札幌市立陵北中学校
〒0630802 北海道札幌市西区二十四軒2条3丁目1 番地23号
連絡先 淺井雄輔
Ryohoku Junior High School
2jo 3chome, Nijuyonken, Nishi-ku, Sapporo, Hokkaido 0630802
Corresponding author yusuke.asai0828@gmail.com
バレーボールの試合における試合経過が「流れ」の認知に与える影響
淺井 雄輔
Yusuke Asai: EŠects of the game process on perception of ``streaks'' in volleyball games. Japan J. Phys.
Educ. Hlth. Sport Sci. 62: 2132, June, 2017
AbstractThe purpose of this study was to investigate the eŠect of the game process on perception of
``streaks'' in volleyball games. The study was conducted using video experiments and a questionnaire.
The study subjects were 121 university volleyball players, who watched a video of a volleyball game and were asked in the questionnaire to estimate the degree of ``streaks'' at the end of every rally. They rated the degree of ``streaks'' on an 11point Likert scale ranging from-5=extremely poor, to 0=even, to
+5= extremely good. The subjects were split into 2 groups, one of which watched VTRA and the other VTRB. In addition, the group that watched VTRA was separated according to the time spent watching. One group watched all of the VTR(called VTRA1), and the other group watched an A team 11 vs a B team 11(VTRA2, the score being indicated as A1111B hereafter). ANOVA was used to test the likelihood that the group watched VTRB(VTRB1, VTRB2)from A1111B to the end of the game with the aim of revealing diŠerences between every rally in detail. Ttest was used to reveal diŠerences between the eŠects of the game process. The results indicated that the VTRA group was strongly in‰uenced by the game process, whereas the VTRB was aŠected only slightly.
In giving advice for volleyball practice, our ˆndings suggest that if players perceive they are in a bad situation, adoption of a positive way of thinking may improve the game situation.
Key wordssubjective merits and demerits, illusion, perception of game situation, gap キーワード主観的優劣,期待,試合状況の認知,得点差
. 緒 言
手束(2010)は「試合には間違いなく『流れ』
というものがある」と述べている.スポーツにお ける「流れ」の研究については「流れ」の存在を 検証する研究がある.アスリートのパフォーマン ス を 統 計 的 に 分 析 す る 研 究 (Adams, 1992 Albright, 1993Clark, 2003, 2005a, 2005b
Koehler and Conley, 2003Silva et al., 1988
米沢・俵,2010)で「流れ」の存在を検証され ている.一方,「流れ」の存在を前提とした研究 もある.質問紙調査から「流れ」を捉える研究
(淺井ほか,2011)やインタビュー調査などの質
的研究から「流れ」を捉える研究(木戸,2012, 2014) が そ れ で あ る . さ ら に , 横 山 ・ 山 本
(2009)は「流れ」を試合中のボールの位置と選 手との相対的な位置関係と仮定して調査した.こ れらのように「流れ」をどのように捉えるかによ って,研究の手法は様々である.
アスリートのパフォーマンスを統計的に分析し て「流れ」の存在を検証する研究は,ある一定期 間のアスリートのパフォーマンスを記録し,パフ ォーマンスを統計的に分析するものである.その 統計的分析では,連続的にパフォーマンス成功が 生起することが証明できれば「流れ」が存在する という仮説の基に,研究が行われた.記録された パフォーマンスが連続的に成功していくかを分析
(Conditional Probability, 系 列 相 関 分 析 , 回 帰 分析,One-Sample Runs Test,Wald-Wolfowitz Runs Test)している.分析の結果,「流れ」の 存在を証明できない研究結果がほとんどであった が, 存在を 証明す る研究 結果も あった .Clark
(2003)は,PGA出場のゴルファーを分析対象 とし,One-Sample Runs Testを行い,良いスコ アが連続して生起する分析結果を得た.彼はその 理由について「難しいコースが連続すれば,悪い スコアが連続し,易しいコースが連続すれば,良 いスコアが連続した」とし,コース配置が分析結 果に影響を与えていることを示した.今までに
「流れ」の存在を証明する結果は得られていない が,もしそれが得られたとしても,それは「流 れ」の影響であるか,対戦相手もしくはプレー環 境などより相対的に実力が高いためにパフォーマ ンス結果が連続して成功したのかはわからない.
よって,統計的分析をすることでは「流れ」の存 在を証明できないと考えられる.しかし,スポー ツ科学分野において「流れ」の研究はGilovich et al.(1985)を発端とするならば,30年以上継 続されていることになる.それは「スポーツにお ける試合の『流れ』が,スポーツ研究者にとって 無視できないものであるから」(淺井・佐川,
2013)と考えられる.
