40
ノー ト
[木材学会誌 Vol.53,No.1,p.40‑45 (2007)]
改正建築基準法 に対応 した新築住宅 にお ける 室内空気質 の実態調査 ( 第 2報 )
i■VOC 気車濃度の実態 *1
樋 田 淳平
*2,高塚早紀 * 3 ,山田雅章
*:i, 滝 欽 二
*3,吉田弥明* 3 ,山田 誠
*4Fi e l dMe a s ur e me nto fI nd o o rAi rQual i t yi nNe wl yCo ns t r uc t e dHo us e s a c c o r d i ngt ot heRe vi s e dBui l di ngSt a nda r dLa wi nJ a pa n I I . 1 ●
Fi e l dme a s u r e me n t o fc o n c e n t r a t i o no fVOCsi ni nd o o ra i r *
1J u n p e i HI D A
*2, S a k i TA K 〟r S U K A
*3, Ma s a a k i YA MA D A * 3 ,
Ki n j i TA K I * 3 , Hi r o a k i Yo s H I D A
*3a n dMa k o t oYA MA D A
*4Ourpreviouspaperreportedtheresultsofcarbonylcompoundsail.COnCentrationinnewlybuiltwoodenhousesin 2004,consistlngOf20livingroomsandbedroomsof10housesofnaturaltypewhichisfurnishedwithnatural materials,suchassolidwoodaoorsandwallpanels,and18l・00mSOf9housesofgeneraltypewhichisfurnished w
ithartiBcialmaterialssuchasbondedwoodmaterialsforfloorandpolyvlnylcoveringforwallsandceilings, accordingtotherevisedBuildingStandardLawinShizuokaandAichipl・efectures.Inthispaperwerep()rtthe resultsofVOCsairconcentrationmeasurements.Toluene,styrene,Xylene,p‑dichlorobenzene,ethylbenzeneand tetradecaneweredetectedasguidelinesubstancesfol・indoorairqualityoftlleMinistryofHealth,Labourand welfareoりapan.mlueneaircotlCentrationaveraged138〃g/m3,andtheconcentrationofaboutll%ofallrooms wasovertheguidelinevalue(260FL富/m .'i).Tolueneconcentrationingeneraltyperoomswashigherthaninnatural typerooms.Styreneairconcentrationaveraged97〟g/m:i,andtheconcentrationofaboutll%ofallroomswasover theguidelinevalue(220〃g/m:5) .styreneconcentrationingeneraltyperoomswとlShigherthaninnaturaltype rooms.Inaddition,forgeneraltypehouses,itsconcentrationinbedroomswashigherthaninlivlngrooms.Air concelltrationsoftheotherfoursubstanceswerelowcomparedtotheguidelinevalues.ThelnOStabundant emissionsubstancesfoundinnaturaltypehouseswereterpenoids.工naddition,theconcentrationofsubstances otherthanterpenoidsinnaturaltypehouseswaslowerthaningeneraltypehouses.Furthermore,itwasshownthat foremissionsubstancesexceptterpenoids,lowemissionwasfoundforthenaturalmaterials.
Keywwds: indoorairquality,VOC,BuildingStandardLaw,woodenhouse,terpenoid.
千 ReportI:Thisjourna153(1),34‑39(2007).
