• 検索結果がありません。

2 髎

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "2 髎"

Copied!
35
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

05 年 2 月 18 日 2年東臨床 第8回

8)めまい

(1)現代医学的な考え方 ∼・めまいには ①運動性感覚を伴うもの( 回転 性)と ②浮動性感覚 ( めまい感 )のものと2つがある ①運動性感覚を伴うもの=ぐるぐる回る 回転 性の感覚、 内耳 や 小脳 に急激な変化により発症 ②浮動性感覚のあるもの=眼前の 暗く なる感じ、ふらふら 揺れる 感 (非回転性) じを伴う、病変が 除々 に進行する場合や、 疾患に多い A.注意を要するもの ∼①運動性感覚を伴うもの( 回転 性)で起立・歩行などに明らかな 平衡 障害があるもの(所見において、 眼振 があったり、足踏み・直立を行 うとき 平衡失調 を示すなど、 平衡 機能の障害がある)⇒脊髄性、小脳障害 ②運動性感覚を伴わないもので、 持続時間 が長いもの、または 神経 症状を伴うもの(手足の しびれ 、 複視 、 嚥下 障害など) = 中枢 神経系の障害が考えられる→障害部位により種種の神経障 害の所見がみられる B.鍼灸の適応 ∼A)めまい感 B)耳性めまい( メニエル 病など)も程度により対象 ∼A)めまい感 原因不明(耳石(内耳)症:石が定位置にない、内耳浮腫) (病態・原因) ∼・平衡感覚(= 目 ・ 内耳 ・ 深部 感覚による情報の入力・統合) の障害 平衡:視覚、三半規管、深部感覚、小脳 脊髄後根(深部感覚)障害:ロンベルグ徴候(視覚で立っているが、目を閉じると 小脳障害・・・開眼しても立ってられない(ロンベルグ徴候陰性) (症状・所見) ∼・ 浮動 性感覚(ふらふらする感じ)、 眼前暗黒 感(目の前が暗く なる感じ) ・ 肩こり 、 頭痛 、 高血圧 、 眼精疲労 、 更年期 障害 ・ 自律神経失調 症などに伴う症状である ・脳・脊髄神経の異常の無いもの、平衡機能障害(眼振、起立障害、歩行 脳虚血性 発作 立ってられない)

(2)

(治療方針) ∼・目的: 内耳 ・ 脳内 の循環改善 ・ 乳様突起 周囲の外耳孔周囲の血管を目標とする(脳内の循環と関連 が深いため?) ・ 耳 周囲の反応ある経穴、反応点に施術 (処方例) ∼・耳周囲:和髎、完骨、頭竅陰 ・後頸部:風池 ・肩背部:肩井 (あ・マ・指) ∼・まず一般的施術:全身調整のため ・後に頭部、頚部、肩部へ施術 ・肩凝りも多いので軽快させる (2)東洋医学的な考え方 ∼・「 眩 」=目がかすむ、目の前が暗くなる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・めまい ・「 暈 」=ものがぐるぐる回って見える、揺れ動いて見える・・・回転性 ・上記2つは同時に起こることが多く、「 眩暈 」と称することが多い ・「 目眩 」=目がかすみ、頭がくらくらする ・「 眩冒げんぼう 」=ひどく頭がくらくらし、目の前が暗くなる ≪眩暈の原因≫ ・内経→「諸風掉眩とうげん、みな 肝 に属す」「 上気 不足」「 髄海 不足」 ・劉河間→ 風火 による・・・感冒性疾患 ・朱丹渓→ 痰 による・・・・・・・・水の滞り(内耳に浮腫等) ・張景岳→ 虚 と関係する・・・・貧血 A.分類 ① 肝陽 の 亢進 による眩暈 ・・・Ⅰ. 怒り や ストレス → 肝 の 疏泄 機能失調→ 肝鬱 →改善しない→ 熱 化 = 肝陰 を損傷→ 肝陽 が 亢進 →頭目に影響→眩暈 水分が足りない Ⅱ. 房事過多 など→ 腎 陰 が不足→ 肝陰 も不足(肝腎同源

) →肝陽が克進→頭目に影響→眩暈( 肝腎陰虚 によるもの) 肝 脳 腎

(3)

② 痰 濁 による眩暈 ・・・ 飲食不節 、 労倦 など→ 脾胃 を損傷→ 脾胃 の運化機能 低下→ 痰 湿 が発生→ 痰 湿 が 中焦 に阻滞→ 清陽 が昇 らず、 濁陰 が降りない→眩暈 ③ 気血両虚 による眩暈 ・・・Ⅰ. 脾胃虚弱 → 気血 の生成悪化→ 気血両虚 (気虚)→ 清陽 が頭に昇らない→眩暈 (血虚)→脳をうまく 栄養 出来ない→眩暈 Ⅱ. 慢性 疾患→ 気血 の消耗→ 気血両虚 Ⅲ. 出血 過多( 吐血 、 下血 、 崩漏ほうろう など)→ 気血両虚 ④ 腎精不足 による眩暈(*腎精は 髄 を生ずる、脳は「 髄 の海」) ・・・Ⅰ. 先天 的に腎精が不足→髄海不足→眩暈 Ⅱ. 老化 、 房事過多 など→髄海不足→眩暈 腎精が無くなる → 死 B.鑑別 ①肝陽の亢進による眩暈 (病態・症状・所見) Ⅰ.怒りやストレスによるもの ・ 実 証 ・肝の病理的特徴は「 動 」と「 昇 」。よって肝陽の上昇により顔面の 紅潮などが起こりやすい ・主要症状:眩暈、 耳鳴 、頭部の 脹 痛、 怒 ると症状が増強 ・舌脈所見:舌質 紅 、舌苔 黄 、脈 弦 数 。 熱 春 痛 肝 熱 遅(寒) ・随伴症状:いらいらする、怒りっぽい( 肝実 の症状) ・ 不眠 、 多夢 、 口苦 (肝陽が動じて心に影響) 心火の亢進、腎虚でもおきる:水がないから火が亢進 顔面紅潮(肝陽が上昇) Ⅱ.肝腎陰虚によるもの ・ 虚実挟雑 証 ・主要症状:眩暈、 耳鳴 、頭部の 脹 痛、 怒 ると症状が増強 ・舌脈所見:舌質 紅 、舌苔 少 または 無苔 、脈 弦 細 数 。 陰虚の症状 熱 湿の反対 肝 血虚 熱 ・随伴症状: 五心煩熱 、 盗汗 (陰虚の症状) 陰虚 水分が不足 ・ 腰膝 がだるく力が入らない、 遺精 (肝腎虚の症状) 湿の滞り 食事 脾胃 消化 湿 キーワード 上 焦 中焦 下焦 機 能 水 路 の 通 り 道 、 子宮出血 久病 気 と 血 が 作 れ な い 食 事 が で き な か っ た ら

(4)

(治療方針) ・平肝潜陽:肝陽の亢進を押さえ、必要に応じて腎陰を補う ・主として 足厥陰 経、 足少陽 経を取穴 ・鍼にて 瀉 法(肝陽の亢進に対し) ・必要に応じて 足少陰 経に取穴、鍼にて 補 法を(肝腎陰虚に対し) (処方例)・風池、侠谿、陽輔、太衝、太谿 ②痰濁による眩睾 (病態・症状・所見) ∼・ 実 証(とどこおりの為) ・舌脈所見:舌苔 厚膩 、脈 滑 。 ・随伴症状:頭が重くぼんやりする (治療方針) ・和胃化痰 ③気血両虚による眩暈 (病態・症状・所見) ∼・ 虚 証 ・主要症状:よく眩暈がおこる、横になると軽減する、疲れると誘発する ( 証による特徴) ・舌脈所見:舌質 淡 、脈 細無力 。 虚証 血虚、陰虚 ・随伴症状:顔面 蒼白 、唇・爪甲の色 淡白 、 不眠 、 心悸 (血虚による症状)、 話すのがおっくう( 気虚 による症状):憶える事 食欲不振( 脾虚 によく見られる) (治療方針) ・補益気血:脾気の機能向上をはかり、気血の生成を促す ・主として足太陰経、足陽明経、および背部兪穴を取穴 ・鍼にて 補 法、 灸 を併用 (処方例)・百会、脾兪、膈兪、足三里、三陰交 ④腎精不足による眩暈 (病態・症状・所見) ∼・ 虚 証 ・随伴症状:精神 疲労 、 健忘 、 耳鳴 (治療方針) 集中力が落ちている ・補益腎精

