The Chemical Society of Japan
NII-Electronic Library Service The Chemioal Sooiety of Japan
口 講 座 口
講 座
匸
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そ
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め たの
2
フ
ァ
ラ デ
ー
定
数
TAMAMUSHI Relta玉 虫 伶 太
フ ァラ デ
ー
の 電気分解の 法則と フ ァ ラデー
定 数 との関 連 な らびに その 物理的意 義 を歴史的に辿る と共に,
ファラ デー
の法 則に基づい てフ ァラ デー
定数 を実験 的に求め る方法の古 典 的 な例を紹 介 する。
“
電 子 が 持 つ 電 気量 の 絶 対 値 は1mol 当
り96500C
(
クー
ロ ン)
で ある。
96500
C
/mol をフ ァ ラ デー
定 数とい い , 記号F
で表す”。
これ は高校
教科
書 化 学IB
の記 載 例で あ る。 現在
, 国際
的 に認め ら れて い るフ ァ ラデー
定 数の定義
はF
=
eNA (e は電気素
量,N
、 は ア ボガ ドロ 定 数 )で あるから,
高 校 教 科 書の記 載はこ の定義
をい い か え た も の だ が, この記事か らだけで はな ぜマ イケ ル・
フ ァ ラデー
(Michael
Faraday
)
の名
前 がつ い てい る の か,
どの よう ないき さつ で この定義
に 到 達し たのか, フ ァ ラデー
定 数は化 学に お い て ど の ような役 割を果してい るの か, とい っ た背 景は 何も見えてこ ない。
そ こで,
フ ァ ラデー
定 数の決 定 を巡っ て の研 究 者の努力
の一
端を辿りながら,
この有名
な定 数の化 学に おけ る意義
を考
え て み よ う。1
フ ァ ラ デー
の法則
化 学の分 野で フ ァ ラデ
ー
の法 則 と言
えば, そ れ は電気
分解
(以下, 電 解 とい う)に関
す る もの を 指すの が普 通であ る。
フ ァ ラデー
定 教は, こ の法則
に端
を発 する。 フ ァ ラ デー
は1830
年代
に, 電 気が化 学 反 応に及ぼ す 影響
を調べ て,
電 解 生 成 物 は電極
の付
近に現れ る こ と を明ら か にす ると共 に, 生成物
の 量 と電 気量 と の関係
につ い て次の よ う な主旨
の法則
を提 出 した1) 。(
1
) 電 流の化学
的な作 用,
っ ま り電 解で生ず 化 学 と教 育 46 巻8号 Cl998年〉 ロ絵Faraday
が使っ た電 量 計 (voltameter )。 る物 質の量は通し た電気
の量 に厳密
に比 例 する。(
2
) 種々 の化 合 物を同じ電気
量 で電解
す ると き, 各生成物
の量は そ れ ら の 「化 学 当量」に比 例 する。こ こ で い う
「
化 学当
量」と は,1mol
の 水 素 原 子 また は (1
/2
)mol の酸 素 原子 と結 合 する元 素 ま た は 化合 物の量の こ と で ある。 物 質の 量 を 表す 「当 量 」 とい う概
念は, 化 学で は極め て便利
に使
わ れ て き たが, その便宜性
のた めにあい まい なこ とが多く, 現在
で は その 使 用 を避 ける よ うに勧
告 されて い る。 とこ ろ で, 今 世 紀 前 半には,
物 質量 を表 すモ ル の概念
や“
物
理量= 数値
x 単 位”
とい う関 係の重 要 性が明 確になっ て い な か った。 そ の 493 N工 工一
Eleotronio Library□
講
結果
,種
々の物 理 量の表記
に は統
一
性がな く, た とえば,今
日の ア ボガ ドロ定数 に当たる物 理 量を 「ア ボ ガ ドロ数 」と呼ん で無
次 元の数 値 として扱 うこ と が多か っ た。本稿
で ファ ラデー
定 数に関す る 歴史
的 経 過を述べ るに当っ て は, 「当量」, 「ア ボガ ドロ 数 」 など ,今
日で は ほ と ん ど死 語となっ た用 語 を使わざる を え ない が,
そ れらには 「 」 を付けて,
正 式な 用語との 区 別を 明確に して お く。今 世 紀に はい る と, ア メ リ カ の
物
理化 学 者ノイ ス (Arthur
A
,
Noyes
)は1902 年
に出
版した著 書2〕 の中でフ ァ ラ デー
の法則
を, “ 電解
質に電 気 を 通 す と各
電 極で は化学変
化が起こるが , 「化
学当
量」で表 した変化
量 は通した 電 気 量に厳密
に比 例し, それ以 外の条
件に は無 関 係で あ る ” と要 約 し,
Q
=
QV
(
1
) の形 (記 号は原 文の ま ま)の数 式で表し た。 こ こ で,Q
は通過し た電 気 量,
N
は電極
で 変 化 した 物 質の 量 を 「当量数 」で表した もの で, 問 題の物 質の質 量 m を, その物 質の1
「当
量」の質 量 m . で割
っ た無
次 元の 数 値である。」〜「
=
m!