一方,「流れ」の存在を前提とした研究として 淺井ほか(2011)はバレーボールの試合の「流 れ」に関する質問項目を作成し,バレーボール選 手を対象として質問紙調査によって「流れ」の因 子構造を検討した.その結果,パフォーマンスの 連続的成功やチームの雰囲気,良いプレーなどが 因 子 と し て 挙 げ ら れ た . ま た , 木 戸 (2012,
2014)は,バレーボール選手へのインタビュー 調査を行い,データをMGTAやオープンコー ディングによって分析した.その結果,生起した パフォーマンスの結果から受ける今後のゲーム展 開への危惧や今後のゲーム展開への期待,審判の 判定やタイムアウトの影響力を挙げていた.加え て,「流れ」を意図的に創出するには戦略的な采 配やプレーに対する十分な準備,審判との駆け引 きを必要としていた.総じて,「流れ」の特徴と
してパフォーマンスのほかに,パフォーマンス結 果の認知から生み出される危惧や期待,雰囲気と いった数値では表しにくいものが「流れ」に関わ っていることを示していた.
上記した研究は,パフォーマンスに対して統計 的分析を用いて「流れ」を明らかにしようとした ものと,「流れ」の存在を前提として,その周辺 概念を模索し,説明するものである.これは実際 の試合を分析した訳でなく,試合の「流れ」とい う概念に関して詳しく説明したものであると言え る.すなわち,実際の試合における「流れ」につ いて説明するものではない.試合の「流れ」とは,
実際の試合が行われることで,生起すると考えら れるため,実際の試合から「流れ」に関する知見 を得ることでより「流れ」について詳細に説明す ることができる.
そこで,横山・山本(2009)は,実際の試合 を分析対象として「流れ」をコート上の一方の チームやボールの動きから考察しようと試みた.
フィールドホッケーを題材とし,ダイナミカルシ ステム理論を用いて選手のコート上の位置とボー ルの距離から攻撃の成否にはどのような違いがあ るかが統計的に分析された.その結果,攻撃チー ムの選手の平均位置と守備チームの選手の平均位 置及びボールの位置が「流れ」に影響を与えてい るとした.この研究では「流れ」を「攻撃場面に お け る 成 功 と 失 敗 へ の 分 岐 」( 横 山 ・ 山 本 , 2009),「流れ」を制御する要因として「攻撃側 チームによる守備側陣地への侵入」(横山・山 本,2009)と定義している.この定義によって,
実際の試合における「流れ」を調査・分析するこ とができたと言える.この定義が当てはまるの は,フィールドホッケーなどのゴール型スポーツ である.ネット型・ベースボール型スポーツは相 手陣地に侵入することはなく,それに基づいた攻 撃の成功や失敗は成立しないためである.
ネット型のスポーツにおける「流れ」の定義は,
バレーボールを対象としていくつか行われてい る.木戸(2014)はバレーボール日本代表選手 へのインタビュー結果から「流れ」を「連続的に 獲得された点数に伴って,予言が成就し続ける
ループ現象」と定義している.この木戸(2014)
の定義は,インタビュー結果から得られた結果を まとめたものである.淺井・佐川(2013)は対 戦しているチームのうち,一方のチームに着目し た「流れ」を「絶対的流れ」とし,「パフォーマ ンスの結果や監督の采配などの試合に関する様々 な要因から生み出された試合状況から判断される 試合の主観的優劣」と定義した.そして,淺井・
佐川(2016)は対戦しているチームのうち,双 方のチームに着目した「流れ」を「相対的流れ」
とし,「対戦している両チームの絶対的流れの差 から判断される試合の主導権及び今後の試合展開 の予想」と定義した.淺井・佐川(2013,2016)
は,実際の試合を視聴させながら,「流れ」を調 査するために定義を行った.このように,バレー ボールにおける「流れ」の定義はいくつかなされ,
検討が重ねられているため,本研究もバレーボー ルを対象として検討する.
