構 造 工 学 論 文 集 Vol.49A(2003 年 3 月 ) 土木学会
鉄筋コンクリート橋脚に対する地震リスク評価手法の適用
Application of Seismic Risk Assessment to Single Reinforced Concrete Pier
遠藤 昭彦 , 吉川 弘道 Akihiko Endo, Hiromichi Yoshikawa
工修,武蔵工業大学院生,工学部土木工学専攻(〒158-8557 東京都世田谷区玉堤1-28-
1)
工博,武蔵工業大学教授,工学部都市基盤工学科(〒158-8557 東京都世田谷区玉堤1-28
-1)
The present paper deals with systems of seismic risk assessment for single reinforced concrete pier, and shows analytical procedures of this assessment together with numerical simulation.
Authors attempt to develop a quantitative method for the evaluation of seismic risk of the structures along with some adequate estimation accuracy. The proposal consists of three major categories; seismic hazard analysis, seismic performance assessment and seismic risk analysis. Seismic hazard of the construction site is assessed by an earthquake hazard curve using probabilistic measures. Maximum response displacement is evaluated for deterministic point of view by empirical method. Seismic risk is statistically analyzed by seismic risk curve using both data of seismic hazard analysis and seismic performance assessment. Damage cost consists of repair cost and user loss associated with the seismic damage and suspension of the service system. This case study demonstrates the proposed method can evaluate the seismic risk of the reinforced concrete piers validly. As the result, it was pointed out that the effect due to consideration of user loss is considerably large.
Key Words: reinforced concrete pier, seismic risk assessment, seismic risk curve, seismic performance level
1.まえがき RC橋脚の地震リスク評価においては,100年程度の供
用期間1)に対し,再現期間が1000年単位の地震動を想定 する極めて不確実性の高いリスク分析であるといえる.
そのため地震リスク評価では,一貫して信頼性理論によ
図1 リスクマネジメントの手順
(リスク減少のための最適案の実行)
ハザード
(リスクのシナリオを想定)
(リスクの規模を把握)
Step 1
・・・
Step 2 ・・・
Step 3
・・・
リスクの確認
リスクの把握
リスク対策の実 行
構 造 工 学 論 文 集 Vol.49A(2003 年 3 月 ) 土木学会
る確率統計論的な評価が行われてきたが,その多くは損 失額の期待値を用いたリスク評価である(例えば文献
2),3)).損失額の期待値はリスク情報を集約させた簡便
な指標ではあるが,単一の数値により示されるためリス クの特性を表現することができない.一方,本論で使用す るリスクカーブは,損失額と超過確率の関係で表され,
リスクの全体像を表現できる利点がある.リスクカーブを 利用した研究は数少なく,建築構造物に適用させた例
4),5)はあるが,RC橋脚への適用例は著者らの知る限り,
本研究が初めてである.よって著者らは,RC橋脚に潜在 するリスク性状を定量的/客観的に明らかにするための第 一段階として本論を位置付けている。
また、地震リスク分析の基幹となる耐震工学では地震動 とその伝搬,構造物の応答特性,構造物の非線形挙動な ど多くの異なる不確定性要因を抱えていることを考慮し,
評価手法に固有技術(解析技術)の精粗を過不足なく導 入するとともに,信頼性理論を用いて簡便で合理的な地 震リスク評価手法としたことも本論の特徴である.
2.地震リスクマネジメントの手順
(1)RC橋脚の地震リスクマネジメント
リスクの定義は多様であるが,文献6)によれば「リス クとは,なんらかの原因によって被害を被る可能性」とさ れ,「リスクマネジメントとは,危機的状況が発生する前 に,これらの損害の可能性をいかに減らすか,いかにコ ントロールするか,を検討し実行すること」と定義される RC橋脚の地震リスクマネジメントでは,まず地震ハザー ドを確認した後、地震が生じた場合のシナリオを想定する
(リスクの確認).次に被災時にどれくらいの被害が出 るかを把握する(リスクの把握).最後にリスク減少の ための対策を実行する(リスク対策の実行)という3ス テップにより構成される(図1).本論では,リスクの 低減策として橋脚の耐震性能の向上を考え,その効果を 地震リスクカーブにより定量的に表現した.
(2) RC 橋 地 脚の 震リスク評価
フ ロー
代
表 的 な リスク評価手法であるリスクカーブ法 7 )
に よ り
, 地 震 リ ス ク を 定 量 的 に 評 価 す る
. リ ス ク カ ー ブ と は
, 横 軸 に 損 失 額
, 縦 軸 に そ の 年 超 過 確 率
を と り
, 分 析 対 象 の リ ス ク を 表 現 し た 曲 線 で あ る
. 地 震 リ ス ク カ ー ブ は 地 震 保 険 の 設 定 に 活 用 さ れ る ほ か
, リ ス ク 低 減 策 を 施 し た 際 の
効 果を定量的に
判
断 する基本情報として 活 も 用される.
地 震 リ ス ク 評 価 に お い て
, 不 確 実 性 の 取 り 扱 い は 重 要 な 問 題 で あ る
. 本 論
で は
, 主 に 地 震 動 の 不 確 実 性 と
損 失額
予
測 の不確実性 着目 してリスク評価を 進 に める
(図 2)
. 双 方 の 不 確 実 性 を 把 握 し た 後
, 両 者 を 加 味 し た 地 震 リ ス ク カ ー ブ
を 作 成 す る
. な お
, 本 解 析 で 考 慮
し ている不確実性を
下
記 に 挙し,その対 処 列 法を示す.