me(
2
) ま たQ
は, あ ら ゆ る物
質 につ い て, そ の1
「
当 量」を電 気 分解
す るの に要 する電 気 量 (約
96500
C
)に等 し く,
当 時は「
電 気 化 学 定数
(electro−
chemical constant )」 と呼ばれてい た。
その後, この電 気 量に 「フ ァ ラ デー
」 とい う名称
をつ けて 電気量の 単 位 とみ な し, それ を 記 号F
で 表す慣 習が続い たが,今
で は「
フ ァ ラデー
」
とい う電 気 量の単 位は認め ら れて い ない 。フ ァラデ
ー
の法 則は,1
価
のイ オン1
個が持っ 電荷
の絶 対 値は, イオンの種 類や温 度,
圧 力 など の条
件に か かわ りな く普
遍 的に一
定で, そ れ は ま さに電気
の原 子と もい うべ き もの で あるこ と を 示 唆し た が, その物 理 的 意義
が よ り明 確にな るの は1890
年 代に トム ソ ン (J
,
J
.
Thomson
)が電子 を 発 見 して か らである。 た と え ば, フ ラ ンス の物
理化
学 者ペ ラ ン(
Jean
Perrin
)は , ブ ラ ウン 運 動 に関 する論 文3〕や名 著 Les
Atomes
”) の中
で, 電 気の原子 す な わ ち電 子の電 荷の絶 対 値は 「ファ ラ 494 座 口 デー
」
を「
アボ ガ ドロ数」
で割
っ た もの に等
しい こ とを明 記 して , 「フ ァ ラデー
」 と 「ア ボ ガ ドロ 数 」 とが わか っ てい れ ば電子の 電荷
が求め ら るこ とを指 摘してい る。 これ と同じ内 容を, 現 在 採 用 さ れ てい る物
理定 数 (電子 の電 荷の絶
対 値に対し て は電荷
素量 e, 「ア ボ ガ ドロ数 」に対して は ア ボガ ドロ定 数 蕊 , 「フ ァ ラ デー
J
に対 して はフ ァ ラデー
定 数F
)を使っ て表 現 する とFF
衂
(
3
) と な る。 こ の関 係は, 電気
も物
質と同 様,
原子論的
な性 格 を 持つ こと を 示 す重 要 な 結 果である と共 に, 冒頭に述べ たフ ァラデー
定 数の定義
F
=
ε鵡 の もとになる もの で ある。
現 行の教
科書
化 学IB
では 「当
量」とい う用語
を避けてフ ァ ラデー
の法則
を記 述して ある が,
残念
な が ら基 本 的 な 点で訂正 を要 する箇 所が ある5} こ と を付 記して お く。2
フ ァラ デー
の法
則
に基
づく
フ ァラデー
定 数
の決定
(
1
)お よび (2
)式で表さ れ るフ ァ ラ デー
の法 則 か ら明ら か な ように, 電 気 分解
に おい て流 れ た 電 気 量Q
と反応し た物 質の質量 m と を測 定し,
さ らに そ の物質
1
「
当 量 」の 質 量 解.
