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z f(z) f(z) x, y, u, v, r, θ r > 0 z = x + iy, f = u + iv C γ D f(z) f(z) D f(z) f(z) z, Rm z, z 1.1 z = x + iy = re iθ = r (cos θ + i sin θ) z = x iy

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Academic year: 2021

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全文

(1)

はじめに

z は複素数,f (z) は複素関数.f (z) は断りがなけれ ば正則.x, y, u, v, r, θ は実数.また,r > 0. z = x + iy, f = u + iv C は閉じたパス,γ は閉じてないパス.

1.1

複素数と複素関数

z = x + iy = reiθ= r (cos θ + i sin θ) ¯

z = x− iy = re−iθ = r (cos θ− i sin θ)

x = z + ¯z 2 = Re z, y = z− ¯z 2i = Im z r2=|z|2= z ¯z = x2+ y2 θ = arg z = arctany x eiz= 1 + iz−z 2 2 − i z3 3! + z4 4! + i z5 5! − · · · cos z = 1−z 2 2! + z4 4! − · · · , sin z = z−z 3 3! + z5 5! − · · · eiz = cos z + i sin z

e−iz= cos z− i sin z cos z = e iz+ e−iz 2 , sin z = eiz− e−iz 2i ( eiθ)n= einθ

(cos θ + i sin θ)n = cos nθ + i sin nθ

|z1+ z2| ≤ |z1| + |z2| (1.1) |z1z2| = |z1||z2| (1.2) eiθは単位円 (|z| = 1) 上の点 eiθ = 1 積分は足し算なので三角不等式 (1.1) より ˆ f (z)dz ˆ |f(z)dz| = ˆ |f(z)| |dz| が成立.等号は式 (1.2) から言える.

1.2

微分

微分可能 ⇐⇒ Cauchy-Riemman の関係式 ⇐⇒ ∂f ∂ ¯z = 0 Cauchy-Riemman の関係式 ∂u ∂x = ∂v ∂y, ∂u ∂y = ∂v ∂x ポイント:実部同士=虚部同士,クロスしたらマイナス

正則

ある領域 D 全体で f (z) が微分可能なとき,f (z) は D で正則と呼ぶ.ある点で f (z) が正則であるために は,その点を含む領域(近傍)で f (z) が微分可能で ある必要がある.|z|, Rm z, ¯z などは正則な関数では ない.

1.3

多価関数

w = log z や w = √z などの関数は,ひとつの z に対して,複数の w が対応するため多価関数と呼ば れる.

log z = Log|z| + i (arg z + 2nπ)

z =√reiθ2,√rei( θ 2+nπ)

1.4

積分

問題を解くためのチャート 1. f (z) が正則でない. • z を実数パラメータを用いて表す. 2. f (z) が正則. • パスが閉じてない場合は以下の方法を取る. (a) (パスを変更して)実数パラメータで 表す (b) 原始関数を使う(式 (1.3)) (c) パスを付け足して閉曲線のパスにする (付け足したパスは計算可能 or 0 に なる) • パスが閉曲線の場合 (a) (パスを変更して)実数パラメータで 表す (b) 積分定理,積分公式,留数定理などを 適用する

Cauchy の積分定理

正則な関数はグルッと一周積分で 0 になる. 0 = ‰ f (z) dz

(2)

原始関数

z = A から z = B まで積分. ˆ γ f (z)dz = F (B)− F (A) (1.3)

Cauchy の積分公式

積分パス C は内部に点 α を含む f (α) = 1 2πiC f (z) z− α dz f(n)(α) = n! 2πiC f (z) (z− α)n+1 dz

1.5

Taylor

展開

級数展開 |α| < 1 ならば, β 1− α= β ( 1 + α + α2+ α3+· · ·) (1.4) Taylor 展開 f (z) = n=0 cn(z− α)n cn= 1 n!f (n)(α) (1.5) 収束半径 1 R = lim supn→0 n cn or R = lim n→0 cn cn+1

1.6

Laurent

展開

f (z) = n=−∞ cn(z− α)n (z∈ D) D ={z|0 ≤ R1< z < R2≤ ∞} cn = 1 2πiC f (z) (z− α)n+1 dz (1.6) パス C は D 内の閉曲線. 正則でない項をまとめて,主要部と呼ぶ. f (z) = n=1 c−n (z− α)n | {z } 主要部 + n=0 cn(z− α)n | {z } 正則部 級数展開の計算法 1. 等比数列の和から導出(式 (1.4)) 2. 式 (1.5), (1.6) を計算(式 (1.6) はほぼ使わない) 3. f (z) = g(z)h(z) で表される場合,g(z), h(z) を 級数展開して積を計算 4. f ((z− α)n) で表される場合,f (z) を級数展開 して z に (z−α)nを代入.n は負の整数でも OK

特異点

1. 除去可能な特異点 主要部が 0.実は正則 sin z z = 1 z2 3! + z4 5! z6 7! +· · · 2. 極 主要部が有限項からなる.c−n̸= 0 のとき,n 位の極 と呼ぶ. f (z) = c−n (z− α)n + cn−1 (z− α)n−1 +· · · + c−1 z− α +c0+ c1(z− α) + · · · 3. 真性特異点 主要部が無限項.e1/zなど.

1.7

留数定理

f (z) =· · · + c−n (z− α)n + cn−1 (z− α)n−1 +· · · + c−1 z− α +c0+ c1(z− α) + · · · 1 z− αの係数 c−1を留数と呼ぶ. Res (f (z), α) = c−1

留数定理

αkは閉曲線 C の内部の点で,f (z) の特異点.C f (z) dz = 2πi nk=1 Res (f (z), αk)

(3)

留数の求め方

1. 普通に Laurent 展開して,1/(z− α) の係数を 求める. 2. n 位の極の場合 c−1= 1 (n− 1)!zlim→α dn−1 dzn−1{(z − α) nf (z)} 3. f (z) = h(z) g(z) で,α で g が 1 位のゼロ点,h が 正則で h(α)̸= 0 のとき. c−1= h(α) g′(α)

1.8

いろいろな積分

実数積分

上半面で|f(z)| ∼ O ( 1 R2 ) のとき, lim R→∞ ˆ ΓR f (z) dz = 0 これを用いて ˆ −∞ f (x) dx =CR f (z) dz ΓRは上半面の半径 R の半円のパス,CRは ΓR−R から R までの実軸状の線分のパスからなる閉じたパス.

Jordan の補題

Im z > 0 において遠くで|f(z)| ∼ O ( 1 R ) ,p > 0 のとき, lim R→∞ ˆ ΓR f (z) eipzdz = 0 これを用いて ˆ −∞ f (x) eipxdx =CR f (z)eipzdz Jordan の不等式 sin θ≥ 2 πθ は,以下のように使う. ˆ π 2 e−R sin θdθ < ˆ π 2 e−Rπ2θdθ < π 2R

三角関数で一周積分

ˆ 0 R(cos θ, sin θ)dθ 解法:z = eiθ とおいて,cos θ = z + 1/z 2 , sin θ = z− 1/z 2i とする.dz = ie dθ.