(5)

9)耳鳴りと難聴

(1)現代医学的な考え方 ∼・難聴とは=聴力の低下 ・難聴の種類は障害部位から3つに分かれる ①伝音難聴:伝音機構( 外耳 や 中耳 )の障害による ②感音難聴:感音機構( 蝸牛 より中枢側)の障害による(内耳) ③混合性難聴:伝音機構と感音機構、両方の障害 ∼・耳鳴とは=外界から音刺激がないのに感じる音感。体内に音源がある。 (筋肉の 痙攣 、 血管 雑音など) ・耳鳴の種類は2つに分かれる ①他覚的耳鳴=第3者にも聞こえる振動性耳鳴(稀である) ②自覚的耳鳴=患者のみ聞こえる非振動性耳鳴 ・耳鳴患者は耳症状を伴いやすい( 難聴 、 めまい 、 耳閉 感など) ・原因疾患はⅠ. 耳 疾患が多いが、 Ⅱ.全身疾患( 脳血管 障害、高・低血圧、 貧血 、 糖尿 病、 甲状腺腫 など) Ⅲ.自律神経系や精神的要因 なども考えられる A.注意を要するもの ∼① 中枢 性難聴:音は聞こえるが何を言っているかわからない ②片側の耳閉感を伴うもの: 耳垢じ こ う栓塞 、 外耳異物 などによる ③難聴の急性期で原因や障害部位がはっきりしないとき: 中耳炎 、 突発 性難聴が考えられる B.鍼灸の適応 ∼・主に 無難聴 性耳鳴が適応疾患 ・場合によっては適応するのが、 Ⅰ.慢性症で難聴に伴う耳鳴(例: メニエール 病、 突発 性難聴、 中耳炎 後遺症など) Ⅱ.難聴に対する対症療法 など 05 年 2 月 25 日 2年東臨床 第9回

(6)

∼A)無難聴性耳鳴 (病態・原因) ∼・耳鳴はあるが聴力障害のないもの ・成立機転は明らかではない (症状・所見) ∼・自覚的聴力低下はない。耳鳴のみを訴える ・キーン、またはジーンという耳鳴 ・ 頚肩 の凝りや 後頭 部の重圧感を伴うことが多い ・ 疲労 、 睡眠 不足、精神的 興奮 により耳鳴が悪化 ・ 睡眠 、 安静 により耳鳴が改善 (治療方針) ∼・目的:自律神経調整、内耳の血流改善 ・耳周囲、後頭部の圧痛、硬結、筋緊張などの反応点、経穴に施術 (処方例) ∼・耳周囲:耳門、聴会、翳風など ・後頸部:完骨、風池など (あ・マ・指) ∼・後頸部に軽擦法・圧迫法・揉捏法 ・特に分界項線部(風府、天柱、風池、完骨)に圧迫法・揉捏法 ・耳垂の後方の部(翳風)に持続圧迫法 ・耳鳴に伴う肩凝りを緩解 (2)東洋医学的な考え方 ∼・耳鳴り=外界に音がないのに音がしているように感じるもの →「 耳苦鳴じ く め い 」( 上気 不足による)『霊枢』口問篇・・・気虚 →「 耳数鳴じ さ く め い 」( 液脱 による)『霊枢』決気篇・・・陰虚 ・難聴=聴覚が低下、外界の音が聞こえないもの →「 耳聾じ ろ う (不聡)」( 肝気逆 )『素間』臓気法時論 ・耳鳴り<耳聾(耳鳴りのひどいもの) A.分類 ① 肝火 による耳鳴り・難聴 ・・・Ⅰ. 情志失調 →気機が鬱結→ 化火 →火の炎上性により 清 竅せいきょうに影響 →耳鳴り・難聴 熱 水不足・・・熱による水不足=陰虚 きよい穴:耳・口・鼻 滞ったものは 熱を持つ ストレス

(7)

Ⅱ. 激怒 → 肝 を損傷→逆気して清竅に影響→耳鳴り・難聴 ② 痰火 による耳鳴り・難聴 ・・・ 飲食不節 、 思慮過度 、 労倦 など→ 脾胃 を損傷→ 脾胃 の運化機能低下→水湿が停滞して 痰 が生じる→ 痰鬱 が長期化 → 化火 →痰火となって清竅を閉塞→耳鳴り・難聴 ③ 脾胃虚弱 による耳鳴り・難聴 ・・・Ⅰ. 飲食不節 、 労倦 など→ 脾胃 を損傷→ 脾胃虚弱 → 気血の生成悪化→経脈が空虚→清竅がうまく栄養されない→ 耳鳴り・難聴 Ⅱ. 脾陽不振 →清陽が清竅にうまく昇らない→耳鳴り・難聴 ④ 腎精不足 による耳鳴り・難聴(『霊枢』決気篇の「精脱による耳聾」、 「液脱による耳数鳴」にあたる) ・・・ 先天 的な不足、栄養の 吸収 不良、 高齢 、 慢性 疾患、 ・ 房事過多 等々→腎精不足→髄海が空虚→耳鳴り・難聴 B.鑑別 ①肝火による耳鳴り (病態・症状・所見) ∼・ 実 証 ・原因:①気持ちが ふさぐ 、 怒ったり などによる肝火上炎 他の痛み ②肝陽亢進して 頭顔面 部に上衝(突き上げる) 刺痛 ・主要症状: 突然 の耳鳴り・難聴、耳が 脹 って痛む、たえず耳鳴り がある、耳を按じると症状が 増強 する ・舌脈所見:舌質 紅 、舌苔 黄 、脈 弦 数 。(反対 遅 寒) ・随伴症状: 頭痛 、顔面 紅潮 、口苦 、咽頭部の 乾き 、 心煩 、 怒りっぽい、 便秘 (治療方針) ・清泄肝火:肝火の清熱、さらに局所の気血のながれの改善をはかる ・主として 足厥陰 経、 手足少陽 経を取穴 ・鍼にて 瀉 法 (処方例)・翳風、聴会、侠谿、中渚、太衝 ②痰火による耳鳴り・難聴 (病態・症状・所見) 実 湿熱 虚 熱 熱 熱 肝 熱 :瘀血 固定痛 青 (打ち身) 胆(表裏の関係) (参考)

(8)

∼・ 実 証 ・主要症状: 突然 の耳鳴り・難聴、耳を按じると症状が 増強 する (治療方針) ∼・清火化痰 ③脾胃虚弱による耳鳴り・難聴 (病態・症状・所見) ∼・ 虚 証 ・主要症状: 次第 に耳鳴り・難聴となる、耳を按じると症状が 軽減 または 消失 する (治療方針) ・健脾益気 ④腎精不足による耳鳴り・難聴 (病態・症状・所見) ∼・ 虚 証 ・腎の特徴:耳は腎の外竅、 腰 は腎の府、腎は 封蔵 を主る ・主要症状:次第に耳鳴り・難聴となる、耳を按じると症状が 軽減 または 消失 する、 疲労 時に増強、 夜間 に増強 ・舌脈所見:舌質 紅 、舌苔 少 、脈 細 弱 または 細 数 。 ・随伴症状: めまい 、 腰 のだるさ、 遺精 、 帯下 、 不眠 (治療方針) ・補益腎精:腎精を補い、さらに局所の気血の流れを改善 ・主として 足少陰 経、 任脈 を取穴、(さらに局所の改善のため 手足少陽 経に取穴) ・鍼にて 補 法。局部には 灸 の併用も可 (処方例)・翳風、聴会、腎兪、関元、太谿 精を蔵す 心腎不交 細:血虚 陰虚 熱 津液不足 虚 陰虚:津液不足 舌苔 厚:湿 虚 熱 八祖脈 浮 沈 遅 数 虚 実 濇 滑 とどこうる なめらか 腎 舌質 淡:冷え 血虚 気虚 婦人科疾患