①地 系列 的な不確実性 震発生の時
②地 震動
強 定 度の 推 誤差
③応 答評価の不確実性
④材 特性 / 構 料 造特性の不確実性
⑤損 失額
予 測 の不確実性
a) 険 地震危
度 解 析
建 設 地 点 を 選 定 し た 後
, 周 辺 の 歴 史 地 震 記 録
, 活 断 層
デ ー タ を 基 に 地 震 動 強 度 の 年 間 超 過
図2 RC橋脚の地震リスク評価フロー
地震ハザード曲線 断面諸元の決定
弾塑性最大応答変位 弾性最大応答加速度
損失額の予測
フラジリティカーブ 断面耐力,限界状態の算定
損失関数 1.地震危険度解析
最大加速度の仮定
被害形態発生確率
損失額のPMF 年発生確率 任意の地震動強度発生確率
損失額の確率密度関数
PML NEL 対象地点の選定
不確実性を考慮した地震リスクカーブ
構造物の耐震性能選択
損失額の超過確率 2.耐震性能評価
3.地震リスク分析
L
3. 4.
5.
確 率 を 算 定 し
, 地 震 ハ ザ ー ド 曲 線 を 作 成 す る
(
①
)
. 地 震 動 強 度 の 年 超 過 確 率 を 年 間 発 生 確 率 に 変 換 す る
と と も に
, あ る 再 現 期 間 を 有 す る 地 震 動 強 度 の 推 定 誤 差 を 加 味 し
, 確 率 分 布
を ② 適 用 することにより不確実性を考慮する( ).
b) 耐震性能評価
耐 震 工 学 の 知
見 最 度が発生した時の, を生 盤 大加速 RC か し ,基
橋 脚 の 最 大
応 答 変 位 を 確 定 論 的 に 算 出 す る
. 目 標 耐 震 性 能 を 決 定 し た 後
, 断 面 諸 元 を 設 定 す る こ と に よ り
, 耐 力
, 限
界 状 態
, 地 震 被 災 時 の 損 失 額 を 予 想 す る こ と が で き る
. 加 速 度 を 基 盤 面 か ら 入 力 し た と き の
, 地 盤 の 増 幅
効 果
, 応 答 倍 率 を 考 慮 し
, 橋 脚 の 応 答 加 速 度 を 推 定 す る
. 地 震 時 の 損 傷 シ ナ リ オ は
, 橋 脚 基 部 に 曲 げ 破 壊
が 生 じ る も の と 考 え
, 基 部 の
弾 性 形から,橋 柱頭 の応答 位を 算 塑 脚 変 変 出する.
c
) 地 震 リスク分析
耐 震 性 能 評 価 か ら 算 定 さ れ る 情 報 を 基 に 不 確 実 性 を 考 慮 す る
. 限 界 状 態
転嫁:保険,証券化な どにより移転可能なリ スク
耐震性能の向上によ り移行したリスクカー ブ
保有:現在保有しているリスク 年
超 過 確 率
図3 リスク対策実行の効果
低減:耐震補強により 軽減されたリスク
損失額
時 の 変 位 と 応 答 変 位 の 関 係 か ら 限 界 状 態 発 生 確 率 を 求 め
, 損 失 額 の 発 生 確 率 を 予 測 す る
(
③
,
④
)
. 損 失
額 に は
, 被 災 に
よ 補修 る 費
お
よ び ユ 供用者の損失とし ーザー損失を て
想 定した.
こ こ で
, 予 想 し た 損 失 額 に も ば ら つ き が あ る も の と し て
, 確 率 分 布 を 当 て は め る
(
⑤
)
. 地 震 動 強 度 の 発 生 確 率
, 地 震 動 の 不 確 実 性
, 損 失 額 予 測 の 不 確 実 性 を 考 慮 し た 地 震 リ ス ク カ ー ブ
に より対象の保有する地震リスクを定量的に評価する.
(3) 対策によるリスク低減効果
本 論では解析対
象 として耐震性能の RC 異 な る
橋 脚 を 設 定 し た
. 耐 震 性 能 の 高 い 橋 脚 ほ ど
, 耐 力
, 変 形 性 能 が 増 大 し 損 失 額 が 減 少 す る こ と が 期 待 さ れ
, リ ス ク カ ー ブ は 左 下 に 移 動 し
, リ ス ク が 減 少 す る こ と が 予 想 で き る
. し か し
, 軽 減 は す る も の の
, リ ス
ク を ゼ ロ に す る こ と は 不 可 能 で あ る
. リ ス ク を 許 容 で き る 範 囲 で あ れ ば
, リ ス ク を 保 有 す る こ と が 合 理 的
で あ る
. ま た
, 低 頻 度 で あ る が 巨 額 な 損 失 が 発 生 し て し ま う 場 合 に は 万 が 一 の た め に
, あ る 一 定 以 上 の リ
ス ク は 保 険
な ど に より 転嫁 してしまうことも 有 効 な対策である
(図 3)
. こ の よ う な リ ス ク の 保 有
, 転 嫁
は 提 本論で
案 す る リ
ス ク 評 価の次のステップとなる.
