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目次 ( 作物部会 ) 講演発表 (22) 1. 熊本県オリジナル酒造好適米品種 華錦 の特性に基づく多収技術 木下直美 1 三ツ川昌洋 藤井康弘 2. 熊本県高冷地における水稲 ヒノヒカリ の育苗箱全量施肥栽培 橋本 充 2 榮誠三郎 坂梨二郎 3. 熊本県阿蘇地域における水稲 くまさんの輝き の

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第81回(平成30年度)

九州農業研究発表会

専門部会発表要旨集

作物部会

とき・ところ 平成30年9月12日~13日 熊本市

九州農業試験研究機関協議会

The Association of the Kyushu Agricultural Research Institution

(2)

1. 熊本県オリジナル酒造好適米品種「華錦」の特性に基づく多収技術・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・木下直美       三ツ川昌洋・藤井康弘 ・・・ 1 2. 熊本県高冷地における水稲「ヒノヒカリ」の育苗箱全量施肥栽培・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・橋本 充        榮誠三郎・坂梨二郎 ・・・ 2 3. 熊本県阿蘇地域における水稲「くまさんの輝き」の栽培特性と移植適期・・・・・・・・・・山戸陸也・藤井康弘 ・・・ 3 4. 水稲早生品種「なつほのか」の高温で生じる背白粒による品質低下を回避する移植期の推定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 古賀潤弥・中山美幸・田畑士希 ・・・ 4 5. 水稲新品種「実りつくし」の収量・品質が安定する刈取時期・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・奥野竜平・内川 修       緒方大輔・岩渕哲也・佐藤大和 ・・・ 5 6. 福岡県の水稲中期世代系統における出穂期遺伝子Hd16, Hd18 の遺伝子型と出穂期の関連性・・・・石橋正文        宮原克典・山口 修 ・・・ 6 7. 水稲の追肥時期が背白米の発生に及ぼす影響・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・若松謙一・田中明男・田之頭拓 ・・・ 7 8. 焼酎醸造適性に優れる普通期栽培用水稲高アミロース品種「鹿児島65号」の特性・・・・・・・・・・・・・・田之頭拓       若松謙一・園田純也・田中明男・山根一城・古江広治 ・・・ 8 9. 水稲の飽水管理の現地実証・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・石丸知道・谷口健太郎・尾形武文・井田磯和 ・・・ 9 10. 水田センサを活用した水稲の飽水管理・・・・・・・・・・・・・・・・・・石丸知道・谷口健太郎・尾形武文・井田磯和 ・・・ 10 11. 普通期栽培向け焼酎麹用米専用品種「み系358」の栽培法・・・・・・・・・・・赤木 武・永吉嘉文・加治佐光洋            川越 博・三枝大樹・北﨑康生 ・・・ 11 12. 春作マルチ栽培における温暖化に対応した暖地バレイショ品種・系統・・・・・・・・・・・・松尾祐輝・渡邊 亘       森 一幸・坂本 悠・中尾 敬 ・・・ 12 13. バレイショ「ながさき黄金」の春作マルチ栽培において高収量が得られる収穫時期とマルチの種類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・龍美沙紀・松尾祐輝・森 一幸・渡邊 亘・坂本 悠・中尾 敬・茶谷正孝 ・・・ 13 14. 奄美地域バレイショ栽培におけるかん水が生育,収量,ジャガイモそうか病の発生に及ぼす影響 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・柏木伸哉・餅田利之 ・・・ 14 15. サツマイモ小苗栽培における植付け時期と密植が収量に及ぼす影響・・・・・・・・・・・・・・竹牟禮穣・溜池雄志 大村幸次・森 清文・杉本光穗 ・・・ 15 16. サトウキビ育種試験におけるドローンで取得した画像の活用について・・・・・・・・・・伊禮 信・大見のり子       島谷真幸・安仁屋政竜・比屋根真一 ・・・ 16 17. 波照間島に適する黒糖向きのサトウキビ新品種候補系統「RK03-3010」・・・・・・・・・大見のり子・親富祖明        大工政信・比屋根真一・伊禮 信 ・・・ 17 18. サトウキビ多回株出し指数の考案とその推移~株出し基準回数を春植え2回,夏植えを1回とする例~ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・佐藤光徳・黒木栄一・西原 悟 ・・・ 18 19. サトウキビ「Ni27」の奄美地域における夏植え-株出し体系での収量性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・西原 悟        黒木栄一・佐藤光徳 ・・・ 19 20. サトウキビ葉身切除処理後の葉展開の品種間差について・・・・・・・・・・・・・・勝田雅人・餅田利之・佐藤光徳 ・・・ 20 21. ビール大麦新品種「はるさやか」の育成・・・・・・・・・・・・・・・・・甲斐浩臣・髙田衣子・馬場孝秀・原口雄飛       濵田美智雄・塚﨑守啓・古庄雅彦・轟 貴智・山口 修・大関美香       五月女敏範・山口昌宏・加藤常夫・大山 亮・関和孝博・豊島貴子       鈴木康夫・斉藤哲哉・新井 申・新井友輔・春山直人・薄井雅夫・白間香里 ・・・ 21 22. 多収で病害に強い焼酎用二条大麦品種「トヨノホシ」の特性・・・・・・・・墨谷荘平・吉良知彦・白石真貴夫        清水康弘・大窪恵美子・財前裕一・森山修志・二宮淑恵・水落結香・安部良樹      伊東さち子・田原裕作・衛本圭史・大成 忍・長谷川航・二階堂雅士・和田久継・下田雅彦       大塚 正・河野誠一・北里陽介・長森義和・四ッ谷岳昭・藤居 崇・森健太郎・久保雅彦 ・・・ 22 1. バレイショ品種「さんじゅう丸」の秋作普通栽培における出芽安定技術 (第4報:種いもの切断面の乾燥処理および植付け後のかん水による種いも腐敗軽減対策) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・坂本 悠・龍美沙紀・松尾祐輝・茶谷正孝 ・・・ 23 2. ヒロハフウリンホオズキに対する土壌処理除草剤の効果を低下させる要因について・・・・・・・・・・住吉 正 ・・・ 24 3. 九州における鉄コーティング直播の普及の現状と課題・・・・・・・・山内 稔・山本晋弘・西森俊英・冨士 真 ・・・ 25 4. 低酸素条件がイネの個体成長,冠根のROLバリアと破生通気組織に及ぼす影響・・・・・・・・・・・・・・・松浦朝奈        加藤康之・植木 隆・Wiphaporn Jaruthanakul ・・・ 26 5. 熊本県における飼料用米「夢あおば」の作期,収量および登熟予測マップの作成・・・・・・・・・・・・藤本仁寿 ・・・ 27

目 次

(作物部会)

講 演 発 表 ( 2 2 ) ポ ス タ ー 発 表 ( 5 )

(3)

