11.1. 公社債計算の前提条件
11.1.1. 期間の考え方
(1)経過日数 日数計算を行う場合は、片落しが原則である。 * 98 年 7 月 15 日から同年 12 月 20 日までの日数は、 158 日 7/15 12/20 * 99 年 11 月 10 日から 2000 年 3 月 31 日までの日数は、 11/10 3/31 ただし2000 年は閏年なので 1 日を加える。 141 + 1 = 142 142 日 (2)残存期間 残存期間の表現には、残存日数(未経過日数)と残存年数がある。 *償還日2000 年 3 月 27 日の割引金融債の 99 年 12 月 10 日における残存日数(未経過 日数)は、 451 – 344 = 107 日 2000 年は閏年のため 1 日加え、 107 + 1 = 108 108 日 * 償還日 2000 年 6 月 27 日の利付金融債の 98 年 12 月 20 日における残存年数は、1 + 189365 = 1.517808219 1.5178082 年 長期の残存期間の計算は、閏年の一日の加算は行わない (3)期間と利回りの対応 利回りを日歩で求める場合、期間は日数建となり、年利で求める場合、期間は年数建 となる。同様に計算式の中で日歩を用いる場合には、期間を日数建にし、年利を用いる 場合には年数建にする。 (4)日数計算を両端入れで算出するのは下記の場合である ① 割引金融債、政府短期証券の理論価格計算 ② 長期国債、中期(入札)国債の初期利払日までの経過日数計算 (5)日数計算で閏年を考慮するのは下記の場合である ① 発行から償還までの期間一年以内の債券の未経過日数の算出 ② 経過利息計算の経過日数の算出 ③ 現先取引のスタートからエンドまでの期間の算出 ④ 初期利金および終期利金の期間の算出 ⑤ 残存期間一年未満の利付債券の未経過日数の算出
11.1.2. 経過利息の計算
(1)基本式 経過利息 = R(クーポン)* 直前利払日 ∼ 受渡日 365 * 額面100 小数点以下7 桁まで算出する(8 桁目切り捨て) ① 非課税法人の場合 所得税法第11 条に定める非課税法人の売買については、経過利息の計算は所得期間 対応分(登録をした期間)のみ非課税計算を行う。 ② 指定金融機関の場合 登録債(指定金融機関名義) → 非課税計算 本券 → 課税計算 ③ 上記以外の場合 すべて課税計算を行う。 (2)課税計算式 経過利息 = R * 0.8 * 直前利払日 ∼ 受渡日 365 * 額面 100 小数点以下7桁まで算出する(8 桁目切り捨て) (源泉税率 20%) 利付債を利払日と利払日の途中を受渡日として売買する場合、買方は前回利払日の翌 日から受渡日まで(経過日数)の日割で計算された利子相当分を売方に支払う。 nR * 365 を 100 円あたりの経過利息指数といい、円未満 7 桁まで算出し計算を行う。n (8 桁以下切り捨て) <例> 5.5%クーポン金融債(利払日 5/11-27、登録債)の額面 1 億円を受渡日 8 月 10 日付 で証券会社が買い付けた。証券会社が支払う経過利息を ①都銀 ②事業法人 それぞれ 求めよ。 ① 都銀の場合(指定金融機関) 75 日 5/27 8/10 11/27 経過日数 5/27 ∼ 8/10 → 75 日 100 円当りの経過利息 5.5 * 365 = 1.1301369875 (8 桁目以下切捨て) (1.1301369 * 100,000,000) 100 = 1,130,136.9(切捨て) 答1,130,136 円 ② 事業法人の場合(課税法人) 100 円当りの経過利息 5.5 * 365 * 0.8 = 0.9041095875 (0.9041095 * 100,000,000) 100 = 904,109.5 答904,109 円 (注) 非課税法人より買付た債券(本券、登録債ともに)及び指定金融機関より買付けた 登録債を一般法人(課税法人)に課税扱いで売却すると、経過利息勘定で損が発生 する。 登録債(指定金融機関より買付) → 当社 → 課税法人× 売却 本券、登録債(非課税法人) → 当社 → 課税法人×