*】ReceivedMay15,2006,・acceptedAugust24, 2006.本研 究 の 一 都 は, 第55回 日本 木材 学 会大 会 (2005年3月,京都 ) にお いて発表 した。
*2岐早 大学大学院連合農学研 究科 TheUnitedGraduateSchoolofAgriculturalScience,GifuUniversity,Gifu50卜1193
*3静 岡大学農学部 FacultyofAgriculture,ShizuokaUnivers毎,Shizuoka422‑8529
*̀‑(財 )日本住宅 ・木材技術 セ ンター JapanHousingandWoodTTechnologyCenter,Tokyo107‑0052
2007年 1月] 改正 建築基準法対応新築住 宅 にお ける
V O
C気中濃度の実態調査前報で は,静 岡県及 び愛 知県 で改正建 築基準法 施行後 に新築 された, 内装材 に主 にムク材 な ど の天然材料 を多 用 した住 宅 (天 然仕 様 住 宅)
1 0
棟2 0
部屋 , 及び複合 フロー リングや ビニル クロス などの加工材料 を主 と した住宅 (一般仕様住 宅)9棟18部屋 について, その カルボニル化合物 気 中濃 度 につ いて報 告 したが ,本 報 で はV O
C気 中波 度の実態調査結果 を報皆す る。厚 生労働省指 針値 の対象物 蜜 と して は トルエ ン, スチ レン,キ シレン,パ ラジクロロベ ンゼ ン,エチルベ ンゼ ン, テ トラデ カ ンの6物 質 が検 出 され たo トルエ ンの平 均気 中波 度 は13餌 g/mL'与で,指針値 を超 は9 7
〟g/m:Ⅰで,指針値 を超 過 したの は全体の約1 1 %
であ り,一般仕様住宅の方が天然仕様住宅 よ り高濃度で,一般仕様 住宅 にお いて は居 間 よ りも寝室 の方が高濃度であ った。その他 の4
物質 は 指針値 を大 き く下 回 る値 で あ っ た。 天然仕様住宅 で はテ ルペ ン類が放散 され るV O
Cの多 くを占 ったO従 って,天然材料
か らはテルペ ン類以外 の物 JB壬の放散が少 ない こ とが示唆 された。1. 緒 言
近 年,居室 におけ る室 内空 気汚 染問題が顕在化 し, シ ッ クハ ウス症候 群 と して 一 般 に も認 織 され て い る。 この間題 は一般住宅 のみ に とどま らず ,学校 な どの共 同施設 に も広が りを見せ ,東京都 の あ る小学 樵 で は,厚生労働省指針値 を上 回 る トルエ ンが検 出 され,施設 の使用 を見合 わせ る とい った状 況が起 き るな ど,いわゆる シ ックス クー ル問題 と して も社会 問題 となっている。 シックハ ウス問題 に対 して は各 省庁 で対策が講 じられてお り, そ の中で国土交通省 は
,2 0 0 3
年7
月 よ り改正 建築 基 準 法 を施行 し, クロ ル ピ リホスの使用禁止, ホ ル ム ア ルデ ヒ ドを放散す る特 定建材 の使用面積制 限及 び換 気設備 設 置 の義務 付 け とい う形で シ ックハ ウ ス問題 に対 す る法 的規制 を行 った1)02 0 0 4
年 には住 宅 の 晶 質確 保 の促 進等 に 関す る法律 (品確法) の住宅性 能 表示 制度 が改 正 さ れ,空気質 に関す る内容 が加 え られ, ホル ム アルデ ヒ ドや トルエ ンな ど6
物 質が 対 象 とされた (現在 は アセ トアルデ ヒ ドが 除外 され5
物 質)2). これ と並 行 して,住宅建材 において もホ ルムアルデ ヒ ド低放 散 建材 へ の対応 が進 め られ て お り3), また接 着剤 や 塗料 に関 して も,水性型 ,無 溶剤 型 な どの トルエ ン や キ シ レンを含 まない製 品 に切 り替 え られ て きてい る2)。 一方,消 費者 側 も化 学 物 質 の放 散 の少 な い, い わ ゆ る健 康 住 宅 を要 望 す る よ うに な っ て きて お り, ここ数年で住宅事情 は大 き く変化 して い る。前 報4)で は2 0 0 3
年7月の改正 建 築 基 準法 施行 後 に新 築 され た住宅 にお ける室内空気 質 の実態 を調 査 し, カ ルボニル化合物気 中波度 につ い て報告 した。 本報 で は前 報 に引 き続 き, トルエ ン, スチ レ ン等 のV O C
気 中濃 度 について報告す る。
4 1
2.