3. 危 地震
険 度評 価
( 1) 地震ハザード
曲 線
地 震 ハ ザ ー ド 曲 線 と は
, 震 源 距 離 分 布 及 び 水 平 最 大 加 速 度 推 定 式 の 情 報 を 集 積 し
, 歴 史 地 震 お よ び
活 断 層 デ ー タ か ら 建 設 地 点 に お け る 地 震 動 の 年 間 超 過 確 率 を 算 定 し た
ものである.地震ハザード曲線の作成には汎用ソフト
D-SEIS8 )
を 使 用 し た
. ハ ザ
ー 曲 ド
線
の 作 成では, 河角 の方法を基幹としている.
河 角 の
方 去 法とは,過
の 地
震 ー から 加速 度 記録や活断層デ タ
の 年超過確率
P () 算 を 定
す
る 出期間 も の である. 抽 TD
年 採取 し, 加速 度 間の地震情報を
以
上 数を の 地 震の発生 回
n (
) とすれば,年
平
均 地震発生 回 出期間で 除 数を 抽 した値
n ( ) /TD は TD ,
年 間 で の 年 平
均地震発生回数となる.年平均地震発生回数が将来(TD
年 間 中
) で も 同 様 の 回 数 発 生 す る ポ ア ソ ン
過程が成立すると仮定すれば,{n() /TD } ×T は式
( 数 1 )に 将来 T年 平均 発生 回 示す, 間での
N( T) となる.
N( T )=1の T 年 とき, 間で
平
均 して
以
上 数は, で の あ 地 る 震の発生する .ここで 回 1回 T
を
平 再現期 平均 して 均 間 と 定義する.この関係を, T
年 つ の再現期間をも
地 震
動 度が 以 強 上
で あると解
釈 し, N ( T ) =1
が 立 成
す る
よ う な 加速 度
を 順じ
算 平均 再現期間 加 度 速 定するこ Tと と で ,
の
関 係 を
表 現することができる.
平 均 再現期間と年超過確率は
式
( 2 )
の よ う に 逆 数 関 係 に あ る こ と か ら
, 加 速
( 1
) ( 7
)m m m
d p dP
T
T T n , N
D
図4 地震ハザード曲線(神戸市庁舎付近)
9)
0.000 0.005 0.010 0.015 0.020
0 200 400 600 800 1000
基盤最大加速度αm 年超過確率Pα(m)
地震ハザード曲線 歴史地震データ 活断層データ
度 と 年 超 過 確 率
関 係を示す地震ハザード
曲 成することができる. 線を 作
図 4
に
一 神戸市庁舎 例として,
付 における地震ハザード 曲 近 線
9 )を 示す.
( 2) 地震動の不確実性
地 震
動の不確実性として,距離減衰式による基盤最大加速度
の
推 誤差 を考える. ( 定 式 3 )
の 距離 減 ように
衰
式 は, 推 式 定 そのものが対数形 10)
を しているため,地震動
強 度
に 確 率 分 布
を 適用する場合には対数
正 が適 当 規分 布 とされている.
a, b, c
は 回 帰 係 数 で あ り
, 多 く の 研 究 者 が こ
の 回 帰 式 を も と に 地 震
デ タ 距離 減 提 ー を集約し 衰式 の 案を行っている. て
ま Campbell11 ) た,
は
, 観 測 デ ー タ か ら も 対 数 正
規 布 採 度 分 を 用している. 強 本 論 においても地震動
の
平 値と標 を 均 準偏差 mと lnXの平 値 し, 均
と 準偏 標 差
を
パ メー タ 正 で 化 ラ とする対数 規分 布 モデ ル した.
確 密 率
度 関
数 記 ( を h( ;, ) し, 式 4) と表
に は 式 示す.また ,
( 5) , ( 6)に より
mと関 係付けられている.
こ こで,
図5に地 曲 震ハザード
線 か
ら られる基 盤 大加速 得 最 度
m
に 対数
正 により 化 最 度 規分 布 モデ ル された基 盤 大加速
( 4
)
( 5
)
( 6
)
基盤最大加速度
年超過確率 P( m)
m
h(
) . const
m
図5 地震動強度の不確実性 c
x b M
a
log
log
ln 2
2 exp 1 2
) 1 ,
; (
h
2
2
ln 1
m
ln 1
22
m
( 3
)
P T1 ( 2
)
の 不確実性を模
式 的に 併記 した.
式
( 7 ) に , 示すとおり
地 曲 震ハザード
線 の 年 超 過 確
率 P ( m )
を 強 地震動
度 m
で
微 強 度関数 分す 度の発生確率 密 る こ とで地震動
p( m)に
変 するこ 換 と が できる.
4. 耐震性能評価
(1) 12) 構造物の耐震性能
鉄
道 等設 計標 準 同 説 設 構造 ・ 解 (耐震 計) 12) 物
で は,
構 造 物 の 耐 震 性 能 は
, 主 に
地震後の構造物の復旧難易性に対する性能であるとし,3 区
分 さ れ ている.
耐 震 性 能
Ⅰ は
, 地 震 後 の 構 造 物 の 損 傷 が 十 分 に 小 さ い 範 囲
に 留 ま っ て い る 状 態 と す る 性 能 で あ り
, 構 造 物 は 耐 荷 力 等 に 対 す る 補 修
を 行 わ ず供用することを想定しているものである.