上の例で都銀から買付けた登録債を事業法人に売却すると、 当社の支払(非課税)1,130,136 当社の受取(課税) 904,109 当社の損 △226,027 (注 1) 転換社債の取引所取引は非課税法人であっても経過利息は課税計算を行う。 (注 2) 指定金融機関とは、租税特別措置法第八条第一項第二項及び同法施行令第三条の 四に規定する金融機関をいう。銀行、信託銀行、信用金庫、労働金庫、信用組合、 農協、信連、共済連、漁協、生保、損保、証券会社、証券金融会社等である。これ ら指定金融機関名義の登録債についてその利子計算期間の中で登録されている期間 に付いて、利子に対する源泉徴収されない。
11.1.3. 初期、終期利金の求め方
債券の中には、発行日から最初の利払日までの期間が、ちょうど半年(年 2 回利払の 場合)や一年(年1 回利払の場合)にならずに、端数の期間が生じることがある。この 場合の初期利金は、第2 回め以降と異なる。利息は、発行日から最初の利払日までの日 数の割合で支払われる。 また、政保債のように毎月発行される債券には、利払日が年2回の一定期日に固定さ れているため、第1 回目の利息及び償還時の利息が途中の利息と異なることがある。 償還時の端数利息は終期利金と呼ばれ前利払日から償還日までの日数の割合で支払わ れる。 初期利金、終期利金の計算方法は債券によって異なる。国債の初期利金のみが「両端 入れ」で他の債券は「片端入れ」の日数計算をする。また、国債の場合でも分母は必ず365 日である。端数利息円未満の扱いは、銘柄、券種によって異なる。 (1)国債の初期利金 ① 発行日から初期利払日までが半年超のケース n R2 発行日 応答利払日 初期利払日 初期利金 = R2 + R * n + 1365<例> 第 142 回利付国債(利率 6.7%, 発行日 91 年 7 月 22 日利払 3/9-20 最初の利払日 92 年3 月 20 日)の初期利金を求めよ。 初期利金 = 6.72 + 6.7 * 60 + 1365 = 4.4697260 利払指数は4.4697260 (注) 初期利息は、券種ごとに円未満を切り捨て以下のように調整される。(利払指数 4.4697260) 5 万円券種 2,234 円 ← (4.4697260 * 50,000)100 10 万円券種 4,469 円 100 万円券種 44,697 円 1000 万円券種 446,972 円 1 億円券種 4,469,726 円 10 億円券種 44,697,260 円 ② 発行日 = 応答利払日のケース 初期利金 = R2 + R * 365 1 ③ 発行日から初期利払日までが半年以内のケース n 応答利払日 発行日 初期利払日 初期利金 = R * n + 1365
(2)国債以外の一般債(年 2 回利払もの) ① 発行日から初期利払日までが半年超のケース n R2 n1 応答利払日 発行日 応答利払日 初期利払日 初期利金 = R2 + R2 * n1n ② 発行日から初期利払日までが半年以内のケース n n1 応答利払日 発行日 初期利払日 初期利金 = R2 * n1n なお、年 1 回利払もの及び円貨外債の一部の初期利金の計算は経過利息計算と同じで ある。 (3)端数処理 ① 円未満切捨て銘柄: 国債、地方債、政保債、特殊債 ② 円未満四捨五入、もしくは切り上げ銘柄: 社債、転換社債、ワラント債、円建外債 (銘柄により異なるので発行要項で確認)
<例> A地方債(クーポン5.0% 発行日 96 年 3 月 27 日利払日 2/8-20 最初の利払日 96 年 8 月20 日、償還日 2006 年 3 月 26 日)の初期利金、終期利金を求めよ。 182 日 146 日 96/2/20 96/3/27 発行日 96/8/20 (初期支払指数) 5.02 * 146182 = 2.0054945 181 日 34 日 2006/2/20 2006/3/26 償還日 2006/8/20 (終期利払指数) 5.02 * 181 = 0.469613234 (注)券種ごとに円未満を切り捨て、以下のように調整される。 初期利払指数 終期利払指数 2.0054945 0.4696132 10 万円券種 2,005 円 469 円 100 万円券種 20,054 円 4,696 円 1000 万円券種 200,549 円 46,961 円
11.1.4. 各計算における端数処理一覧