測定住宅及び測定方法2. 1
測定住宅測 定対 象住宅 は前報4)と同様 であ り
,2 0 0 4
年 6‑9
月 に静 岡県及 び愛知県で新築 された,木造軸組工 法 の住 宅1 9
棟38部屋 とし,内装仕様の違いか ら,内 装材 に主 にムク材等 の天然材料 を多用 した住宅 (以 下,天姓仕様住宅 とす る)1 0
棟2 0
部屋,及び複合 フ ロー リングや ビニ ル クロスな どの加工材料 (F☆☆☆☆ 等級) を主 とした住宅 (以下,一般仕様住宅 と す る)9棟18部屋 に分類 した。測定は厚生労働省の ガイ ドライ ンに記載 されている標準測定法5)に基づ き,住宅 の竣工か ら人膚 までの間の 日中に行ったQ
なお,竣工 か ら測定 までの期 間は 1週間以内であ り, その 間は
2 4
時 間換 気 システムが作動 した状態であっ た02. 2
空気捕集及び分析空気捕 集条件 は前報4)と同株 に,捕集箇所 は室 内 で は居 間,寝室及 び外気の3ヶ所 とし,室内におい では各室 とも2回ずつの捕集 を行い,その平均値 を 測 定 値 と したO捕 集 管 は
Te n a x TA
を使 用 し,捕 集 流 速0.1L/ mi n
で3 . 2L
捕 集 した。捕 集時 の オゾ ン及 び水 分 の影響 を排 除す るため,捕集管 の直前 にはオ ゾ ンスクラバー を装着 した。捕集後の分析 は㈱ ダイ ヤ分析 セ ンター に依頼 し,加熱脱着‑ GC/ MS
法 に よ り行 な ったQ分析 条件 をTa bl e
lに示 した。定量 に はJ a pa ne s el nd o o rAi rS t a n d a r d sMi x( S UPELCO
社 製) 52成分標準物 質 を用 いた。保持時 間 とピー ク面積 によ り,あ らか じめ作 成 した検量線か ら気 中濃度を求 めた。総揮発性 有機化合物
( TVOC)
量 はヘ キサ ン か らヘ キサデ カ ンの間に検 出 されたピークを トルエ ン重畳換 算 して算 出 したO また今 野の測定では, フ タル酸 エ ステル, クロルピリホス,ダイアジノンと い っ た高沸 点 の化 合 物 につ いて は分析 対象外 と し た。4 2
Tablei. GC/MSanalystsCOndition.
樋 田淳平 他
Desorpt10ntemParature 300℃ (1
0
min) Secondtempaarydraetsuroreptiom 5℃ ‑310℃ (30min)GC
‑ M
Ssystem fIp‑6890+HP‑5973B Column HP‑VOCO.32¢×60m f.tl.8/Jm Oventemparature 35℃(‑ (2n2.l5℃/in)‑(min)‑ 115℃/min)05℃(‑95Omi℃(Omin)n)‑ (5.0℃/min)‑ 250℃(5min)
3.
結果及び考察今回の測定時の室温 は天然仕様住宅で平均31.5℃
(居 間 :32.1℃,寝 室 :30
.
8℃),一般 仕様住 宅 で平 均32.6℃ (屠 間 :31.5℃,寝室 :33.7℃)であった。定量 した52物質の中に,厚生労働省が室内濃度指針 値 を提示 している物質6)は トルエ ン,キ シレン,パ ラジクロロベ ンゼ ン,エチルベ ンゼ ン,スチ レン, テ トラデカンの6物質が含 まれるが, これ らはすべ て検 出された。 この うち,キ シレン,パ ラジクロロ ベ ンゼ ン,エチルベ ンゼ ン,テ トラデ カンは指針値 を大 きく下回る値であ り,指針値 を超過 した部屋は 1部屋 もなかったO指針値対象物質以外では,天然 仕様住宅でテルペ ン類及 びTVOC濃度が高かった。
以下 に トルエ ンとスチ レン,TVOC及びテルペ ン類 について考察する。
3.1 トルエン
トルエ ン気中濃度の度数分布及び累積度数 をFig.