(9)

05年 4月 21日 3年東臨床 第10 回

10)咳 嗽

(1)現代医学的な考え方 ∼・咳嗽とは「気道内分泌物や気道に侵入した異物の排除を目的とした生理 的防御反射」 ・分類:(1) 乾 性咳嗽(=痰を伴わない咳嗽:咽頭、喉頭、胸膜疾患 などに多い) (2) 湿 性咳嗽(=痰を伴う咳嗽:気管支、肺疾患などに多い) ・呼吸器疾患に多い症状。だが、呼吸器疾患以外の原因でも起こる A.注意を要するもの ∼①高熱を伴う: 肺感染症 ②血痰、喀血を伴う: 肺がん 、 気管支拡張 症、 結核 血を吐く病気 ③多量の喀痰を伴う: 気管支拡張 症 参考 サビ色痰:大葉性肺炎 ④胸痛を伴う: 気胸 、 胸膜 炎 ⑤呼吸困難を伴う: 肺気腫 、 心臓喘息 *要注意!∼ 肺癌 、 肺結核 などの初発症状:症状が乾性咳嗽のみ のことがあり、危険。 B.鍼灸の適応 ∼・ かぜ 症侯群に起因する咳嗽が主な対象 ・程度により対象となるもの (1) アレルギー 性鼻炎や アレルギー 性気管支喘息による咳嗽 (2) 気管支炎 などによる湿性咳嗽 ∼A)かぜ症候群に起因して起こる咳嗽 (病態・原因) ∼・咽頭や喉頭の炎症が刺激となり乾性咳嗽が生じる (症状・所見) ∼・一般に悪寒、発熱、全身倦怠感、鼻炎症状(くしやみ・鼻閉・鼻汁など) に始まり、次第に上気道の異常感、咽・喉頭痛、嗄声が生じる ・ときに消化器症状(食欲不振、嘔吐など)がみられる ・咽頭・喉頭部粘膜の充血、腫脹がみられる ・呼吸音には異常なし ☆

(10)

(治療方針) ∼・対象:気道の炎症が軽いもの、治りきらず慢性化したもの ・目的:気道の過敏性の軽減、気道炎症の軽減 ・前頸部、後頸部を中心に圧痛・硬結など、反応点に施術 (処方例) ∼前頸部:天突 後頸部:大抒 上肢:尺沢 (あ・マ・指) ∼・発熱時は安静臥床 ・室内の温度・湿度を適度に ・温かい飲料の摂取や吸入、微温湯を用いてのうがいを試みる ・談話、喫煙、飲酒は禁じる ・頚部、肩背部、前胸部に軽く施術 ・対症的施術∼以下の部に過度の筋緊張がみられる場合、その部に軽擦。 圧迫・揉捏法を行う 後頸部:風府、天柱、風池 胸鎖乳突筋停止部:天容、天窓、扶突、兪府、気舎など 肩甲間部の諸筋:大抒、風門、肺兪、心兪など ・併用する理学療法:前頸部、胸部にプリースニッツ罨法 (2)東洋医学的な考え方 ∼・ 咳 =肺気上逆による音 コホンコホン ・ 嗽 =痰液を喀出すること ・有声有痰のもの= 咳嗽 ・・・湿性 ・有声無痰のもの= 咳逆 ・・・乾性 ・咳嗽には急性のものと慢性のものがある 急性:外感によりおこる、外感 新病は 実 証が多い 慢性:内傷によりおこる、内傷 久病は 虚 証が多い A.分類 慢性 く外感性の咳嗽> ① 風 寒 による咳嗽 ・・・ 風寒 の邪が 肺 を侵す→ 肺 の 宣散 機能が失調→肺気が上逆 宣発作用:呼気 ・ 肺の気化作用 → 濁気を外に出す ・ 津液と気(水穀の精気)を全身に送り、皮毛に到達させる。 ・ 衛気により、溱理の開闔を調整 ☆ 六淫 七情 痰飲 瘀血 外因 内因 不内外因 六淫 七情 飲食 風 怒 労倦(房事) 暑 火 喜 外傷 湿 思 燥 憂・悲 寒 恐・驚

(11)

→咳嗽 ② 風 熱 による咳嗽 ・・・ 風熱 の邪が 肺 を侵す→肺の 粛降 機能が失調→肺気が上逆 →咳嗽 痰飲:飲食不節、ストレス、労倦 <内傷性の咳嗽> 胸ヤケ ① 痰湿 による咳嗽 消化・吸収・運ぶ 脾胃・・消化器系をイメージ ・・・脾の 運化 機能が悪化→水湿が停滞→ 痰 が生じる→ 痰湿 が肺 に影響→肺の 粛降 機能が失調→肺気が上逆→咳嗽 ② 肝火 による咳嗽 情志失調、ストレス 顔が赤くなる・頭痛 ・・・ 肝鬱 が改善しない→ 化火 →肝火炎上し肺に影響→肺の 粛降 機能が失調→肺気が上逆→咳嗽 ③ 肺腎 陰 虚 による咳嗽 陰虚−肺の水が少なくなる ・・・ 肺陰虚 のため燥が発生→肺が潤いを失う→肺の 粛降 機能が 失調→肺気が上逆→咳嗽 B.鑑別 ≪痰の鑑別≫ ◎寒性: 白 く 水様 性 ・・・冷え 熱性: 黄 色く 粘 い ・・・暑さ ◎脾虚:痰の量は 多い が 喀痰 しやすい・・・さらっとしている 陰虚: 乾 いた咳、痰の量は 少な く 粘 る・・・津液不足 <外感性の咳嗽> ①風寒による咳嗽 (病態・症状・所見) ∼・ 実 証 ・表証を伴う (病が最も浅い部にある: 悪寒 、 発熱 、 頭痛 、 項強 、 表証の症状で ・ 腰背 痛、 四肢関節 痛、脈 浮 ) 憶えること ・随伴症状:痰は 白 く 水 様 (治療方針) ・散風去邪 ②風熱による咳嗽 (病態・症状・所見) ∼・ 実 証 粛降作用:吸気 ・天の気を吸入する。 ・津液・水穀の精気を下へ降す。 ・異物を取り除き、肺を清潔に保つ。 (気道) 水 気虚:手足の冷え ↓ 進行すると 虚症の冷え− 陽虚:冷え(全身) 血虚 虚熱 陰虚(津液不足) 五心煩熱 潮熱 虚 − 不足 実 − 有余

(12)

・表証を伴う (病が最も浅い部にある: 悪寒 、 発熱 、 頭痛 、 項強 、 ・ 腰背 痛、 四肢関節 痛、脈 浮 ) ・随伴症状:痰は 黄 色く 粘 い (治療方針) ・散風去邪 <内傷性の咳嗽> ①痰湿による咳嗽 (病態・症状・所見) ∼・ 実 証 ・関係する臓腑の機能失調がみられる (治療方針) ・健脾化痰 ②肝火による咳嗽 (病態・症状・所見) ∼・ 実 証 ・・・気が滞っている:季肋部 ・関係する臓腑の機能失調がみられる ・火により津液が焼灼されると 痰 が形成される ・主要症状:咳嗽、痰は 少な く 粘 い、咳をすると 胸脇 部が痛む ・舌脈所見:舌質 紅 、舌苔 薄 黄 、脈 弦 数 。 ・随伴症状:顔面 紅潮 、口 苦 、咽頭部の 乾き (肝火の炎上による) (治療方針) ・清泄肝火:肝火と肺熱の清熱 ・主として 足厥陰 経、 手太陰 経を取穴 ・鍼にて 瀉 法、 灸 は用いない (処方例)・肺兪、魚際、尺沢、行間、陽陵泉 ③肺腎陰虚による咳嗽 (病態・症状・所見) ∼・ 虚 証 ・津液の損傷と燥により痰の量は 少な い ・このタイプの咳は肺絡を損傷しやすい(痰に血が混じったり、喀血した りする) ・相生関係にある 腎 の症状を伴う 熱 熱 肝

