験 文 】 日本 建 築 学 会 構 造 系論 文報告集 第443号
・
1993年1月 Journal of Struct.
Constr,
Engng,
AIJ,
No,
443,
Jan.
,
1993鋼 板 補 強
木
造 柱
の
座 屈 荷
重
に
関
す る
理
論 的考 察
AN
INVESTIGATION
ON
THE
FLEXURAL
BUCKLING
LOAD
OF
A
TIMBER
COLUMN
REINFORCED
WITH
STEEL
PLATES
ATTACHED
BY
METAL
CONNECTORS
松
本 芳
紀
*,
山田
孝
一
郎
* *Yoshinori
MA
TSUMOTO
andKoichiro
YAMAI
)A
As
thelength
of the columndecreases
,
flexural
buckling
stress exceeds the proportionallimit
ofthe timber
,
and yielding of metal connectors and steel plates arelikely
to occur.
This paperdeals
with the analytical method of the elasto
・
plasticflexural
buckling
load
ef the timber column rein−
forced
with steel plates attachedby
metal connectors onboth
side Qf the member.
According
to the theory presentedherein
,
theincremental
ratio of the inelasticflexural
buck−
ling
load
of the reinforced timber columndeclines
as the slenderness ratio of the columndecrea−
ces
.
KeytOOitts
:timbei−
column,
relnform’
ng steel
Plates
,
metal connectors,
comPosite column,
elastひPlastic
flexural
,
bttckling
,
multiPle column curues木造柱
,
補強 鋼 板,
接 合金物,
合 成 柱,
弾塑 性 曲 げ座 屈,
座 屈 強 度 曲 線 1.
は じめに,
前va1
)におい て は,
鋼 板を矩 形 断 面 木 造 柱の側 面に接 合 金物で取 付け た比 較 的 細 長い鋼 板 補 強 木 造 柱の弾性 曲 げ座 屈荷重を理 論的に求め,
そ の曲げ座屈荷重に及ぼす 鋼 板の補 強 効果につ い て検 討を行っ た。
そ の結果,
木 造柱に対す る接 合 金 物による鋼 板の補 強 効 果は,
補強鋼板のは く離や局 部座屈が生じ な け れば,
特に,
鋼 板が取 付け ら れて い る面に平 行な軸に関す る柱 の曲げ 座屈に関し て相 当に期 待でき ること を明 らか に し た。
一
方,
鋼 板 補 強 木 造 柱の曲げ座屈荷 重は柱の長 さが短 い ほ ど,
また,
鋼 板の補 強 効 果が大 きい ほど増 大する。 この た め,
木造 柱の座屈 応 力 度が木 材の比 例 限 度を 超 え るこ とや,
柱の座 屈 以 前に接合金物あ るい は鋼板が降伏 する ことも考え られ る。
し たがっ て, こ のよ う な非 弾 性 範 囲での鋼 板 補 強 木 造 柱の曲 げ座 屈 荷 重を求 める に当たっ て は,
木 材・
接 合 金 物ならびに補 強 鋼 板の弾 塑 性 性 状 を考 慮すると と もに, 鋼 板 補 強 木 造 柱の弾 塑 性 性 状 が, 鋼 板 補 強 木 造 ばりの場 合2)と同 様に , 柱 材の位 置によっ て変 化する こ とも考 慮 しな けれ ば な ら ない。
本 論 文は
,
鋼 板 を矩 形 断 面 木 造 柱の相 対す る両 側 面お.
よ び柱の全 側面に接 合金物で取 付けた 2種類の鋼 板 補 強 木 造柱を対象と して,
そ の両端が単純 ばり的に支持さ れ た場合の曲げ座 屈荷重を,
木材・
接 合金物な らびに補強 鋼 板の弾塑 性 性 状 を考慮 し て 理論的 に 求 め,
こ の よ う な 柱の弾 塑性 曲げ 座屈 荷重に及ぼ す接 合金物に よ る鋼 板の 補強効果につ い て考察し た もの であ る。2.
鋼 板 補 強木造 柱の弾塑性 解 析 法 2.
1 補 強 鋼 板の軸 力 増 分に関す る微分方 程 式 鋼 板 補 強 木 造 柱の断 面 形 状・
寸 法お よ び接 合 金 物の配 置 を 図一
1に示 す。 いま,
両 面の鋼 板 補 強の条 件が同じd
t宀
L 厂 Zb
鬯
y
滸
ヨ
圭
⊥坐
]
L
豊
L
..
・.
9
了
図一
1 鋼板補強木造柱の断面形状・
寸法お よび接 合 金 物の配置 拿 福井大学工学 部環境設計工学 科 助 教授・
工博 紳 福 井 大 学工学 部 環 境 設 計工学 科 教 授・
工博Assoc
.
PrQf.
,
Dept.
of Architecture and Civi且Engineeiing,
Faculty ofEngineering
,
Fukui Univ.
,
Dr.
Eng,
Prof.
,
Dept.
of Architecture andCivil
Engineering,
Faculty of En・
gineering
,
Fukui Univ.
,
Dr.