1に,住宅仕様別の気中濃 度 をFig.2に示 した。平 均の気 中濃度 は138
〃g / m
3であ り,65‑130〟g/m3の 範囲が最 も多 く,195pg / m
3以下の部屋 が全体 の約 80%を占めていた。指針 値260〟g/ m
3を超過 したの は一般仕様住宅の4部屋 (居間1部屋 ,寝室3部屋)15
1 2 む 9
⊂ : 4 1 : ⊃ l コ 4 1 i : 6
3
0
E =】Frequency
+ Cumulativefreuqency
(%)btlanb心
中aLt召 lntmU
0000
o
o′042<=65 65‑130 130.195195‑260260‑325325‑390 390<
RangeQfConcentrationintheair(pg/m3)
Fig,1. Frequencydistributionandcumulativefrequency oftolueneconcentrationinindoorair.
(MtuPT
1)‑
叫=00Pu!u!u.!萱..3。uOU o00000505
05044つJ
つJつんつん 000人U505[木材 学 会誌 Vol.53,No.I
LivlngrOOm Bedroom I.ivmgroom Bedroom Naturaltype Generaltype
Fig.2. Tolueneairconcentrationinmeasuredrooms. Notes: Naturaltyperoomsaremainlyfurnishedwith
naturalmaterials.
Generaltyperoomsal・emainlyfurnishedwith artiBcialmaterials.
で,全体 の約
1 1 0
/Oであったo全体 的に‑般仕様住宅 の方が高濃度の傾 向にあ り,天然仕様住宅では指針 値 を超過 した住宅 は見 られ なかった。高濃度 を示 し た部屋 の内装 には,床 に木質 フロー リング (ラ ワン 合板), 壁 及 び天井 の下 地 に プラス ターボー ド,仕 上げ材 にビニルクロスが使用 され ていた。 しか し, 他の住宅で も同種 の内装が施 され ていることや ,同 一住宅 においては内装の異 なる居 間及び寝室で 同程 度の気 中濃度であ ったことか ら, 内装材 よ りも凌 着 剤 な どの現場施工時に使用す る材 料が放散源で ある 可能性が高い と思 われる。3. 2
スチ レンスチ レン気 中濃 度の度数分布 及 び累積度数 をFig.
3に,住宅仕様別 の気 中濃度 をFig.4に示 した。平 均 の気 中濃度 は97
〟g / m
3であ り,20‑60〃g / m
3の範 囲が最 も多 く,半数 の部屋 は60〃g/ m
3以下であ った。9′hl
.(3tJ3n
b巴山 にごコFrequencyq Cumulativefrequency(%)bu
anb
ぷaA召tntLmU0O∧U0001Ou′b42<=20 20‑6060‑loo loo‑ 140‑ 180‑ 220‑ 260・ 300<
140 180 220 260 300 RangeofConcentrationinindoorair(帽/m3)
Fig.3. Frequencydistributionandcumulativefrequency ofstyreneconcentrationinindoorair.
