(平成23年10月26日報道資料抜粋) 1.今回のあっせん等の概要 (1)年金記録の訂正の必要があるとのあっせんを実施するもの
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件 国民年金関係2
件 厚生年金関係11
件 (2)年金記録の訂正を不要と判断したもの19
件 国民年金関係9
件 厚生年金関係10
件 年金記録確認北海道地方第三者委員会分年金記録に係る苦情のあっせん等について
北海道国民年金 事案 2148 第1 委員会の結論 申立人の昭和 60 年1月から同年3月までの国民年金の付加保険料について は、納付していたものと認められることから、納付記録を訂正する必要がある。 第2 申立の要旨等 1 申立人の氏名等 氏 名 : 女 基礎年金番号 : 生 年 月 日 : 昭和 26 年生 住 所 : 2 申立内容の要旨 申 立 期 間 : 昭和 60 年1月から同年3月まで 私は、昭和 52 年 12 月に国民年金に任意加入した際に、付加年金にも加入 して国民年金保険料を納付していたが、申立期間だけが付加保険料を納付し たことになっていないのは考えられない。 申立期間について間違いなく付加保険料も納付していたので納付を認め てほしい。 第3 委員会の判断の理由 申立人は、昭和 52 年 12 月から国民年金に任意加入したと同時に付加年金に も加入し、申立期間を除く第3号被保険者になるまでの国民年金加入期間にお いて、付加保険料を含む国民年金保険料を全て納付していることから、申立人 の保険料納付意識は高かったものと認められる。 また、オンライン記録では、申立期間の国民年金保険料は過年度納付となっ ていることから、保険料を納期限までに納付しなかった場合は、付加保険料の 納付を中止する申出を行ったものとみなされるところ、その後も付加保険料が 納付されているにもかかわらず付加年金に再加入した記録は無い。 さらに、申立人は、申立期間直前の昭和 59 年4月から同年 12 月までの期間 において付加保険料を含む国民年金保険料を納付しており、申立期間について も付加保険料を含む国民年金保険料の納付書が交付されていたと考えられ、申 立人に対し、別の付加保険料を除いた過年度納付書が交付された記録及び当該 付加保険料の還付記録が無いことから、納付意識の高かった申立人が3か月と 短期間である申立期間の保険料を過年度納付したとは考え難い。 加えて、申立人の国民年金保険料納付記録について、昭和 54 年7月から同 年9月までの期間の保険料が未納となっていたが、申立人が所持する領収証書
から、定額保険料と付加保険料を期限内に納付していることが確認されたこと により、平成 23 年4月 22 日に納付記録の訂正が行われており、申立人に係る 記録管理が適切に行われていなかった状況がみられる。
その他の事情を含めて総合的に判断すると、申立人は、申立期間の付加保険 料を納付していたものと認められる。
北海道国民年金 事案 2149 第1 委員会の結論 申立人は、申立期間のうち、昭和 50 年1月から同年3月までの国民年金保 険料については、納付していたものと認められることから、納付記録を訂正す ることが必要である。 第2 申立の要旨等 1 申立人の氏名等 氏 名 : 女 基礎年金番号 : 生 年 月 日 : 昭和 20 年生 住 所 : 2 申立内容の要旨 申 立 期 間 : ① 昭和 50 年1月から同年3月まで ② 平成2年9月 私は、私と私の夫の国民年金保険料を、集金人が収納に来ていた時期は集 金人に、その後は金融機関で納付したはずである。 金融機関で納付した際の領収書は、ほとんど紛失してしまったが、申立期 間の国民年金保険料が未納とされていることに納得できない。 第3 委員会の判断の理由 1 申立人は、申立人及びその夫の国民年金加入期間における国民年金保険料 を第3号被保険者期間、保険料の免除期間及び申立期間を除き全て納付して いる上、オンライン記録により、自身の免除期間のうち延べ 90 か月の保険 料を追納していることが確認できることから、申立人の保険料の納付意識は 高かったものと認められる。 2 申立期間①について、申立人は、国民年金保険料を昭和 49 年 10 月に転居 する前は集金人に納付し、転居後は金融機関で納付していたと述べていると ころ、申立人及びその夫の国民年金手帳に貼付されている国民年金領収書に より、46 年4月の国民年金加入時から 49 年9月までの夫婦二人分の保険料 を集金人に納付し、同年 10 月から同年 12 月までの保険料については、同年 12 月 16 日に納付書により金融機関で納付していることが確認できることか ら、申立期間当時の保険料納付方法に係る申立人の主張には信 憑ぴょう性があり、 申立人は、当該期間の納付書についても交付を受け、保険料を納付したもの と考えても不自然ではない。
3 申立期間②について、オンライン記録により、申立人の国民年金被保険者 資格は平成8年8月8日付けで第3号被保険者から第1号被保険者に訂正 されていることが確認できることから、申立期間当時、第3号被保険者であ った申立人に保険料の納付書は交付されず、申立人は当該期間の保険料を納 付できなかったものと考えられる。 4 その他の事情を含めて総合的に判断すると、申立人は、申立期間のうち、 昭和 50 年1月から同年3月までの国民年金保険料を納付していたものと認 められる。
北海道厚生年金 事案 4181(事案 3961 の再申立て) 第1 委員会の結論 申立人の申立期間に係る標準報酬月額の記録については、当該期間のうち、 昭和 44 年3月及び同年6月は5万 2,000 円に訂正することが必要である。 なお、事業主が申立人に係る当該期間の厚生年金保険料を納付する義務を履 行したか否かについては、明らかでないと認められる。 第2 申立の要旨等 1 申立人の氏名等 氏 名 : 男 基礎年金番号 : 生 年 月 日 : 昭和 18 年生 住 所 : 2 申立内容の要旨 申 立 期 間 : 昭和 39 年7月1日から 59 年2月 26 日まで 申立期間は、A社に勤務していた期間であるが、厚生年金保険の標準報酬 月額の記録が給与明細書の給与総額に比し低くなっているので年金記録の 訂正の申立てを第三者委員会に行ったが、給与明細書の無い期間については、 年金記録の訂正が認められなかった。 その後、上記理由により訂正が認められなかった一部の期間について、新 たに給与明細書が見つかったので再申立てする。 第3 委員会の判断の理由 1 申立期間に係る申立てについては、申立人の標準報酬月額の記録について、 申立人から提出された給与明細書(写し)により確認できる厚生年金保険料 控除額及び報酬月額から、申立期間のうち、昭和 43 年4月及び同年5月は 4万 5,000 円、44 年4月、同年5月及び同年 10 月は5万 6,000 円、51 年4 月は 20 万円、53 年9月は 18 万円、54 年4月は 22 万円に訂正することが必 要であるとし、一方、ⅰ)申立期間のうち、標準報酬月額の訂正が認められ た期間を除く給与明細書がある期間については、健康保険厚生年金保険被保 険者原票(以下「被保険者原票」という。)及びオンライン記録で確認でき る標準報酬月額が、当該期間に係る給与明細書において確認できる報酬月額 又は厚生年金保険料控除額に見合う標準報酬月額と一致又は高いことが確 認できることから、厚生年金保険の保険給付及び保険料の納付の特例等に関 する法律(以下「特例法」という。)による保険給付の対象に当たらないこと、 ⅱ)申立期間のうち、給与明細書が無い期間については、事業主に照会した
