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ロコモティブシンドロームの重症度と転倒頻度,低骨密度およびサルコぺニアの関連性について

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Academic year: 2021

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(1)理学療法学 第 38 43 巻第 1 号 38 ∼ 46 頁(2016 年) 理学療法学 第 43 巻第 1 号. 研究論文(原著). ロコモティブシンドロームの重症度と転倒頻度, 低骨密度およびサルコぺニアの関連性について* 松 本 浩 実 1)# 中 祖 直 之 2) 松 浦 晃 宏 2) 2) 1)3) 秋 田 朋 子  萩 野   浩. 要旨 【目的】ロコモティブシンドローム(以下,ロコモ)の重症度と転倒頻度,低骨密度およびサルコペニア との関連性を調査すること。【方法】地域在住の高齢者 217 名を研究対象とした。対象者を非ロコモ群, プレロコモ群,ロコモ群の 3 群に群分けし,転倒頻度,低骨密度およびサルコペニアの有病率を調査し た。転倒,低骨密度およびサルコペニア,それぞれの有無を従属変数,ロコモ 3 群を独立変数とし,年齢, 性別で調整した二項ロジスティック回帰分析を行った。【結果】非ロコモ,プレロコモ,ロコモの転倒頻 度はそれぞれ 13.8%,14.3%,34.2%,低骨密度は 32.5%,23.2%,57.9%,サルコペニアは 3.3%,3.6%, 15.8%であった。二項ロジスティック回帰分析では,転倒とロコモが有意に関連し,非ロコモがロコモと なった場合の転倒リスクは約 3.5 倍であった。【結論】年齢,性別を問わずロコモに対する転倒予防対策 が必要である。 キーワード ロコモティブシンドローム,転倒,低骨密度,サルコペニア. はじめに. 広く国民に運動器の健康について関心をもたせるための メッセージでもある。.  ロコモとは 2007(平成 19)年に日本整形外科学会が.  加齢に伴う運動器の基礎的組織の量的減少と質的劣化. 提唱した「運動器の障害により要介護になるリスクが高. は軟骨,骨,筋肉において進行する。軟骨では変形性関. くなった状態」を示した概念で,運動器全体の衰えによ. 節症,骨では骨粗鬆症といった運動器疾患,筋肉ではサ. り歩行能力やバランス機能低下をきたし,転倒,骨折に. 2) ルコペニアが発生する 。その結果,運動機能が低下す. よる要介護移行へのリスクが高まっている状況を指. ることでロコモとなり,要介護状態へ陥ることが考えら. す. 1). 。高齢者は加齢に伴い複数の運動器疾患を併発する. ことが多いことから,各運動器疾患のみの治療に焦点を. れる。特に変形性膝関節症は高齢者における罹患率も高 く. 3). ,ロコモの関連因子としてすでに報告されてい. 4‒6). 。一方,骨粗鬆症による椎体骨折では脊柱変形に. 向けるだけでなく,運動器全体の衰えからくる動作能力. る. 低下,生活機能低下に着目して治療介入を行っていく必. 7) よって心肺機能が低下し,運動耐容能が低下する 。ま. 要性があることをロコモの概念は示している。さらに,. た低骨密度である高齢者は骨密度が正常な高齢者群と比. *. Relationship between Severity of Locomotive Syndrome and the Incidence of Falling, Prevalence of Low Bone Mass, and Sarcopenia 1)鳥取大学医学部附属病院リハビリテーション部 (〒 683‒8504 鳥取県米子市西町 36‒1) Hiromi Matsumoto, PT, PhD, Hiroshi Hagino, Dr, PhD: Department of Rehabilitation, Tottori University Hospital 2)大山リハビリテーション病院リハビリテーション部 Naoyuki Nakaso, PT, MS, Akihiro Matsuura, PT, MS, Tomoko Akita, PT, BS: Department of Rehabilitation, Daisen Rehabilitation Hospital 3)鳥取大学医学部保健学科 Hiroshi Hagino, Dr, PhD: School of Health Science, Faculty of Medicine, Tottori University # E-mail: h.matsumoto@med.tottori-u.ac.jp (受付日 2015 年 6 月 10 日/受理日 2015 年 10 月 19 日) [J-STAGE での早期公開日 2015 年 12 月 12 日]. 較し,歩行中のストライド時間にばらつきが生じてい る. 8). ことから,骨粗鬆症患者は脊柱のアライメント変. 化を背景にバランス機能,運動機能が低下していること が明らかとなっている. 9). 。また,サルコぺニアは四肢骨. 格筋量の低下に加え,筋力低下もしくは運動能力の低下 を伴うものであり. 10). いて有病率が高く. 11). ,要介護者や運動器疾患患者にお. ,ロコモとの関連性が示唆される。. さらに低骨密度とサルコペニア両者の共存性は非常に強 く,骨粗鬆症患者の 29.7%はサルコぺニアを併発し 主たる骨粗鬆症性脆弱性骨折である大. 12). ,. 骨近位部骨折患. 者では女性の 64.0%,男性の 95.0%がサルコペニアで.