]局1午LiiZ!0nU2 0
〇
八UO八UOハU00O5
0505ハU54つJ
つJ221‑I(MuI
/望)J叫qJOOPu!U!uO叫‑gUaDtLOU改正建築基準 法対応 新築住宅 における
V O
C気中濃政の実態調査‑ Average
‑ ‑Guidelinevalue ー
●
◇
0)ロ A
◇
ロロ 負■‑
% ‑ Q
Livingroom Bedroom Livingroom Bedroom Naturaltype Generaltype
Fig.4. Styreneairconcentrationinmeasuredrooms. Notes: Measuredroomsarethesameasshowninfig.2. 指針値220
〃g / m
ニーを通過 したの は4
部屋 (居 間1
部 屋,寝室3部屋)で,全体の約11%で あった。平均 濃度でみると,一般仕様住宅の方が天然仕様住宅 よ り高濃度であった.一般仕様の住宅同士では内装仕 様に大 きな差異がないことか ら, トルエ ンと同様 に 施工 時 の材 料 が放 散源 と して 考 え られ る。 しか し,一般仕様住宅 においては, トルエ ン気 中波度が 居間と寝室でほぼ同 じであったの に対 して,スチ レ ンの場合は居 間よ りも寝室の ほうが高波 度である傾 向が見 られることか ら, トルエ ンとは異 なる放散源 である可能性が高い。スチ レンの放散 に関 しては, 最近,美装工事 (クリーニ ング及 び ワ ックス塗布) 前に測定 を行 った物件 においては指針値超 過例が ま った く見 られず, また美装工事 に使用 され る一郎の ワックスか らスチ レンの放散が検 知 されたこ とが報 告 されている7)。今 回の測定 で も,指針値 を超過 し た天然仕様住宅の部屋では測 定前 日にワ ックスを塗 布 してお り, これが放散源 となった可能性が考 えら れる。3. 3 TVOC
及びテルペ ン類TVOC
気 中波度 の度数分布 及 び累積 度 数 をFig.500ノ007′LU54っJ2I0
LDuanbaJh (㌔)btlanbぷaAPt21ntnnUoハU一u00nU(U0nu
‑:::;: :I̲::‑‑:I:,一十 ∴ 二 二 了‑
= 1
一言
Ra喝eOfconcentrationJ'nindoorair(tlg/tn3)
Fig.5. Frequencydistributionandcumulativefrequency of
TVOC
concentrationinindoorair.43
に,住宅仕様別の気 中濃度をFig.6に示 したo平均 値 は
1 0 5 5 8 F L g / m
3で, 約7
0% の 部 屋が3 0 0 0 ‑8 0 0 0
〃g/ m
3の範 囲にあった。住宅仕様別では天然仕様住 宅 の 方 が ‑ 般 仕 様住 宅 よ り高濃 度で あ り,3 0 0 0 0
〃g/ m
3以上 の特異値 を示す もの もあった。特異値 を 示 した部屋 の内装 は,床 にはスギ材 オイルフ ィニ ッ シュ仕上げ または ヒノキフローリング,壁にはプ ラ ス ターボー ドに水性 アクリルエマルジョンな どの塗 装仕上げ,天井 にはヒノキ材,スギ材またはプラス ターボー ドに水性 アクリルエマルジョン塗装仕上 げ の仕様であった。 また今回の調査で特異値を示 した 居 間,寝室それぞれ2部屋については, どち らも同‑住宅 の居 間及び寝室であったため,この特異億 を 示 した住宅2棟の内装及びその他の仕様に起 因す る 可能性 が高 く,今後更なる調査が必要であると思 わ れ る。 また,一般 に人工乾燥が施 されたムクの木材 か ら放散 され る
VOC
に関 しては,針葉樹の方が広 葉樹 よ りも多 く,針 葉樹 の中で は ヒノキのTVOC
が高い とい う結果が報告 されている8)。今回の調査 で も, ヒノキ材 を使用 している部屋ではTVOC
が 高い傾 向にあった。従ってムク材 を含む天然材料 を 多 く億 用 してい る住 宅でTVOC
が高 くなった原 因 として は,木材 由来成分であるテルペ ン類が大 きく 影響 してい ると推測 される。テルペ ン類のうち,定 量 したα‑ピネン, 針 ピネン, リモネンについて, 住 宅仕様 別 の気 中波 度 をそれぞれFig.7‑9に示 し た。天然仕様住宅におけるこれ らの物質の平均濃度 は一般仕様住宅のそれ らの3‑1 0
倍程度であ り,罪 常 に高波度 のテルペ ン類の放散がみられ,a‑
ピネ ン, リモ ネ ンについては1 0 0 0 pg / m
3を超える部屋 も あ ったO ‑般仕様住 宅では3
物質 とも平均濃度が1 0 0 〃g/ m
3以下であ り,天然仕様住宅 と比べ低 く,TVOC
にはあま り寄与 していないことがわかった。そ こで,定量 した52物質のうち,テルペ ン類の3
00nU000o00nUnU0O∧U0nUhUnuo∧UnUO(U0′DVI14っJ2ー
√tJlJ望)J!EOOptL!u!u.!1quamOU
□ 「二二 蒜 「
◇
□◇
■‑
一■lll■一
LivjnBroom Bedroom Livingroom Bedroorn Naturaltype Generaltype
Fig.6.