(結 局はモ ル 質 量 )が わ かっ て いれ ばフ ァ ラ デー
定 数 ((1
)式 に お け る係ta
Q
)を決め る こ と がで きる。
この よ うに, モ ル質 量 が正確にわか っ てい る物 質の電 気 分解
によ る決 定 を直接法
と呼んで お こう。 そ の 決 定 精 度 はQ
と m の 測 定精度
な らびに m . の精度
で決
ま るか ら, そ れ ら を如何
にして正 確に測定
す るか が重 要 な 問 題 と な る 。まず
,
ど の よ う な電解
反 応 を使えばよい かを考 え よ う。 先に述べ た よ うに フ ァラデー
の法 則は, 極めて一
般 的に成
立 する もの である か ら, 原理的 に は ど んな 電 解反応で も よい はずで ある。 あ る電 解 槽に電 気 量 {P
を流 し た とき,
注目 す る電 極 面 で複 数の 電解
反応が同 時に並 行し て進 行し た とす る と,
各反応に費
や さ れ た電 気 量 と, そ れ ぞ れの 反 応 生 成物
の 量 との間にはフ ァ ラデー
の 法 則が厳 密に成
立す る。 そ こ で,
各反応にお け る生 成 物の 量 とそ れに対 応す る電 気量 と を 正確に測 定で き れ 化学と 教育 46巻 8 号 (1998 年1The Chemical Society of Japan
NII-Electronic Library Service The Chemioal Sooiety of Japan
[ 講 ば, そ れ か らファ ラ デ
ー
定 数が求め ら れ る こ とに な る。 しか し, わ れ わ れが正 確に知る こと が で き る電 気 量は各 反 応に対 応 する電 気 量の総 和 だけ で ある。
従っ て,
フ ァ ラデー
定 数 を 決め る の に使う 電解
反応はつ ぎの条件
を満
足す る必 要が ある :電解
反 応が一
種 類だ けで再 現 性が よく,
反 応 生 成 物 が二次 的 な 変 化 な ど を起こさず, そ の量 を 正 確に 定 量で きると共に,
生 成 物のモ ル 質 量が 正確にわ かっ て い な け ればな ら ない。
銀イ オンを
含
む水溶液
か ら白金電極.
ヒに銀が析
出す る電解
還元 反応Ag
+ (aq )十e−
}Ag
(
4
) およ び ヨ ウ素と ヨ ウ化 物イ オ ンと の間の電 解 酸 化 還 元 反 応12
−
←2e
−
=21
−
(5
) は.
ヒ記の条
件
を0 .
01
%の確
か さ で満足
す るこ と が知られ て い る。
銀の 電 解 析 出 量を質 量 測 定で決 め る装 置が銀 電 量 計 (図1
), ヨ ウ素 とヨ ウ化物
イ オン との電 解酸化還 元で生成
ま た は消 滅す るヨ ウ素
の 量 を滴
定で決め る装 置が ヨ ウ素 電 量 計 (図2
)であ る。次の問 題は電 気量の測
定
である。 ある電解
槽に 電 流1
を時間 t
だ け 流 し た と き, 電解
槽に流れ た電 気 量Q
は一
.
般 に吋
ヤ
・t
(・) で
与
え ら れ る。特
に, 電 流が時 間 的に変 動し ない一
定 電 流であるな ら ば,Q
=lt
(7
) 多 孔 性 隔 壁 白 金 容 器 図1
銀 電 量 計.
陽 極 :銀,
陰 極 :白 金,
電 解 液,
IO
−20
gの硝 酸 銀を100
Clm3
の蒸 留 水に溶か し た も の。
多 孔 性 隔 膜は,
電 解 中に陽 極 部に生 成す る 不 溶 性 物 質が陰 極 部に混 入 するの を 防 ぐ ため の もの である. 化 学と教 育 46巻 8号 (ig98 年 〉 座 : の 関 係が成 立す る。
し たが っ て , 電 気量 を 正確
に 知る方法
の一
つ は, 厳密
に制御
さ れ た一
定 電 流 を 電 解 槽に流し て, その電 流の大き さ お よ び通電
時 間を 正確に測 定するこ と で ある。 電流の 大 き さ を 正確に 知 るに は, 問 題の電流
を標
準抵
抗 に流し て, オー
ム の 法則
に し た が っ て抵抗
の両 端に生 ず る電位
差を高精度
の電位
差計
で測れ ば よい。
とこ ろで, 電 流の単 位ア ンペ ア は,
今 口で は電 磁 気 学 的に定 義 さ れ て い るが,1908
年か ら1948
年の 間は次の よ うに決め られ てい た :特
定の条件
下で,硝
酸銀
水溶液
か ら毎 秒
0
.
