2015/1/13
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マーケット・レポート
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目次:
2015年の債券・為替相場 -2015年の債券相場のポイント -米国債は、利回りが緩やかに上昇 -欧州債は、利回りが低位で推移 -円債は、利回りが低位で推移 -2015年の為替相場のポイント -対ドル中心に円安トレンドが継続 -FRBの金融政策正常化から、ドル高継続 -ユーロは低成長、デフレ懸念が売り要因 -豪ドルは、対円で底堅く推移 p.2 p.2 p.3 p.3 p.4 p.4 p.5 p.5 p.5債券・為替相場
債券・為替相場
2015年の債券相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)によ
る利上げ観測から、米国債の利回りが緩やかに上昇する
と見ています。一方、
欧州中央銀行(ECB)及び日銀の金融
緩和姿勢を背景に欧州債、円債の利回りは低位で推移す
ると見ています。
為替相場については、日本の貿易赤字定着、公的年金
や国内投資家の海外投資拡大、日銀の金融緩和姿勢を受
けて、円安トレンドが継続すると予想します。ドルは、
順調な米景気回復を背景に、2015年半ばの利上げが見込
まれていることから、堅調地合いが続くと予想します。
主要国国債の利回りとドル円の推移
2015年の債券・為替相場
(出所)Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成 (日次、2013年12月31日~2015年1月8日) 95 100 105 110 115 120 125 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 13/12 14/2 14/4 14/6 14/8 14/10 14/12 米10年国債利回り(左軸) 独10年国債利回り(左軸) 日10年国債利回り(左軸) ドル円(右軸) (年/月) (%) (円)米国債は、利回りが緩やかに上昇 ・2015年半ばの利上げ観測が金利上昇要因 ・雇用市場の改善や旺盛な個人消費を背景に景気回復継続 ・期待インフレ率の低下が金利上昇抑制 ・財政の健全化による良好な債券需給が金利上昇抑制 欧州債は、利回りが低位で推移 ・域内の低成長、デフレ懸念が金利低下要因 ・ECBは、国債買入れに踏み切る見込み 円債は、利回りが低位で推移 ・日銀による強力な国債買入れを背景に金利低下余地を模索 ・物価上昇率の鈍化から日銀の追加金融緩和観測が台頭へ (出所)FRB(St.Louis)、Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成
米失業率と非農業部門雇用者数変化
(出所)Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成米期待インフレ率の推移
ー 2015年の債券相場のポイント ー
米国経済は順調な回復が継続しています。労働市場では、失 業率が5.8%(2014年11月)へ低下し、また、非農業部門雇用者 数が2014年2月以降前月比で20万人を超える増加が続くなど、 雇用は改善基調にあります。個人消費は、労働市場の改善や株 価上昇を受けた資産効果に後押しされ、堅調な回復が続いてい ます。昨年夏場以降の原油価格の下落が、個人の購買力の増 大につながり、今後も個人消費の拡大に寄与すると予想されま す。米景気回復の継続を背景に、FRBが金利正常化へ向け利上 げに着手すると見られており、米金利の上昇要因として働くと考 えます。 一方、物価上昇率は低位で推移すると予想します。原油価格 が下落していることや、賃金上昇率の緩慢な状態が続いているこ となどから、インフレ率が落ち着く中、FRBによる利上げのペース は緩やかになると見られ、米金利の上昇を抑制する要因となると 思われます。 需給面では、 国債発行額の減少や投資家による旺盛な債券 需要が米金利の上昇を抑制すると見ています。景気回復に伴う 税収増と歳出の削減を受けて、財政収支が改善しており、新規 国債発行額の減少が続いています。また、日本や欧州が金融緩 和姿勢を示す中、主要国の中でも相対的に高利回りである米国 債への需要は高いと考えられます。このため、長期金利の上昇 は緩やかにとどまると見ています。ー 米国債は、利回りが緩やかに上昇 ー
(週次、2010年1月8日~2014年12月26日) (月次、2005年1月~2014年11月)(出所)IMF, World Economic Outlook Database, October 2014
米財政収支(対GDP比)の推移