耐 震 性 能
Ⅱ は
, 地 震 後 に 構 造 物
の 機 能 が 短 時 間 で 回 復 で き る 状 態 と す る 性 能 で あ り
, 補 修 に 困 難 が 伴 う 構 造 物 の 残 留 変 形 や 部 材 の 損 傷 が
許 容 限 度 内 に あ る 状 態 と す る 性 能 で あ る
. ま た
, こ の 性 能 は 構 造 物 全 体 の 崩 壊 に 対 し て 余 裕 を も た せ る 性
能 で あ る
. 構 造 物 の 残 留 変 位 の 制 限 が 必 要 な 場 合 は
, 適 切 な 方 法 に よ り 算 定 し
, 設
定 にあることを確認す 必 し る た 許容 限度 内 要がある.
耐 震 性 能
Ⅲ は
, 地 震
後 に 構 造 物 が 修 復 不 可 能 に な っ た と し て も
, 構 造 物 の 重 量 お よ び 負 載 重 量
, 土 圧
, 水 圧 な ど に よ
り 崩壊 しない状 態 ,構造物全体は
と す る 性 能 で あ る
.
耐 震
性 能 の 照 査 は
, 設 計 地 震 動 に 応 じ
て 構造物が
所 満 要の耐震性能 足することを 照査 する. を
(2) 傷レ 損 ベ
ル 12)
RC
橋 脚の地震時損
傷 の み を橋脚基 部 曲げ破壊 の に限定 し ,
非 線 形
特 性 を テ ト ラ リ ニ ア 型 の 骨 格 曲 線 で モ デ ル 化 し た
. 損 傷 レ ベ ル
は,橋脚の復元力モデルと関連付けられている. RC
橋 界 脚の限
状 として,基 の れ発生時 態 部 ひび割
C ,
主 降伏 時 耐 時 鉄筋 Y , 大 力 の 最
M,
降 を 伏 荷 重 維持 できる最 大変 位点 Nの 4
境 が定 Y点 , M 点 , N 界 義 さ れている.これら
点 の限
界 態 境 傷レベ 状 を に,損 ルは 4
区
分 設 中 に 定されて 図 6) の resp. い .図 る (
は 任意 に対する最 , 荷 重
大 位である. 応答 変
(3) 損失額の
予 測
損
傷 ア テ を レ イ ベ ルを i , ム番号 j
と 定 義 す る
. ア イ
( 8
)
m
j ij
i c
c
損傷レベル 損傷状況 補修工法の例 損傷レベル1無損傷 無補修(必要により耐久性上の配慮) 損傷レベル2 場合によっては補修が必要な損傷 必要によりひび割れ注入・断面修復 損傷レベル3補修が必要な損傷 ひび割 れ注入・断面修復
必要により帯鉄筋等を整正 損傷レベル4補修が必要な損傷で,場合によっては,部材の取替えが必要な損傷 ひび割れ注入・断面修復・帯鉄筋等の整正
軸方向鉄筋の座屈が著しい場合は,部材の取り替え
表2 RC部材の損傷レベルと損傷状況,補修工 法12)
P
N:降伏荷重を維持 Y:降伏
M:最大耐力
C:ひび割れ
y resp.
Y
M
損傷レベル2
m
損傷レベル3 損傷レベル4 損傷レベル1
c
4n
y resp. m n
N
c
ic
3c
2c
1図6 損傷レベルと損失額 Q
表1 損失額マトリク ス
1:補修費 2:営業損失 3:ユーザー損失 1:損傷レベル1
2:損傷レベル2 3:損傷レベル3 4:損傷レベル4
3
1 1 1
j c j
c
3
1 2 2
j c j
c
3
1 3 3
j c j
c
3
1 4
4 j c j
c c11
c21
c31
c41
c12
c22
c32
c42
c13
c23
c33
c43
i j
テ ム 番 号 は 損 失 の 種 類 を 表 し
, 物 的 損 失 や ユ ー ザ ー 損 失 な ど が こ れ に あ た る
. 損 傷 レ ベ ル
, ア イ テ ム 番 号
と 損 失
額の対応をマトリクス表示した(表1).損傷レベル
i 発 アイ テ 生時の
ム 番
号 j の cij 損失額を
と 表現する.なお損
傷 レ
ベ ル i
発 生時の損失額は,
ア
イ テ 総 ( 和 ム j の j=1~
m) をとることで
算 算 式 ( 出できる. 定 を式 8)
に 示す.
な お,本論では
補 修
費 ユ と ーザー損失の 2
種 の損 補 類 失 修費 を 考慮して解析を行っている.
は
,
損 傷 レ ベ ル に よ り 異 な る と 考 え ら れ る
. 被 災 に よ る 補
修工法は,損傷レベルにより分別されているため(表
212 )
)
, 補 修 費 を 損 傷
レ ベ ル 別 に 一 定 値 と 仮 定 し た
. ユ ー ザ ー 損 失 に お い て
も
, 補 修 に よ る 機 能 停 止 時 間 は
, 損 傷 レ ベ ル に 起
因 ル に対応させた. す る ので,損失額を損 傷レベ 別
な お最
大 傷レベ 損失額 cmaxは ル4の c4 ,損 損失額
で あるとしている.
(4) 大 最 応
答 加速 度
本 論では,
神
田 らが 提 最 度 案する基 盤 大加速
と 構造物の
平
均 応答ス クトル値 式 ペ c の 13) 関係
を
採 ( 盤 大加速 用し 式 9 ) 基 最 度 た は, .