* 割引金融債及び割引国債 割引料(10,000 円当り) 小数点第1 位切上げ 源泉価額 (10,000 円当り) 小数点第2 位切捨て 既発債単価 (100 円当り) 小数点第4 位切捨て 理論価格 (100 円当り) 小数点第3 位切捨て * 割引金融債 保有月数指数 小数点第4 位切上げ * 一般債 単価(100 円当り) 小数点第4 位切捨て 経過利息 (金額ベース) 小数点第1 位切捨て 経過利息 (100 円当り) 小数点第8 位切捨て 初期利息 (100 円当り) 小数点第8 位切捨て 終期利息 (100 円当り) 小数点第8 位切捨て 有価証券取引税 小数点第1 位切捨て * 国債、地方債、政府保証債、特殊債 初期及び終期利息 (券種ごと) 小数点第1 位切捨て * 社債、円建外債(銘柄により異なるので発行要項にて確認)、WB 初期及び終期利息 (券種ごと) 小数点第1 位四捨五入もしくは切上げ * 現先 スタート単価(100 円当り) 小数点第4 位切捨て エンド単価(100 円当り) 小数点第4 位切捨て * 日数(業界統一ルール特になし) <参考> 東証における日数計算 小数点第7 位切捨て BBにおける日数計算 小数点第9 位切捨て11.2. 割引債券の計算
11.2.1. 源泉税率
源泉税額 = 割引料 * 源泉税率(18%) (注) 但し、88 年 3 月発行分までは 16%。また、東京湾横断道路建設事業者及び民間都 市開発推進機構が発行する債券については16%が適用される。11.2.2. 割引金融債
(1) 割引金融債の理論価格計算 払込価格 = 課税前価格 + 源泉税額 課税前価格 = 10,000 円 − (10,000 * 割引歩合 * 未経過日数)365 割引料 <例> 償還日 2000 年 8 月 27 日、割引歩合 5.83%の割引金融債の 99 年 8 月 27 日(売り出 し最終日)の払込価格を求めよ。(2000 年は閏年) ① 割引料を求める (10,000 円当り) 10,000 * 5.83100 * 367365 = 586.194 (円未満切上げ) 答 587 円 (注1)割引歩合を用いて計算する場合(理論価格の計算をする場合)は残存日数は両端 入れ計算である。②源泉税額を求める。 割引料に対して 18%課税されるので 587 * 0.18 = 105.66 (円未満切捨て) 答 105 円 ③課税後の理論価格 (払込価格) を求める。 10,000 – 587 + 105 = 9,518 従って額面100 円当り 95.18 円 答 95.18 円 (2) 割引金融債のネット計算(税引計算) 単利法の公式 S = 1 + nr 割引金融債は、償還時 100 円となるので T = 100T と置き換えることができる。 S = 1 + nr 100 r = 100 - SS * n * 100 <例> 償還日 2000 年 3 月 27 日の割引金融債を 99 年 5 月 10 日の渡しで単価 95 円で買付 けた。利回りを求めよ。(2000 年は閏年) 残存日数 99/5/10 ~ 00/3/27 322 日 r = 100 - SS * n * 100 より = 100 - 95 95 * 322365 * 100 = 5.966001… 答 5.966% <例> 償還日2000 年 3 月 27 日の割引金融債を 99 年 5 月 28 日渡しでネット利回り年利 5.80% で買い付けた。買付け単価を求めよ。(2000 年は閏年) 未経過日数 99/5/288 ~ 2000/3/27 … 304 日
S = 1 + nr より100 = 100 1 + 100 * 5.8 304365 = 95.3919 … (切捨て) 答 95.391 (注) 既発債の単価計算では理論価格 (円未満 2 桁) を除き、円未満 3 桁が一般的である。 また、買方の利回りを確保するため円以下4 桁以降を切り捨てる。 検算は 100 - 95.391 95.391 * 304365 * 100 = 5.801310 答 5.801% 上記の例題で買い付け単価を95.39 円とした場合、検算は 100 - 95.39 95.39 * 304365 * 100 = 5.802529 となり円未満3 桁までの場合よりも高い利回りで回っている計算となる。 (3) 割引金融債の税込計算 S = 100 + 100円当りの還付税額 (控除額) 1 + nr 100 円当りの還付税額 = 源泉税額 * 保有月数12
