1.検討ケース
①現有資産の全更新を前提とした検討手法 現有資産を全て更新することを前提として、過去の更新履歴や診断と評価に基づいて更新需要を算定する検討手法であ り、将来の更新需要のピークや規模を把握する上で、基本となる手法。 A案 法定耐用年数で更新した場合 B案 企業団が実績等を基に独自で定めた年数で更新した場合(以下、「更新基準年数」) ②再構築や施設規模の適正化を考慮した検討手法 現有資産を全て更新することを前提とせず、今後の需要の動向に応じた水道施設全体の再構築や規模の適正化も考慮し た上で更新需要を算定する検討手法であり、①の検討手法をベースにして、さらに詳細に検討する手法(詳細型)。 C案 B案に対し以下を反映した場合 ・休止、廃止予定の資産を計算から除外 ・水需要減少を考慮した施設規模の適正化(ダウンサイジング)2.算出条件
(1)算出期間:平成25 年から平成 124 年度までの 100 年間 全ての資産が更新基準年数で最低1 回の更新がされるまでを含む期間 (2)更新費用 ①構造物・設備 管財会計処理システムの帳簿原価を建設工事費デフレーター(『建設工事費デフ レーター(上・工業用水道)』(国土交通省;平成24 年度版))により、物価上昇分を補正した価 格(現在価格)を更新需要とする。 ②管路 管路情報システムの口径・延長に布設単価(『水道事業の再構築に関する施設更新費用算 定の手引き』(厚生労働省;平成23 年 12 月))を乗じて更新需要とする。 (3)更新年数 ①構造物・設備 A案 法定耐用年数を利用 B案・C案 更新基準年数があるものは、更新基準年数を利用 更新基準年数がないものは、更新基準年数一覧にある類似資産の法定耐用年数と更新基 準年数から比率を求め、法定耐用年数に乗じて算出 ②管路 A案 法定耐用年数40 年を設定 B案・C案 更新基準年数一覧にある分類(管種、上工次別、継手、施工法、口径)の組み合わせか ら更新基準年数を設定 構造物・設備:更新基準年数・比率 一覧(上水・工水) 分類 No. 法 定 耐用年数 更 新 基準年数 比率 備考 1 60 85 1.42 2 50 65 1.30 3 15 40 2.67 4 15 35 2.33 貯蔵 5 10 25 2.50 注入機 6 10 10 1.00 貯蔵 7 15 25 1.67 注入機 8 15 15 1.00 9 17 30 1.76 10 20 30 1.50 分類不可 11 6 15 2.50 12 6 20 3.33 13 20 20 1.00 14 10 25 2.50 15 10 15 1.50 16 9 15 1.67 17 15 30 2.00 18 20 20 1.00 19 - 15 - 20 20 20 1.00 21 20 20 1.00 22 - 15 - 23 1.00 分類不可 分類不可 分類不可 分類不可 分類不可 分類不可 分類不可 中央監視装置(CRT) 地区監視装置 構造物 自家発電設備 監視・操作盤 中央監視装置(CRT) 監視・操作盤 動力設備 電磁流量計 水質センサー 中央監視制御装置 次亜 PAC・苛性 原水・浄水 汚水 通信設備(無線機、テレメータ) 浄水・排水処理設備 受変電設備 鉛蓄電池 アルカリ蓄電池 設備 建築付帯、その他 細分類 土木構造物 建築構造物 ポンプ設備 薬品注入設備 無停電電源装置 計装設備 ローカル監視設備 水色:採用、灰色:不採用 (4)更新想定年度の設定 ①構造物・設備 ・更新想定年度は取得年度に更新年数を加えた年度に設定 ・更新想定年度が平成24 年度以前の場合には、平成 25 年度に更新することとして設定 ・算出期間内にて、更新年数に応じて繰り返し更新するものとして更新需要額を算出 ②管路 ・取得年度に更新年数を加えた年度に設定 ・更新想定年度が平成24 年度以前の場合には、平成 25 年度に更新することとして設定 ・更新年数が不明の管路に対しては布設年度に40 年(法定耐用年数)を加えた年度に設定 ・取得年度が不明の管路に対しては平成25 年度に更新することとして設定 ・算出期間内にて、1 回分の更新需要額を算出(今後更新する管路の更新基準年数は 100 年) (5)計算からの除外(C案) ・休止、廃止が予定されている施設の資産を計算から除外 (6)水需要を考慮した施設規模の適正化(ダウンサイジング)を反映(C案) ・構造物・設備に対して、更新費用に水需要減少分として0.8 を乗じた (0.8=平成 42 年度時点水需要予測(150 万㎥/日)/現在公称能力(233 万㎥/日)に対して 撤去費用等(×1.25)を考慮し、設定) ・管路に対しては、ダウンサイジング分を考慮しない資料2