有利関数の 0 から無限大までの積分

ˆ 0 f (x) dx = 2πi 1− e−2πiαk Res ( f (x) , αk )

1.9

おまけ

級数の逆数の級数

z = α における Taylor 展開より次式を得る. 1 1 + a1(z− α) + a2(z− α)2+· · · = 1− a1(z− α) + · · ·

円弧の変数変換

中心 α,半径 r の円弧上を積分をするときは,以下 の変数変換が有効

z− α = reiθ, dz = ireiθdθ

1/z の積分

1 z− αを,z = α を内側に含む閉じたパスで積分す ると,2πi を得る.C dz z− α = 2πi パスの内側に z = α を含まない場合,0 となる. なお,n が−1 以外の整数のとき,C (z− α)n dz = 0 となる.

(4)

2

問題

【 問 1. 平面内の点の回転】 点 P の座標は (x, y) = (1, 1) である.点 P を,原点を中心にπ 3 回転させたときの座標を求めよ. 解答 複素平面上で,点 P の座標は z = 1 + i である.また, 3i = cosπ 3 + i sin π 3 = 1 2+ 3 2 i である.回転後の座標は z′= (1 + i) ( 1 2+ 3i 2 ) =1 3 2 + 1 +3 2 i となる.よって, (x, y) = ( 1−√3 2 , 1 +3 2 ) 演習問題 1. (解答は p.24) 点 P の座標は (x, y) = (√3, 1) である.点 P を,原点を中心に π 4 回転させたときの座標を求めよ. 【 問 2. 倍角の公式】 ドモアブルの式より以下の関係式が成り立つ.

cos 3θ + i sin 3θ = (cos θ + i sin θ)3 実部と虚部を比較することにより,cos と sin の三倍角の公式を求めよ.

解答

(cos θ + i sin θ)3= cos3θ− 3 cos θ sin2θ

+ i(3 cos2θ sin θ− sin3θ)

よって,実部同士,虚部同士を比較して次式を得る.

cos 3θ = cos3θ− 3 cos θ sin2θ

sin 3θ = 3 cos2θ sin θ− sin3θ

演習問題 2. (解答は p.24)

(5)

【 問 3. 複素共役,絶対値,偏角】 z1= 1 + 3i, z2= 3 + i とする.以下の値を求めよ. 1. arg(z1+ z2) 2. |z1z2| 3. z1/z2 4. z1+ i¯z2 解答 1. 実部と虚部が同じ値になるので,明らかにπ 4で ある. 別解 普通に計算しても構わない. z1+ z2= ( 1 +3 ) (1 + i) =2 ( 1 +3 ) 4i より, arg (z1+ z2) = π 4 2. |z1| = |z2| = 2 より, |z1z2| = |z1||z2| = 4 となる. 別解 手間はかかるが普通に計算しても構わない. z1= 2e π 3i, z2= 2e π 6i (2.1) より, z1z2= 4e( π 3+π6)i= 4eπ2i よって, |z1z2| = 4 3. 1 +√3i 3 + i = ( 1 +√3i) (√3− i) (√ 3 + i) (√3− i) =2 3 + 2 4 = 3 2 + 1 2i 別解 式 (2.1) を用いて計算することもできる. z1 z2 = e(π3 π 6)i= eπ6i= 3 2 + 1 2i 4. z1+ i¯z2= 1 + 3i + i(√3− i ) = 1 +√3i +√3i + 1 = 2 + 2√3i 演習問題 3. (解答は p.24) 1. 複素数 z =√3 + i に対して,−¯z, 1z, z ¯z を求め,複素平面上に図示せよ. 2. 以下の漸化式で定義される複素数列が n→ ∞ で無限大に発散しないような複素数 c の集合を Mandelbrot (マンデルブロ)集合と言う.    zn+1= z2n+ c z0= 0 c =−1 +√3i とする.z2, arg z2, |z2| をそれぞれ求めよ.

(6)

【 問 4. 極座標表現 】 以下の方程式を解き,解を複素平面上に図示せよ. z4=−4 解答 解を z = reiθ (2.2) とおく.−4 = 4ei(2n+1)πより,式 (2.2) は以下のよう に書ける. z4= r4e4iθ= 4ei(2n+1)π 絶対値を比較すると,r4= 4.r≥ 0 より r =2 を 得る.また,偏角の比較を比較すると 4θ = (2n + 1)π となる.よって θ =nπ 2 + π 4 を得る.よって,答えは z = 1 + i,−1 + i, −1 − i, 1 − i となる.図示すると以下の通り. 演習問題 4. (解答は p.24) 以下の方程式を解き,解を複素平面上に図示せよ. 1. z3− 1 = 0 2. (z− 1)4=−4 【 問 5. 複素平面】 以下の式を証明せよ. eiθ− 1 ≤ |θ| 解答 複素平面上で z = 0 を中心とする半径 1 の円に おいて,左辺は eiθと 1 を結ぶ弦(赤色)の長さ,右 辺は弧(青色)の長さである.よって,明らかに eiθ− 1 ≤ |θ| が成立する.等号成立は θ = 0 のときである. 演習問題 5. (解答は p.25) 以下の式を証明せよ.

(a) eiθ2− eiθ1 ≤ |θ

2− θ1| (b) exeiy− e−xe−iy ≥ |ex− e−x|

(7)

【 問 6. 指数法則および三角関数の公式】 指数関数を下記のように定義する. ez= n=0 zn n! 指数法則が成り立つことを証明せよ. ez1+z2= ez1ez2 解答 ez1ez2 =  ∑ j=0 z1j j!   (k=0 z2k k! ) =∑ n=0   ∑ j+k=n z1j j! z2k k!   (2.3) また, (z1+ z2) n = ∑ j+k=n n! j!k!z1 jz 2k より, (z1+ z2) n n! = ∑ j+k=n z1jz2k j!k! (2.4) を得る.よって,式 (2.3), (2.4) より, ez1ez2 = n=0 (z1+ z2) n n! = e z1+z2 となる. 演習問題 6. (解答は p.25) 三角関数を以下のように定義する. cos z = e iz+ e−iz 2 , sin z = eiz− e−iz 2i 以下の式を証明せよ. 1. cos z2+ sin z2= 1

2. cos(z1+ z2) = cos z1cos z2− sin z1sin z2

【 問 7. 指数法則および三角関数の公式】 1iの値を求めよ. 1i= (log 1)iと書ける.log は多価関数であるため,この答えは一つではない. 解答 1 = e2nπiより,1i=(e2nπi)i= e−2nとなる.n は整数である. 演習問題 7. (解答は p.25) iiの値を求めよ.

(8)

【 問 8.  微分可能性】 複素関数 f (z) =|z|2− ¯z について以下の問いに答えよ. 1. f (z) = u + iv の実部 u および虚部 v を,それぞれ x, y を用いて表せ. 2. f (z) が微分可能となる領域を求めよ. 3. f (z) が正則となる領域を求めよ. 微分可能を判断するためには,Cauchy-Riemman の関係式を用いるか,¯z に関して形式的複素微分する.形 式的複素微分を用いる場合は,微分する関数 f を z と ¯z のみで表して,z と ¯z が独立な関数だとみなして f を ¯ z で偏微分する. 「正則」とは近傍においても微分可能であることを言う.一点あるいは線上のみで微分可能である場合は,近 傍に微分可能でない点があるので,正則とは言えない. 解答 1. f (z) = x2+ y2− x + iy u = x2+ y2− x, v = y 2. ∂u ∂x = 2x− 1, ∂v ∂y = 1 ∂u ∂y = 2y, ∂v ∂x = 0 以下の Cauchy-Reimman の関係式, ∂u ∂x = ∂v ∂y, ∂u ∂y = ∂v ∂x が成立するのは x = 1, y = 0 のとき,すなわち z = 1 のとき. 別解 f (z) = z ¯z− ¯z を ¯z に関して形式的複素微分する. ∂f (z) ∂z = z− 1 よって,z = 1 のときに微分可能となる. (c) 微 分 可 能 な 領 域 は z = 1 の一点のみであり, それ以外の点では微分可能な点はない.すなわち, 正則な領域はない. 演習問題 8. (解答は p.25) 1. f (z) = z ¯z 2 2 − ¯z が単位円上で微分可能であることを示せ. 2. f (z) は点 z = 1 で正則かどうか,理由とともに答えよ.