TⅥ) C
airconcen廿ationinmeasuredrooms・ Notes: Measuredroomsarethesameasshowninhg.2.44
nUnU0000nUO(u0nUnUハUnU0nUnUnU′、UOO′b42ハUだU/b4つ・l(ntu/STl)J眉JOOPututtZOtlVl}UUUUOU
樋 田淳平 他
◇
u ‑Average〈 □
くノ
◇
□管 胃
[コ
》 口
日 食 各
Fig.7. N()tes:
ハUハUnU0nUnU0OハU人U4つ▲ハUnCエU4つー
(i‑tn/望)1月hOOPu!t11uO!1
月
uBUuOULivingroom Bedroom Livingroom Bedroom Nilturaltype Generaltype
α‑plneneairconcentrationinmeasLlredro。nlS. Meastll‑edr〔)omsarethesameasshownin負g.2.
L二空竺
堅」
∩
□
◇
◇ ∩
◇
口◇
A ●8
く〇 ロ って
去
‑阜
Livingroom Bedroom Livingroom Bedroorn Naturaltype Generaltype
Fig.8. β‑pineneairconcentrationinmeasuredrooms. Notes: Measuredroomsarethesameasshowninfig.2.
nU0nUnU000nUnU000O<UnU420¢u尺U4つ山(Euljfiユ)lTe100Putu,u.
! }
?Jlua。t10U∩ E ⊆ ]
◇
[コ
◇
由
◇ 且◇
」ロ.■V
口Livingroom Bedroom Livingroom Bedroom NaturaHype Gcnerilltype
Fig.9. LilTIOneneairconcentrationinmeasuredrooms. Notes: Measuredroomsarethesameasshowninfig.2.
物質を除いた49物質の総量で住宅仕様別 に比較す る ため,49物質の気中濃度総和 をFig.10に示 した。テ ルペ ン類 を除いた場合,平均 濃度は一般仕様住宅の 方が高濃度であ り,上述 した
TV O C
とは道 の結果 となった。このように天然材料 を多用 した住宅では, テルペ ン類が放散の多 くを占め,空気質 に多大 に影 響 していることがわかった。逆 に,その他 の物質にOnUOハU∧UaOハUnU八UnU5日U5nU■r+fノ︼つ︼lー
(t・E\BTf)J!tuoopu!tz!uo!1巴1uajtZOU
[木材学会誌 vol.53,No.1
[二三 毒
口
負F )
「1 負 ○○●
V Lコ
令
◇
せ
卓 A ○8
□ A ○A ○
LivinBroom BedrooIll Livirlgroom Bedroom Naturaltype Generaltype
Fig.10. Sum ofairconcentrationfrom 49substances measured,exceptterpenoids.
つい ては加工材料 を多用 してい る住 宅の万が放散が 多 く,天然材 料か らは放散が少 ない ことが示唆 され た。 テルペ ン類が人体 に与 える影響 としては,興奮 あるいは鎮静作 用卯, 高濃度の 吸引 に よるス トレス 状態 の発 生9),短期 間の吸入 におけ る リラックス効 果10・Ll)な ど,様 々な報告が なされて いるo Lか し, 住宅 に居住す る場合 の ように長期間の暴露にお け る 影響 に関 して は まだ不 明な点 が多 いのが現状 で あ り, テルペ ン類の健康影響 に関す る早期 の解 明が必 要であ る0
4.