熊 本 県 オ リ ジ ナ ル 酒 造 好 適 米 品 種 「 華 錦 」 の 特 性 に 基 づ く 多 収 技 術 ○ 木 下 直 美 ・ 三 ツ 川 昌 洋1 )・ 藤 井 康 弘2 ) ( 熊 本 農 研 セ ・1 )天 草 広 域 本 部 ・2 )熊 本 県 農 産 園 芸 課 ) 【目的】 本県では,日本最南端の酒づくりを含め,県下各 地で特色ある清酒が生産されている。しかし,従来 の酒米品種より栽培特性,収量性および醸造適性に 優れる品種の開発を求められ,県オリジナルの酒造 好適米品種「華錦」を育成,2015 年に認定品種に採 用した。地域ブランド品として「華錦」で醸した酒 に期待する酒造関係者からは,原料増産のため平坦 地での生産拡大が求められている。 そこで、酒造好適米品種「華錦」の特性を活かし 平坦地で多収となる栽培法を検討する。 【来歴および特性概要】 「華錦」は,短稈で耐倒伏性に優れる「夢いずみ」 を母,大粒で心白発現率が高く優れた酒造適性をも つ「山田錦」を父として,2000 年8月に人工交配を 行った後代から選抜,育成した品種である。その主 要な品種特性は表1に示したとおりである。稈長は 「山田錦」より明らかに短く,耐倒伏性は「山田 錦」より明らかに強い。熟期は「山田錦」と同等 かやや早い“中生”に属し,平坦地から比較的標 高が低い高冷地(概ね海抜 500m)までの普通期 栽培に適する。玄米千粒重は「山田錦」よりやや 軽いが,「レイホウ」より明らかに重い。心白の発 現は「山田錦」と同等に良好である。粒の充実が 良く,玄米の外観品質は「山田錦」より優れる。 【材料および方法】 試験は,前作水稲,1区面積 15 ㎡,2反復で, 分施標肥(多肥)栽培(基肥N5kg(8kg)+穂肥N 3kg(3kg)+晩期穂肥N2kg(2kg)),全量基肥標 肥(多肥)栽培(N8kg(10.4kg),シグモイド型 100 日タイプ),栽植密度 15.9株/㎡,6月中下旬 移植で 2015~2017 年の3か年実施した。 【結果及び考察】 慣行の分施標肥栽培(基肥+出穂前 20 日穂肥+出 穂前 10 日晩期穂肥)と比較して,被覆尿素肥料の全 量基肥栽培では,施肥量に関わらず,精玄米重が増 加するものの(図1),多肥では蛋白質含有率や心白 発現率で示される酒米品質が低下した(図2)。また, 分施施肥栽培では基肥を多肥にし,出穂前 25 日穂肥 と出穂前 15 日晩期穂肥を施用することで,酒米とし ての品質を維持しつつ(図2),全量基肥標肥栽培並 みに精玄米重は増加した(図1)。 このことから,平坦地における普通期栽培では, より省力的で酒米品質を損なわず増収する被覆尿素 肥料の全量基肥標肥栽培が適すると考えられる。 表1 「華錦」の主要特性一覧 旧系統名:熊本酒60号 組合せ:夢いずみ/山田錦 特 性  長所1.山田錦より倒伏に強い  短所1.芒が多く、長い  2.玄米品質が優れる     2.葉いもちに弱い 栽培適地 調査地  育成地(熊本県農業研究センター農産園芸研究所:合志市) 作型・施肥水準  普通期(6月4~5半旬移植)・標肥栽培(窒素1.0kg/a) 調査年次  2007~2013年 系統名・品種名 早晩性 出穂期(月.日) 成熟期(月.日) 草型 稈長(cm) 穂長(cm) 穂数(本/㎡) 芒の多少・長短 籾の色 外頴先端の色(ふ先色) 脱粒性 耐倒伏性(倒伏程度) 穂発芽性 いもち遺伝子型 葉いもち 穂いもち 玄米重(kg/a) 同上標準比率(%) 玄米千粒重(g) 糯粳の別 心白の発現程度(心白率) 玄米品質(区分) 注1)表中の数値は2007~2013年の平均値。ただし、レイホウの数値は2011~2013年の平均値であり、   心白率は2013年の値である。 注2)心白の発現程度の分類は特性表(農林水産省)、他の分類は水稲調査基準(2002年、熊本県)による。 注3)「山田錦」、「レイホウ」の葉いもち、穂いもち圃場抵抗性は育成地における判定ではないため参考とする。 注4)倒伏程度は0(無)~5(甚)、玄米品質は1(上上)~9(下下)に数値化した。 中(65.5%) 中(58.4%) -(-) 4.4(酒米) 4.8(酒米) 4.6(主食うるち) 27.4 28.1 24.7 粳 粳 粳 54.5 57.2 58.1 95 100 (102) 耐 病 性 + + Pita-2 弱 (やや弱) (やや弱) やや弱 (やや弱) (やや弱) 中(0.8) 弱(3.4) やや強(0.4) 中 やや易 やや易 白 白 白 やや易 やや易 中 やや少・中 無 稀・極短 黄白 黄白 黄白 18.8 22.5 20.5 340 326 323 穂数型 偏穂重型 偏穂数型 86 108 84 8.26 8.26 8.29 10. 4 10. 8 10. 9 中生の晩 中生の晩 晩生の早  熊本県の平坦地・山麓順平坦および比較的標高の低い高冷地の普通期栽培に 適する。 調 査 条 件 華錦 山田錦 レイホウ 注1)2015-16の2カ年平均 注2)( )内は対慣行対比(慣行精玄米重  :57.4kg/a) 注3)分施は基肥+出穂25日前穂肥+出穂15 日前晩期穂肥 注1)心白発現率(%)=心白発現粒数/全粒数×100とし 玄米100粒について調査した。 注2)分施は図1の注3と同じ 図2 蛋白質含有率および心白発現率 図1 精玄米重 50 55 60 65 70 標肥 多肥 標肥 多肥 分施 全量基肥 精 玄 米 重( ㎏ / a ) 0 10 20 30 40 50 6.0 6.1 6.2 6.3 6.4 6.5 6.6 6.7 6.8 6.9 標肥 多肥 標肥 多肥 分施 全量基肥 心 白 発 現 率( %) 蛋 白 質 含 有 率( %) 蛋白質含有率 心白発現率 (106) (110) (110) (109)

(4)

出穂期 成熟期 稈長 穂長 倒伏2) 程度 穂数 一穂 籾数 ㎡当たり 全籾数 登熟3) 歩合 精玄米4) 千粒重 精玄4) 米重 同左 比率 検査5) 等級 玄米6) タンパク質 含有率 (月.日) (月.日) (㎝) (㎝) (0-5) (本/㎡) (粒) (粒) (%) (g) (㎏/a) (%) (1-9) (%) 施肥(A) ns7) ns ** * ** * ** * **

 慣行 8.16 10.12 91.2 19.4 0.0 316a8) 104b 32680b 84.1a 22.3a 61.1b (100) 4.0 5.9c

 育苗箱全量施肥(100日型) 8.15 10.12 91.4 19.2 0.3 325a 108a 34901a 83.0b 21.6b 62.4a 102 4.0 6.1b

 育苗箱全量施肥(120日型) 8.16 10.14 90.4 19.5 0.0 302b 108a 32566b 84.0a 22.1a 60.3b 99 4.0 6.2a

出芽時の被覆資材1)(B) ns ns ns ns ns ns ns ns *

 白色不織布 8.15 10.13 91.2 19.3 0.1 318 106 33389 83.8 22.0 61.4 (100) 4.0 6.0b

シルバーポリフィルム 8.15 10.13 90.8 19.4 0.1 311 108 33375 83.6 22.0 61.1 100 4.0 6.1a

年次(Y) * ns ns * ** ** ns ** *

 2016年 8.16 10.16 86.8b 19.0 0.0 322 93b 29888b 85.7a 21.9 56.0b (100) 3.5 5.8b

 2017年 8.15 10. 9 95.2a 19.7 0.2 307 120a 36877a 81.7b 22.1 66.5a 119 4.5 6.3a

Y×A ns ns ns ns ns ns ns ns ns Y×B ns ** * ns ns ns ns ns ns A×B ns ns ns ns ns ns ns ns ns Y×A×B ns ns ns ns ns ns ns ns ns 第1表 施肥法および出芽時の被覆資材が生育、収量、収量構成要素および玄米品質に及ぼす影響 要因 1)白色不織布:べた掛け,シルバーポリフィルム:トンネル。2)無(0)-甚(5)。3)全籾数に占める精玄米粒数の割合。4)篩目幅1.8㎜以上。5)1(1等上)-4(2 等上)-7(3等上)-10(規格外)の10段階評価で示す(九州農政局調べ)。6)近赤外分析法(ケット社AN-820)による(15%水分換算)。7) *,**はそれぞれ5%,1% 水準で有意であること,nsは有意でないことを示す(分散分析)。8)異なる英小文字間には5%水準で有意差があることを示す(PLSD法)。 熊本県高冷地における水稲「ヒノヒカリ」の育苗箱全量施肥栽培 ○橋本 充・榮誠三郎1)・坂梨二郎2) (熊本農研セ高原・1)熊本農研セ・2)熊本農研セアグリ) 【目的】 熊本県高冷地の普通期早植え水稲「ヒノヒカ リ」の育苗箱全量施肥栽培技術を確立するため, 専用肥料の窒素の溶出期間が生育,収量および品 質に及ぼす影響を検討した。 【材料および方法】 試験は2016年および2017年に上益城郡山都町の 高原農業研究所矢部ほ場(旧農産園芸研究所矢部 試験地,標高460m)で実施した。育苗箱全量施肥 栽培は専用肥料(苗箱まかせ N400,N 成分40%)の N の80%溶出日数が異なる100日型および120日型 を供試し,対照は慣行栽培とした。これらに出芽 時の被覆資材として白色不織布のべた掛けとシル バーポリフィルムのトンネルを組み合わせた6処 理を設けた。播種は4月25日に行った。育苗箱全 量 施 肥 区 は 育 苗 箱 に 遮 根 シ ー ト を 敷 き , 肥 料 (0.65gN/箱) を混和した山土,専用肥料580g(本 田0.4㎏ N/a 相当)の順で充填後,灌水し,乾籾 100g 相当の催芽籾を播種した。播種後は山土で 覆土し,有孔ポリフィルムを敷いた水田揚床苗代 に並べた。慣行区の施肥量は0.9gN/箱とし,遮根 シートは使用しなかった。5月25日に30日苗(中 苗)を1区24m2の2反復で機械移植した。栽植密度 は14.3株/m2とした。育苗箱全量施肥区は基肥に P2O5のみを0.9㎏/a 施用し,慣行区は N-P2O5-K20 を基肥に0.2-1.3-0.3㎏/a,穂肥に0.2-0.07-0.2 ㎏/a 施用した。 【結果および考察】 1)苗の生育 育苗箱全量施肥区は慣行区に比べて苗丈が高く, 葉色が濃く推移し,播種後30~40日で苗齢3.2~ 4.0の良好な苗が得られた(データ省略)。ルート マットの引張強度は播種後20日以降十分に高かっ た。出芽時の被覆資材の影響はシルバーポリフィ ルム区で葉鞘長が長くなったこと以外はほとんど 認められなかった。 2)本田の生育,収量および品質 100日型区は,120日型区および慣行区に比べて, 移植後の草丈は高く,茎数は多く推移した(デー タ省略)。100日型区の葉色は最高分げつ期頃に濃 くなったが,その後は同等で推移した。出穂期, 稈長および穂長は100日型区,120日型区とも慣行 区と同等で,倒伏程度もほとんど差がなかった (第1表)。成熟期は120日型区でやや遅れた。精 玄米重は慣行区および120日型区に比べて100日型 区でやや多かった。これは登熟歩合および千粒重 はやや低下したものの,m2当たり籾数が多かった ためであった。育苗箱全量施肥区の検査等級は慣 行区と同等であり,玄米タンパク質含有率は育苗 箱全量施肥区が慣行区よりやや増加したが,その 増加程度は100日型区の方が小さかった。 以上のことから,熊本県高冷地における水稲 「ヒノヒカリ」の育苗箱全量施肥栽培では,育苗 日数30~40日で良好な中苗が得られ,専用肥料の 溶出型として100日型が適すると判断された。