Eng、
NII-Electronic Library Service
懸
x蕪
_L
剄
」
π
尋
[
]
凸
為
圖
図一2
圧 縮 力 を う けると きの断 面の軸 力 増 分 とひずみ度増 分 鋼板補強 木造 柱が材軸方 向に一
様圧縮 力をうける場 合に は,
両 面の補強 鋼 板の軸 力 増 分および接 合 金 物のせ ん断 力増分 は同じ値と な り, 部材断面に は図一2
に示す よう な軸 力 増 分な らびに ひずみ度 増 分が生じ る。
柱の材軸 方 向をx 軸と し,
任意の位置 x に おける補 強鋼板の軸力増分 をAF
, 接合金物の間 隔をs と す る。 接合金物は材軸方 向に均 等に配置さ れて おり,
そ の間 隔 は柱の材長に比較し て十分 に細かい もの と す る と, 木 材 と補 強 鋼 板の間に作 用 する せん断 力増 分は連 続であると み なすこと がで きる。
いま,
木 材と補 強 鋼 板の間に作 用 する材 軸 方 向 単 位 長さ当たりの せ ん断 力 増 分をAq と す る と, 接 合 金 物に作用 す る せ ん断 力 増分AS
は次の よ うに表される。
d
△F
・
s…・
・
…・
………・
・
……・
(1
)△
s =
ム9’
8;
dx
接 合 金 物のせん 断 剛 性 をK
,とす ると,
接合金 物の材 軸 方 向のずれ量増分Ar
は次のよ うに表される。
△・
ギ
ー素
・
響
…………・
…・
……・
・
…
(2
) 木 材 断 面の圧縮力増分 をAN
.,
木材お よ び補 強 鋼 板 の接 線係数をEwt
お よ びE
。tと す る と,
木 材および補 強 鋼 板の圧 縮ひずみ度 増分Ae
。w お よびA
ε。p は次の よ う に表さ れ る。
∠INw
・
…・
…・
・
……・
………・
・
…・
…
(3) Aεew=−
EωtAw・ e・P=
=一
£
ittiA
。……・
……・
…・
………・
・
…・
…
(・) こ こ に}
・
………・
………・
・
………・
…
… 柱の圧縮 力増 分をAN
と す る と,
断面の力の釣合い か ら次の よ うに表さ れ る。
ANt
=ANw
十2AF ・
t・
………・
・
…………
(6) 補 強鋼 板の は く離や局部座 屈は生じ ない と仮定する と,
接合金物の材軸 方向の単 位 長さ当た り のずれ量 増 分 は木 材と補 強 鋼 板の圧縮ひずみ度 増 分の差 に等 しいか ら,
次の関 係 が 成 立し な け ればな ら ない。
薯
一一
臨ト
1
・ ・ 。pi)’
・
・
…・
…………・
・
〔・)一 96 一
式 (7)に式 (2), 式 (3)p 式 (4 )お よ び式 (6 ) の関 係 を用い て整 理 すると,
次の微 分 方 程 式 が 求 めら れ る。d
謬
一
素
籌
・
響
一
・AF
=:
一
・AN
・
・
・
…
9・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
甲
・
・
・
・
…
P7…
(8) こ こ に一
善
(
2 1E 。
ん +E
。、A
ρ)
・
t・
・
・
・
・
・
・
…
(9)K
,1
γ
=
「蓉一
゜
EwtAw
木 材,補 強 鋼 板お よび 接合金物が弾 性の と き は,
式 (8
) は文 献 1)の式 (39 )に一
致す る。
2,
2 弾 塑 性 解 析 法 木 材の圧 縮 応 力 度が比例限度を超える と, そ の接線係 数は応 力 度 と と もに変 化す る。
また,
接 合 金物のせ ん断 力が比 例 限 度 を超え ると,
そのせ ん断剛性も せ ん 断 力 と ともに変 化する。 し た がっ て, 柱の一
部が塑性域に入 る と式 (8
冫を解 析 的に解くことは ほと ん ど不 可 能に な る。
そこ で,
柱の長さL
をn 等分に分割し,
式 (8 )を位 置 iに お い て差 分 表 示す る と次の よ うに な る。(
1一
晦諾
恥抽
・1−
i
・+・…L
)・1
・Fi
・
(
ユ十K4
‘. 、− Ktt−
1 4Ktt)
AF ・ , =−
7 ,(ALI
) 2AN…………一 ・
…・
…一 ・
一 …
(10
) こ こに△
L −
÷
………・
一 ……・
…・
・
………・
…
(11
) 式 (10 )の下添字i
は そ れ ぞ れの位置ic
こお け る値を 表して お り,K
,,
a‘,
)ftは,
柱の位 置i
に よっ て異 なっ て く る。 n ルiit
乢 XP
「 正2
L
「
2
2
L
O
↑
P
図一
3 圧縮 力 をう け る両 端 単 純 支持の鋼 板 補 強 木 造 柱 N工 工一
Eleotronio Library図
一
3の よ うに柱の両 端 が 単 純 支 持の場合に は,
対 称,
条 件 を 考 慮 し て柱の半 分の み を n 等分に 分割 し,
次の 境 界 条 件 x=
O:{AF )o=
O.
・
−
e
・(
dAFdx)
n−
・”鹽
’
’
’
’
’
’
”
… ”… ’
一
(12
}.
を考 慮する と,
式 (10)は次のよ うに表さ れ る。 Ai,
, Al,
t O O O ん,
lAu
、
4
,、
; 0 0』
0 0 ん,
‘→Ai,
tA
‘,
副0
00
0 0 00 !1
η_
1,
π_
2 00
△FI
ムF2 ムF
,=
△ ] 、 ムFn
00
0 An−
1,
n_
12B , B2B
‘00
0
An−
1,
nAnyn.
…・
(13 )Bn−
iBn
こ こ に Kt.
Etl−
Kkl−
1Ai.
t−
1=1
十 4κt,
tAl.
t=−
1
α i(AL
)2十21 K,,
t+i−
Kgi−
1A岬
=
卜 4 瓦‘’
9”… ’
”… ’
’
”
(14)B
‘=
7,(AL
) 2AN・
L 一
去
位 置
i
で の断 面が弾 塑 性 域にある と きは,式
(14
>のK
、,
α‘,
7,は断 面の応 力と ともに変 化する。
し た がっ て,
外 力増分AIV
に対す る補強 鋼 板の軸 力 増 分 △F を 正 確 に求め る た めに は, まず増 分直 前の 各位 置で の式 (14 ) の値を 用い て式 (13 >を解き, 各位置における応 力の大 き さに応 じて これら の値 を修 正して再 び 式 (13
)を解き,
最 終 的に式 (13}の 補 強 鋼抜の軸 力 増分 △F
が一
定 値 に収斂 する まで これ を繰 り返すこと が必 要であ る。こ こで, 木 材の接線 係 数
E
. ,につ い て は, 木 材の圧 σc魯 σeb σcp0
εcp ε 図一
4 木 材の圧縮 応 力 度と 圧縮ひずみ度お よ び接線 係 数との関 係 σ GW σCb σ eq.
