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スプリンクラの散水分布特性に関する研究(?)

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Academic year: 2021

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(1)

スプリンクラの散水分布特性に関する研究(?)

著者 太田 頼敏

雑誌名 奈良学芸大学紀要. 自然科学

10

2

ページ 167‑179

発行年 1962‑03‑26

その他のタイトル Studies on the Characteristics of Sprinkler Distribution Patterns (II)

URL http://hdl.handle.net/10105/4782

(2)

Journ. Nara Gakngei Univ., Nat.Sci., Vol. 10, No. 2, Mar., 1962

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Studies on the Characteristics of Sprinkler Distribution Patterns ( J ) Yorifcosi OTA

(Laboratory of Agricultural Engineering, Nara Gakugei Univ. )

Abstract

Making the simple model test of the full circle typed sprinkler, I found that the phen- omenon of the high distribution parts took place at right angles to the main wind direction passing through the nozzle at the wind speed of about 2~3m/sec.

In order to make this growth mechanism clear, I made a sprinkling test with a main nozzle which was the motive power of a sprinkler.

Comparatively high distribution parts grew on both sides of the main wind direction passing through the nozzle at the wind speed of lm/sec and a horseshoe-shaped equal distribution line appeared in the sprinkler distribution chart.

Besides the dent was found to be divided into two parts at right angles to the main wind direction, with the increase of the wind speed.

Considering the sprinkler distribution chart of the main and the sub nozzles, their influ- ences from the wind were proved to be canceled each other.

After all the wind was the main cause of the growth of the high distribution parts. In view of the nozzle the jet water of the main nozzle was most effected by the wind, and the important factor of the growth of the high distribution parts.

Carrying out the sprinkling test of right angle range with the part circle typed sprinkler which has never been experimented yet and especially examine the influence of the wind, I could make its characteristic clear.

Next I carried out the experiment of this sprinkler together with the full circle typed one and proved that it secured a pretty good charactor of equality even at the wind of 3m/sec as I mentioned above I studied the sprinkling characteristic of the sprinklers unlike

in the quality of jet water and the type.

I m w

(3)

いて各種の知見を得たので今回はそれに引きつづいて濃密部発生機構の解明を行ない、さらに部 分回転式スブリンクラの散水分布特性を把握し、それによって全回転式との組み合わせによる研 究を行なった。また風の影響下にあるスブリンクラ散水実施上の立場から各種の配置方式による 均等度と平均放水量に関し、主として図解法による考察を行ない、その結果と実際の散水結果を 比較対照することにより合理的な配置方式を提案し、これを報告することにした。本研究に対し 終始御懇切なる御指導と勧鞭達を賜った京都大学教授富士岡義一博士に対し衷心より謝意を表す

る。

∬ スブリンクラ散水の水理的特性

散水かんがいの計画設計を立てるときにはスブリンクラからの噴射水の水理を究明することが 重要である。噴射管やオリフイス型式の孔口からの流出は一般に次式で表わされる。

Q=C.A、/毎白…………(1)

ここに Q:流量(mS/S)、C:常数、A:噴射管又はオリフイスの断面積(mり、g:重力の加速 度(m′S男)、H:速度水頭を含む総水頭(m)である0一般にH=竃十Pであるが、立ち上り榊

の速度水頭は圧力水頭に比較して小さいから、H≒Pと考えてよい。

これらから(1)式を実際の使用に便利なように単位を変えて変形すると、次式のようになる。

q=0.83C・aノ事‥………(2)

または q=0.65C・d2Vや……‥イ3)

ここに、q:流量(e/min.)、a:噴射孔の断面積(mm2)、d:噴射孔の直径(mm)、P:圧力錘g/cm2)

供試スブリンクラの噴射孔は円形であるので理論的噴射量はC=1.0とした場合、実際の噴射量 は(3)式より求めた値に噴射係数を乗ずればよい。ここに噴射係数は実際の噴射量と理論的噴射 量の比である。