(2) ロコモティブシンドロームと転倒,低骨密度およびサルコペニア. 39. あったと報告されている 13)。以上より,低骨密度とサ. 2.方法. ルコぺニアもロコモを重症化させる主要因であると考え.  特定健診および後期高齢者健診のデータベースより年. られるが,それらが実際にロコモと関連しているかは未. 齢,性別,身長,体重,Body Mass Index(BMI) ,喫. だ十分な報告がない。. 煙習慣,飲酒習慣,血清アルブミン値および内科的併存.  さらに,低骨密度とサルコぺニアは転倒リスクを高め. 疾患の有無(高血圧,高コレステロール血症,糖尿病,. ることも報告されている。骨粗鬆症女性の転倒頻度は. 心疾患,脳血管疾患)を抽出した。さらに自己記入式ア. 30%以上. 8)14). であり,一般高齢者と比較すると高い頻. ンケートおよび問診にて,現在の服薬状況(睡眠導入剤,. 度である。さらに 60 歳以上 133 名の骨粗鬆症女性にお. 利尿剤,骨粗鬆症治療薬) ,運動器疾患の診断歴(変形. いて,年間 51%の転倒が発生し,骨粗鬆症を有しない. 性膝関節症,変形性股関節症,骨粗鬆症,脊柱管狭窄症,. コントロール群(21%)と比較し転倒頻度は有意に高. 変形性腰椎症,関節リウマチおよび既存骨折)を聴取し. 15). 。さらにサルコぺニアを有す. た。 足 腰 の 痛 み の 有 無 に つ い て は Visual Analogue. るものはサルコぺニアでないものと比較し,転倒リスク. Scale(以下,VAS)を用い,「現在,足腰などに痛みが. かったとの報告もある. が男性で約 4 倍,女性で約 2 倍高くなり 倒頻度も高いことが明らかとなっている. 16). ,実際の転. ありますか?」との問いに,「痛みなし」を左端,これ. 。以上より,. までに経験した「もっとも激しい痛み」を右端とした. 17). 骨粗鬆症,サルコぺニアの存在はロコモを重症化させる. 100 mm の線に対して,現在の痛みの程度に該当する場. だけでなく,易転倒性も増加させることから,ロコモ,. 所に線を引かせ回答させた。. 低骨密度,サルコペニアおよび転倒発生の間には密接な.  ロコモの判定基準は 2015 年 5 月に日本整形外科学会. 因果関係があると考えられる。しかしながら,実際にロ. から「立ち上がりテスト」 ,「2 ステップテスト」 ,「ロコ. コモが重症化すると,どの程度転倒頻度が上昇するの. モ 25」を用いた判定法が発表されたが,本研究の実施. か,さらにロコモでないものと比較し,ロコモ前段階の. 期間はその発表以前であったため,ロコモの判定には星. もの,さらにロコモとなったものがどの程度,低骨密度. 地ら. やサルコぺニアを合併しているのかは調査されておら. を用いた(表 1) 。ロコモ 5 は信頼性,妥当性の検証が. ず,その関係性も不明である。もし転倒頻度や低骨密度. なされている質問紙ロコモ 25 の簡易版で,ロコモ判別. およびサルコぺニア有病率がロコモの重症度によって大. スクリーニングとして用いることが可能であり. きく異なれば,ロコモの重症度判別によって,それらに. 団検診時やロコモ 25 の回答に時間を要する高齢者が多. 対する効果的な理学療法介入が考案でき,ロコモの重度. い場合でのロコモ判別に適している. 化による要介護への移行を未然に予防できる可能性が. の質問項目は,赤池の情報規準量を用いて構成概念妥当. ある。. 18). の開発した簡易スクリーニング法「ロコモ 5」. 19). ,集. 18)19). 。ロコモ 25. 性の検証が行われており, 「痛み」, 「不安」, 「室内動作」 ,.  本研究の目的はロコモの重症度と転倒頻度,低骨密度. 「身の回りのこと」 ,「活動参加」の 5 つのドメインにク. およびサルコぺニア有病率を調査し,それらの関連性を. ラスター化された。各クラスター間でもっとも結びつき. 明らかにすることである。. の強い 5 問を抽出して開発されたものがロコモ 5 であり,. 方   法. ロコモ 5 はロコモ 25 全体の質問を代表し得る質問紙で ある。各 5 問が 0 ∼ 4 点の順序尺度で合計 20 点となる。. 1.対象. ロコモ 5 はロコモ 25 との高い相関性が認められており,.  平成 26 年度鳥取県日野町における特定健診および後. ロコモ 25,ロコモ 5 双方のロコモ判別カットオフ値を. 期高齢者健診受診者を研究対象とした。鳥取県日野町は. もとに感度,特異度を算出した場合,それぞれ 85.9%,. 鳥取県西部の山間部に位置し,高齢化率 45%と,県内. 98.5%と報告されている. でも 2 番目に高齢化が進んでいる自治体である。全町民. た質問項目は,将来の要介護移行者を予測できるアン. における特定健診および後期高齢者健診受診該当者のう. ケートとして有用であることも報告されている. ち,介護保険による要介護認定者を除外した 1,470 名に,.  ロコモ 5 のロコモ判別のカットオフ値 6 点以上を「ロ. 事前に研究案内を郵送した。実際に健診を受診した 273. コモ群」 ,3 点以上 6 点未満を「プレロコモ群」 ,3 点未. 名中,1)運動検査が実施可能,2)我々の調査アンケー. 満を「非ロコモ群」として,対象者を 3 群に群分けし. トに自己記入可能かつ 3)本研究への参加に同意した. た. 19). 。さらに,ロコモ 5 に準じ 20). 。. 18)21). 。ロコモの重症度については,整形外科専門医. 217 名(男性 80 名,女性 137 名,年齢 73.4 歳)が本研. によって区分された 6 段階の運動機能障害度における. 究へ参加した。本研究は鳥取大学医学部倫理審査委員会. 「無症状」 「整形外科的愁訴があるが歩行・移動に支障の. の承認を得て行った(No. 2354) 。. ないもの」 「歩行・移動に障害があるが自立しているも の;特定高齢者相当」 「要支援相当」 「要介護 1」 「要介護 2」のうち,プレロコモは「整形外科的愁訴があるが歩.

