http://www.sanyeicorp.com/
◆会社概要
当社は 1946 年創業で、今年で創業 72 周年を迎える専門商社である。事業内容は、家具・家庭用品・服飾雑貨・ 家電等の生活関連用品の輸出入・卸売・小売である。資本金は 10 億円強、東証 JASDAQ に上場し、決算は連結 で 3 月、従業員数は約 1,300 名(2018 年 3 月末現在)である。拠点網は国内に関係会社 9 社、海外に 8 法人が運 営する 19 拠点を持つ。当社が展開する 2 つの事業のうち創業時から展開する OEM 事業は、売上構成比は約 4 分の 3、昨年度の売上実額は 323 億円である。もう 1 つが日本を中心に展開するブランド事業で、構成比は約 4 分の 1、実額は 123 億円となっている。 OEM 事業は、顧客からの要望を受けて商品仕様をかため、工場選定、価格交渉・生産日程調整を行い発注、 品質・納期等の生産管理を行い、輸出入業務の後、商品納入という流れで商品調達を行う事業である。 特徴は 3 つあり、1 つ目は海外調達力である。長年のアジア地域での輸出事業の展開により、各国の地場工場 と関係構築ができている。それらをネットワーク化し、顧客のニーズに合致した工場を紹介する。2 つ目は、生産管 理能力である。OEM 事業において最も重要なことは、顧客に対して約束した品質と納期を保証することであり、一 部の地域を除き、当社スタッフが直接現場で生産管理を行う。3 つ目は海外拠点から海外顧客へということで、輸 出専門商社時代に設立した拠点から、現在も北米、欧州に輸出を行っている。日系で生活関連用品を日本以外 の国に輸出する、業界でも希有な存在である。 OEM 事業で取り扱う商品は、家具ではベッド、テレビ台、ダイニングテーブル等、家庭用品ではクックウェア、キ ッチンツールを主力に欧州・北米・日本向けに輸出している。服飾雑貨ではバッグや縫製小物、最近ではハンドキ ャリー等が挙げられる。家電では調理家電、理美容家電、ソニック(音波歯ブラシ等)を供給している。その他、キ ャットフードやドッグフード、またコンテナライナー等輸送資材も一部取り扱う。 ブランド事業は、OEM 事業で培ってきた海外ビジネスの知識と経験をベースに、3 つのパターンで事業展開をし ている。1 つ目は海外ブランドである。ドイツのコンフォートサンダル・シューズの BIRKENSTOCK、ベルギーのプレ ミアム・カジュアルバック Kipling 等、海外ブランドの輸入販売権を取得し、主に日本市場において正規代理店とし てブランド事業を展開する。2 つ目は自社ブランドである。ワッフルメーカー等を展開する Vitantonio、またネット販 売の屋号として MINT ブランドで販売している。3 つ目はクロスオーバー型ブランドである。異業種のブランドを別の インダストリーで立ち上げるもので、パリのヘアサロンから生まれた mod’s hair ブランドを当社ではヘアアイロン等 の家電に応用し展開している。 ブランド事業の特徴は 3 つあり、1 つ目は本質にこだわった秀逸な商品である。例えば BIRKENSTOCK は色や 形だけでなく、サンダル・靴の本質である履き心地と長時間の歩行に適している。2 つ目に、販売戦略に応じて小 売展開も積極的に行い、現在直営店が 83 店舗ある。セレクトショップの Quorinest は、東京ミッドタウン日比谷に 2 店舗目をオープンし、好調なスタートを切った。ネット通販の MINT は楽天・Yahoo!で家具を販売している。3 つ目 に、商品を長く使い続けてもらうためのアフターサービス事業も運営している。8119
三栄コーポレーション
小林 敬幸
(コバヤシ ノリユキ)
株式会社三栄コーポレーション社長
新基幹システムの導入を進め、当社グループの経営基盤を強化
ブランド事業の最近のトピック 1 点目は、中国・四国圏最大の都市広島での開業として注目が集まる The Outlet 広島(約 200 店舗)に、BIRKENSTOCK、Kipling、Villeroy&Boch の 3 店舗を開業した。2 点目は、ドイツのテーブル ウェアブランドの Villeroy&Boch が創業 270 周年を迎えたことに呼応し、5 月に赤坂プリンスクラシックハウスでプレ ス向けイベントを開催した。
