【研 究 論 文
1
UDC :624.
〔}4 :624.
042.
7 :620.
1 日 本 建 築 学 会 構 造系論 文 報告集 第 352 号・
昭 和 60 年6 月ホ
ワ
イ
ト
ン
、
イ
ズ
を受
け
る
多 自由度
系
の
累 積 塑 性
変
形
正 会 員洪
起
* §1
はじめ に地 震 波は非 再現性を有し
,
時 間 的に複 雑な変化を す る ため構 造 物の耐 震 設計 法へ の確 率 論 手法の導入 は不 可 欠 であ
る とい う観点か ら, 著 者は, かっ てホワイ トノイズ を受 ける1
自由度系の履歴 吸 収エ ネル ギー
の統計量の評 価 方 法につ い て述べ たこ と がある% 本報 告の 主な内 容 は, 1)の手 法を多 自由度系に拡 張し た もの であ る。
多 自 由 度系の場合の履歴 吸 収エ ネル ギ
ー
は,
1 自由度 系の場 合と異なっ て,一
つ の大きな問 題が あ る。 そ れ は,
各層へ のエ ネルギー
の配 分の問題で ある。 す な わ ち,
構 造 物に入 力さ れ る 全エ ネルギー
の期 待 値は一
定 値と して 定め られ るが,
構 造 物の各層の質 量 分 布,
剛 性 分布,
強 度 分 布 等に大き く依 存する もの と思わ れ る 入力エ ネル ギー
の配 分 則が 正確に は未知であるとい う問 題であ り, また, 耐 震 設 計にお け る地震応 答の最 適 化の一
つ と して 各層の履 歴 吸 収エ ル ギー
(ま たは, 累 積 塑 性 変 形 )が一
一
様になること を規 範と す ると.
それが どの よ うな質量分 布, 剛性分 布, 強 度 分 布 等によっ て得られ る かという問 題であ る。
耐 震 設 計にお け る最 適 化 手 法に関 する研 究は
,
各層の 層 間変位応 答の分 散 値か ら定 義され る目的 函 数を最小化 す ることに よっ て最 適 化を する手 法や各 層の塑性率 を 可 及 的に一
様 化 すること を規範と して最 適 化 剛性 分布を求 め る手法等によっ て進め ら れ て き た2 〕・
3 )。
構造 物の損 傷に直 接 関係する と思われ る累積塑性 変形 を耐震 安 全 性の規 範と し
,
各層の累 積 塑 性 変 形 率を一
様 にす る よ うな最 適 化に関す る す ぐれ た研 究も あ る41−
S)。
文献6
), 7)は,
ホワイトノイズを 受け る弾塑性 応 答 に おい て累 積 塑 性 変 形が各層一
様になる よ うな最適強度比 に関する限り,
インパ ルス を受け る弾性振動 系の 無 次 元 層間 変 位が等 しい条件か らある程 度 類 推でき る とい う仮 定に基づいた もので,
かなりよい解析結果を得て いる。 し か し な が ら, こ の方 面の基 礎的研究はま だ十 分と は 云 え ない。
本 結 告は
,
1)の手法を拡 張して定 常ホワ イ トノ イズ を受け る多 自由 度 系の入 力エ ネルギー
の統 計量 を解 析 的 に求め る。 さ らに, 弾 塑性振 動系が最適 降伏せ ん断 力 係 数 分布状態に あ る と きの累 積 塑 性 変 形の統 計 量 を簡 潔に 評 価す る手 法につ いて考察す る もの である。
§2
弾性振動多自 由度 系の応 答 値の統 計 量本論で取り扱 う 多 自 由 度 振 動モデルは
,Fig.
1
に示す よ う な せ ん型の モデル であり,
次の振動方程 式で表現で き るもの と す る。[m ]
IXI
十[C
]{丿ヒ}十[K
]IXI
=
=
i
ン[m ]11
}一・
…
(2
−
1 )こ こで
,
[m ]:質量マ ト リック ス,
[C ]:減 衰マ ト リックス, [
K
]:剛 性マ トリック ス,セ
:ホワ イトノ
、
イズ,
lxi
,i
刮
,IX
}: これらの列べ7.
