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結果の要旨/金沢大学大学院自然科学研究科

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Academic year: 2021

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Nf=2QCDにおける有限温度相転移

著者 中村 宜文

雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査

結果の要旨/金沢大学大学院自然科学研究科

巻 平成19年3月

ページ 1‑4

発行年 2007‑03‑01

URL http://hdl.handle.net/2297/14577

(2)

氏名 学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位授与の題目 論文審査委員(主査)

論文審査委員(副査)

中村宜文 博士(理学)

博甲第749号 平成17年3月31日

課程博士(学位規則第4条第1項)

N戸2QCDにおける有限温度相転移

鈴木恒雄(総合メディア基盤センター・教授)

久保治輔(自然科学研究科・教授),青木健一(自然科学研究科・教授)

末松大二郎(自然科学研究科・助教授),

寺尾治彦(自然科学研究科・助教授)

InordertoobtainpredictionsfOrtherealworldfromlatticeQCD,wehavetoextrapolatethe latticedatatothecontinuumandtothechirallilnitsRecentlytheBielefeldgroupandtheCP-PACS collaborationusingdifIerentfermionactionsobtainedconsistentvaluesfbrthecriticaltemperature

ZLinthechirallimit,albeitonrathercoarselatticesaMVb=4and6EdwardsandHellerdetermined

nfbrM=4,6usingnonperturbativelyimprovedWilsonfermions・Wecomputemonfinerlattices With1Vノー8andlOwithhighstatisticsWeusenon-perturbativelyimprovedWilsonfermionsand WilsonactionConfigurationsaregeneratedonl63×8(β=52and525)and243×10(β=52)

latticesatvarious凡.WeuseresultsobtainedatT=Otofixthescale、Polyakovloopsusceptibility wasusedtodeterlninethetransitionpoint・Atslnallenoughlatticespacingandquarkmassonecan extrapolatethecriticaltelnperatureZltothecontinuumandthechirallimitsusingfOrmula:

恥=w刊、+q(鳥肌(÷之)六,

whereZrmg'@→ocorrespondstotheextrapolatedvalueofthecriticaltemperatureandβand6are criticalindices・WeextrapolatethevalueofthecriticaltemperatureusingdiHerentvaluesof0.54and lasl/β6.Ifthetransitionintwo-flavorQCDissecondorder,thetmnsitionisexpectedtobelong totheuniversalityclassofthe3DO(4)spmmodelwithl/β6-O541fthetransitionisfirstorder,

thenl/βJ=LTHble4presentsfittingresultsWegetthecIiticaltemperatureinthecontinuumand inthechirallimitslnthecaseofl/βJ=0.54,ZrMo→o=174(8)MeV,Tllisvalueagreeswithvalues obtainedinotherstudieslnthecaseofl/β5=1,”''@→o=201(12)MeV,Althoughsomelattice studiesindicatesecondorderchiraltransitionintwo-HavorQCD,therearealsoresultssupporting

firstordertfiansition・Resultsofourfitsdonotallowtodiscrilninatebetweenfirstandsecondorder transitionsbecauseofratherlargeerrorsinZLrovaluesWearecontinuingsilnulationson243×l0

1atticetogetbetterprecisionofnvalueonthislattice.

学位論文要旨

格子QCDから現実の世界を予測するためには、連続極限とカイラル極限をとらなければならな い。最近、BielefeldのグループとCP-PACS。ラボレーションは異なったタイプのフェルオンを使っ

て、時間方向のサイズが4の2フレーバーのクォークの寄与を考慮した(jvlF2FnllQcD)シミュ

レーションを行い可カイラル極限における有限温度相転移の臨界温度を求めた。また、Edwardsと

(3)

Hellerも、非摂動的に改良されたフェルミオン作用を使って、臨界温度を求めた。

しかし、これからのシミュレーションは時間方向のサイズが小さく連続極限から遠い。そこで、本 論文では、/V)=2FnllQCDの閉じこめ非閉じこめ相転移の臨界温度の連続極限とカイラル極 限を決定することを目的とする。mlQCDのコンフィギュレーション(configuration)はグルーオ ン場としてウィルソン作用(WilsonAction)、クォーク場としてプレイバー数2のクローバー作用 (Wilson+nonperturbativelyO(a)improveMloverfbrmion)で発生させる。オーダーパラメーターと してはポリアコフループを使う。