(9)

【 問 9. 正則でない関数の積分】 以下の積分を計算せよ. 1. I1= ˆ γ1 ¯ zdz, 2. I2= ˆ γ2 ¯ zdz 3. I3= ‰ |z|=1 ¯ zdz 正則でない関数はパスを変えて積分してはならない. 解答 1. パス上で z は,z = (1 + i)t とパラメータ表示で きる. ¯ z = (1− i)t dz = (1 + i)dt これより, I1= ˆ 1 0 (1− i)t(1 + i)dt = 1 2. x 軸上では z = t と表すことができる. ¯ z = t dz = dt また,y 軸上では z = 1 + it と表すことができる. ¯ z = 1− it dz = idt よって, I2= ˆ 1 0 tdt + ˆ 1 0 (1− it)idt = 1 2+ ( i + 1 2 ) = 1 + i 3. |z| = 1 軸上では z = cos θ + i sin θ と表すことが できる. ¯ z = cos θ− i sin θ dz = (− sin θ + i cos θ) dθ よって, I3= ˆ 0

(cos θ− i sin θ) (− sin θ + i cos θ) dθ

= i ˆ 0 dθ = 2πi を得る. 演習問題 9. (解答は p.26) 以下の積分を計算せよ. 1. I1= ˆ γ1 |z|2dz, 2. I 2= ˆ γ2 |z|2dz 3. I 3= ‰ |z|=1 Re z dz

(10)

【 問 10. 正則な関数の積分,コーシーの積分公式】 以下の積分を計算せよ.ただし,n は整数,R > 0 である. 1. I1= ˆ γ z dz, 2. I2= ˆ γ dz z , 3. I3= ˆ |z|=R zn dz (n≥ 0), 4. I4= ˆ |z|=R dz z , 5. I5= ˆ |z|=R dz zn (n≥ 1) 正則な関数の計算は a. 実数パラメータで表す, b. パスを変更してから,実数パラメータで表す, c. 原始関数 を使う, といった方法がある. 1 z−α の積分で原始関数 log(z− α) を使う際は,log(z − α) が多価関数であるの で,偏角の取り扱いに注意が必要である. 1 z−α の積分は,z = α を円の中心とする円弧のパスに変更すればう まくいくケースが多い. 解答 1. パラメータ表示を使う. x = 1− t, y = t とおくと, z = 1− t + it = (−1 + i)t + 1 dz = (−1 + i)dt となるので, I1= ˆ 1 0 {(−1 + i)t + 1} (−1 + i)dz = (−1 + i)21 2 − 1 + i =−1 別解その 1 パスを変更してからパラメータ表示を 使う. パスを図のように円弧に変更する. z = eiθ, dz = ieiθdθ であるので, I1= ˆ π 2 0

eiθieiθdθ = i·−i 2 [ e2iθ] π 2 0 =−1 別解その 2 原始関数を使う. F (z) = z 2 2 であるので, I1= F (i)− F (1) = −1 2. 1. と同様に計算できる.ただし,そのままのパス でパラメータ表示を用いて計算すると,計算量が多く なる.そこで,パスを円弧に変更してからパラメータ 表示を使う. I2= ˆ π 2 0 ieiθ eiθ dθ = πi 2 別解その 1 パスを変更しない場合は, I2= ˆ 1 0 −1 + i 1− t + itdt = ˆ 1 0 (−1 + i)(1 − t − it) (1− t)2+ t2 dt となる. 別解その 2 原始関数を使う場合は,F (z) = log z を 使う.(log z は多価関数であるので,多価関数を正しく 理解していない場合は他の解法を用いたほうが良い.) z = 0 において偏角を arg z = 0 と定めると,z = i に おける偏角は arg z = π 2 となる.よって, I2= F (i)− F (1) = πi 2 − 0 = πi 2 3. 被積分関数は全平面で正則である.コーシーの積 分定理より,明らかに I3= 0 である. 4. パラメータ表示を用いる.

(11)

また,被積分関数は以下のようになる. 1 z = e−iθ R よって, I4= ˆ 0 e−iθ R iRe = i ˆ 0 dθ = 2πi 5. 4. と同様に計算する.被積分関数は以下のように 書ける. 1 zn = e−inθ Rn よって, I5= ˆ 0 e−inθ Rn iRe = i Rn−1 ˆ 0 e−(n−1)iθdθ = 0 別解 被積分関数は z̸= 0 で正則なので,コーシーの 積分定理よりパスの半径を大きくしても積分の値は変 わらない.すなわち, lim R→∞I5= I5 が成り立つ.|z|n= Rnより, |I5| ≤ 1 Rn|dz| = Rn−1 → 0 (R → ∞) となる.上式の極限は,n > 1 より明らか. 別解の解説 正則でない点が閉曲線のパスの内側にしかない場合 は,パスを半径の大きな円に変更することができる. その円の半径を R とすると,閉曲線の長さは 2πR と なる.被積分関数の大きさが M Rn(n > 1) でおさえら れるとき,積分の大きさは 2πM Rn−1 でおさえられる.こ れより,R→ ∞ のとき,2πM Rn−1 → 0 となるので,こ の積分は 0 になる. bababababababababababababababababababababab 覚えておこう パス C が α を内部に含む閉曲線の場合,以下の式が成り立つ.(n は整数)C (z− α)n dz =    2πi (n =−1) 0 (n̸= −1) 演習問題 10. (解答は p.26) 以下の積分を計算せよ. I1= ˆ γ z2dz, I2= ˆ γ dz z , I3= ˆ |z|=1 dz z2

(12)