トル の要 素
Xs,
X
ε
,
盆s (8=
1,
2,…,
n)はs 層の 変 位, 速 度, 加 速 度 を表 し
,
確 率変数 で あ る。
また,
上 記のマ トリックス はn ×n で あ る。
(
2−1
)式に おい て, 入力 セ(t)は・
一
定なパ ワー
ス ペ ク トルS
。を 持つ 加 速 度のホワイ トノイ ズで,
そ の 自己 相 関 函 数 恥 (t)は次 式で表さ れる もの と する。
R7
ω〒2
πSo
δω・
…………・
………
(2−2
) ただし,fi
(t
):デル タ函 数 (2−
1)式に おい て,
ベ ク トル 因 がそ れ ぞ れ独 立な 固 有ベ ク トルIXI
,IX21
,…,
IX
。1
に分 解 され る とすれば,
“ (株 )コ スモ構造 解 析 研 究 所・
工博 〔昭 和59年10月 5日原 稿 受 理日,
昭和60 年 2月19 日改 訂 原 稿受 理 日,
討 論期 限 昭和 60 年 9 月末日) Fig.
1一 22 一
ベ ク トル
1
淵と隠
1
は次式で表さ れ る。 nも
IXI
・Σlx
‘IQ
‘ t!
1n
_
’
・
・
…
一・
・
・
…
tt・
・
・
…
t−・
・
・
・
…
(2
−
3 )亅
家
}=
Σix
‘}Q
‘ ‘=
1 た だ し,
Q
,は固 有ベ ク トルIXA
に対す る成 分 ま た,
(2−
1) 式の右辺の111
も次の よ うに分 解さ れ る9) 。 nマ
ー
t
lll
= ΣIX
‘1
β‘…・
・
…・
……・
…・
…・
・
…・
…
…・
(2−
4)1
−’
一
ただし, β‘は
III
を }X
‘1
に分 解 し たときの係 数で,
一
般に刺 激係数と 云われ て い る。
(2
−
1 )式に,
(2−3
),
(2−
4)式 を代 入す る と , 次 式 を 得る。
Q
‘十2hlte‘Qi
十ω葦Q
‘罵
シ瓦
・
…・
……・
…・
・
…
(2−5
) た だ し,
ω‘:i
次の 円振 動 数,h
‘:i
次の減 衰 定 数 (2−
5) 式の変 位 応 答は次式にな る。
婦
・∬
セ(・)・,(・一
・}d
・………一
(2−6
) 拙ω一
蕊
厩
・一
翩 ・εs・ ・翻 碗 (2−
6)式 を (2−3
)式に代入 する と,
そ れぞれ のベ ク トルが求ま る から,
応 答 値の統 計 量は固 有モ「 ド間の相 互連 成 項を無 視す れ ば,
近 似 的に次 式に な る。躙
一
巽 鸞
・
…・
・
…・
・
・
…
,・
…・
…・
(2−・
・)E 囲 一
宇
愈
縹
・
…・
…・
・
……・
…
∴…
(2−
・) た だ し,
E[Xlj :i層の 変 位 応 答の 2乗 平 均 値, E[
Xl
]:i層の速 度 応 答の 2乗 平 均 値,髪
‘.