OEM 事 業 と ブ ラ ン ド 事 業 を 法 人 別 に 区 分 け す る と 、 OEM 事 業 は 株 式 会 社 三 栄 コ ー ポ レ ー シ ョ ン 、 TRIACELIMITED、三發電器の 3 社が中心となっている。ブランド事業は、Villeroy&Boch と CHASSEUR は株式会社 エッセンコーポレーションが取り扱っている。BIRKENSTOCK、Quorinest は株式会社ベネクシーが展開するなど、 それぞれ関係会社がブランドを取り扱う。
◆2018 年 3 月期決算概要
当期の連結業績は、売上高 446 億 92 百万円(前期比 10.2%減、50 億 93 百万円減)、売上総利益 128 億 83 百万円(同 7.7%減、10 億 76 百万円減)、売上総利益率は 28.8%(同 0.8%改善)、営業利益 16 億 83 百万円(同 37.8%減、10 億 21 百万円減)、経常利益 18 億 32 百万円(同 24.8%減、6 億 4 百万円減)、親会社株主に帰属す る当期純利益 8 億 32 百万円(同 41.7%減、5 億 96 百万円減)となった。 売上高減の主要因は、1 つは OEM 事業では製品ライフサイクルが成熟期を迎えた商品の比率が高まった。2 つ 目に、ネットビジネスの急伸が顕著な北米市場において、当社の主たる取引先が従来型の店舗を持つ業態で苦 戦をした。3 つ目に、前期は欧州からの大型受注があったが、当期はなかった。前期は当社の歴史の中で最高益 であったが、今期は前期と比べて苦戦した。2017 年度は 71 年の歴史の中で売上高は歴代 5 位、経常利益歴代 4 位と、それほど悪い数字ではないという認識である。 経常利益の前期との差異は、海外子会社の減収による減益で 4 億 60 百万円減、単体では家具のネット販売を 主因に 1 億 46 百万円増、国内子会社はブランド入れ替えおよび競争激化により 3 億 96 百万円減、その他、未実 現利益等 1 億 6 百万円増となり、全体では 6 億 4 百万円マイナスとなった。 貸借対照表を見ると、資産合計は現金および預金約 17 億円、投資有価証券約 8 億円の増により 258 億 23 百 万円(同 27 億 66 百万円増)、負債合計は短期借入金 21 億円増、繰延税金負債約 2 億 38 百万円増、一方支払 手形および買掛金 1 億 63 百万円の減により 123 億 85 百万円(同 21 億 36 百万円増)となった。純資産は、その 他の有価証券評価差額 5 億 72 百万円・利益の剰余金 4 億 5 百万円増、繰延ヘッジ損益 3 億 83 百万円減により 134 億 37 百万円(同 6 億 30 百万円増)となった。 自己資本比率は、負債が増加した結果、3.5 ポイント減の 51.6%となった。 営業活動によるキャッシュフローは、売上負債が増加したが、税引前利益約 16 億円の計上によりプラス 8 億 92 百万円となった。投資活動によるキャッシュフローは、店舗拡充およびソフトウェア等の固定資産取得によりマイナ ス 8 億 33 百万円、財務活動によるキャッシュフローは短期借入金 21 億円増、配当金支払いにより 3 億 82 百万円 減となり、プラス 17 億 8 百万円となった。◆セグメント別概況
当期は、家具家庭用品セグメントは減収減益、服飾雑貨セグメントは増収減益、家電は減収増益、その他は減 収増益、連結全体としては減収減益という結果である。 家具家庭用品セグメントは、売上高 230 億 53 百万円、営業利益 13 億 6 百万円となった。OEM 事業は国内外と もに減収。北米やスポット受注が剥落した欧州の減収等が影響した。ブランド事業は、家具の e-コマース直販が 堅調に推移したが、ドイツの Villeroy&Boch 獲得への先行投資を行い、全体では減収減益となった。2019 年 3 月期 通期予想は、売上高 256 億 3 百万円(前期比 25 億 50 百万円増)、営業利益 13 億 20 百万円(同 14 百万円増) を見込んでいる。