微分積分学および演習 Ⅰ 演習問題 12
2018年度前期工学部・未来科学部1年 担当: 原 隆(未来科学部数学系列・助教)
演習課題
Exercises in class
※∗印の付いた問題は、少し難易度が高めです。
問題12-1. (図形の求積Ⅰ: グラフの面積) 以下の設問に答えなさい。
(1) xy 平面内の曲線y= (x−1)2,y=ex,x= 5 で囲まれる領域の面積を求めなさい。
(2) xy 平面の曲線y= sin(2x),y = 4
πx で囲まれる領域の面積を求めなさい。
(3) 楕円 x2 a2 +y2
b2 = 1 で囲まれる領域の面積を求めなさい(但しa >0,b >0 とする)。 (4) xy 平面内で、サイクロイド
{
x =a(θ−sinθ)
y =a(1−cosθ) (0≤θ≤2π) と x 軸によって囲まれる領域の面積を求めなさい(但し a >0 とする)。 (5)∗ xy 平面内で、アステロイド
{
x =acos3θ
y =asin3θ (0≤θ≤2π) の内部の面積を求めなさい(但しa >0とする)。
問題12-2. (図形の求積Ⅱ: 回転体の体積) 以下の設問に答えなさい。
(1) xy 平面内で、x 軸、y 軸及び直線 y=−1
2x+ 2で囲まれる図形をx 軸のまわりに1回転さ せて得られる回転体の体積を求めなさい。
(2) 楕円 x2 a2 + y2
b2 = 1 の内部をx 軸のまわりに1回転させて得られる回転体*1の体積を求めなさ い (但し a >0,b >0 とする)。
(3) xy 平面内で、曲線y= sinx(0≤x≤π)と x 軸とで囲まれる図形を x 軸のまわりに1回転 させて得られる回転体の体積を求めなさい。
(4) xy 平面内で、x軸,y 軸,曲線y= logx 及び直線 y= 1によって囲まれる図形を x軸のまわ りに1回転させて得られる回転体の体積を求めなさい。
(5) xy 平面内で、放物線y =−(x−1)2+ 1と x 軸とで囲まれる図形をy 軸のまわりに 1回転 させて得られる回転体の体積を求めなさい。
(6)∗ xy 平面内で、y= sinx(0≤x≤π)と x 軸とで囲まれる図形をy 軸のまわりに 1回転させ て得られる回転体の体積を求めなさい。
(7)∗ a > b >0 とする。xy 平面内の円 (x−a)2+y2 =b2 の内部を y 軸のまわりに1回転させ て得られる回転体*2の体積を求めなさい。
*1回転楕円体spheroidと呼ぶ。
*2トーラス体solid torusと呼ぶ。
問題12-3. (曲線の長さ)∗ ※ 時間が余ったら扱います。
以下の設問に答えなさい。
(1) xy 平面内の曲線*3 y= a
2(exa +e−xa) の0≤x≤L に対応する部分の長さを求めなさい。
(2) xy 平面内の曲線y= 1 4x2−1
2logx の 1
2 ≤x≤2 に対応する部分の長さを求めなさい。
(3)∗ 放物線 y= 1
8x2の0≤x≤2に対応する部分の長さを求めなさい。
【ヒント集】 ※ 本当に 困ったときだけ 見ること!!!
問題12-1.
(4) まずは y を x の関数 y(x) だと思って、y(x) を用いて面積を定積分で表した後で、
媒介変数表示を利用して x=a(θ−sinθ) と置換積分しよう!!
そのとき y(x) がどう表されるかがポイント。
※ 実は石原・浅野の教科書の p. 134に答えが…
(5) (4) と同様。第1象限での面積を求めて4倍する のが賢い。
※ 三角関数の積分計算が複雑なので ウォリスの公式 *4 を使うと良い。
問題12-2.
(4) いわゆる「刳り抜き型」の回転体。断面図がどうなるか を落ち着いて考えよう。
(5) y 軸のまわりの回転体。基本的に回転体の問題は 回転軸に対して 垂直に スライス す るのが基本。すると V =
∫ b a
x(y)dy の形の積分が登場するはず。
※ 別解として バウムクーヘン分割 による解法があります (講義で解説します) (6) (5) と同様。これはバウムクーヘン分割を用いた方が圧倒的に楽。
(7) (5), (6) と同様。y 軸まわりの回転体の総集編。どちらで解いてもそれなりに計算は大
変。 頑張ろう!!
問題12-3.
(3) 「曲線の長さ」の公式にあてはめれば、定積分の式は簡単に立てられるはず。むしろ厄介 なのは 積分の計算 の方です。
登場した定積分の式の計算方法については、演習問題8-2. (5)を参照して下さい (レポー ト問題だけど)。
*3懸垂線catenaryと呼ぶ。
*4演習問題7-3. (6)参照。