: {XA
における r 次モー
ドのi
層の成 分 さ らに,
層 間 変位 応 答 と層 間 速 度 応 答の そ れ ぞ れの 2乗 平 均 値は次の よ うになる。 n〜
・[・x
…一
潮一
巽
、驚
享・
(X
詈+lr− 2X
‘+lrXtr 十丿【ir
) ・[(x
,+
1− XDi
]一
乎
急
ん砦
r
(丿【1
+且r− 2Xt
+IrXCr 十X
言r)・
一
一
・
…
(2−9
) §3
弾性 振 動 系の入 力エ ネルギー
の統 計 量 (2−
1 )式で表される振 動 系が,
定 常応答 状態での入 力 継 続 時 間 [ti,
t,]の間に入力さ れ るエ ネル ギー
入 力の期 待 値は次 式で表さ れ る。
E
[w
・]一
愈
肌・∬
E
[y
(t
)A
・,(t
)]dt …・
一 ・
(3−
1) ただし, E [W,]:入力エ ネルギー
の 期 待値,
mt :‘層の質量
,
1
‘(t}:i
層の 速度応答 (3−
1)式に (2−
3)式 と (2−
6}式 か ら得 ら れ る 速 度 応答 を代入 す る と次の よ うにな る。
E
[w
・]題
飢 ・鶏
緬
∬
∬
E 由
直)Y
(・)]・
甘
,(t−
T)d
τdt …・
…・
・
……・
・
……
(3−
2) 上 式は, (2−
2) 式 と (2−
4)式を考 慮する と次 式にな る。 n E[明=
Σ 筋 πS
。(t:−
t、)・
…一 ・
・
………・
・
(3−
3) i=
1 (3−3
)式は一
般に知られてい る式で あ る。
この よ うに,
加速度の ホ ワイトノ イズ が作 用し たときの入力エ ネル ギー
の期 待値は,
振 動 系の質 量の総 和とパ ワー
ス ペ ク ト ルS
。の積に比 例 し,
各々 の振 動モー
ドの 固有円振動 数 や減衰定数に依存し ない こと が分か る。
一
方,
入力エ ネル ギー
の 2乗平均値は次式に な る。麟
一
自象
脇∬∬
・臨
)文t(・Tl)・
7
(.,)家
、(。,}]dr
、d
τ,・
・
………
(3−4
) (3−
4)式は次の ように展 開さ れ る。
・圃
一
齲
隅∬
∬
融
・臨
)1
・
E
[セ
(.、}1
、(h)]+E
[y
(。、)輪
)]・
E
[ll
、(q)k
、(・、)]+E [v
( T,)宮、(τ,)]・
E
[y
(魂 、(τ1)]ld
。、d
。,’
・
一 ……・
(3−5
) 上式の第 1項は,
(3−
1)式か ら晶
脇∬∬
E
[v
(・・)x
・(Ti}]E[淘 編
]・
贓 尸〔
自
贓 (t
・− ti
)12
…………
(3−
・) と な り,
第2
項は,
次 式E
[シ(τ1)セω ]署
2πS
。δ(T,一
。、)…・
一 ……
(3−7
) を 考 慮 す る と熊
凧∬∬
・[y
(τ、)シ
]・[文舳 Tz)] n n・
dqdT2
=
2
nS 。ΣZ
m ,m ,E
[1
、X
、](t
、− t,
} i#
1jrl・
…・
………一 ・
・
………・
(3−8
)た だ し
,E
[名文
」]:定 常 状 態で のi
層とノ層の速 度 応答の 相互相 関 函 数で, 時間に依 存し な い値 である
。
に な る。
また, 第3
項は,
(2−
3)式と (2−
6}式を考 慮 す る と齲
脇∬∬
融
・甑
)}E 臨
)Al
、(・,)]・
d
・・d
・・一
熊
鴫∬∬
{
愈
編
・
fM
nk
,−
a,)E
[v
(・・}Y
(a・)]dai・
鶏
鵬
・
∫
°
’
fis
{ri−
a2)E
[v
(T2)v
(a)]da2
}
d
τ・dT
,一
熊
臨∬∬
〆811舮
’諏
。・
( nny
+
Tz−
rl)・
Σx
、Si?。Hs
(τ一 τ、 s;
1 )}
d
・、dT2−
・一
一
・
・
・
・
・
・
・
…
一
一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(3−
9) で ある か ら,
(3−5
)式は次 式に なる。
・[
Wf
]一{
盞
… s・(tz・ ti)1
’ + ・・略 角
鴫・
E
[XEXJ
](t2− ti
)・
…・
・
…………
(3−
10) (3−3
)式と (3−
10 )式と か ら弾 性振 動多 自由 度系の入力 エ ネルギー
の分 散 V[W,ユは次 式にな る。
n nV
[略]ニ2
πSo
ΣコΣl
mtm 丿E
[文‘k
∫](t2− ti
) t11 丿=
且………・
…・
…………・
…
(3−
11)結局, 入力エ ネル ギ
ー
の分 散は,
入力の強さ2
πS。と 各層の運 動 量 (7π譲∂.