OEM 事業は前期大幅減少した家庭用品の海外向けが挽回。ブランド事業は家具の e-コマース直販が引き続き堅調なトレンドを維持し、Villeroy&Boch ブランド製品販売の通年寄与から増収を見込む。OEM 事 業全般で粗利率が低下するが、ブランド事業の利益貢献がこれをカバーし、増収増益を見込んでいる。 服飾雑貨セグメントは、売上高 136 億 83 百万円、営業利益 6 億 7 百万円と売上は若干増、利益は減益となっ た。OEM 事業は国内外ともに堅調に推移した。ブランド事業はブームが一段落した BIRKENSTOCK と並行輸入品 の影響で販売に苦戦した Kipling がいずれも減収となり、当セグメント全体では大きく減益となった。2019 年 3 月期 通期予想は、売上高 157 億 85 百万円(同 21 億 2 百万円増)、営業利益 9 億 22 百万円(同 3 億 15 百万円増)を 見込んでいる。OEM 事業は開発費の増加もあるが、経費コントロールで引き続き手堅く推移するとみている。 BIRKENSTOCK 販社の株式会社ベネクシーは直営店の他にも催事展開等で販売先確保に注力し、増収を見込ん でいる。Kipling は並行輸入品対策効果があらわれ、販売量増加、販管費率の低減を見込んでおり、当セグメント 全体で増収増益を予想している。 家電セグメントは、売上高 56 億 68 百万円、営業利益 2 億 58 百万円となった。OEM 事業は ODM 推進のため 国内外ともに開発に注力したが、当期には実らず減収、ブランド事業も競合激化により減収、マルチシェフ(業務用 調理機器)は先行投資がかさみ、全体的に減収となった。ただ、連結調整で未実現利益が前期比減となり、増益と なった。2019 年 3 月期通期予想は、売上高 62 億 10 百万円(同 5 億 42 百万円増)、営業利益 4 億 62 百万円(同 2 億 4 百万円増)を見込んでいる。OEM 事業は開発案件が徐々に奏功し増収に寄与、販管費率低減も若干見込ま れ増収増益を予想している。ブランド事業では、Vitantonio は前年以上の新商品数投入を予定するなど、増収増 益を見込んでいる。マルチシェフは本格立ち上げに注力し、全体では増収増益を見込んでいる。 その他セグメントは、売上高 22 億 86 百万円、営業利益 51 百万円と、前期の赤字からプラスに転じた。OEM 事 業は国内ペット商材の取引先再編の影響が依然残り減収、ブランド事業はペットショップ Pepica のサービス事業 が順調に推移して黒字化、全体の利益を引き上げた。2019 年 3 月期通期見込みは、売上高 23 億 92 百万円(同 1 億 6 百万円増)、営業利益 99 百万円(同 48 百万円増)と予想している。
◆2019 年 3 月期業績予想
今期の連結売上高は 500 億円(前期比 11.9%増)の予想である。前 3 期にわたり未達で終わった 500 億円にも う一度チャレンジする。営業利益 19 億円(同 12.8%増)、経常利益も 19 億円(同 3.7%増)、親会社株主に帰属す る当期純利益は 12 億円(同 44.1%増)を見込んでいる。 経常利益の前期との差異の内訳は、海外子会社は増収による増益 3 億 68 百万円、単体では売上総利益率低 下と管理部門における先行投資により、6 億 59 百万円減益、国内子会社は増収による増益 4 億 6 百万円、その 他は未実現利益等で 47 百万円減を予想している。◆中期経営計画