(3) 40. 理学療法学 第 43 巻第 1 号. 表 1 ロコモ 5 質問紙 「お体の状態」と「ふだんの生活」について,手足や背骨のことで困難なことがあるかどうかをおたずね します。この1ヵ月の状態を思い出して以下の質問にお答え下さい。それぞれの質問に,もっとも近い回 答を1つ選んで,□に㾎をつけて下さい。 1.階段の昇り降りはどの程度困難ですか。 □ 困難でない □ 少し困難 □ 中程度困難 □ かなり困難 □ ひどく困難 2.急ぎ足で歩くのはどの程度困難ですか。 □ 困難でない □ 少し困難 □ 中程度困難 □ かなり困難 □ ひどく困難 3.休まずにどれくらい歩き続けることができますか(もっとも近いものを選んで下さい)。 □ 2 ∼ 3 km 以上 □ 1 km 程度 □ 300 m 程度 □ 100 m 程度 □ 10 m 程度 4.2 kg 程度の買い物(1 リットルの牛乳パック 2 個程度)をして持ち帰ることはどの程度困難ですか。 □ 困難でない □ 少し困難 □ 中程度困難 □ かなり困難 □ ひどく困難 5.家のやや重い仕事(掃除機の使用,ふとんの上げ下ろしなど)は,どの程度困難ですか。 □ 困難でない □ 少し困難 □ 中程度困難 □ かなり困難 □ ひどく困難 各 5 問が 0 ∼ 4 点で,合計 20 点満点(最高点 0 点、最低点 20 点). 行・移動に支障のないもの」 ,ロコモは「歩行・移動に. し立位で測定した。対象者は握力計を握り,上肢を体側. 障害があるが自立しているもの;特定高齢者相当」にあ. より約 20 度外転した姿勢で測定を行った。左右 2 回ず. たることが統計学的に分析され,定義されている. 18)21). 。. つ計測し,最高値を代表値とした。歩行速度は光学式歩.  転倒については過去 1 年間での転倒経験の有無を聴取. 行分析装置(Microgate 社製,オプトゲイト)を用いて. した。転倒の定義は「歩行や動作時に意図せずにつまず. 測定した。助走路,減速路それぞれ 2 m ずつを含む. いたり,滑ったりして,床,地面もしくはそれより低い. 9 m の直線の歩行路を快適速度で歩行させ,中 5 m 間. 位置に手やおしりなど体の一部がついたすべての場合」. の歩行速度を専用ソフトウエアで解析して算出した。上. とした. 22). 2. 。. 記の検査より,補正四肢骨格筋量低下(男性 7.0 kg/m.   骨 量 評 価 と し て 定 量 的 超 音 波 法(quantitative. 未満,女性 5.7 kg/m2 未満)のある者のうち,握力低下. ultrasound:以下,QUS) (古野電気社製,CM-200)に. (男性 26 kg 未満,女性 18 kg 未満)もしくは歩行速度. よる踵骨の骨密度測定を行った。QUS は X 線の被爆な. 低下(0.8 m/s 以下)のあるものをサルコペニアと定義. く非侵襲的に骨量をスクリーニングできる装置である. した。. が,dual-energy X-ray absorption(以下,DXA)法と 異なり骨粗鬆症の診断に用いることはできない。しかし. 3.統計学的分析. ながら QUS での評価結果は骨折リスクをよく予測する.  非ロコモ,プレロコモ,ロコモの 3 群間の変数比較を. ことから,骨密度を反映する指標とされ,さらに DXA. カイ二乗検定,一元配置分散分析を用いて行った。それ. の診断率と 60%以上一致することから検診などで一般. ぞれ 3 群間に有意差があったものに関して,事後検定と. 23)24). 。対象者は座位姿勢をとり右. して,カイ二乗では Bonferroni 法を用いて補正し(p. 足踵骨の両側にカップリングジェルをつけた状態で. 値 0.0166 未満を有意とした) ,一元配置分散分析では. QUS の 超 音 波 測 定 台 に 足 を の せ て 骨 量 を 測 定 し た。. Tukey 法を用い,等分散が仮定されなかった場合は. QUS にて算出された超音波速度値(Speed Of Sounds:. Games-Howell 法を用いた。なお 3 群間の比較において. SOS)を用いて算出された Young Adults Mean(以下,. 正規性の認められなかった場合は Kruskal-Wallis 検定を. YAM)値にて,QUS を使用した骨検診のガイドライン. 行った。転倒頻度,低骨密度およびサルコぺニアそれぞ. における「要精密検査」に該当する YAM 値 70%未満. れの有無を従属変数,独立変数であるロコモ 3 群をダ. 的に用いられている. を低骨密度と定義した. 25). 。.  サルコぺニアは Asian Working Group for Sarcopenia. ミー変数化し,非ロコモがプレロコモもしくはロコモと 10). なった場合のオッズ比を年齢,性別で調整した二項ロジ. の定義に即して判別した。まずインピーダンス法による. スティック回帰分析にて算出した。分析は統計ソフト. 筋肉量測定を体組成計(Tanita 社製,MC-780)を用い. (IBM 社製,SPSS for windows ver22)を使用して行い,. て行った。対象者は裸足となり,体組成計上で約 30 秒 間の立位姿勢を保持し四肢筋肉量を測定した。さらに四 肢筋肉量を身長の二乗で除し補正四肢骨格筋量を算出し た。握力は握力計(竹井機器社製,T.K.K 5401)を使用. 有意水準は 5%とした。.