第1図に実測および理論噴射量曲線を画いた。図中副ノズルとは近距離を支配するもの、主ノ ズルとは遠距離を文配し、スブリンクラ本体の回転動力となるノズルのことである。主、副各ノ ズルの噴射量曲線はそれぞれのノズルの口径より(3)式によって求めた理論噴射量であり、両者 の合計が図の右側の理論噴射量曲線となる。実測値の曲線は両ノズルの噴射量を実測したもので ある。

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第1図によれば、水圧1.2 kg/cmz 付近が限界点と

なり、それ以下の水圧に おいては実測値の方が大 きくなり、その限界点以 上の水圧においては運転 して理論値が大きくなっ ている。副ノズルには先 端部より水平に切ったと ころの細長い矩形噴出孔 を有し、水圧が増加する

(4)

スブリンクラの散水分布特性甘こ関する研究(Ⅱ) 169

に従って最初膜状に噴出していた噴射水は次第に水滴状に分離し、スブリンクラ近辺に落下し副 ノズルの主体を構成する円形噴出孔の噴射水との協同作用により散水断面を山形或いは台形にす る役割を演じている。

全体的に見て使用水圧付近及びそれ以上の水圧においてはノズルにおける摩擦損失等の原因によ り理論噴射量の方が実際の噴射量よりやや上廻っているが、その差が比較的僅小なのは上記の副 ノズル先端部付近の矩形噴出孔よりの流量が加算される結果によるものと考えられるのである。

スブリンクラの散水が既述のとおり、風の影響を受け、その結果散水分布が変化するのである が、ノズルから噴射される水滴は与えられた初速と水滴自身の質量の相乗積として表わされる運 動量をもっているが、空気中を飛行する場合、Stokesの抵抗法則が通用されるものと考えれ ば、主、副両ノズルより噴射される大小様々の水滴はその粒径に応じて、大粒子は遠くまで、小 粒子は近辺に落下するものと考えられる。しかし一方その粒子の受ける抵抗の面からすれば、大 粒子は小粒子よりも空気抵抗を大きく受け、それだけに飛行速度の減衰作用が早く現われ、さら にまた当然細滴に分裂する場合が考えられる。

水滴の大きさはノズル口径及び水圧によって異なり、またノズルからの距離によって粒径分布 が異なるが、その状態は第2図の通りであってスブリンクラの近辺では細滴が多く、中間部では 中粒が多く、周辺部では大桶が多くなっている。

(3)

杉博士らの研究によれば0.2mm以下の微小粒子がスブリンクラより8m以内のところにかなり多

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4.2 八 ㌔

ノ ズ ル ロ 経

水滴の直後帥

く落下し、これが風により移動し、分布の均等性に 大きく影響していることを報告している。

供試ノズル口径は(荒ׇ)であり、著者の採用 したNo.3及びNo.5ノズルの中間に位しており、噴 射圧を2.51【g!cIn盟の条件で行なった結果である。

Ⅲ 全回転式スブリンクラの散水分布に おける濃密部発生機構の解明

第1報で述べたとおり散水分布図における濃密部 の発生がWind Roseおよび風速分布図と密接な 関係があることを見出したが、それらの相互関係は 主ノズルが濃密部発生により多くの影響を及ぼすこ とを究明する段階となったので、著者はさらにこの 点を明確に解明する手段として副ノズルのみによる 散水分布図を図解法によって求め、これと主ノズル のみの散水分布図と比較対照することにした。その 方法として風向、風速の近似の条件下における両ノ ズルの散水分布図と主ノズルのみの散水分布図の両 者を用い、散水量について差し引き計算を行なった 結果第5図を得た。

第3図は風速0.53m/sec.の場合の両ノズルによる

(5)

普通の散水分布図であり、平面的にはノズルの近辺に中心をもつほぼ同心円状の散水線で構成さ れている。断面的には最大8−10mm/hの散水量を示し、その形は台形状になる。

慧よ=3明′彿C0射叫′如C

車如・日野彿C

部の向きは第4図に示した大きな凹部の 向きとは正反対となり、結局主ノズルの みの散水の空自部を副ノズルの散水強度 の高い部分で埋めてしまう作用があるこ とが究明できた。