を
入 力 値とし,
Ⅱ 種 地 盤 の 非 線 形 動 的 解 析 を 介 し て 構 造 物 の 弾 性 応 答
( 応 答 ス ペ ク ト ル
)
を 力 出
と し
た 回帰式 衰 数 値 解析による である.減 定数は
5
%
, クトルにおける構造 期は 物 の 固有 加速 度応答ス ペ 周
0.28~0.56sec.付
近 平均 応答ス クトル値 の ペ c を
採
用 し て いる.
基
盤 大加速 最 度
に 対
し て地
盤 が線形応 答 す る場合には,構造物の応答値は
図 7
中 の 破 線 の よ う に な る が
, 式
( の非線形応 答 を 9) 盤 反映 しているため は,地
c は 線形
増
加 をせず, 概ね c =2 ~ 3
の
倍 率に 推移 しているのが 特 徴 的である.
(5)
弾 性最 大 位 塑 応答 変
最
大 弾 応答 変 荷 重 QE と 性最 大 位
E ,
弾 性最 大 位 塑 応答 変 resp.の 図 8 関係は
の よ う に 表 さ
れる.弾性域内でのポテンシャルエネルギー(△AOD の
面 積
)と,塑性域内のポテンシャルエネルギー(□CBOD の
面 積
(9)
200 400 600 800 1000 1200 1400 1600
200 300 400 500 600 700
基盤最大加速度α[Gal]
平均応答スペクトル値αc[Gal]
c=2
c=3 c=19.44
図7 基盤最大加速度と平均応答スペクトル値の関係
6523 .
44
0.
19
c
等 価 で あ る と い う 仮 定
( エ
ネ ギ 則 づ 系 応答 変 ル ー一定 )に基 き, 弾塑 性 の最 大 位
resp. を 式
( 10 )
により簡易的に算出することができる.荷重低減係数 R を式
( 性最 大荷重 11)に R は 弾 QE 示す. ,
と
降 比 大加速 伏 荷 重 QYの ,ま 度 c た は 最
と
降 度 比 伏 加 速 Yの で表 現 さ れる.
5. 地震リスク分析
( 1) 傷レ 損 ベ
ル 発 生 確 率
応 変 答
位 状 時の 変 R , 界 態 位 K 限
が 確率
変 数である X=K / R と き ,性能関数を
と R が K 定義すると,
を 超過する確率(限
界 態 状 発生確率) FKは X≦1 ,
が 起 生
す る
確 ( 率 で あり 式 12 ) , ( 13)
に より
求 まる.
応 答 変 位 や 限 界 状 態 時 の 変 位 の ば ら つ き は
,
通常,対数正規分布でモデル化されることが多い(図
9) .
確 変 率
数 正 に うとき, R,Kが 規分 布 従 X 対数
も 準 これに
じ る た め
, 界 態 限 状 発生確率 FKは ,
式
( 求 14)に まる.こ R , K より こ で
の
平 値, 変 均 動係数を resp., k , R , K
とすると, lnX の平均値,標準偏差, X, X
は 式 ,
( 算 15) , (16)に 出される より .
こ こで,
(10)
Yresp R
1
2 1 2
.
( 13
)
( 14
)
) 1
(
Prob. X F
Kx dx F x
X X X
K
10
ln
22 exp 1 2
1
R
X
K
( 12)
(11
)
Y c Y E
Q R Q
図9 応答変位,限界状態変位のばらつ き
resp.
k
0.000 0.002 0.004 0.006 0.008 0.010
0 100 200 300 400 500
δR, δK[mm] f(δR),f(δK)
応答変位
荷重
QE
QY
E.
resp
A
B C
E
(弾塑性応答の推定)
図8 エネルギー一定則 D
O
積
分 関 数 を z=resp. ・ x と z して
を
変 変換 すると, ( 求 数 FKは式 17)に まる . より
こ 応 変 れは, 答
位
の 平均 値 resp.
が
与 件 状 発生確率 えら 条 付限 界 態 れ た 時の
Fk( resp) を表わす.
( 15
)
( 16
)
( 17
)
( 1 )( 1 )
ln
K2 R2X
ln .
ln k resp
X
z dz F z
X k X
resp k
resp
2
0 .
ln ln 2 exp 1 2
) 1 (
.
resp. を
変 数と 0 し て
~
∞ 変 まで 変化 させると,応 位 resp. 答
に 界 対応した限
状 発生確率を える地震損 度 線 態 与 傷 曲
14)( Fragility Curve ) 得 が
ら れ
る 界 態 位 . 限 状 時の 変
k を主
鉄 耐 時 筋 の 降伏 時 y , 大 力 最
m,
降 時 変 定すること 伏 で 荷 , 重維持 n の 位と 設
各
限 状 の 件 求 界 態 条 付発生確率 FY, FM, FN,が まる .
な お,応答
変 加 度 速 位 resp は
よ
り 算 以降 ,限 界 態 定される 状 発生確率を た め ,
Fk() 記 と
述 状 する. Fk() 界 態 k は,限
の 超 過 確 率 で あ る
た 界 め,限
状 間の 範囲 , まり損 ルの発生確率 態 つ 傷レベ
Prob. ( ci| ) 式 は,
( ~ 18 ) ( 21 )
に より
算 出するこ (図 10 ). と が できる
任 の 意
加
速 度 変 に 位 resp. 対して,応答
が 求
ま り,そのばら
つ 状 発生確率 きを考慮すること 界 態 で 限
FK() 算 を
定 し
, 傷レベ 損 ル発生確率 Prob.( ci|
) へ 変 換 す る
. な お
, 損 傷
レ ベ ル の
発生確率は,互いに排反事象であるため,その総和は
1と 式 なる(
( 22)) .