証明する書類を添付し発行者に提出することにより税額の還付を受けることができ、 課税法人であれば法人税納付のときに税額控除を受けることができる。また法人が 既発行の割引債を購入し、償還まで持った場合も保有期間に按分して税額の控除、 または還付を受けることができる。なお、税額の控除、または還付を受けるには償 還時まで保有することが条件である。この還付税額または控除額を含めた計算が税 込計算である。 ② 還付税額の求め方は次の通りである。 源泉税額の求め方は理論計算の項で例示したが、こうして求めた源泉税額を買付 日から償還日までの保有月数で按分したものが還付(控除)できる額である。 (注) 発行時期によって割引歩合、源泉税率が異なるケースや、閏年により残存日数が変 わり、源泉税額が異なるものがあるので注意を要する。 ③ 保有月数の算出方法は次の通りである。 保有月数の算出では、1 ヶ月に満たないものは切り上げて 1 ヶ月として数える。 (民法第5 章(期間)第 143 条)。また、保有月数に応じた指数では、小数点以下 4 位 を切り上げ、3 桁までを使用する。 <例> 償還日 買付日 保有月数 指数 2000/6/26 2000/5/28 ~ 2000/6/26 1 ヶ月 0.084 2000/6/26 2000/4/28 ~ 2000/5/27 2 ヶ月 0.167 2000/6/26 2000/3/30 ~ 2000/4/27 3 ヶ月 0.25 ↓ ↓ 2000/6/26 売出開始日 ~ 1999/7/26 12 ヶ月 1.000 保有月数指数表 ( 保有月数12 ) 保有月数 指数 保有月数 指数 保有月数 指数 1 ヶ月 0.084 5 ヶ月 0.417 9 ヶ月 0.750 2 ヶ月 0.167 6 ヶ月 0.500 10 ヶ月 0.834 3 ヶ月 0.250 7 ヶ月 0.584 11 ヶ月 0.917 4 ヶ月 0.334 8 ヶ月 0.667 12 ヶ月 1.000
<例> 発行日 1999 年 5 月 27 日 償還日 2000 年 5 月 27 日 割引歩合 5.83% 源泉税率 18% 上記の割引債を 99 年 7 月 29 日受渡しで税込レート年利 6.0%で買付けた場合の買付 け単価を求めよ。(2000 年は閏年) ① 発行時の税額を求める 10,000 * 0.0583 * 367365 = 586.1945… → 587 (切上げ) 587 * 0.18 = 105.66 (切捨て) 100 円当り 1.05 円 ② 保有月数指数を求める 7/29~5/27… 10 ヶ月 1012 = 0.8333 … 0.834 (4 桁目切上げ) ③ 還付税額を求める 1.05 * 0.834 = 0.8757 0.8757 ④ 残存日数を求める 99/7/29 ~ 2000/5/27 … 303 日 ⑤ 買付け単価を求める 100 + 0.8757 1 + 100 * 6.0 303365 = 96.08964585 96.089
11.3. 平均年限利回り(平均残存期間利回り)
平均残存期間 非公募地方債の多くの場合は償還期日に発行額全額を一括償還するのではなく、減債 制度により満期償還日以前に償還していく。例えば一定の据置期間経過後、定期的に一 定額を買入消却あるいは抽選償還する定時償還を採用する場合がある。これらの債券の 残存期間を将来の定時償還を考慮し計算したものが平均残存期間である ① 年一回の定時償還の場合 平均残存年数 = 償還までの期間 − ( 一回当りの定時償還率 現存率 * 2 ) * ( 償還までの期間 − 次回定時償還までの期間 ) * ( 償還までの期間 − 次回定時償還までの期間 + 1 ) ② 年二回の定時償還の場合 平均残存年数 = 償還までの期間 − ( 一回当りの定時償還率 現存率 ) * ( 償還までの期間 − 次回定時償還までの期間 ) * ( 償還までの期間 − 次回定時償還までの期間 + 12 ) 現存率 = 発行総額 現存額 * 100 (%)<例> B 地方債を 1999 年 12 月 13 日に 111.214 で買付けた。平均残存利回りを求めよ。 クーポン 4.4% 償還日 2004 年 3 月 25 日 利払日 3/25、9/25 据置期間 1997 年 3 月 25 日 発行額 250 億 定時償還率 3% 平均残存年限 = 4.27945 - { 85 * (4.27945 - 3 102365 ) * (4.27945 - 102365 + 12 )} = 3.64415 (年) 平均残存単利利回り = 4.4 + 100 - 111.2143.64415 111.214 * 100 = 1.18936(%)
