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小児科救急

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Academic year: 2021

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(1)

小児科救急

平成30年2月8日 モーニングレクチャー 鳥取市立病院 小児科 藤井 宏美

(2)

目次

• 小児科救急の特徴

• 初期評価と初期対応

• 代表的な症状

(3)
(4)

<救急外来>

• 主な受診目的は・・・相談

「結果として」軽症が多い

• 「帰してはいけない児」

or

「帰してよい児」

「吐いた!熱ある!いつもと違う~」 「これからどうなるの?」 「どうすればいいの?」

+助言

±処置

(5)

<病院内>

• 状態の変化に

気付き

、対応する

いつもと違う? でも入院したから 大丈夫かな 変化あり?なし? 朝まで観察可? 緊急コール? いま検査? いま処置?

(6)
(7)

気付き、判断するために

【初期評価】

緊急度の把握(トリアージ)、一見の診断を行う

→ 第一印象「

initial impression

」(旧称PAT)

A

ppearance

B

reathing

C

irculation to skin

(8)

Appearance

外観

頭文字TICLS、PALSなどいろいろ覚え方はあるが

見た目が元気か、健康的か

小児救急治療ガイドライン改訂第3版,2015,診断と治療社 ぐったりしていないか? 視線は合うか? ぼんやりしていないか? 自分で座れるか? 手足を動かしているか? 興味を示すか? 遊んでいるか? 保護者があやして落ち着くか? 優しくして落ち着くか? 会話は可能か? 泣き方は弱くないか? かすれ声でないか? 診察に抵抗するか? initial impression

(9)

それぞれのいつも通り

少 し 大 人 な 会 話 落 ち 着 い て 座 る 指 示 に 従 え る 声 掛 け で 落 ち 着 け る 緊 張 し て 固 く な る 不 安 で 泣 く つ ら く て 泣 く 褒 め ら れ て 得 意 げ 会 話 が で き る 階 段 を の ぼ る 走 る 単 語 が 出 る 歩 く よ た よ た 歩 く 伝 い 歩 き す る 独 り 立 ち す る つ か ま り 立 ち す る ハ イ ハ イ す る 四 つ 這 い に な る 母 か ら 離 す と 泣 く 安 定 し て 座 る ぐ ら ぐ ら 座 る 寝 返 り す る 片 側 だ け 寝 返 り す る お も ち ゃ を 握 る 手 を 顔 の 前 で 合 わ せ る 首 が ぐ ら ぐ ら し な い な ん だ か 言 っ て い る 追 視 す る 固 視 す る 抱 っ こ で 揺 ら す と 寝 る 手 足 を ば た ば た す る

(10)

Breathing

呼吸状態 小児救急治療ガイドライン改訂第3版,2015,診断と治療社

呼吸数

喘鳴(ゼーゼー)、咳嗽(コンコン、ケンケン)

肩呼吸

シーソー呼吸(胸と腹が交互に波打つ)

陥没呼吸(鎖骨上窩、胸骨上窩、肋間、心窩部)

呻吟(うーうー)

鼻翼呼吸(鼻の穴がぴくぴく)

※できれば服をまくり上げて確認する

違和感

を感じるか」

initial impression 努 力 呼 吸

(11)

Circulation to Skin

皮膚への循環 小児救急治療ガイドライン改訂第3版,2015,診断と治療社

チアノーゼ(蒼白)

末梢冷感

まだら皮膚

不自然な

色、冷たさ」

initial impression 部屋は暖かいのに 手足が冷たい

(12)

ここまで

30

秒が目安

A

ppearance

いつも通りの外観か

B

reathing

違和感のない呼吸状態か

C

irculation to skin 不自然な皮膚色ではないか

第一印象のまとめ

initial impression

(13)

初期評価の後、または平行して

【バイタルチェック】

A

irway

気道

B

reathing

呼吸

C

irculation

循環

D

isability

神経学的評価

E

xposure

全身観察

PALSプロバイダーマニュアル,AHAガイドライン2010準拠

(14)

