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辻 峰男*・山田 英二* 泉 勝弘*・小山 純*

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(1)

長崎大学工学部研究報告 第21巻 第37号 平成・3年7月

133

誘導電動機のベクトル制御に関する一考察

辻 峰男*・山田 英二*

泉 勝弘*・小山 純*

A Consideration on the Vector Control of Induction Motor

      by

Mineo TSUJI*, Eiji YAMADA*, Katsuhiro IZUMI*and Jun OYAMA*

 The vector control or the field oriented control is an effective method for the torque control of induction motor. In this paper, the vector control system with controlled current source is easily obtained by using the T−I type transient equivalent circuit, because the circuit is the same as steady−state one when the amplitude of rotor flux is constant. Furthermore, the analytical solution of transient response for the vector control system is obtained for arbitrary initial conditions by using the space vector method. From the result, the torque of induction motor is proportional to the torque current command without any time lag when the initial condition is given by a steady−state value.

1.まえがき

 誘導電動機のトルク制御法として,ベクトル制御が 注目されている.ベクトノセ制御は制御電圧源によるか あるいは制御電流源によるかで方式が異なり,また磁 束の制御を行うかどうかでも制御構成を異にする.

従って,これらの制御則を得るための理論も幾つか存 在する.その中で,二次磁束を一定に保つ電流制御方 式のベクトル制御系が早くから知られ,最も基本的な システムとなっている1).このベクトル制御系を物理 的理解が得られ易い定常等価回路から導出しようとす

る試みがなされているが2)3),一般に定常時の等価回路

から過渡時を考慮した制御法を導出することはできず,

ベクトル制御の概念的な説明に留まっている.また,

通常ベクトル制御則は,二次鎖交磁束の大きさを一定

に保つ条件1)やσ軸の二次鎖交磁束を零とおくこと4)に

よって得られるが,逆にこのようにして構成した制御 系でトルクに過渡現象が生じないかどうかは十分に議

論されていないようである.

 本稿では上記の問題点を考察するため,空間ベクト ル法による誘導機の式を基に,その過渡等価回路5)を 導出し,二次磁束一定のベクトル制御系が容易に得ら

れることを示す6).また,この様にして構成されたベク

トル制御系の過渡現象解析を行い,トルクに過渡現象 が生じないための条件を明確にする.

2.空間ベクトル法と過渡等価回路

 Fig.1に誘導機の解析モデルを示す.誘導機の解析

法としては二軸理論が良く知られており7),Fig.2に解

析に用いられている種々の座標系を示す.先の報告で

は,三相回路の方程式を4,σ回転座標系に変換し,そ

平成3年4月30日受理

・電気情報工学科(Department of Electrical Engineering and Computer Science)

(2)

れを基に他の座標系での関係式を導出したが,本稿で は,静止座標系の空間ベタトルによる誘導機の式を先 に導き,それを変換して他の座標系の表現式を得る.

 Fig.1で,固定子α相巻線軸とβ軸が6b(一定)の静止

座標系を考え,α軸を実学,β軸を虚部とするような空

間ベクトル8)を考えると次式を得る.

   ∫rl一ん+ノ和

    =傭ノθ一 θ・(ん。+αん、+α2ん。) (1)

   !。=カ。+〃留

    ・=〜痂ノ・2一ゴ(θ・「ρ?(ノ%十砺う十α2ノ㌻c) (2)

 ここで,α=ε 2π13

(1),(2)式の∫は,電圧(の,電流(の,鎖交磁束(ψ)を意味

する.逆に,三相量は次式より求まる.

   ゐ。〒廊R・(「ノ・ θ.ノ・)   (3)

   〆』δ=㍉厩Re(一ノεゴθ・α2ノε)       (4)

   〆』。=V踊Re(一ノθゴθ・αノs)        (5)

上式では,零相分は零であり,

β

ら。

 鴨

i

sa

a

α

卜・

o

瀦奏a㌔

     .:壕  ・。b  ・。c

b㌔b   .r誉 C

.Fig.1 Analytical model of three−phase

    inductiQn motor一

(12)式

      ゐα十ノ急b十プも。=0       (6)

         を仮定している,・,

         三相巻線の電圧方程式7)を(1),(2)式に代入し,次の公          式,

       …俳+・…(θ・一号・)+・・C・・(多+号・)

      一号・卿

      …研+・・C・・(θ・一号・)+・…(俳+号・)

      一碧♂パ

         を用いると,誘導機の空間ベクトル(静止座標系)に          よる表現式を得る.