ところ、申立てを確認できる関連資料を保管しておらず、申立人も給与明細 書を保有していないことから、申立人の主張する標準報酬月額及び厚生年金 保険料控除額が確認できないこと、ⅲ)申立人の被保険者原票における標準 報酬月額の記録を確認したものの、記載内容の不備及び標準報酬月額の遡及 訂正等が行われた形跡が無く、不自然さは見当たらない上、オンライン記録 とも一致していること等を理由として、既に年金記録の訂正は必要でないと する当委員会の決定に基づく平成 23 年7月5日付け通知が行われている。 2 今回の再申立てに当たり、申立人は、申立期間のうち新たに給与明細書が 見つかった一部の期間について、年金記録を訂正してほしいと申し立ててい るが、特例法に基づき、標準報酬月額を改定又は決定し、これに基づき記録 の訂正及び保険給付が行われるのは、事業主が源泉控除していたと認められ る厚生年金保険料額及び申立人の報酬月額のそれぞれに見合う標準報酬月 額の範囲内であることから、これらの標準報酬月額のいずれか低い方の額を 認定することとなる。 したがって、申立人の標準報酬月額については、申立人から提出された給 与明細書(写し)により確認できる報酬月額及び厚生年金保険料控除額から、 申立期間のうち、昭和 44 年3月及び同年6月は5万 2,000 円に訂正するこ とが妥当である。 なお、申立人に係る当該期間の上記訂正後の標準報酬月額に基づく厚生年 金保険料の事業主による納付義務の履行については、事業主に照会したもの の、不明としており、これを確認できる関連資料及び周辺事情が見当たらな いことから、明らかでないと判断せざるを得ない。 また、政府の当該保険料を徴収する権利が時効により消滅する前に、事業 主が給与明細書で確認できる厚生年金保険料控除額に見合う報酬月額の届 出を社会保険事務所(当時)に対して行ったか否かについては、これを確認 できる関連資料及び周辺事情が見当たらないことから、行ったとは認められ ない。 一方、申立期間のうち、上記の期間(昭和 44 年3月及び同年6月)を除 く新たに給与明細書が提出された期間(昭和 39 年9月、40 年2月、同年6 月及び同年7月、同年 10 月、41 年6月、同年9月、42 年2月、45 年 11 月 及び同年 12 月、46 年4月及び同年5月、48 年1月及び同年2月、同年9月 及び同年 10 月、49 年7月及び同年8月、同年 10 月から 50 年2月までの期 間、同年4月、同年6月から同年8月までの期間、同年 10 月から 51 年2月 までの期間、同年5月、同年7月及び同年8月、同年 10 月から 52 年2月ま での期間、同年4月から同年8月までの期間、同年 12 月から 53 年2月まで の期間、同年4月から同年8月までの期間、同年 10 月から同年 12 月までの 期間、54 年2月、同年5月、同年7月及び同年8月、同年 11 月から 55 年 2月までの期間、同年4月から同年8月までの期間、同年 11 月から 56 年2
月までの期間、同年4月から同年8月までの期間、同年 10 月から 57 年2月 までの期間、同年4月から同年8月までの期間、同年 10 月から 58 年2月ま での期間、同年4月から同年8月までの期間、及び同年 10 月から同年 12 月までの期間)については、被保険者原票及びオンライン記録で確認できる 標準報酬月額が、当該期間に係る給与明細書において確認できる報酬月額又 は厚生年金保険料控除額に見合う標準報酬月額と一致又は高いことが確認 できることから、特例法による保険給付の対象に当たらないため、あっせん は行わない。
北海道厚生年金 事案 4182 第1 委員会の結論 申立人は、申立期間のうち昭和 23 年 12 月 20 日から 28 年5月 19 日までの 期間の厚生年金保険料を事業主により給与から控除されていたことが認めら れることから、申立人のA社(現在は、B社)C事業所における厚生年金保険 被保険者資格喪失日に係る記録を同年5月 19 日に訂正し、当該期間の標準報 酬月額を 24 年1月から同年4月までは 7,800 円、同年5月から 28 年4月まで は 8,000 円とすることが必要である。 なお、事業主が申立人に係る当該期間の厚生年金保険料を納付する義務を履 行したか否かについては、明らかでないと認められる。 第2 申立の要旨等 1 申立人の氏名等 氏 名 : 男 基礎年金番号 : 生 年 月 日 : 大正 14 年生 住 所 : 2 申立内容の要旨 申 立 期 間 : 昭和 23 年 12 月 20 日から 28 年6月頃まで 昭和 23 年 12 月7日から 28 年6月頃までA社C事業所のD作業所及びE 作業所(開所:昭和 25 年4月)に直轄のF職として勤務していたが、申立 期間について厚生年金保険の加入記録が確認できない。 申立期間について、厚生年金保険の被保険者であったことを認めてほしい。 第3 委員会の判断の理由 申立期間のうち昭和 23 年 12 月 20 日から 28 年5月 19 日までの期間につい て、複数の同僚(申立人が名前を挙げた同僚4人及びその他の同僚2人の計6 人)は、「申立人とは、A社C事業所のD作業所及びE作業所において直轄の F職として一緒に勤務していた。」と供述しており、そのうちの一人は、「申立 人は昭和 23 年 11 月に採用となり、約1か月の研修期間を経て、同年 12 月か らD作業所に直轄のF職として勤務した。その後、申立人はE作業所において 開所の工事に携わり、同所の開所後は直轄のF職として勤務し、28 年の春に 申立人の妻の実家の家業を継ぐために退職した。」と供述していること、別の 同僚(故人)の妻は、「私の夫は直轄のG職であった。申立人とはE町にあっ たA社C事業所の社宅で隣人同士であり、昭和 28 年*月に申立人の長女が生 まれた時に家事を手伝ったことを覚えている。」と供述しており、申立人に係
る戸籍謄本によると、申立人の長女は同年同月*日に誕生していることが確認 できる上、申立人から提出された社宅が所在したE町が発行した長女に係る母 子手帳により、長女は誕生後同年5月 19 日までの間に4回にわたり乳児健診 を受診していることが確認できることから判断すると、申立人は、当該期間に おいてA社C事業所に直轄のG職として勤務していたことが認められる。 また、上述の同僚6人は、当該事業所に係る厚生年金保険被保険者名簿によ ると、当該期間において厚生年金保険の被保険者資格が継続していることが確 認できる。 さらに、当時、当該事業所のH課に勤務していた同僚二人及びI労働組合の J職であった同僚一人の計3人は、いずれも、「当時、地元採用の直轄のG職 については、全員、組合健康保険と厚生年金保険に強制的に加入させていた。」 と供述している。 これらを総合的に判断すると、申立人は、当該期間に係る厚生年金保険料を 事業主により給与から控除されていたものと認められる。 また、当該期間の標準報酬月額については、申立人の当該事業所に係る昭和 23 年 12 月の社会保険事務所(当時)の記録及び同職種の同僚の記録から判断 して、24 年1月から同年4月までは 7,800 円、同年5月から 28 年4月までは 8,000 円とすることが妥当である。 なお、申立人に係る厚生年金保険料の事業主による納付義務の履行について は、B社は、当時の関係資料が保存されておらず不明としており、このほかに 確認できる関連資料及び周辺事情は見当たらないことから、明らかでないと判 断せざるを得ない。 また、政府の当該保険料を徴収する権利が時効により消滅する前に、事業主 が申立てどおりの厚生年金保険被保険者資格の喪失日に係る届出を社会保険 事務所に対して行ったか否かについては、これを確認できる関連資料及び周辺 事情は見当たらないことから、行ったとは認められない。 一方、申立期間のうち昭和 28 年5月 19 日から同年6月頃までの期間につい て、申立人は勤務状況を具体的に記憶していない上、申立人が名前を挙げた同 僚やその他の同僚からは、申立人が当該期間において当該事業所に勤務してい たことをうかがわせる具体的な供述は得られなかった。 また、B社は、「関連資料を保管していないことから、申立人の勤務実態や 厚生年金保険の適用状況等については分からない。」と回答している。 このほか、申立人の申立てに係る事実を確認できる関連資料及び周辺事情は 見当たらない。 これらの事実及びこれまで収集した関連資料等を総合的に判断すると、申立 人が厚生年金保険被保険者として、当該期間に係る厚生年金保険料を事業主に より給与から控除されていたことを認めることはできない。