(13)

・主要症状:乾いた咳、痰に血が混じったり、喀血する 血虚 ・舌脈所見:舌質 紅 、舌苔 少 、脈 細 数 。 陰虚 ・随伴症状: 潮 熱、 盗 汗、 五心煩熱 、 不眠 (陰虚の虚熱による)、 腰膝 がだるく力が入らない(腎の症状) (治療方針) ・益陰清熱:肺腎の陰を補し、清熱をはかる ・主として 手太陰 、 足少陰 経を取穴 ・鍼にて 補 法 (処方例)・肺兪、腎兪、膏肓兪、尺沢、照海 熱 熱 同じ時間に 熱がでる

(14)

第2章 治療各論

11)喘 息

(1)現代医学的な考え方 ∼・喘息とは・・・喘鳴を伴う発作性の呼吸困難症候群 ・喘鳴とは・・・気道から発するゼーゼー、ヒューヒューといった雑音 ・ 気道 の 一部狭窄 、または 不完全閉塞 が原因 A.注意を要するもの ∼*気道に 器質 的狭窄が生じた場合、注意を要する *その他、注意を要するものとその症状 ① 心臓 喘息: 体動 時の呼吸困難、 高血圧 や 冠動脈 疾患 など 心 疾患がある、 夜間 に発作が生じやすい ② 肺気腫 ・慢性 気管支炎 など:主訴が 息切れ ・ 痰喀出 ③ 喉頭 の病変:主に吸気時に喘鳴、嗄声を伴う ・・・閉塞性呼吸困難 ④ 感染 など:発熱、膿性痰、呼吸困難増悪 ⑤ 重症 の喘息:強度の呼吸困難のため横に寝られない、日常生活困難 ( 会話 、 飲食 など)な程の発作 (特に 心臓 喘息の所見) 正常:清音 実質臓器:濁音 ・ 肺うっ血 のため、①肺野の打診では広範囲に 濁 音が聞こえる ②聴診では 湿 性 ラ 音 乾性ラ音 B.鍼灸の適応 ∼主に「 気管支喘息 」(発作の程度、頻度により注意を要する) A) 気管支喘息 (病態・原因) ∼・ 気道 や 気管支 が種種の刺激に 過敏 になっている状態 ・気道系の 広範 な 狭窄 が特徴 ・ 狭窄 は 自然 または 治療 により改善する (症状・所見) ∼・ 喘鳴 を伴う 発作 性呼吸困難 ・ 呼気 時の呼吸困難が著明 ・ 呼気延長 、喘鳴は 吸気 時に増強 05 年 5 月 12 日 3年東臨床 第 回 機 能 的 狭 窄 呼気性呼吸困難

(15)

・呼吸困難は 労作 性ではなく 突発 性 ・発作は 夜中 から 明け方 に多い ・発作時に 起座呼吸 を呈する・・・仰臥だと気道、肺を圧迫する ・痰は 少 量、 粘稠 、 切れ にくい、 咳 を伴うことあり ・緩解期にほとんど 症状 なし・・・日常生活では症状がない ・ 家族 歴・ 既往 歴に アレルギー 疾患認めることが多い ・聴診で 乾 性 ラ 音 (治療方針) ∼・ 自律神経 の調整・・・交感神経優位にしてやる ・気道の 過敏 性を抑制 ・発作の軽減、予防 ・症状の改善 ・胸部・背部の圧痛・硬結などの反応点に施術 (処方例) ∼胸部:天突、中府 背部:身柱、肺兪、膈兪 (あ・マ・指) ∼・ 発作 に対する 対症 療法 ・ 食餌アレルゲン に注意( 刺激 性 食餌 、 大食 を禁止) ・頚部(風府、天柱、風池) 胸鎖乳突筋停止部(天容、天窓、扶突、兪府、気舎など) 肩背部(肩井、大抒、風門など) 前胸部(中府、兪府など) 肩甲間部(肺兪、心兪など) ・発作の間歇時には全身施術(全身の強壮、抵抗力をつける) ・併用する理学療法:胸部の プリースニッツ罨法 :冷湿布→反応で血流良くなる (2)東洋医学的な考え方 ∼・「 哮喘 」という(「 哮 」と「 喘 」は同時にあらわれやすい) ・「 哮 」=発作性の喘鳴を伴う呼吸困難 ・「 喘 」=呼吸促迫するが喘鳴は伴わない ・虚証、実証共にあるが、原因は共に気機(昇降出入)の失調である ・哮喘の原因は痰飲の潜伏(= 伏飲ぶくいん )・・・湿が中焦に停滞している ベースにある 不規則な食事をとらない

(16)

・伏飲のある人に、気候変化・飲食・情志・疲労などが加わると、 発作を起こしやすい。 (不節) (失調) ・発病初期は 実 証が多く、発作が反復すると 虚 証に転じる。 ・ 虚 証がベースにあるものが急性発作を起こすと 本虚標実 証を呈する。 A.分類 (A)実証とB)虚証がある) A)実証の哮喘 ① 風寒 による哮喘・・・ 伏飲 のある者が 風寒 の外邪を受ける。 または、体内の 寒飲 が外邪の刺激を受ける →肺気の昇降が失調→気道の通りが悪化→哮喘 ② 痰熱 による哮喘・・・ 伏飲 のある者が 風熱 の外邪を受ける。 または、 痰熱 が盛んになる→肺気の昇降が 失調→気道の通りが悪化→哮喘 B)虚証の哮喘 ① 肺気虚 による哮喘・・・肺は気を主る→ 肺気虚 により この機能が低下→哮喘 ② 脾気虚 による哮喘・・・ 脾気虚 → 運化 機能低下→ 痰湿 が発生、中焦 に停滞→肺に影響 →肺気の昇降が失調→気道の通りが悪化 →哮喘 ③ 腎気虚 による哮喘・・・( 肺 は気の主、 腎 は気の根) 哮喘が長期化→ 腎気虚 → 納気 機能低下→肺の 粛降 機能 悪化→哮喘が起こりやすくなる B.鑑別 (1)まず、虚実を鑑別 実喘: 急 に発症、経過は 短い 、呼吸が 粗い 、 胸悶 、 呼出すると 楽 、 脈 有力 ・・・力が強い 虚喘: 緩慢 に発症、経過は 長い 、呼吸 促迫 、 息切れ 、 動くと 増強 、 疲れると増強 脈 弱 寒 熱 の み 異 な る 消化吸収と運搬 伏飲がベース? 消化器系の不良 気虚の症状

(17)