Airway

気道

「上気道の

開通性

を判定する」

バイタルチェック PALSプロバイダーマニュアル,AHAガイドライン2010準拠

陥没呼吸

異常な呼吸音

(いびき、吸気性喘鳴)

気道開通〇 気道開通× なし あり 頭部後屈あご先挙上法/下顎挙上 鼻腔・口腔内吸引 背部叩打法/腹部突き上げ法 鼻咽頭・口咽頭エアウェイ 持続的気道陽圧法(CPAP) 気管挿管 輪状甲状間膜切開 初 期 対 応

(15)

Breathing

呼吸

「計測値は

年齢相当

か」

バイタルチェック PALSプロバイダーマニュアル,AHAガイドライン2010準拠

見る

聴く

計測

努力呼吸(initial impression参照) 吸気性喘鳴 呼気性喘鳴 など 期 対 応 ボスミン吸入 ベネトリン吸入 呼吸数 SpO₂ 酸素投与 (鼻カヌラ、マスク、 吹き流し)

(16)
(17)

Circulation

循環

「計測値は

年齢相当

か」

バイタルチェック PALSプロバイダーマニュアル,AHAガイドライン2010準拠

見る

触る

計測

皮膚色(initial impression参照) 末梢冷感 毛細血管再充満時間

(CRT:capillary refilling time) 脈拍触知

心音リズム

聴く

(18)
(19)
(20)

Disability

神経学的評価

意識レベル

の低下はないか」

バイタルチェック PALSプロバイダーマニュアル,AHAガイドライン2010準拠

GCS

AVPU

瞳孔

Eye opening (開眼) Verbal (言語) Motor (運動) Alert (意識清明) Voice (声掛けに反応) Painful (痛みにだけ反応) Unresponsive (意識なし)

Glasgow Coma Scale

※成人用、小児用、乳児用がある

(21)
(22)

Exposure

全身観察

重症の徴候

を確認する」

バイタルチェック PALSプロバイダーマニュアル,AHAガイドライン2010準拠

見る

計測

外出血、打撲痕、骨折、点状出血、紫斑 体温(四肢・体幹、表在・深部)

触る

(23)

計測時の注意

バイタルチェック 信 頼 度

モニター

安静

適切に装着

啼泣、体動、食事

外れている

高 低

第一印象や初期評価とつり合っているか

計測時の状況で適切な評価ができるか

(24)

代表的な症状

(25)

発熱

• 体温37.5~38.0℃以上を発熱とする

中学生以上はその時の体調と平熱を考慮し判定

• 原因は感染症、環境温度が多い

環境温度の影響:1枚脱いで10分後に再検してみる

• 高熱が必ずしも重症というわけではない

「40℃台で脳に後遺症がでる」は迷信 継続的な飲水ができれば「わりと元気」 ただし、急性脳症・脳炎時は高熱を放置しない

(26)

• しんどい、眠れないときは解熱剤(生後6ヶ月~)

アンヒバ® アルピニー® カロナール® コカール® ×「病気を治す」 △「熱をさげる」 ◎「体が少し楽になる」 効果があるうちに、飲水、休息をとらせる

• 月齢、随伴症状の確認

生後1ヶ月以下:発熱のみで無呼吸発作がでる可能性 生後1~6ヶ月: 随伴症状がないときこそ要注意(ex.髄膜炎) たかが鼻閉でも飲めない、眠れない、で入院適応 汗、涙、排尿量/回数減少、ぐったりは補液~入院検討

(27)

研修医のうちは

「生後3ヶ月未満の発熱は小児科コール」

【救急外来】

【病院内】

• 新たな症状の発見が、診断に役立つときもある

(28)

呼吸障害

• モーニングレクチャー「小児の呼吸障害」参照

• 泣かさず評価する努力をする

評価した項目の信頼性 泣くと状態が悪化する(より苦しくなる)