北海道厚生年金 事案 4183 第1 委員会の結論 申立人は、申立期間の厚生年金保険料を事業主により給与から控除されてい たことが認められることから、A社における申立人の厚生年金保険被保険者記 録のうち、申立期間に係る被保険者資格喪失日(昭和 53 年3月1日)及び同 資格取得日(54 年3月1日)を取り消し、申立期間の標準報酬月額を 15 万円 とすることが必要である。 なお、事業主は、申立人に係る申立期間の厚生年金保険料を納付する義務を 履行していないと認められる。 第2 申立の要旨等 1 申立人の氏名等 氏 名 : 男 基礎年金番号 : 生 年 月 日 : 昭和 22 年生 住 所 : 2 申立内容の要旨 申 立 期 間 : 昭和 53 年3月1日から 54 年3月1日まで 昭和 51 年にA社に入社し、56 年2月末まで勤務していたが、申立期間に 係る厚生年金保険の被保険者記録が確認できない。継続して勤務していたの は間違いないので、申立期間について厚生年金保険の被保険者であったこと を認めてほしい。 第3 委員会の判断の理由 申立人は、社会保険事務所(当時)の記録によると、A社において昭和 51 年6月1日に厚生年金保険の被保険者資格を取得し、53 年3月1日に同資格 を喪失後、54 年3月1日に同社において再度同資格を取得しており、53 年3 月から 54 年2月までの申立期間に係る被保険者記録が無い。 しかし、申立人の雇用保険の被保険者記録及び複数の同僚の供述から判断す ると、申立人は申立期間において、A社に継続して勤務していたことが認めら れる。 また、申立人及び同僚の供述によると、申立人はA社に採用後すぐにB社に 派遣され、昭和 56 年2月末に退職するまで、勤務場所、勤務日数及び報酬月 額等について変更がなかったことが認められる。 さらに、申立人が申立期間当時、一緒に勤務した同職種の同僚6人は、いず れも厚生年金保険の記録が継続していることが確認できる。
これらの事実及びこれまでに収集した関連資料等を総合的に判断すると、申 立人は、申立期間に係る厚生年金保険料を事業主により給与から控除されてい たことが認められる。 また、申立期間の標準報酬月額については、申立期間前後の社会保険事務所 の記録から 15 万円とすることが妥当である。 なお、事業主が申立人に係る申立期間の厚生年金保険料を納付する義務を履 行したか否かについては、当該事業所は既に厚生年金保険の適用事業所に該当 しなくなっており、当時の事業主も死亡していることから、同保険料を納付し たか否かについて確認することができないが、事業主から申立人に係る厚生年 金保険被保険者資格の喪失届や取得届が提出されていないにもかかわらず、社 会保険事務所がこれを記録することは考え難いことから、事業主が社会保険事 務所の記録どおりの被保険者資格の喪失及び取得の届出を行っており、その結 果、社会保険事務所は、申立人に係る昭和 53 年3月から 54 年2月までの厚生 年金保険料について納入の告知を行っておらず(社会保険事務所が納入の告知 を行ったものの、その後に納付されるべき保険料に充当した場合又は保険料を 還付した場合を含む。)、事業主は、申立期間に係る厚生年金保険料を納付する 義務を履行していないと認められる。
北海道厚生年金 事案 4184 第1 委員会の結論 申立人は、申立期間に係る脱退手当金を受給していないものと認められるこ とから、申立期間に係る脱退手当金の支給記録を訂正することが必要である。 第2 申立の要旨等 1 申立人の氏名等 氏 名 : 女 基礎年金番号 : 生 年 月 日 : 昭和 22 年生 住 所 : 2 申立内容の要旨 申 立 期 間 : ① 昭和 41 年4月5日から同年7月 26 日まで ② 昭和 41 年7月 26 日から 45 年3月 31 日まで 日本年金機構から脱退手当金に係る確認はがきを受け取ったところ、申立 期間①及び②については脱退手当金が支給済みとされていた。 しかし、脱退手当金を受け取った記憶がないので、両申立期間について年 金額に算入される厚生年金保険の被保険者期間として認めてほしい。 第3 委員会の判断の理由 申立人が申立期間②において勤務していた事業所の健康保険厚生年金保険 被保険者原票に記載されている被保険者のうち、申立人が厚生年金保険の被保 険者資格を喪失した日である昭和 45 年3月の前後3年以内に被保険者資格を 喪失し、かつ、脱退手当金の受給要件を満たす 12 人についてその支給状況を 確認したところ、このうち支給記録がある者が二人(申立人含む。)であるこ とを踏まえると、事業主が申立人の脱退手当金を代理請求したとは考え難い。 また、申立期間②に係る事業所において厚生年金保険の被保険者資格を喪失 してから約2か月後に別の事業所で被保険者資格を取得していることを踏ま えると、申立人がその当時脱退手当金を請求する意思を有していたとは考え難 い。 これらの理由及びその他の事情など総合的に判断すると、申立人は、両申立 期間に係る脱退手当金を受給していないと認められる。
北海道厚生年金 事案 4185 第1 委員会の結論 申立人は、申立期間のうち、昭和 59 年 12 月 15 日から 62 年2月 20 日まで の期間に係る厚生年金保険料を事業主により給与から控除されていたことが 認められることから、申立人のA社における厚生年金保険被保険者資格取得日 を 59 年 12 月 15 日、同資格喪失日を 62 年2月 20 日とし、当該期間の標準報 酬月額を 59 年 12 月から 60 年9月までは 24 万円、同年 10 月から 61 年9月ま では 26 万円、同年 10 月から 62 年1月までは 28 万円とすることが必要である。 なお、事業主は、申立人に係る当該期間の厚生年金保険料を納付する義務を 履行していないと認められる。 第2 申立の要旨等 1 申立人の氏名等 氏 名 : 男 基礎年金番号 : 生 年 月 日 : 昭和 28 年生 住 所 : 2 申立内容の要旨 申 立 期 間 : 昭和 59 年8月 15 日から 62 年2月 20 日まで 申立期間は、A社に勤務し、B業務を行っていたので、厚生年金保険の被 保険者であったことを認めてほしい。 第3 委員会の判断の理由 申立人が名前を挙げた6人の同僚及び申立期間当時A社において、厚生年金 保険被保険者であったことが健康保険厚生年金保険被保険者原票(以下「被保 険者原票」という。)により確認できる者 10 人に照会したところ、回答が得ら れた9人のうち7人は、申立人が同社に勤務し、B職であったことを記憶して いる上、同社で事務を担当していたとする者のうち一人は、「私は昭和 59 年3 月から勤務していたが、申立人は、私が入社した年の夏頃から勤務していた。」 と述べており、別の一人は、「申立人は、昭和 62 年2月ごろまで勤務していた と思う。」と述べていることから判断すると、申立人は、申立期間において同 社に勤務していたことが認められる。 また、被保険者原票によると、複数の同僚が申立人と同じB職であったとし て名前を挙げた5人(申立人が名前を挙げた同僚を含む。)は、申立期間当時、 当該事業所において厚生年金保険被保険者であったことが確認できる。 さらに、当時の事業主は、「A社では、従業員全員を厚生年金保険に加入さ