15−b)
0
EwE
縮応 力 度 σcw が その比 例限度 σcp を超えた後は,
図一
4 の よ うに圧縮 応 力 度の 二 次 関 数で表さ れる もの とし て次 の ように仮定す る。 σCw ≦σcp の と きE .
t=E
.・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(15−
a) σ cp≦σcw ≦ ace のときE
・t+
1
舞
≡
瑠
;
}
Em ・
…
・………・
・
…
(15−
・・ こ こに,Ew
は木材の ヤン グ係 数,
σ。b は木 材の最 大 圧 縮 応 力 度で あ る。 この式 (15 )は,
木 材の圧 縮 側の比 例 限 度 σ。
p に対応 す る ひずみ度 を ε。. と す る と,
木材の 圧縮応 力 度一
圧 縮ひずみ度 関 係が次の式で表さ れ ること に相 当 する。a・w一 伽
一
1子
1
籥
i
舞
……
・・
……・
・
…・
(16) 補強鋼 板の応 力度一
ひずみ度 関 係につ い て は,
有孔鋼 板が軸力 を う ける場 合に は応 力 集 中お よ び降 伏 後の ひず み硬 化現象によっ て比 較 的 明 瞭なbi
−linear
的 な性 状 を 示すこ と を考慮して.
.
鋼 板の局 部 座 屈や は く離は生 じ な い もの と 仮 定 し,
図一
5の よ うに bi・
linear型と仮 定す るQ ま た,
接 合 金 物の せん 断 剛性K
,につ い て は,
.
接 合金 物の せ ん断 力 S が そ の比 例限度 S. を 超えた後は, 図一
6
の よ うにせ ん断 力の 二 次 関 数で表され る もの と し て次 の よ うに仮定す る。S
≦Sp
の とき K,=
K・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
臼・
・
・
・
…
一・
…
(17−
a).
S
ρ≦S
≦S
.の とき κ・−1
・一
(s− s
ρ) 2s
馬
PS σc P σ (Sy− s
ρ) t}
・……・
…・
・
……・
…
(17−
b
) 図一
5 鋼 板の応 力度一
ひずみ度関係S
馬
PS(
eq.
17
−
b
}O
rp
・
.
O
KKt
図一
6 接 合金物 の せ ん 断 力 とずれ 量 お よ び せ ん断 剛 性との関 係’
一
97
一
NII-Electronic Library Service こ こに
,K
は接 合金物の弾 性せ ん断 剛性,
S
.は接 合 金 物の最大せ ん断 耐 力である。
式 (17 )は,
接合金物の せ ん断 力の 比例限度 Spに対 応す るず れ 量 を rp と す る と,
木材の応 力 度一
ひずみ度 関 係の場 合と同じ よ うに, 接 合 金 物のせ ん断 カー
ずれ量 関 係が次の式で表さ れ るこ と に相 当する。・
−
Sy−
1
呈
鵠
挈
。………・
……・
・
一
… 18・式 (16 )お よ び式 (18)は木 材の圧縮お よ び接 合 金 物 の せん断の塑 性 性 状を 比較 的良く近 似で きる もの で あ り
,
式 (15
)お よび式 (17
) と と もに図一
4および図一
6に示す。 な お,
各増分に対する式 (14 )の K,,
α 1,
)f‘の値と して は,
増分直前と直後の値の平 均 値 を用いる。 こ の よ う に し て各 位置に お ける補 強 鋼板の軸 力増分が 求め られ る と,
木材の圧縮力増分および接 合 金 物のせ ん 断 力 増 分は式 (6
)お よび式 (1>に よっ’
て求め ら れ る。 増 分直 前の圧縮 力,
柱の位 置 iに お け る補強 鋼板の軸 力, 木 材の圧 縮 力お よ び接 合金物の せ ん 断力をN ,
F,,
Nw
およびS
,と す る と, 増 分後の 各 値はそ れ ぞれ次の よ うに求め られ る。
N’
=N
十AIV
F
{=F
‘十AF
‘・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
t・
・
・
・
・
…
一・
・
…
(19)N
缶=IVw
十AIVws
:= s,十AS ‘3.
鋼板補 強 木 造 柱の座 屈荷重 3,
1
z 軸に関 する座 屈荷重図
一7
に示す ように,
全 長に わ たっ て両 側 面を同一
条 件で鋼板補 強 され た長さL
の木造柱が 圧 縮 力P
を うP1
L
冖
2
nn−
1一
x.
L1
一
2i
.