上記した定義には,共通した部分がある.それ は,試合経過注1)に着目している点である.「連 続的に獲得された点数(木戸,2014)」や「パフ ォーマンスの結果や監督の采配」(淺井・佐川,
2013)は,「流れ」を判断する以前に発生した事 実であり,試合経過である.人は,その試合経過 を勘案しながら「流れ」を判断しており,試合経 過がなければ「流れ」が存在しないことは自明で ある.淺井・佐川(2013)も「それまでの試合 の脈絡を踏まえることは,試合の『流れ』を考察 する上で重要な意味をもつ」とし,表現は異なる が試合経過を踏まえる意義を述べている.また,
「ゲーム中のミスプレー等によ・ っ・
て・
選手らの予言
(予想)に悪影響を与えないようにする」(木戸,
2014,傍点筆者)と表現されており,生起した プレーが「流れ」に影響を与えることが示唆され ている.このため,試合経過は「流れ」に関する 重要な要因であると言える.加えて,上記したそ れぞれのバレーボールの「流れ」の定義から,試 合中のある時点での試合状況に対する評価をする という点が共通していると言える.「予言」(木 戸,2014)するということは,ある時点までの 試合経過を評価し,今後の展望を予想することと
解釈できる.「主観的優劣」(淺井・佐川,2013)
を判断するということは,ある時点までの試合経 過を評価者自身の「declarative knowledge(宣言 的知識)」および「procedural knowledge(手続 き的知識)」に照らし合わせて評価をすることと 考えられる.「試合の主導権及び今後の試合展開 の予想」(淺井・佐川,2016)は,対戦している チーム双方の試合経過を鑑みて評価される「主観 的優劣」(淺井・佐川,2013)が如何に変化する か見当をつけることと言える.以上を踏まえると
「流れ」とは,ある時点の試合経過を踏まえた試 合状況への評価と言え,本研究においてはバレー ボールの試合における「流れ」を「試合経過を踏 まえた試合の主観的優劣」とする.
この試合経過を踏まえた「流れ」を分析した研 究は,前述の淺井・佐川(2013,2016),淺井
(2015)のものがある.これらの論文は,バレー ボールの試合のVTRをバレーボール経験者に視 聴させ,ラリー終了ごとに「流れ」が如何に変化 しているかリッカート尺度に記入させ,その数値 を分析,考察したものである.その中で「試合の 脈絡」(淺井・佐川,2013)―いわゆる試合経過
―が「流れ」に影響を与えていることを示唆して いる.しかし,これらの研究の手法は,バレー ボールの5セット目を最初から最後まで視聴さ せて,その結果を分析・考察しているため,試合 経過が「流れ」へ如・
何・ に・
影響を与えているかは考 察されていない.考察する上で,試合経過が重要 でありそうということは述べられていても,直接 的な証拠は提示できていない.
ところで,「流れ」がアスリートの実力発揮に も影響を与えている可能性が示唆されている.す なわち,「流れ」が良いと認識している選手は自 身の実力通りを発揮できる,もしくはそれ以上の 実 力 を 発 揮 で き る と い う こ と で あ る . 手 束
(2008)は,「『流れ』にも乗ることができ…決勝 戦での逆転満塁本塁打を呼び込んだ」としてお
り,第89回全国高等学校野球選手権大会で優勝
した佐賀北高校の優勝を「超伏兵の優勝(手束,
2008)」と評した.このように,実力以上の実力 発 揮 と 「 流 れ 」 が 関 連 し て い る こ と を 手 束
図 試合経過から試合の「流れ」を介した,実力発揮に至るまでの仮説モデル
表 各グループにおける被験者のポジションの人数
WS MB S L Total
AVTR1 17 8 3 4 32
AVTR2 11 8 5 3 27
BVTR1 14 9 5 4 32
BVTR2 16 7 3 4 30
(2008)は示している.もし「流れ」がアスリー トの実力発揮に影響を与えているのであれば,
「流れ」を如何に認知するかを操作することが重 要である.その上で試合経過が「流れ」に関係し ていれば,スポーツ指導において無視できない因 子になりえる(図1).そこで,まず本研究では 試合経過が「流れ」の認知にどのように影響を与 えているかを検討することを目的とした.
. 方 法
) 被験者とグループ分け
本調査の対象は,全て平成27年度北海道大学 バレーボール連盟1部リーグに所属している大 学のバレーボール部でプレーする男女の大学生
(以下「被験者」と略す)であった.回答を得た 121名(男性59名(平均年齢20.06±2.05歳,平 均競技経験年数7.50±1.90歳),女性62名(平均 年 齢19.84±1.35歳 , 平 均 競 技 経 験 年 数7.85±
1.93歳))注2)全てを分析対象とした.ポジション によって「流れ」の感じ方が異なることが淺井ほ か(2011)によって示唆され,その影響を排除 する必要があると考えた.グループ分けを行う際 には,ポジションができるだけ均一になるように 配慮した.グループ分けにおけるポジションの結 果は表1に示した.