せていたと思う。」と述べている上、事業主及び申立人が記憶する当該事業所 の従業員数は 10 人程度であるところ、申立期間における当該事業所の厚生年 金保険被保険者数は9人から 16 人で推移していることが被保険者原票により 確認できることから判断すると、当該事業所では、ほぼ全ての従業員を厚生年 金保険の被保険者とする取扱いであったものと考えられる。 加えて、申立人と同じB職であった同僚の入社時期から厚生年金保険の被保 険者資格取得日までの期間は、自身の記憶及び別の同僚の供述によると、少な くとも4か月であることから、当該事業所では、B職の従業員について、入社 から少なくとも4か月経過後に厚生年金保険に加入させていたものと判断で きる。 これらを総合的に判断すると、申立人は、入社から4か月経過後の昭和 59 年 12 月 15 日に当該事業所において厚生年金保険の被保険者資格を取得し、62 年2月 20 日までの期間に係る厚生年金保険料を事業主により給与から控除さ れていたものと認められる。 また、当該期間の標準報酬月額については、申立人と同じB職であった同年 代の同僚の記録から、昭和 59 年 12 月から 60 年9月までは 24 万円、同年 10 月から 61 年9月までは 26 万円、同年 10 月から 62 年1月までは 28 万円とす ることが妥当である。 なお、申立人に係る厚生年金保険料の事業主による納付義務の履行について は、当時の事業主は、「申立期間当時の資料は残されていない。」と回答してい ることから、保険料を納付したか否かについて確認することができないが、当 該事業所に係る申立期間の被保険者原票の整理番号に欠番が無いことから、申 立人に係る社会保険事務所(当時)の記録が失われたとは考えられない上、仮 に、事業主から申立人に係る厚生年金保険被保険者資格の取得届が提出された 場合には、その後の被保険者報酬月額算定基礎届や被保険者資格の喪失届を提 出する機会があったこととなり、いずれの機会においても社会保険事務所が当 該届出を記録しないとは考え難いことから、事業主から当該社会保険事務所へ 資格の得喪等に係る届出は行われておらず、その結果、社会保険事務所は、申 立人に係る昭和 59 年 12 月から 62 年1月までの厚生年金保険料について納入 の告知を行っておらず、事業主は、当該期間に係る厚生年金保険料を納付する 義務を履行していないと認められる。 一方、申立期間のうち昭和 59 年8月 15 日から同年 12 月 14 日までの期間に ついて、上述のとおり、事業主は、B職の従業員について入社と同時に厚生年 金保険の被保険者資格を取得させる取扱いを行っていなかったものと判断で き、申立人と同じB職であった同僚の入社時期から厚生年金保険の被保険者資 格取得日までの期間は、少なくとも4か月であることから、申立人についても 同様の取扱いであったものと考えられる。 また、複数の同僚から、厚生年金保険の被保険者資格取得をする前に給与か
ら厚生年金保険料が控除されていたことをうかがわせる供述は得られなかっ た。 このほか、申立人の当該期間における厚生年金保険料の控除について確認で きる関連資料及び周辺事情は見当たらない。 これらの事実及びこれまで収集した関連資料等を総合的に判断すると、申立 人が厚生年金保険被保険者として、当該期間に係る厚生年金保険料を事業主に より給与から控除されていたことを認めることはできない。
北海道厚生年金 事案 4186 第1 委員会の結論 申立期間のうち平成 15 年 10 月1日から 17 年9月1日までの期間について、 申立人の当該期間に係る標準報酬月額は、事業主が社会保険事務所(当時)に 届け出た標準報酬月額であったことが認められることから、申立人の当該期間 に係る標準報酬月額を 26 万円に訂正することが必要である。 申立期間のうち平成 17 年9月1日から 21 年5月1日までの期間について、 その主張する標準報酬月額に基づく厚生年金保険料を事業主により給与から 控除されていたことが認められることから、当該期間に係る標準報酬月額の記 録を 17 年9月から 18 年8月までは 26 万円、同年9月から 20 年3月までは 28 万円、同年4月から 21 年4月までは 30 万円に訂正することが必要である。 なお、事業主は申立人に係る当該期間の上記訂正後の標準報酬月額に基づく 厚生年金保険料(訂正前の標準報酬月額に基づく厚生年金保険料を除く。)を 納付する義務を履行していないと認められる。 第2 申立の要旨等 1 申立人の氏名等 氏 名 : 男 基礎年金番号 : 生 年 月 日 : 昭和 40 年生 住 所 : 2 申立内容の要旨 申 立 期 間 : 平成 15 年 10 月1日から 21 年5月1日まで 申立期間について、ねんきん定期便に記載されている厚生年金保険料額は、 実際に給与から控除されていた保険料額よりも低い額であるので、記録を訂 正してほしい。 第3 委員会の判断の理由 申立期間のうち平成 15 年 10 月から 17 年8月までの期間について、オンラ イン記録によると、申立人のA社における厚生年金保険の標準報酬月額は、当 初、26 万円と記録されていたが、16 年 10 月 22 日付けで、当該期間の記録が 遡って9万 8,000 円に減額訂正されていることが確認できる。 また、オンライン記録によると、当該処理日において当該事業所の厚生年金 保険被保険者が一人(申立人及び事業主を除く。)確認できるところ、同人は、 申立人と同様に当該期間に係る標準報酬月額が遡って減額訂正されているこ とが確認できる。
さらに、申立人が所持する平成 15 年分給与所得の源泉徴収票、18 年度市民 税・県民税納税通知書(17 年所得分)及びB市が保管する申立人に係る 17 年 度市民税県民税申告書(16 年所得分)により、当該期間については、訂正前 の標準報酬月額(26 万円)に見合う厚生年金保険料が給与から控除されていた ことが推認できる。 これらを総合的に判断すると、平成 16 年 10 月 22 日付けで行われた遡及訂 正処理は事実に即したものとは考え難く、15 年 10 月1日に遡って標準報酬月 額の当該減額訂正処理を行う合理的な理由は見当たらず、申立人の標準報酬月 額に係る有効な記録訂正があったとは認められない。このため、申立人の同年 10 月から 17 年8月までの期間に係る標準報酬月額は、事業主が社会保険事務 所に当初届け出た標準報酬月額の記録から、26 万円に訂正することが必要で ある。 申立期間のうち平成 17 年9月から 21 年4月までの期間について、申立人が 所持する 18 年度から 20 年度までの期間及び 22 年度の市民税・県民税納税通 知書(17 年から 19 年までの期間及び 21 年の所得分)並びに 18 年から 20 年 までの給与所得の源泉徴収票により確認できる社会保険料控除額から推認で きる厚生年金保険料控除額に見合う標準報酬月額は、オンライン記録の標準報 酬月額(9万 8,000 円)より高額であることが推認できる。 