【 問 11. Cauchy の積分公式 (1)】 以下の積分を解け I1= ‰ |z|=2 ez z− 1 dz, I2= ‰ |z|=2 dz (z + 1)(z− 3), I3= ‰ |z|=2 dz z2− 1 Cauchy の積分公式を用いて積分計算をする必要はなく,通常は留数定理を使って解けば良い.ただ,ここで は積分公式を理解してもらうために,あえて積分公式を使って解く(解ける)問題を出題している.パスを含 む開集合において被積分関数が正則な場合は,正則な範囲でパスを変更したり,原始関数を用いたりすること ができる.また,パスが閉じている場合は積分定理,(積分公式,)留数定理を使って計算することができる.パ スの内部を含む開集合が正則である必要はない.(その開集合で正則であれば,積分定理より積分値は 0 になる. 解答 1. Cauchy の積分公式 f (α) = 1 2πiC f (z) z− α dz に,f (z) = e2, α = 1 を代入すると, f (1) = 1 2πi|z|=2 ez z− 1 dz を得る.よって, I1=2πif (1) = 2πei 2. Cauchy の積分公式に,f (z) = 1 z− 3, α =−1 を 代入すると, f (−1) = 1 2πi|z=2| 1 z−3 z− (−1)dz よって, I2= 2πif (−1) = − πi 2 注意 z = 3 において被積分関数は正則でないので, z = 3 をまたぐパスを使うことは出来ない.そのため, 大きな半径を持つ円にパスを変更することはできない. 3. 積分は以下のように書き換えることができる. I3= ‰ |z|=2 dz (z− 1)(z + 1) z = 1, z =−1 以外の領域で正則なので,パスを図 のように変更する(図の青線).実軸上の線分のパス はお互いに打ち消しあうので,z = 1, z =−1 を中心 とする 2 つの円のパスを考えれば良い.すなわち, I3= ‰ |z−1|=ε dz (z− 1)(z + 1) + ‰ |z+1|=ε dz (z− 1)(z + 1) Cauchy の積分公式より,右辺の二項は容易に計算で きる. ‰ |z−1|=ε dz (z− 1)(z + 1) = 2πi ( 1 2 ) ,|z+1|=ε dz (z− 1)(z + 1) = 2πi ( 1 2 ) よって, I3= 0 別解その 1 1 (z− 1)(z + 1) = 1 2 ( 1 z− 1− 1 z + 1 )

(13)

より, I3= 1 2 (‰ |z|=2 dz z− 1 |z|=2 dz z + 1 ) =1 2(2πi− 2πi) = 0 ( 1 z−αの積分が 2πi になることは覚えておきましょう.別解その 2 積分パスを半径 R の円に変更する.R が 十分大きいとき,|z ± 1| > R 2 より, 1 (z− 1)(z + 1) < 4 R2 よって, |I3| <|z|=R 4 R2|dz| = 8πR R2 → 0 (R → ∞) 演習問題 11. (解答は p.27) 以下の積分を解け I1= ‰ |z|=1 sin(πz) 2z− 1 dz, I2= ‰ |z|=2 cos(πz) + sin(πz) z(z− 1) dz

(14)

【 問 12. Cauchy の積分公式 (2)】 以下の積分を解け I1= ‰ |z|=2 ez (z + 1)4 dz, I2= ‰ |z|=1 z2sin πz (2z− 1)3 dz, 左辺が微分になる Cauchy の積分公式では n! の存在と n + 1 の +1 を忘れがちである. f(n)(α) = n! 2πiC f (z) (z− α)n+1 dz (2.5) 留数定理と Taylor 展開を知っていると,公式は簡単に導出できる(授業では,積分公式を使って Taylor 展 開の証明をするので,以下の説明は順序が逆になっていることに注意されたい.).Taylor 展開より, f (z) = f (α) +f (α) 2 (z− α) + f′′ 3!(α)(z− α) 2 +· · · +f (n)(α) n! (z− α) n +· · · 両辺を (z− α)n+1で除す. f (z) (z− α)n+1 = f (α) (z− α)n+1+ f′(α) 2(z− α)n + f′′(α) 3!(z− α)n−1 +· · · + f(n)(α) n!(z− α) +· · · 両辺を積分すると,右辺では, 1 z−α 以外の項はすべて 0 になる.また, 1 z−αの積分は 2πi になるので,式 (2.5) を得る. 解答 1. Cauchy の積分公式において,f (z) = e2, α =−1, n = 3 とおくと, f(3)(−1) = 3! 2πi|z|=2 f (z) {z − (−1)}4dz を得る.よって, I1= 2πi 3 f (3)(−1) = 2πi 3e 2. f (z) = z 2sin πz 8 , α = 1 2, n = 2 とおくと, f′′ ( 1 2 ) = 2 2πi|z|=1 f (z) ( z−12)3 dz I2= πif′′ ( 1 2 ) f′′(z) =2 cos πz− 4πz sin πz − π 2z2cos πz 8 より, f′′ ( 1 2 ) = π 4 となる.よって, I2= π2 4 i 演習問題 12. (解答は p.27) 以下の積分 I を求めよ. I =|z+1|=1 1 (z− 1)(2z + 1)3dz

(15)

【 問 13. Taylor 展開】 1. 1 1− z を z = 2 のまわりで Taylor 展開せよ. 2. sin z 1− z を z = 0 のまわりで Taylor 展開し,三項目まで書け. 3. sin z2を z = 0 のまわりで Taylor 展開せよ. 中心となる点が決まれば, Taylor 展開の係数は一意に決まる.そのため,どのような方法でも級数展開でき れば,それが Taylor 展開になっている.Taylor 展開の方法は f (n)(α) n! を計算する方法の他に,等比数列の和 の公式,級数同士の乗算,級数展開した式に冪を代入などのやり方がある. 解答 1. 等比数列の公式を用いる. 1 1− z = 1 1− (−(z − 2)) =−1 + z − 2 − (z − 2)2+ (z− 2)3− · · · = n=0 {−(z − 2)}n 2. sin z と 1 1− z をそれぞれ級数展開する. sin z = z−z 3 6 +· · · 1 1− z = 1 + z + z 2+ z3+· · · これを掛け合わせると sin z 1− z = z + z 2+5 6z 3+· · · を得る. 3. sin z の z = 0 における級数展開 sin z = z−z 3 3! + z5 5! − · · · において,z に z2を代入すると sin z2=z2−z 6 3! + z10 5! − · · · = n=1 (−1)n z 4n+2 (2n + 1)! を得る. 演習問題 13. (解答は p.27) 1. 1 (z− 2)(z − 3)を z = 1 のまわりで Taylor 展開せよ. 2. sin z 1− z2 を z = 0 のまわりで Taylor 展開し,三項目まで書け.

(16)

【 問 14. 収束半径】 以下の級数の収束半径を求めよ. f1(z) =1 + z 2+ z2 22+ z3 23 +· · · + zn 2n +· · · f2(z) =z− z2 2 + z3 3 z4 4 +· · · − (−1) nzn n +· · · f3(z) =z + z2 2! + z3 3! +· · · + zn n! +· · · 解答 1. 収束半径 R は次式より得られる. 1 R = limn→∞ n √ 1 2n = 1 2 よって,R = 2. なお,この式は, 1 1−z2 の Taylor 展開である.Tay-lor 展開の中心の点 (z = 0) から正則でない点 (z = 2) までの距離は 2 である. 2. 収束半径 R は次式より得られる. 1 R = limn→∞ n √ 1 n = 1 よって,R = 1. 別解 R = lim n→∞ 1 n 1 n+1 = limn→∞ n + 1 n = 1 なお,この級数は,ln(z + 1) の Taylor 展開となっ ている.Taylor 展開の中心の点 (z = 0) から正則でな い点 (z =−1) までの距離は 1 である. おまけ 収束円上の点は,収束することもあれば,収束しな いこともある.たとえば,z = 1 と z =−1 はいずれ も収束円の円周上の点であるが,z = 1 では級数は収 束し,z =−1 では発散する. z =−1 のとき, f2(−1) = −1 + 1 2 1 3 + 1 4 − · · · − 1 2n− 1 + 1 2n − · · · = n=1 1 2n(2n− 1) となる.これより, |f2(−1)| = n=1 1 2n(2n− 1) 1 2+ ˆ 1 dx 2x(2x− 1) を得る.最後の積分は有限なので,z =−1 のときは 収束する. z = 1 のときは以下の式より発散することが分かる. f2(1) = 1 + 1 2 + 1 3+· · · + 1 n+· · · = n=1 1 n≥ ˆ 0 dx 1 + x 3. 冪乗よりも階乗の方がより早く大きくなるので, 1 R = limn→∞ n √ 1 n! = 0 となる.よって,R =∞. 別解 R = lim n→∞ 1 n! 1 (n+1)! = lim n→∞n + 1 =∞ 演習問題 14. (解答は p.28) 以下の級数の収束半径を求めよ. f1(z) = 1 + (z− 1) + (z − 1)2+ (z− 1)3+· · · f2(z) = (z− 1) + (z− 1)2 22 + (z− 1)3 32 +· · · + (z− 1)n n2 +· · ·