(4) ロコモティブシンドロームと転倒,低骨密度およびサルコペニア. 41. 表 2 基本的情報の群間比較  . 非ロコモ(n=123). プレロコモ(n=56). ロコモ(n=38). p値. 71.9(8.2). 72.9(7.4). 79.4 (7.4). <0.001. 54/69. 16/40. 10/28. 身長(cm). 156.9(8.8). 154.3(8.9). 148.9 (8.1). <0.001. 体重(kg). 54.4(10.0). 52.5(8.2). 50.3 (8.9). 0.056. BMI(kg/m2). 21.9(2.5). 22.9(2.7). 22.6 (3.0). 0.384. 喫煙習慣(%). 11.7. 3.6. 2.6. 0.093. 飲酒習慣(%). 14.0. 10.9. 5.3. 0.233. 睡眠導入剤(%). 11.4. 19.6. 23.7. 0.121. 利尿剤(%). 4.1. 7.1. 10.5. 0.312. 骨粗鬆症治療薬(%). 5.7. 8.9. 23.7. 0.005. 4.43(0.29). 4.39(0.26). 4.32 (0.23). 0.088. 年齢(歳) 性別(男性 / 女性). 血清アルブミン値(g/dl). 0.048. 事後検定 b) c) * b) c). b). 平均(標準偏差) a)非ロコモとプレロコモ間に有意差あり b)非ロコモとロコモ間に有意差あり c)プレロコモとロコモ間に有意差あり * 群間差なし BMI: Body Mass Index. 表 3 運動器疾患の罹患率  . 非ロコモ(n=123). プレロコモ(n=56). ロコモ(n=38). p値. 変形性膝関節症(%). 10.6. 16.1. 39.5. <0.001. 変形性股関節症(%). 2.4. 3.6. 15.8. 0.004. 骨粗鬆症(%). 8.9. 3.6. 28.9. <0.001. 脊柱管狭窄症(%). 5.7. 10.7. 10.5. 0.405. 変形性腰椎症(%). 1.6. 3.6. 2.6. 0.716. 関節リウマチ(%) 既存骨折(%) VAS(mm). 1.6. 3.6. 2.6. 0.716. 18.7. 21.4. 31.6. 0.242. 0 0 ‒ 93) (. 10 (0 ‒ 67). 46(0 ‒ 96). <0.001. 事後検定 b) c) b) b) c). a)b)c). 中央値 (最少−最大) a)非ロコモとプレロコモ間に有意差あり b)非ロコモとロコモ間に有意差あり c)プレロコモとロコモ間に有意差あり VAS: Visual Analogue Scale. 結   果. 2.併存疾患の群間比較  表 3,4 に運動器疾患罹患率と内科的併存疾患の有無. 1.基本的情報の群間比較. を示す。変形性膝関節症は非ロコモ群とロコモ群,プレ.  ロコモ 5 でロコモの重症度を判別した結果,非ロコモ. ロコモ群とロコモ群間に有意差があり,ロコモ群はその. が 123 名(56.7%) ,プレロコモが 56 名(25.8%) ,ロコ. 罹患率が 39.5%ともっとも高値であった。変形性股関節. モが 38 名(17.5%)であった。表 2 に基本的情報の群間. 症は非ロコモ群とロコモ群間に有意な差があり,ロコモ. 比較を示す。年齢は非ロコモ群とロコモ群,プレロコモ. 群は 15.8%ともっとも高値であった。骨粗鬆症の診断も. 群とロコモ群間に有意差があり,ロコモ群が 79.4 歳と. 非ロコモ群とロコモ群,プレロコモ群とロコモ群間に有. もっとも高齢であった。身長は非ロコモ群とロコモ群,. 意差があり,ロコモ群が 28.9%ともっとも高値であっ. プレロコモ群とロコモ群間に有意差があり,それぞれロ. た。足腰の痛みを示す VAS は,すべての群間に有意差. コモ群は有意に低身長であった。さらにロコモ群は非ロ. があり,ロコモ群がもっとも高かった。内科的併存疾患. コモ群と比較し,有意に骨粗鬆症治療薬の服薬率が高. では脳血管疾患の併存率が非ロコモ群とプレロコモ群,. かった。他の基本項目には統計学上有意な差はなかった。. 非ロコモ群とロコモ群において有意差があり,ロコモ群 がもっとも高値であった。.