の和の相互相 関 函 数と 入力 継 続 時 間の積で表され る。
(3−
3)式と、
(3−
11)式で表され る 入力エ ネルギー
の平 均と分 散は,i
層の 入力 加 速 度が質 量 mt を持つ 正 負の イン パ ル スが独立に到 達す る ホワ イ トノイズの場合に は弾 塑 性 振 動 系に対して も適用 され る (Appendix
A
)。
§
4
弾塑 性 多 自 由 度 系の最 適化 手法と累 積塑 性 変 形 の統計量 弾 塑性 多 自 由度系の エ ネル ギー
入 力の 統 計量は, AppendixA
で その理 由 を 述べ た ように,
i
層で の入力 加 速 度が質量 mi を持つ正 負の イン パ ル スが独 立に到 達 す る ホ ワイト ノイズの場 合に は,
そ れ ぞ れ (3−
3 )式と (3−
11 )式で与え られ る。
結 局,
問題 を よ り簡単に す る た め に振 動系の粘性減 衰を0と す れ ば,
定常応 答 状態で の各 層の履 歴吸収エ ネルギー
の和の期 待 値は (3−
3 )式 で表さ れ,
また その分 散は弾 塑性振 動系の各層の速 度 応 答の 相互相 関 函数を求め る ことに よっ て,
(3−
11)か ら 求め ら れ る。
各層の吸 収エ ネルギ
ー
の和に関す る統計量 は そ れ ぞ れ 求め ること が で きたが, は じめに述べ た よ う に,
こ の吸 収エ ネルギー
の和が構造 物の各 層の質 量 分 布,
剛 性 分布, 強 度 分布等によっ てど’
の よ う に 各 層に分 配さ れ る か とい う重 要な問 題も あ る。
しか しながら,
こ こ で は,
各 層に 同 程度の損傷 を与え ること を規 範とする最適耐震設計の 問 題に注 目す ることにする。
構 造 物の損傷度を表す
一
つ の尺 度と して累 積 塑 性変形 率が あ り, こ の累 積 塑性 変 形 率を各 層一
様にするよ うな 最適降伏せ ん断 力 係 数 分 布に関す る す ぐ れ た研 究があ る4〕−
8 )。
特に, ホ ワイ トノイ ズ 入 力 を対 象に し た場 合の 弾塑 性 振 動の最 適 降 伏せ ん断 力 係 数 分 布に関し て,
松 島 は弾 性 系の振動か ら最大せ ん断 力 係 数 分 布を求め,
この 係 数 分 布が最 適 降 伏せ ん断 力 係 数 分 布に十 分 近い とい う こ と を数値解析によっ て検 証し,
か な り 満 足できる結果 を得て い る6 )−
S }。
本 報 告では, 各層の無 次 元 累 積 塑 性 変 形 率が一
様に な る よ うな最 適 状態 を求め る一
手 法と その とき の累 積塑性 変 形 率の統 計量 につ いて述べ る。
一 24 一
各 層の 弾 塑 性 復 元 力 特 性の第 2分 枝 上 を 移 動 す る変形 量の (1一
αt)倍 を 塑 性 変 形と定 義し, そり絶 対 値の総 和 をR
,とす ると,
定 常 応 答 状 態に おける系の全 吸 収エ ネルギー
Woは次 式に な る。
n 鴎=
ΣQ
コ
iRi i=
1 ∴・
…・
…・
………・
・
…
(4−
1>Rt=・
’
riXyゴ た だ し,
tyt :i層の 降 伏 変 位,
Qei
:i層の降 伏せ ん 断 力, ri:i
層の無 次 元 累 積 塑 性 変 形 率 各層の無 次元 累積 塑性 変 形 率が等 しい状 態,
す な わ ち、
最適 降伏せ ん断 力係 数分布状態におい て は, (4−
1)式は 次式に な る。
W}=
7・
oPt ΣコQytXyi
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(4−
2 ) t=
匚 ただし,
r。。t :最 適 降 伏せ ん断 力 係 数 分 布 状 態に お け る無 次 元 累 積塑性 変形 率 結 局, (4−
2} 式の WDの期 待 値E[W 。]と分 散 γ[監]は 次 式に な る。
E
[嫣]=E
[r。
m]ΣQysXyt
t=
1 y [w・]−
v [・r6Pt]・
(
盞
Q
繭 ・)
2 y [rOPt]=
E レさPt]−
E2 [γ。Pt]・
・
∴・
r・
・
(4−
3) こ こ で,i
層の降 伏せ ん断 力係数 qtを次 式で定 義する。
q、一一
、、.