ゲージ作用として通常のウィルソン作用、フェルミオンの作用としてクローバー作用を用いた。

cSwに関しては非摂動的に決めたれたものを使った。コンフィギュレーションは163×8のβ=52 と/8=525243×10のβ=52で生成した。163×8のβ=5.2ではパー0.1330--0.1360,163×8 の,β=5.25ではパー0.1330--01350,243×10のβ=52ではパー0.1348--0.1360の問で凡を 変えて調べた。非摂動的に決めたれたcSwはβ三52でなければならない。ウィルソンゲージ+ク

ローバー作用では、凡同じならば,βが小さい方がクォークの質量が小さくなるという禾U点がある。

今回の計算では、βを固定して、凡を変えていくという方法をとった。したがって、インジケイター を計算するとそれぞれのサイズごとのβで凡の臨界点が求められる。

このほかにクォークの質量を固定して、温度を変えていく方法も考えられる。,βと凡をうまくコ

ントロールしてやることで原理的には可能である。そのためには、温度を求めるための格子間隔と クォークの質量をゼロ温度のシミュレーションできちんと調べる必要がある。いくつかのβと凡で ゼロ温度のシミュレーションを行えば、フイッテインク関数から他のβ、灯でのクォークの質量と格 子間隔が大体分かる。新しいβ、凡のシミュレーションでフイッティンク関数の係数が変わることが あり、質量や温度が変わることがあるので、一般的にはやられていない。最終的に臨界温度の連続極 限カイラル極限を求めるために必要なのは、擬臨界温度での格子間隔とクォーク質量であるので、そ の時のβと/$がさえ分かればよい。

1トラジェクトリ_あたりのγは163×8は0.25で、243×10は0.5とした。最近はγ=05を使 うグループもいくつかあるが通常はγ=10が使われる。γ=025はかなり小さいが、特に問題はな い。メトロポリス法のアクセプトの比率は約70%になるように67を調節した。γを固定した場合、

凡=γ/67を大きくするとアクセプトされる確率があがる。しかし、ハイブリットモンテカルカルロ の計算時間は1V;に比例するので、アクセプトの比率ができるだけ高く、凡ができるだけ小さい、70

%に設定される。β、凡の値を物理的な量に直すために、UKQCD-QCDSFのゼロ温度のシミュレー

ションで決定されたスケールを用いる。

まず、ポリアコフループを各サイズ、βで測定した。図(1,2)の上の図からわかるようにZ3対称 性が破れているため、閉じこめ相(偏が小さいところ)でもポリアコフループの値がゼロではない。

β=525では凡を上げていくと、凡=0.1341付近でポリアコフループの値が一時的に下がっている ことが分かる。betcL=52でも若干その傾向がみられる。この現象はEdwardsとHellerが小さい格 子サイズで調べた時にも見られた。

次にポリアコフループのサセプテイピリティーを測定した(1,2の下の図)。サセプテイピリティー のピークの位置を決めるために相転移近傍のサセプテイピリティーをのうイッテイング関数

x仇(侭)=(q+(編一晩)2)', ○l

でフィットした。C1,2,編か'ノフイツトのパラメーターである。図(1(下))の点線はフイツ卜の結果で ある。しかし、β=52では実際のピークの位置とフイッ卜で得られたピークの位置が大きくずれて、

243×10ではx2とても大きくなった。

そのため、実際のピークの位置の凡を擬結合定数として採用し、誤差を隣の測定値までの差とし

-2-

(4)