00111800g
の銀 を析 出させ る不変電 流 を1
ア ン ペ ア と す る。 こ の定義
によ れ ば, 電 解 反 応で0 .
OOIIlsoo
g の 銀 を 析 出さ せ る電 気 量が1
クー
ロ ン であるか ら,
上 記 の銀 電 量 計を使
っ て電気
量 を求め, (7
)式で計 算 し た結
果と照 ら し合せ ることが できる。
今 世 紀
前
半に は, 代 表 的な電 量 計を使っ て フ ァ ラ デー定
数を 正確
に求めるた めに 綿 密 な 測 定が試D
D
C
.
5
!
i
I
A
図2
ヨウ素 電 量 計Sl 。A
:白 金一
イ リジウム 薄 板の陽 極,
陽 極 液 : ヨウ化カ リ ウ ム水 溶 液,
C
:白 金一
イ リ ジ ウム薄板の陰極, 陰 極 液 : ヨ ウ化カ リ ウ ム 水 溶 液に 溶か し た ヨウ素の標 準 溶 液,D
:溶 液を注 入,
採取 す るガラス管。
495 N工 工一
Eleotronio Library[ 講 み ら れ たが, 基
本
的に は い ずれ も大 同 小異 なの で,
比 較 的 初 期の論 文 を 例と して紹 介 して お こ う。 図3
は,1914
年にBates
とVina16
)が発 表し た測 定回路の原理 を 示す もの である。 こ こ で,C
は電
量計
を直列
をつ ない だ部
分,R
は電量計に 流 れ る電 流 を調節
す る た めの可 変 抵 抗 器,A
と表 示 し た部
分は電 流を 正確に測 定す る た め の 回路 で,R
、は電 流測定
用 の標準
抵抗
,P
は電 位差
計 であ る。 図3
で は,C
部 分と して1
個の銀電 量計
C1
と1
個の ヨ ウ素 電 量計
C
, の2
個だ けを示 し た が, 原論
文で は幾
つ か の電 量 計が直
列につ な が っ てい る。 こ の回 路では各 電 量 計に正確
に同じ電 気 量が流れ る。この ように, 測
定
回路の原 理は単純
だ が, 電 流 測 定 用の標
準抵
抗や電位
差計
の校
正 に使う標
準 電 池に は当時
入手
で き た最
も信頼度
の高
い ものを 用 い , 電 流の漏 洩 防止のた めの絶 縁や標
準抵
抗お よ び標
準 電 池の温度変
動 によ る誤 差を防ぐ た めの恒
温 槽な どに細 心の注 意が払わ れ てい る。 ま た, 電 解 反 応 生 成 物の定 量 精 度 を高め るために, 試 薬の 精 製, 定量法の改 良な どにつ い て綿 密な研 究が行 わ れた。Bates
とVinal
は10
回 以 上の 測 定 (各 測 定 に お け る電 気 量は約
3
.
7
×103C
程
度 )を繰 り返 し,次
の よ う な結果
を報告
し てい る。同じ電
気
量で析 出す る銀 とヨ ウ素 との質量 比0 .
85017
1C
で析 出す るヨ ウ素の質量1
.
31502
(mg )aヨ ウ
素電
量計
か ら求め た「
ファ ラ デー
」 値b96
,
515
(
C
)
a 銀 電量計か ら求め た 「ファ ラデー
」 値c96
,484
(C
) a 実 用 的 な 「ファ ラデー
」の推 奨 値96
,
500
(C
)a a カ ッ コ内
の単位
は原論
文に はつ い てい ない。 b ヨ ウ素の原 子 量 を126 .
92
とする。 c 銀の 原 子 量 を107 .
88
とする。3
今
日の フ ァ ラ デー
定
数
現 在,
国 際 的に採 用さ れ てい るフ ァ ラデー
定 数 はF
=9
.