) 調査デザイン
本研究の方法は,淺井・佐川(2013,2016),
淺井(2015)を参考にし,本調査の目的に適合 するように改良して用いた.すなわち,被験者に バレーボールのVTRを視聴させ,ラリー終了後 に,ある一方のチームの「流れ」の度合いが,ど のようになっているのかを記入させる方法であっ た.視聴するVTRの試合は対象者が知っている
チームのものであったり,知っている選手が出場 しているとそのチームや選手への期待が「流れ」
の認知に影響を与える可能性があると考えたた め,海外のリーグであるSerie Aの試合のVTR を視聴させた.その方法の中で,試合経過の認知 が「流れ」の判断にどのような影響を与えている かを調査するため,2つの試合のVTRを本調査 に採用した.その理由は1つの試合のみでは,
その調査は事例的であり,「流れ」に対する試合 経過の影響を検討しきれないと考えたためであ る . ま た , 試 合 経 過 の 影 響 を 検 討 す る た め , VTRの5セット目を全て視聴するグループと途 中から視聴するグループを作り,両グループとも 視聴している場面の試合の「流れ」を分析する.
途中から視聴させるグループは11―11の場面 で,そのVTRから感じる雰囲気や観客の歓声な どから「流れ」を判断し,記入してからラリー終 了毎に回答するよう説明した.
手続きとして,大学の監督に事前に調査の趣旨 を説明した.調査を行う日に,各大学の練習場所 へ本研究者が赴いて,アンケートを回答する際の 注意事項とアンケートの回答方法を被験者に説明 した.
) 被験者に視聴させたVTR
被験者に視聴させたVTRは2つの試合ともに
表 各グループの被験者の平均年齢と人数内訳 AVTR1 AVTR2 BVTR1 BVTR2 合計 男性
平均年齢 20.22 19.67 19.93 19.59 19.85 標準偏差 1.70 1.41 1.58 1.12 1.45 人数 18 9 17 15 59 女性
平均年齢 19.71 19.78 19.59 19.69 19.69 標準偏差 1.38 0.88 0.87 1.03 1.04 人数 14 18 15 15 62 5セット目のものに限定した.5セット目を取り
上げた理由は,長時間のVTR視聴による被験者 の負担を考慮したためであった.VTRは,以下 のものを用いた.
AVTR
VTR開始時にVTR画面の左側にコートを取 ったチーム(Lube Banca Marche Macerata)を Aチーム,VTRの画面の右側にコートを取った チーム(Bre Banca Lannutti Cuneo)をBチーム とした.視聴させたVTRは,5セットマッチの バレーボールの試合における第5セット(2010
―2011 Serie Aプレーオフ準決勝第3戦 Lube Banca Marche Macerata - Bre Banca Lannutti Cuneo 5th set)であった.
この試合は,チーム間の点差が最大5点であ った.しかし11―11で同点になり,最終的には リードされていたAチームが逆転した試合であ った.淺井・佐川(2013,2016),淺井(2015)
でも使用されたVTRであり,分析結果から「流 れ」の変化がみられたためである.
AVTRの 全 て を 視 聴 し た グ ル ー プ をA VTR1とし,AVTRを11―11から視聴したグ ループをAVTR2とした.
BVTR
VTR開始時にVTR画面の左側にコートを取 ったチーム(Itas Diatec Trentino)をAチーム,
VTRの 画 面 の 右 側 に コ ー ト を 取 っ た チ ー ム
(Bre Banca Lannutti Cuneo)をBチームとした.
視 聴 さ せ たVTRは ,5セ ッ ト マ ッ チ の バ レ ー ボールの試合における第5セット(2012―2013 Serie Aプレーオフ準決勝第1戦 Itas Diatec Trentino - Bre Banca Lannutti Cuneo 5th set)で あった.
この試合は,AVTRと対照的に,最大で2点 差しか離れなかった.11―11で同点になり,そ こからも最大で2点差しか開かずデュースにま でもつれた.このVTRから,3点以上の差がな い試合展開の中で,如何に「流れ」が推移し,A
VTRとの特徴に違いがあるかを検討することと する.
BVTRの全てを視聴したグループをBVTR1
とし,BVTRを11―11から視聴したグループを BVTR2とした.
以上のように大差がついた試合状況から逆転す るという試合経過とそれほど差がつかない試合経 過の違いを検討し,試合経過の認識が「流れ」の 認知に与える影響を検討する.なお,各グループ の被験者の平均年齢と人数内訳については表2 に示した.
) 調査方法
被験者にVTRを見てもらい,その試合の「流 れ」についてアンケートに回答してもらうことを 説明した.初めに,どちらかのチームの得点が入 るもしくはノーカウントなどでボールデッドにな る度に,Aチームにどれだけ「流れ」があるか どうかを11件法のリッカート尺度で回答させた
(図2).リッカート尺度の左端に「-(マイナス)」
を設定し,右端には「+(プラス)」を設定した.
リッカート尺度の中心には0を設け,その左右 に-5から+5の選択できる部分を設けた.
) 統計分析
統計分析には統計ソフトSPSS version19を使 用した.調査から得た対象者の感じた「流れ」の 度合い(以下「「流れ」の得点」と略す)をラリー 終了後(以下,タイムラインとする)ごとに算出 した.以下のすべてにおける分析の統計学的有意 水準は,5に設定した.
