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バルク系およびO/Wエマルション系におけるリノール酸メチルとα-リノレン酸メチルの酸化動力学

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Academic year: 2021

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(1)Title. Author(s). Citation. Issue Date. URL. Oxidation Kinetics of Methyl Linoleate and α-Linolenate in Bulk and Oil-in-water Emulsion Systems( Abstract_要旨 ). Ma, Tiezheng. Kyoto University (京都大学). 2014-03-24. https://doi.org/10.14989/doctor.k18313. Right. Type. Textversion. Thesis or Dissertation. ETD. Kyoto University.

(2) ( 続紙 1 ) 京都大学. 博士(. 農. 学. ). 氏名. 馬. 鉄 錚. Oxidation Kinetics of Methyl Linoleate and α-Linolenate in Bulk and Oil-in-water Emulsion Systems 論文題目 (バルク系およびO/Wエマルション系におけるリノール酸メチルとα-リノレ ン酸メチルの酸化動力学) (論文内容の要旨) 脂質は食品の主要な成分であるが,その酸化は含油食品の品質が劣化する要因の一つ である.脂質を含有する食品の品質劣化を合理的に抑制するには,脂質の酸化過程に及 ぼす多くの因子の影響に関する知見が必要である.定性的には,バルク系では液深を大 きくすると比表面積が小さくなるため,脂質が酸化され難く,水中油滴型(O/W)エマ ルション系では油滴が微細化すると比表面積が増大し,脂質が酸化され易いといわれ る.しかし,これらの効果が顕在化する液深や油滴径に関する定量的な知見は不足して いる.また,食用油脂は単一の脂肪酸からなることは少なく,通常は複数の脂肪酸から 構成されており,それらの酸化過程には互いに影響を及ぼすと思われる.さらに,エマ ルションを調製する際には機械的なストレスが負荷され,それが脂質の酸化に影響を及 ぼすことも考えられるが,十分な知見がない.本論文は,不飽和脂肪酸であるリノール 酸メチルおよびα-リノレン酸メチルを用いて,それらのバルク系または O/W エマルシ ョン系での酸化動力学に及ぼす影響を検討した結果をまとめたものであり,4章よりな っている. 第 1 章では,リノール酸メチルをモデル脂質として用いて,バルク系における脂質の 酸化速度(65℃)に及ぼす比表面積の影響について検討した.リノール酸メチルの液量 が 5 μL 以下の少量では酸化速度は液量に依存しないが,それ以上の液量では酸素の物 質移動の影響が現れ,1 mm 以上の液深ではその影響が著しく顕在化した.これらの結 果に基づき,油−空気界面における酸素の物質移動が顕在化する液深は異相系触媒反応 における Thiele 数に相当する無次元パラメータにより推算できることを示した.ま た,酸素分圧がリノール酸メチルの酸化挙動に及ぼす影響を検討し,酸化速度に及ぼす 酸素分圧の影響は Langmuir-Hinshelwood の式で表現でき,5 kPa 以上の酸素分圧で は酸化速度に及ぼす影響が小さいことを示した. 食用油脂は各種の脂肪酸から構成されるトリアシルグリセロールの混合物であること が多い.そこで第2章では,飽和脂肪酸エステルと不飽和脂肪酸エステルの混合物をモ デルとして,オクタン酸,ラウリン酸またはパルミチン酸メチルエステルを混合したリ ノール酸メチルの酸化過程(65℃)を測定した.本系では,飽和脂肪酸エステルが酸化 反応の基質である不飽和脂肪酸エステルの濃度を低下させて酸化速度が遅くなる希釈効 果に併せて,飽和脂肪酸メチルエステルの揮発に伴う体積変化を考慮することにより, リノール酸メチルの酸化過程を精度よく予測できることを示した. 第 3 章では,O/W エマルションを調製する際に使用される各種乳化装置による機械 的なストレスが脂質の酸化過程に及ぼす影響を,乳化剤を加えない系で擬似的な乳化操 作(高圧乳化,高速撹拌乳化,超音波乳化および膜乳化)を行ったリノール酸メチルの. - 1 -.