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【 問 15. Laurent 展開】 1. 以下の関数を z = 0 のまわりで級数展開せよ (冪指数の絶対値が小さいものを 3,4 項程度書けば良い).ま た,z = 0 が除去可能な特異点,極,真性特異点のいずれになるか答えよ.極の場合は,z = 0 における位数 を答えよ. (a) e z− 1 z (b) cos z z2 (c) e 1 z 2. 以下の関数を z = 0 のまわりで,() の中の領域において Laurent 展開せよ. (a) 1 z(z− 1) (0 <|z| < 1) (b) 1 z(z− 1) (1 <|z|) Laurent 展開は中心となる点と展開する領域が決まれば, 係数は一意には決まる.ただし,中心となる点が 決まっても展開する領域が異なれば,係数は異なる点に注意せよ.係数の計算方法は Taylor 展開と同様に等比 数列の和を用いたり,級数同士の乗算を用いたりする.式 (1.6) を用いて係数を計算することはあまりない. 後に出てくる,留数の計算では, 1 z− αの係数だけ求めれば良く,必ずしも全ての冪の係数を求める必要は ない. 解答 1.(a) ez= 1 + z +z 2 2 + z3 3! +· · · (2.6) より, ez− 1 z = 1 + z 2 + z2 3! +· · · となる.これは除去可能な特異点である. (b) ezの Taylor 展開は以下で与えられる. cos z = 1−z 2 2 + z4 4! − · · · これより, cos z z2 = 1 z2 1 2+ z2 4! − · · · となる.これは極であり,位数は 2 である. (c) 式 (2.6) の z に 1/z を代入する.これより, e1z = 1 +1 z + 1 2z2 + 1 3!z3 +· · · となる.真性特異点である. 2.(a) 等比数列の和の公式を用いる. 1 z(z− 1) = 1 z(1− z) =1 z ( 1 + z + z2+ z3+· · ·) = n=−1 zn (b) 1z < 1 を使う. 1 z(z− 1) = 1 z2 ( 11 z ) = 1 z2 ( 1 + 1 z + 1 z2+· · · ) = n=2 z−n 演習問題 15. (解答は p.28) 1. 以下の関数を z = 0 のまわりで級数展開せよ (冪指数の絶対値が小さいものを 3,4 項程度書けば良い).ま た,z = 0 が除去可能な特異点,極,真性特異点のいずれになるか答えよ.極の場合は,z = 0 における位数を 答えよ. (a) sin 2z z2 (b) sin z z2 (c) sin1z 1 z2 2. 以下の関数を z = 0 のまわりで,() の中の領域において Laurent 展開せよ. (a) 1 (z− 1)(z − 2) (1 <|z| < 2) (b) 1 (z− 1)(z − 2) (2 <|z|)

(18)

【 問 16. 留数の計算方法】 以下の関数の特異点を全て答えよ.また,その特異点における留数を求めよ. 1. f1(z) = z− 1 z + 1, 2. f2(z) = 1 (z− 1)3(z− 2), 3. f3(z) = cos πz sin πz 留数の計算方法は,普通に Laurent 展開して, 1/(z− α) の係数を求める他に,次の 2 つがある. 1. n 位の極の場合, c−1= 1 (n− 1)!zlim→α dn−1 dzn−1{(z − α) nf (z)} 2. f (z) = h(z) g(z) で,α で g が 1 位のゼロ点,h が 正則で h(α)̸= 0 のとき. c−1= h(α) g′(α) いずれの式も公式として覚えるのではなく,導出 方法を覚えておくこと. 解答 1. z =−1 は f1の一位の極である.級数展開すると 次式を得る. f1(z) = z + 1− 2 z + 1 = 1 2 z + 1 よって,留数は−2. 別解 Res (f1(z),−1) = lim z→−1(z + 1)f1(z) =−2 2. z = 2 は f2の単純な極である. c−1 = lim z→2f2(z) = limz→2 1 (z− 1)3 = 1 よって,z = 2 の留数は 1. z = 1 は f2の 3 位の極である. c−1 =1 2zlim→1 d2 dz2f2(z) = 1 2zlim→1 d2 dz2 1 z− 2 = lim z→1 1 (z− 2)3 =−1 よって,z = 1 の留数は−1. おまけ パス C が 2 つの極を内部に含む場合,C dz (z− 1)3(z− 2) = 0 となるので,2 つの点における留数の値は等しくなる. 3. z = n は sin πz の一位の零点であり,z = n で cos πz̸= 0 であるので,z = n は f1(z) の 1 位の特異 点となる.よって,留数は以下のように計算できる. Res (f3(z), n) = cos πz (sin πz)′ z=n = cos nπ π cos nπ = 1 π 別解 z = 0 における留数は級数展開より容易に得るこ とができる. cos πz = 1−(πz) 2 2! +· · · 1 sin πz = [ πz ( 1−(πz) 2 3! +· · · )]−1 = 1 πz ( 1 +(πz) 2 3! +· · · ) これより, f3(z) = cos πz sin πz = 1 πz +· · · となるので,z = 0 における f1(z) の留数は 1 πである. 演習問題 16. (解答は p.28) 1. 以下の関数の特異点を全て答えよ.また,その特異点における留数を求めよ. (a) fa(z) = z (z− 1)3(z + 4), (b) fb(z) = 1 sin z 2. (a) z = n における f (z) の留数を求めよ.ただし,n は 0 でない整数である. (b) z = 0 における f (z) の留数を求めよ. f (z) = 1 z2 cos πz sin πz

(19)