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熊本県阿蘇地域における水稲「くまさんの輝き」の栽培特性と移植適期 〇山戸陸也・藤井康弘1) (熊本農研セ高原・1) 熊本県農産園芸課) 【目的】 熊本県阿蘇地域における水稲品種では9月 中旬を中心に収穫される「コシヒカリ」の割合 が高く,作業分散のため収穫期が9月下旬から 10月頃の品種導入が望まれている。熊本県で は極良食味の新品種として「くまさんの輝き」 が育成されたが,出穂期が「ヒノヒカリ」より 遅いため,阿蘇地域では移植時期が遅いと低温 年には成熟期に達しない可能性がある。そこ で,阿蘇地域における「くまさんの輝き」の栽 培特性と移植適期を明らかにした。 【材料および方法】 試験は,2015,2016 年に高原農業研究所(阿 蘇市一の宮町,標高 543m,土性:淡色多湿黒ボ ク土,前作:水稲)で行った。供試品種は「く まさんの輝き」で,対照品種は「ヒノヒカリ」 とした。移植時期として 5 月上旬,中旬,下旬 の 3 水準を設定した。育苗期間が20 日の稚苗移 植で栽植密度は16.7 株/㎡とした。また,施肥は 有機配合肥料をN 成分で基肥に 0.4kg/a,追肥を 出穂20 日前に 0.15kg/a 施用した。 【結果および考察】 「くまさんの輝き」は「ヒノヒカリ」に比べ, 出穂期が1 日~4日遅く,刈取適期、成熟期はほ ぼ同等だった。稈長はやや低く,倒伏程度はやや 小さかった。千粒重はやや重く,玄米品質はほぼ 同等だった。穂数は「ヒノヒカリ」より多く,一 穂籾数は少なかった。 移植期については,「くまさんの輝き」,「ヒノヒ カリ」とも 2015 年の 5 月中旬~下旬移植では成 熟期(正常な籾のほぼ100%が黄化)に至らなか ったが,2016 年は高温傾向で推移したため,5 月 下旬移植でも10 月上旬には成熟期に達した。「く まさんの輝き」は,5 月下旬移植で 2 年とも収量 が低下した。5 月下旬移植では穂数が多く,㎡当 たり籾数も多く確保されたが,千粒重が軽かった。 また,2015 年には登熟歩合が低下した。千粒重が 軽かった原因としては,籾数過剰による充実不足 や低温による登熟停止が考えられた。検査等級お よび玄米タンパク含有率に移植期の違いによる 明らかな傾向は認められなかった。 以上のことから阿蘇地域における「くまさんの 輝き」の移植適期は5月上旬~中旬であり,5月 下旬移植の場合,低温による登熟停止や,籾数過 剰による減収の危険性があることがわかった。 表1 阿蘇地域における「くまさんの輝き」および「ヒノヒカリ」の生育及び収量 (月.日) (月.日) (月.日) (月.日) (cm) (cm) (本/㎡) (粒) (×100/㎡) (kg/a) (%) (g) (%) (0-5) (1-10) (%) 5. 7 8.23 10.11 10.23 84 18.5 414 92 379 61.6 92 22.7 78.7 0.0 2.0 6.6 5.18 8.28 10.24 - 87 18.2 456 89 408 67.1 100 22.2 77.9 0.5 4.0 6.4 5.28 9. 2 10.28 - 91 18.0 522 87 453 56.2 84 20.8 63.3 0.0 4.0 6.7 5. 7 8.21 10.11 10.23 91 19.8 436 106 461 63.1 88 21.2 67.2 0.0 2.0 6.9 5.18 8.25 10.23 - 94 19.1 425 106 451 71.6 100 21.3 75.5 1.3 3.0 6.7 5.28 8.29 10. 3 - 95 18.5 441 97 430 63.8 89 20.8 67.7 1.0 3.0 6.7 5. 6 8.17 9.25 10. 2 90 18.9 459 94 429 69.3 102 22.8 76.4 0.0 2.5 6.5 5.16 8.20 9.27 10. 3 91 18.9 443 91 402 68.1 100 23.0 76.6 0.0 2.0 6.6 5.26 8.22 10. 4 10. 9 90 18.2 542 82 446 62.7 92 22.1 76.8 0.0 2.0 7.7 5. 6 8.14 9.23 10. 1 95 20.7 357 129 459 69.0 - 21.4 79.9 0.0 2.0 6.6 5.26 8.21 10. 4 10. 8 98 19.1 445 90 402 63.9 - 21.2 78.2 0.0 4.0 7.3 注1)精玄米重、千粒重は1.8mmの篩目でふるった収穫物を計量した。対標比は同じ品種の5月中旬植えの精玄米重に対する比を表す。 注2)検査等級は1(1等上)~5(2等中)~9(3等下)~10(検査規格外)を示す。 注3)タンパク質含有率は、Kett社AN-820で計測した数値。   注4)成熟期の-は成熟期に至らなかったことを示す。 一穂 籾数 2015 年 2016 年 2015 年 2016 年 出穂期 試験年 品種名 移植期 精玄 米重 対標 比 千粒 重 登熟 歩合 倒伏 程度 刈取 適期 成熟期 稈長 穂長 穂数 検査 等級 玄米タン パク質 含有率 くまさんの 輝き ヒノヒカリ くまさんの 輝き ヒノヒカリ ㎡当 籾数

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水稲早生品種「なつほのか」の高温で生じる背白粒による品質低下を回避する移植期の推定 ○古賀潤弥・中山美幸・田畑士希 (長崎農林技開セ) 【目的】 長崎県では,2016年に水稲早生品種「なつほのか」 を奨励品種に採用し,2018年から本格生産を開始し た。「なつほのか」の安定生産のためには高品質米 が生産可能な移植適期を把握することが必要である。 そこで,「なつほのか」について出穂後の気象条件 と品質との関係を明らかにするとともに,生育予測 式を作成し移植適期の推定を行う。 【材料および方法】 出穂後の気温と背白粒の発生について,5月下旬 から7月上旬に,2015年は5水準,2016年と2017年は 6水準の移植期を概ね10日おきに設定し試験を行 った。施肥は,窒素成分でa当たり標肥区の基肥0.5 kg,穂肥1回目を幼穂2mm頃に0.2kg,2回目を1回目 の7日から10日後に0.2kg施与した。玄米品質調査 は,1区から無作為に100粒を抽出し,1粒目視調査 を行った。背白粒は,背側の白濁の程度により大 (粒長1/2以上粒幅1/5以上)中(粒長1/4以上)小(粒 長1/4未満)としてカウントした。 生育予測式については,2009年から2017年の奨 励品種決定調査のデータも用いて,国立研究開発 法人農業・食品産業技術総合研究機構の多項式・ 関数式DVRの計算表示プログラムにより作成した。 【結果および考察】 「なつほのか」は,出穂後 20 日間平均気温が 29℃を超えると背白粒が多発する傾向が認められ た(第 1 図)。背白粒の発生様相については程度別 に,27.2℃で小の背白粒の発生が認められ,28.5℃で 中,29.6℃で白濁程度の大が認められた(第 2図)。 しかし,白濁程度が小でも29℃を超えなければ多発し ないことから,出穂後 20 日間の平均気温が 29℃を 下回れば背白粒の多発による品質低下を回避でき ると考えられる。 DVR 予測式は,y=0.05451705+0.0007132933× T(平均気温)-0.004130603×L(日長)が得られた。 この式は,出穂期の予測値は実測値との誤差が小 さく(第 3 図),「なつほのか」の出穂期予測に活用 できると考えられる。 過去 10 年間(2008~2017 年)のうち諫早市貝津 町農林技術開発センター観測値の 7 月下旬から 8 月 上 旬 の 平 均 気 温 が 29 ℃ 以 上 で あ っ た 2008 年,2012 年,2016 年,2017 年の 4 ヵ年平均値を用 いたとき,出穂後 20 日間平均気温 29℃に遭遇しな い出穂期は 7 月 14 日以前と 8 月 1 日以降となり, DVR 予測式から背白粒発生を回避できる移植期は 4 月 27 日以前,5 月 25 日以降と推定された。 第 1 図 出穂後 20 日間平均気温と背白粒発生率 第 2 図 出穂後 20 日間平均気温と白濁程度別背白粒発生率 第 3 図 出穂期の実測値と DVR 予測式による予測値 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 背白粒発生率 出穂後20日間平均気温 (%) (℃) 0 5 10 15 20 25 30 35 40 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 背白粒発生率 出穂後20日間平均気温 背白粒小 背白粒中 背白粒大 (%) (℃) 7/18 7/28 8/7 8/17 8/27 9/6 7/18 7/28 8/7 8/17 8/27 9/6 実測値 予測 値 y=x RMSE=1.664 n=26 (月/日) (月/日)