た。擬臨界結合定数/、t、β、時間方向のサイズLtをゼロ温度で得られたスケールを用いて温度に直す

と、、両/、,とα/r0の関数である擬臨界温度ZL=196(4)MeV(、汀/、,=064(3),α/γo=0201(4))、

、=210(4)MeV(’72術/、,=077(3),α/1.0=0234(4))、ZB=219(3)MeV(、耐/、,=081(4),α/ro=

0225(4))が得られる。

十分格子間隔か小さく、クォークの質量が小さい時は以下の式を使って擬臨界温度を連続極限と力

イラル極限に外挿することができる。

くL>

0.03 0.3

;Ⅱ

●6=52 叩=52s

塵⑧

002 0.2

0.01 0.1

0 愚0● 0

0.13301340.1350136K ''330.1340.1350.136K u0.1330.1340.1350.136K

図1163×8格子のポリヤコフループ(上)とそのサセプテイピリティー(下)

<L>

0.01

§

ロI ,ll1l,’

0.008

0.1

0.006 0.004

0.002 0.05

09 3450.1350.13550.136

0.1365

0.13450.1350.13550.136

0.136S

図2:243×10格子のポリヤコフループ(上)とそのサセプテイピリティー(下)

(5)

恥-W利、+q(芙川(急一念)六,

ここで、”''@→oは臨界温度であり、βMは、臨界指数である。Caとqはフイッ卜のパラメー ターである。またro=O5fmである。凡cはあるβが与えられた時のカイラル極限での凡の値である。

第2項目と第3項目はそれぞれ、格子間隔、クォーク質量の主要な項である。ウィルソンフェルミオ ン作用はo(α)の誤差をもつが、改良作用であるクローバー作用を用いることでウィルソンゲージ作 用と同じO(α2)の誤差になる。

Lt=8の/β=5.2と'8=5.25,Lt=10のβ=52、EdwardsとHellerによって調べられたLt=6 のβ=52の4点でフイッ卜を行う。

Tablel:フィッ卜の結果

もし相転移が2次相転移であれば、2フレーバーQCDは、3次元のO(4)スピンモデルと同じユニ バーサリテイークラスに属するので、1/B0は約054である。もし相転移が,次相転移であればその 値は1である。

Tnblelにフイッ卜の結果を示した。

得られた結果を温度に直すと、2次相転移を仮定した場合には、”,'・→o=174(8)MeVとなり、

他のグループのカイラル極限のみを取った値と近い値であった。,吹相転移を仮定した場合には、

ZlWL→0=201(12)MeVとなった。

現時点で相転移の次数を決めることはできないので、臨界温度を決定することはできない。しか し、さらにデータをとればCM2から相転移の次数を決めることができるはずである。

学位論文審査結果の要旨

本審査委員会は、審査の結果、上記学位論文に関して以下のように判定した。

本論文は、格子上で定式化された場の量子論をモンテカルロシミュレーション法で解析するという手法で、

軽いクォークの効果を取り入れた「filllQCDでの有限温度系での相転移機構」を議論している。この論文は 軽いクォークの入ったfimQCDでの有限温度系で極めて長時間の大変困難な計算機シミュレーションを行 い、以下のような興味ある結果を得た。

1)時間方向が8の163×8と時間方向が10の243×10の2種類の格子空間で、且つ○(α)改良さ れたウィルソンクォーク作用を用いて、世界で初めて閉じ込め、非閉じ込め転移の臨界温度を決定した。

2)クォーク質量が十分小さくない場合(パイオンと′O中間子の質量比が、凧/mp三04の場合)、軽い

クォークのないクエンチ近似での結果のような、可換成分が主要な効果を与えるというアーベリアンドミナ ンスやモノポール成分が主要になるというモノポールドミナンスが観測されることを確認した。

3)簡単な外挿公式を仮定して、クォーク質量がゼロのカイラル極限と格子間隔ゼロの連続極限での転移 温度を、相転移次数に関する仮定があるが、初めて高い精度で決定した。両方の極限を調べた結果は初めて

で、実験的にも重要な結果である。

以上の結果は、いずれも世界初で、特に1)と3)の結果は大変興味ある重要な結果である。

以上の点から委員会は本論文が博士論文として値すると結論した。

-4-

β6

TLro Ob q X2/doノ

order

0.54

044(2) -09(5) 05(1)

0.26 2,.

051(3) 〒13(7) 09(2)

0.13 1st

参照

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