【 問 17. 留数定理を用いた積分】 以下の積分の被積分関数の「極の位置」,「その位数」,「その極における留数」を求めよ.ただし,積分パスの 内側の極だけで良い.また,以下の積分を計算せよ. I1= ‰ |z|=2 ez (z + 1)4 dz, I2= ‰ |z|=1 z2sin πz (2z− 1)3 dz, I3 = ‰ |z|=4 cos z sin z dz, I1と I2の積分は,コーシーの積分公式 (2)(14 ページ)で出題した問題と同じである.計算にかかる手間は さほど変わらないが,コーシーの積分公式は被積分関数の形が限定されている.留数定理を使った積分は,I3 のような問題でも容易に解ける. 解答 1. z =−1 は 4 位の極である. ez= e−1+ e−1(z + 1) + e−1(z + 1) 2 2 +e−1(z + 1) 3 3! +· · · よって, ez (z + 1)4 = 1 e(1 + z)4+ 1 e(z + 1)3 + 1 2e(z + 1)2 + 1 6e(z + 1)2 +· · · よって,z =−1 における留数は,1 6eである.よって, I1= 2πiRes ( e2 (z + 1)4,−1 ) = 2πi 3e 別解 Res ( e2 (z + 1)4,−1 ) = 1 3!zlim→−1 d3 dz3e z= 1 6e 2. z = 1 2は 3 位の極である. Res ( z2sin πz 8(z−12)3 ,1 2 ) = 1 2zlim1 2 d2 dz2 ( z2sin πz 8 ) (

z2sin πz)′′= 2 cos πz− 4πz sin πz − π2z2cos πz

より, Res ( z2sin πz 8(z−1 2 )3, 1 2 ) =−2π 16 となる.よって, I2= 2πiRes ( z2sin πz 8(z−12)3 ,1 2 ) =−π 2 4 i 3. z =−π, 0, π はいずれも 1 位の極である. Res (cos z sin z, 0 ) = cos z (sin z)′ z=nπ (n =−1, 0, 1) = 1 よって, I3= 2πi(1 + 1 + 1) = 6πi 演習問題 17. (解答は p.29) 以下の被積分関数の極の位置,その位数,その極における留数をすべて求めよ.また,以下の積分を計算せよ. I =|z+1|=1 1 (z− 1)(2z + 1)3dz

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【 問 18. 実積分への応用 (1)】 以下の積分を求めよ. I = ˆ −∞ dx 1 + x4 P (x) が m 次多項式,Q(x) が n 次多項式で実軸上 で Q(z)̸= 0,n ≥ m + 2 のとき, ˆ −∞ P (x) Q(x)dx = 2πik Res ( P (z) Q(z), αk ) αkP (z) Q(z)の上半面における極. 解答 実軸上の−R から R までのパスと上半面上に ある半径 R の半円のパス ΓRを合わせた閉曲線を CR とする.この閉曲線 CR上で積分を考える. ‰ CR dz 1 + z4 = ˆ R −R dx 1 + x4 + ˆ ΓR dz 1 + z4 (2.7) R→ ∞ のとき,式 (2.7) の左辺は積分定理より変わ らない.一方で,右辺一項目は I になり,二項目は O ( 1 z4 ) より 0 になる.よって, I =CR dz 1 + z4 を計算すれば良いことが分かる. 上半面にある特異点は z = e1 4πi, e 3 4πiである.特異 点 αkにおける留数は以下の通り計算できる. 1 4z3 αk = 1 4αk3 よって, I1= 2πi ( 1 4e34πi + 1 4e94πi ) = πi 2 ( e−34πi+ e− 1 4πi ) =√π 2 演習問題 18. (解答は p.29) 以下の積分を求めよ. I = ˆ −∞ x2 1 + x4dx

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【 問 19. Jordan の補題を用いた積分】 以下の積分を求めよ. I = ˆ 0 sin x x dx f (z) は,上半面 (Im z≥ 0) で |z| → ∞ のとき一 様に|f| → 0 となる正則関数.このとき,上半面の 半径 R の円弧のパス γR上の積分は,p > 0 で lim R→∞ ˆ γR eipzf (z)dz = 0 となる.これより,P (z) が m 次多項式,Q(z) が n 次多項式で,n≥ m + 1 のとき, ˆ −∞ Q(x) P (x)e ipxdx = 2πik Res ( Q(x) P (x)e ipz, α k ) となる.また,以下の式も成り立つ. ˆ −∞ Q(x) P (x)cos pxdx = Re [ 2πik Res ( Q(x) P (x)e ipz, α k )] ˆ −∞ Q(x) P (x)sin pxdx = Im [ 2πik Res ( Q(x) P (x)e ipz, α k )] 解答 下図のようなパスで e iz z の積分を考える. パス C の内部に孤立特異点は存在しないので,積分 の値はコーシーの積分定理より 0 になる. ‰ C eiz z dz = 0C eiz z dz = ˆ ΓR eiz z dz + ˆ −ε −R eiz z dz + ˆ γε eiz z dz + ˆ R ε eiz z dz (2.8) 式 (2.8) 右辺第一項は,R→ ∞ のとき,Jordan の 補題より 0 となる. lim R→∞ ˆ γR eiz z dz = 0 式 (2.8) 右辺第二項と第四項の和は, lim R→∞ ε→0−ε −R eix x dx + ˆ R ε eix x dx ] = 2i ˆ 0 sin x x dx 式 (2.8) 右辺第三項は,ε¥to0 のとき,0 になる.計 算は以下の通りである.まず,以下のように被積分関 数を分離する. ˆ γε eiz z dz = ˆ γε dz z + ˆ γε eiz− 1 z dz 式 (??) 右辺第一項は z = εeとおくことにより, 半径 ε の値によらず以下のように求まる. ˆ γε dz z = ˆ 0 π ieiθ eiθdz =−πi 式 (2.8) で R→ ∞, ε → 0 右辺第二項は,被積分関 数が z = 0 で除去可能な特異点とすることにより, 2i ˆ 0 sin x x dx− πi = 0 となる.これより, ˆ 0 sin x x dx = π 2 を得る.

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演習問題 19. (解答は p.30) 以下の積分を求めよ. I = ˆ −∞ x sin x 1 + x2dx

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【 問 20. 三角関数の有利関数の積分】 ˆ 0 a + cos θ (a > 1) cos θ, sin θ の有利関数の積分 ˆ 0 R(cos θ, sin θ)dθ は,z = eiθとして計算する.この変換により,積分 は複素平面の単位円上の複素積分となる. dz = ieiθdθ = izdθ より, dθ =dz iz となる.また Euler の公式より, cos θ = z + z −1 2 , sin θ = z− z−1 2i , であるので,積分は以下のようになる. ‰ |z|=1 R ( z + z−1 2 , z− z−1 2i ) この後の計算は,留数定理などを用いて計算するこ とが多い. 解答 z = eiθとおくと,cos θ = z + z−1 2 , dz = izdθ となる. ˆ 0 a + cos θ = 2 i|z|=1 dz 2az + z2+ 1 2az + z2+ 1 = 0 となる解は z =−a ±√a2− 1 であ る. −a +√a2− 1 < 1 および,a−√a2− 1 > 1 より,単位円の中にある極は z =−a +√a2− 1 のみ である.(この極は一位である.)留数定理より ˆ 0 a + cos θ = a2− 1 を得る. 演習問題 20. (解答は p.30) 以下の積分を計算せよ. ˆ 0 a2− 2a cos θ + 1 (0 < a < 1)

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3

略解

演習問題 1. 複素平面上で,点 P の座標は z =√6 + i√2 である.また, 4i= cosπ 4 + i sin π 4 = 1 2+ 1 2i より, z′=(√6 + i√2 ) ( 1 2+ 1 2 ) =3− 1 + i ( 1 +3 ) i を得る. (x, y) =(√3− 1,√3 + 1 ) 演習問題 2. z = (1 + i tan θ)3

= 1− 3 tan2θ + i(3 tan θ− tan3θ)