また、申立人の同僚が所持する平成 17 年9月、同年 11 月及び 18 年1月か ら 21 年4月までの期間の給与明細書によると、同人のオンライン記録の標準 報酬月額(9万 8,000 円)に見合う額より高額の厚生年金保険料が控除されて いることが確認できる。 したがって、申立人の当該期間の標準報酬月額については、申立人に係る上 記の資料により確認できる社会保険料控除額から推認できる厚生年金保険料 控除額から、平成 17 年9月から 18 年8月までは 26 万円、同年9月から 20 年3月までは 28 万円、同年4月から 21 年4月までは 30 万円とすることが妥 当である。 なお、事業主が当該期間における申立人に係る厚生年金保険料を納付する義 務を履行したか否かについては、事業主から回答が得られず不明であるが、上 記の資料により推認できる厚生年金保険料控除額に見合う標準報酬月額とオ ンライン記録で確認できる標準報酬月額が長期間にわたり一致していないこ とから、事業主は上記の資料により推認できる厚生年金保険料控除額に見合う 報酬月額を届け出ておらず、その結果、社会保険事務所は、申立人の当該期間 に係る当該標準報酬月額に見合う厚生年金保険料について納入の告知を行っ ておらず、事業主は申立人に係る当該期間の厚生年金保険料を納付する義務を 履行していないと認められる。
北海道厚生年金 事案 4187 第1 委員会の結論 申立人は、申立期間に係る厚生年金保険料を事業主により給与から控除され ていたことが認められることから、申立人のA社における厚生年金保険被保険 者資格取得日に係る記録を昭和 48 年7月1日に訂正し、申立期間の標準報酬 月額を8万円とすることが必要である。 なお、事業主が申立人に係る申立期間の厚生年金保険料を納付する義務を履 行したか否かについては、明らかでないと認められる。 第2 申立の要旨等 1 申立人の氏名等 氏 名 : 男 基礎年金番号 : 生 年 月 日 : 昭和 22 年生 住 所 : 2 申立内容の要旨 申 立 期 間 : 昭和 48 年7月1日から同年 10 月1日まで 昭和 47 年1月 22 日にB社に入社して以来、人事異動はあったが、55 年 5月 10 日まで同社及び同社の関連会社であるA社に勤務していた。しかし、 年金記録では昭和 48 年7月1日に厚生年金保険被保険者の資格が喪失され、 同年 10 月1日に同資格再取得となっており、申立期間の記録が無い。 厚生年金保険料の給与からの控除を確認できる給与明細書等は無いが、申 立期間について、厚生年金保険の被保険者であったことを認めてほしい。 第3 委員会の判断の理由 雇用保険の被保険者記録、当時の事業主及び複数の同僚の供述により、申立 人がA社に継続して勤務し(B社から関連会社のA社に異動)、申立期間に係 る厚生年金保険料を事業主により給与から控除されていたことが認められる。 なお、異動日については、雇用保険の被保険者記録から判断すると、昭和 48 年7月1日とすることが妥当である。 また、申立期間の標準報酬月額については、申立人のA社における昭和 48 年 10 月の社会保険事務所(当時)の記録から8万円とすることが妥当である。 なお、申立期間の申立人に係る厚生年金保険料の事業主による納付義務の履 行については、事業主は、当時の書類を保存していないと回答しており、この ほかに確認できる関連資料及び周辺事情は見当たらないことから、明らかでな いと判断せざるを得ない。
また、政府の当該保険料を徴収する権利が時効により消滅する前に、事業主 が申立てどおりの厚生年金保険被保険者資格の取得日に係る届出を社会保険 事務所に行ったか否かについては、これを確認できる関連資料及び周辺事情が 見当たらないことから、行ったとは認められない。
北海道厚生年金 事案 4188 第1 委員会の結論 申立人は、申立期間のうち、昭和 60 年8月1日から同年 12 月1日までの期 間に係る厚生年金保険料を事業主により給与から控除されていたことが認め られることから、申立人のA社における厚生年金保険被保険者資格取得日に係 る記録を同年8月1日、同資格喪失日に係る記録を同年 12 月1日に訂正し、 当該期間の標準報酬月額を 24 万円とすることが必要である。 なお、事業主は、申立人に係る当該期間の厚生年金保険料を納付する義務を 履行していないと認められる。 第2 申立の要旨等 1 申立人の氏名等 氏 名 : 男 基礎年金番号 : 生 年 月 日 : 昭和7年生 住 所 : 2 申立内容の要旨 申 立 期 間 : 昭和 59 年4月 25 日から 61 年3月 31 日まで 申立期間はA社に勤務していたが、年金記録を確認したところ、当該期間 の厚生年金保険の加入記録が無い。 厚生年金保険料の給与からの控除を確認できる給与明細書等は無いが、申 立期間について、厚生年金保険の被保険者であったことを認めてほしい。 第3 委員会の判断の理由 1 雇用保険の被保険者記録及び複数の同僚の供述から、申立人は、申立期間 のうち昭和 60 年8月1日から同年 11 月 30 日までの期間において、A社に 勤務していたと認められる。 また、A社に係る健康保険厚生年金保険被保険者原票(以下「被保険者原 票」という。)により、申立期間において被保険者資格を取得していること が確認できる者のうち、生存及び所在が確認できた 15 人(申立人が名前を 挙げた同僚一人を含む。)に照会したところ、回答が得られた 11 人のうち 10 人は、「全社員が採用と同時に厚生年金保険に加入し、給与から厚生年金 保険料が控除されていた。」と供述している。 さらに、雇用保険の被保険者記録により、上記同僚 15 人のうち 13 人の被 保険者記録を確認したところ、資格取得日が数日相違する一人を除いた 12 人全員の被保険者記録が厚生年金保険の加入記録と符合していることが確
認できることから、A社では、社員の採用と同時に厚生年金保険及び雇用保 険に加入させる取扱いを行っていたものと推認できる。 これらの事実及びこれまで収集した関連資料等を総合的に判断すると、申 立人は、申立期間のうち、昭和 60 年8月1日から同年 12 月1日までの期間 に係る厚生年金保険料を事業主により給与から控除されていたものと認め られる。 また、当該期間の標準報酬月額については、申立人の前任者のA社におけ る社会保険事務所(当時)の記録から判断すると、24 万円とすることが妥 当である。 なお、申立人に係る厚生年金保険料の事業主による納付義務の履行につい ては、当時の事業主は不明としているが、当該期間に係る被保険者原票の整 理番号に欠番が無いことから、申立人に係る社会保険事務所の記録が失われ たとは考えられない上、当該期間に行われるべき事業主による厚生年金保険 被保険者資格の取得届、その後の被保険者資格の喪失届のいずれの機会にお いても、社会保険事務所が申立人に係る届出を記録していないとは、通常の 事務処理では考え難いことから、事業主から当該社会保険事務所へ被保険者 資格の得喪に係る届出は行われておらず、その結果、社会保険事務所は、申 立人に係る昭和 60 年8月から同年 11 月までの厚生年金保険料について納入 の告知を行っておらず、事業主は、申立人の当該期間に係る厚生年金保険料 を納付する義務を履行していないと認められる。 2 申立期間のうち、昭和 59 年4月 25 日から 60 年8月1日までの期間につ いて、申立人は、「勤務した会社の所在地は、B市C区であった。」と申し立 てているところ、商業・法人登記簿謄本により、A社は同年7月1日にB市 D区から同市C区へ移転していることが確認できるとともに、当時の事業主 は、「申立人は、会社がB市C区へ移転した後の昭和 60 年8月頃に入社し、 E業務を担当していた。しかし、関係資料が無く、当時の厚生年金保険の適 用状況等については不明である。」と回答している。 また、前記1の回答が得られた同僚 11 人のうち、申立人を記憶している とする者が6人確認できるところ、このうち5人は、「申立人は、会社がB 市C区へ移転した後に採用された。」と供述しており、いずれの者からも申 立人の当該期間における勤務実態、厚生年金保険の適用及び厚生年金保険料 控除の状況を確認できる供述を得られなかった。 さらに、雇用保険の被保険者記録において、申立人の当該期間における被 保険者記録は確認できない。 加えて、申立人が当該期間に係る厚生年金保険料を事業主により給与から 控除されていた事実を確認できる給与明細書等の資料は無く、申立人も、厚 生年金保険料が給与から控除されていたことに関する具体的な記憶がない。 このほか、申立人の当該期間に係る厚生年金保険料の控除について確認で