(2) Event Tree Analysis
本 イベ ント ツ 論における
リ ー
を 図 11
の 設 ように
定 し た
. RC
橋 脚 の 地 震 時 損
傷 イベ
ン ト
を 部 曲げ破壊 の に限定すると, 橋 脚 基 の み
被 害形
態 傷 レ ベ は 損 ル 1, 2, 3, 4
に . Fragility Curve 対応させることができる
の 界 限
状 発生確率 傷レベ 態 Fk() ル から,損
発 Prob.( ci| ) 算 生確率 を
出 し
, 損 ci 失額
( 18
)
F
Yc
Prob. (
1| ) 1
F
YF
Mc
Prob. (
2| )
F
MF
Nc
Prob. (
3| )
F
Nc
Prob. (
4| )
1 )
|
4
(
1
i
Prob. c
i
(19)
(20)
( 21
)
( 22
)
損傷レベル1
限界状態発生確率
FY ()
Prob.(c1|)
Prob.(c2|)
Prob.(c3|)
Prob.(c4|)
FM
()
FN ()
基盤最大加速度
1
損傷レベル発生確率
Prob.(c3|) Prob.(c4|)
基盤最大加速度
1
損傷レベル2 損傷レベル3 損傷レベル4
P
N:降伏荷重を維持 Y:降伏
M:最大耐力
C:ひび割れ
Y resp. M N
図10 損傷レベル発生確率 Prob.(c1|)
Prob.(c2|)
Q
と 式 の関係から,
( 23) , (24)に 損 より 失額の
期 cmと 散 c2を 待値 分
算 定す る .
な 期 cm は NEL ( Normal Expected お, 待値
Loss ) とも
呼 任意 の ばれ, 加速 度
を
条件とした損失額の期待値である.本論では以降,NEL
をCNELと 表し,損失額の期待値を表現する.
(3)Probability Mass Function
損 ciと Prob. ( ci|) 失額 発生確率 の関係を
PMF( Probable Mass Function ) . で表現する
離 的な 散
PMF を 下 上
限 続 布 a, b を 連 的な 分 有する
(
式 ( 25 ) ) に 4 , 5 ) 適応
さ せ る こ
とで,損失額の不確実性を考慮する.本解析では下限値a
を 0 , b を cmax と 上限値
設 定し て い る.
式
( 26 ) , ( 27 )に q , rは 平均 値 cm 示す ,
と 散 c2 か 算 分 ら
出 さ
れ パラ メー タ る 形 状 であり ,
B( q, r) ベ は
ー 関数 タ で ある.
こ こで,
分
布 への FEMA 適 応 は
も支持する結果を出している 15).分布の超過確率
R( c )を式( 28 )に 示す.
(27)
(28)
( 23
)
( 24
)
( 25
)
( 26
)
11 1
) (
) ( ) ( ,
| 1 ,
;
q q r ra b
c b a c r q r B
q c
f
2 2
2
)
(
c c m m
m
c c
q c
2
2
2
)
)(
1 (
c
c m m
m
c c
r c
ni
i i
m
c Prob. c c
1
|
ni i m i
c
c c Prob. c
1
2
2
|
|
cmax ; , |
c
dx q r x f c
R
図11 本論におけるイベントツリ ー
被害要因(曲げ破壊) 発生確率
Prob.(c1|)
Prob.(c2|)
Prob.(c3|)
Prob.(c4|)
c1
c2
c3
c4
損失額
ΣProb.(ci|)=1 地震動強度
Galの発生
(損傷レベル1)
(損傷レベル2)
(損傷レベル3)
(損傷レベル4)
(4) Probable Maximum Loss
PML ( Probable Maximum Loss )
の 定義は様
々 村 であるが,本 中 ら 4 ) 論 で は,
が
提 における 案す 布 90% る 確 率分
非 採 超過確率時の損失額を
用 し た . PMLを CPML
と 記 表
し
, ( 出する 式 29 ) , ( 30 )よ 算 (図 り
12 ).
90% の
由 は,「 中 建 物 の 来 10 棟 1
棟 は 不 適 切 な 設 計
, 施 工 の 特 異 性
, 異 常 な 地 震 動 や 応 答
, 地 盤 被 害 な ど を 原
因 と し た 例 外 的 な 損 失 を 持 ち
, 建 物 の 一 般 的 な 階 級 が う ま く 適 合 し な い
」 こ と に 起 因 し て い
る.すなわち不適切な設計や異常な地震動等が原因で 10%
の 確 率 で
( 29
)
( 30
)
0 . 1
1
R C
PML
cmax |
C PML
PML
dx x f C
R
予
想 唆 損 失 額を超える可能性があることを示 している
16 ) . 図 13
に 小 規 模 地
震 100Gal) 中 動( と
規 模
地 震 動 ( 600Gal) 発生時の
NEL, PML, PMF, 確 密 率
度 関
数 p. d. f.
