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長野県農業試験場 環境部

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Academic year: 2021

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植物防疫 第72巻第4号(2018年)

長野県農業試験場 環境部

長野県農業試験場は水稲,麦類,大豆を対象として,

高品質と生産性向上を目指した新品種の育成,省力・低 コストを目指した効率的な栽培技術,水田の高度利用技 術,環境にやさしい栽培・病害虫防除技術,気象変動に 対応した対策技術等について試験研究を行っている。ま た,共通基盤部門として,農業経営管理技術の確立およ び農業情報システムの開発,知的財産の適正管理と活用 手法の開発,農産物の安全確保と環境にやさしい農業技 術の開発等について研究している。場長以下職員は

38

名である。

環境部は病害虫部門(病害担当

2

名,虫害担当

1

名)

農薬残留分析部門(2名)

,土壌肥料部門(1

名)

,土壌

保全部門(2名)と四つの部門が集まり,総勢

10

名の 職員が日々研究業務に取り組んでいる。

主要穀類の病害虫に関する研究としては,いもち病を はじめとする各種病害の発生予察技術の高精度化,育苗 期の病害の効率的防除システムの開発,化学合成農薬に よらない病害防除技術の開発,斑点米を引き起こすカメ ムシ類をはじめとする各種虫害の発生生態解明と効率的 防除技術の確立等に取り組んでいる。

水稲は栽培面積が大きいため,防除にかかるコストも 大きくなりがちで,いかにコストを削減するかが技術開 発の大きなコンセプトとなる。そのため,病害虫防除に おいてもより適切な時期に実施することで,防除回数を 削減してコストダウンに結び付ける必要がある。これま で,いもち病感染予測システム

BLASTAM―NAGANO

クロップナビ(作物栽培支援装置)等発生予察に関する 技術開発を大きな柱の一つとして進めてきている。現状 の予察システムは,主に気温,降水量,葉の濡れ時間と いった環境条件(誘因)に基づく予察であり,作物その ものの発病しやすさ(素因)を含めた予察システムには なっていない。葉色が濃いといもち病が発病しやすいな ど,これまで経験値として評価されてきた条件について も発生予測結果を導き出すためのパラメータとして組み 込み,より精度の高い予察情報を構築できるように取り 組んでいる。

斑点米を引き起こすカメムシ類の防除対策について は,効果的な防除薬剤,フェロモントラップを用いた予 察手法等が明らかとなっているが,トラップによる誘殺 消長と斑点米被害状況の関係が一致しない場合がある。

これらについても,より的確な防除タイミングを計るた め,水田周辺の環境条件,栽培品種の特性等の情報を加 えて,斑点米被害予測とリスクマップの作成ができるよ うに技術開発を進めている。

農薬残留部門に関しては,主に「食の安全」の観点か ら作物体の農薬残留分析,土壌中での農薬残留分析,後 作物への農薬の影響等を調査し,マイナー作物の農薬登 録促進などに結び付けている。一方,これらの分析手法 を栽培技術につなげる取り組みも始めている。近年,

様々な作物で抵抗性の発達した病害虫の発生が確認され ている。抵抗性発達回避策の一つとして,同一作用機構 の薬剤の連用を避けたローテーション散布が求められて いる。防除暦を作成するにあたって,農薬散布後に作物 体で有効成分量がどのように減衰するのかを明らかにす ることにより,適切な散布タイミングを計り,散布回数 を削減できるように検討している。

病害虫の発生生態を明らかにし,防除の手法とタイミ ングを定め,防除に使われた農薬がどのように減衰して,

いつまで防除効果を持続させることができるかを明らか にするために各部門のスタッフが一丸となっている。

(環境部長 豊嶋悟郎)

長野県農業試験場 環境部 研 究 室 紹 介

382―0072 長野県須坂市小河原492 TEL 026―246―2411

水稲病原菌の分離培養作業中

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植物防疫

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