結 論改正建築基準法施行後 に新築 され た,天然 由来材 料 を多 用 した天然仕 様住宅 (10棟20部屋 ),複 合 フ ロー リング, ビニル クロスな どの加 工材料 (F☆☆
☆☆ 等級 )が 主であ る一般仕様 住 宅 (
9
棟1 8
部屋 ) にお い て,VO C
の気 中濃 度 を測 定 した結果, 以 下 の こ とが 明 らか となった。1 )
トルエ ンの平均気 中濃度 は1 3 8〟g / m:
‑で,指針 値 を超 過 したの は全 体の約1 1 %
で あ り,全体 的 に 一般仕様住宅の方が高波 度であ る傾 向 を示 した。2 )
スチ レンの平均気 中濃 度 は9 7
〟g/m3で, 指針 値 を超 過 したの は全 体 の約1 1 0
/Oで あ り,一般 仕 様 住宅 の方 が天然仕 様住 宅 よ り高 濃度 であ り, 一 般仕様住 宅 におい ては居 間 よ りも寝 室の方が 高 濃度であ った。3) トルエ ン とスチ レ ンは放散 源が 異 なる可 能性 が 高 く, スチ レ ンに関 しては ワ ックス等の表面 仕 上げ材 が放散源の可能性 がある。
4) 天然材 料 を多用 してい る住 宅で はテルペ ン類 が 放散 の多 くを占め,空気 質 に多 大 に影響 して い た。
5)テルペ ン類 以外 の物質 につ いて は加 工材 料 を多
2〔)07年 1月] 改̲1t建築基準法対応新築住宅におけ る
V O
C気 中濃度の実態調 査 用 している住宅で放散 が多 く,天然材料か らは放散が少ないことが示唆 された。
謝 辞
本研究は,平成
1 6
年度農林水 産省補助事業 「住宅 使用地域材性能把握事業」 (実施主体 :(財)日本住 宅 ・木材技術セ ンター)の一環 として行 われた もの である。関係者の方 々に謝意 を表 します。 な らびに 測走時にお手伝い頂いた当時静 岡大学農学部木材接 着学研究室の学生 に対 して深謝 します。文 献
1) 国土交通省 :シ ックハ ウス対策の技術 的基準 の説明資札
2 0 0 3.
2)吉田弥明 :"シックハ ウス対策の最新動 向 一環 境設計 ・測定 ・治療 ‑",㈱ エ ヌ ・テ ィー ・エス, 東京
, 2 0 0 5
,pp. 4 8‑ 1 6 8 .
3)(独)森林総合研 究所 :"シ ックハ ウス と木質建 材 資料 集",(財 )林 業 科 学 技 術 振 興 所,東 京,
2 0 0 4
,pp.卜3 8 .
4 )
樋 田淳平,高塚早紀,山 田雅章,滝 欽 二,富 田 弥明 :木材学会誌53 ( 1 ) , 3 4‑ 3 9 ( 2 0 0 7) .
4 5
5 )
厚 生 省生活衛 生 局企画課 生活 化学 安全対 策 室 :シックハ ウス (室 内空気汚染) 間長引こ関 す る検討会 中間報告書 一第 1回〜第3
回の ま とめ につ いて (別添2
)室 内空気 中化学物質 の採取方法 と測定方法, 2 0 0 0 .
6)厚生労働省 医薬局審査管理課化学物質安全対 策室 :シ ックハ ウス (室内空気汚染)問題に 関す る検討会中間報告書 一第 8回〜第 9回の まとめについて
, 2 0 0 2 .
7)(礼)日本木造住宅産業協会 :■丁木造軸組工法 住宅の シックハ ウス対策」調査 ・研究報告書", (社)日本木造住宅産業 協会,東京
, 2 0 0 5
,pp.5 8‑
6 7 .
8)(独)森林総合研究所 :"シックハ ウスと木質建 材 資料 集 ",(財 )林 業 科 学 技 術 振 興取 東京,
2 0 0 4
,pp.5 7‑ 7 3 .
9)
谷田月光克 :木材工業39
(1), 3‑ 8( 1 9 8 4 ) . 1 0 )
森川 岳,恒 次祐子,宮崎良文 :第5 5
回 日本木材学会大会研 究発表要 旨集,京都
, 2 0 0 5 , p. 8 2 . l l )
森川 岳,恒次祐 子,宮崎良文 :第5 5
回 日本木材学会大会研 究発表要 旨集,京都