(3) バルク系での酸化過程を測定することにより速度論的に評価した.各種の機械的な負荷 は,脂質の品質に大きな影響は与えず,その酸化過程に顕著な影響を及ぼさないことを 明らかにした. O/W エマルション系における脂質の酸化に対して酸素の物質移動の影響が顕在化する 油滴径に対する定量的な規準はない.そこで最終の第 4 章では,リノール酸メチルおよ び α-リノレン酸メチルを用いて調製した O/W エマルションの油滴径がそれらの酸化過 程に及ぼす影響を検討した.油滴径が 1~30 μm の範囲では,リノール酸メチルの全酸 化過程および α-リノレン酸メチルの酸化過程の前半は自触媒型反応速度式で表現でき, 速度定数は油滴径に依存しないが,α-リノレン酸メチルの酸化過程の後半では酸素の化 学量論係数が大きくなるため,油滴径が増大すると油水界面での酸素の物質移動の影響 が顕在化することを明らかにした.また,その影響は異相系触媒反応に対する触媒有効 係数と同様の概念で定量的に評価できることを示した.. 注)論文内容の要旨と論文審査の結果の要旨は1頁を38字×36行で作成し,合わせて, 3,000字を標準とすること. 論文内容の要旨を英語で記入する場合は,400~1,100wordsで作成し 審査結果の要旨は日本語500~2,000字程度で作成すること.. - 2 -.

(4) (続紙 2 ) (論文審査の結果の要旨) 脂質の酸化は脂質を含有する食品の品質劣化の要因の一つである.バルク系におけ る液深やO/Wエマルション系における油滴径などが脂質の酸化速度に及ぼす影響につ いては定性的な説明がなされているが,定量的な知見は少ない.本研究では,リノー ル酸メチルおよびα-リノレン酸メチルを対象として,それらのバルク系およびO/Wエ マルション系での酸化速度に及ぼす諸因子の影響を速度論的に検討した.成果として 評価すべき点は次のとおりである. 1.バルク系でのリノール酸メチルの酸化挙動に及ぼす液深または液量の影響を定量 的に評価し,油−空気界面における酸素の物質移動が顕在化する液深はThiele数に相 当する無次元パラメータにより推算できることを示した.また,酸素分圧がリノール 酸メチルの酸化挙動に及ぼす影響についても定量的に表現した. 2.飽和脂肪酸を混合したリノール酸メチルの酸化過程では,飽和脂肪酸によるリノ ール酸メチルの希釈と飽和脂肪酸の揮発による体積変化の両者を考慮することによ り,リノール酸メチルの酸化過程を精度よく予測できることを示した. 3.種々の乳化操作がリノール酸メチルの酸化過程に及ぼす影響を検討し,機械的な ストレスはリノール酸メチルの酸化過程に影響を及ぼさないことを示した. 4.リノール酸メチルまたはα-リノレン酸メチルのO/Wエマルション系での酸化に及 ぼす油滴径の影響を検討し,それぞれの酸化過程が自触媒型反応速度式で表現できる 範囲では,酸化反応に対する速度定数は油滴径に依存しないが,α-リノレン酸メチル の酸化過程の後半では酸素の化学量論係数が大きくなるため,油滴径が増大すると油 水界面での酸素の物質移動の影響が顕在化することを示した. 以上のように本研究は,バルク系およびO/Wエマルション系での脂質の酸化速度に 及ぼす液深や油滴径の影響を定量的に評価したものであり,脂質を含有する食品の品 質保持に対して新たな知見を得たものであり,農産製造学,食品物理化学,油脂科学 に寄与するところが大きい. よって,本論文は博士(農学)の学位論文として価値あるものと認める. なお,平成26年1月14日,論文並びにそれに関連した分野にわたり試問した結 果,博士(農学)の学位を授与される学力が十分あるものと認めた.. 注)論文内容の要旨,審査の結果の要旨及び学位論文は,本学学術情報リポジトリに掲 載し,公表とする. ただし,特許申請,雑誌掲載等の関係により,要旨を学位授与後即日公表すること に支障がある場合は,以下に公表可能とする日付を記入すること. 要旨公開可能日: 年 月 日以降(学位授与日から3ヶ月以内). - 3 -.

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