第1報及びこれらの結果を総合して考 察すれば、主ノズルのみによる散水分布 図中には馬蹄形の散水線が出現している が、風速が11n/SeC.を越す付近からノズ ル点を通る最多風向線によって、上記馬 蹄形散水線の凹部が二分されるようにな り、しかも凹部の向きは吼下側の方向と 一致する。一方図解法によって副ノズル

第4図は風速が0.77m!sec.の場合の主 ノズルのみで散水した場合であり、Wind Rose とともに風についてはほぼ近似的の 条件をもっている。散水分布図を平面的に 見ると3mm/h以下の等散水線は円形であ るのに対し、3.5mm/hの等散水線は馬蹄 形を示している。

断面的には最大4mm/hの散水量を示し、

その形は扁平な台形となっている。両図面 を散水量について差し引き計算して求めた

ところの第5図では、散水分布図を平面的 に見た場合、ノズル付近に僅かながら凹部 をもつ等散水線が現われているが、その凹

風速

襲忠霊忽

平時 0・77椚声虎

の散水分布図を画くと丁度主ノズルの馬蹄形散水線の凹部を埋める作用があることが判明した。

このことより風速が増加するに従って主ノズルよりの馬蹄形散水線の両翼部がノズル点を通る最 多風向線と直角方向に位置するようになり、さらにこの部分は副ノズルの散水範囲の周辺部に相 当しているため風の影響を受け易く、次第に分離、独立し、その結果最多風向線とほぼ直角方向 にしかも両側に島状の濃密部が発生するものと推察されるのである。

(6)

スブリンクラの散水分布特性に関する研究(Ⅱ) 171

Ⅳ 部分回転式スブリンクうによる散水分布に及ぼす風の影響

従来わが国で主として用いられてきたスブリンクラの多くは前章までに述べた全回転式のもの である。これらはすべて円形の範囲内に散水を行うものであり、これを組み合わせて各種形状の

圃場において散水かんがいを行なう関係 上時により、その圃場形態や栽培管理の 面から不都合をきたす場合がしばしば起 こってくる。すなわち不必要な場所にま でかんがいする結果を生じることが起こ り、かんかい効率を充分高めることが出 来ないことさえ生じるのである。

この問題を解決する一つの方策として 最近製作されたものに部分回転式スブリ

ンクラがある。これは散水範囲を調節で きるように機構が改良されたものであ る。構造の詳細については省略するが、

これを用いてかんがいすれば、方形、矩 形、三角形など望む範囲内だけのかんか いを実施できる。

ノズルは単孔式であり、著者は特に全 回転式ノズルN0.5の主ノズルと同径の ものを使用し、散水実験を行ない、風 速、風向の観測を前章同様に同時平行し て行なうことにより、その散水特性を究 明すると共に、全回転式スブリンクラと の組み合わせにより、特に風下末端部の 散水不足部分の解決に対する一方策とし て実験研究を行なったのでこれを以下の

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(7)

ベる。

噴射水圧を3.0kg/cm2の一定とし、散水時間60分の散水実験を実施したが、この場合ノズル位 置は風上に対し直角方向に散水させてその結果から特に風向、風速との関係を見出だすことに留 意した。その結果を第6図〜第12図に示す。

寿 ぎ 図 平均嵐瞳/ケ9通じ

] /彼血妃

第9回

平均見渡 川/耽ノ加C

第6図は平均風速0.88m/sec.の場合であ り、この場合の風向はほぼ一方向に強く 現われている。風速分布図では最多風向

とは異なる風向に最高の風速が存在して いるが、これはWind Roseより考察す れば、頻度の少ない方向に瞬間的に強い 風が吹いたことを示す。この場合、ノズ ル点を通って最多風向線を引くと図中の 矢線の通りであるが、0,1,5mm/hの 等散水線はほぼその中央部を通る切線方 向と平行するようである。また特別に濃 密部は現われないが、10,11mm/hの等 散水線はこの散水範囲内で独立したもの となり、その中心はノズルより大体45。