• 喘鳴があれば吸入をしてみる

吸気時:ex.ボスミン0.2ml + 生食1ml 呼気時:ex.ベネトリン0.3ml + 生食1ml 最短20分間あければ反復可

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• 待合い室での呼吸状態はどうか

診察室で泣くなら、診察室以外で正しい評価を 苦しくても泣く 【救急外来】 【病院内】

• SpO₂だけで評価しない

楽になれば心拍数、呼吸数も正常化する

• 寝ることも治療

呼吸筋を休ませるため できるだけ起こさない方法で・・・管理は大変ですが。

(30)

腹痛

• 痛いかどうか、表情と身体に聞く

言えない、言わない、我慢している、おおげさ、かも 「痛い?痛い?」と聞かないほうがよい、かも

• 「おなかがいたい」けど全身をチェックする

胸痛、陰嚢痛、頭痛も「おなかがいたい」 放散痛かもしれない

(31)

• 便秘が多いが、緊急性のある腹痛を見逃さない

浣腸しても腹痛消失しないときは便秘痛ではないかも グリセリン(GE)浣腸 10ml/kg 【救急外来】 【病院内】

• 「痛がって泣いていないとき」の状態が大切

◎「吐かない、元気」 ×「ぐったり、ぼんやり、不機嫌」

(32)

嘔吐/下痢

• 胃腸炎が多いが、そうとも限らない

腸重積、虫垂炎などでも胃腸炎らしくみえることも 腹部疾患ではないことも多い

• 安易な制吐剤投与より適切な飲水助言

胃腸炎は半日で嘔吐がおさまることが多い ×「ペットボトルを渡す」 ◎「小さじ一杯から」

(33)

• 「下痢のない嘔吐」は注意

胃腸炎もはじめは下痢がないけれど・・・ 他疾患が除外できれば胃腸炎かもしれない 【救急外来】 【病院内】

• いつ、どのような、そしてどうなったか、で診断に近づく

入院時は暫定診断、経過観察の入院であることが多い 飲食後、就寝中 噴水様、胆汁性、泥状便、水様便、血便 ぐったりした、スッキリした

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痙攣

• モーニングレクチャー「小児けいれん性疾患」参照

• 止まっているか、続いているか

×「啼泣/入眠しているから止まっている」 四肢関節の硬さ、眼球偏位の有無を確認

• 私たちが落ち着くこと

吸って吐いての2秒間、それから観察と行動開始でよい

(35)

• 帰すとき、次の受診はいつか必ず伝える

翌朝、再発時、なにかおかしいと思った時 【救急外来】 【病院内】

• 「それぞれのいつも通り」か経時的に観察する

動作、会話、興奮性 「なにかおかしい」が再痙攣の前兆かも

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アナフィラキシー/皮疹

• 適切な体位をすすめる

低血圧(のリスク有) → 寝る、枕なし、下肢挙上 呼吸が苦しそう → 座る、意識レベルに注意

• 皮疹の随伴症状はなにか

元気でかゆい、かゆくない 嘔吐、咳、腹痛、熱、むくみ

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• トリアージから診察までに変化する可能性

1回のトリアージで安心ができない 「initial impression」のまずそうなものを早く診る 【救急外来】 【病院内】

• どのように変化するか、変化したか

考えられる変化(増悪)を知り、備える 詳細な記録で伝える(症状消失後はその記録だけが頼り)

(38)

まとめ

小児科救急のコツ

• 発達、発育段階にあわせた評価が大切

• なんとなく、の印象を大切にする

• 保護者と会話をする(助言、安心、注意を伝える)

• 知りたいこと、わからないことは小児科へ★

(自主学習も大切・・・・・・)

(39)

勉強も・・・

• 「レジデントノート2018増刊 小児救急の基本」

• 「ERの小児」 シービーアール,2010

• 「症状からみた小児看護」 メディカルビュー,2009

• 「写真でわかる小児看護技術」 インターメディカ,2011

• AHAプロバイダーコース 「PALS」 「PEARS」

参照

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