試合経過の認知の影響を検討するために,A
VTR1とAVTR2の間,BVTR1とBVTR2の
表 AVTR1とAVTR2の各タイムラインにおける「流れ」の平均得点および標準偏差とVTR間の「流れ」の 得点比較(t検定)
AVTR1 タイムラインA1111B A1112B A1212B A1213B A1313B A1314B A1414B A1514B A1614B 平均値 2.53 0.56 1.28 -0.16 0.91 -0.81 1.00 2.97 3.75 標準偏差 1.37 1.39 1.22 1.39 0.93 1.23 1.37 1.23 1.16 AVTR2 タイムラインA1111B A1112B A1212B A1213B A1313B A1314B A1414B A1514B A1614B
平均値 0.11 -1.15 0.44 -1.22 0.07 -1.89 0.38 2.88 3.96 標準偏差 0.97 1.03 1.05 1.05 0.96 1.15 1.33 1.45 1.17 t検定 t値 -7.69-5.29-2.79-3.27-3.38-3.44-1.78 -0.23 0.58 有意差 .00 .00 .01 .00 .00 .00 .08 .82 .57
p<.001 図 調査対象者提示したAチームの「流れ」の度合いを問うリッカート尺度
間において同じタイムラインの「流れ」の得点に ついてt検定を行った.加えて,各タイムライン において被験者に回答させた「流れ」の得点の移 り変わりを比較するために,各タイムラインの
「流れ」の得点について,一要因分散分析を行っ た.
分析の結果,有意差がみとめられたため,多重 比較(ScheŠe法)を行った.なお,多重比較に ついては淺井・佐川(2013,2016)に倣い,サ イドアウト注3)の場面の比較と連続得点の始まり から終わりまでの比較のみに着目した.すなわち,
AVTRで言えば,A1111BとA1112B,A11
12BとA1212Bというようなサイドアウトの場 面に着目して考察した.また,A1314B,A14
14B,A1514B,A1614Bといった連続得点の 場面に着目して考察した.多重比較(ScheŠe法)
の結果について,このような着目をした理由は,
淺井・佐川(2013,2016)の報告から「流れ」
は直前のタイムラインに影響を受けていることが 考 え ら れ る た め で あ る . 加 え て ,A1111Bと
A1616Bとの間で有意差がみとめられても,こ の間に行われたどのプレーやタイムラインが「流 れ」の変化に影響を与えているのかを推定するこ とが難しいため,今回の研究では上記のタイムラ イン間における有意差の有無について検討を行っ た.
. 結 果
) 各グループの「流れ」の得点
各グループ(AVTR1,AVTR2,BVTR1,
BVTR2)の各タイムラインにおける「流れ」の
平均得点および標準偏差を表3(AVTR1,A
VTR2)及び表6(BVTR1,BVTR2)に示し た.
) 試合経過の認知が「流れ」に与える影響の 検討
同じVTR間(AVTR1とAVTR2の間,B
VTR1とBVTR2の間)で同じタイムラインの
表 AVTR1の各タイムラインにおける「流れ」の 得点についての分散分析表
自由度 平方和 平均平方 F値 有意確率 AVTR1 8 565.24 70.65 44.29 .00 残差 445.09 279.00 1.60
表 AVTR2の各タイムラインにおける「流れ」の 得点についての分散分析表
自由度 平方和 平均平方 F値 有意確率 AVTR2 8 752.37 94.05 73.84 .00 残差 291.68 229.00 1.27
図 AVTR1とAVTR2の各タイムラインにおける「流れ」の得点の推移とANOVAの結果
†t検定の結果,アスタリスクを示したタイムラインのVTR間に有意差がみとめられた.加えて,
N.S.を示したタイムライン間には有意差がみとめられず,その他の連続得点およびサイドアウ トしたタイムライン間には有意差がみとめられた.なお,折れ線グラフの上に示されている N.S.はAVTR1に対して示し,下に示されているN.S.はAVTR2に対して示す.
図 BVTR1とBVTR2の各タイムラインにおける「流れ」の得点の推移とANOVAの結果
† VTR間やタイムライン間の有意差の見方は図3と同様である.