1
21
P
y
乱y
Z 図一
7 鋼 板 補 強 木 造 柱の Z 軸に関す る 座屈一
98
一
け,
z 軸ま わ りに座屈し て曲がっ た状 態を考える。
い ま,
z 軸に関す る木 造 柱 と鋼 板 自 身の曲 げ 剛 性の和 をB
. と す ると, 任 意の位 置 x に お け る柱の曲げ の微 分方 程 式は次の よ うに表さ れ る。盞
一一
讐
叨ぬ…・
…・
一 ・
…一 …………
(・・) こ こ に B。量=
E四tJw。
+2E ρゐ、b
♂b。t3
……・
……・
………
〔21 >IWt=一
歪 ・ IPi=
π ガ雌 は座屈時に お け る柱の任意の位置 コじで の 2 軸ま わ りの 曲 げモ
ー
メ ン トであ り,
柱の横た わ み を y と す る と次の よ うに表さ れ る。 M。
=
P・
y・
…………・
・
・
………・
………・
…・
…・
(22 )座 屈 時に お ける 2 軸ま わり の 曲げに よっ て生じ る補 強 鋼 板の軸 力
Fm
は,
接 線係数 理論に基づ けば,
次の式 を 満 足 す る よ うに求め ら れる2)。
砦
一
素
・
砦
・
籌
一
・轟一一
繊・
一曁
(… こ こにa・
一
爭
(
h2
1 2Ba , +E
ρtAP)
一 ………・
……・
(24) κ,h
7・・
=
i
’
孤式 (20), 式 (
22
)お よ び式 (23
)を用いて整理 す る と次の微 分 方 程式が求め ら れ る。
豊
・ ⊥・
薯
一
素
・
薯
万
dK
, 十 B. K,dx
dx
B
.t・
…
− 4−・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(25 > 式 (25
)に おい て, 柱の曲 げ 剛性B。tおよび接 合 金 物 の せ ん断剛性K
、は材 軸 方 向に変 化する から,
式 (25} を解析 的に解く ことは ほと ん ど不 可 能で あ る。
そこ で,
図一
7の ように柱の両 端が単 純 支持の場合に は、
対称条 件を考 慮し て柱 長の半分のみ をn 等 分に分 割し,
式 (25) を差 分表 示して次の境界条 件(
士
黌
一
毒
警
・
素
五 ・差
;
一
司
靂
一
丑 亠 」些
.
亜一
丑 ( 。 バ γ。ん}y=
=
。x− ・ ・(
Y
)・一
・,
(
籌
)
。 ・=・・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(26 )x 一
吾
・(
dy
盃)
n−
・ を考 慮 する と,
式 (25
)は次の ように表 され る。 N工 工一
Eleotronio Libraryロ ほ CC
噂
0冖
00
こ こ に C匸,
2C2,
2Ci、
t.
、00
Cl,
s O O O・
C2,
3 C21、 0 0 C‘,
H C‘,
t Cu+
l Cai+
sO
Cn−
t,
n−
3C
昂一
1:n−
『Cn
−
L,
n−
1 0 0C
叫η一
2 C聯一
1 臼 − 晒漕
凶 + 蘇 県 κ 細.
壷
踏 B 脚 翫B
.
鞴
什.
網 瓠ー
踏 B 卜蹟
B
紹=
=ユ
ロ
一
一
C
C
)
一
・剛}
(・L } L ・Bzti
2KgtlBz4
‘+
1− Bzu−
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1・
−
Kg‘−
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’
Bz4t
凡‘c
“=
=
L
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三
τ
(α 臨 τ 海 ん)(△L
アー
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三
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・
〔AL
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恥+
一 恥 燃量
5
“−
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細 + κ咢
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無
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‘+
1−
BzL‘_
置 κ験 1−
KLl−
1 OYi
O
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1.
n Yn_
翼C
聊 Yn 2B
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+ ,−
2B払 ‘十Bai_
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4C
“+
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AL
=
=
Eit
で あb
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.
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“B24
‘+
1− Bzt.
i−
1 Ku +i− Kt,
i二1 2 Bztt■
,
.
■
■
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1.
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1=
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
・
・
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・
・
…
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渤
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1− −
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ALr
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。4n−
・.
4K4t・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(28)Cnn
−
2,
C4n.
1 は次の ように + アBz
聊.
】 1Bz4n−
BzLn_
2 κし罠
一
Ktn−
2Can−
t =2Cl、
Lc :,
10
00Ci,
2Cz,
2Ct,
t−
、 00Cl,
3c2.
3Ct,
t−
1 00Oc2
,
4C
‘,
tCn_
1.
nLsO00
C
醗 L.
C
π_
匚,
π一
2C 叩.
2 00 Ct‘+2Cn_
1.
n−
1Cnn−
1弾塑 性域に おけ る 鋼板 補 強 木造柱の z 軸に 関す る曲 げ座屈荷重は, 式 (
30
)を満足す るP
の値を試 錯的に 求め ることに よっ て定める.
ことがで き る。
Btt
π一
tKc.
n−
1 ・z、n−
・− 2’
{
・奥胡諾
炸 ’一
(
P
一
αB2t.
n)
・
剛一
・}
・
・
:・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(
29
)な お
,
木 材・
補 強 鋼 板お よ び接 合 金 物が弾 性の と きに.
は,
式 (25 )は文 献 1).
の式’
(49 )に一
致する。
式 (27 )に おい て すべ て の ytが0
で は ないが解が存 在す る た め に は, 未知変.
位 yiの係 数の行 列 式の値が 0 でな けれ ば な ら ない。
し た が っ て,
座屈条件式は次の よ うにな る。
00
0Cn−
1.
nC ”n 3.
2=
0・
…
r・
9・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
・
…
(30) y軸に関す る 座屈 荷 重 図一8
に示 すように,
全 長にわ たっ て両 側 面 を同一
条 件で鋼 板 補 強 さ れた長さ L の木 造 柱が圧 縮 力P
をう一
99
一
NII-Electronic Library Service Z
y
乢・
Pl
xP
n11
血.
1°
卜2
垂 L一
2
L
冖
2
図一
B 鋼 板 補 強 木 造 柱の y軸に関す る座屈 け, y軸ま わ り に座 屈して曲がっ た状態 を考え る。 接 合 金 物の材 軸と直角 方 向の ずれ量は木造 柱の横た わ み に比 較すると一
般に非常に小さ いか ら木造柱の曲げに 及ぼ す補 強 鋼 板の軸 力の影 響 を無 視し,y
軸に関す る木 造 柱の曲 げ 剛 性 をByt
とすると 任 意の位 置 x におけ.