(2)次に痰の性状により寒熱を鑑別 寒: 風寒 または 陽虚 による哮喘では、痰は 稀薄 、寒 色は 白い 。 熱: 痰熱 による哮喘では、痰は 黄 色く 粘い 。熱 A)実証の哮喘 ①風寒による哮喘 (病態・症状・所見) ・実証 (治療方針) ・宣肺去邪 ②痰熱による哮喘 (病態・症状・所見) ・実証 湿のとどこおりで熱症状がある→気のめぐりが悪くなる ・痰熱の影響で胸中の気機がうまく動かなくなると胸悶が起こる。 ・ 熱 症状が強い 性状 ・主要症状:呼吸 促迫 、呼吸 粗い 、咳嗽、痰は 黄色 く 粘い 。 ・随伴症状: 胸悶 、 煩熱 、 口乾 、顔面 紅潮 、 発熱 など。 風寒 顔:青白 ・舌脈所見:舌苔 黄 厚 または 黄 膩、脈 滑 数 。 (治療方針) ・清熱化痰:清熱と痰の除去をはかり、肺機能の改善を促す。 主として 手太陰 経、 手足陽明 経穴を取穴 鍼にて 瀉 法 (処方例)・膻中、豊隆、合谷、中府、孔最 八祖脈 B)虚証の哮喘 浮 沈 陰 陽 ①肺気虚による哮喘 (病態・症状・所見) 遅 数 ・虚証 (治療方針) 虚 実 ・補益肺気 滑 濇 ⇒ 不整脈 十 祖 脈 熱 寒 熱 熱 熱 呼 吸 器 系 熱 湿 湿 熱 表 寒 熱 力 が な い 力 が 強 い な め ら か と ど こ お り (渋) 東 臨 床 的

(18)

②牌気虚による哮喘 (病態・症状・所見) ・虚証 (治療方針) ・補益脾気 ③腎気虚による哮喘 (病態・症状・所見) ・虚証 ・気虚が進行して 陽虚 になると、 温煦お ん く 機能が低下。 ・その結果、 冷え の症状が強い 呼気性呼吸不全 ・主要症状 長期 に渡る哮喘、動くと 増強 、 呼多吸こ た き ゅ うしょう少 、 息切れ 、痰涎は 希 薄 。 ・随伴症状:体のだるさ、 腰 のだるさ、 寒がり 、四肢の 冷え など。 ・舌脈所見:舌質 淡 、脈 沈 細 。 (治療方針) ・補益腎気:肺気・腎気を補い、肺機能の改善と腎の納気機能の 回復をはかる。 主として 手太陰 経、 足少陰 経穴を取穴 鍼にて 補 法、または 灸 を用いる。 (処方例)・肺兪、太淵、腎兪、太谿、足三里。 消 化 器 系 後 天 の 精 先 天 の 精 生 命 力 虚 虚 虚 寒 寒 寒 虚・冷え 両方 裏 虚 長期のため 冷えの症状があるため

(19)

05 年 5 月 19 日 3 年東臨床 第 回

12)胸 痛

(1)現代医学的な考え方 ∼・胸部の痛みの総称 ・痛む部位、原因は様々( 胸壁 ・ 末梢神経 ・ 心血管系 ・ 呼吸器 ・ 食道 ・ 腹部臓器 の痛みなどや、 心因 性の 痛みも) A.注意を要するもの ①胸骨裏面の絞扼感、左胸部から左上肢にかけての放散痛 (= 狭心症 、 心筋梗塞 ) ②持続する強い胸痛または悪心、呼吸困難、脱力感、失神を伴うもの ③鎖骨上窩リンパ節の腫脹、咳、痰などを伴う胸痛(= 悪性腫瘍 ) B.鍼灸の適応 ∼・特に、 特発性肋間神経痛 が適応 ・改善が期待できるもの: 帯状疱疹 などに伴う胸痛・ 胸部手術後 (傷のひきつれ)の疼痛など A) 特発性肋間神経痛 (病態・原因) ∼・原因不明で肋間神経領域に痛みが出現するもの (症状・所見) 他書で記述なし:選択肢がなければこれを考える ∼・多くは 左側 第 5 ∼ 9 肋間に疼痛が突然発症、呼吸・会話などの胸郭 運動により痛みが増強するもの ・痛みが肋間神経の経路と分布領域に一致する ・ 特有の圧痛点 が存在することが多い ・痛み以外の神経学的所見がない (治療方針) ∼・鎮痛を目的とする ・当該神経の知覚領域での痛みの部位を参考に治療点を選択する (特に圧痛点である) ・医療過誤を起こさないよう、刺入の深さ・方向に注意

(20)

(処方例) ∼前皮枝: 胸骨 点( 胸骨 の傍ら、当該肋間)《 歩廊 、 神封 など》 外側皮枝: 腋窩 点( 前腋窩線 上、当該肋間) 後枝: 脊柱 点( 棘突起 の外方約3cm) 《 心兪 、 膈兪 、 肝兪 など》 (あ・マ・指) ∼・ 患 側を上にして 側臥 位 ・疼痛のある肋間に沿って手掌軽擦 ・肋間神経に沿って圧迫揉捏 ・圧痛点に対し、圧迫法。振顫法 ・圧迫揉捏法を行う。( 脊柱 点には深く、 側胸 点・ 胸骨 点 には軽く) ・上腹部に圧痛があれば上記のような施術を行う。(不容、承満など) ・肋間神経に対し 非観血 的 伸展 法 観血的手法 → 手術 (両手の指を肋間の前後に対向的に置いて、強く牽引する。この際、 患者に徐々に深呼吸をさせ、胸郭拡張の時をみはからって、同時に 伸展を行うのがよい。) ・誘導施術:頚部・肩背部・腰部・脊柱両側筋群に対して行う ・限局した部位のみが痛む場合も、全経路に渡って行うべき ・併用療法: プリースニッツ罨法 ・電光浴など 冷湿布 ⇒ 反射で血管を拡張させる (2)東洋医学的な考え方 ∼・胸の痛みを「 胸痺 」という ・ 胸痺 =種種の原因によって胸中の陽気が詰まって起こる胸悶、胸痛 軽症では胸悶、重症では胸痛 ・「 痺 」=閉塞して通じないこと

(21)

A.分類 湿の滞り ① 痰濁 による胸痛 ・・・ 飲食不節 、 飲酒 など→ 脾胃 損傷→ 痰濁 形成→ 胸部の 陽気 に影響→胸部の 気血の巡り 悪化→胸痛 ② 瘀血 による胸痛 ・・・ 情志 の 抑鬱 など→ 気滞 が発生→改善しないと 瘀血 が形成→ 瘀血 が胸部の脈絡に停滞→胸痛 ③ 陽虚 による胸痛 ・・・平素から 陽気 不足=胸部の 陽気 が弱い→気血の巡りが 悪化しやすい→+ 寒邪 の影響( 寒邪 の 凝滞 性) → 血行がさらに悪化→脈絡が詰まる→胸痛 B.鑑別 ①痰濁による胸痛 (病態・症状・所見) ・ 実 証 ・主要症状: 悶痛 ・随伴症状:胸悶、 呼吸促迫 、 咳嗽 、 めまい など。 ・舌脈所見:舌苔 膩 、脈 滑 (治療方針) ・通陽化濁 ②瘀血による胸痛 (病態・症状・所見) ・ 実 証 ・主要症状: 固定 性の胸部 刺 痛、疼痛は肩背部に放散、 夜間 に増強。 ・随伴症状:胸悶、 息切れ 、 心悸 、唇は 紫 色。 ・舌脈所見‥舌質 紫暗 、脈 細 濇 または 結代 (治療方針) 不整脈 ・活血化瘀:血行改善をはかり、瘀血を除去する。 主として 手少陰 経、 手厥陰 経穴を取穴。 心 ・ 心包 の兪募穴。 鍼にて 瀉 法 (処方例)・膻中、心兪、膈兪、巨闕、陰郄 気血は一緒に巡る 気滞が起これば血滞も起きる ストレス 冷え 冷え 打ち身 瘀血 固 定 性 の 刺痛 湿、実 痹 風 痹( 行 痹 ) 寒 痹( 痛 痹 ) 湿 痹( 著 痺 ) (着) シビレ 瘀血のため 虚又は 瘀血 渋 滑

(22)

