れな

しかし︑地域所得勘定が︑右に想定した地域間産業連関表型の経済勘定と結合されるならば︑あるいは完全な地域間産

(19)

業連関表の作成に至らなくても︑地域経済の他地域との市場連関の骨格を把握することができるならば︑地域経済の構造

と動向を貫く法則を認識する上で所得勘定のもつ意味も増すに違いない︒更に︑地域経済間の市場連関それ自体を地域所

得勘定は解像しえないとしても﹁収入=所得との交換﹂を通じる地域産業の︑市場的依存関係の一部は明るみに出しうる

可能性も︑他資料の利用により残されている︒次節では清水市の市民所得の試算にもとづいて︑本稿冒頭に述べたように

所得循環の特質と︑それを媒介とする市内産業の関連の概要を検討しよう︒

四︶地域産業連関表については例えば金子敬生r産業連関の理論と適用J︑日本評論社︑完七一年︒金子敬生・吉田稔−日本の産

J

三 清水市・市民所得の試算と分析

H 推計方法と試算結果清水市の市民所得は︑完六〇・六三年と︑完七〇〜七二淫年について推計された︒とがある︒

参照︶︒今回の試算にあたっては︑この過去の清水市の推計方法︑および愛知雫の市町村民所得推計方法︑静岡市の推

計方法の三者を検討しっつ︑第6表に掲げる推計手続きをとった︒実際の計算についてはゼミナールの学生諸君に多くを

負っており・その第一次試算結果については・静岡大学法撃会・ゼミナール連絡協議会還経論集宗十六号に掲載さ

れているが︑この段階で︑多くの方々に推計方法と試算結果を検討していただき︑指摘していただいた誤りや不十分な点

を︑可能なかぎり︑修正したものである︒従って本推計は第二次試算結果とでもいうべきものであり︑今回入手しえなか

った資料を収集し︑推計方法も再検討して最終的推計に進むべきものである︒ただ︑第7表に示したように︑試算結果

清水市の市民所得と地域経済循環

1

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参照

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