方向に存在する。次に第7図及び第8区l は共に平均風速が1.59m/sec.であり、相 違点としては最多風向および風速分布の 点で、前者の方が後者よりやや複雑で あることで、それらの結果より総合判 断を行なうと後者の散水分布図の傾向 は先の第6図とほとんど近似している ことで、各等散水線の中央部における 切線方向が最多風向線とほとんど平行 していることである。また17mm/h以 上の濃密部が出現し、その中心部はほ ぼノズル点より450の方向にある。こ れに対し前者は散水分布図に現われる 大部分の等散水線がノズル点を通る最 多風向線と交わり、しかもその交点を 通る切線方向とはぼ直交することであ る。また約14mm/hの濃密部の中心を 最多風向線が通っていることも注目す べき現象である。

次に第9図であるが、この場合の平 均風速は1.61m/sec.であり・最多風向 線と散水分布図の関係は第8図と近似

(8)

スブリンクラの散水分布特性に関する研究(Ⅱ)

している。

さらに第10図であるが、この場合の 平均風速は2.08m′/sec.であり、風向 はほぼ一定し、風速もその方向に比較 的強いものが集っている。最大風速 2.4m/sec.の風も存在するが、これは Wind Roseから判断すると、ほとん ど影響がない。この場合の散水分布図 は第7図の場合と近似していて、最多 風向線が等散水線のほぼ中央部を直角 方向に交叉していることは注目すべき 現象である。ただこの場合、17mm/h

の濃密部の中心が最多風向線よりはな れているが、これは第11図及び第12図 においても同様で、全回転式ノズルで 行なった実験研究で判明したとおり、

大体2m/sec.の風速を越す付近から

尊′′ 図 千坤舶 2卯れ′鹿

穿10図 平均風速2.08m/sec

風速会や囲

173

発生する濃密部の生因と同様の関係にあるものと 考察される。すなわち第11図はその性格をよく表 わしたものと考えられ、最多風向線の両側に濃密 部が発生していることがわかる。この場合も等散 水線のほぼ中央部を最多風向線が横切ることに

なる。

第12回の場合は平均風速が2.76m/sec.であり、

風向はほぼ一定している。一方風速の分布はかな り複雑であって、最多風向の風速は3.4m/sec.で、

全体の第2位に相当している。このように風速分 布の複雑性に起因するものと考えられるのである が、散水分布と風の関係は第6図とほぼ近似の傾 向にある。すなわち13mm/hという濃密 部が出現していることと、5mm/hおよ び1mm/hの等散水線の中央部を通る切 線方向と最多風向線とは全く平行しない ことなどである。これは風速分布の複 L一ノ糎  雄性に基因するが、結局総合判断によれ ば、風向および風速の分布が比較的単純な場合、散水分布図と風の問にかなり明瞭な関係をもっ ていることが明らかとなった。すなわち下図のように部分回転式スブリンクラを用いて直角範囲

の散水を行なった場合、次のような結論が得られる。

風が(A)のように散水方向の両限界となるⅩ、Y軸のいずれにも平行せず、その中問、たとえ ば両軸のなす角の二等分線方向より吹く場合は、その最多風向線は等散水線の中央部を横切り、

(9)

等/2団

子坤思慮27J仇/山姥

0 .3

A J

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_ L

間接ノ魔振LC

二___ _____と

ことが判明した。

第1報で述べた全回転式 スブリンクラによる散水分 布は、風速2m/sec.を越す 付近より濃密部が発生し、

しかも最多風向線の両側に 独立して発生することと対 照して考察すれば、この部 分回転式の場合も、この点 で著しい近似関係のあるこ

とがわかる。

且つまた風速2m/sec.を越す付近よ り濃密部が発生する。しかもそれは最 多風向線の両側に発生し、ノズルより 斜め前方に位置することになる。風速 が2m/sec.以下の場合は比較的高散 水部分が現われ、その中央部を最多風 向線が通るようである。

CB)、(C)図のような場合は(A)の 場合とは全くその状況は異なってく る。すなわち最多風向線は等散水線を 横切らず、むしろ(C)の場合のよう に、その中央部を通る切線方向とほぼ 平行となる。