「流れ」に違いがあるか検討するため,同様の VTRを視聴したグループ間において,同じタイ ムライン同士の「流れ」の得点についてt検定を 行った(表3および表6).AVTRでは,有意 差がみとめられないタイムラインは3つ(A14
14B,A1514B,A1614B)であったのに対し,
BVTRは2つ(A1111B,A1112B)のタイ ムラインにのみ有意差がみとめられた.加えて,
それぞれのグループのタイムラインについて,一 要因分散分析を行った(表4,表5および図3,
表7,表8および図4).すべてのグループで有
意差がみられたため,多重比較を行った.詳細の 結果は,図3および図4に示す.なお,図3お
表BVTR1とBVTR2の各タイムラインにおける「流れ」の平均得点および標準偏差とVTR間の「流れ」の得点比較(t検定) BVTR1タイムラインA1111BA1112BA1113BA1213BA1313BA1314BA1414BA1415BA1515BA1516BA1616BA1716BA1816B 平均値1.04-0.46-1.96-0.611.61-0.430.50-0.931.04-0.961.042.643.64 標準偏差1.751.372.011.641.551.711.601.391.751.571.451.251.34 BVTR2タイムラインA1111BA1112BA1113BA1213BA1313BA1314BA1414BA1415BA1515BA1516BA1616BA1716BA1816B 平均値0.28-1.13-2.00-0.251.38-0.560.81-0.810.91-0.750.912.413.66 標準偏差0.960.981.460.921.071.081.031.151.281.321.171.291.33 t検定t値-2.10-2.17-0.081.06-0.68-0.370.910.35-0.330.57-0.38-0.720.04 有意差.04.03.94.29.50.71.37.72.74.57.70.48.97 p<.05 表 BVTR1の各タイムラインにおける「流れ」の 得点についての分散分析表
自由度 平方和 平均平方 F値 有意確率 BVTR1 12 835.01 69.58 27.83 .00 残差 877.71 351.00 2.50
表 BVTR2の各タイムラインにおける「流れ」の 得点についての分散分析表
自由度 平方和 平均平方 F値 有意確率 BVTR2 12 911.78 75.98 55.73 .00 残差 549.47 403.00 1.36
よび図4においては,有意差がみられた場面が 多いため,有意差がみとめられなかったタイムラ イン間において,N.S.と示した.
. 考 察
) 同じVTRを視聴したグループ間における 同じタイムラインの「流れ」の得点の比較
AVTR
AVTR1とAVTR2のA1111B以降の同じ タイムラインの「流れ」の得点について,t検定 を行った結果,A1414BとA1514B,A1614B 以外のタイムラインでAVTR1の方が有意に高 い「流れ」の得点を示した.AVTRはBチーム が序盤に大きくリードし,試合終盤に突入し,
A1111BでAチームが追いついた.このため,
Aチームの方がBチームよりも実力が低い,も しくはAチームが追いついて,このまま逆転す るのではないか,という期待や予想があったので はない かと 推測で きる .この ことか ら,A11
11Bとそれ以降のタイムラインにも有意差がみ とめられたと考えられる.よって,試合経過は
「流れ」に影響を与えていると言える.しかし,
Aチームが同点に追いついたタイムライン(A14
14B)以降は,有意差がみられなかった.これ は,両チームの得点差に「流れ」の得点が影響を 受けていると考えられる.加えて,A1414Bに
着目すれば,マッチポイントを握られている状態 を脱したという事実が「流れ」に影響を与えてい ると言える.
BVTR
BVTRを視聴したグループにも同様の分析を 行った.その結果,A1111BとA1112Bでは BVTR1の方が有意に高い値を示した.BVTR は最大で2点差しか離れず序盤から拮抗した試 合が展開された.その影響から,以上の2つの タイムライン以外には有意差がみとめられなかっ たと言える.この2つに有意差がみられたのは,
BVTR2がA1111BからVTRを視聴し始めた からであると考えられる.少なくともVTRを見 ていない被験者は「流れ」を判断する要因が少な く,A1111Bは「流れ」の得点は0点に近くな ったと考えられる.その影響がA1112Bにも影 響を与えていると考えられる.しかし,その他の タイムラインでは,有意差がみられなかった.そ の理由はそれ以前のタイムラインで両チームの得 点差が大きく離れなかったため,両チームの実力 が拮抗していると被験者が捉えた可能性がある.
上記2つのVTRについての分析結果から,試 合経過が「流れ」に影響を与えていることが明ら かになった.特に,試合経過を踏まえた上で偏っ たもしくは強い期待や予想をすると,それ以降の
「流れ」に強く影響を与えると考えられる.この 期待及び予想は,試合経過を踏まえ,試合状況を 把握したときに抱かざるを得ないものであり,主 観的もしくは客観的のどちらに試合を捉えても生 起する認識であると言える.