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水稲新品種「実りつくし」の収量・品質が安定する刈取時期 ○奥野竜平・内川 修・緒方大輔・岩渕哲也1)・佐藤大和2) (福岡農林試・1)福岡農林試筑後・2)福岡県農林水産部) 【目的】 水稲新品種「実りつくし」は,成熟期が「ヒノ ヒカリ」より 5〜7 日遅く,高温障害耐性を有する 多収の良食味品種として 2015 年度から作付けが始 まった。しかし,青未熟粒の多発生等から品質,収 量が低下し問題となった。そこで,「実りつくし」 の品質,収量向上のため,収穫適期と収穫時期の判 定方法を明らかにする。 【材料および方法】 福岡県農林業総合試験場農産部(筑紫野市)及 び筑後分場(筑後市)のほ場において2015〜2016 年に試験を実施した。供試材料は「実りつくし」 で,成熟期前後数日ごとに6株を午後1〜2時に 刈り取り,被害穂,遅れ穂を除去した。その中か ら任意の 12 穂について直ちに脱穀し,黄褐色籾 比率及び籾水分を測定した。籾水分は,24 時間, 105℃乾燥法により測定した。残りの穂はかけ干 し後,脱穀調整して精玄米重歩合,千粒重及び品 質調査を実施した。 【結果および考察】 1. 刈取時期別の収量・品質 「実りつくし」は「ヒノヒカリ」に比べて一穂 籾数,特に二次枝梗着生籾数が多いため,出穂期 後積算気温が 970℃未満の早刈りでは,精玄米重 歩合が低下し,青未熟粒の混入により検査等級が 2等中~下と低下した。出穂期後 1,190℃以上の 遅刈りでは,乳白粒の発生により外観品質がやや 低下した(表1,図1)。このことから,収量(精 玄米重歩合 95%以上)及び外観品質(検査等級1 等規格)から判断される収穫適期は,出穂期後積 算気温(日平均積算気温)が 970℃〜1,190℃の範 囲と判断された。 2. 刈取適期判定指標 「実りつくし」の出穂期から成熟期までの日数 は,2015 年が 50 日,2016 年が 41 日と年次変動が 大きいことから,出穂期後積算気温と籾水分から 刈取適期を判定した方が良いと考えられた。 以上のことから,「実りつくし」の刈取適期は, 出穂期後積算気温が 970℃〜1,190℃であり,籾水 分は 22〜26%,黄褐色籾比率が 70%以上に達した 時期を早限とし,早刈りを避けることが重要と考 えられた。 (月.日) (月.日) (日) (日) (℃) (%) (%) (%) (g) (%) (%) (%) 10. 8 35 -15 786 28.8 26 87 24.4 5.5 青未熟 68 3 17 .13 40 -10 872 27.2 31 89 24.5 3.0 76 2 9 .19 46 -4 987 25.0 67 94 24.3 3.5 充実不足 77 2 6 .23 50 0 1,069 21.7 82 95 24.5 3.0 78 3 3 .28 55 +5 1,157 22.9 86 96 24.4 3.5 充実不足 78 5 1 10. 3 34 -10 865 28.1 53 90 23.5 5.0 充実不足、青未熟 55 6 12 . 7 38 -5 964 25.9 72 92 23.5 3.0 68 6 6 .14 45 +2 1,102 23.1 85 95 23.3 3.5 乳白 72 10 3 .18 49 +6 1,186 21.2 88 94 23.4 3.5 乳白 70 12 1 .24 55 +12 1,308 17.8 93 94 23.1 4.5 乳白 64 14 1 注 1)検査等級は、1等上(1)〜3等下(9)の9段階。1.85 mmふるいで調製。 注 2)整粒、白未熟粒(乳心白、基白、腹背白)および青未熟粒(青未熟、青死米)の割合は,穀粒判別器(RGQI20)による粒数割合。 2015 6.18 2016 6.21 表1 「実りつくし」の刈取時期別の外観品質(筑後分場) 検査 等級 格付理由 整粒 歩合 白未熟 粒割合 青未熟 粒割合 移植 時期 (年) 刈取 月日 出穂後 日数 成熟期 との差 出穂期後 積算気温 籾水分 黄褐色 籾比率 精玄米 重歩合 千粒重

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福岡県の水稲中期世代系統における出穂期遺伝子 Hd16,Hd18の 遺伝子型と出穂期の関連性 ○石橋正文・宮原克典・山口 修 (福岡農林試) 【背景および目的】 近年,水稲の出穂期に関する遺伝情報の蓄積に より,DNA マーカーを用いて出穂期を選抜する育 種が可能となっている。国内の栽培品種では,8 つ の遺伝子において出穂期の変異が報告されている が(Hori et al. 2016),演者らは福岡の現在の 主要品種ではこのうちHd16とHd18の変異の組み 合わせが出穂期の早晩に強く関与しており,Hd16 とHd18の遺伝子型(Hd16 / Hd18)(早生型を A, 晩成型を B とする)が A/A:極早生,A/B・B/A: 早生,B/B:中生となっていることを報告した(育 種学会第 132 回講演会)。 そこで本研究では福岡県の水稲中期世代系統に おける出穂期遺伝子Hd16,Hd18の遺伝子型と出穂 期の関連性を調査したので報告する。 【材料および方法】 出穂期遺伝子型と出穂期の関連性の調査には, 極早生の「フ系 4028」,「フ系 4034」,「西南 152 号」,早生の「フ系 3920」,中生の「西海 297 号」 の計 5 系統を親とした 4 組合せ(a.フ系 3920/西 海 297 号//フ系 4028 b.フ系 4028/西南 152 号// 西海 297 号 c.フ系 4034/西海 297 号//フ系 4028 d.フ系 3920/西海 297 号//フ系 4028)の中期世代系 統(F4) 283 系統を供試した。出穂期は,中期世 代系統,交配親,下記指標品種を 2017 年 6 月 22 日に場内水田(筑紫野市)に移植し,極早生品種 「夢つくし」,早生品種「日本晴」,中生品種「ヒ ノヒカリ」を指標に極早生,早生,中生に分類し た。出穂期遺伝子型の判定には F4世代の玄米数粒 より抽出した DNA について,出穂期遺伝子Hd16, Hd18の SNP を判別できるように設計したプライマ ーを用いて調査し,それぞれ早生型を A,晩生型 を B とした。 【結果および考察】 系統数の多かった組合せ a.と組合せ b.では, 遺伝子型が A/A 型,A/B 型となると極早生になる 系統が多く,B/B 型となると中生になる系統が多 かった(図1)。4 組合せ全体では,極早生系統で は A/A 型と A/B 型の 2 つのタイプが全体の 93%を 占めた。早生系統では,A/B 型が 27%と最も多か ったが,B/A 型と B/B 型もそれぞれ 21%と 23%を 占めた。一方,中生系統では B/A 型と B/B 型の 2 つのタイプが全体の 95%を占めた。 以上の結果から,福岡県で育成されている中期 世代系統において,遺伝子型の組み合わせが,A/A となると極早生,A/B または B/A となると早生, B/B となると中生となる傾向が見られた。なお, 極早生の交配親のうち,「西南 152 号」は B/B で あるなどの例外もあった。 今後は,NIL 系統を作成し,出穂期遺伝子の組 み合わせが,出穂期,収量性等の農業形質におよ ぼす影響について調査していく。 図1. 各組合せごとの中期世代系統(F4)におけるHd16とHd18の遺伝子型と出穂期の関係 注1)Hd16とHd18の遺伝子型は、A:早生型、B:晩生型とした(Hd16/Hd8) 注2)出穂期の指標には「夢つくし」(A/A型),「日本晴」(B/A型),「ヒノヒカリ」(B/B型)を用いた. 注3)その他は、遺伝子型がヘテロの個体と判別不能の個体の合計 注4)各図の交配組合せ ・ 遺伝子型(Hd16/Hd18) ・ 出穂期は以下の通り a. フ系3920/西海297号//フ系4028 ・ AB/BB//AA ・ 早生/中生//極早生 b. フ系4028/西南152号//西海297号 ・ AA/BB//BB ・ 極早生/極早生//中生 0 5 10 15 20 25 30 35 40

A/A A/B B/A B/B その他

個 体 数 遺伝子型 組合せ

a.

極早生 早生 中生 0 5 10 15 20 25 30

A/A A/B B/A B/B その他

個 体 数 遺伝子型 組合せ

b.