る 柱の曲 げの微 分 方 程 式は次の よ うに表さ れる。
籌
一一
脇去
晦…・
…・
……・
………
(31 > こ こ に,Byt=
E
撹価dbS
…’
・
”……一 ・
…’
…………
(32 )砺
=
万My
は座 屈 時にお ける柱の任意の位置エ で の y 軸ま わi りの 曲 げモ
ー
メ ントであ り,
柱の横た わ み を2 と するi
と次の ように表さ れ る。My
=P ・
z…・
…・
…・
…・
…・
・
………・
・
ボ…曁
・
……
(33 >ま た, 座 屈 時にお け る
y
軸ま わ りの 曲げに よっ て生 じ る補 強 鋼 板の曲げモー
メ ン トM
. は, 接 合 金 物の材 軸と直 角方向の せ ん断 剛性Ks
は柱の全 長にわ たっ て一
定 値であ る と仮 定す る と, 接 線 係 数 理 論に基づい て次の 式を満足 す る よ うに求め られ る1)。
d
‘M .十asMnv
=
γsMy・
・
・
・
・
・
…
噛
…
9幽
・
・
・
・
・
…
J・
…
(34)
dx
. こ こ に)
− ぬ坊
2瓦
− 恥(
垂
3墾
・=
冨
偽 3 ρ,
02 彦 −=
・
…
一一・
・
・
・
…
一・
…
一
(35 )+〔a
・
−
27s)耳
・=
°’
’
’
’
’
’
’
”… ”… ’
”’
(36
)式 (
36
)に おいて,
柱の曲 げ剛 性Byt
は材 軸 方向に変 化す る か ら,
式 (36)を解 析 的に解く こと はほ と ん ど不 可能で あ る。
そこ で, 図一
8の よ うに柱の両 端が単純支 持の場 合に は, 対 称 条 件 を考 慮し て材長の半分の み を n 等 分に分 割し,
境 界 条件を考慮して 差 分 表 示すると, 式 (36)は次の よ う に表さ れ る。
式 (31 ),
式 (33 )お よび式 (34 )を用い て整 理する と次の 微 分 方 程 式が求め られ る。
籌
+孟
・
薯
・
盞
+(
毒
・
望
磯
)
{
窪
+
女
・
dl
象
・
{
穿
・(
BJ
1
d°
Byt
、’
dx
’ +α s)
{
窪
P
D1,
豊DI、
2 D1,
3 D・,
4Dqi
D2,
1 P2,
3 P2.
‘D3,
垂D3.
2D3
βDs.
4 ここに 踊 踊OPD
OP
ら‘−
3Dgt−
s D‘.
HD
ち ‘ 0 OD3,
e0Dt,
c+
1D
‘,
i+
: Dai+30
Dn−
2,
π一
5Dn_
2潟_
4 ρ鳳一
2,
n−
3 0Dn_
量,
π
→ Dn_
i,
π_
5 0D
朋一
3 D陀一
2,
n−
zDn_
L、
n−.
2D 胴一
2P
臨_
2,
n_
1D
認_
zP 跖
一
且、
π
一
置
Dπ
一
皇轟 D凧 → DzanBytt
+ 1− Bg
;t_
lD
“_
s・
=
1−
BVtC
2122 為 Xt=
0…
r・
一…
一一…
(37
) ζn_
:: ln_
: lnD
げ毒
(ム五)一 6Bygt+
2−
12ByU+
1十12Btrtt
−
Bsqs_
z…
・i,
… 一 … (・・) ・一
鵠
(・L}・ + ・5 3By4‘+ z−
37Byet+
1十54
BytE− 19
Byt
‘_
1− By4E_
:十 By4‘
Bstt
・轟一
・r
・・)詣
(・ぴ一
・a・.
t(・班器
(・・) 1−
・・一
100
一
N工t−
Eleotronio LibraryByti+2
−
22 Byei+1十42亅3yt,
1−
22 ByU_
1十BSti−
2
− 2
B
脚・一
一
・s.
t(・恥諾
(・・〉・+15
Byti
→.
!→−19Byti
+ 匚一
54 βyt ‘十37Byt
ε_
i−
3By4‘_
z
Byt.
tBVt,
t+ i− By4t_
iDi,
i+3=1
十Bsu
L
.
.
AP
= 翫…………・
…・
…・
…・
…・
・
……
(38) で あり,
特 にDl,
1,
Dl,
t,
D].
3、
D2,
1,
Dn−
:,
n−
]tDn.
1、
n.
s,1
)n一
匸.
=−
2,Dn−
i.
n−
bDn一
隅,
Dzan
−
3,
Dzan−
2,
Dzan−
1 およびDan
は次の よ うにな るQ ・t,
1−
(a・,
1−
・・1}鵡
叫
… (△L) ・5P
(△L
)t−
14 十B
脚
2By43
十20
Byt.
2− 54
Bytl−t−32
By40
十 十
Byt,
n−
】D
・一
・,
n−
・−
a・,
n−
・叫一
濃
1( AL )・ + ・636Bytn
−
57 By4n一
匸十20 BSt,
n_
2十Bytn−
3Dn
−
・,
n−
i−
B
葺
、
(
AL
)!−
612By4n
−
13Byt,
n_
1十By4n_
3
Byqt
・i
,
・+
・一
毒
(AL
) ・一
・
B
”ti+2− 12Bytlt
+L→−12
Byet−
1− Byti−
2十
Bzz,
D− (・L
)一諾
(・・)・+ ・44
B
。、、+6
・B
。,、−
36
B
,w +26
・B
,、。D
・:
・「騫
幽 2− 6
+Bym2Bs43
−
4B .‘2−
6By4i十8By40 B脚』
D
・,
,−
a・.