2017 年度を基点とした 3 カ年の中期経営計画は、5 つのキーワードがある。1 つ目は新たなチャレンジ。OEM 事 業では欧州において、ODM 方式による新事業を準備中である。また、さらなる投資案件を模索している。ブランド 事業では Villeroy&Boch の取り扱い開始等、複数の新規ブランドの取り扱い獲得に成功、またベネクシーでの新た な事業として修理受託事業をスタートした。 2 つ目にローコストオペレーションの徹底として、経費抑制のために上海事務所を移転、また大川の倉庫移転と 集約を推進中である。加えて、事業棚卸という点では社内 Exit ルールにのっとり、より厳格に事業継続の可否を判 断している。 3 つ目にグループシナジーのさらなる創出として、国内関係会社の収益力向上を目的とした経営体質改善指導 を関連事業本部主体で行えるような組織改編をした。その結果、商業施設との交渉の一本化、物流マーケティン グに関するノウハウの共有が可能になる。4 つ目に人事戦略の推進として、外部コンサルタントを起用して人事制度を見直し、適材適所率向上によりロー コストオペレーションにつなげた。5 つ目に「攻めのガバナンス」として、グループ稼働 2020 年 3 月に向けて、新基 幹システム SAP の段階的導入を推進、本年 7 月には単体での導入完了予定である。その他のガバナンス強化策 として、取締役会の権限の一部を取締役に委任できる定款変更、取締役会評価制度の導入、役員のインセンティ ブとして特定譲渡制限付株式報酬制度を導入する。 新たなチャレンジとして、2018 年 6 月より時計ブランド KERBHOLZ(ジャーマンデザインアワード受賞)、9 月には ドイツのクックウェアブランド WOLL の取り扱い開始予定である。さらに、ベネクシー(BIRKENSTOCK 小売店運営販 社)が他社取り扱いブランドも扱う靴修理受託事業をスタートする。 中期経営計画の定量目標については、2017 年 3 月期決算説明会で「20 億円以上の安定的な経常利益の基盤 をつくる」と説明したが、未達となった。今期も到達は難しいという予測である。最終年度計画達成に向けて最大限 の努力をする一方、長期的視野で収益性改善、収益確保の多様性のための先行投資は積極的に継続する。
◆株主還元
5 月 11 日、将来の経営環境の変化に対応する機動的な資本政策の遂行と株価への利益還元の充実をはかる ことを目的として、自己株式の取得を発表した。取得数は上限 50,000 株、取得価額の総額上限 2 億 50 百万円、 取得期間は 2018 年 7 月 2 日~12 月 28 日である。配当については、安定的かつ継続的な配当の実施、配当性向 30%程度をめどに、企業体質の強化をはかるための内部留保の充実という基本方針に基づいて行っている。 2018 年 3 月期は期末 100 円、中間 60 円、通年で 160 円とした。2019 年 3 月期は 160 円を予定している。1998 年 の配当再開時点から 21 期連続で横ばいもしくは増配を続けている。 経営指標である ROE は、ここ 4~5 年は苦戦している。当面は 8%を目指し、中長期では 15%以上を目標とす る。 株価の推移について、5 月 25 日(金)の株価をベースにすると、予想 PER が 8.43 倍、PBR は 0.76 倍となってい る。◆質 疑 応 答◆
Kipling の具体的な並行輸入対策を伺いたい。 ブランドホルダーとの交渉で出荷元を特定(ヨーロッパに 2 社)し、流れを抑制する方向で動いた。日本市場は 徐々に減っている。 Kipling の並行輸入はアジア経由ではなかったのか。 欧州から日本に直接入っている模様だ。 並行輸入に関しては一般的に、ブランド元との交渉で抑えることは可能か。 ゼロにすることは困難だが、基本的には抑えることは可能である。市場の 10~15%は人気のバロメーターにな るが、Kipling に関しては市場の売上の約半分が並行輸入品であったため対策を行った。海外および国内子会社で増収による増益を見込んでいるが、具体的な内容を伺いたい。 前期に苦戦した海外子会社の家具・家庭用品事業、また欧州のスポット受注がほぼ回復する。ブランド事業に 従事する国内関係会社は前期剥落したクックウェアブランド WMF にかわって Villeroy&Boch の取得、Kipling の並 行輸入品対策効果が貢献すると見込んでいる。 (2018 年 5 月 29 日・東京) *当日の説明会資料は以下の HP アドレスから見ることができます。 http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=ir_material_for_fiscal_ym&sid=49031&code=8119