11.4. 現先取引
11.4.1. 割債方式
E: エンド単価、S: スタート単価、n: 運用日数、r: 運用レート E = S * (1 + nr) S = 1 + nr E r = E − SS * n11.4.2. 利付方式
現先取引で利付方式を用いて計算する場合、現先運用期間中に利払日の発生しないケ ースと、利払日の発生するケースとがある。計算の方法は両方とも同じであるが、取扱 いに若干注意を要するので、ここでは期中に利払のないケースと期中に利払のあるケー スとに分けて説明する。 (1)利付方式 (期中利払のない場合) E: エンド単価、S: スタート単価、n:運用日数、r:運用レート、Ps: スタート経過 利息、Pe: エンド経過利息 E = (S + Ps)(1 + nr) - Pe S = E + Pe1 + nr − Ps r = (E + Pe) - (S + Ps)(S + Ps)n利払日 S 日 E 日 利払日 Ps n Pe 利払方式は経過利息を考慮した計算であるから、当初の投下資本はスタート単価にス タート時の経過利息を加えたもの、すなわち(S + Ps)であり、回収時の元利合計はエ ンド単価にエンド時の経過利息を加えたもの、すなわち(E + Pe)である。 (S + Ps) を利回り r により n 期間運用した元利合計が (E + Pe) であるから (E + Pe)= (S + Ps)(1 + nr) と表すことができる。 これを解いて E = (S + Ps)(1 + nr) – Pe となり、スタート単価よりエンド単価を計算 する式を導くことができる。 <例> A 事法に対し 10 億の自己現先を売買した場合 #129 利付国債(クーポン 6.4%、3/9-20 利払) 額面10 億登録債、スタート日 8/20、エンド日 8/30、運用レート 7.35%、スタート単 価 99.90 として各金額を計算せよ。 ① スタート受渡代金 ② エンド単価 経過利子は非課税 ③ エンド受渡代金 当社の保護預りで売却のため利息計算は非課税 利払日(3/20) S 日(8/20) E 日(8/30) 153 日 10 日 163 日 スタート時の100 円当りの経過利息 Ps = 6.4 * 153365 = 2.68273972 (円以下 8 桁目切捨て) エンド時の100 円当たりの経過利息
① スタート受渡代金 スタート経過利息 = (1,000,000,000 * 2.6827397)100 = 26,827,397 約定代金 = 1,000,000,000 * 99.90100 = 999,000,000 受渡代金 = 999,000,000 + 26,827,397 = 1,025,827,397 答、1,025,827,397 円 ② エンド単価 公式 E = ((S + Ps)(1 + nr) - Pe) より = (99.90 + 2.6827397)(1 + 365 * 0.0735) - 2.858082110 = 99.931228 … 99.9313 エンド単価は利回り確保のため切上げ 答、99.9313 ③ エンド受渡代金 エンド経過利息 = (1,000,000,000 * 2.8580821)100 = 28,580,821 約定代金 = (1,000,000,000 * 99.9313)100 = 999,313,000 受渡代金 = 999,313,000 + 28,580,821 = 1,027,893,821 答、1,027,893,821 <検算> (1,027,893,821 - 1,025,827,397) (1,025,827,397 * 365 )10 = 0.07352… となり、年利 7.35% の利回りになっている。