・〔△L
) L鵠
幽 ・ +143By ち4
−
36 Bytコ十54 By4z−
20Bgt
】− BytO
十 βy亀2・
・
…
∴
・
・
一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(
39−1
)壕
∵
壟
婁
瓢
圖
Byt,
n−
lDn−・
,
・
− as,
n−
i(AL )‘一
器
、 (AL )t−
15
19Byt.
π一
53Bytn_
i十37正}ti4π
_
:−
3ByLn_
3
Bytn−
1 ・一一
(・… ・一
・7・.
n−
i) 。£
−
1( ・・)・一
・ 嚇幽
・ 7P (∠1
五)2− 26
十B
脚一
1 44Bycn−
97Bg’
t,
fi
_
1十56 BStn_
2−
3By #n_
5 十B
脚一
LO
鋼一
3= 2 ・一一
・{
t
, ・・L・! + 12等 甃
判
・・ n−・
一 ・(
…,
・
(AL
)‘.
一
鴛
幽 2 +15+227 政
一28
黷
讐
繊判
・… 一 (a・,
n−
・細最
。 (・L
)5−
・・ s,
n(・L
) ・・
孟
£
剛一26
84By 匚
,
n−
88 Bytn_
1十4Bytn_
2Byt,
n・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
−t・
・
…
一
一
・
・
・
・
・
・
・
…
(39−2
) な お,
木 材・
補 強 鋼 板お よ び接 合 金物が弾性の場 合に は,
式 (36)は文 献 1)の式 (77)に二致する。
式 (
37
)におい て Zt が すべ て 0で は な い解が存在す る た めに は, 未 知変位 z、の係数の行 列 式の値が 0で な けれ ば な ら ない。
し た がっ て,
座屈条件式 は次の よ うに なる。
エヱ
オ
PDP
…
0
DI,
21 )2,
2De,
2D
‘、
‘−
31
)1、
3DzsDs,
3D
‘、
‘−
2 0D
,.
4D2.
4.
D3,
4D
“−
1P
π.
2,
。−
50 OD2,
5D3,
5D
‘ Dn_
s,
n−
4D π一
1、
n_
400
…
D
,、
60
Dili
+lP
‘,
‘+t 1)n_
2.
n_
3Dn_
1.
n_
1 Dn_
1、
n_
3Dn_
匸.
π_
zDnn_
3 D陥n_
tDt.
i+s Dn_
2,
n_
iDin_
L.
n_
iDthn.
iO
Dn−
i、
n.
Dn−
1、
nDua=0・
…
一…
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
r・
・
(40)一
101
一
NII-Electronic Library Service
土
L下
レ
L
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ー
宀
師
塾
−彑
彑 x2
⊥
盞
]
凵
_豊
国
工2 図一
94 面 鋼 板 補 強 木造柱の 断面 形 状・
寸 法お よ び接 合 金 物の 配 置弾塑性域に お ける鋼 板 補 強 木 造柱の y軸に関する曲 げ座屈 荷重は, 式 (40) を満 足す る
P
の値を試 錯的に 求め ることに よっ て定 めること ができ る。
3.
3 全面鋼 板補 強 木 造 柱の座屈 荷重 図一9
の ような矩 形 断 面 木 造柱の全側面に鋼板を接 合 金 物で取 付 けた全 面 鋼 板 補 強木造 柱の場 合に は,
座 屈 軸 と平 行な面の 鋼 板と 座 屈 軸に垂 直な面の鋼 板と が負担す る曲げモー
メン トの値 を正 確に求め ること は 困 難であ る た め,
こ の よ う な鋼 板 補 強 木 造 柱の曲げ座 屈荷重を 理論 的に正確に求める こ ともまた非常に困難である。
しか し,
前 報1)のy
軸に関する座屈長 さ 係 数か ら も 明 らか なよ う に,
補 強 鋼 板が曲げ を う ける軸に垂直な面に取 付 け られ て い る場 合には接 合 金物の接 合効 果 が 非 常に大き く,
接 合 金 物の材 軸 方 向の 間隔 が材長に比べ て十 分に細か い と きに は,
近 似 的に補強鋼板は木材と完 全に一
体 と なっ て 働い て いるとみ なすこと が可能で ある。
したがっ て, 図
一
9の よ う に木造柱の全 側 面 を鋼 板 補 強 し た全 面 鋼 板 補 強 木 造 柱の場 合には, 木造 柱と完 全に一
体となっ た座 屈軸に垂直な面の補 強 鋼 板 を有 する柱に 対し て,
座屈 軸と平行 な面の補 強 鋼 板の接 合金物に よ る 接 合 効 果を考 慮す ればよい ことに なる。 す なわ ち,
木 造 柱の全 側 面を同一
の条 件で鋼 板 補 強し た全 面 鋼 板 補 強 木 造 柱の弾 性曲 げ 座 屈 荷 重の算 定にあ たっ て は, 文 献1)の 式 (59
)に おける z 軸に関す る柱 の曲 げ剛 性E
∬ を次の よ うに置き換え れ ば よいE∬=
E
”娠 +2E 。〔i。
1+IPt)一 ・
…・
・
……・
・
…・
(41 ) こ こ にb
ρtSI
・ ・=一
豆一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
t・
・
・
・
・
・
…
一
一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(42)玩
一
響
また,
非 弾 性曲げ座屈荷 重の算 定にあたっ ては,
本 論 文 中の式 (20)一
式 (29)の z 軸に関 する柱の 曲げ剛性B
。t および式 (6
)の軸 力の釣 合い式を そ れ ぞ れ次のよ うに置き換え ればよい。
矯 鷙
瀞
(1” ’+lpz
)}
………・
…・
…
・…一
102
一
L「
ー「
」
厂 tO
t12
幽
75e
「
、〒可「
= =「
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一
_
r−一
ひ⊥
4
_L
⊥
岬
」
_
互 !