③陽虚による胸痛 (病態・症状・所見) ・ 虚 証 ・ 冷え の症状が強い ・主要症状:胸痛、 絞 痛(背部に放散)、 寒冷 刺激により誘発または増強 ・随伴症状:胸悶、 息切れ 、 心悸 、顔色 蒼白 、 四肢の 冷え 、 自汗 など。 重症者では 呼吸困難 もみられる。 ・舌脈所見:舌苔 白 、脈 沈 遅 (治療方針) ・温陽散寒:陽気回復により気血の巡りを改善、寒邪を除去。 主として 手少陰 経、 手厥陰 経穴を取穴。 心 ・ 心包 の背部兪穴。 鍼にて 補 法、または 灸を用いる (処方例)・心兪、厥陰兪、膻中、内関、通里。 裏 虚 冷え

(23)

05 年 5 月 26 日 3 年東臨床 第 回

13)腹 痛

(1)現代医学的な考え方 ∼・腹部の痛みの総称 ・痛む部位、原因は様々 ( 消化器 系、 泌尿器 系、 生殖器 、 血管 系、 神経 系、 代謝 系疾患などや、 心因 性の痛みも) ・ここでは主として 消化器 系の疾患を扱う ・一般に腹痛は 内臓 痛・ 体性 痛・ 関連 痛の3つに 分けられている ・臨床的には疼痛部位が障害臓器を示唆することが多いので、 疼痛部位から腹痛の原因を考える必要もある A.注意を要するもの ①突然の激烈な腹痛、ショック状態、痛みが概して持続性(= 急性腹 症) ②発熱・下痢・嘔吐・心窩部痛・脱水症状・ショック症状など(= 食中毒 ) ③頑固な腹痛・便秘・グル音、その他、腹部膨満感・蠕動不穏など (= 腸 の 狭窄 や 閉塞 ) ④食事に関係なく出現する腹痛(= 消化器系 以外の原因による):悪性腫瘍 ⑤筋性防御・反動痛がある(= 腹膜炎 ) B.鍼灸の適応 ∼・ 心因 性、 慢 性の腹痛が対症的に適応 (腹痛部位別) ①心窩部: 慢性胃炎 ・ 胃下垂 症・ 胃神経 症 ②右季肋部: 胆石 症 ③臍部: 慢性腸炎 機能的(器質的ではない)疾患 S状結腸 ④左腸骨窩部: 過敏性大腸 症候群 心因性 直腸 ⑤下腹部: 神経 性 腸 疾患 便秘と下痢を繰り返す 急性虫垂炎 急性膵炎 腹直筋

(24)

(適応となる症状・所見) ∼・持続性の心窩部鈍痛、膨満感、重圧感、食欲不振など ・不安、緊張など精神的ストレス、精神的・肉体的疲労などが 誘因となるもの ・腹部、背部に筋緊張・硬結・圧痛がみられる (治療方針) 根治ではない ∼・疼痛の援解を目的にする ・障害臓器と関連すると思われる腹部、背部の反応点に施鍼・施灸 (処方例) ∼腹部:中脘、天枢 背部=膈兪、肝兪、脾兪(胃の六つ灸) (あ・マ・指) ∼《胆石症の施術》 ・重症は当然、 手術 が適応 ・ 疼痛 ・ 発熱 ・ 黄疸 が続くようなら数日間の安静 ・ 過食 ・ 脂肪食 ・ 過労 ・ 運動 ・ 身体冷却 を避ける ・施術は、 発作時: 胸椎 ・ 腰椎 両側の各圧診点を持続圧迫 (疼痛の鎮静を目的)( 肝兪 、 胆兪 、 脾兪 など) 鎮痛後: 腹 部、特に 右上腹 部に軽い軽擦法、短時間の全身施術 で発作による疲労を回復させる( 期門 、 日月 など) (2)東洋医学的な考え方 ∼・腹部を、「 大 腹」「 小 腹」「 少 腹」の3つに分ける ・ 大 腹=臍より上部、脾胃と密接な関係 ・ 小 腹=臍より下部、腎・膀胱・大腸・小腸・女子胞と密接な関係 ・ 少 腹=小腹の両側、足厥陰肝経が通る ・しかしながら、ここでは上腹部痛と下腹部痛に分けて考える(?) 生殖系 東 臨 床 で は 一 旦 忘 れ る 事

(25)

Ⅰ.上腹部痛 ∼・剣状突起の下から臍までを「 胃脘 」という ・ 胃脘 痛= 胃脘 部に起こる発作性の疼痛 A.分類 ① 寒邪 による胃脘痛 ・・・ 寒邪 の侵入または 生もの 、 冷たいもの の 過食 → 胃気 が抑止され停滞→胃脘痛 ② 食滞 による胃脘痛 ・・・ 暴飲暴食 など→ 飲食 が停滞→ 腑気 が降りない→ 胃に 気滞 が生じる→胃脘痛 ③ 肝鬱 による胃脘痛 ・・・ 情志 の 失調 → 肝うつ → 肝 →の 疏泄 機能が失調→ 胃の気機悪化→胃脘痛 ④ 脾胃虚寒 による胃脘痛 ・・・ 労倦 、不規則な 食生活 など→ 脾胃 を損傷 → 脾陽不振 → 虚寒 が発生→ 胃がうまく 温煦 されない→胃脘痛 B.鑑別 ∼・まず、(1) 病位 の鑑別 (2) 虚実 の鑑別 (3) 疼痛 の 性質 の鑑別 を行う (1)病位の鑑別 ・心痛と胃痛を鑑別=心と胃は隣接しているのでまぎらわしい・・・深浅ではなく臓腑 ∼病位が心にある: 胸悶 、 息切れ 、 心悸 、 胸 部の 絞痛 があり 背 部に放散する ∼病位が胃にある:胃脘部の 膨満感 、 嘔吐 、 食欲不振 など (2)虚実の鑑別 ∼実証: 拒按 、 食後 に疼痛が増強、 (例)① 寒邪 による胃脘痛② 食滞 ③ 肝うつ ∼虚証: 喜按 、 食後 に疼痛が軽減、 (例)④ 脾胃虚感 による胃脘痛 (3)疼痛の性質の鑑別 貼った痛み ∼ 気滞 による腹痛=急に起こる 脹痛 ストレス 消化器系に 冷えがある 鼓動がはげしい 有余 不安

(26)

○ ∼ 寒邪 による腹痛= 激痛 、 拘急 して痛む ∼ 血瘀 による腹痛= 固定 性の 刺痛 ∼ 食滞 による腹痛= 脹って 苦しく 痞満 する ○ ∼ 虚寒 による腹痛= 隠痛 ・・・がまんできるが持続的な痛み ①寒邪による胃脘痛 (病態・症状・所見) ・ 実 証 ・寒には 凝滞 性・ 収引 性があり、寒によって 陽気 が抑止され ると疼痛が起こる ・ 主要症状 : 激し い胃痛が 急 に起こる、 温める と軽減 (寒の 凝滞 性・ 収引 性が軽減、 陽気 の動きが改善するため) ・ 随伴症状 ひきしめる : 冷やす と胃痛が増強、 口渇 はない(寒邪は 津液 を損傷しないため)、 熱飲 を喜ぶ( 寒 が弱まるため) ・舌脈所見:舌苔 白 、脈 弦 緊 (治療方針) 痛 痛 実 ・温中散寒=胃を温め、寒邪を除去する。 主として 足陽明 経穴を取穴。胃の 募穴 。 鍼にて 瀉 法、または 灸 を施す (処方例)・中脘、足三里、内関、梁丘、合谷 ②食滞による胃脘痛 (病態・症状・所見) ・ 実 証 ・主要症状: 張っ て苦しく 痞満 する ・随伴症状:胃脘部の 膨満感 、 嘔吐 、 食欲減少 など (治療方針) 消化器症状 → 脾胃 ・消食導滞 ③肝鬱による胃脘痛 (病態・症状・所見) ・ 実 証 中を温め寒を散じる

(27)