(2)利付方式(期中利払のある場合) R:途中利金 (年 1 回利払の場合 R, 年 2 回利払の場合 R2 ) E = S(1 + nr) + Ps(1 + n1r) - (R + Pe) S = E + (R + Pe) - Ps(1 + n1r) 1 + nr r = (E + (R + Pe) - (S + Ps)) Sn + Psn1 利払日 S 日 利払日 E 日 Ps n1 Pe n 利付方式 (期中利払なしのケース) は E = (S + Ps)(1 + nr) - Pe の式であるが期中利 金のある場合も当初の投下資本は (S + Ps) で期中利金なしのケースと変わりはない。 しかし、期中利金ありの場合は、利金が落ちるので、スタート約定代金(S)はスタート 時からエンド時まで (n 期間) 運用されるが、スタート経過利息 (Ps) はスタート時か ら利払日まで(n1期間)しか運用されない。 しかし客の回収代金は E + R + Pe であるから E + R + Pe = S(1 + nr) + Ps(1 + n1r) となり E = S(1 + nr) + Ps(1 + n1r) - (R + Pe) という式が導き出せる <例> #129 国債(6.4% 利払日 3/9-20)登録債 当社保護預り条件 額面 10 億円を期間 8/30~9/30、運用レート 7.3%、スタート単価 100 で金融法人と現先を行った。次の各 金額を計算せよ。 ① エンド単価 ② エンド受渡代金(経過利息は非課税)
n = 31 日間 n1 = 21 日間 Ps = 6.4 * 163365 (3/20~8/30… 163 日) = 2.85808219 (8 桁目切捨て) Pe = 6.4 * 365 (9/20~9/30… 10 日) = 0.17534246 (8 桁目切捨て)10 1 + nr = 1 + 0.073 * 365 = 1.006231 1 + n1r = 1 + 0.073 * 365 = 1.004221 ① エンド単価 公式 E = S(1 + nr) + Ps(1 + n1r) - (R + Pe) より、但し、R は年二回払いな ので 12 この場合 6.4 * 12 = 3.2 E = (100 * 1.0062) + (2.8580821 * 1.0042) – (3.2 + 0.1753424) = 100.11473 切上げ100.1148 円 <検算> r = E + (R + Pe) - (S + Ps) Sn + Psn1 = 100.1148 + (3.2 + 0.1753424) - (100 + 2.8580821) (100 * 365 ) + (2.8580821*31 365 )21 = 0.0730065 > 0.073 となり、利回りは確保されている。 ② エンド受渡代金 エンド経過利息 (1,000,000,000 * 0.1753424)100 = 1,753,424 約定代金 1,000,000,000 * 100.1148 = 1,001,148,000
受渡代金 1,001,148,000 + 1,753,424 = 1,002,901,424 答 1,002,901,424 この他9/20 に利払金として (6.4 * 1,000,000,000)(2 * 100) = 32,000,000 32,000,000 円が買方の収入になる。ここで注意点は、買方が支払った金額と受取った金 額を所有期間の利回り計算で検算した利回りとは違うということである。 今のケース、買方の払込金額は (100円 * 1,000,000,000)100 の 1,000,000,000 円 とス タ ー ト 経 過 利 息 (2.8580821 * 1,000,000,000)100 = 28,580,821 円で受取金額は 1,002,901,424 円+32,000,000 円 で期間が 31 日とすると r = ((1,002,901,424 + 32,000,000) – (1,000,000,000 + 28,580,821)) (1,000,000,000 + 28,580,821) * 365 31 = 0.072352 < 0.073 となり、 期中利払計算 7.3% に回らなくなる。これは期中利金に対して現先利回り 7.3% を 加味していないため起こることで、実際に9/20 に買方に利金が払い込まれれば当社と してはその金額については現先利回りを確保しないことによる。 従って期中利金ありの現先についてはこの点は買方の了承が重要であり、充分な説明 が必要である。