(B)の場合はⅩ軸との交点を通る切 線方向と平行するものと考えられる。

なお風速が2m/sec.を越す付近より 濃密部が発生するが、この場合の発生 位置と最多風向線との関係は、(A)図 の場合とほぼ同様の傾向を示している

算 ′3 回

Ⅴ 部分回転式と全回転式スブリンクラとの組み合わせによる散水分布

部分回転式を風下部へ、仝回転式を風上部に配置して、その間隔を12mとした場合の散水分布 図を、第1報でのべた全回転式スブリンクラの散水分布図を基にして、風向、風速がほぼ近似す るもの同志を組み合わせて、これを図解法によって散水分布図を画いて考察すれば、その結果は 第14図一第16図に示すようになる。図において左側が部分回転式の場合の実際の散水分布図であ

り、中央の図面が全回転式の場合である。(P.SP)および(F.SP)と記入した点が、それぞれ部分

(10)
(11)

回転式および全回転式スブリンクラを示している。矢線は最多風向線を示すが、特に全回転式の 散水分布図は部分回転式の散水分布図と組み合わせるために最多風向線を部分回転式の場合と同 一方向に書きかえて散水分布図を画いたものである。Ⅴは平均風速(m/sec.)である。右側の図面 はこの両スブリンクラの散水分布図を、図解法によって組み合わせて画いた散水分布図である。

等散水線上の()内及び各座標点の数値は前記同様散水量(mm/h)を示す。

以上の結果よりすれば、いずれの散水分布図にも濃密部が発生しているが、殊にその濃密部が 風速2m/sec.までは全回転式スブリンクラの近くに発生し、風速2m/sec.を越すと、逆に部分回 転式スブリンクラの近くに発生することは注目すべき現象である。これは濃密部発生の要因が、

風による一種の吹きだまり作用によるものであり、しかも重複散水の場合、第1報で述べたよう に、両ノズルの濃密部が相互に重複し、累積的に集合して発生する現象と全く同一であり、結局 2m/sec.付近のいわゆる濃密部発生の限界風速付近より散水状況が著しく影響を受け、その結 果、部分、全回転両ノズルからの総合累積の結果生ずる濃密部が次第に風下側に移動するものと 考察される。

以上の考察を基にして実際に風上部に全回転式、風下部に部分回転式ノズルを距離12mで組み 合わせ、以上2つのスブリンクラで散水を実施したときの散水分布図を示せば、第17図および第 18図のようである。

努/7回 貪喋り放水輌回

>=1./j刑血C

威盛

第17図は風速1.13m/sec.の場合であり、こ の場合、散水分布図の中で全回転および部分 回転の両スブリンクラを結ぶ線上のしかも中 央部に濃密部が発生し、しかもこの濃密部を 中心にしてほぼ同心円状に等散水線が存在す る。この場合の風向は両ノズルを通る線とは ぼ直交している。勿論この場合、風速がさら に増加すれば、濃密部は次第に右側に移動す るものと考察される。

第18図は風速が2m/sec.を越しており、図 解法で示した場合の第15図と比較対照するの に適当な条件をそろえている。この場合、濃 密部は部分回転式ノズルの右側約5mの所に 発生しており、散水量は22〜23mm/hの値を 示している。

これに対し第15図の図解法による散水分布 図によれば、濃密部が部分回転式ノズルの右 側約4mの所に発生しており、散水量は22 mm/hの値を示している。等散水線の形状、配匿なども甚だ近似していて、図解法と実際の散水 分布図との問に著しい近似性のあることを示している。

一応このように部分、全回転式両ノズルの組み合わせによる散水分布の特性に関する知見を得 たので、次に風上部に12mの間隔で2個の全回転式スブリンクラを配置し、次に風下部に距離 12mを隔てて同様12m間隔に2個の部分回転式スブリンクラを配置し、散水実験を実施して散水 分布図を求めた結果は、第19図〜第21図に示す通りである。散水時間は30分間とした。噴射水圧

(12)

スブリンクラの散水分布特性に関する研究(Ⅱ)

算′ざ国 食味の蚊来分布田

∨=ユ.経机ノ加−

・.一.