これより, tan 3θ = Im z Re z = 3 tan θ− tan 3θ 1− 3 tan2θ を得る. 演習問題 3. 1. (a) −¯z = −√3 + i (b) 1 z = 3− i (√ 3− i) (√3 + i) = 3− i 4 (c) z ¯z =(√3 + i) (√3− i ) = 4 2. z1= c であるので,z1=−1 + 3i z2= (−1 + 3i)2− 1 +√3i = 1− 3 − 2√3i− 1 +√3i =−3 −√3i z2= 2 3 ( 3 2 i 2 ) = 23 { cos ( 7 6π ) + i sin ( 7 6π )} よって, argz2= 7 6π |z2| = 2 3 おまけ マンデルブロ集合は Wikipedia に掲載されて いる.図を確認することができる. 演習問題 4. 1. 解を z = reiθ とおく.1 = e2nπiより, z3= r3e3θ= e2nπi 絶対値を比較すると,r = 1.偏角の比較を比較すると θ =2nπ 3 を得る.よって,答えは z = 1, e23πi, e43πi

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となる.実部と虚部に分けて書くと z = 1,−1 2 ± i 3 2 となる.図示すると以下の通り. 2. 解を z− 1 = reiθ とおく.すると,問 4 と同様に, r =√2, θ =nπ 2 + π 4 を得る.これより, z− 1 = ±1 ± i 復号任意 を得る.よって z = 2± i, ±i となる. 演習問題 5. 1. 左辺は eiθ2と eiθ1を結ぶ弦(赤色)の長さ,右辺は 弧(青色)の長さであるので,明らかに不等式が成立 する.等号成立は θ = 2nπ(n は整数)のときである. 別解 eiθ2− eiθ1= i ˆ θ2 θ1 eitdt θ2≥ θ1として,両辺絶対値を取ると次式を得る. eiθ2− eiθ1 ˆ θ2 θ1 eit dt = θ2− θ1 θ2< θ1の場合も同様の式を得る.よって,これよ り次式を得る. eiθ2− eiθ1 ≤ |θ 2− θ1| 2. 左辺は半径 exの円と e−x円上の二点を結ぶ線分 (赤)である.右辺はその 2 つの円の最短距離であるの で,明らかに不等式が成立する.等号成立は y = nπ (n は整数)のときである. 演習問題 6. 問 6 で証明した指数法則を用いる. 1. cos z2+ sin z2= ( eiz+ e−iz 2 )2 + ( eiz− e−iz 2i )2 = 1 2.

cos z1cos z2− sin z1sin z2

=e iz1+ e−iz1 2 eiz2+ e−iz2 2 eiz1− e−iz1 2i eiz2− e−iz2 2i =e i(z1+z2)+ e−i(z1+z2) 2 = cos(z1+ z2) 演習問題 7. i = e(n+12)πiより,ii = e(n+ 1 2)πを得る.n は整 数である. 演習問題 8. 1. f (x, y) =(x 2+ y2)(x− iy) 2 − x + iy = ( x2+ y2 2 − 1 ) x− i ( x2+ y2 2 − 1 ) y

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以下のように実部を u(x, y),虚部を v(x, y) とおく. u(x, y) = ( x2+ y2 2 − 1 ) x v(x, y) =− ( x2+ y2 2 − 1 ) y ここで,Cauchy-Riemann の関係式を満足する条件 を考える. ∂u ∂x = 3 2x 2+y2 2 − 1 ∂v ∂y = x2 2 x− 3 2y 2+ 1 より,∂u ∂x = ∂v ∂y となるのは, x2+ y2= 1 のときのみである.また, ∂u ∂y = ∂v ∂x = xy より,∂u ∂y = ∂v ∂xは常に満足する. よって,微分可能となるのは複素平面上の単位円上 のみである. 別解 ∂f (z) ∂ ¯z = z ¯z− 1 よって,微分可能となるのは, |z| = 1 のとき. 2. z = 1 を含む開集合は,単位円上の点のみからは作 れない.つまり,z = 1 を含むいかなる開集合も微分 可能でない点を含むため正則ではない. 演習問題 9. 1. パス上で z は,z = (1 + i)t とパラメータ表示で きる. |z|2= z ¯z = 2t2 dz = (1 + i)dt これより, I1= ˆ 1 0 2t2(1 + i)dt = 2 3(1 + i) となる. 2. x 軸上では z = t と表すことができる. |z|2= t2 dz = dt また,y 軸上では z = 1 + it と表すことができる. |z|2= (1 + it)(1− it) = 1 + t2 dz = idt よって, I2= ˆ 1 0 t2dt + ˆ 1 0 (1 + t2)idt = 1 3+ 4 3i となる. 3. |z| = 1 軸上では z = cos θ + i sin θ と表すことが できる. Re z = cos θ dz = (− sin θ + i cos θ) dθ これより, I3= ˆ 0

cos θ (− sin θ + i cos θ) dθ

= i ˆ 0 cos2θdθ = πi となる. 演習問題 10. パスを変更してからパラメータ表示を使う. パスを図のように実軸上に移動させる.実軸上では z = x であるので, I1= ˆ 1 −1 x2dx = 2 3 別解 原始関数を使う. F (z) = z 3 3 であるので, I1= F (1)− F (−1) = 2 3 2. パスを円弧で表す.

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z = eiθ, dz =ieiθdθ I2= ˆ 0 π ieiθ eiθ dθ =−πi 注意 パスの変更は正則な範囲で可能である.1/z は z = 0 で正則でないので,z = 0 を通過するパスや z = 0 をまたいで移動させたパスへの変更は出来ない. 3. 円のパスに変更する. I3= ˆ 0 ieiθ e2iθdθ = i ˆ 0 e−iθdθ = 0 別解 z = 0 以外の点で正則であるので,パスを大き な円に変更することができる.その円の半径を R と おく. |I3| = ˆ |z|=1 dz z2 ˆ |z|=1 |dz| |z2| = R → 0 (R→ ∞) 演習問題 11. 1. f (z) = sin(πz) 2 , α = 1 2をコーシーの積分公式に 代入すると, f ( 1 2 ) = 1 2πi|z|=2 sin(πz)/2 z−12 dz を得る.よって, I1=2πif ( 1 2 ) = πi 2. 解は,z = 0, z = 1 を中心とする小さな円上での 積分 Ia, Ibの和で表される. z = 0 を中心とする小さな円の積分の値は,コー シーの積分定理で fa(z) = cos πz + sin πz z− 1 , α = 0 とおくことにより,得られる. Ia= 2πifa(0) =−2πi 同様に z = 1 を中心とする小さな円の積分の値は, fb(z) = cos πz + sin πz z , α =1 とおくことにより,得られる. Ib= 2πifb(1) =−2πi I2= Ia+ Ib=−4πi 演習問題 12. パスは下図の通りである. f (z) = 1 8(z− 1), α =− 1 2, n = 2 とおく.パスの内 部で f (z) は正則である. f′′ ( 1 2 ) = 2 2πi|z+1|=1 f (z) { z−(12)}3 dz I = πif′′ ( 1 2 ) f′′(z) = 1 4(z− 1)3 より, f′′ ( 1 2 ) =2 27 となる.よって, I =−2 27πi を得る. 演習問題 13. 1 (z− 2)(z − 3) = 1 2− z 1 3− z = 1 1− (z − 1) 1 2− (z − 1) = 1 1− (z − 1) 1 2 × 1 1−z−1 2 = k=0 (z− 1)k−1 2 k=0 ( z− 1 2 )k = k=0 ( 1 1 2k+1 ) (z− 1)k