(5) 42. 理学療法学 第 43 巻第 1 号. 表 4 内科的疾患の併存率  . 非ロコモ(n=123). プレロコモ(n=56). ロコモ(n=38). p値. 高血圧(%). 30.9. 30.4. 50.0. 0.075. 事後検定. 高コレステロール血症(%). 22.8. 23.2. 23.7. 0.992. 糖尿病(%). 5.7. 3.6. 0.0. 0.297. 心疾患(%). 5.7. 12.5. 15.8. 0.105. 脳血管疾患(%). 0.0. 7.1. 10.5. 0.003. a) b). a)非ロコモとプレロコモ間に有意差あり b)非ロコモとロコモ間に有意差あり c)プレロコモとロコモ間に有意差あり. 表 5 転倒頻度,低骨密度およびサルコぺニア有病率  . 非ロコモ(n=123). プレロコモ(n=56). ロコモ(n=38). p値. 転倒頻度(%). 13.8. 14.3. 34.2. 0.012. b) c). 低骨密度(%). 32.5. 23.2. 57.9. 0.002. b) c). 3.3. 3.6. 15.8. 0.010. b). サルコペニア(%). 事後検定. a)非ロコモとプレロコモ間に有意差あり b)非ロコモとロコモ間に有意差あり c)プレロコモとロコモ間に有意差あり. 表 6 二項ロジスティック回帰分析. 転倒頻度. ロコモ重症度. B. Wald. Odds. 95% CI. p値. プレロコモ. 0.140. 0.088. 1.151. 0.456 ‒ 2.902. 0.766 0.009. ロコモ 低骨密度. サルコぺニア. プレロコモ. 1.263. 6.866. 3.538. 1.375 ‒ 9.103. ‒ 0.726. 3.480. 0.484. 0.226 ‒ 1.038. 0.062 0.214. ロコモ. 0.531. 1.546. 1.701. 0.736 ‒ 3.927. プレロコモ. 0.191. 0.040. 1.211. 0.185 ‒ 7.936. 0.842. ロコモ. 0.817. 1.092. 2.265. 0.489 ‒ 10.493. 0.296.   年齢,性別で調整 B:係数. 3.転倒頻度,低骨密度およびサルコぺニア有病率. (Odds:1.151,95 % CI:0.456 ‒ 2.902,p = 0.766) ,ロコ.  全体の 17.5%(38 名/ 217 名中)がこの 1 年間で 1. モになると約 3.5 倍の転倒リスクとなった(Odds:3.538,. 回以上転倒していた。表 5 に転倒頻度,低骨密度および. 95% CI:1.375 ‒ 9.103,p = 0.009) 。一方,ロコモと低骨. サルコぺニア有病率を示す。転倒頻度は非ロコモとロコ. 密度,サルコペニアとの間には有意な関連性は見られな. モ群,プレロコモ群とロコモ群間に有意差があり,ロコ. かった。. モ群はもっとも転倒頻度が高かった。低骨密度は全体の 30.9%(67 名 /217 名中)が該当し,その有病率は非ロ. 考   察. コモ群とロコモ群,プレロコモ群とロコモ群間に有意差. 1.ロコモの判別率について. があり,ロコモ群がもっとも高値であった。サルコぺニ.  ロコモ群は非ロコモ,プレロコモ群と比較し年齢が高. アには全体の 5.5%(12 名 /217 名中)が該当し,非ロ. く,身長も有意に低い値を示した。過去のすべてのロコ. コモ群に対してロコモ群はサルコペニア有病率が有意に. モを調査した報告において,ロコモ群は非ロコモ群と比. 高かった。. 較し高年齢および低身長であり,本研究も同様の結果で あった. 4)6)26)27). 。この結果は,ロコモの原因である運. 4.二項ロジスティック回帰分析. 動器の衰えによる移動能力レベルの低下は加齢に伴って.  表 6 に年齢,性別で調整した二項ロジスティック回帰. 進行すること. 分析の結果を示す。転倒頻度について,非ロコモを基準. 潜在的な椎体骨折を引き起こし,身長減少につながった. とした場合,プレロコモでは有意な差はなかったが. と考える. 29). 28). 。. ,さらにそれに伴う骨脆弱化の進行が,.