Q
・ ’・ T ・.・
一 ・
・
……・
………・
…・
……・
……・
・
(4−
4) Σ M 」9 j≡
i た だ し,
g :重 力 加 速 度 上 式で,
qiに対する ql(卜 2,
3,…,
n)の比をβ‘と す れば,
β、は次 式になる。 ・一
纏
鴛
・
…………・
………一
(4−
・・ 丿i
‘ た だ・・
…箒
β’・1層の降 伏せん 断 力 係 数・対 するi
層の降 伏せ ん断力係数の比 最 適 降 伏せん断 力 係 数分布 時の β。Pti の評 価 として,
文 献6)はイン パ ル ス を受け る線 形 振 動 系の最 大せ ん断 力 係 係 数 分 布で十分 近似で き る と し ているが, 本 報 告で は,
弾塑 性 振 動 系の非 線 形 性 を考 慮して等 価 線 形 振 動 系 の最大せん断 力係 数 分 布で評 価さ れ る もの と仮 定す る。
その 時, β。Pti は等 価 線 形 振 動 系の各々 の無 次元層間変 位の標 準 偏 差が等しいとい う条
件齧
一E
[(篭
論
岡・
・
………・
・
……・
…・
(4−
・) た だ し,E
[(Xi−
Xi−
1) t ]:等 価 線 形 振 動 系の層 間 変 位 の2
乗 平均値 と (4−
5)式か ら得ら れ る下記の条 件か ら求めら れ る。
君
μ’E
[(x
、− XE−
1) 2 ]£
。°
鵬 ]’
”… 9
(4−
7 ) βOPti =ht・
’=
‘K
,K
, :弾 性 系のi
層の 剛 性,
fl
。Ptt 二 た だ し, 畠=
K
, ’ 各 層の無 次 元 累 積 塑 性 変 形 率 がすべ て等し い 状態で の1
層の 降 伏せ ん断 力 係 数に対 す るi
層 の降 伏せ ん断 力 係 数の比,
i=
2,
3,
四
n (4−7
)式を満た す β。Ptt が最 適 降 伏せ ん断 力 係 数 分 布に な る。
次に,
r。Pt の統 計 量につい て述べ る。
問 題 を 簡 単にす る た め に減 衰 係 数を0 とすれ ば,
吸収エ ネルギー
の統 計 量は入力エ ネルギー
の統 計 量に等し い か ら, r。Pt の平均 と分 散は (4−
3)式と (4−
6)式か ら次の ように求まる。
E
[,。,,]一一
一
一
E
[w
・] n.
_.
.
_
(4−
8)鮖
撫
齢
」=
1v[r。pdi
−
m
] n….
.
(、.