) 各グループにおけるタイムライン間の「流 れ」の得点の比較
AVTR
一要因分散分析の結果,AVTR1にはA11
12BからA1212B,A1213BからA1313B,
A1514BからA1614Bのタイムライン間にお いて有意差がみとめられず,それ以外のタイムラ イン間で有意差がみとめられた.AVTR1につ いては,序盤で大きく点差が離されていたが,試 合状況が一変し,A1111Bで追いついた.この
試合経過が被験者にAチームが逆転すると期待 させたと考えられる.しかし,その後Bチーム にリードされ追いつく(A1112B―A1212B),
と い う 状 態 が 続 い た た め (A1213B―A13 13B),その期待が叶えられなかったことから,
Aチームが失点し同点に追いついても「流れ」
の得点は有意に上昇しなかった.A1314Bから A1414Bについては,Bチームのマッチポイン トを阻止したことで「流れ」の有意な上昇がみら れたと考えられる.
一方,AVTR2に対する一要因分散分析の結 果からA1514BからA1614Bのタイムライン 間にのみ有意差がみとめられず,それ以外のタイ ムライン間で有意差がみとめられた.これは「流 れ」を判断するための材料を,両チームの点差お よび得点推移に頼らざるを得なかったためと考え られる.A1111BからA1313BまではBチー ムがリードしながら互いのチームが1点を取り 合っていた.「流れ」の得点もBチームが1点リー ドした場合は「流れ」の得点は-1点程度を示し ていた.そしてBチームがマッチポイントを得 たタイムラインでは-2点程度を示した(図3お
よび表3).これは敗北に関する予想と「流れ」
に関係性があると考えられる.
ただ,AVTR1とAVTR2は共にA1514B からA1614Bで は有意差が みとめら れなかっ た.これは被験者の期待や予想が叶えられた形で あると言える.ともすれば,「流れ」の得点が変 化しないということは,「予言が成就」(木戸,
2014)したとも考えることができる.
BVTR
BVTR1では,図4で示した通り7つのタイ ムライン間に有意差がみとめられなかった.B
VTR1はAVTRも含めた4グループのタイム ライン間での一要因分散分析(多重比較)の結果 で有意差がみとめられなかった箇所が一番多かっ た.これは,得点推移のみで「流れ」を判断して いないと考えることができる.BVTR2はA11
11BからしかVTRを見ていないため,得点の推 移やA1111BからA1816Bまでの情報で「流 れ」を判断していると考えられるが,BVTR1
は,それ以前のタイムラインの結果も含めて「流 れ」を判断していると考えられる.よって,やは り試合経過を踏まえて「流れ」を判断していると 言える.A1111BからA1112B,A1112Bか らA1113Bについては,失点しても予想の範疇 であると捉えていると思われる.しかし,A11
11BとA1113Bで は 有 意 差 が み と め ら れ る た め,淺井・佐川(2013)が述べているように2 連続得点では「流れ」が有意に変化すると言える.
A1314BからA1414BにおいてはBVTR2で 相手のマッチポイントから相手の勝利を阻止した タイムラインでは有意に「流れ」の得点が向上し ていたが,BVTR1では有意差がみられなかっ た.これは,Aチームがマッチポイントを阻止 できる可能性があると被験者が考えていたと推測 できる.これは再びA1415Bでマッチポイント を再度握られたときにも同様であると考えられ る.しかし,BVTR2においては,A1111Bか らしか視聴していないため,両チームの実力など を把握することなく,得点推移を中心に「流れ」
を 判 断 し て い た と 考 え ら れ る .A1415Bか ら A1515B以降は,デュースとなり,2点差がつ けばすぐに勝敗が決するため「流れ」が大きく変 動していると考えられる.
) 総合考察
「流れ」の推移は得点すると「流れ」の得点が 向上し,失点すれば「流れ」の得点が低下してい た.よって,淺井・佐川(2013,2016)の結果 と同様の結果が得られた.
AVTRではVTR間に有意差が多くみとめら れたが,BVTRではA1111BとA1112B以外 にVTR間の有意差がみられなかった.これは試 合経過がどのようなものであったかが影響してい ると言える.AVTRはAチームが最大5点差 つけられた状態から逆転した.BVTRは最大で 2点差しか開かない試合状況であった.試合経過 が「流れ」に影響を与えるのは,点差が開いた状 態から逆転するといった試合経過であると言える.
タイムライン間の「流れ」の違いにもVTR間 で違いがみられた.試合経過を踏まえたグループ
(AVTR1およびBVTR1)の方がタイムライ ン間の有意差がみられなかった.これは,試合経 過を踏まえない状態で試合を観ると「流れ」の判 断材料は得点の推移であり,試合経過を踏まえた 状態で試合を観ると「流れ」の判断材料は得点の 推 移 以 外 に も あ る と 考 え ら れ る . 淺 井 ほ か
(2011)によれば,雰囲気や良いプレーなどが
「流れ」に影響を与えているとされていることか ら,この結果もそれらの影響を受けている可能性 があると言える.