寄/タ 図

平均風直129敢ノ払

177

を3.0kg/cm2−定とするのが適当なの であるが、管その他の摩擦損失のた め、各ノズル問で約0.1kg/cm宏、水頭 に換算して1mの損失があるが、一応 この場合測定の便宜上、4個のスブリ ンクラの平均水圧として3.0kg/cm2に 保つように留意した。方形範囲内の数 値はすべて30分間の散水深(mm)を 表わしている。

以上の実験は三者ともWind Rose が比較的単純で、最多風向線が大体同 一方向であるため、比較検討するには 好条件を備えたものと考えられる。

方形範囲内の均等度、ならびに平均 散水量を示すと、第1表のとおりであ

る。

第1表 風速と均等度および平均散水深 風 速(m/sec.)

均 等 度(%)

乎__均一革 水 窪▼▼

1.2912.96

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王生今′野望l11.4l 8.518.3

換算聖蕊/鳶122・8117可16・6

第1表に示すとおり、均等度はむしろ 風速が3.17m/sec.の場合が最高で、その 代りに散水深は風速境に減少しているこ とがわかる。実験回数が少ないのでこの 点充分結論を下しうる段階ではないが、

風速が 3m/sec.を越す場合はそれ以下 の風速の場合よりも均等度が著しく向上 している点は注目すべき現象である。

(13)

堵20回

平均風.轟  コPJ気′血c

第2/図

一平均風亀  日り秘

] Jれ他

結  論

全回転式スブリンクラを使用して個体 試験を実施した場合、風速2−3m/sec.付 近よりノズルを通る最多風向線とほぼ直 角方向に濃密部が発生する現象を発見し たのでその発生機構を解明する手段とし て、主、副両ノズルのうちスブリンクラ の回転の原動力となっている主ノズルよ りの噴射水のみによって散水実験を行な った結果、風速1m/sec.程度の風によっ て既にノズル点を通る最多風向線の両側 に比較的濃密部が発生し、散水分布図の 中に馬蹄形の等散水線が現われ、その凹 部が風速の増加に伴ない、最多風向線に 対し直角の方向に二分されるようになる ことが判明した。又主ノズルおよび副ノ ズルの散水分布形からそれぞれの風によ る影響がお互に相殺する性格をもってい ることが判明したので、結局濃密部発生 の主因は風であるが、これをノズルの側 から見れば、主ノズルの噴射水がその影 響を最も多く受け、濃密部発生の重要因 子をなしていることを明瞭に解明した。

次に従来この方面では未開発の領域で ある部分回転式スブリンクラによる直角 範囲の散水実験を実施し、特に風の影響 について吟味することにより、その特性 を明らかにすることが出来たのでこれと 全回転式スブリンクラとの組み合わせに よる実験を実施し、3m/sec.程度の風に おいても相当良好な均等性を確保しうる ことを実証した。

(14)

スブリンクラの散水分布特性に関する研究(Ⅱ) 179

文    献

(1)J.E.Christiansen:Lrrigation by Sprinkling,Agr.Eng.,1937

(2)Alfred S.Gray,C.E.:SprinkIerlrrigationIiandbook,Rain Bird Sprinkler Mfg.

Corporation.,1957

(3)杉  二郎:散水かんがいの基礎問題(Ⅲ)、(Ⅳ)、畑地かんがいNo.38,39り1961

軽)太田 頼敏:スブリンクラの散水分布特性に関する研究(I)、奈良学芸大学紀要第10巻第1号.,1961

(5)太田 頼敏:スブリンクラ散水における風の影響lこついて(I)、(Ⅲ)・,農業土木学会大会講演会講演 要旨.,ユ961

(61太田 頬敏:スブリンクラ散水の均等性に及ぼす風の影響について、農業機械学会第20回総会講演要 旨.,1961

個 杉  二郎、井上 裕雄:Sprinklerによる散水分布の非対称性について、土地改良Vol.11,No.13・,

1961

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