9>{
幅聾
・
(
Σ μ, Jiin Σμ」)
t]
2 丿昌
1 ま た,
人力エ ネルギー
の変 動 係 数 と r。Ptの 変 動 係 数 λp に は次の よ うな関 係 式が成 立す る。
佩
訂
而
酒m
[m
]=
E
臨rE
[w
,]…
(4“10
)λ・
=
E
[r。P、] 上 式か ら 分るよ うに,
r。。t の変動 係 数は 入力エ ネルギー
W
,の変 動 係 数に等し く な る。 (4−10
}式に (3−
3) 式 と (3−
ll)式 を 代入 す る と,
λρ は次式で表さ れる。
・
・
・
・
…
9…
9・
・
…
(4−ll
) あ・
一
・ だ ・
,
− r!−
rl−
… 广 嘱需
方
、藷
So=SeX
多ia )i
,
S
。:無 次元パ ワー
ス ペ ク トル も し, 振 動系が弾性であ れ ば,
(4−
11>式は次 式になる。
ん
=
…・
・
…・
……・
…・
・
…・
…・
・
(4−
12) た だ しe ・・r一
籌
福 騨 性 麟 系の入力エ ネ・レギー
の変動係数 (4−
12)式のh
は入 力 レ ベ ルS
。に依 存し ない。
(3
−
3)式 と (3−
11 >式は そ の ま ま弾 塑 性 振 動 系に対し て も適用さ れ るか ら,
(4−
8)式,
(4−
9) 式,
(4−
11)式 Fig.
2 を評 価 すると きに,
新た に求め る 必要の ある もの は (3−
11) 式に含ま める弾塑 性 系の速度応答の相互相 関 函 数である。
こ こでは, こ の函 数を よ り簡 単に求める手 法 と して等 価 線 形 化 法 を用 いる。
以 下,
本 報 告で用い る等 価 線 形 化 法の概 略は次の よ うにな る3 )。応 答は定常と見な し,
i
層の復 元 力 特 性はFig.
2の よ うなBi−linear
型で表さ れ る もの とす る。
i層 の層 間変 位が slowly varying の無 次元振 幅 ηi>1の も とに, 円振 動 数 瓦 で正弦 波的に振動して いるもの とす ると,
等価 線 形 振 度 系の 剛性 低下 率k
,と等 価 粘 性 減 衰 係 数Ct
と は次のよ うに表され る。
〜
1−
ai2
Ci(ηt)・
》顧 :等 価 線形振動系に お け る等 価 剛 性と 等価 粘 性 減 衰 係 数
,
石‘=一
些 , ξ
‘=
σ龍 X‘−
Xi_
,.
,
%,
σξ「:e
,と ξ‘の標準偏 差 Xyi(Vo こ こ で,
定 常 応 答 状 態の振幅ηtの確 率 密 度 函 数p
(η‘)は,
近似的に レー
リー
分布で表さ れる もの と す れ ば,
(4−
13) 式の統 計 的 平 均 値は次のように な る。
hl
(・・)一 。 c・s一
且(
1一
号
)
…一
。,:・
(1−
a ・} (ηi−
2)・
v/痢 「・
・
・
…
ηi>1
h
‘(η‘)=1 …
−J・
ηt≦1
e
,…,)− 4(’謐
一
1)……
・t>1
C
‘(η,);
O・
・
・
…
η‘≦1・
甲
・
・
・
・
・
…
p・
・
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(4−
13) た だ し,k
‘(η‘):i層 の剛 性 低 下率,
k
‘(η‘)・
K‘,
κ
イ
晦 )P(・,)
d
・i・
イ
c
・(・・)・(・・)d
・t ・(n・1
一
鷹
exp卜
義
}
§5
解析結果の考 察一・
・
一・
・
・
…
一・
・
(4−
14 ) これ まで ホ ワイトノイブ を受け る弾塑性 多 自 由度 系の 入力エ ネルギー
と最 適 降 伏せん 断 力 係 数 分布 時の累 積塑 性変形 率の そ れぞれの統 計量 を解 析 的に評 価す る手 法に つ い て述べ た 。 こ こ で は,
解 析 結 果の考 察を行う。
手法 の妥 当性に つ い て は,
すで に 1自由 度 系を対 象に して検 証 済み で あ り1 〕,
等 価 線形 化 法の精 度につ い て は第2 こ一
一
う配を α ‘(
i
= 1,
2…
)= o.
3と固 定し , 層 間 変 位の 標 準 偏 差が約1.