(年次、2001年~2015年) 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 10/01 11/05 12/09 14/02 インフレ連動債(5年)から算出した期待インフレ率(%) FRB算出の期待インフレ率(%、5年後5年先) (年/月) 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 10.0 11.0 -1000 -800 -600 -400 -200 0 200 400 600 05/01 06/09 08/05 10/01 11/09 13/05 非農業部門雇用者数変化(千人、前月比、左軸) 失業率(%、右軸) (年/月) (注)2014、2015年度は2014年10月時点見通し -16 -14 -12 -10 -8 -6 -4 -2 0 2001 2003 2005 2007 2009 2011 2013 2015 (%) (年度)(出所)Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成 ユーロ圏の実質GDP成長率は、直近で低水準ながらも6期連 続でプラスを維持しました。国別では、内需が堅調となったドイ ツは回復を示す一方、イタリアは2期連続で前期比マイナス成長 となりました。イタリアは、労働市場における構造改革が遅れて おり、成果が表れるまで時間が掛かると予想されます。世界経 済の成長スピードの鈍化が懸念される中、外需による成長押し 上げも期待しにくいため、ユーロ圏の景気回復力は鈍いものと 考えます。ただ、原油価格の下落が個人消費に好影響を与える 可能性があることや、ユーロ安の進行が輸出の増加に寄与する ことも想定されるため、徐々に景気回復ペースが持ち直す展開 を想定しています。 ユーロ圏の物価上昇率は、域内の低成長に加え、原油価格 下落の影響を受けて一段と低下することが予想されます。 ECBのドラギ総裁は、ユーロ圏のデフレリスクについて警戒感 を強めています。また、必要があれば資産買入れ措置の規模や 構成等を変更する方針も示しています。ECBが国債買入れを含 む量的緩和に踏み切るのは時間の問題と思われ、このことは、 欧州の債券に利回り低下圧力を掛けるものと見ています。 (出所)Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成
ユーロ圏の実質GDP成長率の推移
ユーロ圏のCPIと原油価格の推移
(2009年1月~2014年12月) 日銀の長期国債保有残高と10年国債利回り (出所)日銀、Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成ー 円債は、利回りが低位で推移 ー
日銀は、2014年10月末に追加金融緩和を決定しました。資金供 給量(マネタリーベース)の年間増加ペースは約80兆円に拡大さ れ、長期国債やETFなどの買入れ額が大幅に増額されました。日 銀が発表した2015年1月の長期国債買入れ額は年間を通して続 くと考えられます。日銀による国債買入れ額は、新規固定利付国 債発行額の約9割の規模に達します。このため、長期金利には低 下圧力が掛かる展開が続くと見ています。 物価面では、原油安を受けて、全国コア消費者物価指数(CPI) の伸び率が一段と鈍化することが見込まれています。日銀は2% の物価上昇目標の達成に向け、金融緩和を続ける考えを示して います。今後も追加金融緩和観測の高まりから、長期金利は低位 で推移すると考えます。 (月次、2009年12月~2014年12月)ー 欧州債は、利回りが低位で推移 ー
(四半期、2006年1-3月期~2014年7-9月期) 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 09/01 10/05 11/09 13/02 14/06 CPI(%、前年比、月次、左軸) 北海ブレント原油(ドル/バレル、日次、右軸) (年/月) (注)北海ブレント原油価格は2009年1月2日~2014年12月31日) -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 06/03 07/03 08/03 09/03 10/03 11/03 12/03 13/03 14/03 前期比 前年同期比 (年/月) (%) 0.10 0.35 0.60 0.85 1.10 1.35 1.60 0 55 110 165 220 275 330 09/12 10/12 11/12 12/12 13/12 14/12 15/12 長期国債保有残高(兆円、左軸) 10年国債利回り(%、右軸) (年/月) 目標対ドル中心に円安トレンドが継続 ・日本の貿易赤字定着が引き続き円安をサポート ・GPIFを始めとする国内投資家の海外投資拡大は円安要因 ・日米金融政策スタンスの違いから対ドル中心に円安継続 ・日銀の金融緩和姿勢は当面続く見込み FRBの金融政策正常化から、ドル高継続 ・2015年半ば以降利上げの可能性 ・年後半は米金利上昇とともにドルが一段高 ユーロは低成長、デフレ懸念から対円で上値の重い展開 ・独が域内景気を牽引するものの、一部の国で景気低迷深刻 ・低成長と原油安の影響からデフレ懸念強まる (出所)財務省データより岡三アセットマネジメント作成