極早生 早生 中生

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水稲の追肥時期が背白米の発生に及ぼす影響 ○若松謙一・田中明男・田之頭拓 (鹿児島農総セ) 【目的】 背白米の発生は,出穂後 20 日間の平均気温(登 熟温度)27℃以上でみ ら れ,その 程度に 品種間差 異がみられること,窒素施肥量の増加により玄米 タ ン パ ク 質 含 有 率 が 高 く な り 背 白 米 発 生 割 合 が 低くなることを報告した(若松ら 2005,2008)。今 回は,追肥時期の違いが背白米に及ぼす影響につ いて検討した。 【材料および方法】 試験は 2016 年,2017 年に実施し,供試品種に 「ヒノヒカリ」(高温登熟性「弱」)と「なつほの か」(高温登熟性「強」)を用いた。1/5000a ワグネ ルポットに 2016 年は 6 月 13 日,2017 年は 6 月 9 日 に 移 植 し , 基 肥 と し て N:12% , P2O5:18 % , K2O:14 % の 複 合 配 合 肥 料 を 用 い , ポ ッ ト 当 た り 3.0g 与えた.追肥として N:21%の硫安をポット当 たり 1.0g与えた.試験区は,追肥時期によって出 穂 20 日前区,出穂 10 日前区,穂揃い区,出穂 10 日後区,出穂 20 日後区を設け,比較として追肥無 し区を合わせた 6 水準設けた。各水準 3 ポットに ついて調査した。タンパク質含有率は,玄米中の 全窒素をケルダ-ル法で測定し,タンパク質換算 係数を乗じて求めた。 【結果および考察】 「ヒノヒカリ」の登熟温度は 27.5℃(2016), 27.7℃(2017)で,「なつほのか」の登熟温度 28.2℃ (2016),28.8℃(2017)に比べて低かったが,い ずれの試験区でも「ヒノヒカリ」は「なつほのか」 より背白米が多く発生し品種間差がみられた。品 種 と 追 肥 時 期 が 背 白 米 の 発 生 割 合 に 及 ぼ す 影 響 について分散分析表を表1に示した。背白米の発 生に,品種,追肥時期のいずれも統計的に有意な 関係が認められ,最も寄与率が大きかったのは追 肥時期であった。 追 肥 時 期 と 背 白 米 発 生 割 合 と の 関 係 に つ い て 図1に示した。両品種とも,追肥無し区と出穂 20 日後区は同程度に背白米が多発し,出穂 10 日前 区,穂揃い区,出穂 10 日後区の出穂に近い時期で は背白米の発生が少なくなった。 追 肥 時 期 の 違 い が タ ン パ ク 質 含 有 率 に 及 ぼ す 影響について図 2 に示した。両品種とも,追肥無 し区に比べて,出穂 10 日前区,穂揃い区,出穂 10 日後区はタンパク含有率が高くなり,出穂 20 日 前区と出穂 20 日後区は同程度の値となった。ま た,出穂 20 日後においては,施肥後葉色は高くな ったが(データ略),玄米への養分転流が進まず に 背 白 米 の 低 下 や 玄 米 タ ン パ ク 質 含 有 率 の 増 加 につながらなかったと考えられる。 本試験の結果から,出穂 10 日前から出穂 10 日 後の期間に窒素施用することで,タンパク質含有 率が高まるとともに,背白米発生が最も低くなる ことから,この時期の追肥が登熟能力(シンク機 能)の向上に関与するものと推察された。 表1 背白米発生割合の分散分析表 要因 自由度 平方和 平均平方 F値 p値 寄与率% 年度 1 1760.2 1760.2 4.4 0.0395 * 2.9 品種 1 11552.0 11552.0 29.0 <.0001 ** 18.9 追肥時期 5 22184.7 4436.9 11.2 <.0001 ** 33.0 ブロック 2 1040.3 520.2 1.3 0.2778 1.7 誤差 62 24662.8 397.8 43.5 全体 71 61200.0 <.0001 ** 100.0 *は5%,**は1%水準で有意であることを示す.

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焼酎醸造適性に優れる普通期栽培用水稲高アミロース品種「鹿児島 65 号」の特性 ○田之頭拓・若松謙一・園田純也1)・田中明男・山根一城2)・古江広治3) (鹿児島農総セ・1)熊毛支庁・2)鹿農総セ熊毛・3)鹿農総セ大隅) 【目的】 芋焼酎は南九州の代表的な特産品であり,消費 者の国産志向が強まる中で地元産焼酎麹用米の需 要が増大している。現状においては,主食用米品 種を焼酎麹用米として利用しているが,県内の焼 酎業者から,醸造適性に優れ,本県に適した品種 の開発が強く求められていた。そこで,鹿児島県 の普通期栽培地帯に適した焼酎醸造適性に優れる 高アミロース品種「鹿児島 65 号」を育成したので, その特性概要を報告する。 【来歴および育成経過】 「鹿児島 65 号」は,育種目標を普通期栽培におけ る高アミロース,多収,脱粒性難,耐倒伏性とし, 2006 年に鹿児島県農業開発総合センターにおい て,「夢はやと」を改良した多収系統「06S33」を 母,高アミロース品種「ホシユタカ」を父として, 人工交配した組み合わせに由来する。2006 年冬に F1を温室で養成し,2007 年にF2,F3世代で世代 促進を行った。2008 年にF4世代で個体選抜を行 い,以降系統栽培により選抜と固定を図った。2010 年に「KG401」の系統番号を付し,特性検定試験およ び生産力検定試験に供試した。2014 年からは「鹿 児島 65 号」の地方系統名で奨励品種決定調査に供 試し,2015 年に現地試験に供試して,適応性を検 討した。2017 年 11 月には鹿児島県の適品種に採 用されている。 【特性概要】 「ヒノヒカリ」と比較して,出穂期で 18 日,成熟 期で 21 日遅い“かなり晩”に属する。稈長は同程 度で,穂長は長く,穂数は少ない“穂重型”であ る。稈質は“剛”で,耐倒伏性は“強”,止め葉は 直立し,草姿は良好である。芒は稀に短芒を生じ, ふ色,ふ先色とも“黄白”である。 いもち病真性抵抗性遺伝子をもつと推定され, いもち病の発病はみられない。 収量性は高く,「ヒノヒカリ」,「ホシユタカ」 に比べ多収である。交配親の高アミロース品種「ホ シユタカ」の欠点である脱粒性と粒形を改良し, 脱粒性は“難”で,玄米の形状は“長円形”の短 粒種で,粒大は“やや大”である。玄米の外観品 質は「ヒノヒカリ」よりやや劣る。 本品種は「ヒノヒカリ」に比べて,極めて高い アミロース含有率を有しており,粘りが少ないた め,サバケが良く,焼酎醸造の麹原料として適し ている。 【栽培上の留意点】 現状では,いもち病の発生はみられないが,侵 害菌の動向に注意する。 晩生品種で,登熟期間がやや長いので,早期落 水を避け,収量および品質の向上に努める。 【謝辞】 本品種の育成はJA鹿児島県経済連,西酒造株 式会社との共同研究で,醸造特性は「革新的技術 開発・緊急展開事業(うち地域プロジェクト)」 により実施した。 品種名 鹿児島65号 ヒノヒカリ ホシユタカ 早晩性 かなり晩 中 晩生 草型 穂重型 中間型 穂重型 出穂期(月.日) 9.06 8.19 9.02 成熟期(月.日) 10.21 9.30 10.14 稈長(cm) 77 79 82 穂長(cm) 21.5 18.6 21.0 穂数(本/㎡) 296 400 312 脱粒性 難 難 中 耐倒伏性 強 やや弱 強 稈の剛柔 剛 中 剛 葉いもち R やや弱 R 玄米重(kg/a) 59.5 52.3 56.9 同上標準比(%) 114 100 109 玄米千粒重(g) 23.7 22.0 20.3 一穂籾数 99.9 70.4 97.2 登熟歩合(%) 75.3 81.1 90.3 注)数値は2015~2017年の3カ年の平均値(移植期6.17) 第1表 「鹿児島65号」の特性概要 鹿児島65号 25.6 28.6 4 36.3 4 ホシユタカ 25.6 29.7 4 35.7 5 ミズホチカラ 20.1 30.9 2 36.4 2 ヒノヒカリ 15.7 32.6 2 37.1 2 5(秀:良い)の5段階評価。 第2表 製麹に係る醸造特性 注)1 鹿児島県工業技術センター調査。数値は2016年の値。 2 アミロース含有率は日本穀物検定協会による手分析。 3 サバケ:製麹時の作業性のこと。蒸米がくっつかないほど 良い。基準のヒノヒカリ2(可)に対して,1(不可:悪い)~ 品種名 アミロース 含有率 (%) 一度蒸し 二度蒸し 水分(%) サバケ 水分(%) サバケ

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水稲の飽水管理の現地実証 ○石丸知道・谷口健太郎・尾形武文1)・井田磯和2) (福岡農林試豊前・1)元福岡農林試豊前・2)農業生産法人(株)井田)) 【目的】 水稲の飽水管理技術は,湛水せずに土壌を常に湿 潤状態に保つことで,根に酸素を供給し,株元の温 度および地温を下げ,高温障害の対策として有効で ある(友正・山下1) 2009)。また,根の活性低下が 軽減されるため,登熟歩合が向上し増収するとの報 告(松江2) 2018)もある。 そこで,現地圃場において飽水管理の有効性につ いて実証した。 【材料および方法】 試験は2017年に福岡県糸島市の現地圃場(SL)で 「ヒノヒカリ」を供試し,実施した。 6月24日に移 植し,施肥量は10a当たり窒素成分で基肥6.4kgを全 面全層で施肥し,穂肥は被覆尿素入り配合肥料を 4kg施肥した。水管理は,両試験区とも移植後~最 高分げつ期は湛水,その後中干しを行い,中干し終 了後~出穂期まで間断潅水とした。出穂期(8月27 日)以降は,飽水管理区は出穂期後25日まで湛水し ないように適宜入水して,土壌を湿潤状態に保っ た。対照区は常時湛水とした。その後,成熟期まで 間断潅水とした。 【結果および考察】 対照区と比べて,飽水管理区は,千粒重,整粒歩 合,収量は同程度で,登熟歩合が8.2%高く,粒厚 が0.02mm厚かった(表1)。 飽水管理区において,株当たり出液量が0.66g多 かった(表1)。これは,飽水管理区が対照区と比べ て,根の活力の低下程度が小さいことを示唆してお り,このことにより登熟歩合が向上し,玄米の粒厚 が厚くなったと考える。収量は,籾数の決定時期が 飽水管理以前であり、圃場間の地力の差により飽水 管理区の㎡当たり籾数が少ない傾向がみられたにも かかわらず,登熟歩合の向上により同程度となった と考える。また,飽水管理により,夜間の地温が 0.5℃程度低下した(図 1)。このことも,根の活力 の低下を小さくしたと判断する。夜間の地温を下げ る飽水管理の効果は,近年の温暖化状況下において 水稲の収量、品質向上対策として有効である。 【参考文献】 1)友正達美・山下正(2009)「水稲の高温障害対策に おける用水管理の課題と対応の方向」,農工研技 報 209,131-138. 2)松江勇次(2018)「米の外観品質・食味」,養賢 堂,383-387 ※本研究は,農研機構生研支援センター「革新的技 術開発・緊急展開事業」(うち地域戦略プロジェ クト)の支援を受けて実施した。 図1 飽水管理期間中(9月1~20日)の平均地温 ※地表面下5cmの地温をT&D社製RTR-502にて測定 試験区 ㎡当たり 籾数 千粒 重 登熟 歩合 精玄 米重 同左 比 株当たり 出液量 粒厚 整粒 歩合 検査 等級 ×100粒 g % kg/a % g/株 mm % 対照 306 23.3 67.6 45.8 100 1.21 2.02 86.6 3.0 飽水管理 270 23.6 75.8 46.6 102 1.87 2.04 87.9 3.0 t検定 n.s n.s † n.s - * * n.s -  検査等級は、1(1等上)~9(3等下)。 ※品種はヒノヒカリ、*、†は5、10%水準で有意。  出液量は9月25日(出穂期後29日)の調査。 表1 飽水管理による水稲の生育,収量