4 (靱 性 率が約4)まで を適 用 範 囲と し3 ),
2 層の 場 合 (n= 2)の解 析 を行っ た。
Fig.
3は最 適 降 伏せ ん断 力 係 数 分 布 (4−
7)式 を 図示 し た もの で, (a>は 囑(ニ
Kz/Ki)をパ ラメー
タに した もの であり,
(b
)はμ2(=・
m2 /m ,)をパ ラメー
タ に し た もの で ある。
図 中の実 線は,
粘 性 減 衰を0と し,
al= α:三
〇.
3
, 無 次 元パ ワー
ス ペ ク トルS
。=O.
03
の場 合の解 析結果である。
こ の無 次 元入力レ ベ ルは本 解 析手 法の適 用 範 囲の限 界に近い値で ある。
破 線は,
文 献 6)で示 さ れ ている最適 強 度 比 (23>式 を図 示 したもの であ る。 本 解析手法の結 果の検 討は, 文 献 6}の解 析 結 果と数値実 験 値との対比・
によっ て行う。・
(a)の実線は, 破 線に比べ てk
,の 小さい ところで 少 し大き な値に なっ てい るが,
k2
の実 用 的な範 囲で は ご く わずか小さ な値で あり, (b
)の実 線 もμeのすべ ての 範囲で ご く わずか小さ な値である。 また,
入 力レ ベ ルと 第 2こ う配の 値 が 異なるが, 文 献6)の数 値 実 験 値と も か な り よい一
致を示してい る。
こ れ は, 最 適 降 伏せ ん断 力係数分布 時に おいて は, 入 力レベルや 第2こう配の値 の影 響が非常に小さい こ とを意 味す るもの で ある、S
。=
0,
015,
al= a2=0.
3
の場合とS
。=
=
O.
03, α 1=
a2=
O.
5 の場合の解析 値もFig.
3
とまっ た く同じ である。
文 献6) も同 様な結論を得てい る。
以 上の こ とか う, 全 体 的に見 て最 適 降伏せ ん断 力係 数 分布状態に関す否限 り, 入 力レベ ルや第
2
こ う配の値の影 響は非 常に小さい し, 最 適 降 伏せ ん断 力係数分布は等 価 線 形 振 動 系の最 大せん断 力係 数 分 布で近 似す ること も十 分可能である。
Fig,
4の (a), (b
)は, (4−11
)式で表さ れ る変 動 係 数を図 示し たもの であ る。
応 答 時 間は単 位の無 次 元 時 間 Fig.
3 Fig.
4Fig.
5 で あ る。
両図 とも入力レベルが大きい.
場 合, す な わ ち,
累積 塑 性 変 形が大き い場合に小さ な値になっ てい る。 こ れ は, 累積 塑 性 変 形が 大 きいと,
それ だけ速 度の相互相 関 函 数が小さ く なる た めである。 ま た,
λρ は 観とμ2 のパ.
ラメー
タの変 動に対 して ほ ぼ一
定な値であ る。
図中 の破 線は,
粘 性 減衰h
‘・
=
O.
02 の と きの線 形 振 動 系の 変 動 係 数 (4−
12 )式の値で あ る。
λ。
は か な り大き な値で一
定で は な い 。 以上の こと か ら,
変動 係 数は線 形 振 動 状 態で最大 に な り,
累積 塑 性 変 形 率の増 大と ともに減 少し,
島 とμ‘の変 動に対 し て ほ ぼ一
定になる傾 向を 示 す。
一 26 一
Fig.
5
は,
最 適 降伏せ ん断 力 係 数 分 布 時の無 次元累積 塑 性変形 率の平 均と標 準 偏 差 を図示し た もの であ る。 応 答 時 間は, Fig.