3.算出結果
A案 法定耐用年数で全ての資産を更新した場合(上水) A案 法定耐用年数で全ての資産を更新した場合(工水) ・100 年間の総額 2 兆 7,185 億円 ・年平均額 27,185 百万円 ・100 年間の総額 4,555 億円 ・年平均額 4,555 百万円 平成25年度から100年間の更新需要比率 土木構造物 64,599 14% 建築構造物 19,386 4% 機械 73,042 16% 管路 210,100 47% 電気 70,970 16% 建築付帯 5,990 1% 計装 5,267 1% その他 6,128 1% 上段:種別 中段:更新費用(百万円) 下段:比率(%) 平成25年度から100年間の更新需要比率 土木構造物 517,909 19% 建築構造物 418,076 15% 機械 519,936 19% 管路 507,876 19% 電気 593,643 23% 計装 55,388 2% 建築付帯 66,192 2% その他 39,448 1% 上段:種別 中段:更新費用(百万円) 下段:比率(%) 平均値 27,185 百万円 平均値 4,555 百万円B案 更新基準年数で全ての資産を更新した場合(上水) B案 更新基準年数で全ての資産を更新した場合(工水) ・100 年間の総額 1 兆 9,503 億円 ・年平均額 19,503 百万円 平成25年度から100年間の更新需要比率 土木構造物 305,077 16% 建築構造物 248,699 13% 機械 300,506 15% 管路 507,876 26% 電気 448,166 23% 計装 35,142 2% 建築付帯 65,708 3% その他 39,138 2% 上段:種別 中段:更新費用(百万円) 下段:比率(%) 平成25年度から100年間の更新需要比率 管路 210,100 53% 電気 53,514 13% 機械 49,526 13% 土木構造物 45,418 12% 建築構造物 15,533 4% 建築付帯 5,923 2% 計装 3,422 1% その他 6,435 2% ・100 年間の総額 3,899 億円 ・年平均額 3,899 百万円 上段:種別 中段:更新費用(百万円) 下段:比率(%) A案と比較して、更新需要の総額は 7,682 億円(7,682 百万円/年)減少 A案と比較して、更新需要の総額は 656 億円(656 百万円/年)減少 平均値 19,503 百万円 平均値 3,899 百万円
C案 休廃止・ダウンサイジングを反映した場合(上水) C案 休廃止・ダウンサイジングを反映した場合(工水) ・100 年間の総額 1 兆 5,441 億円 ・年平均額 15,441 百万円 B案と比較して、更新需要の総額は 4,062 億円(4,062 百万円/年)減少 B案と比較して、更新需要の総額は 695 億円(695 百万円/年)減少 平成25年度から100年間の更新需要比率 電気 40,280 13% 機械 22,375 7% 土木構造物 34,755 11% 建築構造物 11,694 4% 管路 204,903 63% 建築付帯 3,691 1% 計装 2,210 1% その他 468 0% ・100 年間の総額 3,204 億円 ・年平均額 3,204 百万円 平成25年度から100年間の更新需要比率 土木構造物 229,654 15% 建築構造物 189,340 12% 機械 221,307 14% 管路 490,256 31% 電気 336,360 22% 計装 25,917 2% 建築付帯 42,371 3% その他 8,896 1% 上段:種別 中段:更新費用(百万円) 下段:比率(%) 上段:種別 中段:更新費用(百万円) 下段:比率(%) 平均値 15,441 百万円 平均値 5,042 百万円 平均値 1,366 百万円