きる関連資料及び周辺事情は見当たらない。 これらの事実及びこれまで収集した関連資料等を総合的に判断すると、申 立人が厚生年金保険被保険者として、当該期間に係る厚生年金保険料を事業 主により給与から控除されていたことを認めることはできない。 3 申立期間のうち、昭和 60 年 12 月1日から 61 年3月 31 日までの期間につ いて、商業・法人登記簿謄本により、A社は 60 年 11 月 29 日に破産手続の 開始が決定された後、62 年5月*日に破産手続が終結していることが確認 できるところ、当時の事業主及び破産管財人の回答並びに同僚の供述から、 申立人は、当該期間において同社に係る破産財団の業務に従事していたこと が認められる。 また、事業所名簿及びオンライン記録によると、A社は、昭和 60 年 12 月1日に厚生年金保険の適用事業所に該当しなくなっており、当該期間は、 適用事業所でないことが確認できる。 さらに、当時の事業主は、「申立人は、会社倒産後、破産財団の履行補助 員として会社の清算業務に従事していた。この間の報酬は、破産財団から支 給されていたと思う。」と回答している上、A社の破産管財人は、「A社の破 産手続の開始に当たって、同社の社員二人を破産財団が行う業務の履行補助 員として採用した。履行補助員には、破産財団から報酬を支払っていたが、 当該報酬から厚生年金保険料を控除していない。」と回答している。 加えて、申立人と共に履行補助員として採用された同僚は、「破産財団の 業務に従事していた期間の報酬は、破産管財人から支給されていた。当該報 酬から厚生年金保険料は控除されていなかった。」と供述しているところ、 オンライン記録により、当該同僚は、当該期間において厚生年金保険の加入 記録が無いことが確認できる。 このほか、申立人の当該期間における厚生年金保険料の控除について確認 できる関連資料及び周辺事情は見当たらない。 これらの事実及びこれまで収集した関連資料等を総合的に判断すると、申 立人が厚生年金保険被保険者として、当該期間に係る厚生年金保険料を事業 主により給与から控除されていたことを認めることはできない。
北海道厚生年金 事案 4189 第1 委員会の結論 申立人は、申立期間に係る厚生年金保険料を事業主により賞与から控除され ていたことが認められることから、申立人のA社における申立期間の標準賞与 額に係る記録を 150 万円とすることが必要である。 なお、事業主が申立人に係る申立期間の当該標準賞与額に基づく厚生年金保 険料を納付する義務を履行したか否かについては、明らかでないと認められる。 第2 申立の要旨等 1 申立人の氏名等 氏 名 : 男 基礎年金番号 : 生 年 月 日 : 昭和 24 年生 住 所 : 2 申立内容の要旨 申 立 期 間 : 平成 20 年5月 23 日 申立期間にA社から賞与の支払を受け、賞与から厚生年金保険料が控除さ れていたが、ねんきん定期便によると、申立期間における標準賞与額の記録 が確認できない。 厚生年金保険料の賞与からの控除を確認できる役員賞与明細書を保管し ているので、申立期間について、厚生年金保険の給付に反映されるよう年金 記録を訂正してほしい。 第3 委員会の判断の理由 申立人が保管する役員賞与明細書、A社から提出された賞与集計表及び年間 賃金台帳(簡易)により、申立人は、平成 20 年5月 23 日に同社から賞与の支 払を受け、当該賞与に見合う標準賞与額(150 万円)に基づく厚生年金保険料 を事業主により賞与から控除されていたことが認められる。 なお、当該賞与に係る厚生年金保険料の事業主による納付義務の履行につい ては、事業主は不明としており、ほかに確認できる関連資料及び周辺事情は見 当たらないことから、明らかでないと判断せざるを得ない。 また、政府の当該保険料を徴収する権利が時効により消滅する前に、事業主 が申立てどおりの標準賞与額に係る届出を社会保険事務所(当時)に対して行 ったか否かについては、これを確認できる関連資料及び周辺事情が見当たらな いことから、行ったとは認められない。
北海道厚生年金 事案 4190 第1 委員会の結論 申立人は、申立期間②のうち昭和 41 年5月 23 日から 42 年1月 26 日までの 期間の厚生年金保険料を事業主により給与から控除されていたことが認めら れることから、申立人のA社(現在は、B社)における厚生年金保険被保険者 資格(以下「被保険者資格」という。)喪失日に係る記録を同年1月 26 日に訂 正し、当該期間の標準報酬月額を1万 4,000 円とすることが必要である。 なお、事業主は、申立人に係る当該期間の厚生年金保険料を納付する義務を 履行していないと認められる。 第2 申立の要旨等 1 申立人の氏名等 氏 名 : 女 基礎年金番号 : 生 年 月 日 : 昭和 23 年生 住 所 : 2 申立内容の要旨 申 立 期 間 : ① 昭和 40 年 12 月1日から 41 年4月9日まで ② 昭和 41 年5月 23 日から 42 年5月 31 日まで 昭和 40 年 12 月1日から 42 年5月 31 日までA社で事務職として勤務して いた。 年金記録を確認したところ、申立期間①及び②の記録が欠落しているので、 両申立期間について厚生年金保険の被保険者として認めてほしい。 第3 委員会の判断の理由 1 申立期間②のうち昭和 41 年5月 23 日から 42 年1月 26 日までの期間につ いて、申立人は、A社在職中に仕事を教わった同僚として名前を挙げた者に ついて、「私の方が先に退職した。」と供述しているところ、健康保険厚生年 金保険被保険者原票(以下「被保険者原票」という。)によると、当該同僚 は、42 年3月 26 日に被保険者資格を喪失していることが確認できる上、当 該同僚は、「私は、結婚することになったため退職した。私が資格喪失した 時に厚生年金保険の脱退手当金を受給したため、私の年金記録は間違いな い。」と回答していること、申立人を記憶しているほかの同僚は、「申立人は、 私が退職した時も勤務していたと思うが、退職時期は定かでない。」と供述 しているところ、同社に係る被保険者原票によると、当該同僚の被保険者資 格喪失日は、同年1月 26 日であることから判断すると、申立人は、当該期