4同様に単位の無次元 時 間であ る。 実 線 が (4−
9)式の値であり,
破線が (4−
8)式の値である。
§6 結 論 定 常 ホワイ トノイズを受け る弾塑性多 自由度 系の最 適 降 伏せん断 力 係 数 分 布 時の累積塑性変形 率の統 計 量を解 析 的に求める手 法につ い て 論 じ,
2自由 度 系で,
k、=
1, μ,・
=1
の そ れ ぞ れの場合の計算を行い,
累 積 塑 性 変 形 率 の統 計 量に関 する考 察 を行っ た。
結 論を要約すると次の よ う に な る。
(1 ) 最 適 降 伏せ ん断 力 係 数 分 布は等 価 線 形振 動系の 最大せ ん断力係数 分布で十 分 近 似 する ことがで き
,
最 適 降伏せ ん断 力係 数分布時に関す る限り,
入 力レベ ル や非 線形 性の度合を表す第 2こう配の影 響は非 常に小さい。
(2
) 最適降伏せ ん断 力 係 数 分 布 時の累 積 塑 性 変 形 率 の変 動係数は,
剛 性率 h2と質 量 比μx の変 動に対して ほ ぼ一
定な値にな る。 また,
変 動 係 数は線形 振動状態で最 大と な り,
累 積 塑 性 変 形 率の増 大 と共に減 少す る傾 向を 示す。
Appendix A (3−
3)式と (3−
11)式は,
‘層 の 入 力加 速 度が独 立に列 達す る質量 mt の インパル ス の場 合に は,
弾塑 性 振 動 系 に も 適用さ れ る。
その理由は次の よ うにな る。
Fig.
1で示さ れ る 振 動系の運動エ ネルギー
は次式に な る。
・
一
撚
擁 言…………・
一 ……・
……・
……一
(A−
1) ただし,
T :系 全 体の運 動エ ネルギー,
文‘;地盤に対す るi 層の相 対 速 度で確 率 変 数 全体のエ ネルギー
増 分AT は次 式になる。
・ ・
一
去
か
齢 細 幻〕……一 ・
・
・
・
・
……
(A−
・) 質Pt
mt のインパ ル スが作 用し た と きの速 度 増 分は AX‘=
・
1………・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
………・
…・
…………・
(A−
3) で あ る か ら,
(A−
2)式は次 式にな る。
・[AT ]
一
狛
・ ・………・
・
・
・
・
………一
〔A−
・} 単 位 時 間当りに作用す るインパ ルス の数は2πS
。である か ら,
応 答 時 間 (t厂 t]
)で の入力エ ネルギー
の期 待 値E[W,]は次 式 に な る。
E[ W,
]=
Σ]mp πS。(te−
ti)……・
…・
・
……・
・
・
・
・
・
……・
〔A−
5〕 i≡
1 全体のエ ネルギー
増分の 2乗 値は次式に な る。AT ’
一
去{
か
似 ・・1
・肅 言)r
・
・
・
・
・
………一
〔A−
・) (A−
6)式の両 辺の期 待 値 をとり,
(A −
3}式 を考 慮す る と次式に な る。
・[・T・ ]
一
吉
鵡
購鉱
才,]+1レ…………
(A−
7) 結局,
エ ネルギー
増 分の分 散V[ATi]は,
(A−
4} 式を考 慮す る と 次式に な る。
n
n V[AT2]
=
ΣΣm 〃m」E[髪1遠丿}・
…・
・
…・
・
・
・
・
……』
tt
(A−
8) ‘ilJh1
単 位 時 間 当りの イン パ ル ス の数は2πS。で あ る から,
応 答 時 間 (t,
−
t,
) に お け るエ ネルギー
入 力の分散y[隅]は n ny[W,]
=
2πS。X
Σmtm ,E
[戈、X
,]〔t厂 t,)…・
・
…
(A−
9) t=
1J=
1 に な り,
(A−
5)式 と 〔A−
9} 式は そ れ ぞ れ 〔3−
3)式と 〔3−
11) 式に一
致す る。
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コ ロナ 社
SYNOPSIS
UDC:624.04:624.042.7:620.1
CUMULATIVE
PLASTIC
DEFORMATION
FOR
MULTI-DEGREE
OF
FREEDOM
SYSTEMS
SUBJECTED
TO
WHITE
NOISE
byDr.GI HONG, MernberofA,I.J.