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水田センサを活用した水稲の飽水管理 ○石丸知道・谷口健太郎・尾形武文1)・井田磯和2) (福岡農林試豊前・1)元福岡農林試豊前・2)農業生産法人(株)井田) 【目的】 水稲の飽水管理(図 1)は,出穂期からその後25日 の間,湛水せずに土壌を常に湿潤状態に保つ水管理 で,増収技術である(松江2) 2018)。湿潤状態の目 安は,pF値では 0.8~ 1.0(松江2) 2018),外観で は,土壌表面の足跡に水が残る程度の水を保つ(友 正・山下1) 2009)ことである。しかし,生産者が圃 場ごとにpFメーターを設置するのは現実的ではな く,また,圃場の状態を目視で確認するため頻繁に 圃場へ赴かねばならず,水管理労力の増加が普及拡 大の阻害要因となっている。 そこで,飽水管理の省力化を目的とし,パソコン やスマートフォン等で圃場の水位確認ができ,水管 理を省力化できる水田センサの活用法を検討した。 【材料および方法】 2017年に福岡県糸島市の現地圃場(SL)で「ヒノ ヒカリ」を供試し,試験を実施した。 6月24日に移 植し,施肥量は地域慣行とした。水管理は,移植後 ~最高分げつ期は湛水,その後中干しを行い,中干 し終了後~出穂期までは間断潅水とした。飽水管理 区は,出穂期(8月27日)からその後25日の間,湛水 しない様に適宜入水して土壌を常に湿潤状態に保っ た。対照区は,出穂期以降,常時湛水とした。両区 とも出穂期前に側面にランダムに穴を開けた長さ 5cmの塩ビ管を埋め込み,中の土壌を取り除き,水 田センサ(ニシム電子工業社製 NHD-92AG)を設置 (図2)し,塩ビ管内の水位を1時間おきに測定した。 図1 飽水管理の状態 【結果および考察】 本試験では,水田センサによる水位確認に加え, 圃場の状態を目視で確認しながら適宜入水した。 その結果,9月1~20日の20日間における両試験区 の水位は,対照区が地上 3cm程度,飽水管理区が 地表面-1cm程度で推移した(図 3)。友正・山下1) (2009)は,土壌表面の足跡に水が残る程度の水を 保つことが飽水管理と定義しており,地表面-1cm 程度の水位を保つことで飽水管理の状態が維持で きていると考える。そのため,水田センサにより 従来の地表面上の水管理と併せて,地表面下の水 位を確認し水管理することで,圃場の状態を確認 でき、水管理の省力化が図れる。 【参考文献】 1)友正達美・山下正(2009)「水稲の高温障害対策に おける用水管理の課題と対応の方向」,農工研技 報 209,131-138. 2)松江勇次(2018)「米の外観品質・食味」,養賢 堂,383-387 ※本研究は,農研機構生研支援センター「革新的技 術開発・緊急展開事業」(うち地域戦略プロジェク ト)の支援を受けて実施した。 図2 飽水管理における水田センサの模式図 図3 飽水管理中の水位(9/1~9/20)

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普通期栽培向け焼酎麹用米専用品種「み系358」の栽培法 ○赤木 武・永吉嘉文・加治佐光洋・川越 博・三枝大樹1)・北﨑康生2) (宮崎総農試・1) 宮崎県農産園芸課・2) 東臼杵農林振興局) 【目的】 本県では,2014年から実需者ニーズへの対応と 栽培者の収益確保のため焼酎麹用米の生産拡大に 取り組み,2015年からは,本県育成の多収品種「み 系358」を専用品種として導入した。さらなる安定 した収益確保のためには,品種の特性に応じた安 定多収省力低コスト技術の確立が必要である。 そこで,品種に適した移植時期,栽植密度,収 穫時期,実肥施用について検討したので報告する。 【材料および方法】 試験1 移植時期 2015~16年に5月下旬,6月中旬,6月下旬に移植 し,収量,品質等に及ぼす影響を検討した。 試験2 栽植密度 2014~15年に条間を30cm,株間を20,25,30cm に設定し,収量,品質等に及ぼす影響を検討した。 試験3 収穫時期 2015~16年に,出穂39~60日後に収穫した場合 の収量,品質の変化を調査した。 試験4 実肥の効果 2014~16年に,出穂4~6日に2.0kg/10aの窒素を 施用し収量,品質等に及ぼす影響を検討した。 【結果および考察】 試験1 各移植時期において,品質は3等上~中で加工用 米合格基準を満たし,病害の発生等にも差は無く, 一定の収量を確保した(表1)。 表1 移植時期が収量等に及ぼす影響 試験2 株間20㎝が,株間25cm及び30cmに比べ登熟歩合 が高く,玄米千粒重も重く,多収となった(表2)。 表2 栽植密度が収量等に及ぼす影響 試験3 出穂後の積算温度1,100℃で成熟期に達し,その 後10日間は収量は安定した。品質は,成熟期後2週 間は3等を維持した(表3)。 表3 出穂後積算温度と収量・品質 試験4 実肥の施用による籾数,登熟歩合,玄米千粒重 の差は無く,増収効果は認められなかった(表4)。 表4 実肥の施用が収量等に及ぼす影響 以上のことから,「み系358」の移植適期幅は1か 月程度,収穫適期幅は10日程度と長く,当品種の 大規模法人等の経営品目としての導入は容易と考 えられた。 今後は,地力に応じた施肥法や地域条件に応じ た低コスト技術の開発が必要と考えられた。

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春作マルチ栽培における温暖化に対応した暖地バレイショ品種・系統 ○松尾祐輝・渡邊 亘1)・森 一幸2)・坂本 悠3)・中尾 敬4) (長崎県五島振興局・1)長崎県島原振興局・2)長崎県農林部・3)長崎農林技開セ馬鈴薯・ 4)北海道農研芽室) 【目的】 長崎県内のバレイショ主要産地における春作マ ルチ栽培の収穫時期は5月にピークとなるが,気 温上昇と茎葉の黄変落葉に伴い,日射により透明 ポリフィルムで被覆した畝内の温度が高温となり, 塊茎肥大やでん粉蓄積に不適になる。また,温暖化 で, 塊茎腐敗や内部異常(中心空洞,褐色心腐れ 等)が発生するリスクが高まっている。今後,気温 がさらに上昇した場合,塊茎腐敗や内部異常が少 なく,収量が高い品種が必要であるが,高温条件下 での栽培に適する品種・系統の検討はこれまで行 われていない。そこで,春作マルチ栽培において遅 植え(2月下旬植付け)を行い,透明ポリフィルム で被覆し6月中旬に収穫することで,高温条件下 の栽培に適する品種・系統を検討した。 【材料および方法】 本試験は,2014 年から 2015 年の2年間に, 長崎 農林技開セで実施した。供試品種・系統は「西海 39 号」, 「長系 150 号」,「アイユタカ」,「さん じゅう丸」,「ながさき黄金」および標準品種を「ニ シユタカ」とした。種いもは県内秋作産温蔵を用 い,植付け時期は2月下旬,施肥量(kg/a)は N:P2O5:K2O=1.4:1.12:0.84,栽植密度は 666 株/a (畝間 60cm×株間 25cm), 収穫時期は6月中旬と し,調査株数は 10 株または 20 株の3反復とし,生 育および収量性を調査した。 【結果および考察】 表1に品種・系統の違いによる生育および収量 性を示した。「ニシユタカ」と比較し,以下の結果 が得られた。「西海 39 号」は,2ヵ年とも出芽期 が有意に早く,塊茎腐敗,内部異常は少ない傾向で あった。「長系 150 号」は, 出芽期が有意に早かっ たが,内部異常の発生が多かった。「アイユタカ」 は,2015 年の出芽期が遅く,塊茎腐敗が多かった ため,上いも重が減少した。「さんじゅう丸」およ び「ながさき黄金」は,出芽期が早く,上いも重は 多い傾向であったが, 2014 年は塊茎腐敗が多かっ た。 図1に, 長崎農林技開セで観測した試験時の5 月以降の最高気温と降水量の推移を示した。塊茎 腐敗は最高気温が5月下旬から6月上旬に 25℃ を超え,畝内が 30℃を超える高温状態(データ省 略)で誘発されたと考えられた。内部異常は年次 や品種・系統により態様が異なり, 2014 年は多く の品種・系統で中心空洞が多かった。これは5月 上旬に 11 日間の無降水期間があり,その後の降雨 で急激な塊茎肥大が起こり発生したと考えられた。 2015 年は「長系 150 号」に褐色心腐れが多く見ら れた。これは5月中下旬に 10 日間の無降水期間が あり,気温も高かったためと考えられた。「アイユ タカ」は 2014 年に褐色心腐れ,中心空洞とも発生 したが,2015 年は発生がなかった。2015 年の「ア イユタカ」は,他の品種・系統より出芽期が遅かっ たことが影響したと考えられた。 以上のことから,「西海 39 号」は畝内が 30℃を 超える高温条件下でも,塊茎腐敗や内部異常の発 生が少なく,上いも重が「ニシユタカ」より多いこ とから温暖化に対応できる品種・系統として有望 であると考えられる。今後,「西海 39 号」の特長 を生かし,温暖化に対応する実用品種の開発に取 り組んでいく。 0 100 200 300 12 14 16 18 20 22 24 26 28 上旬 中旬 下旬 上旬 中旬 5月 6月 降 水 量 最 高 気 温 2014年 降水量 2015年 降水量 降水量 (平年)1) 2014年最高気温 2015年 最高気温 最高気温 (平年)1) (℃) (mm) 生育2) 上いも3) 塊茎 内部5) 出芽期 日数 重 対標比4) 腐敗 異常 (月/日) (日) (kg/a) (%) 率(%) 率(%) 西海39号 3/21 ** 81 ** 645 * 124 0.8 n.s. 0.0 n.s. 長系150号 3/21 ** 81 ** 679 * 130 9.5 n.s. 30.7 n.s. アイユタカ 3/27 ** 75 ** 538 n.s. 103 10.9 n.s. 27.5 n.s. さんじゅう丸 3/25 n.s. 77 n.s. 532 n.s. 102 10.4 * 4.4 n.s. ながさき黄金 3/24 n.s. 78 n.s. 551 n.s. 106 10.4 * 1.7 n.s. ニシユタカ(標) 3/25 77 521 100 0.0 6.4 西海39号 3/19 ** 94 ** 593 n.s. 121 4.0 n.s. 1.8 n.s. 長系150号 3/19 * 94 * 579 n.s. 118 5.8 n.s. 13.2 ** アイユタカ 4/5 * 77 * 357 n.s. 73 16.6 n.s. 0.0 n.s. さんじゅう丸 3/22 * 91 * 625 n.s. 127 6.4 n.s. 1.9 n.s. ながさき黄金 3/21 * 92 * 529 n.s. 108 7.8 n.s. 0.2 n.s. ニシユタカ(標) 3/28 85 491 100 7.8 0.0 西海39号 3/20 88 619 122 2.4 0.9 長系150号 3/20 87 629 124 7.7 21.9 アイユタカ 3/31 76 447 88 13.7 13.8 さんじゅう丸 3/23 84 578 114 8.4 3.2 ながさき黄金 3/22 85 540 107 9.1 1.0 ニシユタカ(標) 3/26 81 506 100 3.9 3.2 注2)生育期間は出芽期から収穫までの生育日数 注3)上いも重には、内部異常、裂開、二次生長、緑化、そうか病のいもが含まれる 注4)対標比は、「ニシユタカ」の上いも重を100とした値 注5)内部異常は、中心空洞、褐色心腐れおよび黒色心腐れを示し、2014年は中心空洞、2015年は褐色心腐れが主要因であった 表1 春作マルチ栽培(遅植え)における品種・系統の違いによる生育および収量性 注1)「ニシユタカ」と比較し、**:1%水準、*:5%水準で有意差あり、n.s.:有意差なし(Dunnet法) 試験 年度 品種・系統 2014年 2015年 平均