      〔ll〕一〔畠±篇 一零、

      ・燃(ρ一ノω。)五.〕㈲(7)

         二次側ρ諸量を一嫁側に換算すると次式.となる.

      〔ll〕一〔δ±繍雇.幽1*「

      吝卿(ρづω。)L㌢〕〔勃ジて8)

         なお,α,β静止座標系に対し,θで回転する座標系に

         おける空間ベクトルノ∴〆ノは,㌔Figl 3より ,

      ノ♂=θ一ゴθ∫s      (9)

      ノダ=ε一ゴθ∫二      .  (10)

         と変数変換することにより,次式で与えられる .「

      〔幻」〔誘寵輪M ・

      ・驚鰭(ω」ωγ)L}〕〔15〕 (i1)・

      但し・.ρθ=ω

α、β静止座標系

d, q回転座標系

(1)式

三相量

    孫、1.

く3)墲P,式、

空間ベクトル

静止座標系

(9)式

β

空間ベクトル 回転座標系

Fig.2 Coordinate transformation.

Fig.3 α, βaxis and 4, σaxis.

.α・

(3)

誘導電動機のベクトル制御に関する一考察

(8),ω式を声部と虚部に分けると,それぞれα,β座標 系と6,σ座標系の誘導機のモデルが得られる.(9)式を 実数表現すると,次式となる.

   〔ん∫,9〕一.〔鼎謡〕〔突1〕(・2)

 次に瞬時トルクを求める.瞬時入力電力R。は次式で

与えられる9).

   Pf。=εsαZsd十召。δz。δ薬師scZsc十εプ。z。α

     十εγbZ7b十θγcZrc

        コ マ       コ  マ     =Re(  コ        ノ ロドε8z8十〔〜7zプ)

  is rs  IS   →

邑   ㌔l

S       皿1

       (a)

  i r  σL

  S   s     S

  ウ

1壬 r必i壱     ぐ

135

の      

e=ゴωψロ

  r r

1邑

T  type

・碁i曇

    一篇1ゴ、P+粥F+ρ(払1ノ・1・   中

     +去L川+R・{1)(ノ14rゴεガ;)}

     十Re(一ノω。〃 窮,)

上式で,

   γ。巨、P :一次銅損    矧ゴチ12 :二次銅損

   去(L。1ガ、12+L}陽12)・

エネルギー

ギー

   Re(一ブω。〃!ゴ短。):機械的出力

(13)

6 S

ill

M工

1邑・

自己インダクタンスの

Re(∬4 ゴ、の:相互インダクタンスのエネル

6 S

   (b)T  I

i r    IH

4

   s         r

ill

Ls

  邑工・ゴωrMlil

type

 r豆 iI   r 譜

6吾 ↑6・

と考えられる.機械的出力は,トルクと回転角速度(機 械高)の積であり,ω。炉電気角表示であることに注意 すると,瞬時トルクは次式より求まる.

   範=(測2泌 lm(ガ。毒)

    =(P/2)M lm(蒔ゴ多「)       (14)

 さて,通常二次回路は短絡されているので,θひ=0

と考えて良く,(8)式より,Fig.4(a)のT形過渡等価回路

が得られる.また,漏れインダクタンスを一次側や二 次側に移したT−1形,T−II形の過渡等価回路も変数変

換により,Fig.4(b),(c)の様に得られる5).図中以下の 記号を用いている.

T形:賜=」4 露十五霧チ T−1形:々=ルf7L傷

   γ≠=々2γ/, ル11=々ノレf〜  ガ≠= ゴ9/々     (15)

T−II形:々 』L。耀

   γノ置=ん27/,1/1=ん1ε十ん21。

   ・ゴノ1 = 」多/ん      (16)

      6H−」ωr(・。il・・基i呈)

(c)T−I type

Fi塞.4 Transient equivalent circuit for    induction motor.

3.二次磁束一定のベクトル制御系

3.1 制御電流源によるシステム構成

 本節では,T・1形過渡等価回路から直接ベクトル制

御に至る過程を考察する.Fig.4(b)で,ガ6の大きさを一 定に保つ制御を考える1).そこで,

       (17)

   %=磁6ブθ(蒲:一定)

とおくと,

   θ・∬一班1ρガ・∬一ブω忽∬ガ・∫.

但し,ρθ=ω となる.このとき,

   ε∬=ノω。〃∫ゴ6=ω。θ6/ω

で,

(18)

(19)

  〆がθ6のスカラー倍なので6∫を発生する回路素 子は抵抗と考えられる.従って,磁一定時には,Fig.