の 模 式 図 を 示 し た
. 地 震 動 強 度 が 増 加 す
る と高額の損失額の発生確率が向上し,これにしたがい
NEL, PMLが 大 最
損 失
額 トする. 方 向 へシ フ
(5) 損失関数
図 14 は 加 度を , 速
条 とした 件 NEL, PML
の
曲 線を も Damage 表 のであり,損失関数( わ した
Function ) 呼 と
ば れ
て い る
4 )
. 損 失 関 数 に よ
り,任意の地震動強度により対象が被る損失額(NEL,
(6) 地震リスクカーブ
損 c と 失額 年超過確率
G ( c
) 関 係 を 表 わ し た 地 震 リ
損失額c
CNEL cmax
CPML
f ( c;r,q|
)
図14 損失関数基盤最大加速度
CNEL CPML 損失額
PMF p.d.f .
R(CPML)=0.1
0.1 Prob. ( c
2|
)
Prob.(c
3|) Prob. ( c
4|
) f(c;r,q|
)図12 損失額のPMFとp.d.f.
c1 c2 c3 c4
損失額発生確率
Prob. ( c1|
)
CNEL
h(;,) d
c|
R
md
mp
m c
基盤最大加速度 損
失 額
図15 地震動と損失額の不確実 性
Prob.(c
1)
c4
CNEL CPML 損失額
(a)=100Galの場 合
c1 c
2 c
3
損失額発生確率
Prob.
(c2)
Prob.
(c3) Prob.
(c
4)
Prob.
(c
1)
c4
CNEL CPML 損失額
(b)=600Galの場 合
c1 c
2 c
3
Prob.
(c
2)
Prob.
(c
3)
Prob.
(c
4)
損失額発生確率
図13 損失額の不確実性
ス ク カ ー ブ に よ り
, 地 震
に よる損失の危
険 度を定量的に評価 す る ことができる.
ま 曲 ず地震ハザード
線 よ り
,
基 最 度 盤 大加速 m
が
与 ( えら c m)を れ た 場合の,損失額の超過確率
式
( 算 ( 31 )に 出する. c m ) より
は
, 地 震 動 の 不 確 実 性 を 考 慮 し た 損 失 額 の 超 過 確 率
で ある.す
べ 盤 大加速 ての基 最 度の発生を考慮するため
( c m)に mの p( m) dm 発生確率
を
乗 ( じて cの G( c)を式 32 ) 損 超過確率 失 額
に より
求 める 4 ) 5 ). ,
図 15 に G ( c ) 超過確率
の
算 式 定過 的に示した.これ 程 は を , 模
基
盤 大加速 最 度 m の m 発生確率に
を
条 とした 件 加速 度の 発生確率,さらに
条
件 算 重積 とし 定という, た 損 失額の超過確率
計
算 を表 わ す .
( 31
)
c|m
h
;,
Rc|
d0
c p
m
c m
d mG |
0
( 32)
6. RC 橋 リ 脚の地震 スク評価例
(1) 象 対
橋 脚
異 RC 単 なる耐震性能を有する
柱 橋脚, 式 3橋 脚
17 ) を 象 解析対
と す る
. TYPE1
は
, 安 全
性のみを保障する構造物であり(耐震性能Ⅲ),TYPE2 は
, 小 規 模 地 震 動 に 対 し て は 無 損 傷
, 中 規 模 地 震 動 に は
復旧可能な損傷を許容した橋脚(耐震性能Ⅱ).TYPE3 は
, 供 用 期 間 中 に 復 旧 費
を 必 要 と し な い こ と を 目 標 と し た 構 造 物 で あ る
( 耐 震 性 能
Ⅰ
)
. 構 造 物 の 断 面
形状および配筋状況は,上記の耐震性能を得るために TYPE1, TYPE 2, TYPE 3 の
降 時の 水平 震度が 伏 0.2,
0.5, 1.5
と な る よ う に 設 定 さ
れ て い る
. 橋 脚 の 躯 体 に は
, 曲 げ 破 壊 モ ー ド と な る よ う に
, せ ん 断 補 強 筋 を
躯体全長にわたり配筋し,躯体下端から躯体断面高さの2 倍
の 範 囲 に は
, 変 形
性 保 能を確
す る た め
の 筋が 配 せ ん 断補強 置されている.
橋 断面 の 脚
配 筋状況を 図 16 に 図 ,非線形特性を
17 に 示 す
. 各 橋 脚 は
, 目 標 耐 震 性 能 を 達 成 す る
た め に
, 異 な る 荷 重 変 位 関 係 を 有 し て い
るのがわかる.耐震性能は,式(11)の荷重低減定数 Rと
等 性 価で 換算弾 水平 震度 0.3, 1.0, 1.5 あ る
を 対
象 作 式 位 図16 対象橋脚の概略図と配筋状況 橋脚 用させたとき (10) 変 に , により応答
17)
図17 荷重変位関 係
0 500 1000 1500 2000 2500
0 50 100 150 200 250 300 350 400
δ[mm]
Q[Gal]
TYPE1 TYPE2 TYPE3 Y
M
N
Y M
N M N Y
表3 補修費17),ユーザー損 失19)
TYPE1 TYPE2 TYPE3
損傷レベル1 - - -
損傷レベル2 45.8 60.7 86.4 (7日間機能停止)3500 損傷レベル3, 4 84.4 108.2 141.2 (30日間機能停止)15000
R=0.3,S=0.3 :R,Sは,耐力R,応答Sの変動係数
補修費(万円) ユーザー損失(万円 )
損失額(500万円 日)/
-
0.0001 0.001 0.01 0.1 1
0 200 400 600 800 1000
基盤最大加速度α m[Gal] 年超過確率P(αm)
1 10 100 1000 10000
再現期間T(m)
図18 地震ハザード曲線(東京都新宿 区)
0 0.05 0.1 0.15
0 200 400 600 800 1000
基盤最大加速度α [Gal]
加速度αの発生確率P(α;αm)
図19 地震動の不確実性 100Gal
300Gal
500Gal 800Gal
resp
が ど の 損 傷
レ ルに 属 ベ
す る か を
確 照査 を行っている 認 す ることで,
17 ) . 変
動 係 数 K,R
は リ ス ク カ ー ブ に 対 し て 大 き な 感 度 を 持 つ
こ とが確認されているため,
慎 に 定する 要がある 重 選 必
18 ) . 本論では,
応答変位および限界状態変位の変動係数を K=0.3,R=0.3 とした.損傷レベルと補修費,ユーザー損失の対応を表3
に 杉 示す.