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表1 収穫時期およびマルチの違いによる収量性および腐敗塊茎率 (春作マルチ栽培) 生育1) 茎葉の2)上いも3) 上いもの でん 腐敗 収穫時期 の 目安 マルチ 出芽期 日数 黄変 重 対標比4)平均重 粉価 塊茎率 (月/日) (月/日) 程度 (kg/a) (%) (g) (%) (%) 黒 3/23 57 Ⅲ 302 ab 108 75 b 15.1 a 0.0 b 透明 3/23 57 Ⅲ-Ⅱ 281 b 100 77 b 14.5 a 0.0 b 黒 3/23 69 Ⅲ-Ⅳ 429 ab 153 98 a 16.3 a 1.2 b 透明 3/23 69 Ⅳ-Ⅲ 425 ab 152 100 a 15.9 a 0.8 b 黒 3/23 77 Ⅴ 457 a 163 111 a 15.1 a 2.0 b 透明 3/23 77 Ⅴ-Ⅵ 413 ab 147 107 a 15.1 a 7.5 a 注1)2014~2016年の3ヵ年平均値。同列異符号間には5%水準で有意差あり(Tukey法)。 注2)生育日数は出芽期から調査日までの日数。 注4)上いも重には、裂開、二次生長、緑化いも、そうか病いもが含まれる。 注5)対標比は、透明マルチでの5月20日収穫を100とした値。 5月20日 6月1日 6月9日 注3)茎葉黄変程度;Ⅰ:葉の黄変なし、Ⅱ:下葉がわずかに黄変、Ⅲ:葉の約1/3が黄変、 Ⅳ:約2/3が黄変、Ⅴ:株全体が黄変、Ⅵ:地上部が枯死(枯凋) バレイショ「ながさき黄金」の春作マルチ栽培において高収量が得られる 収穫時期とマルチの種類 ○龍美沙紀・松尾祐輝1)・森 一幸2)・渡邊 亘3)・坂本 悠・中尾 敬4)・茶谷正孝 (長崎農林技開セ馬鈴薯・1)長崎五島振興局・2)長崎農林部・3)長崎島原振興局・4)北海道農研芽室) 【目的】 長崎県が育成したバレイショ「ながさき黄金」 (2015 年 7 月品種登録出願公表)は,ジャガイモシ ストセンチュウおよびジャガイモ Y ウイルスに 抵抗性を示し,高カロテノイド,高でん粉の良食味 品種である。本品種は春作マルチ栽培の標準的な 植付け時期である 2 月上旬に植付けし,透明ポリ フィルム(以下透明マルチ)で被覆した場合,本県 の主要品種「ニシユタカ」に比べて収量が低く, 上いもの平均重が 80g 前後と小さい(森ら 2012) ことが課題となっている。また,「ニシユタカ」に 比べ茎葉の黄変が早く,マルチ畝内の温度が上昇 しやすいため,5 月中旬以降の収穫では腐敗塊茎 が発生することがある。一方, 長日条件下で生育 した場合には茎葉が繁茂し晩生化することが観察 されている。ここでは「ながさき黄金」の収量性 を高め,かつ腐敗塊茎の発生を抑制するため,植付 け時期を 2 月下旬とし,収穫時期およびマルチの 種類について検討した。 【材料および方法】 本試験は,2014 年から 2016 年の 3 年間で当セン ターにて実施した。供試品種は「ながさき黄金」 とした。種いもは当センターで採種した秋作産温 蔵種を用い,植付け時期は 2 月下旬,施肥量(kg/a) は N:P2O5:K2O=1.4:1.12:0.84,栽植密度は 666 株 /a(畝間 60cm×株間 25cm)とした。マルチは,透 明マルチおよび黒ポリフィルム(以下「黒マルチ」) を用いた。収穫時期の目安は 5 月 20 日、6 月 1 日 および 6 月 9 日とし,生育,収量性および腐敗塊茎 率を調査した。 【結果および考察】 表1に収穫時期およびマルチの違いによる生育, 収量性および腐敗塊茎率を示した。 上いも重は,透明マルチの 5 月 20 日収穫では 281kg/a に対し,6 月 1 日収穫では 425kg/a と増加 傾向にあった。しかし,6 月 9 日収穫の上いも重は 413kg/a で 6 月 1 日収穫と同程度であった。黒マ ルチの場合,5 月 20 日収穫の上いも重は 302kg/a であるが,6 月 1 日収穫では 429kg/a,6 月 9 日収穫 では 457kg/a と生育日数が長いほど増加する傾向 が見られた。腐敗塊茎率は,透明マルチ使用の場 合,6 月 1 日収穫までは 1%未満であったが,6 月 9 日収穫では 7.5%と有意に増加した。黒マルチの場 合は,6 月 9 日収穫でも 2%以下と同時期の透明マル チに比べて有意に少なかった。上いもの平均重は マルチの種類に関わらず,収穫時期を 6 月 1 日以降 にすることで有意に増加した。でん粉価は 6 月 1 日収穫がその前後の収穫に比べて高い傾向にあっ たが有意差は認められず,マルチの種類による差 も小さかった。以上より,春作マルチ栽培において 標準的な植付け時期より遅い 2 月下旬に「ながさ き黄金」を植付けた場合,透明マルチ使用では生育 日数約 70 日の 6 月 1 日収穫することで高収量が得 られたが,収穫時期が 6 月 9 日まで遅くなると茎葉 の黄変が進み,マルチ畝内の温度が高くなりやす いため,腐敗塊茎の発生が増加し,収量,品質とも に低下することが示唆された。一方黒マルチ使用 の場合は,6 月 9 日収穫でも腐敗塊茎率が透明マル チに比べ明らかに低く,生育日数が長くなること で高収量が得られた。マルチの種類は茎葉の黄変 程度に影響しないが,黒マルチでは透明マルチに 比べて太陽光の入射による温度上昇が抑えられる ため,塊茎の腐敗が少なく,高収量につながったと 考えられる。