(4)

4(b)のT−1形過渡等価回路は,Fig.5の様に表せる.ここ で,ω、=ω一ω。である.図の回路は定常時の等価回路

と同じ形であるが,電圧,電流はあくまでも空間ベク

トルで,ωやω.も任意に変化できる.(1㊥式及びFig.5よ

り,%と詳は直交し,Fig.6の空間ベクトル図が得ら れる.このときトルクは,次式で与えられる.

   ゐ一重誓Im幡)

    一書誓縄     (2・)

 ここで,赫=巨〆1としている.

次に,1矧を一定に制御するために,固定子電流をどの

ように制御すれば良いかを検討する.Fig.5で,1ε61を

計算することにより,次式を得る.

   鮨藷茱      (21)

Fig.6より,ゴ。は次式で与えられる.

   げs=  ゴs浅2十ゴs吉2ε (θ+φ)       (22) .

6 S

とrSσ・・

・茎長

  ←

こ礁θ訴四四

     コ 

φ一tan−1響

    z8d

(3)式で,6b=0に選ぶと,

   ゴ、。一三Im(」。)

    =V舗 ゴ8謹2十ガs渉2sin(θ十φ)

(23)

となり,同様に偏,ガ8cが求まって, Fig.7のベクトル制 御系が得られる.

 以上の様に等価回路を介在させることで,見通し良 くベクトル制御系が構成できた.しかし,Fig.7あベク トル制御系は,i矧が一定であるための必要条件から 導かれたものであり,逆にFig.7のベクトル制御系か ら,1矧が一定になるかどうか検討する必要がある.

3.2 過渡現象の解析

 Fig.7の解析に際し,以下の仮定を設ける.

 (1)固定子電流は瞬時に制御できる.

 (2)磁化電流指令結は一定である.

 (3)パラメータ同定は正確で,σ。=σ。*である.

   但し,σ。=7。7乙 。とする.

図より,砺=0に選ぶとか。は次式で与えられる.

ill

顛工

↑邑・

Fig.5 T−I type transient equivalent circuit    under constaht 1ゴ。/1.

ゴε= ガ。壽2+赫22 θ・

但し,の=θ,+θプ1+の2

傷一 Y惚

砺一∬喋ダ諺

(24)

β

曾工

S r

ωil

φ θ α

0

Fig.6 Space vector diagram under    constant巨。」1.

iさq

痂i叢&・i§ξ

im

ilnsinθf エm・in(θf−2π/3)

im・in(θf−4・/3)

i§a

iさb

   工M

i★

SC

,。。一・二二

   iさd

θf

r1★i★

L必★iξd

  十

∫dt

ω

r

十   ÷

Fig.7 Vectdr control system with controlled

   Current SourCe(COnStant 歪ε壽).

(5)

誘導電動機のベクトル制御に関する一考察

      コ  

    の、一tan−1讐       zεd

Fig.4(b)で,回転子側の回路に対し次式が成立する.

   ρガ01十(σr一ブωγ)ガ6=σプゴ、         (25)

いま,ゴを任意の変数として,

   ゴ6= ガθ」(θ「+θ∫1)       (26)

とおく.㈱式を㈱式に代入すると,次式が得られる.

   ρガ+(σ,+ノσ。*」、,*/ガ。。*)ゴーσ。(ゴ、、*+ノ」、,*)

       (27)

σ。*=σ。のとき,(27>式の解は次式となる.

i蓬d

・さd eさq の計算

e§d

eさq

2相/3相

変  換 eさa

・§b

137

iさq

「丑★iさq

ω

eさ。

θ

工瓢

Ψi§d

∫d七

   ガ( )=21ε(∫*十{乞(0)一ガ。d*}ε一σ「ご一ゴθ∫1

従ってトルクは次式で与えられる.

   範一謬Im幡).

(28)

一書誓甜凝+妥誓漏・・一望

×Im[{ゴ(0)πガsゴ*}6 θ∫ ]       (29)

㈲式より,薮0)=短*であれば,トルクはゴ、,*に時間運

れなく比例することが判る.なお,以上の解析で漏*や ω。は一定でなく,任意の変数として考えている点に注 意すべきである.結局,Fig.7のベクトル制御系で,瞬

時トルクが袖*に比例するためには,(1)〜(3)の条件の

他に,初期値が定常値であることが必要である.

3.3 制御電圧源によるシステム構成

 Fig.5の,1画一定時のT−1形過渡等価回路において,

3.1節では,固定子電流ガ、が瞬時に制御できるもの

と考えた.本節では,端子電圧ε。が瞬時に制御できる

場合を考える.この場合には,ベクトル制御に必要な

電流ガ。を流すように,電圧2。を加えてやれば良い.