(単位 :mm ) 図一
10 鋼 板 補 強木造柱の断 面 形 状・
寸 法の一一
例4.
鋼板補強木造 柱の座 屈 強 度 曲 線 図一
10に示 す よ うな断 面の長さL ,
両端 単 純 支持の 鋼板 補 強 木 造 柱に つ い て,
補強 鋼板の板 厚 tを9mm (7mh /α餌=0,830
),
6mm (r
.h
/a冊=
0.
758 ),
3;皿m (7mh /am ;O.599
),
1.
5mm (r.h
/α.=
O.
422)と変1
ヒさ せ た 場 合, 木 造 柱の細 長 比 λと木 材の最 大圧縮 応力度に対 す る曲 げ座 屈 応 力 度の比 率 (σ,。>z/σ、b との関 係 (座屈 強 度 曲 線3り を示し た の が図一11
で あ る。 図中の実線は接 線 係 数理論に基づ い た木 造柱の座 屈 強 度 曲線で,
縦 軸の 値は次の よ うに表され る座 屈 応 力 度を木 材の最 大圧縮 応 力 度 cr。bで除し て無 次 元 化 表 示 した もの であ り,
図 中に 式 (44) を示す。
π 2Etut・
・
・
・
・
…
r・
一・
…
り・
・
・
・
…
一…
一一・
・
…
(44) (a。 ,)。=
λ: こ こ に λは木造 柱の細 長 比であり,
木 材 断 面の 座 屈 軸に関 する断面二 次半 径をi
として次の よ うに表され る。λ冨
み
.
.
___.
__.
__・
.
……・
一 ・
・
………
(45 ) 1 図一11
か ら, 接 合 金 物に よる鋼 板 補 強に よっ て木 造 柱の曲 げ座 屈 応 力 度は相 当に増 大す ること が分か る。 木 造 柱の曲 げ座 屈 応 力 度の増 加は,
特に弾 性座屈の範 囲に おい て大き く,
その細長 比が大きい ほ ど大きい。
木造柱 の細長 比が小さ く な るにつ れ て曲 げ座 屈 応 力 度の増 加は 阯 0 19876543210 000000000 80120 160 200 240 λ.
L i 図一
11 補 強 鋼板の板 厚が変 化す る場 合の鋼 板補 強木造 柱の : 軸に関す る座 屈 強 度 曲線 N工 工一
Eleotronio Library〔唖 0
.
90.
80.
70.
60.
50.
40.
30.
20.
10 0 4080120 160 200 240 x=
卑 1 図一
12 2面 補 強な ら びに4面 補 強の場 合の鋼板 補強木 造柱の 座 屈 強度曲線 〔σ。、〕、 σ 由 1 10.
90.
80.
70.
60、
50.
40.
30.
20.
藍 0 2 鷹 L 0 0.
5 1 1.
5 2 2.
5 3 3.
5 4気
・
奏
〜疇
’
t
図一
13 2面 鋼 板 補 強 木 造 柱の z軸の関 する座 屈 強 度 曲線 (み海/am=
0.
5) 〔σの,
σ。b 1 2 3 蔽 諞L 10、
90,
80.
70.
60.
50.
40.
30.
20,
10 0 0.
5 1 1.
5 2 2.
5 3 3.
5 4ヌ
・
誥
〜厭
・
}
図一
14 2面 鋼板 補 強 木 造 柱の z 軸の関ず る 座屈 強 度 曲 線 (γmh /am=
O.
6> (σ“
O。
一
δ玉 t 2 34f 妬 L lO.
90.
80.
70.
60.
50.
403e.
20.
100 0,
5 1 1.
5 2 2.
5 3 3.
5 4叉
・
吉
〜墻
囓
寺
図一
15 2面 鋼 板 補強木造柱の z 軸の関 す る座屈強 度 曲 線 (γ語/am=
・
O,
7) 小さ く な る が,
こ の場 合,
細 長比 が 40以 下で は断 面の 圧縮応 力度は材 端で木材の最 大 圧 縮 応 力 度に達し,
鋼 板 補強木造柱の曲げ座屈は生じてい ない。
ま た, 補 強 鋼 板 の板 厚が9mm
の場 合に は細 長 比 が90以 下では接 合 金 物のせ ん断 力が比 例 限 度の値 を超え て おり,
板 厚が 1.
5 mm の場 合に は細 長 比が45〜
85の範 囲で補 強 鋼 板が降 伏し て, そ れ ぞ れ曲 げ座屈応 力度の増加 が 小さ く なっ て いるQ な お,
数 値解析 に あ たっ て は, 柱の長 さの半分 を20
等 分に分 割し,
仮 定し た諸 数 値は次の と お り で あ り4)−
7) , 特に断りの ない限 り,
以 下の解 析に おい て も同じ である。
E
即= 120 OOOkgf
/cm2,
σ cb三
400 kgf/cm2,
σ。。/σ,b=0,
6Ep =
2100 oookgf
/cmz,
σ cb=2
400
kgf
/cmz , Ept/Ep=
o.
Ol K ==2500kgf
/cm ,S
》=O.
35K
kgf
,Sg
/S,;
o.
7 図一10
に示す よ う な断 面で,t=
6mm の鋼 板 を取 付 け た両 端単 純 支持の木造柱の z 軸, y軸および 4つの 面 すべ て を同じ条 件で鋼板 補 強した木造 柱の 2 軸に関 す る 座屈強度曲線を示 し たのが 図一
12で ある。 図 中の2
面補 強の y 軸に関す る座屈強 度 曲 線は, 曲 げに対す る接 合金 物の 接 合 効 果が非 常に大きい ので,
柱の曲 げ 剛 性に関し て は補 強 鋼 板が木 造 柱と完 全に一
体で あるとみ な し た場 合の値に ほとん ど一
致し て い る。 ま た,
4面 補 強の場 合に は,
2面 補 強 (z 軸 )の場 合と比 較 して弾 性 座 屈 領 域よ り非 弾 性 座 屈 領 域で座 屈 応 力 度の増 加が大き い。
な お, 図 中の実線は, 図一
1ユと 同様に接 線 係 数 理 論に基づい た木 造 柱の座 屈 強 度 曲線である。
鋼 板 補 強 木 造 柱の座屈強 度 曲 線 をよ り一
般 的に表 現す る た め, 相 対す る2
つ の面 を鋼 板 補 強し た両 端 単 純 支 持 の木 造 柱につ いて,
γ.h/a. の値が 0,
5,
0.
