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論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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論文内容の要旨

Morphology of the femoral insertion of the posterolateral corner (膝関節後外側支持機構の大腿骨付着部における解剖学的指標の検討)

(武田三十郎,田島吾郎,藤野浩太郎,燕軍,亀井陽一,丸山盛貴,菊地修平,土井田稔) Knee Surgery, Sports Traumatology, Arthroscopy (投稿審査中)

Ⅰ.研究目的

後外側支持機構(posterolateral corner: PLC)は,外側側副靭帯(lateral collateral ligament: LCL),膝窩筋腱(popliteus tendon: PT),膝窩腓骨靭帯(popliteofibular ligament: PFL)から構成され,膝関節の内反や外旋を制御する関節の安定性に極めて重 要な靭帯・腱複合体である.PLC 損傷は膝靭帯損傷の中では比較的まれであるが,高エネ ルギー外傷による複合靭帯損傷に多く認められ,後十字靭帯(posterior cruciate ligament: PCL)との合併損傷が多いとされている.PCL 及び PLC 複合靭帯損傷例に対する PCL 単独再建では,再建 PCL にかかる負担が大きく,術後成績が不良となると報告されて いる.

現在,複合靭帯損傷膝においても正常な解剖学的靭帯付着部へ移植靭帯を再建すべく PLC 損傷の解剖学的再建の重要性が唱えられており,いくつかの再建術式が報告されてい る.しかし,これまでの解剖学的研究では LCL,PT 大腿骨付着部の位置に多くのバリエー ションがあることが報告されており,正確な付着部位置には未だ議論の余地がある.よっ て, PLC のより解剖学的な再建を行うためには LCL,PT の正確な付着部を明らかにする必要 がある.

本研究の目的は PLC の主要構成体である、LCL、PT の大腿骨付着部の解剖学的な指標を 明らかにすることである.

Ⅱ.研究対象ならび方法

ヒト屍体膝 26 膝を用いて肉眼解剖を行い, LCL, PT の大腿骨付着部をマーキングした後,

CT 撮 像 を 施 行 し た . 得 ら れ た デ ー タ か ら 医 療 用 3DCAD ソ フ ト (Mimics version 15.0,Materialise N.V.,Belgium)を使用して3D モデルを構築し,LCL,

PT 大腿骨付着部の面積・付着部相互位置関係・中心座標位置・骨性指標を解析・検討した.

授与番号 甲第 1641 号

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Ⅲ.研究結果

1. LCL, PTの大腿骨付着部の面積はそれぞれ平均で 55.8±25.0 mm

2

, 52.5±24.2mm

2

であっ た.

2. LCL と PT の付着部相互位置関係にはバリエーションが認められた(PT 付着部が LCL 付 着部と頭尾方向に並ぶ 13 例,PT 付着部が LCL 付着部より背側 13 例) .

3. 大腿骨外側上顆頂点と膝窩筋腱溝は 3D 画像上で明らかな骨性指標として全例に認め られた.

4. LCL は 26 例中 24 例で外側上顆頂点から後方遠位の斜面に付着していた.

5. PT は全例で膝窩筋腱溝の前方終点に付着していた.

Ⅳ.結 語

LCL と PT 大腿骨付着部の相互位置関係にはバリエーションが認められた.しかし,LCL

と PT の大腿骨側付着部と骨性指標の位置関係は一定であり, LCL は外側上顆頂点から遠位 後方の斜面に,PTは膝窩筋腱溝の前方終点に付着していた.本研究により,正確な解剖 学的復元の PLC 再建術が可能となると考える.

Ⅴ. 学位申請後経過

*1最終審査後、Knee Surgery, Sports Traumatology, Arthroscopy に掲載された。

*2投稿雑誌変更、査読による論文内容の変更は不要であった。

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論文審査の結果の要旨

論文審査担当者

主査 教授 小林 誠一郎(形成外科学講座)

副査 教授 谷田

達男

(呼吸器外科学講座)

副査 教授 吉岡 邦浩(放射線医学講座)

現在,PLC 損傷の解剖学的再建の重要性が唱えられており,いくつかの再建術式が報告 されている.しかし,これまでの解剖学的研究では LCL,PT 大腿骨付着部の正確な位置に は未だ議論の余地があり, PLC 損傷において,より解剖学的な再建を行うためには LCL,PT の正確な付着部を明らかにする必要がある.本研究論文はヒト屍体膝を用いて肉眼解剖・

CT 撮像を行い,得られたデータから 3D モデルを構築し,PLC の主要構成体である、LCL、

PT の大腿骨付着部の解剖学的な指標を解析・検討したものである.LCL と PT 大腿骨付着 部の相互位置関係にはバリエーションが認められたが, LCL と PT の大腿骨側付着部と骨性 指標の位置関係は一定であり,LCL は外側上顆頂点から遠位後方の斜面に,PTは膝窩筋 腱溝の前方終点に付着していた.本論文により,正確な解剖学的位置関係に基づいた PLC 再建術が可能となると考えられる.学位に値する論文である.

試験・試問の結果の要旨

外側と内側の支持機構のバランス, LCL と PT の相互位置関係の違いによる運動への影響,

人種・性別による位置関係の違い,臨床への応用等について試問を行い,適切な解答を得 た.学位に値する学識を有していると考える.

参考論文

1) Morphology of the femoral insertion site of the medial patellofemoral ligament (藤野浩太郎 他 6 名と共著)

Knee Surgery, Sports Traumatology, Arthroscopy, インターネット掲載 (2013)

2) 手術治療を行った有痛性外脛骨の 1 例 (武田三十郎 他 3 名と共著)

岩手県立病院医学会雑誌, 51 巻 1 号 (2011) : p33-36

参照

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