(6) ロコモティブシンドロームと転倒,低骨密度およびサルコペニア.  本調査でのロコモ判別率は全体で 17.5%であった。ロ. 3.ロコモ重症度別の転倒頻度,低骨密度およびサルコ. コモの判別率については質問紙が異なると大きく差がで る。特にロコチェック. 30). を使用した場合,これが広く. 43. ペニア有病率について  ロコモは転倒の原因となることは周知されている 35). ,プレロコモ,ロコモになった場合の転倒頻度に. 一般的にロコモへの気づきを与えるためのチェックシー. が. トであることから過大にロコモと判別される可能性が高. 関しては過去に調査されていない。本研究の結果,その. い。実際にロコモの判別にロコチェックを使用した調査. 転倒頻度はロコモになると有意に高くなることが明らか. では,平均年齢 76.5 歳の高齢者群のうちの約 50%がロ. となった。さらにロコモ群の転倒頻度 34.2%は日本にお. コモと判別されている. 27). 。一方,2012 年以降,患者立. ける一般高齢者の転倒頻度が 10 ∼ 20%. 36). であること. 脚型自己記入式質問紙ロコモ 25 が開発されてからは,. からも非常に高い数値であることがわかった。. ロコモ 25 を使用したロコモ判別が多く報告されている。.  一方,低骨密度の罹患率は非ロコモが 32.5%に対して. 我々の研究地区と似通った山間部でのロコモ調査(平均. ロコモであると 57.9%と有意に高値であった。本邦にお. 67.6 歳)ではその判別率は 17.0%. 6)31). ,さらにインター. ける骨粗鬆症の発症率は加齢に伴い上昇し. 3). ,本研究と. ネットによるロコモ 25 を使用した全国大規模調査では. 同年代の 70 歳以降であると約 40%以上との報告もあ. 40 ∼ 70 歳代の成人全体で 10.2%,70 歳代では 16.3%が. る. ロコモに該当した. 32). 。一方,ロコモ 5 を使用した過去. の報告では,平均年齢 72.4 歳の高齢者群においてロコ 33). 12). 。ロコモになると加齢による骨量の低下に加えて,. 移動能力低下による不活動や生活習慣病の併発による骨 質の低下. 25). などのために,骨粗鬆症が進行している可. と,本研究同様,ロコモ 25 を用. 能性がある。さらに,ロコモ群における骨粗鬆症の診断. いた場合と同様の判別率を示していることから,我々が. 歴は 28.9%であるのに対し,骨密度測定での低骨密度者. 使用したロコモ 5 は,ロコモ 25 に準じた有効なロコモ. は 57.9%に上ることは実際よりも約 2 倍の骨粗鬆症患者. スクリーニング法であったと考える。同時に,本研究の. が地域に在住している可能性を示唆している。本研究に. 対象者は過去の報告同等の一般高齢者群であったことが. て,一般住民においてロコモが陽性と判別した場合は,. 示唆された。. 骨粗鬆症罹患も十分に高い可能性があることがわかった. モ判別率は 17.2%. ことから,ロコモに対して DXA を用いた骨密度測定の 2.ロコモ重症度と併存疾患について. 精査へ導く必要性がある。.  変形性膝関節症,変形性股関節症および骨粗鬆症の診.  サルコぺニアの有病率は非ロコモで 3.3%であるのに. 断歴は非ロコモ,プレロコモ群間には差がないものの,. 対してロコモであると 15.8%と有意に高値であった。本. ロコモになると高頻度となることが明らかとなった。そ. 邦における一般高齢者のサルコぺニアの有病率は男性で. の一方で,唯一足腰の痛みは,非ロコモとプレロコモの. 7.8%,女性で 10.2%,全体で 10%. 間で有意差があり,プレロコモ群は非ロコモと比較して. 15%. 高値であった。「プレロコモ」は整形外科的愁訴がある. のサンプルにおけるサルコペニア有病率はやや低値であ. が歩行・移動に支障のないものが該当する. 21). 。よって,. 12). 12)37). ,70 歳代では. と報告されている。これらと比較すると本研究. るものの,ロコモになると,サルコぺニアも合併してい. 運動器の痛みの自覚はロコモ発生への最初の入り口であ. る可能性があることが明らかとなった。. ると考えられ,プレロコモ段階で足腰の痛みに対して未.  本研究の結果より転倒頻度,低骨密度およびサルコペ. 治療であると,ロコモが重症化していく可能性もある。. ニアの有病率はプレロコモ段階では上昇せず,ロコモに. 一方で,プレロコモ段階で実際に運動器疾患に罹患し,. なることでそれらは同時に発生する可能性があることが. 症状が進行しロコモとなってしまった後に,病院を受診. 明らかとなった。これはプレロコモ群(72.9 歳)とロコ. し運動器疾患の診断を受けたという可能性も考えら. モ群(79.4 歳)に有意な年齢差があったことから推察す. れる。. ると,後期高齢以降,急速にホメオスターシスが崩れ,.  ロコモは心疾患罹患率や生活習慣病とも密接なつなが 26)34). 複数の身体器官が同時に衰えることが. 38). ,ロコモにな. 。一方,本研究で. るリスクを高めていると考える。加齢的背景がロコモ重. はロコモ群は非ロコモ群と比較し,脳血管疾患併存の割. 症化とこれらの頻度上昇に強く関係していることが示唆. 合が高いことが明らかとなった。本研究は横断的調査の. された。以上より,ロコモと判別された場合,ロコモで. ため,その因果関係は不明であるが,脳血管疾患後の活. ない場合と比較し易転倒性,低骨密度およびサルコぺニ. 動量の低下から運動器が衰え,それに加齢が加わること. アも疑えるため,すぐにそれらへの予防対策を講じる必. でロコモが重症化していった可能性がある。本研究はロ. 要があると考える。. りがあることが周知されている. コモ進行の背景に運動器疾患だけでなく,内科系疾患も 関与している可能性があることを示唆したと考える。.