(治療方針) ・疏肝和胃・・・肝うつを取り、胃の和ませる ④脾胃虚寒による胃脘痛 (病態・症状・所見) ・ 虚 証 ・ 温煦 機能低下で 運化機能 が悪化すると、 水飲 が停滞し胃痛が発生 ・ 主要症状 :胃の 鈍痛 、 喜温 、 喜按 、 冷やす と胃痛が誘発または 増強、食後は胃痛が 軽減 ・ 随伴症状 : 倦怠 、 無力感 、 精神疲労 、 懶らん言げん 、 寒がり 、 四肢の 冷え 、 泥状 便、 食欲不振 ( 気虚 ・ 陽虚 による症状・所見) ・舌脈所見:舌質 淡 嫩どん 、舌辺に 歯痕 、舌苔 薄 白 、 老おいる 嫩わかい 脈 沈 細 または 遅 。 (治療方針) 裏 虚 寒 ・健脾温中=脾胃を温め、脾の機能向上をはかる。 主として 足陽明 経穴を取穴。脾胃の 兪募 穴。 鍼にて 補 法、または 灸 を用いる。 (処方例)・胃兪、中脘、足三里、内関、公孫。 Ⅱ.下腹部痛 A.分類 ① 寒邪 による腹痛 ・・・ 寒邪 の侵入 または 生もの 、 冷たいも の 過食 → 中焦 の 陽気 が損傷→ 脾 の 運化 機能失調 また 寒 の 収引 作用の影響→腹痛 ② 食滞 による腹痛 ・・・a. 暴飲暴食 などにより 飲食 が停滞→ 胃腸の 消化 ・ 伝導 機能失調→腹部の気機が悪化→腹痛 b. 味の濃いもの ・ 辛い を食べた→ 胃腸の 消化 ・ 伝導 機能失調→腹部の気機が悪化→腹痛 口をききたがらない しゃべるのが億劫 寒 寒 寒 虚 虚 虚 虚 虚 虚 寒 消化器症状 やわらかい 脾虚 虚 寒 強くはないが ひきしめる

(28)

③ 肝鬱 による腹痛 ・・・ 情志 の 失調 (怒り、ストレス)→ 肝うつ → 肝の 疏泄 機能が失調→ 気滞 →腹痛 <病理機序として> ・ 木克土 による:肝が脾を克す ・ 足厥陰肝 経が 少腹 部を通過しているため、 少腹部 痛が 起こることもある ④ 脾陽虚 による腹痛 陽虚:冷え ・・・平素からの 陽気 不足、 脾陽不振 → 運化 機能が失調 → 寒湿 が停滞→腹痛 B.鑑別 ∼・まず、(1) 虚実 の鑑別 (2) 寒熱 の鑑別 (3) 疼痛部位 による関連 臓腑 のチェック を行う (1)虚実の鑑別 ∼実証:按じると 増強 ( 拒按 ) (例)① 寒邪 による下腹部痛② 食滞 ③ 肝うつ ∼虚証:按じると 軽減 ( 喜按 ) (例)④ 脾陽虚 による下腹部痛 (2)寒熱の鑑別 ∼寒証 :温めると 軽減 ・ 消滅 、冷やすと 増強 ( 喜温 、 拒冷 ) (例)① 寒邪 による下腹部痛 ∼熱証 :冷やすと 軽減 ・ 消滅 、温めると 増強 ( 喜冷 、 拒温 ):腹膜炎をイメージ (3)疼痛部位による関連臓腑のチェック 以下に記す。

(29)

①寒邪による下腹部痛 (病態・症状・所見) ・ 実 証 (治療方針) ・温中散寒 ②食滞による下腹部痛 (病態・症状・所見) ・ 実 証 (治療方針) ・消食導滞 ③肝鬱による下腹部痛 (病態・症状・所見) ・ 実 証 ・主要症状 :少腹部痛、 脇部 に放散( 足厥陰肝 経の走行による)、 、 腹脹 ( 気滞 による)、疼痛部位は 一定していない :気がからむので遊走 ・随伴症状 : 悩んだ り 怒る と少腹部痛を誘発・増強、 噯気 、 口苦 、 噯気 や 失気 をすることで腹痛 軽減 ・舌脈所見:舌苔 薄 白 、脈 弦 (治療方針) 肝 ・疏肝理気:肝鬱の改善をはかり、気の巡りを良くする。 主として 手足厥陰 経穴・ 任脈 穴を取穴。 鍼にて 瀉 法。 (処方例)・章門、太衝、内関、気海、陽陵泉。 ④脾陽虚による下腹部痛 (病態・症状・所見) ・ 虚 証 ・ 温煦 機能低下で腹部に 鈍 痛 ・ 主要症状 虚 :下腹部の 冷 痛、 喜温 、 喜按 、 冷やすと悪化 と痛みが誘発または増強 ゲップ おなら 下腹部痛の時取穴 陽虚 冷え

(30)

・随伴症状 : 空腹 時・ 疲労 時に下腹部痛が起こりやすい、 倦怠 精神疲労 、 寒がり 、 泥状 便または 水様 便 ・舌脈所見:舌質 淡 、舌苔 白 、脈 沈 細 脾 血虚 寒 裏 虚 (治療方針) ・温補脾胃:脾胃を温め、脾陽の回復をはかる。 主として 任脈 穴を取穴。脾胃の 兪募 穴。 中脘、章門 鍼にて 補 法、または 灸 を用いる。 (処方例)・脾兪、胃兪、章門、中脘、足三里。 虚 冷

(31)

05 年 6 月 日 3 年東臨床 第 回

14)悪心と嘔吐

(1)現代医学的な考え方 自律神経にかかわっている ∼・悪心=嘔吐に先立つ特有の不快感。 特有の前駆症状(自律神経症状)を現すもの よだれが出る 例) 顔面蒼白 、 冷汗 、 流涎 、 失神感 脱力 、 血圧降下 、 脈拍 ・ 呼吸数 の増加など ・嘔吐=胃内容を食道・口腔を通じて排出する反射運動 ・悪心と嘔吐は互いに独立して出現するが発生機転は同じ ・種種の原因で現れる ・ここでは消火器症状に伴う悪心・嘔吐について述べる A.注意を要するもの ①意識障害、頭痛、眼痛、めまい、胸痛、発熱 などを伴う場合 ( 脳 ・ 眼 ・ 内耳 ・ 心臓 などの障害) ②女性、原因不明の嘔吐( 妊娠 : つわり 、 妊娠中毒 症) ③注意を要する腹痛を伴う場合 ( 急性腹 症 、 食中毒 、 腸閉塞 など) ④吐物に血液が混入( 潰瘍 ) グル音亢進 B.鍼灸の適応 吐血:消化器系 ∼・適応となる悪心・嘔吐は 喀血:呼吸器系 (1) 急性 ・ 慢性胃炎 によるもの (2) 胃神経 症に伴うもの (3) 精神的ストレス によるもの が考えられる A)急性・慢性胃炎 (病態・原因) ∼・種種の原因により 胃粘膜 の 炎症 、 萎縮 が生じる (症状・所見) ∼・悪心、嘔吐、胃の 膨満感 、 食欲不振 、 上腹部痛 など (治療方針) ∼・一般に 安静 ・ 食時療法 による体力の回復 ・鍼灸治療では消火器系の機能回復を目的とする ・ 上腹 部・ 背 部の反応点、筋緊張部に施鍼、施灸 急に激し い腹痛 持続性 原因不明 しばしば 開腹 場所=胃 右腹部=胆石 左腸骨=慢性腸炎 便秘 脳出血 筋収縮の頭痛もある 発熱して嘔吐:インフルエンザ感染症

(32)

(処方例) ∼腹部:中脘、巨闕 背部:膈兪、肝兪、脾兪(細い鍼の単刺術=軽刺激)

(あ・マ・指)