間において、同社で勤務していたものと認められる。 また、当該事業所に係る被保険者原票により、申立期間②において被保険 者資格が確認できる同僚 16 人に照会し、10 人から回答を得られたところ、 そのうち申立人と同職種であり、かつ、自身の退職日を記憶している4人に ついて、当該退職日とオンライン記録から確認できる被保険者資格の喪失日 が、いずれも一致又はほぼ一致していることが確認できる。 さらに、回答が得られた同僚のうち、申立人を記憶している複数の者は、 いずれも申立期間②において、申立人の勤務形態、業務内容及び勤務場所に 変更が無かったと回答している。 これらを総合的に判断すると、申立人は、申立期間②のうち、昭和 41 年 5月 23 日から 42 年1月 26 日までの期間に係る厚生年金保険料を事業主に より給与から控除されていたと認められる。 また、当該期間の標準報酬月額については、申立人の当該事業所における 昭和 41 年4月の社会保険事務所(当時)の記録及び申立人と年齢の近い同 職種の同僚の記録から、1万 4,000 円とすることが妥当である。 なお、当該期間における申立人に係る厚生年金保険料の事業主による納付 義務の履行については、当該期間に行われるべき事業主による健康保険厚生 年金保険被保険者報酬月額算定基礎届及びこれに基づく定時決定や事業主 による申立てどおりの資格喪失届などのいずれかの機会においても、社会保 険事務所が記録の処理を誤るとは考え難いことから、事業主が、昭和 41 年 5月 23 日を厚生年金保険の資格喪失日として届け、その結果、社会保険事 務所は、申立人に係る同年5月から同年 12 月までの厚生年金保険料につい て納入の告知を行っておらず(社会保険事務所が納入の告知を行ったものの、 その後に納付されるべき保険料に充当した場合又は保険料を還付した場合 を含む。)、事業主は、申立人に係る当該期間の厚生年金保険料を納付する義 務を履行していないと認められる。 2 申立期間①及び申立期間②のうち昭和 42 年1月 26 日から同年5月 31 日 までの期間について、当時の事業主は既に死亡している上、現在の事業主は、 「当時の資料が保存されていないため不明である。」と回答していることか ら、当該期間における申立人の勤務実態及び厚生年金保険の適用状況につい て確認できない。 また、申立人が名前を挙げた同僚を含む複数の同僚は、申立人が申立期間 ①において、当該事業所で勤務していたことをうかがわせる供述をしている ものの、いずれの同僚も、申立人の入社時期及び勤務期間について記憶して いないことから、申立人の申立期間①における勤務実態について確認するこ とができない。 さらに、申立期間②のうち、昭和 42 年1月 26 日から同年5月 31 日まで の期間において、先述のとおり、申立人が仕事を教わった同僚として名前を
挙げた者のオンライン記録及びほかの複数の同僚の供述から、申立人の当該 期間における勤務実態について確認することができない。 加えて、申立人が当該期間に係る厚生年金保険料を事業主により給与から 控除されていた事実を確認できる給与明細書等の資料は無い。 このほか、申立人の当該期間における申立ての事実を確認できる関連資料 及び周辺事情は見当たらない。 これらの事実及びこれまで収集した関連資料等を総合的に判断すると、申 立人が厚生年金保険被保険者として、申立期間①及び申立期間②のうち昭和 42 年1月 26 日から同年5月 31 日までの期間に係る厚生年金保険料を事業 主により給与から控除されていたことを認めることはできない。
北海道厚生年金 事案 4191 第1 委員会の結論 申立人の申立期間①及び③に係る厚生年金保険の被保険者種別については、 事業主が、第3種被保険者として社会保険事務所(当時)に届け出を行ったこ とが認められることから、厚生年金保険被保険者資格の被保険者種別に係る記 録を第1種から第3種に訂正することが必要である。 申立期間②について、申立人は厚生年金保険第3種被保険者であったことが 認められるとともに、厚生年金保険料を事業主により給与から控除されていた ことが認められることから、申立人のA社B事業所における厚生年金保険被保 険者記録のうち、当該期間に係る被保険者資格喪失日(昭和 36 年2月 13 日) 及び同資格取得日(昭和 37 年9月1日)の記録を取り消し、当該期間の標準 報酬月額を2万 4,000 円とすることが必要である。 なお、事業主は、申立人に係る申立期間②の厚生年金保険料を納付する義務 を履行していないと認められる。 また、申立期間④について、申立人は厚生年金保険第3種被保険者であった ことが認められるとともに、厚生年金保険料を事業主により給与から控除され ていたことが認められることから、申立人のC社D事業所における申立期間④ の厚生年金保険被保険者資格の種別に係る記録を第1種から第3種に訂正す ることが必要である。 なお、事業主は、申立人に係る申立期間④の厚生年金保険料を納付する義務 を履行したか否かについては、明らかでないと認められる。 第2 申立の要旨等 1 申立人の氏名等 氏 名 : 男(死亡) 基礎年金番号 : 生 年 月 日 : 明治 44 年生 住 所 : 2 申立内容の要旨 申 立 期 間 : ① 昭和 24 年4月1日から 36 年2月 13 日まで ② 昭和 36 年2月 13 日から 37 年9月1日まで ③ 昭和 37 年9月1日から 38 年 11 月1日まで ④ 昭和 39 年8月1日から 40 年9月 15 日まで 申立期間①及び③について、A社B事業所での厚生年金保険被保険者の種 別は第1種ではなくE作業所勤務の第3種であるので、記録を訂正してほし い。
申立期間②について、A社B事業所で継続してE業務に従事していたのに 厚生年金保険被保険者の記録が無いのはおかしいので、記録を訂正してほし い。 申立期間④について、C社D事業所での厚生年金保険被保険者の種別は第 1種ではなくE作業所勤務の第3種であるので、記録を訂正してほしい。 (注)申立ては、死亡した申立人の子が申立人の年金記録の訂正を求めて行 ったものである。 第3 委員会の判断の理由 1 申立期間①及び③について、オンライン記録により、当該期間にA社B事 業所において厚生年金保険第3種被保険者資格が確認できる同僚の一人が、 「私は、申立期間①から③までの全期間を通じ、申立人の後輩として申立人 とE作業所で一緒に勤務していた。」と供述していること、申立人の息子と 同級生、同期生であったと供述している他の一人の同僚が、「私は、申立人 を直接は知らないが、申立人の息子から申立人がE作業所で勤務していたこ とを聞いていた。」と供述していることから判断すると、申立人は、申立期 間①及び③において当該事業所にE業務として従事していたものと認めら れる。 また、オンライン記録により、申立期間①及び③において当該事業所で厚 生年金保険の被保険者資格が確認できる 44 人に照会したところ、25 人から 回答が得られ、そのうち自身の業務をE作業所勤務のみであったと供述して いる 12 人のうち 11 人は、厚生年金保険に加入している全期間第3種被保険 者として記録されていることが確認でき、他の一人も、加入の初期を除く大 部分の期間について第3種被保険者として記録されていることが確認でき る。 一方、当該事業所に係る申立人の厚生年金保険被保険者台帳(以下「旧台 帳」という。)の所在が確認できない上、健康保険厚生年金保険被保険者名 簿(以下「被保険者名簿」という。)の記載も不明確なものとなっているこ とが確認できるところ、オンライン記録により、申立人と同じ昭和 17 年6 月1日に当該事業所で厚生年金保険の被保険者資格を取得したことが確認 できる 155 人のうち 35 人について、オンライン記録、旧台帳及び被保険者 名簿の記録を確認したところ、ほとんどの者が、オンライン記録、旧台帳及 び被保険者名簿の相互で被保険者種別の記録が異なる状況となっているこ とが確認できる。 これらを総合的に判断すると、A社B事業所の厚生年金保険被保険者に係 る社会保険事務所の記録管理に不備が認められる上、申立人について、昭和 24 年4月1日に厚生年金保険の被保険者種別を第1種から第3種に変更す る処理及び 37 年9月1日に厚生年金保険の第1種被保険者として資格を取