(7) 44. 理学療法学 第 43 巻第 1 号. 4.ロコモ重症度と転倒頻度,低骨密度およびサルコぺ ニアの関連性について. 結   論.  年齢,性別で調整した二項ロジスティック回帰分析の.  非ロコモ,プレロコモ,ロコモ群それぞれの転倒頻度. 結果では,ロコモと転倒との間に有意な関連性があり,. は 13.8%,14.3%,34.2%,低骨密度は 32.5%,23.2%,. ロコモになると転倒リスクは 3.5 倍となることがわかっ. 57.9%,サルコぺニア有病率は 3.3%,3.6%,15.8%であり,. た。つまり,ロコモとなれば転倒リスクは年齢,性別に. それぞれ非ロコモとロコモ間に有意差があったことか. 関係なく上昇することが考えられる。ロコモの原因には. ら,ロコモと判別された場合,ロコモでない場合と比べ. 39)40). ,飲酒や喫煙などによ. て易転倒性であり,低骨密度およびサルコぺニアを伴っ. など数多くの加齢,性差を問わず. ている可能性がある。一方,年齢,性別で調整した二項. 発生する因子も存在する。よって,ロコモ重症化に伴う. ロジスティック回帰分析の結果では,ロコモと転倒との. 転倒を予防するためには,若年のうちからこれらの予防. 間に有意な関連性があり,非ロコモがロコモとなった場. 対策を実施していくことが重要であり,さらに若年で. 合,転倒リスクは 3.5 倍であった。ロコモになると年齢,. あってもロコモであれば,環境調整を含めた転倒予防対. 性別とは独立して,有意に転倒発生リスクが上昇するこ. 策を講じるべきである。一方で低骨密度とサルコぺニア. とから,年齢,性別を問わずロコモに対する予防理学療. は年齢,性別で調整するとロコモの重症度との有意な関. 法と転倒予防対策が必要である。一方,低骨密度とサル. 連性は見られなかった。よって,両者は加齢に伴って進. コぺニアはロコモ重症度よりも加齢,性別の影響を受け. 生活習慣病による体重増加 る血管系への影響. 41). 行し,また骨粗鬆症患者は女性に多く ニアは男性に多い. 13)37)42). 3)41). ,サルコぺ. やすい可能性があることが明らかとなった。. ことから,ロコモの重症度. よりも年齢,性別の影響を受けやすい可能性がある。 本研究の限界. 謝辞:本研究に対して貴重なご意見,ご指導をいただき ました鳥取大学医学部感覚運動医学講座教授 永島英樹 先生,同地域医療学講座教授 谷口晋一先生,同社会医.  本研究は地域の特定健診および後期高齢者健診受診者. 学講座教授 尾崎米厚先生,東京大学医学部附属病院. のみを対象にして実施したため,対象地区住民の特徴を. 22 世紀医療センター関節疾患総合研究講座吉村典子先. 反映したサンプルでない可能性もある。また,対象地区. 生,医療法人社団愛友会伊奈病院 整形外科部長 石橋. の高齢化率も高いことから,都市部や他の地区とは住民. 英明先生,また鳥取大学医学部附属病院リハビリテー. の特性が異なることが考えられる。. ション部,大山リハビリテーション病院,三朝温泉病院.  本研究ではロコモ判別臨床指標である「立ち上がりテ. の調査スタッフ,日野町健康福祉課および地域包括支援. スト」,「2 ステップテスト」,「ロコモ 25」を用いず,簡. センタースタッフに深く感謝いたします。. 易スクリーニング法「ロコモ 5」を用いた。そのため本.  本研究は平成 26 年度 文部科学省「地(知)の拠点. 研究におけるロコモ群は臨床指標で判別されたロコモ群. 整備事業」によって行われたものである。. とは完全に一致しない可能性がある。しかし,簡易スク リーニングを用いてロコモ判別をした場合でも,転倒や 低骨密度,サルコぺニアをよく判別できたことは,ロコ モ 5 のロコモスクリーニングとしての有用性を示したと いえる。今後は,「立ち上がりテスト」,「2 ステップテ スト」 ,「ロコモ 25」を用いた場合での転倒頻度,低骨 密度およびサルコペニアとの関連性を調査する必要があ る。また骨量と筋肉量の評価はそれぞれ QUS とイン ピーダンス法による機器を用いて行った。それぞれ DXA 法によって計測した場合と相関はあるものの,完 全に一致はしないため,DXA 法を用いたそれぞれの数 値とロコモとの関連についても検証する必要がある。  本研究は横断的研究であることから,ロコモ重症化と 転倒発生,低骨密度およびサルコぺニア発生との因果関 係は不明である。今後,前向き調査によってロコモの発 生,重症化に影響を及ぼす因子およびそれに対する低骨 密度,サルコぺニアの影響度を調査していく必要が ある。. 文  献 1)Nakamura K: A “super-aged” society and the “locomotive syndrome”. J Orthop Sci. 2008; 13: 1‒2. 2)Harada A: Epidemiology of bone and joint disease ‒ the present and future‒. Epidemiology of sarcopenia. Clin Calcium. 2014; 24: 669‒678. 3)Yoshimura N, Muraki S, et al.: Prevalence of knee osteoarthritis, lumbar spondylosis, and osteoporosis in Japanese men and women: the research on osteoarthritis/ osteoporosis against disability study. J Bone Miner Metab. 2009; 27: 620‒628. 4)Sasaki E, Ishibashi Y, et al.: Evaluation of locomotive disability using loco-check: a cross-sectional study in the Japanese general population. J Orthop Sci. 2013; 18: 121‒ 129. 5)Muramoto A, Imagama S, et al.: Threshold values of physical performance tests for locomotive syndrome. J Orthop Sci. 2013; 18: 618‒626. 6)Hirano K, Imagama S, et al.: The influence of locomotive syndrome on health-related quality of life in a communityliving population. Mod Rheumatol. 2013; 23: 939‒944. 7)Ensrud KE, Thompson DE, et al.: Prevalent vertebral.