日本の貿易収支の推移
(出所)Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成 日本の投資家部門別対外証券投資の推移ー 2015年の為替相場のポイント ー
2011年以降、日本では高水準の貿易赤字が定着しています。 足元では、大幅な円安進行による輸出競争力の好転や原油安等 を背景に、貿易収支が改善する兆しも見られますが、世界経済の 成長鈍化や原発停止による巨額な燃料輸入を考慮すると、2015 年も貿易赤字が続く見込みです。引き続き、貿易赤字による円安 圧力は残ると考えます。 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2014年10月末、 外貨建て資産の投資比率を高めるなどの資産配分を変更する方 針を発表しました。年金フローを始めとして、国内投資家による対 外証券投資の拡大が見込まれることから、円が軟調に推移する展 開を想定します。 日銀は2014年10月末、量的・質的金融緩和の拡大を発表しま した。黒田総裁は、物価安定目標のため必要であれば追加金融 緩和に踏み切る方針を示しています。一方、FRBは、2014年10月 で量的緩和(QE)を終了しました。日米中銀が保有する資産拡大 ペースの違いにより、ドルは対円で堅調に推移すると予想されま す。ー 対ドル中心に円安トレンドが継続 ー
(四半期、2009年1-3月期~2014年7-9月期) (月次、2008年1月~2014年11月) (出所)日銀、FRB、Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成 日米中銀の資産残高比率と円相場の推移 (月次、2008年10月~2014年12月) -6.0 -4.0 -2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 1 -3 月期 4 -6 月期 7 -9 月期 10 -12 月期 1 -3 月期 4 -6 月期 7 -9 月期 10 -12 月期 1 -3 月期 4 -6 月期 7 -9 月期 10 -12 月期 1 -3 月期 4 -6 月期 7 -9 月期 10 -12 月期 1 -3 月期 4 -6 月期 7 -9 月期 10 -12 月期 1 -3 月期 4 -6 月期 7 -9 月期 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 万 生保 投信 信託勘定 合計 (兆円) ※日銀の資産残高をFRBの資産残高で割った値 60 70 80 90 100 110 120 130 08/10 09/10 10/10 11/10 12/10 13/10 14/10 日米中銀資産残高の比率※ ドル円 (年/月) (2008年10月=100) -3.0 -2.5 -2.0 -1.5 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 -90 -60 -30 0 30 60 08/01 08/10 09/07 10/04 11/01 11/10 12/07 13/04 14/01 14/10 貿易収支(右軸) 輸出(左軸) 輸入(左軸) (前年比:[%]) (年/月) (兆円)(出所)Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成 2014年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文では、 フォワードガイダンスが変更されるなど、FRBは着々と金融政策正 常化へ向け準備を進めています。米フェデラル・ファンド(FF)金利 先物市場では、FRBによる利上げ開始時期が2015年半ばになると 予想されています。 世界経済の成長鈍化に対する懸念は残りますが、米国について は、雇用の改善や旺盛な個人消費など、経済指標が良好であるこ とから、FRBが利上げに着手する可能性は高いと思われます。日本 や欧州が金融緩和姿勢を示す一方で、早期利上げが見込まれるド ルは、2015年も引き続き堅調に推移すると思われます。 (出所)Bloombergデータより岡三アセットマネジメント作成