6485309
(29
)×104
C
mol−
1[
カ ッ コ 内の 数 字は, 最 後の有 効 数 字 に付 け ら れ た不確
か さ496
座 1] 図3
フ ァラデー
定 数 測定用 回路の原 理 図。V
:高電 圧直 流 電源 (Bates
とVina1
は 240V
の 電 池を使 用 ),R
:可 変 抵 抗,C
:電 量 計 部,C
,:銀 電 量 計,C
,:ヨ ウ素 電量計,A
:電 流測定 部,Rs
:標 準 抵 抗,P
:電 位 差 計。
(標
準 偏 差 )]
で, ア ボ ガ ドロ定 数と電気素
量 との積
に等
しい 7}8} 。 これ は,CODATA
(国際学術
連 合 総会
科 学と工業の デー
タ委 員 会 )の基本 定 数に関
す る作業
グルー
プ が1986
年
に勧
告 し た もの だ が, フ ァラ デー
の法 則に基づ く直 接 法で得
ら れ た 結 果で はな く, 選 ばれた 基 本 定 数 間の関 係が相 互 に矛 盾 し ない よ うに基 本 定 数 全 般に亘 るデー
タ解 析 を 行っ て算 出 し たい わば間 接 法に よ る値で あ る。今
世紀
の半
ば 頃ま で は, 電 気 素 量や アボガ ド ロ定数
の精度
は余
り高
く な く , ファ ラデー
定数
は 主 に直
接 法で実
験 的に決め ら れ てい た。今
世 紀 後半
に入 っ て の直接
法による フ ァ ラデー定数
の正確
さ は,前
項で述べ たBates
とVinal
の結 果 よ り か な り高
く なっ てい る が, そ れ に も か か わ らず 間接
法によ る値
が採
用さ れ たの は,今
日 で は,直接
法よりも間 接 法の方が不 確か さが少ない と考え ら れ て い る か らである。 し か し,Bates
とVinal
が80
年 以 上 前に得 た 「フ ァ ラ デー
」の数 値 と現 在 の値
と の差は僅かO
.
03
% 程 度 に過 ぎない の は驚 くべ きこと で,当時
の測定
の綿密
さ を如 実に物
語 っ て い る。ファ ラ デ
ー定数
の決定
に使
わ れ た銀 電 量計
やヨ ウ素
電 量計は, その名
が 示 す と お り, 回路に流れ た電気
量を 正確
に求め るの に利
用さ れ て き た が, この種の電 気 化 学 的 な電 量 計は, 電 子 素 子 を利 用 した 積 分 回 路の発 達に伴っ て, 最 近では ほ と ん ど使
わ れ な く なっ た。 しか し, こ こ で説明 し た よう 化学と教育 46巻呂号 (ISS8年 )The Chemical Society of Japan
NII-Electronic Library Service The Chemioal Sooiety of Japan
] 講 座 コ なフ ァ ラ デ
ー
定 数 決 定の た め の研究
は, そ れに関連
し た種々 の測 定の精 度の 向上に大き な貢 献 をし て きた とい え る。
ま た, フ ァラ デー
定 数は元 来フ ァラデー
の法則
に基づ く もの である こ とを考
え る と, 電気
分解
に よ る直 接 法の 精 度 を高
め る研究
の 意義
は今 後も大きい であろう。
本 稿を仕 上 げるに当たっ て
貴
重な ご意 見 を寄せ ら れ た佐 藤 弦 氏 (上 智 大 学名
誉教授
)に厚 く感 謝 する。 参考文 献 1) たと えばJ、
M.
トー
マ ス著,
丁』
原 秀 昭・
黒田玲子 訳,
マ イ ケル・
フ ァ ラ デー
天 才科学者の軌跡、
p.
52,
東京 化 学 同 人 (199の.
2) A
.
A.
Noyes,
The
General
Principles of PhysicalSci.
ence
,
pp.
114 120 (1902),
3) M
,
J.
Perrin,
Ann.
Chim.
et Phys.
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8mじ
Sξries,
Septern・
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1909;David M.
Knight(arranged ),
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American ElscvierPub靂ishing Compan ン
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Jean
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Les Atomes,
Librairie F61ix Alcan〔1913) ;ジャ ン
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玉 蟲 文一
訳:原 子、
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岩波 文庫 (1978)
5) 渡辺 正
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6> Stuart J