 Fig.5より,固定子回路に対し次式が成立する.

   εε=7sげε一ト・σ1⊃sρゴε一トル1 1)∫o∫         (30)

(17),(22)式を上式に代入すると次式が得られる.

   2。={7。(ガ。、*+ガ。,*)+ブσ乙。ρガ。,*+ノωσL。(」。、*

     十ガ89*)十ノω〃∫ガSd*}εゴθ         (31)

ここで,

   εs6一ブθ=θ8、オ*十ブθ89* 、       (32)

と部き,⑳式を実部と虚部に分けると,次式を得る.

十  十    ωr

Fig.8 Vector control system with controlled    voltage source(constantガ諮).

   e。d*=7。ガ。d*一ωσL、∫。q*

   e、,*一(7ε十σL8ρ)ガ、,*+ω五。ガ、、*=

(3)式で,θo=0に選ぶと,

   ε。α一》薦Im(εε)

    =〜!薦 θεd*2十(ヲεq*2sin(θ十δ)

       

 但し,δ=tan一・εsg*

        εεd

(33)

(34)

(35)

ε、δ,θ。cは,位相がそれぞれ2π/3r 4π/3だけ遅れる.な お,(35)式は4,σ座標系から,三相量への変換であるか

ら,次式を用いても良い.

[ili團1錦‡:・

         COSθ

       ・:瞬;]團⑯

θ。=oとしたとき,Fig.3の関係があるから, Fig.1で θ。→θ,α→び,β→σと置き換えられる.

 以上により,Fig.8の制御電圧源によるベクトル制

御系が得られる10川).

4.磁束制御器をもつベクトル制御系 4.1 制御電流源によるシステム構成12,

 Fig.4(b)のT−1形過渡等価回路で,げ♂を,

   Jo1=あ*2ブθ      .        (37)

とおく.磁束の制御を考えるのであ*は一定とは限らな い.図の回転子回路に対し成立する㈲式に,上式を代

入すると,次式が得られる.

(6)

   ノ、一ガ。・+(ρゴ。*)。・・+ブ鱈。*。・・ (38)

         σγ      σγ

但し,ρθ=ω,ω。=ω一ω.

これから,Fig.9の空間ベクトル図が得られる.』いま,

   ゴs6〜一ブθ=ゴ5d*十ノガ89*       (39)

とおくと,㈱式の三部と虚部より以下の式が得られる.

   露・*一(1+_亘  σr)」・*   (4・)

   ガεq*=ω8ガ。*/σγ          (41)

トルクの式は,㈹式を考慮して,

   範一寄誓Im幡)

     P」4η.*.*

       (42)

    =7τZo 3・q

β

S

θ

r

:1

O

ωi★  S Q

 σ r

piさ

σr

α

Fig.9 Space vector diagram under flux contro1.

imsinθf

msi箆(θf−2・/3)

i。・i・1θfr4・/3)

iさa i§b

   工M

となる.従って,ゴ。*と袖*を指令値として与えることが

できれば,トルクの理想的な制御が可能となる.すな

わち,ゴ。*,漏*からゴ。が決定できれば良い.このため に,ω式よりω,を求め,ω。を検出してωを定め,それ を積分してθを計算し,ωより求まるゴ。d*を用い,㈲式

からガ。を演算すればよい.以上により構成される磁束 制御器を持ったベクトル制御系をFig.10に示す.

4.2 過渡現象解析

 Fig.10の解析に際し,以下の仮定を設ける.

 (1)固定子電流は瞬時に制御できる.

 (2)パラメータ同定は正確で,σ。認σ。*とする.

図より,洗=0に選ぶと露は次式で与えられる.

   ノ8=  ガ84*2十ガε9*2召ゴθノ       (43)

但し,θf=θ。+θプ、+θプ2

     俳一∫徽

    砺一∬肇*諺

      コ       の、一tan−1讐       zεd

(26)式と同様にゴ♂を定義し,(25)式に代入すると次式が 得られる.

      ひ

      コ

   戸+(σ。+ノσ・,安・)卜σ。(ゴ。。*+ガ、,*)(44)

         ZO

ω式を代入し,σ.一σ.*とおくと次式となる.

      コ  

   ρσ一あ・)+(σ。+ノσ禦)σ一あ・)一〇(45)

      ZO

iさq

・砺iさ&・i蝿

iさ

im

  

1+

iさ。

   i六 tan−1_里

iさd

i誉d r,★i★

r★i★

r  O

θf

∫dt

ω

十   十

Fig.10 Vector control system with controlled    current source(flux control).

上式を解くことにより,ガは次式で与えられる.