本 ら 19 )
に よ
る と一
日 ーザー損失は, 通 あたりの ユ 交 量が多い場合で
500万円 / 日とされている.本論では, 500 万円 /
日 に 橋 脚の
機 能 停 止 期 間
( 日
) 乗 を
じ た
損 ユ 用している. 失 額 を ーザー損失として 採
被 停止 期間は,損 災時の機能
傷 レ
ベ ル 2 で 7 は
日
間 ル , 損 傷レベ 3,4 で 30 は,
日
の 行 めの 必 通 止 要性があるとされ 17). て い る
(2) 象 対
地 点
対
象 東京都新宿 ( 地点 区 35.7075N, を
139.6891E) としたときの地震ハザード
曲 線を 図
18 に 距離 減 示す.
衰
式 には
式
( 33 ) 34 ) ,(
に 示される
福
島 ・ を 定した. 田中式 選 M
は グ マ
ニ である. チュ ード, rは 源距 震 離
加 度 m 速
の 増 加 に 伴 い 年 超 過 確 率 が 減
少 ,再現期間が
長 化 期 していることがわかる . ま た,
図 19
に 地 震 動 強 度 の 不 確 実 性 を 対 数 正 規 分 布
x m
10
59 . 0 0034 . 0 ) 10 006 . 0 log(
51 .
0 0.51
M r r
x M
( 33
)( 34
)
モ デ ル 化 し た グ ラ フ を 示 す
. 加 速 度 の 変 動 係 数 を 一 定 値 と す る こ と で
, 加 速 度 の 増 加 に 伴 い 不 確 実 性 が 増
大 す る と い う 距 離 減 衰 式 に よ る 加 速 度 の 推 定
誤 の特徴 した モデ ルにすることができる. 差 に 合 致
(2) Fragility Curve ~損 失関数
図 20 は TYPE2
橋 脚において,
式 定され る ( 14) 算 Fragility Curve で
の 限 界 状 態 発 生 確 率 か ら 式
( 23
) で 求 め る
損 連 失関数までの一
の 解
析 果をまとめたものである. 結
a) Fragility Curve (図 a)) (
Fragility Curve で は,
主 降伏 する確率 鉄筋が FY
は ,基
盤 大加速 最 度 100Gal
付
近 している. から 急激 に上 昇 300Gal
程 度 の 地 震 動 が 発 生 し た 場 合 は
, 主 鉄 筋 は
, ほ
ぼ 確 実 に 降 伏 す る こ と を
示している.最大耐力時,降伏荷重維持時の発生確率
FM, FN は 荷重 , 変
位 関 係 の
限 状 界 態変 位 M,N
が 近 接 し て い る
ことを反映して発生確率は同程度の値を示し,1000Gal
の 0.9 地震動が発生すると
弱
の することがわか 確 る 率 . で生 起
b)損
傷 レ ベ ル発生確 ( b) 率 図( )
傷レ 損 ベ
ル 発 生 確
率 加速 度 P( ci| ) は,
が 増 大 す る に 従 い
, 高 次 の 損 傷 レ ベ ル が 発 生 し や
cmax
図20 NELとPMLの損失関数(TYPE2橋脚の場 合)
① ② ③
① ② ④
③
①
②
③,④
①
②
③
④
②
①
c
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
0 200 400[Gal]600 800 1000
限界状態発生確率FK()
①FY(α) ②FM(α) ③FN(α)
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
0 200 400[Gal]600 800 1000
損傷レベル発生確率Prob.(ci|)
①Prob.(c1|α) ②Prob.(c2|α)
③Prob.(c3|α) ④Prob.(c4|α)
0 20 40 60 80 100 120
0 200 400 600 800 1000
基盤最大加速度[Gal]
損失額[万円]
①CNEL ②CPML 系列1 σ 0
20 40 60 80 100 120
0 200 400[Gal]600 800 1000
損失額ci[万円]
①c1 ②c2 ③c3 ④c4
()フラジリティカーブa
0 20 40 60 80 100 120
0 200 400 600 800 1000
[Gal]
損失額リスクProb.(ci;α)・ci[万円] ①P(c1|α)・c1 ②P(c2|α)・c2
③P(c3|α)・c3 ④P(c4|α)・c4
()損傷レベル発生確率b
()損失額c
()損失額リスクd
()損失関数e Fragility Curve