6およびo.
7 の場 合の z 軸に 関す る座屈 強 度曲 線を廊
L
をパ ラ メー
タ とし て示 し たの が図一
13〜
図一
15であ る。
鋼板補強木造柱の座 屈強 度曲線は, 木材の最 大 圧 縮 応 力 度 σ。
b とπVE
7a
,
g
に よっ て無 次 元 化 表 示 する こと が できる8 ,。
こ の無次
元 化 表 示 法 を用い ると,
鋼 板 補 強 木 造 柱の座 屈 強 度 曲 線は木 材のヤング係 数および最大圧 縮 応 力 度に無 関 係とな り,
さ らに,
接 合 金 物お よ び補 強 鋼板が弾性 状 態の場 合に は,7mh
/dmお よ び偏
L をパ ラメー
タ としてすべ て の鋼 板 補 強 木 造 柱に適 用 可 能な座一
103
一
NII-Electronic Library Service 4LT
獪
⊥ π犀
〜
λ 3522511500 19876543210 000000000讐
1 、 , 、 鳳 図一
16 補強 鋼板の降伏応 力度が 3300kgf/cm2 の場 合の 2面 鋼 板 補 強 木 造 柱の g軸の関す る座 屈 強 度 曲線 (γ切h/am=
0.
6) 19876543210 000000000 鮭 σdh 1 2 34 fliTm L5 Y冊
h=
α6 α网 20 1σ・
・
}・
一
⊥.
靆 σ・ドr
恥 OO
・
5i
l
・
52
2
・
5廴
3・
54
λ
一
も
贋
’
÷
図一
184 面 鋼板補強木造柱の 2 軸の関 す る座屈強 度 曲線 (7mh/am=
O.
6> 19876543210 000000000 墜 σcb l 23fli :m7L 00.
51L522.
533.
54天
一
麦
傭
・
÷
図一
17 4面 鋼 板 補 強木 造 柱の 2軸の関す る座 屈強度曲線 (7mh/am=
O.
5} 19876543210 α α α α α α α α α讐
12 ,4,6,、 幅 L20 堂逆詈
[〕,
7 α m 阯三
⊥.
肚 σ め [恥 0 0.
5 11522,
533.
54玉
・
圭
》
離
図一
19 4面 鋼 板 補 強 木 造 柱の 2 軸の関 する座 屈 強 度 曲線 (γ曲/ata=
o.
7) 屈 強 度 曲 線 が得ら れ る。
こ れ らの図か ら, 接合金物の接合効 果が大きい と きに は補強鋼板の負担す る軸力の割合が大き く な り, その結 果, 圧 縮 力 が増 加す るにつ れ て補 強 鋼 板が降 伏し柱の 曲 げ剛性が急激に低下す る た め,
柱の曲げ座 屈が生 じや す く な ること が分か る。,
し た がっ て, 補強鋼 板が弾性状態 の場合に はVi
;L
の値が大きい ほど 曲 げ座 屈荷重は大 きい が, 補 強 鋼 板が降 伏す る場 合にはVII
;L
の値が大 きいほど小さい荷 重で降 伏す る た め, 曲 げ座 屈 荷 重は小 さ く なる。
なお,
図 中の最 下 曲 線は接 線 係 数 理 論に基づ いた木造柱の座屈強度曲線であ り,
次の よ うに表さ れ る。(
響
一
奏
・
驚
…一 ……・
…………・
・
…・
…
146
) こ こにx
−;
tsi
・
÷
………・
…・
…………一 …
…47・ 補 強 鋼 板が降 伏す る一
般 化 細 長比 λ の値は鋼板の降 伏 応 力 度 anv の値によっ て大き く変化し, ま た, 鋼板と 木 材の ヤング係 数 比に よっ て も変 化 する。
比較の た めに,
補 強 鋼 板の 降 伏 応 力 度が σev=
3300kgf
/cm2 の場合の鋼板 補強木 造柱の z 軸に関 する座 屈 強 度曲線の一
例を図一16
に示す。 最後に,
4つ の 面を 同 じ条件で鋼板 補強し・
た木造 柱に っ いて,
ん〃% の値がo.
5,0.
6
お よ びo,
7の場 合の z 軸に関 する座屈強度 曲線を侮
L
をパ ラメー
タと して 示 し たのが図一
17〜
図一
19であ る。 4面 補 強の場 合の 7mh/am は,
全 補 強 鋼 板が木 造 柱と一
体と なっ て働く と き の全 曲げ 剛性の中に占め る座 屈 軸 に平 行な面の補 強 鋼 板の曲 げ剛 性の割 合 を示す もの で,
2面 補 強の場 合と異な り次の よ うに表され る。
励2E 。ん
(
ん 万)
2 a・ ・.
・。
。
・ ・恥 隅 ・ ・畷
評
《48
) 4面 補 強の場 合に は,
補 強 鋼 板の負 担す る軸力は2
面 補 強の場 合の半 分で あ る か ら,
補 強 鋼板の降 伏が起こ り に く く, し た が っ て柱の曲げ剛性の低下が生じ に くいた め,
非弾性座 屈の領域で も座 屈応 力度の増加は大 きい こ一
104
一
N工 工一
Eleotronio Libraryとが 分か る