また,2つのVTRともマッチポイント(A
VTRA1514B,BVTRA1716B)から勝利 決定のタイムライン(AVTRA1614B,B
VTRA1816B)までは有意差がみとめられな
かった.これには,試合経過が大きく関わってい ると考えられる.2つのVTRともに,Aチーム がリードされている状態で進んでいた.BVTR では2度Aチームがリードするタイムラインが あったが,試合を通してBチームがリードする タイムラインが多かった.そのため,戦況が今ま でBチームの優勢で進行していたが,勝敗が決 す る 試 合 終 盤 でAチ ー ム が リ ー ド す る こ と で
「流れ」が大きく変化し,その後勝利が決まるタ イムラインでは有意差がみられなかったと言える.
) スポーツ現場における「流れ」の活用に対 する示唆
本研究の結果からバレーボールの試合における 試合経過の認知が「流れ」に影響を与えているこ とが明らかになった.この「流れ」の感じ方が選 手の実力発揮に影響を与えていると仮定した場 合,試合経過の認知を操作できれば,「流れ」に 影響されずに実力を発揮できると考えられる.す なわち,戦況として負けている場合には試合経過 に囚われることなく,そのときの試合状況に合わ せた適切な戦術選択や技能発揮が求められる.こ の研究結果は,特にバドミントンやテニス,卓球 などのネット型スポーツに共通もしくは類似する ことが考えられる.その理由として,競技方法の 類似性が挙げられる.そのため,今後はバレー ボール以外のネット型との比較やゴール型やベー
スボール型の球技の「流れ」を調査することによ って,それぞれの競技における「流れ」の特異性 や共通性が明確になると言える.
しかし,本研究はあくまでもバレーボールの試 合における試合経過が「流れ」に如何に影響を与 えているかを検証するものであり,具体的かつ詳 細なスポーツ現場への示唆は安易にできない.こ れらを含んだ解釈と捉えていただきたい.
. 結論と今後の課題
本研究では,バレーボールの試合における試合 経過が試合の「流れ」に影響を及ぼすかを検討す るために,被験者を4グループに分け,それぞ れに異なるVTRを視聴させながら「流れ」に関 するアンケートに回答させた.その結果,以下の ことが明らかになった.
1) 試合経過が「流れ」に影響を与えているこ とが明らかになった.
2) 点差が開いた状態から逆転といった試合経 過が特に「流れ」に影響を与えていること が明らかになった.
今後の課題として,「流れ」が実力発揮に影響 を与えているかを検証し,本研究結果をスポーツ 現場で活用できるような実証を行うことである.
未だに「流れ」は明らかになっていない部分が多 く,「流れ」がどのように選手の実力発揮に影響 を与えるかを現場レベルで実証する必要がある.
本研究は,視聴させたVTRはSerie Aの試合で あり,被験者は北海道の大学1部リーグに所属 する男女の選手であったため,視聴したVTRで プレーしている選手の年代と被験者の年代は異な る.本研究は試合の「流れ」についての一般化に ついて言及するものであり,高校や大学,社会人 といった年代に対する具体的な示唆を想定したも のではなく,「流れ」について得られた知見の一 般化を目指すものとして捉えていただきたい.
加えて,本研究に用いたAVTRとBVTRは 異なる試合であるため,根本的な試合経過は異な る.本研究の解釈としては,各VTRにおける試 合経過が試合の「流れ」に与える影響と捉えてい
ただきたい.
謝辞
本研究における調査にご協力いただきました選 手,チーム関係者の皆様に心からお礼申し上げま す.また,執筆にあたり貴重なご助言をください ました先生方に記して感謝申し上げます.
注
注1) 本研究に示す「試合経過」とは,その試合が開 始されてから選手によって生起されたパフォーマ ンスや監督の采配,得点推移や雰囲気注4),審判の 判定など試合の進行に関わる出来事に関する情報 を指す.
注2) 本研究での競技経験年数は9年以上,6年以上,
3年以上,3年以下というように調査した.そのた め,競技経験年数は,9年以上=9年,6年以上=6 年,3年以上=3年,3年以下=1年として換算し た.
注3) サイドアウトとは,一方のチームが得点し,
サーブ権をもう一方のチームから奪うことを言う.
注4) 本研究における雰囲気とは,先行研究(淺井ほ か,2011)で行われた質問紙調査に対する因子分 析の結果で挙げられている第一因子「自チームに 有利な雰囲気」や第三因子「相手チームに有利な 雰囲気」のことである.具体的には「自チームに 有利な雰囲気」を説明する項目「自チームの応援 団が多い」や「自チームが長いラリーで得点でき た」などである.
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(
2016年2016年11月24日受理4月18日受付)
Advance Publication by J-STAGE Published online 2017/1/20