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奄美地域バレイショ栽培におけるかん水が生育,収量,ジャガイモそうか病の発生に及ぼす影響 1) ○柏木伸哉・餅田利之 (鹿児島農総セ大隅・1)鹿児島農総セ) 【目的】 奄美地域のバレイショは,11月~12月に植え付 ける無マルチ栽培であるが,気象条件等により肥 大が大きく左右され,また,そうか病の発生が多 いなど生産が不安定である。一方,大規模畑地か んがい設備の整備が進み,今後計画的な水利用に よる生産性の向上が期待される。 そこで,かん水がバレイショの生育,収量,バ レイショそうか病の発生に及ぼす影響を検討し た。 【材料および方法】 暗赤 試験は鹿児島農総センター徳之島支場( 内で実施した。 色土) 試験1:出芽,収量に及ぼす影響 供試品種‘ニシユタカ(長崎産冷蔵種子 ’を) 用い,2014年から2017年の4か年,毎年11月5日 前後に植え付けた。畝幅は80cm,株間20cm,625 株/aとし,施肥量(kg/a)はN:P 0 :K 0=1.62 5 2 :2.6:2.6とした。試験区は,無かん水区とかん 水区を設け,かん水区は植付直後30mm,その後1 週間ごとに畑かん基準量21mmから降水量を差し引 いた量を概ね植付1か月後までかん水した。 試験2:そうか病の発生に及ぼす影響 供試品種‘ニシユタカ(北海道産無冷種子 ’) を用い,2016年11月26日に植え付け,収穫は2017 ( ) 。 , 年3月9日 植付後103日 に行った 試験区は 植付から約2か月間土壌水分を乾燥状態にする乾 表1 かん水の有無と出芽期 差 無かん水 かん水 (日) 2017 11/7 11/29(22) 11/22(15) - 7 2016 11/8 11/30(22) 11/21(13) - 9 2015 11/5 11/25(20) 11/18(13) - 7 2014 11/5 11/23(18) 11/18(13) - 5 注)出芽期は出芽株率50%,()内は植付後日数 年度 植付期 出芽期 燥区とかん水により湿潤状態にする湿潤区を設け た。乾燥区は植付け後雨よけビニールを展張し土 壌水分を乾燥状態とした。湿潤区は,1週間ごと に21mmから降水量を差し引いた量をかん水した。 その他の栽植条件は,試験1に準じた。 【結果および考察】 試験1:植付から出芽までの日数は,無かん水区 18~22日,かん水区13~15日で,植付直後にかん ( )。 水を行うことで出芽が安定的に早まった 表1 植付後70日のかん水区の収量は,無かん水区比 の143%で,その後生育が進むと無かん水区比は , 。 小さくなり 植付後100日で110%であった(図1) , , でん粉価のピークは 無かん水区は植付後110日 かん水区は植付後90日から100日と早くなった。 試験2:生育初期2か月間土壌を乾燥条件にした 乾燥区は,そうか病の発病塊茎率82.2%,発病度 45.5であった。かん水を行った湿潤区は,収量が 多く,発病塊茎率が28.3%,発病度は8.3と有意 に発病が減少した(表2)。かん水によるジャガイ モそうか病の抑制効果はこれまでも報告がある が,11月に植え付ける奄美地域の重粘土壌での無 マルチ栽培でも,生育2か月までのかん水による そうか病の発生軽減効果が認められた。 図1 かん水の有無と収量,でん粉価の推移 (4か年平均,図中の数字はかん水/無かん水比) 143 116 110 110 103 108 101 3 6 9 12 15 0 200 400 600 800 70日 80日 90日 100日 110日 120日 130日 で ん 粉価(% ) 総収量(kg/a ) 植付後日数 収量無かん水 収量かん水 でん粉価無かん水 でん粉価かん水 表2 かん水による土壌水分の乾湿がそうか病の発生に及ぼす影響 (%) 乾燥区 1,305 166 100 128 1,066 146 82.2 45.5 湿潤区 1,924 244 147 128 536 71 28.3 8.3 分散分析  **  ** n.s. * * ** ** 注)**:1%水準,*:5%水準で有意差あり,n.s.:有意差なし。発病塊茎率,発病度はArcsin変換後分散分析  発病度={Σ(発病指数(5段階)×当該塊茎数)/(4×全調査塊茎数)}×100 土壌 水分 総計 そうか病 発病 塊茎率 発病度 個数 収量 1個重 個数 収量

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サツマイモ小苗栽培における植付け時期と密植が収量に及ぼす影響 1) ○竹牟禮穣・溜池雄志・大村幸次・森 清文・杉本光穗 (鹿児島農総セ大隅・1)九州沖縄農研) 【目的】 サツマイモは,鹿児島県の畑作営農の基幹作物 で,11,900ha(2017年)栽培されている。サツマ , イモの生産は高齢化や労力不足により減少傾向で 生産の維持・拡大を図るために,栽培体系の中で 人力にたより作業時間の長い育苗・採苗及び植付 けを,軽労化・省力化できる小苗栽培体系を構築 した。小苗栽培は,従来の苗より機械植付けに適 した小型の苗を使うため,慣行栽培より収量がや や低いことから,収量を高めるための栽培法の改 善が求められている。今回は,小苗栽培の増収技 術として,植付け時期と密植栽培を検討した。 【材料および方法】 試験は2017年に鹿児島県農総センター大隅支場 ,「 」 「 」 , で コガネセンガン と シロユタカ を供試し 黒マルチ栽培で行った。栽植密度は,慣行栽培が 畦間90cm,株間40cmの278本/a,小苗栽培が畦間90 cm,株間35cmで317本/aとした。4月14日と5月12日 , 。 に植付け 慣行栽培は8節苗を人力で斜め植えした 小苗栽培は,苗長15cmの苗を小苗移植機で垂直植 えした。収量調査は約1ヶ月おきに行い,栽培日数 は,4月植えが101,124,150,182日,5月植えが 89,122,154,180日であった。施肥は原料用サツ マイモの化成肥料を用い,N:P O :K O=0.8:1.2:2 5 2 。 , 。 2.4kg/aとした 試験区は 1区15㎡で2反復とした 【結果および考察】 上いも個数は,植付け時期×栽培法,品種×栽 培法の交互作用に有意差がみられ,植付け時期× 栽培法では,4月植えは慣行栽培と小苗栽培が同 , 。 等であったが 5月植えは小苗栽培が少なかった 品種×栽培法では,コガネセンガンは小苗栽培の 上いも個数が少なかったが,シロユタカは同等で あった(表1,図1 。上いも収量は,品種,栽培) 日数,栽培法の各要因に有意差がみられ,特に栽 培日数の寄与率が大きかった(表2 。上いも収量) は,栽培日数が長い程多く,品種ではシロユタカ が多く,栽培法では慣行栽培が多かった(図2 。) 小苗栽培は,植付け苗が小さいため,慣行栽培 に比べ活着や生育が遅れる傾向にある。特に5月 植えでは,高温や乾燥などの気象要因の影響を受 けやすく,株間35cmの密植にしても,一株個数が 少なく,上いも個数が少なかった。小苗移植機の 性能や作業性を考慮すると,より狭い株間の実用 性には問題がある。このため,小苗栽培では植え 付け時間帯や,植え付け後のかん水等,植え付け 時の栽培技術による対策が必要と考えられた。 なお本研究は,革新的技術開発・緊急展開事業 (地域戦略プロジェクト)で行った。 表1 上いも個数の分散分析表 要因 自由度 平方和 F値 p値 寄与率% 植付け時期 1 71,891 3.5 0.0669 1.9 品種 1 676,753 32.9 <.0001 ** 17.8 栽培日数 3 708,405 12.5 <.0001 ** 18.7 栽培法 1 402,210 19.6 <.0001 ** 10.6 ブロック 1 71,891 3.5 0.0669 1.9 植付け時期×栽培法 1 545,825 26.6 <.0001 ** 14.4 品種×栽培法 1 148,784 7.2 0.0095 ** 3.9 誤差 54 1,171,571 30.9 全体(修正済み) 63 3,797,330 100  注) **は1%水準で有意であることを示す.  表2 上いも収量分散分析表 要因 自由度 平方和 F値 p値 寄与率% 植付け時期 1 452 0.3 0.6069 0.0 品種 1 60,861 36.1 <.0001 ** 5.9 栽培日数 3 858,933 170.8 <.0001 ** 83.4 栽培法 1 10,120 6.0 0.0174 * 1.0 ブロック 1 0.53 0.0 0.986 0.0 誤差 56 99492 9.7 全体(修正済) 63 1,029,858 100  注) **は1%,*は5%水準で有意であることを示す. b  c bc  a bc b 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 1,800 L1:慣行 L2:小苗 L1:慣行 L2:小苗 L1:慣行 L2:小苗 L1:慣行 L2:小苗 L1:コガネセンガン L2:シロユタカ L1:コガネセンガン L2:シロユタカ L1:4月植 L2:5月 上 い も 個 数( 個 / a) 図1 植付時期・品種および栽培法別上いも個数 注)多重比較はTukey検定により同じ英子文字間に有意差なし.値は4栽培日数の平均値. 0 100 200 300 400 500 600 L1 :慣行 L2 :小苗 L1 :慣行 L2 :小苗 L1 :慣行 L2 :小苗 L1 :慣行 L2 :小苗 L1 :慣行 L2 :小苗 L1 :慣行 L2 :小苗 L1 :慣行 L2 :小苗 L1 :慣行 L2 :小苗 L1:90日 L2:120日 L3:150日 L4:180日 L1:90日 L2:120日 L3:150日 L4:180日 L1:コガネセンガン L2:シロユタカ 上 い も 収 量( k g / a ) 図2 品種・栽培日数および栽培法別の上いも収量 注)値は4月と5月植えの平均値.

参照

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継続 平成29年度新潟県の地域づくりに関する意見交換会 新潟県総務管理部地域政策課 委員 石本 継続 ファンドレイジング福祉にいがた管理委員会

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