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(9) 46. 理学療法学 第 43 巻第 1 号. 〈Abstract〉. Relationship between Severity of Locomotive Syndrome and the Incidence of Falling, Prevalence of Low Bone Mass, and Sarcopenia. Hiromi MATSUMOTO, PT, PhD Department of Rehabilitation, Tottori University Hospital Naoyuki NAKASO, PT, MS, Akihiro MATSUURA, PT, MS, Tomoko AKITA, PT, BS Department of Rehabilitation, Daisen Rehabilitation Hospital Hiroshi HAGINO, Dr, PhD School of Health Science, Faculty of Medicine, Tottori University. Purpose: The purpose of this study was to clarify the relationship between severity of locomotive syndrome and the incidence of falling, prevalence of low bone mass, and sarcopenia. Methods: Two-hundred seventeen elderly adults who received town-sponsored health checkups participated in this study. A self-administered questionnaire (Locomo 5) was used to identify locomotive syndrome and categorize the participants as follows: non-locomotive syndrome group, prelocomotive syndrome group, and locomotive syndrome group. The incidence of falling, prevalence of low bone mass, and sarcopenia were assessed. Multiple regression analysis, adjusted for age and gender, was performed to clarify the relationship between the severity of locomotive syndrome and risk of falling, prevalence of low bone mass, and sarcopenia. Results: In the non-locomotive, pre-locomotive, and locomotive syndrome groups, the incidence of falling was 13.8% , 14.3% , and 34.2% , the prevalence of osteoporosis was 32.5% , 23.2% , and 57.9% , and the prevalence of sarcopenia was 3.3 % , 3.6 % , and 15.8 % , respectively. Based on the multiple regression analysis adjusted for age and gender, there was a significant relationship between the risk of falling and locomotive syndrome compared with the non-locomotive and pre-locomotive syndrome groups. Conclusion: Elderly adults with locomotive syndrome had a higher risk of falling, and locomotive syndrome is an independent risk factor for falling, even when adjusted for age and gender. Thus, there is a need for fall prevention and physical therapy for elderly adults with locomotive syndrome. Key Words: Locomotive syndrome, Falling, Low bone mass, Sarcopenia.

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