胃の六つ灸 ∼・食餌療法の目的:炎症のある胃粘膜の保護 ・故に、 節食 療法が中心。具体的には 胃酸減少 により 蛋白質 消 化が不良となるので、 炭水化物 中心に食時を与え、 過熱過冷 の飲食物・ 刺激 性食品・ 飲酒 ・ 喫煙 を禁止する。症状改善 に合わせ、 蛋白質 ・ 脂質 を徐々に増やす 炭水化物、蛋白質、脂質 三大栄養素 ・施術目的:胃の消化・吸収力を高める。 胃病変の内臓反射として現れる肩凝り、背部・腰部の筋緊張、 圧痛を緩解するために行う ・<腹部への施術> ・ 胃部 への施術(胃の内容物を腸に送り込むようにする) ・ 腹直筋 の筋緊張(中脘・巨闕・梁門などに揉揑・圧迫法) ・ 腸 への施術( 便秘 のあるものなど) <肩背腰部の施術> ・ 脊柱両側筋群 への施術 ( 脊柱起立筋 =膈兪・肝兪・脾兪・胃兪・三焦兪・腎兪などへ揉揑法) ・ 胸背部 の筋緊張を緩解、反射による胃の機能調整 (第 7 ∼ 11 ・ 胸椎 両側に圧迫法) <全身への施術> ・全身状態の改善、長期に行う ・併用療法:胃部の温包( 温湿布 、 懐炉 )、 坐浴 や 全身浴 (2)東洋医学的な考え方 ∼・「 悪心 」=吐き気を催すこと ・「 嘔 」=有声無物(ゲェーッと声を出す) ・「 吐 」=有物無声(物を吐き出すこと) ・嘔と吐は同時に起きやすいので「嘔吐」という ・胃は 受納 と 水穀 の 腐熟 を 主る。・・・憶えること ・胃気は「 降 」を主る。 ・悪心・嘔吐は 胃気 の 上逆 によっておこる 脾=昇清 憶えること ① ② ③ 虫垂炎 胃炎

(33)

・胃気 の 上逆 の原因: 外邪 、 食滞 、 痰飲 、 肝鬱 、 脾胃虚弱 など 悪心嘔吐 腹痛 A.分類 頭痛 ∼・胃気の上逆の原因によって分類する 便秘・下痢 ① 外邪 による悪心・嘔吐 ・・・ 手太陰肺 経は 中焦 より起こる、 大腸 に絡し、 胃口に 循 行する かつ 肺 は 表 を主る→ 外邪 の侵襲→ 表 →直接、 胃 を 侵す→胃気の上逆→悪心・嘔吐 ② 食滞 による悪心・嘔吐 ・・・ 飲食過多 、 生もの ・ 冷たいもの ・ 油っこいもの の 過食→胃に停滞→胃気の上逆→悪心・嘔吐 ③ 肝鬱 による悪心・嘔吐 ・・・ 情志失調 → 肝うつ → 木克土 (胃を侵す) →胃気の上逆→悪心・嘔吐 ④ 痰飲 による悪心・嘔吐 ・・・ 飲食不節 → 脾胃 の損傷→ 痰飲 形成→ 中焦 に停滞→ 痰飲が上逆→悪心・嘔吐 ⑤ 脾胃虚弱 による悪心・嘔吐 ・・・平素からの 脾胃虚弱 、 労倦 → 脾 を損傷→ 運化 機能の低下→ 水穀 が 中焦 に停滞、上逆→悪心・嘔吐 ⑥ 胃 陰 虚 による悪心・嘔吐 ・・・ 熱病 、 心 や 肝 の 火旺 → 胃陰 の損傷→ 胃の潤い、栄養が悪化→胃気の「 降 」が悪化=上逆→悪心・嘔吐 熱 B.鑑別 《 実証 》 ①外邪による悪心・嘔吐 ・・・代表 風邪 (病態・症状・所見) ・実証 ・随伴症状: 表 証を伴う (東医概P68、悪寒、発熱、頭痛、項強、 腰背痛、四肢関節痛、脈 浮など) 代表:風寒 風熱 風寒 風熱 季 肋 部 に 鬱 滞 水 風寒 風熱 天柱 膀胱兪 こわばる 実 証 虚 証

(34)

(治療方針) ・解表和中 ②食滞による悪心・嘔吐 (病態・症状・所見) ・実証 ・主要症状:悪心、酸腐臭物を嘔吐、 噯あい気き =げっぷ ・随伴症状:腹部 膨満感 、 厭 食えんしょく 、 口臭 、 便秘 または 泥状 便 湿 実 ・舌脈所見:舌苔 腐 厚 、脈 滑 実 膩―湿、痰濁 (治療方針) おから状→食積、痰濁 ・行気導滞:食滞、気滞の改善、胃気の「 降 」 の機能回復 脾−昇 主として 足陽明 経穴を取穴。 胃−降(伝導) 鍼にて 瀉 法。 (処方例)・下脘、内関、足三里、天枢、内庭。 ③肝鬱(肝気犯胃)による悪心・嘔吐 (病態・症状・所見) 木克土 ・実証 ・随伴症状:悩んだり怒ると 少腹 部痛を誘発・増強 (治療方針) 足厥陰肝経が通る ・疏肝和胃 ④痰飲による悪心・嘔吐 (病態・症状・所見) ・実証 ・随伴症状: 水様 の 痰涎 を嘔吐 (治療方針) ・逐飲化ち く い ん か痰たん 《 虚証 》 ⑤脾胃虚弱による悪心・嘔吐 (病態・症状・所見) ・虚証 ・水穀を腐熟する機能が低下 ・生もの、冷たいもの、油っこいものには特に注意 ・主要症状: 少し多く食べる と悪心・嘔吐、症状が 反復 する 脾気虚 膩と同じ要因 両方でてもおかしくない

(35)

・随伴症状:顔色は つやがなく 、やや 黄色い 。 倦怠 、 無力感 腹脹 、 泥状 便、 食欲不振 虚 ・舌脈所見:舌苔 淡 、舌苔 薄 白 、脈 濡じゅ 弱じゃく (治療方針) 湿・虚証でもでる ・健胃和胃:脾の機能向上、上逆している胃気の調節 主として胃の 募 穴、下合穴。脾の 兪募 穴 鍼にて 補 法、または 灸 を用いる。 (処方例)・脾兪、中脘、足三里、内関、章門。 ⑥胃 陰 虚による悪心・嘔吐 (病態・症状・所見) ・虚証 (・舌脈所見:舌質 紅 、舌苔 少 、脈 細数 。)と思われる。 (治療方針) ・健胃養陰 七表:浮 芤 滑 実 弦 緊 洪 八裏:微 沈 緩 濇 遅 伏 軟 弱 下合穴 大腸 − 上巨虚 遠道刺 胃 − 足三里 小腸 − 下巨虚 膀胱 − 委中 三焦 − 委陽 胆 − 陽陵泉 脾 水 陽 熱 (火) ふこうかくじつけんきんこう パリはビチンのカンショクチブサナンジャク

参照

関連したドキュメント

Theorem 3 implies strong asymptotic stability results: the energy of strong solutions decays to zero, with an explicit decay rate

There is a bijection between left cosets of S n in the affine group and certain types of partitions (see Bjorner and Brenti (1996) and Eriksson and Eriksson (1998)).. In B-B,

(The Elliott-Halberstam conjecture does allow one to take B = 2 in (1.39), and therefore leads to small improve- ments in Huxley’s results, which for r ≥ 2 are weaker than the result

[r]

“Breuil-M´ezard conjecture and modularity lifting for potentially semistable deformations after

S., Oxford Advanced Learner's Dictionary of Current English, Oxford University Press, Oxford

Keywords Catalyst, reactant, measure-valued branching, interactive branching, state-dependent branch- ing, two-dimensional process, absolute continuity, self-similarity,

At the end of the section, we will be in the position to present the main result of this work: a representation of the inverse of T under certain conditions on the H¨older