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2. 各項それぞれ z = 0 のまわりで Taylor 展開をする. sin z = z−z 3 3! + z5 5! − · · ·

(初等関数(ez, sin z, cos z など)の Taylor 展開は覚え

ておきましょう.) 初項 1,公比 z2の等比数列の和と考えると 1 1− z2 = 1 + z 2+ z4+· · · を得る. 以上より, sin z 1− z2 = ( z−z 3 3! + z5 5! − · · · ) ( 1 + z2+ z4+· · ·) = z +5 6z 3+101 120z 5+· · · 演習問題 14. 1. 1 R = limn→∞ n 1 = 1 よって,R = 1 2. 1 R = limn→∞ n √ 1 n2 = 1 よって,R = 1 別解 R = lim n→∞ 1 n2 1 (n + 1)2 = lim n→∞ ( 1 + 1 n )2 = 1 なお,z = 2 のとき,この級数は収束し,その値は以 下の通りである. f (2) = 1 + 1 22+ 1 32 +· · · + 1 n2 +· · · = π2 6 この級数はバーゼル問題として知られ,その収束値の 計算は複素積分を用いて求めることができる.(収束値 の計算方法は他にもいくつかある.) 演習問題 15. 1.(a) sin z = z−z 3 3! + z5 5! − · · · (3.1) より, sin z z = 1 z2 3! + z4 5! − · · · となる.よって, ( sin z z )2 = 1−z 2 3 + 2z4 45 +· · · を得る.これは除去可能な特異点である. (b) 式 (3.1) より, sin z z2 = 1 z z 3!+ z3 5! − · · · (3.2) となる.これは極であり,位数は 1 である. (c) 式 (3.2) の z に 1/z を代入すると次式を得る. sin1z 1 z2 = z− 1 3!z+ 1 5!z3 − · · · 真性特異点である. 2.(a) 1 z < 1, z2 < 1 を利用して級数展開する. 1 (z− 1)(z − 2) = 1 z− 1 + 1 z− 2 =1 z 1 (11z) 1 2 1 1−z 2 =1 z 1 z2 1 z3 − · · · 1 2 z 22 z2 23 − · · · = n=1 1 zn 1 2 n=0 zn 2n (b) 1 z < 1, 2z < 1 である. 1 (z− 1)(z − 2) = 1 z− 1+ 1 z− 2 =1 z 1 (11z)+ 1 z 1 12 z =1 z 1 z2 1 z3 − · · · +1 z + 2 z2 + 22 z3 +· · · = n=2 ( 2n−1− 1) 1 zn 演習問題 16. 1.(a) z =−4 は faの一位の極である. Res (fa(z),−4) = lim z→−4((z + 4)fa(z)) = 4 125 よって,z =−4 における留数は 4 125である. z = 1 は faの三位の極である. Res (fa(z), 1) = 1 2zlim→1 d2 dz2 ( (z− 1)3fa(z) ) (z− 1)3fa(z) = z (z + 4) = 1 4 (z + 4)

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より, d2 dz2 z (z + 4) = 8 (z + 4)3 よって, Res (fa(z), 1) =− 4 125 (b) z = nπ は単純な極. Res ( 1 sin z, nπ ) = 1 (sin z)′ z=nπ = 1 cos nπ = (−1) n よって,z = nπ における fbの留数は (−1)n 2.(a) z = n (n̸= 0) は sin πz の 1 位の零点である. また,cos nπ n2 ̸= 0 より,z = n は 1 z2 cos πz sin πz の 1 位の 極.よって, Res (f, n) = (cos πz) /z 2 (sin πz)′ z=n =(cos nπ) /n 2 π cos nπ = 1 πn2 (b) z = 0 は z2sin πz の 3 位の零点,cos 0π = 1 よ り,z = 0 は 1 z2 cos πz sin πz の 3 位の極.よって, Res (f, 0) =1 2zlim→0 d2 dz2 ( z3f2 ) =1 2zlim→0 d2 dz2 z cos πz sin πz = π lim z→0 πz cos πz− sin πz sin3πz = π lim z→0 1 3π 3z3+· · · π3z3+· · · =−π 3 別解 cos πz = 1−(πz) 2 2! +· · · 1 sin πz = ( πz ( 1−(πz) 2 3! +· · · ))−1 = 1 πz ( 1 +(πz) 2 3! +· · · ) これより, cos πz sin πz = 1 πz πz 3 +· · · よって, cos πz z2sin πz = 1 πz3 π 3z +· · · となり,留数がπ 3 であることが分かる. 演習問題 17. z = 1 は 1 位の極である. Res ( 1 (z− 1)(2z + 1)3, 1 ) = lim z→1 1 (2z + 1)3 = 1 27 z =−12 は 3 位の極. Res ( 1 (z− 1)(2z + 1)3,− 1 2 ) = 1 2z→−lim1 2 d2 dz2 ( 1 8(z− 1) ) = 1 2z→−lim1 2 ( 1 4(z− 1)3 ) =1 27 パスの内部にある極は z =−1 2 のみ.よって, I = 2πiRes ( 1 (z− 1)(2z + 1)3,− 1 2 ) = 2 27πi を得る. 演習問題 18. ‰ CR z2 1 + z4dz = ˆ R −R x2 1 + x4dx + ˆ ΓR z2 1 + z4dz (3.3) R→ ∞ のとき,式 (3.3) の左辺は積分定理より変わ らない.右辺一項目は I になり,二項目は z 2 1 + z4 O ( 1 |z|2 ) より 0 になる. よって, I =CR z2 1 + z4dz を計算すれば良いことが分かる. 上半面にある特異点は z = e1 4πi, e 3 4πiである.特異 点 αkにおける留数は以下の通り計算できる. Res ( z2 1 + z4, αk ) = z 2 (1 + z4) z=αk = 1 4αk よって, I1= 2πi ( 1 4e14πi + 1 4e34πi ) = πi 2 ( e−14πi+ e− 3 4πi ) =√π 2

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演習問題 19. Euler の公式より以下の式が成り立つ. ˆ −∞ xeix 1 + x2dx = ˆ −∞ x cos x 1 + x2dx + i ˆ −∞ x sin x 1 + x2dx 右辺第 1 項は被積分関数が奇関数なので 0 になる.右 辺第 2 項は求めたい積分の値である.よって,以下の 式が成り立つ. I = Im ˆ −∞ xeix 1 + x2dx Jordan の補題より, ˆ −∞ xeix 1 + x2dx = 2πi× Res [ zeiz 1 + z2; i ] = 2πi×ie −1 2i = iπ e よって, I6= π e 演習問題 20. z = eiθ とおくと,cos θ = z + z−1 2 , dθ = dz iz と なる. I =|z|=1 dz ( a2− 2az + z−1 2 + 1 ) iz = i|z|=1 dz az2− (a2+ 1)z + a 上の積分の被積分関数の極は z = a,1 a の2つで,そ れぞれ単純な極である.このうち 0 < a < 1 より, z = 1 a > 1 は閉曲線|z| = 1 の外側にある.一方, z = a は閉曲線|z| = 1 の内側にある.これより,留 数定理より次式を得る. I =−2πRes ( 1 az2− (a2+ 1)z + a, a ) = 1− a2

参照

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