   ゴ = ゴb*十{ゴ(0)一あ*}θ一 アγ♂一ゴθ∫1        (46)

従って,トルクは次式となる.

   範一書誓欄+書証鍵評

     ×Im[{ノ(0)一あ*}εゴθ∫1]       (47)

㈲式より,ゴ(0)=ガであればトルクに過渡現象は生 じないことがわかる.㈲式より,この状態はすぐに得

られる.

4.3 制御電圧源によるシステム構成

 3.3節と同様に考える.(37),(39)式を(3①式に代入し,

(32)式のようにおくと,次式が得られる.

 θεd*=(γ8十σ乙s1ウ)ガε4*一ωσ乙8ガ8q*十ノ匠ケ)あ*  (48)

(7)

誘導電動機のベクトル制御に関する一考察

139

iさ

i誉q

工+エ

 σ喜

iさd

rl★i★

「 sq

eさd e誉q

の計算

ω

eさd

eさq 2相/3相

 変 換

eさa eさb

   工M

e誉。

∫d七 e

L壬★iδ 十  十   ωr

Fig.11 Vector control system with controlled    voltage source(flux control).

 θ8q*=(7s十σLε1))ゴsq*十ωσL8」8d*十M∫ωガ。*  (49)

これから,Fig.11の磁束制御器を持った制御電圧源に よるベクトル制御系が得られる.なお,㈹,㈲式を,

   ε8d*=ε8d* 一ωσLsガεq*       (50)

   θs9*=θεq* 十ω(σLsガ8d*十ルτ1Jo*)     (51)

と書き換え,ε。d*■,ε。q* を入力とする電流制御系を構 成するいわゆる非干渉化制御も考えられる13).

5.あとがき

 誘導機の空間ベクトルによる表現式を基に,ベクト ル制御のシステム構成を得るまでのプロセスと,構成 されたシステムの過渡現象解析について考察した.特 に,二次磁束一定のベクトル制御系が等価回路を介在 させることによって見通し良く構成できること,トル クの過渡応答における初期値の問題などを明確にした.

 なお,二次i抵抗変化時の解析に関しては,筆者らが

線形モデルによる検討を行っている14)・15).空間ベクト

ル法は,制御系の構成や解析解を得る場合に便利なこ

とがある.また,定常等価回路との整合性も良い.し かし,速度制御器を含めた線形モデルの導出や安定解 析では実数表現の方が便利である.

  トル制御」電気学会制御変換装置研究会資料PCC

  −78−6 (日召53−1)

5)山村:「交流回路と交流機のスパイラルベクトル   理論」電学誌,109,517(平元一7)

6)辻・ 山田・泉・小山:「相分離法及び磁界加速法   の一解釈」平2電気学会全大 No.589

7)例えば,辻・山田・小山・泉:「三相誘導機の2

  軸理論の応用」長崎大学工学部研究報告,14,51(昭   59−1)

8)P.K. Kovacs: Transient Phenomena in Electri−

  cal Machines (1984)Elsevier

9)難波江・金・高橋・仲村・山田:「電気機器学」

  68(昭60)電気学会

10)大西・宮地・寺嶋:「制御電圧源による誘導機駆   動の一方式」電学論B,104,727(昭59−11)

11)寺嶋・野村・足利・須田・中村:「制御電流源ベ   クトル制御と制御電圧源ベクトル制御の実用面か   らみた性能比較」電学論D,107,183(昭62−2)

12)A.Nabae, K. Otsuka, H. Uchino&R. Kuro・

  sawa: An Approach to Flux Control of Induc−

  tion Motors Operated with Variable−Frequency   Power Supply IEEE Trans. Industr. Applic.,

  lA・16, 342 (1980)

13)杉本・新野:「大容量誘導電動機の高性能制御法」

  電学論D,107,159(昭62−a)

14)辻・山田・泉・小山:「電流形インバータ駆動誘   導電動機ベクトル制御系の線形モデル」二三論D,

  110,165(平2−2)

15)同上:「MFS制御の誘導電動機ベクトル制御系へ   の応用」電学論D,111,379(平3−5)

         参考文献

1)難波江・黒沢:「誘導電動機のトルク伝達関数定  数化制御」電学論B,98,303(昭53−3)

2)大西・鈴木・杉浦・宮地二「誘導機の非干渉化制  御2」電気学会回転機i研究会資料RM−82−17,21(昭  57)

3)長瀬・堀・奥山:「ベクトル制御の理論」昭58電

 気学会全大S。8−2

4)鈴木・中野・原・柳瀬:「交流機のトランスベク

参照

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