得した旨の処理を行う合理的な理由は無く、申立人は、申立期間①及び③に おいて厚生年金保険第3種被保険者であったと認められる。 2 申立期間②について、申立人は、社会保険事務所の記録では、当該事業所 において昭和 36 年2月 13 日に厚生年金保険の被保険者資格を喪失し、37 年9月1日に再度同被保険者資格を取得しており、36 年2月から 37 年8月 までの申立期間②の被保険者記録が無い。 しかし、前述の申立期間①から③までの全期間を通じて申立人の当該事業 所でのE作業所勤務を供述している同僚及び複数の同僚の供述から判断す ると、申立人は、申立期間②においても当該事業所でE業務に従事していた ものと認められる。 また、オンライン記録により、当該事業所において、申立人が厚生年金保 険の被保険者資格を取得した昭和 17 年6月1日以降に厚生年金保険の第3 種被保険者資格を取得していることが確認できる 236 人については、同被保 険者記録が継続していることが確認できる。 これらの事実及びこれまでに収集した関連資料を総合的に判断すると、申 立人は、申立期間②について厚生年金保険第3種被保険者であったことが認 められるとともに、厚生年金保険料を事業主により給与から控除されていた ことが認められる。 また、申立期間②の標準報酬月額については、申立人の昭和 36 年1月の 社会保険事務所の記録から、2万 4,000 円とすることが妥当である。 なお、事業主が申立人に係る申立期間②の厚生年金保険料を納付する義務 を履行したか否かについては、当該事業所は平成3年1月 26 日に厚生年金 保険の適用事業所に該当しなくなっている上、後継事業所であるF社は、当 時の資料が無く不明であるとしていることから確認できないものの、事業主 から申立人に係る厚生年金保険の被保険者資格の喪失届や取得届が提出さ れていないにもかかわらず、社会保険事務所がこれを記録するとは考え難い ことから、事業主が社会保険事務所の記録どおりの資格の喪失及び取得の届 出を行っており、その結果、社会保険事務所は、申立人に係る昭和 36 年2 月から 37 年8月までの保険料について納入の告知を行っておらず(社会保 険事務所が納入の告知を行ったものの、その後に納付されるべき保険料に充 当した場合又は保険料を還付した場合を含む。)、事業主は、申立期間②に係 る同保険料を納付する義務を履行していないと認められる。 3 申立期間④について、複数の同僚の供述から判断すると、申立人は、C社 D事業所においてE業務に従事していたものと認められる。 また、申立期間④に当該事業所で厚生年金保険の被保険者資格が確認でき る 16 人に照会したところ、10 人から回答が得られ、そのうち、自身の業務 がE業務であったと供述している7人全員が、健康保険厚生年金保険被保険 者原票及びオンライン記録により、第3種被保険者として記録されているこ
とが確認できる。 さらに、オンライン記録によると、申立人の申立期間④における標準報酬 月額の記録は、上記7人と同等又はそれ以上の等級であることが確認できる。 これらの事実及びこれまでに収集した関連資料等を総合的に判断すると、 申立人は、申立期間④において厚生年金保険第3種被保険者であったことが 認められるとともに、厚生年金保険料を事業主により給与から控除されてい たことが認められる。 なお、事業主が申立人に係る厚生年金保険料を納付する義務を履行したか 否かについては、当該事業所は平成2年7月 31 日に厚生年金保険の適用事 業所に該当しなくなっている上、事業主も生存及び所在が確認できないこと から確認できず、このほかに上記義務を履行したか否かを確認できる関連資 料及び周辺事情は見当たらないことから、明らかでないと判断せざるを得な い。 また、政府の当該保険料を徴収する権利が時効により消滅する前に、事業 主が申立てどおりの被保険者種別に係る届出を社会保険事務所に行ったか 否かについては、これを確認できる関連資料及び周辺事情も見当たらないこ とから、行ったとは認められない。
北海道国民年金 事案 2150 第1 委員会の結論 申立人の昭和 46 年1月から 49 年 12 月までの国民年金保険料については、 納付していたものと認めることはできない。 第2 申立の要旨等 1 申立人の氏名等 氏 名 : 女 基礎年金番号 : 生 年 月 日 : 昭和 19 年生 住 所 : 2 申立内容の要旨 申 立 期 間 : 昭和 46 年1月から 49 年 12 月まで 私は、結婚する際、私の母親から年金の重要性について説かれたことから、 結婚直後にA市役所で国民年金の加入手続を行い、3か月ごとに保険料を納 付していた。 申立期間の国民年金保険料の領収書を保存していないが、私の夫は、毎年、 私が納付した国民年金保険料を所得控除対象の社会保険料として勤め先に 申告していたとしており、その当時の源泉徴収票に納付した社会保険料が計 上されている。 申立期間が国民年金に未加入で、保険料が未納とされていることに納得で きない。 第3 委員会の判断の理由 1 申立人の国民年金手帳記号番号は、同手帳記号番号払出簿により、B市か ら昭和 44 年4月頃に払い出されたものと推認でき、同手帳記号番号により、 申立人は、婚姻前の国民年金保険料を納付し、厚生年金保険の被保険者とな ったことから、45 年4月1日付けで国民年金の被保険者資格を喪失したこ とが確認できる。 また、申立人の所持する国民年金手帳には、任意加入の被保険者資格取得 日が昭和 50 年1月 31 日と記載されている上、婚姻後の氏名変更及び住所変 更が同日付けで行われた記録があることから、申立人は同日に国民年金の再 加入手続を行ったものと推認でき、申立期間当時、申立人は国民年金に未加 入で、保険料を納付することができなかったものと考えられる。 さらに、申立人は、婚姻後の昭和 46 年3月頃に、A市で国民年金の再加 入手続を行ったとしているが、同市における国民年金被保険者名簿に申立人 の名前は見当たらず、申立人の国民年金手帳の住所歴記載欄にも同市の住所
の記載は無い。 加えて、国民年金被保険者台帳管理簿により、申立人の同被保険者台帳が、 申立期間前半に申立人が居住していたA市を管轄するC社会保険事務所(当 時)に移管されることなく、昭和 50 年5月までB社会保険事務所(当時) で管理されていたことが確認でき、申立人の申立内容と一致しない。 2 申立人の申立期間の国民年金保険料を納付したことを示す資料として申 立人の夫から提出された当時の源泉徴収票を確認したが、当該源泉徴収票の 「社会保険料の金額」欄のうち、配偶者の社会保険料納付分などを申告する 「本人申告社会保険料(内数)」として記載された金額は、円単位の端数が 付いている上、申立期間当時の国民年金保険料額とは大きく異なっているこ とから、当該源泉徴収票に記載された当該金額が申立人の申立期間の国民年 金保険料であると特定することはできない。 3 申立人に対し、別の国民年金手帳記号番号が払い出された形跡は見当たら ず、ほかに申立期間の保険料を納付していたことをうかがわせる周辺事情も 見当たらない。 4 これら申立内容及びこれまで収集した関連資料、周辺事情を総合的に判断 すると、申立人が申立期間の国民年金保険料を納付していたものと認めるこ とはできない。